匿名主 2016-07-20 21:25:21 |
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…?はい。
(顔を逸らす相手の姿に微かに首を傾げつつ、椅子を指されると遠慮がちに腰掛けて。そうすれば腹部側より傷の多い背中を相手に向ける形になり、たった今顔を背けられたこともあって視線は膝に落としたまま「…すみません。気持ち悪かったでしょうか…」と声を上げてしまい。綺麗な相手の体と違い自分の体は傷だらけ。見ていて気分の良いものではないだろうと一層俯いて)
いや、そんなことはない
(相手がこちらに背中を向けながら膝に視線を落とし、問いかけの声を上げると背中は前よりももっと傷が多く、酷い傷もあり、そんな背中に手を当てれば「綺麗だ」と言い。ボディタオルを泡立て終えれば「少し染みるぞ」と傷はまだ治ってないものも多く、傷口に泡が当たることを伝えると相手の体に泡を塗っていき)
…こんなに傷だらけなのに。
(傷痕を汚らしいと蔑むのではなく綺麗などと言われたのは初めてで、困惑をそのまま口に出してしまうが背中にじわりと痛みが広がると唇を噛んでじっと堪え。今まで受けた痛みに比べれば些細なものだが、今日一日何の暴力も受けていないせいで気が緩んでいたのか泡が染みる度に小さく体を揺らして「っ…大丈夫、です…」それでもこの程度のことも我慢できないと思われないよう淡々とした言葉を返し)
っ、大丈夫か?
(こちらが泡を相手の体に塗るたびに相手の体が小さく揺れれば相手の体を労うよう上記のように問いかけて。それでも淡々とした声で大丈夫と返してくると、「無理するなよ」と言いながら今度は腕に塗っていき。塗っていけばやはり突き当るのは翼。洗ってもいのだろうかと思うもちゃんと相手に聞いたほうがいいだろうと「翼は洗った方がいいか?」と問いかけて)
(相手が度々口にする"無理をするな"という言葉の意味はまだ理解していないながらも小さく頷き、やがて痛みに慣れてくると体を揺らすこともなくじっとしている事が出来て、柔らかな泡の感触を感じ取る程度の余裕が生まれ。人間に触れられているにも関わらず少し気持ち良いかもしれないなんて油断していれば突然の問いに瞳を揺らがせ「…はい。ご迷惑でなければ…」龍族にとっては大事な翼だが、迷った挙げ句頷くと洗いやすいようゆっくりと広げて)
わかった
(やがて、泡が塗られても身体を揺らすことなくじっとしたまま耐えることができるようになればこちらの問いかけに対してゆっくりと頷くとゆっくりと広げられる翼にも泡を塗っていき。翼ということもあって面積が広く塗り終えるのに時間がかかるも洗っていけば白銀の光沢を放つと「やっぱり綺麗だ…」と翼にも見惚れ。やがて塗り終えると「じゃあ、流すぞ」とシャワーを手に取り、お湯を出して)
…稜様は…変わった方ですね。奴隷のことを綺麗だなんて…
(滅多に触れられない箇所だけに痛みとは別の意味で体を震わせるが大人しく洗われ続け、その翼もまた綺麗だと評されてしまえば少しだけ困ったように眉を下げながら呟いて。どんな反応をすれば良いのかわからず落ち着かない様子を見せるが、シャワーの勢いのある水音に驚いてそちらを向くと自分もまだ相手の背中を流していないことに気付き「待ってください、稜様のほうがお先に――…」泡で足を滑らせながら慌てて立ち上がり)
綺麗なものの持ち主が奴隷なんて肩書きでも、綺麗なものは綺麗なんだ
(相手が自分のことを変わった人間だと言えば、翼を洗った途端にまた身体を震わせると綺麗に奴隷なんて関係ないなど、自分の考えや相手に対する励ましの言葉を述べて。こちらのシャワーの音に気付き慌てて立ち上がる相手に対して、「じゃあ頼もうかな」と相手にシャワーを渡して背中を向けて)
…ありがとうございます。そう言っていただけると……嬉しい、です。
(まるで奴隷であることは関係ないと言うような言葉に目を瞬かせ、泡もついていないのに微かに痛んだ胸を押さえると主人に言って良いものかと逡巡しながらも個人的な感情を零して。すぐ逃げるようにシャワーを受け取り相手の背中に隠れては、お湯をかけながら手でそっと泡を流していき「…これで良いですか?」洗い残しがないように指で首や腕の下も流してはこのやり方で良いかと尋ね)
そうか…
(相手が嬉しいと言えば初めて聞けた相手の感情。自分でも相手の何かが変わりつつあることを気付き始め、少し嬉しそうにしながら上記のように呟いて。お湯をかけられ、体の泡が流されていくと「あぁ、大丈夫。気持ちいいよ」と相手の手もくすぐったく感じながらそう言えば流し終え、「交代」と言えば相手からシャワーを取って)
良かった…。…すみません。では、お願いします。
(やり方が合っていたことにほっと安堵するが、相手の何となく嬉しそうな声や、大丈夫だと伝える言葉を聞く度に先ほどと同じ落ち着かない気持ちになりシャワーを渡せば困惑を隠すように背を向けて。何かに期待をしたり喜んだりするなんて無駄なこと、辛いだけなのはわかっているはずなのに何故あんな気持ちになってしまったのか。再び心を沈めようとしても煮えるほど熱くも痛いほど冷たくもない、心地好いお湯を浴びながらではなかなか上手く行かなくて、無意識のうちにこっそり相手のほうを向き)
