孤高の竜神と忌み子の生贄(非募)

孤高の竜神と忌み子の生贄(非募)

大倶利伽羅  2016-07-11 22:55:28 
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  • No.324 by 長船光忠  2016-08-21 02:48:51 

(記憶と言うのはどうすれば元に戻るのだろうかと、行く先も重要だよなぁと町の地図を頭に描きながら考えていく。相手の記憶…きっと村で起こった災厄に関する事が主だと思うので、思い出させたら彼を傷付けてしまうかもしれない。なら思い出さない方が良いのかと考えるが、それは本人が決める事な為に、自身はどちらにしろ手助けをする事しか出来ない。ただ私的な事を言うと、恐らく曖昧なままであれば何かに付けて相手の側には居られると思うが、それは酷く醜い感情だと心の底に蓋をする。前々から薄々とは気付いていた。こんな誰にも必要とされない命を拾ってくれたあの日から、彼に対して日を増す毎に恋情を募らせるだけでは無く、同時に泥の様に汚い独占欲が生じている事を。はぁ…と心中で一つ溜め息を零しては頭を切り替えようと少し隻眼を瞑った所で、突然彼に名前を呼ばれて直ぐに目を開ける。繋いだ手に力が込められている事にも気付けば「?…伽羅ちゃん、どうしたんだい?」と微かに小首を傾げて問い掛ける。行きたい場所でも見つかったのだろうかと、そんな事を思っていると“言えなかったこと”と言う言葉に益々疑問を感じつつも、心なしかその熱っぽい声に心臓を鷲掴みにされた様な気分になり、何だか耳まで熱くなりそうだと相手の言葉を待っていたのだが、おもむろに途中で不自然に途切れたそれに驚いて「!?、だ、大丈夫…!?」と終いには震え出してしまった彼の状態に慌てて何とかしようとして、せめて背中を摩ろうとしたのだが、その前に“思い出した”との言葉を聞けば「…え?それって…」と伸ばし掛けていた片手をピタリと止める。なら記憶の全部を思い出せたのだろうかと尋ねようとしたものの、小さな言葉と共に謝罪の言葉を告げられるとその意図が分からず「…伽羅ちゃん?」と困惑気味に名前を呼び返す。何で謝られたんだろう?もしかして続かなかった言葉に関する事?と何とか真意を汲み取ろうとするが、やはり本人に聞かなければ答えは分からない。そんな事をしていると、背中を向けられて歩き出してしまった相手に引っ張られる様にして自身も歩き出すが、声色は硬く何となく壁が出来た様な気がする上に抱いている疑問は拭えない。そのまま川辺への道程を歩きながら「…ねぇ、伽羅ちゃん」と呼び掛けて「君、大丈夫そうに見えないよ」と心配そうに告げて「思い出した記憶に何かあったの?…僕には言えない事かい?」と最後の方は声量が小さくなりつつも何か自分に出来る事は無いかと思っては、原因を聞こうとしていき)

  • No.325 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-21 03:26:19 

(もっと早く思い出せていれば、こんなことにはならなかった。どうしようもなく浅ましい自分が憎い。竜神としての役目を忘れて自分の欲の為だけに行動していた、それこそ人間のようだった自分が酷く滑稽で。町の外へ出て川辺まで来ても足が止まることはなく、後ろから光忠に呼びかけられて初めて立ち止まった。光忠の声は自分を心配しているものだとすぐに気付き、これ以上気を遣わせる前に大丈夫だと言わなければならないと分かっていた。…それなのに。「アンタに言った所で何になる?」と、口から出た言葉は恐ろしい程に冷たい声で、自分でも驚く程だった。こんなものはただの八つ当たりだ、光忠は悪くない。自分が勝手に忘れて、浮かれて、喜んで…後先考えず、光忠への愛しさを強めてしまっただけだというのに。「大した力も持たないアンタに、何が出来るんだ」と、口からこぼれるのは心にも無いことばかり。違う、こんなことを言いたいんじゃない。大した力も無いのは自分の方だ、光忠はいつも傍にいて助けてくれていたのに。「…放って置いてくれ」と、これ以上光忠を傷付ける前にとわざと強くそう告げては、片手を目の前に上げていつものように神域への入り口を作り出す。そのまま一度も振り返らずに再び歩き出して)

  • No.326 by 長船光忠  2016-08-21 09:56:22 

(こちらの声掛けで静かに足を止めた相手に、大人しく返事を待っていれば返って来たのは背筋が凍る様なほど冷たい声色で、思わず彼が発したのかと理解し難く一瞬耳を疑った。けれどこの場には自分と相手しか居らず、粉う事なく彼の声である事は明白だ。そしてそれは別の誰かではなく、自身に向けられた言葉で間違いも無い。何か、何か言葉を返さなければと思うのにショックで声が出ない。最初から疎まれるのは慣れているが、ある程度関係を築けた者からそう言われるの初めてで、口は中途半端に閉じたり開いたりするばかり。それから立て続けて言われた言葉は、自分でも厭と言うほど自覚しているもので何に置いても無力なのは分かっていた。神様の様に不思議な力を持っている訳ではないし、妖怪の様に化かす事も出来ない。何にも出来ないのは分かっている、分かってはいるけどただ見ているのも厭だったから、何か出来る事は無いかと思ったのだが、それは世間一般的で言うお節介になるのだろう。分を弁えないから彼を不快にさせてしまった、きっと怒らせてしまった。不躾な事に神様と人間の線引きを忘れてしまったから。軽率、愚か、無能と胸内で次々と己に対してそう呟く。人と接して来れなかったから、距離感が測れないなんてのは言い訳にしか過ぎない。「…ごめん、なさい」と、前を向いてしまった相手に何とか謝罪の言葉を告げる。涙が出そうだった、勝手に舞い上がって、勝手に勘違いしたのは自分なのに。悪いのは全部節度を守れなかったこちらの方だと言うのに。情け無いと自身を罵倒しては、こんな自分は神域に入る価値が無いと、はなっからそうだったが改めてそう思えばつい彼との手を解いて立ち尽くす。更に迷惑を掛けてしまうが「…っ、僕、本当に…ごめん、なさい。…反省、してきます」と笠の下からぽつりぽつりと言葉を零せば涙は堪えて、そのまま神域には入らずに逃げる様に駆け足で来た道を引き返して行き、とにかくごちゃごちゃの感情を整理したかったので町ではなく一人になれる森の方へと走って行って)

  • No.327 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-08-21 19:53:50 

【大倶利伽羅廣光】

(今まで聞いたことも無いような悲しげな声と、何処かへ走り去っていく足音が聞こえて一度足を止める。それでも振り返ることはせずにただ立ったままになっていると『主!光忠さんが一人で森の方に!危ないですよ!』と眷属の切羽詰まった意思が伝わってきた。「…それなら、お前が追いかければいいだろう」と告げると、空を切る音と共に眷属が激しく点滅しながら目の前に移動してくる。それが抗議の現れであることはすぐに分かったが、何故か眷属は点滅をやめて呆然としたようにその場を漂うだけになる。『あ、主…』と困惑したような意思が聞こえ、それから『…分かりました、光忠さんは任せてください』と打って変わって同意すると、そのまま視界の外へと消えていった。どうして急に抗議をやめてしまったのかが少し気になるが、結局一度も振り返ることなく入り口を通って神域へ帰還する。そこには鯉と戯れている国永の姿があり、こちらに気付いたのかすぐに立ち上がって駆け寄ってくると『倶利坊!帰ったのか!随分と早…』と、不自然に言葉を切って目を見開く。それから両肩を強く掴まれると『どうした!?何があったんだ!光坊の姿も見えないが、それが関係してるのか!?』と焦った表情と声でそう問いかけられる。訳も分からず首を傾げていると『どうして君は泣いてるんだ!』と言われて、自分が涙を流していることにやっと気付いた。そうか、これを見て眷属も急に態度を変えたのか、と納得するのと同時に、今まで堪えていた感情が一気に湧き上がってくる。「国永…っ」と名前を呼ぶも、その声は酷く震えてしまい)

