匿名主 2016-07-20 21:25:21 |
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(閉まった扉へ頷けば言われた通りタオルでしっかり水気を拭き取り、翼に気をつけてながら与えられた大きめのタンクトップを着てみるとワンピースより着心地はずっと良いが人間の、というより相手の匂いがふわりと纏わり付いて。売買人達のように不快な匂いではないものの、頭を撫でられた時に嗅いだ匂いと同じだと思い出せばあの時同様落ち着かなくなって「――お待たせしました」妙なことを考えても仕方ないと頭を振り、すぐズボンも履いてリビングへ戻ると入口付近に控えて)
(何を見るでもなく何気なくテレビをつけながらそれなりにつまらないバラエティ番組を見ていると後方から相手の声が聞こえて。そちらを見ると「少し大きかったな」と相手の姿を見ると自分の服が少しぶかぶかなようで苦笑しながらそう言って座っていたソファから立ち上がると「シュアン、来な」と相手の方をポンと叩けば玄関へと続く廊下に出て相手の寝室へと連れて行こうとし)
いえ、そんなことは…私にはもったいないくらいです。
(どこからか聞こえる賑やかな人の声を警戒して視線を巡らせるが、相手が口を開くとそちらに意識を戻して首を振り。汚れていない綺麗な服を与えられただけで十分だと心から訴えれば肩を叩く相手を見上げ、誘われるままその後ろを歩き出し広い廊下をあちこち見回しながら進んで行って。そういえば、今は体に触れられたのに怖いとは思わなかったと肩に手を添えて考えているうちに相手の背中越しにひとつの部屋が見えてきて)
今日からここがシュアンの部屋だ
(案内したのは相手がこれから生活する部屋。その部屋はベットなどの最低限の家具が揃っており、1人で生活するには十分な広さで「もともと客間だったんだけど、人なんてそんなに招かないし、これからシュアンが使っていいよ」と部屋の中に入りながらそう言って)
ここが、私の部屋ですか…?
(案内された部屋は奴隷達がまとめて閉じ込められていた檻よりもずっと大きく、いくつか家具があるにも関わらず広々としていて。こんなに広く清潔な一室が与えられるとは思っておらず、高い天井を呆然と眺めては遅れないよう再び相手についていき、これなら翼を広げて寝ても誰かに踏まれたりしないだろうと床を見下ろして密かに考え。次いで柔らかそうなベッドに目を留めると「……他にも、どなたかいらっしゃるんですか」それを自分が使うという発想がないため、自分以外の誰か――別の奴隷か、奴隷が奉仕するべき客も一緒にこの部屋を使うのかと固い声で尋ね)
そう、お前の部屋
(相手が何を思っているのか、天井を見上げながらこちらについて来ると微笑みながら相手の問いかけに対してそう言って。すると固い声で他の人はいるのかなどと問いかけてくると「あー、言い方が悪かったかな」と頭をかけば相手が奴隷ということもあってこれまでの生活はそれなりに想像できるもので「この部屋はシュアン「だけ」の部屋だ」と相手の疑心を解こうと「だけ」を強調しながらそう言えば、「このベッドもタンスも鏡も、全部シュアンのものだ」と言い聞かせるように言って)
全部…?この椅子も、この枕も、全部ですか…?
(はっきりと、それも家具含めて皆自分だけのものだと教えられてようやく驚いたように目を丸めては相手と室内を交互に見やり、そろりと部屋の中を歩いてみて。示されたタンスをそっと開けてみたり、鏡を覗き込んでは映る自分の顔に怯えて後ずさったりしながらひとつひとつ確認を取ると最後にベッドの側に向かい、ふかふかの枕に手を添えて「すごい…」いつもの淡々とした声ではなく、僅かながら華やいだ声を上げてしまい「――ありがとうございます…このお部屋に見合うよう、精一杯働かせていただきます」我に返って振り向けば、この部屋と家具が労働で釣り合う程度の価値かはわからないが精一杯の感謝としてそう述べて)
そう、全部だ
(驚いたように目を見開き、こちらと室内を交互に視線をやると問いかけられと言葉に対して微笑みながら上記を言って。すると室内の家具を触ったりしたり鏡で驚いたりする相手に苦笑するとわずかに聞こえた相手の華やかな声に今まで聞いたことがない声に少しだけ驚き。しばらく目を見開いていると感謝の言葉を述べると相手の頭に手をポンと置き、「うん、これからよろしくな」と言えば部屋を出て自分の寝室へと向かい)
(これからどうしましょうか?)
