黒猫 悠華 2016-07-27 20:46:22 |
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「持て余す時間全て、君にあげるよ」
償わせてくれなんて言わないよ。
過ぎたことだ。君が望めばそうしようか。
なんでもいいよ、今までもらってきた人の時間分、それと私の時間、あげるよ。
残念ながら与えることは、苦手だから出来ないかも。ご愛嬌だね。
いっそ殺してくれたら楽なんだけどね。
僕は何がしたかったんだろ。……愛ある勘違いをしたかっただけだったかな。
それだけで僕は、どんだけの人に僕を刻んできたんだろーね。
僕が死んでも誰かの中に僕が残ってたらいいな、なんて思ってないんだけどな。
君……誰かが死んでも大丈夫だよ。ずーーーっと覚えててあげるね。僕、人間のこと大好きだから。覚えてられるよ。偉いでしょ?
「僕は何もいらないよ」
……まぁそれは嘘かなぁ。
まぁどんな形でもいいから、君の持ってるそれ。
それだけでいいからくれないか。
だめなら、もう諦めるよ。
もう何もしないよ。誰にも、もちろん君にも。
ああああむりいいいい
くらすむりいいいいいい
なにあれえええええ
ぼくもうぱりぴなんてなれないってええええ
もうぐるーぷとかはいれないってええええ
むりいいいいい
ひたすらむりいいいいいい
あーそれならそれもいいと思うけどね。
そうじゃなかったから嫌だったんだよ!!!
わかるか?!!!
……させたいなら無理やりやれってね。
無機質な乾いた音が響く。脳天ではなく胸に一発だなんて、この期に及んでまだ私を焦らすの?
貴方が私にそれを向ける日が来るなんて、思っていなかった。
近くにいても遠くにいても、私は貴方を感じることが出来た。そっと優しく撫でてくれて、私はそれで気持ちよく目を細めることができたの。優しすぎる言葉ほど、私に深く深く刺さっていくようだったけど、それはそれで嬉しかったの。
嗚呼、愛しい人に思っていないことをされるのは結構傷つくのね、そんなことを遠のいていく意識の中で思う。
ふっ、と息が漏れる。なんて顔しているの?
私が死ぬ時くらいは笑っていて欲しかったな。いつもは無感情のような顔で私を見てくるくせに、私以外にはその笑顔振り撒いてるんでしょう。知ってるのよ。
だから貴方が笑いかけてくれる一瞬がとてもとても愛おしくて、どんな言葉よりも一番大切にしていたの。知ってた?まぁ、貴方は知らないのだろうけど。
私は貴方に手を伸ばしてみる。まだ行かないで、なんて言ってみる。返答はわかってるわ、どうせNoなんでしょ?
ちゃんと私は貴方を好きだったの。ちゃんと愛してたわ。だからこそ、貴方に貫かれたこの胸がこんなに痛むのよ。
私はその場に倒れる。
時間が経つほどに痛みが増していく。残った銃痕はいつまで経っても消えないまま、私を蝕んでいく。消えてくれれば忘れることも容易いのに、どうして消えてくれないの。
消えてくれないの。
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