【五条鶴丸国永】

(驚きなんて言葉じゃ収まり切らない。それ程までに、竜神が涙を流しているという事実が衝撃的だった。長年生き続けてはいるが、その中で倶利坊が泣いている姿は片手で収まる回数しか見たことが無いのだから。普段の凛とした声ではなく、弱々しく震える声で名前を呼ばれれば「大丈夫だ、落ち着け倶利坊。ゆっくりでいい、何があったか話せるな?」と子供に言い聞かせるように優しく告げる。小さく頷いた倶利坊の口から聞かされたのは何とも頭が痛くなるような内容で、分かりやすく要約してしまうと『本心とは別の言葉を言って光坊を傷付けてしまった』ようだ。二人の仲を深めるつもりが、まさか喧嘩別れに近い行動を取るとは夢にも思わなかった。倶利坊も光坊も互いのことを想う気持ちが強すぎた上に、持ち前の優しさのせいで結果的に傷付け合ってしまったらしい。「倶利坊、どうして君は光坊に本当のことを伝えないんだ?」と問いかけてみれば、涙で濡れた金色の瞳を俯かせて『…俺にはもう、時間が無い』と呟かれて目を見開く。神は一度消滅しかけた場合、今まで以上の信仰が無ければ存在を維持出来なくなるということを思い出し「まさか、あの村だけじゃ足りなくなったのか?」と確かめるように聞けば、頷かれる。『…もう、傍にいることが出来ないのに…言えるわけ、ないだろう…?』と言って、涙を流したまま全てを諦めた儚い笑みを浮かべる倶利坊に、ギリ、と強く歯を噛み締める。この世界は、何処までこの子達に牙を向くつもりなのか。「…分かった、君はここにいろ。俺が光坊を迎えに行ってくる。あの子の居場所はここだ、そうだろう?」といつも通りの笑みを浮かべてみせてから、背中の白い翼を大きく羽ばたかせて地を蹴り、空へ舞い上がって)

  • No.328 by 長船光忠  2016-08-21 20:58:59 

(無我夢中で森まで走って行き、途中で笠を落とした事すら気付かずに森道を進む。頭の中では、悲しい、泣きたい、ごめんなさい、と込み上げてくる感情のせいで短い単語でしか考える事が出来ず、湿った土に足を取られそうになりながらも奥へと走って行く。昼なのにも関わらず、森の中はシンとしており聞こえて来るのは自身の足音と嗚咽のみ。自分が悪いのに、泣く資格なんて無いのに、そう思っていても目の前の視界は滲んでいく。嗚咽を噛み殺しては、ボロボロと溢れる涙を着物の裾で何度も拭う。それでも足を止めることは無く先へ先へと進んで行って、気が付けば見慣れた場所にいた。そこで思わず足を止めて「…っ」と無意識に自身が辿り着いた場所を見ると息を詰まらせ、その後にまた声を押し殺して涙を零す。掠れた喉と震える声で「今…何で、ここに…っ」と頬を伝って落ちる雫を拭いつつ目の前に建つ"竜神様の社"を見る。ここは伽羅ちゃんと初めて出会った場所で、自分にとっては大切な場所だ。彼はあの時、価値を見出せなかったこの命に生きる理由を教えてくれて、あの時から少しでも長く彼と一緒に生きていたいと思っていた。それまでは、ただ独りで日々を過ごすだけでまるで死んだ様に生きていたのに。生きる事が楽しくなった、生きていて良かったとそう感じる事が出来た。同時に、伽羅ちゃんだけには嫌われたくないと、それ以外の人になら嫌われて良いから、彼にだけには絶対に嫌われたくないと思っていた。…そう思っていたのに、あんな事になってしまった。きっと取り返しは付かない。あの冷たい声がそれを物語っている。相手は凄く優しかったのに、自分が着実に逆鱗に触れてしまったからああなってしまったのだと、ぐちゃぐちゃの思考で考える。自業自得なのに嫌われたくないと未練がましく思っては、懺悔する様に胸のペンダントと鈴を両手で握り込んで「…ごめん、なさい。ごめん、なさい…っ」とここには居ない相手に対して繰り返し謝罪の言葉を告げる。それは虚しく森の木々のざわめきに消え、後を追って来た近くの眷属くんにしか聞こえなかったが、そんな事は知らずに繰り返していく。その後にすっかり枯れた声で無意識の内に「…君に、嫌われたく、ない…。嫌われたく…、ないよ…」と心の奥底の言葉を零しては子供の様にその場に蹲っていって、両膝に顔を埋めては酷くなる嗚咽を押さえ込んでいき)

  • No.329 by 五条鶴丸国永  2016-08-21 21:23:47 

(神域の外へ出た後、空を飛んだ状態のまま目を閉じて集中する。光坊に持たせたままの黒い羽根…正確には、その羽根に施した自分の力を追ってみると、光坊の居場所は簡単に特定出来た。まさかこんな所でアレが役に立つとは思わなかったな、と内心で考えながらその場所へと飛んで行く。そうして辿り着いたのは竜神を祀る社がある場所で、探していた人物はそこで蹲っていた。迷うこと無くその場へ向かい、ふわりと音も無く着地しては「光坊、ここにいたのか」となるべく優しく声を掛ける。傍に漂っていた竜神の眷属が目に入れば「ありがとな、後は俺に任せて戻ってくれ。…倶利坊を頼む」と最後の方は相手に聞こえないよう小さく告げながら神域への入り口を開けば、眷属は何度か瞬いた後にその入口へと飛び込んでいった。それを見送って入り口を閉ざし、光坊の隣に腰を降ろして背中をぽんぽんと軽く叩いてやりながら「まずは全部吐き出してみないか?君自身の気持ちも、倶利坊に対する気持ちも全部。なぁに、聞いてるのは俺だけさ。遠慮なんてしなくていいぞ」と優しく促しながら笑みを浮かべてみせて)

  • No.330 by 長船光忠  2016-08-21 21:56:23 

(暫く泣き声を抑えていれば、不意に何かの気配を感じたところで聞き慣れた声が耳に入ると「…鶴、さん…」と涙でぐしゃぐしゃになった顔をそっと上げる。何でここに居るのが分かったのだろうと思うが、相手は神様だから不思議な力を使って場所を特定してくれたのだろうと、独りでに納得をする。そこで眷属くんが自分の側に居てくれた事に気付けば、自身のことで精一杯で気付けなかった事に罪悪感を覚えたものの、心の中で感謝の言葉を零す。それからすっかり目尻が腫れてしまった瞳で、眷属くんが神域へと戻って行くのを見送ると自分も直ぐに帰らなければいけないのかなと、伽羅ちゃんの事は気になるがまだ全然反省し足りないし思考も纏まっていないと両膝を抱えながら思っていれば、腰を下ろして告げて来た鶴さんに少し驚いて微かに隻眼を丸くさせる。ただこんな気持ちを相手に言うのは気が引けて「……」と無言を返してしまうが、このまま吐き出さないのも苦しかった為に鶴さんを信頼して「…僕、立場を弁えられなかったんです。…神様と人間なのに、線引き出来なくて、馴れ馴れしくしちゃって…。それで…だから何処かで竜神様を不快にさせてしまって、今凄く不甲斐ないです…」と述べた後にまた出そうになる涙を堪えては「…烏滸がましい事ですけど、竜神様の事が…好き、なんです…。僕に、生きる理由をくれて、一緒にいてあの方の優しさに触れて…益々、好きになって…。だから」と嗚咽混じりの言葉をそこで一旦切れば、一息置いて「…竜神様だけには、嫌われたくなかったんです…」と最後に弱々しく小さく呟いていき)

