ビターチョコレート 2016-07-27 23:53:39 |
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…ッ、アタシの悩みよりも、理人は自分の欲ばっかりー。
(食べても食べても太らない彼の事が羨ましく半分僻みになっていた悩みの話題すぐに終わってしまうと、ぶーぶー文句言いながら耳に感じる熱にほんのり頬染め。彼が近くにいると彼の事だけで頭がいっぱいになってしまう恋愛脳であると自分がよくしっているからか、少しでも対抗しようと皿洗いに余計に集中して取り組み)
仕方ねぇだろ。巧が居ない間わりとそういう事ばっか考えてたんだし。
(尤もな指摘をされても構わずに邪魔を続けるばかりか平然と軽口を叩き、無論冗談の範疇ではあるのだが強ち間違っても居らず。終には服の下に手を入れながらも耳元で「それに俺が何言ったって巧は気にしてんじゃん」と何処と無く拗ねたような口調で囁き)
…ね、一人でシた?
(離れていた時も自分の事を考えていてくれたのだろうか、自惚れかもしれないが無意識に顔が綻んでしまって。遠回しに聞く事もできたのだが遠慮なしに単刀直入に問えば、答えが気に掛かるらしく返事を待つ間だけピタリと手を休め。侵入してきた手に軽く身を捩りながら「気になるの。巧にずーっと好きでいてほしいからァ…」と不意に振り返った先の顎のラインにちゅっと音を立ててキスし)
…何を?
(思いもよらない問い掛けを唐突に投げ掛けられると面食らって一瞬返答に詰まるも、密かに口角を上げると意味なんて分かりきっているにも関わらず白々しく問いを返し。相手の言葉と柔らかな唇の感触に一度手を止めると、片手を相手の頬に添えて此方を向かせやんわりと唇を重ね。「俺が好きなのは見た目だけじゃねぇんだけどな。まぁ最初は顔だったけど」と以前の事を思い出しながら笑みを浮かべて呟き)
もォ、馬鹿。真昼間からそんな事聞いてこないでよねッ。
(イエスかノーで返ってくるとばかり思っていたので質問に質問重ねられれば今更照れ臭そうな笑み溢し、自分が発端だった事は棚に上げ彼に全責任押し付ける様な言い回しで述べて。優しく重なった唇が離れると貪欲さが顔を出し、少しばかり物足りなさそうに舌舐めずり。気を取り直して前を向き終盤だった皿洗いを再開させては「懐かしー。アタシも最初は理人の顔だった、あのバーで一番イケメンだったからァ」と当時の記憶思い返しながら穏やかな口調で語り始め)
どっちが聞いてきたんだよ。
(はにかむ笑顔に変わらず鼓動は跳ね、甘ったるい雰囲気に中てられながらわざとらしく呆れたような口調で言い返し。一瞬目に映った官能的な相手の表情に思わず背筋が粟立つが、そこで相手が作業を再開してしまうとまるでお預けを食らったような気分で。しかし返って来た言葉は思いの外意外な物で、可笑しそうに目を細めては「へぇ、ノンケを誘って来たわりには随分浅い理由だったんだな」と冗談半分に指摘し)
…因みにアタシはシたよ。一人で。理人の事考えて、いっぱいシた。──なァんて言っても、何の事か分からない理人には関係ない話かァ。
(ご尤もな指摘に反省の色の無いへらりとした笑みで返し、一通りの洗い物終えてはタオルで手を拭きシンクの縁に背を預けて相手の方を振り返り。会えなかった期間の自分の行動振り返り白状したのだが、事情を察していないのなら仕方ないとばかりに話切り上げると態とらしく口角吊り上げて。額から頬にかけて何度か指先往復させて撫でながら懐かしむ瞳すぅと細め「顔って割と其の人の雰囲気滲んでるし、なんとなくこの人タイプぅ!みたいな感じだった。ノンケでも何でも絶対落としてみせる〜ッて意気込んでたしィ。でも気づいたらアタシの方が理人に落ちてたわ」と肩竦めて見せて)
…そうだな。
(振り返った相手から告げられた言葉に驚いたように僅かに目を見開き見詰めるも、直ぐに口元を歪めて笑むと短い同意の言葉のみ述べて。相手の言うままを想像してしまえば容易く崩壊し兼ねない脆い理性に心中苦笑しながら、その発言を紛れも無い誘い文句と受け取るとシンクの縁に両手をつき軽く啄むだけの口付けをし。余裕綽々と言った様子で近付いてきた当時の事を思えば、そんなにも意気込まれていたとは露知らず此方は完全に一度だけ遊んでやろうと非情なまでの不誠実さで接していたのが些か気を咎め。決まり悪そうに頭を掻くと「巧がそんなに本気だとは思わなかったな」と眉を下げて笑い)
それだけ?…つまんなァい。
(もう少し何か言葉で返してくるのかと思っていたがあっさり容認されてしまい、肩透かし食らったような間抜けな顔を見せ。柔い触れ合いだけで終わってしまったキスの事かそれとも淡々と返ってきた返事についてなのか、彼の腰に腕を回しては不満げな声で訴えながら胸辺りに頬擦りして。一度だけの肉体関係でも良かったが其れだけで済まなくなってしまったのも事実で「本気も本気。こんなにハマった相手なんて…理人だけ」と自然と表情緩ませては、彼の頭に手を伸ばし指通りのいい横髪に触れ)
