「手紙」の一件以降、長男は必要以上に俺に甘えてくるようになった。
……とある日、アイツは俺にこう言った。
「俺、お前の前ではお兄ちゃん止めるわ
だって俺ら…“両想い”だろ?………もう、イイじゃん。」
「―――…もう……“恋人”になっちゃおうよ」
…俺が前々から長男に仄暗い感情を抱いていたのは事実。
それと長男のその言葉とどこか泣きそうな表情に、俺は断る術が全く無かった。
……そうして俺たちは恋人になった。
兄弟という枠を、超えてしまった。
もう長男とは一生離れられない。多分、離れたくても絶対無理だ。