  • No.331 by 五条鶴丸国永  2016-08-21 23:10:45 

(無言のままの光坊に急かすようなことを言うでもなく、軽く伸びをしながら気長に待っていると、ぽつぽつと少しずつ語られ始めた相手の本心に耳を傾ける。予想通りというか見当がついていたというか、光坊はやはり神と人間という立場の違いに思い悩んでいたようだ。自分に対する態度や口調は明らかに神を意識しているのと比べ、倶利坊と話している時はそういったモノは無かったように思えた。それはつまり、神と人間という立場を意識する暇も無い程に想っていた証拠でもあるのだが…今回の件で立場を強く意識してしまい、結果的に傷付いてしまったのだろう。『竜神様を不快に』という言葉を聞けば、不快どころか君のことを想い過ぎて泣いていたぞ、と喉元まで出かかったそれをなんとか呑み込む。今は光坊の話を最後まで聞くべきだ、自分が口を挟むのはそれからである。そうして相手の口からこぼれたのは、竜神に対して抱いている恋情を表す言葉。途切れがちになりながらも一生懸命に告げられるそれらは、彼が竜神を心から愛しているという何よりの証。『嫌われたくなかった』と消え入りそうな声で呟く光坊に、やりきれない感情を拳を強く握ることで耐える。お互いを愛し、相手を想って涙を流す程に心優しい二人が結ばれない運命など、あんまりではないか。神は人の心に干渉出来ない以上、消滅を防ぐ方法はすでに無い。竜神の死は必ず訪れてしまう。その時になったら、この子達は。「…光坊、倶利坊の気持ちをちゃんと確かめたか?言葉をそのまま受け取って、あらぬ方向に勘違いしてないか?」と、僅かに力の籠もった声で問いかける。「思い込んでしまって視野が狭くなれば、追い詰められる一方だ。君が見てきた今までの倶利坊をしっかり思い出してみな。君がさっき口にした、竜神たるあの子を愛した理由も含めて。そうすれば、君が聞いた倶利坊の言葉が嘘か真実か、分かるはずだ」と告げ、信頼を寄せた笑みをみせながら相手の出す結論を待って)

  • No.332 by 長船光忠  2016-08-21 23:58:25 

(自身の本心を伝えれば、堰を切った様にポタポタと膝に落ちて来た涙を拭っていく。昔から泣かない様にするのは得意だったのに、どうにも伽羅ちゃんが関わると涙腺は駄目になってしまう様で、なるべく擦らずにもう一度涙を拭う。それから鶴さんを見ては静かに相手の言葉を待ち、その口から伝えられた事に先ほど彼に言われた事を思い出しては、その気持ちを確かめなかったと今になって思う。ショックで固まってしまって、何も聞かずに何も喰い下がらずに鵜呑みにして逃げ出してしまった。勘違いなのかは分からないけれど、もしそれが本当だとしたら?…まだ、嫌われていない?彼に嫌な思いをさせていない?と握り込んでいた大切なネックレスと鈴に視線を落とす。今までの彼と過ごした日々を脳裏に浮かべては、初めて出会った時だって、夜市の時だって、災厄の眷属を払った時だって、いつだって伽羅ちゃんは優しかったと改めて思う。生贄だった自分を殺さないでいてくれた、強い酒気に充てられない様に布を掛けてくれた、自分と子供達を先に逃がして敵から庇ってくれた。沢山彼の優しい所を見て来たのに、何で信じてあげられなかったんだろう。何で言葉の意図を汲み取れなかったんだろうと、あの場から勝手に傷付いて逃げ出してしまった自身に対して悔やんでいく。でも、それならそんな彼が言った先程の強い拒絶の言葉には、何か意味が有るんだと、ようやく落ち着いて来た頭でそう考えては少しの間の後に「…竜神様の言葉は、たぶん本心からでは、なかったのかもしれません…。竜神様は優しいから…だから、何か、他に理由があったのかも…」と途切れ途切れながらもそう伝えていく。それから手中のペンダントと鈴をぎゅっと握れば「…鶴さん。話して、みます。竜神様と、ちゃんと」と喉は枯れて目はまだ腫れぼったいが真っ直ぐに相手を見ると、確りと述べていき)

  • No.333 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-08-22 00:42:56 

【五条鶴丸国永】

(期待通りの結論を出してくれた光坊にとびきり明るい笑顔を向けては「そうと決まれば善は急げだぞ、光坊!」と言って相手の手を取り、もう片方の手で先程閉じた入り口を形成する。そのまま手を引いてくぐろうとした直前でふと足を止め、光坊へ顔を向けては「神と人間の恋なんて前代未聞だが、俺は応援してるぜ。君達は幸せになるべきなんだからな」と優しく微笑んでみせては、今度こそ神域へと足を踏み入れる。すっかり見慣れた中庭に辿り着けば、顔を伏せたまま片膝を立てて座り込んでいる倶利坊の姿が居間の中にあり、自分達が帰ってきたことに気が付いていないようだ。さっそく光坊の背中をトンと軽く叩いて「行ってこい、光坊」と、竜神の元へ向かうように促して)

【大倶利伽羅廣光】

(国永が出てから、どのくらいの時間が経ったのか分からない。覚束ない足で中庭を通りぬけ、居間に入ってそのまま力無く座り込んでからだいぶ経っているような気がする。その間も涙が止まることは無く、今も自分の服と畳を濡らし続けている。国永は光忠を迎えに行くと言った。けれど、光忠がそれを受け入れるだろうか。自らを傷付ける存在がいる場所に、帰りたいと思うのだろうか。どうしてあんなに心ない言葉を光忠にぶつけてしまったのだろう。あんなことを言うつもりは無かった、けど、言葉も感情も全てが止まらなかった。「…光忠」と呟いたそれに答える者はいない。当然だ、自分が突き放して追いかけなかったのだから。「違う…俺は…光忠…」とうわ言のように呟いては、額を膝に押し付ける。もうどうすればいいのか、何も、何も分からない。「…光忠…光忠、みつただっ…」と、殆ど無意識に愛しい相手の名前を何度も呟きながら、壊れてしまいそうな心を保つ為に必死に耐えており)