俺だって結構我慢してんだよ。朝っぱらから盛ってほしくなかったらあんま煽んな。
(胸元で不服げな声を上げる相手に苦笑を浮かべて頭を撫でると、機嫌を直すよう懇願する意を込めて額に唇を寄せながら告げ。心地好く髪を撫でる手に自らの手を重ねて緩く握り込みそこへ頬を擦り寄せ、相手につられるようにして口元に笑みを浮かべると「…まさか巧に惚れるとは思ってなかったけどな。俺も今までに無いくらいハマってる」と相手を見詰めて囁き。そのまま互いの距離を縮めれば優しく唇を重ね)
盛ってほしー…ケド、一緒に買い物行きたいから我慢する。
(本当は今すぐにでもまた愛を確かめ合いたくて、だが其れと同じくらい久し振りのデートに期待も高まっており。控えめな額へのキスに渋々と言った感じで返すと、甘える様にすりりと鼻先で彼の頬を擽りながら身体の火照り抑えようとして。「これから、ずーっとハマってなきゃだァめ」唇触れ合う寸前に執着心包み隠さず表せば、何度も唇重ねながら背中に腕を回し)
ん、えらい。
(擦り寄って来られると擽ったそうに肩を竦めるも、愛らしい仕草はまるで愛猫からの愛情表現のようで愛おしげに頬を緩め相手の頬へ再度唇を付け。つい癖で子供を褒めるような言葉を口にしてしまうが一切気付いた様子は無く、ぽんぽんと頭を撫で。唇が重なろうとした時相手の言葉が耳に入り一旦動きを止めて其方を見遣るも、口元に笑みを浮かべると唇を重ねて。されるがまま繰り返される口付けを甘受しながら、此方からもゆっくりと口付けを深めていき)
…ん、ダメ。止まんなくなっちゃう。
(子供扱いでも彼にされるのは気に障らないらしく、文句も言わずにただ笑って受け止めて。我慢しようとしても行為が止まらず、舌同士ねっとり重ね合うもハッと我に返れば唾液の糸引きながら唇離し。すっかり熱帯びてしまった頬を手の甲で冷やしながら自分に言い聞かせる様に言うと「そろそろ、出掛けよっか?」と照れ臭そうな笑み浮かべて)
…そうするか。
(相手の心境に反して此方は然して止めるつもりも無く無遠慮に口内を蹂躙していたが、我に返った相手が離れて行くと大人しく開放してやり。目に映るはにかんだ表情に鼓動を高鳴らせて最後にと軽く唇を重ねると、小さく頷いて出掛ける用意をするべくクローゼットへ向かい)
今度はバーにも久しぶりに行ってみなァーい?
(最後のキスには乙女のようにキュンと胸高鳴らせながら、彼の後追いかけていけばクローゼットの中に並べられた服を各々選び。懐かしい話をしていたらどうしてもまた行きたくなってしまった場所を次回のデート場所として提案すると、ニィとウィンク付きで笑ってみせて)
別に今日でも良いぞ?
(選ぶほど服に拘りも無く、仕事以外で外出する際に着る当たり障りのない選択をすると早々に着替え始め。相手の提案を背後に受ければ頬を緩めて顔だけ振り返り、何も後日に回さずとも今日中に行ってしまって構わないと笑みを浮かべて問い掛け)
良いのッ?それじゃあー、時間的にモールをぷらぷら歩いてから、バーでいい?
(思いがけない返事がくればキラキラ瞳輝かせ、嬉しそうに深く頷くとさっさと着替え済ませてしまい。部屋の時計はお昼前を示しており、まだバーに行くには早過ぎるかと考えては時間を潰してから行こうと話し。外では自由に触れられなくなるからと着替え終わった彼の腕に自分の手を絡ませ、寄り添うようにして玄関へ向かい)
ん、今日はとことん付き合ってやるから。
(相手の嬉しそうな顔を見ればついつい頬が緩んでしまい、頷きながらぽんぽんと頭を撫で。互いの準備ができた所で玄関へ向かおうとした矢先、腕を絡められると不思議そうに其方を見遣るも何と無く意図を察すれば何を言うでも無く歩みを進め。靴を履いてしまうと外へ出る前に再度優しく唇を重ね)
こっちでもロル回しとく。久し振りで慣れねェとこはあるが…まぁ、大目に見てくれっと助かる。久し振りだな、巧。
(“空港に着いた。今帰る”と短いメッセージを送ってタクシーに揺られること1時間程、約一ヶ月間の海外出張を終え、久し振りに戻った家は懐かしい香りに溢れていて。安堵と心地良い脱力感に身を委ねながら緩慢な所作で靴を脱ぎ)
理人。久しぶりィ。会いたかったー。んーん、お互い様。アタシも自分のこと思い出すのに何度もロル読み返したけど、まだ不安だし(苦笑)
(性格が滲み出ている短文のメール受信すれば、思わずふっと小さな笑い溢れて。“待ってる。早く会いたい”と、ハートマーク付きで返してからどのくらいの時間が経ったか。意味もなく部屋をうろうろしていたが、扉が開いた音を聞きつけると急ぎ足で玄関に向かって)
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