匿名主 2016-07-20 21:25:21 |
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(相手の顔には戸惑いに似た困惑が見えて、突然言われたのだから仕方ないと理解しつつも申し訳ないと少し俯き「…私、こんなに食事が楽しい事も、嬉しい事も知らなくて…だから、ありがとうございます」本当は食事だけではなく、もっとたくさんの事に対してお礼を言いたかったのだが拙い言葉では上手く伝えられず。代わりにもう一度ありがとうと繰り返してははにかむような表情を浮かべ「――すみません、変なことを言ってしまって…お料理が冷めてしまいますね」ふと相手を待たせていることに気付き、謝りながらテーブルについては湯気の立っている料理へ両手を合わせて)
(突然謝罪の言葉を漏らした相手がその理由を俯きながら述べると、今まで楽しくなくて、嬉しくなくて、美味しくない食事を強いられてきた相手が普通の食事にこれほどまでの気持ちを表すのは当然かと思えば「どういたしまして」と他に返す言葉が思い浮かばずそれだけ返せば、手を合わせて食事を頂こうと言う相手に「そうだな、熱いうちに食べようか」とこちらも手を合わせて挨拶をして。ふと、気になったのかカレーを口に運びながら「シュアンは捕まってたとき、どんな食事だったんだ?」と口から滑るように言えば聞かなかった方がいいだろうかと後悔し「あ、いやなら答えなくていいからな」と相手の心配をして。)
(相手にとっては誰かと美味しい料理を食べることなんて当たり前のことなのかもしれない。短い返事に改めて相手と自分の違いを実感すると少し寂しさを覚えるが、ぼんやりしていては本当に料理が冷めてしまうためスプーンを持って。一口食べようとした時ふいに奴隷時代の食事を尋ねられると、こちらを気遣ってくれる様子に大丈夫だと伝えるように微笑みながら「…固いパンとか、変な色の野菜とか…風邪を引いた時はスープも飲ませてもらえました。あまり味はしなかったけど…」死なれては商品にならないため、質はともかく食べ物はきちんと檻に投げ込んでもらえていた境遇を相手に安心してもらおうと説明するが、腐りかけた野菜の味を思い出すと微かに眉を寄せてカレーを口に運び「――野菜もこんなに美味しくありませんでした」ぴりっと辛いものの、柔らかくて美味しい具を味わえばちょっとだけ冗談めかした声で付けたし)
(今までこのただっ広い部屋の中、ひとりで暮らしてきて、誰かと食事をするのも、友人の呑みに行く以外は久し振りだなと思えば「こっちこそありがとうな。シュアンが来るまで俺一人だった。シュアンが来てからはもう寂しくなくなった」と自分の思いを素直に相手に打ち明けて。奴隷時代のことを話す相手が大丈夫と微笑みを漏らせばやはり無理させてしまっただろうかと心配して。相手から聞けた話はやはり人権などないに等しい扱いを受けてきたということで、冗談めかした声で付け足す相手に「今度からもっと美味しいもの食べさせてやるからな」と今まで酷いものを食べてきた相手にその分上等なものを食べさせてやろうと誓えば、カレーを口に運び)
(まるで寂しい想いを見透かしたように礼を言われ、相手も自分が来るまでは寂しかったのだと教えられれば悲しくもないのに胸がぎゅっと痛くなって。むしろ、他の人間や奴隷が住んでいてもおかしくはない広い家に自分と相手しか居ないことに密かな安堵と嬉しさを感じてしまったほどで「――私なんかでよろしければ、ずっと此処に居ます。ずっと稜様のお側に……その、置いていただけるなら、ですが」勝手な言葉が口をついてしまい、慌てて言い足すと俯いてスプーンを動かすことに集中し。同じくカレーを食べ進める相手から優しく語りかけられると、美味しいものと言われても思い浮かぶのは昨日今日と食べさせてもらった料理くらいで「稜様のお料理より美味しいものなんてあるんでしょうか…」独り言として呟きながら、これより良い食事とはどんなものかと考え込み)
(相手が慌てるように言い足すとそれは違うと言わんばかりに首を横に振れば「シュアンなんかじゃない。シュアンがいいんだ。シュアンじゃないとダメなんだ。だからずっとここにいてほしい」とあの奴隷売買場で見つけた相手の儚げな魅力に惹かれ、相手を買ったまででまっすぐ見つめながらそう言って。呟くように考え込む相手に「そりゃあるさ、お世辞なんか言ってもなんも出ないぞ」と内心相手の言葉は嬉しくもあったが照れくさそうにそう言えばカレーも食べ終わり)