はい、……おやすみなさい。
(頭を撫でる相手には目を細めて一言答え、その足音が聞こえなくなるとひとり小さく呟いて。相手がいたときは何故かそう感じなかったものの、広い分しんと静まり返った部屋は綺麗だけれど心細く、ひとまずベッドに入って布団を被ってみると柔らかな感触に少しだけ落ち着き。今日は何回打たれたと、いつもそうしているように目を閉じて心の中で今日一日されたことを思い起こそうとするが結局相手からは一度も手を上げられておらず。代わりに"今日は何回撫でられただろう"と考えることにしては、振り返っている内にうとうとと眠ってしまい)
(/そうですね…具体的なことが思いつかず申し訳ないのですが、何か心を開く決定打になるような、外出などの小さなイベントがあれば良いかなぁと考えております。
というよりまだビクビクしていてすみません…!シュアンもそろそろ懐いたほうが良いでしょうか…?)
(相手に部屋を案内した後、吸い込まれるようにベッドに寝込み、布団を被ればすぐに寝てしまい。どうやら家に招き入れた相手に結構気を使っていたらしく気疲れをしていたようで。翌日、起きると欠伸をしながら1つ伸びをして。生活サイクルなのか機械のようにベッドから起き上がれば台所に向かい、自分と忘れずに相手の分の朝食をつくり)
(/自分も何か決定的な出来事が欲しいなぁと思っておりました。どうでしょう、珍しい龍族のさらに珍しいアルビノ種ということで密売人に誘拐され、主が取り返すという展開は、即興で考えたものですけど…そうですね、少し懐いたところで上記のような出来事が起これば良いかと!)
(翌朝、遠くから聞こえる焼きごてに似た音にはっと飛び起きるが、周りの景色を見てここが人身売買場ではないことを思い出すと安心して溜め息を吐き。それでも急いでベッドから降りれば傍らの鏡に寝癖をつけた自分が映り、どうしようか迷った末に昨日『綺麗だ』と言ってくれた主人の姿を思い浮かべては手ぐしで髪を整えてから部屋を出て。先ほど聞こえたのは調理の音だったらしく、既に起きていた主人に慌てて頭を下げ「――すみません、すぐにお手伝いします…!」とにかく仕事だと皿を出しに台所へ向かって)
(/了解しました、イベントもとても素敵で今から胸がドキドキします…!ではそれまでに少しずつ懐かせるように致しますね!)