  • No.334 by 長船光忠  2016-08-22 08:09:30 

(神域へと向かう直前で鶴さんから“応援している”との言葉を貰えば、味方が一人でもいるのは心強く「…ありがとう、ございます」と感謝の言葉をそっと返す。逃げ出してしまった手前、合わせる顔は無いと神域に入るのは少し緊張したが、それでも彼ときちんと話がしたいと思って歩みを進める。中庭に辿り着くとそこから見える居間の中に伽羅ちゃんが居て、顔を伏せている為に表情を伺う事は出来ない。こちらに気付いていないのかもしれないと考えていると、そちらに向かう様に背中を押されればこくりと頷いて、中庭から居間へと上がる。静かな足取りで相手に近付いて声を掛けようとしたところで、彼が何か呟いている事に気付き、その言葉が自身の名前である事を知ると微かに目を見開き、同時にその相手の声色に心が苦しくなって片手でぎゅっと胸辺りの服を握り締める。彼の自分の名前を呼ぶ声に応えようとして、相手の目の前で膝を折り「…伽羅、ちゃん」と愛称で呼んでも良いのかと躊躇われたが、ここで呼び方を他人行儀にしては後悔すると直感的に思った為にそう声を掛けていく。突き離れるのは怖いけれど、でも話さないと何も始まらないと一呼吸置いて「…ごめん、なさい。勝手に、出て行って」と先ずは先程の自身の行いに謝罪の言葉を述べれば、少し掠れた声で「…けど、君と話がしたくて…君が言った言葉には、何か理由があるんじゃないかと思って…」とそこで一旦言葉を切り、彼を見据えれば「僕の見て来た伽羅ちゃんは、いつも他の人の為に動いていたから。自分の事なんて後回しにして、他の人の為に力を使っていた、優しい神様だったから」と今まで側で見て来た自身の相手の性格を告げていく。そして、胸元のペンダントを握れば再び口を開いて「…だから、あの言葉の意味を、知りたい。僕と、お話をしてくれないかな…?」と伝えると静かに彼の返事を待っていき)

  • No.335 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-22 18:44:31 

(光忠、光忠、と壊れた機械のように同じ言葉を何度も繰り返し呟いていると、不意に聞き慣れた声で返事が聞こえた。その声で、その呼び名で自分を呼ぶのはたった一人だけ。今、自分の目の前に光忠がいるのだ。ぐっと強く拳を握り顔も上げないまま黙り込んでいると、次に聞こえたのは謝罪の言葉。違う、勝手なのは自分の方だ。謝られるより責められる方が妥当だというのに。何も言えないまま爪が食い込む程に強く拳を握りしめていると、次に聞こえたことに耳を疑った。感情のままに浴びせてしまった言葉に、意味があるのではと言って。自分の欲すら制御出来ないのに、優しい神様だと言って。傷付けてしまったのに、話をしたいと、言って。…本当に優しいのは自分ではなく、光忠の方だ。もう何度同じことを思ったか分からない程に光忠は優しい。僅かに顔を上げると、すっかり見慣れてしまった美しい黒髪と一つだけの瞳が視界に入った。「…光忠」とまた名前を呼びながら手を伸ばし、光忠の手に触れる。光忠がいる。ちゃんとここにいる。「もう…戻って来ないと、思っていた」と呟いて触れた手をそのまま絡め、すぐに振りほどける程の弱い力で握りしめる。「アンタがいなくなっただけで、このざまだ…情けない、な」と、一つ一つ言葉を口にする度に、自分の両目から涙がこぼれていく。きっと光忠に見られてしまっている、本当に自分は不甲斐なくて言葉足らずの神だ。「…アンタが、傍にいてくれるだけで良かったんだ。それだけで、良かったのに」と、少しずつ自分の本心を口にしていく。無理だった。限界だった。もうどう足掻いた所で隠し切れない。これ以上は、自分の心が持ちそうに無くて。「それ以上を…望んで、しまった。傍にいるだけでは、足りなくなった。…アンタの負担になると分かっていたから、あんなことを、言った」と、あの時の言葉は本心とは真逆の言葉だったことを暗に伝えつつ、濡れた瞳をそっと閉じて「…俺は、アンタのことが好きなんだ。誰よりも、何よりも…愛している」と、これまでずっと頑なに避け続け、これから先も言うつもりが無かった決定的な言葉をついに口にして)

  • No.336 by 長船光忠  2016-08-22 19:57:51 

(全てを言い終えて静かに相手を待っていると、ゆっくりと少しだけ彼の顔が上げられる。そこから僅かに見えた綺麗な金色の瞳は潤んでいる様に思えて、自分と同じ様に相手が泣いていた事を悟る。その事実に罪悪感で心が痛むものの、名前を呼ばれて腫れ物を触る様な手付きで手を握られ本音とも言える言葉を聞いていく度に、彼の瞳から涙が溢れていく。そして、そのまま真剣に最後まで相手の言葉を黙って聞いていけば、釣られて泣きそうになる気持ちを堪えて、誠意を持って一つ一つの言葉に返答をして行こうと沈黙していた口を開く。弱々しく絡められていた手を、今度はこちらから解けない様にぎゅっと掴んで「…戻って来ない訳が無いよ。あの時から僕の全部は、君の物じゃないか」と最初に出会った時に交わした契りを言っては、懐かしむ様に慈しむ様に微笑んで、絶対に自分から居なくならない事を暗に伝える。それから彼の瞳から流れる涙をそっと指先で拭っては「…実は僕も、君から離れただけで凄く泣いてしまったんだ。だから情けなくなんか無い」と首を横に振って確りと述べていく。それで、“負担になると分かっていたから”とあの言葉の真意を教えてくれた相手に「ああやっぱり…君は優しいね」と、ただの拒絶する為だけのものではなかった事を知れば柔い表情を浮かべる。そうして、最後に聞いた言葉に目を見開いて、微かに頬が火照り心臓の鼓動が早まって様々な感情で視界が滲み掛けるが、瞳を閉じる彼を真っ直ぐに見て「…ありがとう。僕にそう言ってくれて本当に嬉しいよ」と胸の内が熱くなりながらも眉を下げて微笑めば「…僕もね、伽羅ちゃんの事が好き。どうしようもなく君の事が大好きで愛おしいんだ」と色々な弊害のせいで今まで伝え切れなかった分の有りっ丈の想いを込めて、嬉しさで出る涙を流しながらその言葉を告げていく。それから幸福感で目を細めては「…だから、どんなに負担が掛かったって構わない。君の想いを聞けて、僕は幸せだから」と優しく伝えると無礼な態度かもしれないが、おもむろにそっと相手を抱き締めていき)

  • No.337 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-22 21:03:49 

(自分の告白を受け入れてくれることは予想出来ていた。光忠がどんなに優しいのかを知っているからこそ、拒絶はされないのだろうと分かっていた。…予想外だったのは、光忠が自分のことを好きだと口にしたことだ。驚きのあまり閉じていた目を限界まで開いて顔を上げると、そこには涙を流しながら嬉しそうに微笑む光忠がいて、これまで見たどの笑顔よりも綺麗なそれに見惚れてしまう。そして、全てを受け止める覚悟を決めた強い意思の言葉と共に、驚く程優しく抱きしめられて一瞬身を固くしてしまうも、段々と湧き上がる幸福感に後押しされるように相手の背に腕を回し、こちらからも抱きしめ返す。それから深く息を吸い込み、こちらも相手の覚悟に答えるように決意を固めては「俺は、アンタよりも先に死ぬ。傍にいて欲しいと言っておきながら、アンタを、置いていくことになる」と、自分はすでに消滅を避けられなくなってしまったことを伝える。しかしこれは諦めや絶望からくる言葉ではない。背中に回した腕を緩め、相手の顔が見えるよう少しだけ距離を離しては薄く微笑み「もう短い命だが…その全てを、アンタの為に使う。だから、俺のことを覚えていてくれ。アンタがいつか死ぬその時まで、俺だけを愛してくれ。記憶も、命も、感情も、全部欲しい」と、自分が消えた後も光忠を自分に縛り付けてしまうような言葉を口にする。少し前ならば絶対に言わなかっただろう強い独占欲の込められたそれは、まるで染み渡っていく毒のようだ。いっそ溺れてしまえばいい、どこまでも深く、誰の手も届かないような深さまで。そうすれば、永遠に俺のモノだ。片手をゆっくりと持ち上げ、目の前にある美しい黒髪に指先で触れて優しく撫でては「光忠、愛してる。今までも、これからも…ずっと」と甘く溶かすような熱の込められた声で告げて)

