N 2016-08-12 11:55:34 ID:a5fa9927c |
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2016年のやつ
「背中に文字書き当てゲームをする学生」
先に上がってるぞ
(颯太へと声を掛け、二階へ向かう。この家に居候し、最初は戸惑った家事も、バアに教わりながら着々と身につけている。そのくらいの月日が経っていたし、二人は家族のように俺に接してくれていた。奥にある颯太の部屋を開けて、綺麗に片付いているのを、ぐるりと確認する。自分の仕事に、ひとつ満足の息をこぼせば、中へ足を踏み出して)
待つ間、ゲームでもやるか。
(昨日新しく買ったゲーム。颯太がプレイしている様子を横で見ていたので、操作の仕方は分かっている。フローリングに座り、卓の上に置いていたゲーム機を手にすれば、そのままグルリと身を反転。腕をベッドの方へ乗せた。背中からではなく、胸の方からベッドに身を寄せて電源ボタンを押し。一拍後、画面が白く光って)
颯太:
(先に上がったあいつ用と自分用のコップを取り出し、ドプドプとお茶を注いだ。夏真っ盛りな今、欠かせない氷もそれぞれのコップに二粒、飲料の中へ沈ませて。お茶を冷蔵庫の中にしまったのち、ちかの後を追うように自分の部屋へと行く。自室のドアを開けば、床に座った状態で俺のベッドにもたれかかっているちかが視界に入ってきた)
なんのゲームしてんの?
(そう問いかけながら近づき、画面を覗き込んで)
あぁ、昨日プレイしていたやつか
(納得したようにうなづき、手にしていたコップを卓の上に置く。このまま横で見ていてもいいが、ふと、あれが頭に浮かんだ)
なあちか、あれしよ。背中に文字書いて当てるゲーム。ちかはそのままゲームしててもいいから。
(昨日、颯太がプレイしながら教えてくれた事を思い出しつつ、ボタンを操ってゲームを進めていき。聞こえたトントンと床を歩く足音。ドアが開き、あいつが中に入ってきた。こちらへ近づき疑問を提示してきたが、答えずともすぐに分かったらしく離れていく気配と共に、遊びの提案が降ってきた)
おう、いいぜー。
(颯太が書きやすいようにグデーっとしていた体制を、少しだけ起き上がらせて)
ご自由に
(背中を伸ばしたちかの後ろにつくには卓との間が狭かったので、スライドする。ちかの背中に向き合って、さて、何を書こうかと悩んだのは一瞬で。適当に浮かんだのをトツトツと指を滑らせていく。手始めに一つの文字から、と声をかけて。「あ」「さ」「び」「ぬ」と、ちかが間を置かずに当てていく。次は二文字。「くん」「いぬ」「わー」)
おう。
(背中を滑っていく指先にくすぐったさを感じ、少し身じろいで。最初は一つの文字かららしい。這われる感覚に、やはりくすぐったさを感じながらも解いていく。一つの単語を当てていくごとに、与えられる指さきの刺激に背中は慣れていった。力んでいた肩から力が抜け、リラックスした状態で答えていれば、今度は二文字でいくらしい)
くん…いぬ…わー。楽勝だ。
(正解していくごとに楽しくなって、キュッと口端が上がった)
(二文字、これもイージーらしい。固くなっていた肩から力を抜けさせ、次第に弛緩する様子が可笑しく。笑い混じりの吐息をついて)
じゃあ一二三文字、ランダムでいくぞー。
(まずは一文字。横に一を引いて、離す。今度は引いた一線より若干上からはじまり、下へ向かって、そのまま左横、指を離さずそのまま右に行き、輪を描くようにしならせれば徐に指を離す。そして、とある一箇所へ点を置く。続いて二文字目。"一"の線を、間隔をあけて二つ引く。一番上から、一番下へとおろして左へいけば、グルリと回って右へ方向転換。まっすぐな線の向こう側へ終点を決めて。三文字目。ちょこんと点を右下に、控えめに下がらせる。そして点との空白をあけて横に一線、そのまま左下へ向かい、道を戻るようにまた上へ。道半ばで指を停止して、二股になるように下へ真っすぐ、降って行ったあと右へ急カーブ。少し進んだ先に終着点を見つければ、そのまま指を離して)
(いつの間にかゲームのスタートボタンを押して、背中に集中していた。次は何を書くんだ、三文字はまだ楽勝だろ。と期待しながら、描かれる指先に意識が追う。集中したせいだろうか、指先の力が先ほどよりも強く感じられる。書き終わったあいつの指が背中から離れた。おそらく三文字分)
おまえ
正解。
(難なく当てたちかに、つぎの文字を書く。耳の奥からドクドクと心臓の鼓動が聞こえる。徐々にその音が近づいて来ているかのように、俺の中でいっぱいになっていくようで)
(今度は一文字らしい。背中のど真ん中にでっかく書かれた「が」。それを口に出すと、背後から、ん、という返事。背中からの刺激が心地よくて、ゲーム機から手を離す。空いた手を絡み合わせるようにして組んだら、手の上に頭を預けるように乗せて)
