黒猫 悠華 2016-07-27 20:46:22 |
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口端をあげ、あがった唇をペロリと舐めれば準備完了。
唇が湿り、風を意識しなくとも感じられる。
一歩、踏み出す。
暗いところはもう嫌だ。飽きた。そう呟きながら。
歩きながらも、ゆっくりと息をする。
まだ生きているのだ、ということを嫌でも感じられる。
喉へ空気が通っていく。冷たい空気が喉へ流れ込む。そして吐き出す。一時して、息を短く吸い込み、
「さぁ、行こうか」
そう、告げた。居もしない誰かへ向けて、そして自分自身へ向けて。
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