よし、これでいいかな
(相手の体の泡を洗い流すとき、時折相手の傷口が染みないか心配するように「痛くないか?」と問いかけ、相手と同じように指や手のひらを使って撫でるようにこすりながら洗い流していき。やがて相手の体から泡が無くなると「じゃあ、入ろうかな」とシャワーのお湯を止め、湯船に向かえば「シュアンも入るか?」とここまでやったなら入れるべきなんだろうが女性なため一応問いかけて)
(横目で様子を伺いつつ、慣れと優しい手つきのお陰かもう傷に触れられてもあまり痛くはないため問いかけには頷いたり"はい""大丈夫です"と小さな声で伝えて。むしろお湯と手の暖かさが心地好いと伝えるべきかどうか迷っているうちにシャワーが止まり、自分も湯舟に浸かるかと尋ねられればとんでもない提案に首を横に振って「そんな…もったいないです。私は、洗っていただけただけで十分ですから」主人と同じ風呂に、ましてや一緒に入るなど有り得ないと洗ってもらった礼だけ告げると浴室を出ようとするが、びしょ濡れのまま出て良いのかわからずひとまずその場で立ったまま待つことにして)
(相手がお礼を言って浴室から出ようとすると女性なため無理に引き止めはせず「そうか」と呟けばこちらは湯船に浸かり。すると、なぜかのその場立つ相手に気付き何をしているのかと思えばどうやらタオルが無いらしく、困っている様子で。この言葉を使っていいものか、女性なので気を使った方がいいべきか悩んでいると自分の中で最善の言葉が思い浮かび「シュアン、俺はもう上がるから風呂に入りなさい。これは命令だ」と先程も使った遠慮する相手に言い聞かせるためにこの言葉を使い。湯船から立ち上がりそう言えば浴室から出るとき「タオルと着替えは用意するから」と言って出て行き)
――え?ですが、…わ、わかりました。入ってまいります…
(入ったばかりなのにもう上がるという相手に戸惑いの視線を送るも命令されればそちらに従う他なく、危うく口答えのように零しかけた疑問を飲み込むと湯舟から出てきた相手の姿に目を泳がせながら承諾し。つま先からゆっくりお湯に入ってみれば熱めの温度に翼の先が震え、無意識のうちにふっと溜め息が漏れて「…ありがとうございます、稜様」命令に対してこんなことを言うのはおかしいかもしれない。躊躇いながらも扉の向こうに感謝を述べ、しばらく浸かっていると体が熱くなってきたもののいつまで入っていれば良いかわからないため膝を抱えたまま入浴を続け)
(脱衣所に入ると濡れた身体をタオルで拭き上げながら相手が湯船に浸かる音を確認して。やがて寝巻きへと着替えれば脱衣所を出て、相手のタオルと着替えを用意して。しかし、着替えはどうしようか。相手の翼を広げるには相手が持っていたワンピースのように背中が開いてないといけない。そんなことを考えていると今日はこれで我慢してもらおうと背中が少し開いた黒のタンクトップに短パンを用意して脱衣所に持って行き「タオルと着替え、ここ置いとくから」とドア越しに言って)
(最初はぽかぽかと温まる体が気持ち良かったものの、元々寒さより暑さに弱いことと律儀に肩まで浸かっていたせいで白い肌はすぐ赤く染まってしまい、困ったように熱の篭った吐息を吐き出せば着替えを持ってきてくれたという相手の声が聞こえて「…私などの着替えを用意してくださって、ありがとうございます」改めて礼を言った後、のぼせているせいで余計弱々しくなる声を続けると「…申し訳ありませんが、あとどれくらい入っていれば良いのでしょうか…?」一々尋ねなければ理解できないことを申し訳ないとは思いつつ我慢出来ず控えめに聞いてみて)
(こちらの声が聞こえたのかドア越しに相手の声と感謝の言葉が聞こえると、用は済んだのでここから出ようとして。するとその途端、相手の声がまた聞こえてきて、いつまで入っていればいいのかと聞かれれば「シュアンの自由だよ、今上がるのもいいし、まだ入っとくのもいいし」と風呂のことさえわからないのかと少し呆れながらも風呂さえ満足に入らせてくれなかったのかと気がつけば上記のように自分の自由だと言って)
…自由…
(自分には無関係だと思っていた一言を与えられてはその響きをぼんやりと繰り返し。本当に自分の思うようにして良いのか、すぐには信じられず呆然と扉を見つめるが遠ざかろうとする相手の足音を聞くと自然と体が動き脱衣所へおずおずと飛び出して。見れば相手は寝巻きに着替えており、先ほどと違い自分だけ裸というのは妙に不安で開けた扉をまた半分ほど閉め「ええと…こちら、ですね。すぐに着替えます」そこから置かれた着替えを覗くと取り繕うように確かめて「…お風呂、気持ち良かったです」まだ頭がぼうっとしているせいか、自然にゆっくり視線を上げ、相手の目を見つめながら感謝に代わる言葉を口にして)
(脱衣所を出ようとした瞬間、浴室からドアが開けられる音が聞こえ、そちらを見るとどうやら風呂から上がり、風呂で体が火照り、白い肌が赤く染まった相手がおり。着替えなどの確認、そしてお礼の言葉を述べられると「そか、よかった…風邪ひかないようにちゃんと体拭きなよ」と言えば脱衣所から出てリビングに向かい)
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