ぜろ 2016-08-30 23:43:50 |
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「佐藤さん、お子さん可愛いですか?」
彼の仮の名前を言うなら、、
佐藤史也。とゆーことにしよう。
カードに書いてあった名前を、
私は何となく覚えていて質問した
「そうだなぁ…今はいやいや期に入っちゃって、結構嫌われてるかも。女の子だし、可愛いっちゃー可愛いけどね」
彼は軽く笑いながらそう答えた。
子供が好きだった私には、彼のその答えに今きっと幸せなんだろうなぁ 、とか、ふと考えていた
「ありがとうございましたぁ」
いつもの佐藤さんのダルそうな声。
私が店から帰る時、改めて最初に感じたのは、佐藤さんは私より背が低いということ。
「鈴木さん結構背高くない?」
鈴木あかり。
遅くなりましたが「私」の名前。
そうですか?ヒールはいてるからですよ
なんて言いながら自転車へ向かう。
「じゃあ気を付けて帰ってね」
はい。
と答えてその日は自転車で家まで何事もなく帰った、
特に、佐藤さんのことを再び思い出すこともなく。
ーーこれは確か三年前
ああなるとは思わなかった。
私はスゴく久々に彼の店に行った。
夏になる一歩手前くらいの日。
佐藤さんは久しぶりなことに対して
何も言わず私を受け入れた。
そして私たちは近頃の状況や他愛もない話をしながら時間が経っていく
「あ…そろそろ私、帰りますね」
「ちょい待って」
ん?と思って見ると
佐藤さんのスマホのラインが見えた
「ラインやってる?」
「あ、はい、まぁ…。」
「じゃあさ、ID教えてよ
俺、鈴木さんのこと気になってるから。」
例えば、付き合った人が
暴力団関系者だったり
凄くネガティブ体質で
自傷行為をしてる人だったり
何でもないことでも
すぐ女性を怒鳴り付ける人だったり
まぁ、そんなこんなで
他の同年代よりは色々な経験をしてるんじゃないかと思う。
だからこそ、
次は妻子持ちか。とも思った
それでも、「…いいですよ」
なんて安易に言ったのは、きっと私が寂しい人間だったから、そしてとてもバカだったからだと思う
罪悪感は感じていた。
けれど、その時自分では気づかなかったくらいの少しの……期待と好奇心。
ー幸せにはもうなれないんだろうな
ふと、頭の隅でそう思った
緑の光が目に入る
最近ラインなんてしていなかったからすぐ気がついた
彼だ。
[今日ありがとね!
俺とライン交換してくれるなんて。
仕事終わったからさ、
早速だけど、今から会えない?]
すぐにラインに目を通して
少し返信に迷った。
なぜなら、私は箱入り娘で
夜に出掛けるとなると親が少しうるさいのだ
[うーん…少しでも、いいですか?]
親には、ちょっと近くの本屋に行ってくるとか言えば大丈夫だろう。
私はそう返信をしてすぐに外へ出る準備をした
待ち合わせの場所には
先に佐藤さんがいた。
「よっ」
佐藤さんは右手をあげ
好奇心を含んだ目で私を見ている。
なんだか普段とは違った感じに
少し照れてしまう。
私服だからかな…
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