(向けられる真っ直ぐな瞳も言葉も、ずっと暗く恐ろしい世界に閉じ込められていた自分にとっては眩しいくらいで。堪え切れずに潤んでしまった目を細めると「…私も、稜様じゃなきゃ嫌です。だから――ずっとここにいますから…ずっと、傍にいてください」相手を好きになるほどいつか飽きられ捨てられてしまったらという不安は大きくなり、その想いも隠さず正直な願いを訴えて。いつの間にか綺麗に食べ終えていたカレー皿に視線を逃がしながら、相手の皿も空になっているのが見えれば手を伸ばして二枚を纏め「美味しいものが食べられなくても、稜様が居てくださればそれで…」机の上を片付けながらこちらも照れたように呟きを途切れさせ)
(まっすぐに見つめる視界に映るのは相手の潤んだ紅い眼。眼を細めて想いを包み隠さず言葉に紡ぐと「大丈夫、お前から離れたりしないって」と安心させるように微笑めば「大丈夫」と頭をポンポンと叩くのセットを相手にして。コップに注いである水を飲み干せば皿を二枚纏めて照れたように呟く相手に「シュアンはもっと欲張りになっていいよ」とご飯が食べられなくても謙虚な言葉を言う相手にそう言えば立ち上がり「先に風呂に入ってくるから」と相手に告げれば風呂場へと向かい)
(今もこうして、いつだって与えてくれる微笑みが好きだからこそ"でも“と不安を全て口に出してしまいそうになるが、撫でてくれる手の温かさに何も言えなくなってしまうとただ黙って頷いて。相手が風呂場へ向かうのを見送った後、いつものように二人分の食器とコップを片付けながら先ほどの一言を頭のなかで繰り返しては「…欲張り…」もっと我が儘になって良いということだろうか。そんな考えに至り、迷った末に意を決して相手の後を追いかけると「――あの。私も一緒に入りたい、です…良いでしょうか?」相手は仮にも主人であり、自分だって傷だらけの体を見せて嫌われたくはないけれど。それらより大きなもっと相手と一緒にいたいという感情を露にすれば、勝手に服を脱ぎ風呂場のドアをかちゃりと開けて)
(今日のハプニングは本当に危なかったがこれで相手との距離が縮んだので、いい方に転がったな。などと今日一日を思い返しながら風呂に浸かるのが日課で、湯船に浸かり「ふぅ…」と一息つけばドアがかちゃりと開き、そこには既に一糸纏わぬ相手の姿があり、不意を突かれすぎてつい相手から顔をそらして顔を赤くして。「一緒に入りたい」と言われれば断ることなどできず「あ、あぁ…いいよ。どうぞ」と少し距離が縮みすぎたかなと首を傾げれば入っていいと言って)
(悪いのはゆっくり休んでいたところに押し入ってしまった自分だが、顔を逸らされればやはり躊躇いが生まれてしまい、ドアにかけた手を離せずにいたものの相手の言葉に背中を押されるようにして「ありがとうございます」と浴室に足を踏み入れて。一呼吸ついた拍子に下を向くと予想通り痣や擦り傷の増えた体が目に入ってしまい、お腹の前に腕をやって隠しながら再び顔を上げては湯舟に入る相手を前に言いづらそうに視線を泳がせ「今日はお湯に浸からせていただいても、…ええと、浸からせていただきます」昨日は断ってしまった"一緒に湯舟に入る"という誘いを思い出しながら、今度は許可を待たずに言い切れば欲張らなければ、我が儘にならなければと自分に言い聞かせながら浴槽に近づいて)
(昨日は相手に背中を流してもらったが今日はもう自分で洗ってしまい、その必要がなくなったことに安心したがどこか残念な思いも出てきて。湯船に近づいてくるとこちらの許可を待たずに湯船に入ると言い切って宣言する相手に「あぁ、いいよ」と積極的な相手に少し驚きながら、言い切ってしまったが一応許可は出して。やはり白い体には生々しい赤色の傷が身体中に走っており、その様子はどこか妖艶な雰囲気を醸し出しており、そんな体を眺めながら「やっぱり綺麗だ」と相手の体に見とれながらため息をつくように言って)
(一方的に断言したとはいえ、結局は無理をしていたため許可を貰えると結局安心してしまい。気が緩んだことでようやくゆっくりお湯に足をつけ、食事の時と同じく相手の向かいにちゃぷんと座れば気持ちの良い温度よりも目の前に見える相手の顔に表情が綻んで。今度は腕ではなく抱えた膝で体を隠し続けていたが、相手の口からため息のように零れた言葉にちらりとその瞳を見上げては「…本当ですか?」疑うわけではないけれど、自分で見ても酷いとわかる傷を褒められては瞳に困惑の色が浮かび。しかし本当にこんな体で相手の心を満たすことが出来ているのなら、と「…なら、もっと見てください。こんな傷で喜んでいただけるなら…嬉しいです」畳んでいた足を伸ばすようにして退け、少し緊張しながら痣のひとつを無意識に撫で)