  • No.338 by 長船光忠  2016-08-22 21:58:04 

(腕の中の温もりを心地良く感じつつ、拒否されずむしろ抱き締め返してくれる相手に口元を綻ばせば、更に背中に回している腕に力を込める。早鐘を打つ自身の心臓の音が彼に聞こえそうになるぐらいの距離でいると、溶けてしまいそうな程の幸せな時間に少しだけ目を瞑る。それから、耳横から聞こえて来た言葉にある程度覚悟をしていたとは言え、“先に死ぬ”と言う単語に無意識の内に耐える様に手に力が篭ってしまう。理由は聞かずとも信仰が足りないからだろうと予想が出来、村の人だけでは足りないのだろうとも察する事が出来る。置いていかないでと縋る様な言葉を発したくなった、でも覚悟を決めたんだと、相手に心配を掛けまいとその言葉は飲み込んでいく。ふと、腕を解かれて顔が見えるまでに身を引かれればこちらも彼の顔を正面から見て、告げられていく言葉に涙を零しながらも微笑んで「…忘れない、絶対に忘れないよ。それに僕の全部は、全て君の物だ。…君だけの物なんだよ」と涙混じりに繰り返し伝えると、自ら進んで相手の独占欲に応えていく。誰が何と言おうと、自分は彼しか見れないし彼しか愛せない。例えその先が死と言う終着点にしか着かずとも、忘れる気など更々無い。同時に、伽羅ちゃんの居ない世界で生きていく気も全く無い。相手の居ない世界で生きる意味など少しも無い。身も心も全部捧げたいから、彼の終わりと同じ時にこの命も終わらせようとそっと心の中で想う。それを口にしないのは、心優しい相手だからきっと止められてしまうと見越して、敢えて伝えないでおく。端から見たらおかしいと言われてしまうかもしれない示し方だけど、それでもさっき言った通りどうしようもない程に好きなんだ。愛おし過ぎて独占的な感情が生まれてしまう程に。そう考えていた所で、おもむろに軽く髪に触れられれば少し恐々と肩を強張らせたが、けど相手になら撫でられても心地が良いと思って微かに肩の力を抜いては熱の籠った瞳で見つめれば「…僕もだよ、君を愛してる。むしろ、君しか愛せない。…だから、ずっと好きでいさせてね、伽羅ちゃん」と笑みを浮かべると、自身の髪に触れていた手にするりと手を重ねて頬に寄せれば幸せそうにはにかんでいき)

  • No.339 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-08-22 23:00:31 

【五条鶴丸国永】

(二人が互いに『好きだ』と伝えた時点で自分はその場から音も無く跳躍し、屋敷の屋根の上へと着地する。限りのある逢瀬を噛みしめるだろうあの子達の邪魔をするわけにはいかない。もはや竜神の消滅は避けられない以上、自分に出来るのは、彼らがようやく掴んだ幸せを時間が無くなってしまうその時まで見守ることだけ。眷属達も空気を呼んだのか、中庭を飛んでいた眷属達は残らず自分の元へ集まっており、擬似的ではあるがあの子達は二人きりになれているようだ。「君達、なかなかいい奴だなぁ」と眷属達に向けて話しかけては、明日からのことを考え始める。早くて明日、遅くても明後日に貞宗がここに到着するだろうから、攻勢に出るのはその時だ。外の国の神の根城たる都の教会…そこに例の神と、それを信仰する宣教師がいる。愛し子たる竜神を貶めた奴らが、そこに。僅かに殺意を滲ませた神気を無意識に放出してしまい、怯えるように縮こまる眷属達にハッと我に返っては「すまんすまん」と謝りながら神気を抑える。そこでふと、冷静になった頭がとある考えを弾き出し、それについて深く思考を巡らせる。例の神を信仰する宣教師が、自分の意志を捻じ曲げられ従属させられていると仮定した上でのその考えは、先程まで感じていた憂いを一気に吹き飛ばす程に希望に満ちたものへと変貌する。もしもこの考えが全て正しかったら、倶利坊は死なずに済むかもしれない。あの子達が本当の本当に幸せになれるかもしれない!…と、興奮のあまりつるりと足元が滑り、あ、と思った時にはすでに遅い。そのまま中庭の地面へと真っ逆さまに落下し、盛大な音を立てて激突してしまった。二人だけの時間を噛み締めていただろう彼らの視線を感じながら「…す、すまん、邪魔するつもりは無かったんだが…」と派手に打ち付けた背中を抑えながら苦笑いを浮かべて)

【大倶利伽羅廣光】

(髪に触れていた手に光忠の手が重ねられ、相手の頬へと寄せられる。そのまま幸せそうな表情を浮かべる光忠に、今まで抑えていたものが一気に溢れだしたかのように熱く強い感情が心を占めていく。欲しい。触れたい。言葉では足りない。もっと、もっと愛を伝えたい。その感情が促すままに、触れ合っている手とは逆の手で光忠を引き寄せ、顔を近付ける。そのまま互いの距離が無くなろうとした瞬間、物凄い音が中庭の方から響いてきた。何事かと視線をそちらへ向ければ、背中を抑えながら唸っている国永がいて、視線を向けられているのに気付いたのか苦笑いを浮かべて謝罪をする姿に全てを察してため息を吐く。さっきまでの甘く熱い雰囲気はすっかり霧散してしまい、国永風に言うのであれば『ムードがぶち壊し』である。しかし、国永に悪気は無かっただろうし非も無いのだからと、一旦光忠に触れていた手を離して中庭へと向かい、倒れたままの国永へと手をかざす。淡く白い光が溢れて国永の背中部分を治していきながら「何で屋根から落ちたのかは知らないが、気を付けろ」と声を掛けると『面目ない…』と返された。背中の痛みが引いたのか、すぐさま立ち上がっていつもの明るい笑みを見せた国永が『神と人間が恋人同士だなんて、これ以上の驚きは無いよな!幸福神がありったけの祝福を捧げるぜ!命尽きるまで幸せでいろよ、二人共!』と心の底から自分達が結ばれたことを喜んでいるのだと伝わる言葉を告げられれば「ああ、当然だ。俺が生きている限り、光忠を不幸にはさせるつもりは毛頭無い」と宣言してみせて)

  • No.340 by 長船光忠  2016-08-22 23:54:24 

(心の向くままに彼の手へと甘える様に頬を寄せていて、こうやって触れ合えるだけで幸せだと心の底から嬉し気な表情を浮かべていると、不意に相手に引き寄せられたので少々バランスを崩し掛けるも直ぐに態勢を立て直して、徐々に縮まっていく相手との顔の距離にさすがに意図を察すれば、心の準備がまだ…!と思いながらも、そう言った欲と言うのは密かに持っていた為に意を決して早まる心音を抑えてはこちらからも顔を近付け様とした所で、突然何か重たい物が落ちる音が中庭から聞こえてきたので、吃驚してそちらへと勢いよく振り返る。そこには鶴さんが居て、そう言えば朝は屋根に登っていた為に今も登っていて落ちてしまったのだろうかと考えると、それは凄く痛いのではと青ざめて大丈夫かな…?と、続けて自身も中庭の方に出つつ恐る恐る心配そうな眼差しで彼を見遣る。すると、溜め息を付きながらも伽羅ちゃんが鶴さんの怪我を治していく様子を見れた為に、ホッと安堵の息を零す。そうして、怪我はもう平気なのか元気になった幸福の神様から祝福の言葉を貰えれば、橋渡しをしてくれた相手ゆえ更に嬉しくて仕方が無いと言う様に微笑んで「ははっ、ありがとう鶴さん。勿論、伽羅ちゃんを悲しませる様な事は絶対にしないよ」と同じ様に宣言しては、その彼を一瞥した後にまた口元を綻ばせていく。それから、屋根の上から姿の見えなかった眷属くん達が降りて来て、自分と伽羅ちゃんの頭上で輪になって一度旋回したかと思うと、その瞬間花弁が舞い散っていく。桃色の花弁だったので直ぐにそれが桜だと分かれば、祝福の言葉と共に舞う桜の花吹雪に思わずキラキラと目を輝かせて「わっ!綺麗…!眷属くん達もありがとう」と降りて来た淡い光達に手を伸ばして、お礼の言葉を告げていって)