(横一線。多分こいつ一発で理解しないから、おそらく何度も書く羽目になることを予感して、くるりと指を滑らせる。指で伝えていく。おもむろに頭をベッドに倒したあいつに腕が跳ねて。それを誤魔化すようにさっきよりも早めの速度で"二"を引いてしまう。もう頭が爆発するぐらいにテンパってしまい、額を目の前にある背中に押し付けるとともに、最後を書ききって)
(まどろんでいた所に後ろから何か、押し付けられた。あったかいそれは颯太の額だろうか。晒された首元に、髪らしきものが落ちてきて少しくすぐってぇ。書き終わったのか、指先が背中にくっついたまま動きを止めている。かと思えば、脱力するようにパタリと床に落ちた震動が微かに伝わってきた。終始ゆっくりと這っていたあいつの指が、途中で慌てたように急ピッチで進んでいたのが、なんだか面白かった。肩を震わせていると「答えは?」と背中からくぐもった声。急かしてくる颯太に言葉を紡いだ)
すき
(あいつの口から好き、という言葉がこぼれて、心臓が前に飛び出すようにドクンと震えた。予想できていたことなのに、破壊力がやばい。身体中の血が上に昇ってきたかのように頭が破裂しそうな感覚。今度こそ頭が爆発する。それをやり過ごすためにグリグリと頭をちかに押し付けてみるが、余計に熱くなっただけで。思わず口から唸り声が出てきてしまう。まだ理解してなさそうなこいつに、もう一度、"すき"という文字を書いて)
すき。すき、すき。すき…。
(さっきから繰り返される同じ綴りに言葉を発してみるが、颯太から何も返事がない。頭をぐりぐりされ、挙句う"ぐぐぐぐと呻かれた時は何だ?と思ってしまったが、これこそ何だ。合っているのになぜ繰り返す。早く進みやがれ、と未だにグリグリしながら同じ文字を反復しようとする男を押しやるために勢いよく身を起こし、後ろを振り向いて)
何ださっきから。はやく…、
(途中で口をつぐんでしまう。颯太の顔が赤くなっているのが一目で分かったからだ。どうしたこいつ、と目を細め見つめていれば、更に赤みが増していって)
熱でもあるのか?
(狼狽えているこいつに近づき、額に手をピタッと当ててみれば、異常なほど熱かった。さっきからぼんやりしているし、心なしか目も潤んでいるし。熱か、それとも熱中症かもしれないと慌て)
(気持ちがいっぱいいっぱいだった俺は、急にガバリと振り向いてきたチカにビックリして、固まってしまった。意識がはっきりしてきた時には、何故だかチカが困った様に手をバタバタオロオロさせていた。バタついている手から風が起こって、微かに顔や首もとに吹いてくる。頬の熱を撫でていって気持ちいい)
(ふいに、ゆっくりと目を閉じた颯太。意味もなくバタつかせていた体を止め、顔色を見る。先ほどよりも幾分か赤みが引いている様に見えて、ホッと息が漏れ)
(送られてくる風を心地よく思っていれば、突然やんでしまった。閉じていた目を片方だけ薄く開いたら、チカが覗き込んでくる様にこちらを窺い見ていた。距離の近さに、思わず跳ねてしまい。ドキドキしている胸に手をあてて、今日のチカは心臓に悪すぎる、と毒づいて。いや、俺が勝手に舞い上がっているだけだけど。わかってる。でも…さあ、)
気づけよ、鈍感め。
(ついでに小声で"ばーか"と罵ってやった)
はっ?……今日のおまえ変だぞ。病院行くか?
(いきなり悪態をついてきた颯太に驚きの声を上げて。怒りより先に、こやつの頭が大丈夫なのかと心配になって病院を勧めた。こんなのは今までなくて、どう反応してやればいいのか分からない。近かった顔を後ろに引いた。膝小僧をあわせ、抱え込むように丸くなって座り)
あっ、やめて、それ!しょんぼりしてるみたいで可愛いから。ほんとやめて!!
(告白したことでリミッターが外れたのか、今まで秘めていた思いの言葉がぽろぽろ口から出て行く。抱きしめたい衝動を自分で消化するために腕と手を使って、顔や頭にうがぁぁぁっと衝動のままに搔きまわした)
【ひとりごと】
サッとやってサッと終わると思ってたけど、長くなってしまった…。
一人二役でやるのって展開が頭にある分、確定ロルみたいなのをナチュラルにやっちまって や、やべえ…!ってなりますね。最初のロルで気づいてよかった( ´˂˃` )
まあ、途中から開き直って好き勝手に進ませた笑。これは一人でやるからできる方法だな〜。それか気心の知れた人とやるとき。
〜〜て。っていう進行形ロル苦手。
バトンタッチするとき進行形で終わるのはいいけど、文の途中で使うのがなあ…違和感かんじるんだあ〜〜〜(私が下手っぴなだけ)
人様とやるときはそうでもないけど、一人だと余計そう感じる。結果好きにやるよね。
正直最後の方だけ使えばいいんじゃないかと思ってる\\\└('ω')┘////
三人称じゃないけど、これって小説ロルに属するんかなあ。よく分からん…。
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