(やがて、相手が湯船に足をつけこちらの向かいに座れば相手の翼のこともあるため、狭くないだろうかと隅っこに少し寄って。やはり体の傷のことを気にしているのか、膝を抱えて前面の体を隠そうとしていれば、困惑の色を浮かべる瞳をこちらからも見つめれば「本当だ」と相手の問いかけに対してそう言って。すると足を広げて体を隠すことなく晒すと真正面から相手の体を見ると、やせ細って未発達と言ってもやはり意識せずにはいられなくて。すると、夕食の前の言葉を思い出せば「シュアン、おいで」と相手をこちらに寄せると首筋にある傷に唇をあてがい、舐めて治療を始めて)
(迷いのない返答を聞くと、何でもないような振りをしても喜びの感情が翼に現れてしまいぱしゃりぱしゃりとお湯が揺れ。呼ばれるまま傍へ行こうとしては立ち上がる前に優しく引き寄せられ、そのまま首筋に相手の唇が触れれば「ん、…やっぱり、ちょっとくすぐったいです」ぴくりと小さな声を上げて、先ほど治療した相手と同じ反応をしていることに気付きようやく相手の気持ちがわかったと可笑しそうに呟いて。くすぐったいのにもっとして欲しいような不思議な感覚にとらわれながらも「…治療なら少しで結構ですから、昔の怪我ですし…」傷の多さからやや遠慮して)
(嬉しそうに翼をはためかせ、こちらに相手を寄せて治療を始めると、ぴくりと小さな声をあげる相手に「だろ?」と同意を確かめるように上記のように言って。続いて、首筋から腕にかけてある傷を舐め始めて。傷の多さからか少し遠慮する相手に「ダメだ、全部やる」と相手の言葉を無視し、まさか本当に全身くまなくやるつもりか、今度は背中にある傷の治療も始めて「綺麗だけど、やっぱり痛そうだ」とこの傷をつけられた時の相手を想像すれば、眉間にしわを寄せ、それを労わるよう、親猫が子猫の毛づくろいをするように傷の1つ1つを丁寧に唇をつけて)
(短く言い切っては本当に全部の傷に口づける気か、首から腕へ、背中へと触れていく相手に遠慮より期待と嬉しさが勝ってしまうともう制止はせず。自分では見えない背面はいつどこに触れられるかわからない分反応も大きくなってしまい、唇があてがわれる度に軽く背中を逸らせながら笑うように吐息を零して「平気です。痕になっているだけですから…それに、稜様に治療していただけたから、くすぐったいけど痛くはありません」後ろから相手の言葉が聞こえると、痛ましそうな声に振り返って安心してもらうために頬笑み「…私より、稜様の傷のほうがずっと痛いと思います」目に入った体の痣にその笑みを曇らせると、傷の具合を伺うようにそっと指先でなぞり)
(/次のお返事は少し遅れます…!)
(相手から全身くまなくしてもらった治療、もとい舐めてもらったことに対してお返しをするように、また怪我は舐めれば治りやすいと言う相手の言葉を聞いたので、相手に治ってもらうよう全身に唇をつけて。こちらの言葉に対して振り返って微笑む相手に「そうか、よかった」とこちらも微笑み返せばこちらの傷をなぞるように触る相手に、「大丈夫、格闘技やってきたからこんくらいザラだって」と相手に安心させるように頭を撫でながらそう言って。、そして背中の治療が終われば前なのだがしてもいいのだろうかと悩むも先ほど全部やると言ってしまったので「こっち向いて」と治療中なので口数も少なくなるのは仕方がないがそう言って)
(あれほど大変なことに巻き込まれても平気だと笑う姿に「…稜様は強いんですね」目を細めて呟いた通り、相手が体も心も強いことは知っている。けれど同時に慣れていても痛いものは痛いということも知っているため、頭を撫でられればお返しのように傷口を優しく撫でて。やがて促されるまま向き直るとただのぼせたのではなく、ずっとくすぐったがっていたせいでほんのりと赤く染まった顔で相手を見上げ、触れていた手で相手の手を引けば自分の胸の下に添えさせて「――他の傷は良いですから…ここだけ治療してください。稜様に触ってもらったら、痛かった事も、怖かった事も…きっと全部忘れられるから」そこには連れ去られる時に殴られた痣が一際くっきりと浮かんでおり。相手に一番消し去って欲しいのはこの傷だと、語ることであの時の感覚が蘇ってはまた瞳を陰らせて)
(目を細めながらつぶやく相手にお返しと殴られて痣となった痕を優しく撫でられると、その優しさがくすぐったいのかピクッと反応すれば「強くはないよ、鍛えられたけど」と謙遜しながら照れ臭そうに言って。「苦労したけど、今日は役に立ったな」と自分が望んで格闘技をやったわけではなく、親から強制的にやらされていたので当時は親を恨んだが今回の一件でそれが相手を助けるために役に立てたと喜んで。すると、こちらの手を引いて、胸の下あたりに添えさせる相手に「そ、そこは…」と少し抵抗があるも相手の瞳を見つめればその瞳は少し光を失っているようで「…わかった」と相手を慰めるためにも、危ないところに唇をつけ、舌を這わせ)
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