  • No.341 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-08-23 00:51:27 

【五条鶴丸国永】

(どうやら竜神の眷属はいい奴ばかりではなく、気が利く者達でもあったようだ。二人の頭上を舞い散る桜の花びらは美しいの一言に尽きて、それを見て目を輝かせている光坊も、嬉しそうに笑みを浮かべている倶利坊も、本当に幸せそうだ。何度でも願おう、あの子達には不幸になって欲しくない。幸せになって欲しいのだ。その為にも自分は、先程思い付いた考えを確固たる物にしなければいけない。ぬか喜びをさせるわけにはいかないので二人には黙っておくことにするが、この考えが二人にとって驚きと幸福に満ちた贈り物になるといい。いや、必ずしてみせる。幸福神たる自分の全てを賭けてでも。「…ああ、そうだ!すっかり忘れていたな」とふと思い出したことにそう声を上げては、縁側に無造作に置かれた紙袋に駆け寄って「光坊の服はどんなのを買って来たんだ?見る権利くらいはあるだろう?」と楽しげにしながら袋の中身を覗き込むようにしていて)

【大倶利伽羅廣光】

(頭上から落ちていく桃色の花弁。それは桜と呼ばれるもので、眷属達が自分達を祝福しているということはすぐに分かった。『おめでとうございます!』『良かったですね主!』『とってもお似合いですよー!』と全身全霊で祝う意志を感じ取れば、目を細めて微笑みを眷属達に向ける。自分が消えてしまえば、眷属たる彼らも存在を保てなくなるだろう。それを分かっていながら、彼らは一度も口にしない。彼らなりに自分達を想ってのことなのだと理解するには充分で、道連れにしてしまって申し訳無いと思いながらも、それ以上に彼らへの感謝が上回り「…ありがとう」と、今までの気持ちを全て込めた一言を呟く。自分と光忠を取り囲むように集まった眷属達を一つ一つ撫でてやっていると、不意に国永が『すっかり忘れていた』と言っては縁側の方へと足を進めていくのが見えた。そこには光忠用の着物が入った紙袋が無造作に置かれていて、そういえばそこに置いたままだったことを思い出す。どうやら中身が気になるらしい国永に、同じように近寄っては紙袋を手に取っては「実際に見れば分かる」と告げ、踵を返して光忠の元へ戻ると「光忠、どれでもいいから一つ着てくれ」と伝えて紙袋を揺らしてみせる。それから少し間を空けては「…『俺自身の色を纏ったアンタを見てみたい』」と、記憶が曖昧だった時と同じ台詞を口にして)

  • No.342 by 長船光忠  2016-08-23 08:01:56 

(桜吹雪の中で人懐っこく寄り添う眷属くん達を撫でていれば、何やら縁側に置かれた紙袋が二人の話題に上がっている様で、そう言えば色々とあってすっかり町の呉服屋に買いに行った着物の事を忘れていたと、その存在を思い出す。どんな物を買ったか気になっている鶴さんに、伽羅ちゃんが“実際に見れば分かる”と言っていたので、ここで今取り出して一枚一枚見せるのかなと思って手伝おうと考えたが、しかしそうでは無いらしい。“一つ着てくれ”とこちらに向けて紙袋を揺らす彼をきょとんとした顔で見た後、あの時に呉服屋で言われた言葉を再び言われればパアッとした笑顔を咲かせて「うんっ、勿論!さっそく着て来るね。ちょっと待ってて欲しいな」と相手から着物の入った紙袋を受け取れば、そう言って縁側を駆けて居間から自室へと移動をする。紙袋から取り出して丁寧に一枚ずつ衣紋掛けに掛けると、黒白金赤の着流しを見ていってどれにしようかと迷う。暫く悩んでいたが、今回はこれにしようと、やや黒味を帯びた赤…蘇芳色の布地に金駒刺繍が施された着流しを手に取れば、急いで着替えていく。黒色の角帯を結ぶと全体的に乱れていないかの最終確認を姿見でしていき、全てを確認すれば満足気に笑みを零す。それから元の居間へと戻って行って、待っていてくれた二人に「お待たせ!着て来たよ」と嬉し気な声で話し掛けていく。それから草履を履いて中庭まで降りると「今回は蘇芳色と金色の着流しにしたんだ。伽羅ちゃんの服と目とお揃い」と彼の纏う色を挙げて両方にふわりと幸せそうに微笑んだ後、幸福の神様の方を見て「鶴さん、着流しの代金ありがとうございます」と改めてお礼を述べれば軽く頭を下げていき)

  • No.343 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-08-23 22:22:17 

【大倶利伽羅廣光】

(袋を手に駆けていく後ろ姿を見送っていると、いつの間にか隣に来ていた国永がニヤニヤとした笑みを浮かべながら『倶利坊、どこでそんな口説き方を覚えて来たんだ?』と聞いてきた。口説くも何も、思っていることをそのまま口にしているだけだ。光忠は黒が一番似合う、それは分かってる。だが、どんな色にも染まらない黒を、無理やりにでも自分自身の色に塗り潰してしまいたかった。この美しい黒色は俺のモノだと目に見える形で示したかった。ただそれだけだ。それをそのまま国永に伝えると、ニヤニヤとした笑いを引っ込めて真顔になり『…君、よくもまあ今まで耐えられたな。俺が知る限り、君と同じような感情を持つ人間達は大概暴走をしていたが』と言っているのを聞いては「…光忠の負担にだけはなりたくなかった」と呟きを返す。すると国永がおもむろに頭に手を伸ばしぐしゃぐしゃと出鱈目に撫でながら『まったく、君は本当に優しい神様だな!』と何故か嬉しそうな声色で言われ「やめろ」と短く制止の言葉を言って軽く手を払いのける。それでもこちらを見る国永の表情はまさしく嬉しさ全開といった様子で、何となく見ていられずに視線を逸らした先には、丁度着替え終わったらしい光忠の姿があった。いつもの黒色ではなく、蘇芳色と金色を纏う姿でも変わらずに綺麗だと思う。『伽羅ちゃんの服と目とお揃い』だと言って微笑む姿を目にしてしまえば、熱い感情が再び湧き上がるのを感じた。今すぐに抱きしめたいという欲を抑えつつ、一度目を閉じて理性を働かせる。その間に国永と声無き声による言葉の応酬をしながら、目を開いてしっかりと相手を見据え「光忠、似合っている。綺麗だ」と思ったことを下手に飾らず率直に伝えて)

