貴方は罪に気付かない。
あなたの罪は、過去を誤ったことではない。
現在を違ったわけでもない。それでもあなたには罪がある。誰にも責めることのできない罪がある。
私は罪にさからえない。
わたしの罪は、過去を悲しんだことではない。
現在をねじ曲げ、それでもあなたを求めることが罪なのだから。
これは悲劇の前世を覚えている三人と、
すべて忘れてしまった三人のおはなし。
時は現代。場は高校。
それぞれ平等に学生という時間の中、自由に、平和に勉学や青春に励む。
そんなありきたりな世界。前だけを見て生活をするうら若き青年たちはそれをあたりまえのように謳歌する。遡及なんて知らない無垢な瞳は前を見る。
ここに三人。神様の気紛れで前世の記憶を持ったまま転生した青年がおりました。三人はそれぞれ、前世で最も愛する恋人がいたのですが、皆が皆。悲劇や不運に苛まれバッドエンドを迎えたものたちでした。
やり直しができる。そんな奇跡をおこせるのかもしれません。
しかし。
その片割れはすべてを忘れたまま転生したのです。
これは、バッドエンドを繰り返す悲劇の開幕だったのでした。
物語よりはるかにやんちゃなロミオとジュリエット。
物語よりはるかに素直になれなかった人魚と王子。
物語よりもはるかに一途で、残酷なあかずきんとオオカミ。
奇跡がおきない限り、誰も報われない物語。
れすきん。