(冷蔵庫の中を寝ぼけながら覗けば、ベーコンに卵に食パンが保存されていて。このラインナップならもうあれしかないだろうとばかりにベーコンを焼き始め、その上に卵を落として。食パンもトースターにセットしたところで相手が慌てた様子で来て「おはよー、」と眠いのか目を細めながら挨拶をすれば「あぁ、ありがとう」と言うと出してもらう皿を指示して。「昨日は眠れた?」と初めてここに来たので落ち着かなかったのではなかろうかと心配しながらそう問いかけて)
(挨拶をされれば今更ながら「…おはようございます」と、困惑というより照れたように俯きながら返事をして。指示通り平皿を並べていき、美味しそうに焼き上がるベーコンエッグをつい相手の傍でじっと眺めては問いかけにふと顔を上げ「はい。…昨日は、怖い夢も見ませんでした」しっかり眠れたと答え、それは鞭の音や誰かの悲鳴が聞こえなかったからか、それともと数秒間を置くともう一度口を開いて「稜様がくださったお部屋のお陰です」と勇気を出して伝えてみて)
よかった
(相手がぐっすり寝れたと言えば、こちらも安心したようでホッと一息ついて上記のように呟き。するとこちらの部屋のせいといわれれば「そうか…それはよかった」と相手の言葉に嬉しく思いながらも安堵すれば「ご飯、もうすぐできるからな」と言えば食パンなどを皿に盛り付け)
…何かご心配をお掛けしていたのなら申し訳ありません。私は…大丈夫ですから。
(何故か安心したように息を吐く様子を見ては、自分が何か相手の心に負担をかけていたのだろうかと想像してそんな一言が口をつき。寝起きで気が緩んでいるのか、妙なことを言ってしまったとまた目を逸らせば「――かしこまりました…あの、せめて運ばせていただきます」出来上がった料理が目に入り、相手の言葉に頷くと料理は手伝えなかったものの盛りつけられた皿から順に昨日のようにテーブルへ運んでいって)
ん?全然心配なんかしてないよ
(何故か謝る相手に何故謝るのか疑問に持ちながら、上記のように言えば本当は相手に対して気を遣っており、上記は相手をさらに心配させないように言ったまでで。皿に料理が盛りつければ昨日のように料理をテーブル運ぶ相手に「あぁ、ありがとう」と言えば席に着き、料理を運ぶのは相手に任せることにして。料理が並び終えれば「じゃあ、いただこうか」と言って手を合わせて)
――…そう、ですか…すみません。
(主人に迷惑をかけていなければ何も問題はないはずなのに、心配などしていないと言われればどういうわけか答える声色を暗くしてしまって。自分でも理由がわからないまま黙々と料理を並べると、パンもベーコンエッグも二つずつあることに気付き昨日の命令はまだ続いているのだろうかと様子を伺いながら一応席についてみて「…いただきます」手を合わせる相手の真似をしては、今日は箸ではないため食べられるものの主人が食べはじめるまでじっと待ち)
(声色を暗くしながら料理を並べる相手に様子がおかしく思いながら首を傾げ。相手が席に着けばどうやら命令は下さなくていいようだと思いながら食事にありつき。今日は自己流の食べ方でベーコンエッグをパンの上に乗せればそれを折りたたみ食べやすいようにして。すると大きく口を開けて食べると相手が食べずにじっと待っていることに気づき「どうした?食べないのか?」と食欲がなかったりするのか心配するように問いかけて)
い、いえ。食べます…いただきます。
(大きく開いた口をじっと見つめ、ふと目が合うとすぐ食事に手を伸ばし、相手同様パンにベーコンエッグを乗せてからまずは一口食べてみて。同じパンでも今まで与えられきた固いパンとは違う、ふわふわと温かい味に自然と頬が緩んでは「…私、こんなに美味しい食事は初めてです」昨日の夜は言えなかった言葉も自然に口から零れ出て、味わいながらも卵とベーコンを落とさないことに集中しているといつの間にやら食べ終えてしまい)
ん、どうぞ
(どうやら、ただぼーっとしていたらしく、こちらと目が合えばすぐに食事に手をつけ始めて。こちらの真似をしてパンにベーコンエッグを乗せて食べると、頬が緩む相手の顔を見れば「やっと笑ったな」と言えばかなりの微笑ではあるがそれでも最初の冷めきった表情からは考えられないほど表情が柔らかくなっていて。自分の分を食べ終えると自分より遅く食べ始めたはずなのに自分と同じくらいに相手が食べ終えれば「シュアン、今日俺は仕事でな。留守番頼めるか?」といつもの会社出勤の時間も迫っており、コーヒーを飲みながら問いかけて)
(/それでは稜が会社から帰ってくる直前に攫われる感じで進めてもらってもよろしいでしょうか?)
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