【五条鶴丸国永】

(恋情や愛情は時に全てを狂わせて壊していくことを知っている。だが、倶利坊に限ってはそうならないだろうと確信出来る。どの神よりも慈悲深く優しい竜神の愛が、何かを狂わせることも壊すこともあるはずが無いのだ。その愛がもたらすのは無限の幸福と少しの切なさだけ。人間と恋に落ちようが、消滅する運命になろうが、竜神たる倶利坊の本質は何一つ変わっていないことを確信出来て嬉しくなっていると、『お待たせ!』という待望の声と共に光坊が戻ってきた。倶利坊はどうか知らないが、自分は黒一色の光坊しか見たことが無かった為にとても新鮮な気分になる。「こりゃ驚いた!ただでさえ別嬪さんだったのが、さらに磨きがかかっちまったな!」と楽しそうに笑みを浮かべては決して大袈裟ではない言葉を口にしていると、服の代金の件でお礼を告げられ「いやいや、気にするな。君達が喜ぶのならこの程度は朝飯前だ!」と明るく告げていると、急に目を閉じて黙りこんでしまった倶利坊へ一瞬視線を向け、声無き声で話しかける。「(別に手を出しても構わないんじゃないか?)」『(馬鹿なことを言うな)』「(俺のことなら気にするな!)」『(そういう問題じゃない)』「(むしろ、光坊の方がそれを望んでいたりしてな?)」『(………それ、は)』「(お、ちょっと期待したか!?)」『(うるさい黙れ)』と、しばらく声無き声の応酬を繰り返しては、倶利坊が瞼を開け金色の双眸で光坊を見据え、シンプルだが一番気持ちが伝わりやすい褒め言葉を口にするのを聞いては、余計な口を挟まずに光坊の様子を見ており)

  • No.344 by 長船光忠  2016-08-23 23:15:12 

(別嬪さんの単語には、さすがに言葉負けしそうと思いながらもそう評価された事は素直に嬉しく、また初めの頃から随分とお世話になっている鶴さんから代金の事を明るく言われれば、下げた頭が上がらないほどだと思いつつも感謝の気持ちを込めた笑みを返す。そうして、ちらりと伽羅ちゃんの様子を伺おうとして視線を向けると、何やら目を閉じていたので恐らく考え事をしているらしい。まさかその内部では鶴さんとの声無き言葉の応酬がされているとは知らずに、ここは大人しく待とうと自身は静かに見守っていく。すると、相変わらず宝石の様に綺麗な金色の双眸がゆっくりと開かれ、そして率直だからこそ真実味のある褒め言葉を貰えれば、伽羅ちゃんから褒められた…!と、人一倍瞳をキラキラと嬉しそうに輝かせては「ありがとう!伽羅ちゃんにもそう言って貰えて嬉しいよ」と心の底から嬉しそうな声で告げた後にもう一度口を開いて「…君の色が似合うって言って貰えて、本当に嬉しい」と、今度は感慨深く胸の内に生じる暖かな感情で目を細めては自然と相手の手を取ると、この両手で握って体温と共に伝えていく。先程の様に嬉しさのあまり彼を抱き締めたいとも思ったのだが、さすがに人前では非常識かなと考えてそちらの行動は留めていき、相手の体温を確かめる様に柔く手を握るばかりでいる。一通り握っていれば、ふと「あっ、他の色の着流しはまた今度に着るね。全部良い色だからどれを着るか迷ってしまうけど」と彼の色は全て好きな為に、今の時点ですら一つに決めるのが大変そうだと感じつつも笑みを浮かべて告げていき)

  • No.345 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-08-24 18:30:21 

【大倶利伽羅廣光】

(気の利いた言葉も、綺麗に飾られた言葉も、自分には扱うことが出来ない。それでも、短く単純な褒め言葉一つで喜ぶ光忠が愛おしくて仕方がない。こういった言葉の方が好きなのか、それとも自分の言葉だからこそ喜んでいるのかと少しだけ考えた所で、光忠の両手が自分の片手を包み込み、そのまま握られた。そこから伝わる心地良い体温と、同じように暖かな声色で告げられたのは『自分と同じ色が似合うと言われて嬉しい』という事で、そこでようやく自分の言葉だからこそ光忠は喜んでいるのだと正しく理解すると「アンタは、俺を喜ばせるのが上手いな」と言って薄く笑みを浮かべる。『他の色の着流しはまた今度に着る』という旨を伝えられれば「ああ、分かった」と頷きながら了承し、握られた手とは逆の手で光忠の肩を掴み、軽く引っ張って耳元に口を寄せ「…楽しみにしてる」と意図的に甘い声色で囁き、何も無かったかのように顔を離す。『倶利坊!そこは口付けをする所だろう!?』と国永からの謎の抗議を受ければ「アンタのいない所で幾らでもするから安心しろ」と挑発的な笑みを浮かべて言い返して)

【五条鶴丸国永】

(自分がいるにも関わらず甘ったるい空気を二人が放っているのは、自分のことを信頼しているからなのか、それとも空気と同等だと思っているのか。前者だと嬉しいが後者だと虚しくなるな、と内心で苦笑を浮かべていると、光坊と話していた倶利坊が不意に光坊の肩を掴んで引き寄せた。これはまさか口付け、もっとシンプルにするならキスをするつもりか!?とかなり期待しながら見ていたが、予想に反して倶利坊は光坊に何かを囁いた後にすぐ顔を離してしまった。思わずがっかりしてしまいながらすぐさま倶利坊に向けて抗議の声を上げれば、見たことも無いような笑みを浮かべて挑発的に言い放たれた言葉に絶句する。この竜神は一体何処でそんな殺し文句を覚えて来るのだろうか。「君、最高に格好良いな…」と思わず呟いてしまってから、とりあえず話題を切り替えるかのように笑みを浮かべて「君達の惚気話なら幾らでも聞きたい所だが、ちょっと話したいことがあるんだ。聞いてくれるか、二人共?」と問いかけて)

  • No.346 by 長船光忠  2016-08-24 19:15:33 

(今まで黒しか着た事が無かったので他の色はまだ何だか慣れないが、相手の色と思えば気分も上がるものでウキウキとした気持ちで明日の服の事を考えていく。そんな事をしていると、ふと少しだけ引っ張られた為にどうしたんだろうと思ったがそれは直ぐに分かり、擽ったいと感じる間も無く耳元で普段よりも甘い声色で囁かれれば、不意打ちだった事もあって思わず固まる。その後、状況と言葉を理解すればジワジワと頬に熱が溜まるのを察して、自然体で顔を話す相手を見ては、身が持たない…!と格好良い事をさらりとしてくる彼に心中で悶えていく。けれど、本心はやはり喜んでいて、顔は真っ赤になるものだから相変わらず自分は分かりやすいと思いながらも、口元に手の甲を充てて照れている表情を隠そうとする。ただ耳まで真っ赤なのだから、それは意味の無い事に等しいが。鶴さんの方に口付け云々と話している声も聞こえれば「…絶対に、喜ばせ上手は伽羅ちゃんの方だよ」とまた熱くなる頬を隠しつつポツリと呟く。男してはああも格好良くなりたいものだけど、どうにもそうなれる気がしないと真剣に考えていると鶴さんが何やら話があるそうなので一つ頷いては「…っと、話し込んじゃってて済みません。はい、お聞きしますよ。伽羅ちゃんも聞くよね?」と二人は仲が良いので、たぶん聞かない訳が無いと思ってはそう尋ねてみて)

  • No.347 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-08-24 22:58:34 

【五条鶴丸国永】

(話を聞くと言ってくれた光坊に促され、倶利坊も頷きを返してくれたのを見てから「実はな、貞宗の所に俺の眷属を送っておいたんだ。早くて明日、遅くても明後日、貞宗がここに来る手筈だ。到着次第奴らの本拠地…例の外の国の神がいる教会へ殴りこみたい。倶利坊が世話になった礼をしっかり返さないとな」と自分の中で立てていたこれからの行動を告げてから「だが、光坊の話を聞いた限りどうも宣教師とやらが気になって仕方無いんだ。都に着いたら、先に宣教師に関する情報を集めておきたい」と伝える。光坊の話を聞いて気になったという話は本当だが、宣教師についての情報を集める理由は別にある。それは宣教師が外の国の神によって操られている可能性を探る為であり、倶利坊の消滅を阻止する為の考えを実現させる為でもある。「勿論、光坊も連れて行くんだろう?だがそうすると宣教師と顔を合わせてる光坊が危険に晒される。そこでだ!倶利坊、君には姿を変えて光坊の傍にいてやって欲しい!君のことは竜の姿しか見られていないから問題は無いはずだ、どの姿がいいかは君なら理解出来るだろう?」とまさに名案だと言わんばかりに明るい口調で告げて)

【大倶利伽羅廣光】

(殴り込みという物騒な単語を国永の口から聞くことになるとは思わなかった。普段は明るく温厚であり、争いごとはどちらかというと避けようとするのが国永なのだが、僅かに伝わる殺気混じりの神気により国永が相当怒っていることが理解出来てしまう。滅多な事では踏み抜けない国永の地雷を例の神とそれに連なる者達が踏んだことを悟れば、無事では済まないのだろうな…と若干の哀れみを含んだ言葉を内心で呟いて。しかし、殴り込みの前に宣教師に関して情報収集したいこと、光忠を同行させる上で自分にして欲しいことを伝えられれば、成る程、と理解を示すように頷く。あの時、あの宣教師は急に心変わりでもしたかのように村を出て行った。それは村の子供達が発言をした時であり、明らかに動揺しているような気配も感じた。…難しく考えずに率直に言うのならば『あの宣教師は子供に弱い可能性がある』ということだ。それならば自分が取るべき姿は一つ。年齢は薬研くらいが丁度良いかと考えては、何の前触れも無くその場でパチンと指を弾いて音を鳴らす。一瞬の閃光の後に変身は完了し、薬研と同じくらいの背丈と外見に変わった自身の姿を確かめるようにその場で一回転をしてから「光忠、どうだ。子供に見えるか?」と首を僅かに傾げつつ念の為に聞いてみて)

  • No.348 by 長船光忠  2016-08-25 07:40:06 

(鶴さんの話を聞くに、言葉は悪いけどどうやらお礼参りに行くらしい。貞ちゃんにも応援要請をしたとなると、それは相当怒っていると言う事なのだろうと予想を立てる。確かにあんな風に伽羅ちゃんを陥れようとした事は許せないが。しかしながら宣教師について疑問があるらしく、実際に話していた自身もあの手の平を返した様な心変わりは気になっていた。何故急に諦めたのだろう?タイミング的には、子供達が来て村の人達が動揺し始めた辺りだ。彼は頭を押さえていて何処か苦しそうだったなと考えていると、“どの姿が良いか”と伽羅ちゃんに言う鶴さんの言葉を聞いては、まさかと思っていれば次の瞬間薬研くんぐらいの子供の姿になった彼の幼い顔を見て「か、可愛い…!」と小さめの声だったが思わずポツリと呟く。そしてハッとした後、さすがにこれは失礼だったと思いつつ言い直す様に「あっ、ご、ごめんね!ちゃんと子供に見えるから大丈夫だよ」と背丈が低くなったので目線を下に遣ってはそう伝えていく。それから、ふとあの宣教師が信仰する手掛かりを自分は持っていた事を思い出すと「それと伽羅ちゃん、これ宣教師の人が落とした物なんだけど…何かの手掛かりになりそうだし君が持っていてくれるかい?因みに、鶴さんの力で害の無い物になってるよ」と光で出来た薄い膜に包まれた黒い羽根を取り出すと、神様の気配など自身は感じる事が出来ない為に何か反応があっても分からないので相手へと差し出していき)

  • No.349 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-08-25 15:38:50 

【大倶利伽羅廣光】

(自分ではよく分からないが、光忠にはちゃんと子供に見えているらしい。それならこの姿で大丈夫かと頷いていると、宣教師が落としたという黒い羽根を差し出される。薄い光の膜を纏ったそれは確かに国永の術で無害になっているようで、しかしその羽根から感じる邪悪な気配は消し切れておらず僅かに眉を潜めるも、光忠の言う通り自分が持っていた方が良いのかもしれないと思い「分かった」と短く返事をして羽根を受け取り、懐にしまっておく。…先程、光忠が『可愛い』と呟いていたのをしっかり聞いていたのだが、別に気分を害されてはいない。むしろ愛しい相手からの言葉ならどんなものだろうと嬉しく思う。ただ、少し気になることが出来たのでそれを光忠に問うべく視線を上へ向けながら「…こっちの方がアンタの好みか?」と自分の子供の姿を指しながらそんなことを聞いてみて)

【五条鶴丸国永】

(子供の姿をした倶利坊を見るのは久し振りだと思いながら、さっき『可愛い』と呟いた光坊に内心で全力同意する。神は姿を自由自在に変えられるが、外見年齢に関してだけは多少制限がかかる。例えば神の中でも古参の部類に入る自分だと赤子の姿から老人の姿まで好きな年齢に変身出来るが、神としてはまだまだ若い倶利坊はいつもの青年の姿以上の年齢には変身出来ない。神といえど、自身の生きた年数だけは誤魔化しが効かないということだ。それでも倶利坊は神の中でも強い力を持つ方だし、自分が教えた術も大体使いこなせる優秀な奴だ、そんな制限はあってないようなものである。…もっとも、今は酷く弱体化してしまっているのが現状なのだが。それはさておき、倶利坊の容姿の件はこれでいいとして、後は光坊の方も少し手を加えなければならないと考えていると、唐突に『こちらの方が好みか』と光坊に聞き始めた倶利坊に盛大にむせる。それではまるで光坊に妙な性癖があるみたいではないか!「(君、その聞き方はあらぬ誤解をされるぞ!)」と声なき声で咎めつつ、ごほんと咳払いをしては「あー、光坊、ちょっといいか?念の為に君にも容姿を変える術を施しておきたい。君は人間だからな、負担を考えると髪と眼の色を変えるぐらいしか出来ないが…何か希望があればその色に変えてやるぞ?」と問いかけて)

  • No.350 by 長船光忠  2016-08-25 17:27:41 

(何だか面倒事を押し付けてしまったみたいで申し訳ないと思いながらも、快く受け取ってくれた相手に感謝して、羽根が懐へと仕舞われていくのをしっかりと確認する。そうして、おもむろに先程こちらが『可愛い』と思わず言ってしまった事で、好みについて聞かれれば鶴さんが噎せるのと同時に自分も目を瞬かせるが、率直に非常に悩むと思う。どちらも大好きな伽羅ちゃんである事には変わり無いので両方とも好きなのだが、しかしやはりきちんと言うとしたら色々と一緒にいても差し支えの無い年齢かつ初めて会った時の姿が自身には強く焼き付いている為「えっと…僕は伽羅ちゃんが伽羅ちゃんであれば、どんな君でも好きなんだけど…強いて言うならいつもの姿が一番好きだな」と、鶴さんがいる手前で言ったのでやや恥ずかしいと感じつつもそう伝えていく。熱くなりそうな顔をまた冷やしながらいれば自身の顔は宣教師の人に既に割れている為に、それで容姿を変える術を掛けてくれると言った鶴さんを見ると「そうですね…なら、今と正反対の色にして頂けるとよりバレにくくて良いかなと思います。ですから、黒髪は白は…いや、金髪で。金眼は銀眼にして頂ければ有難いです」と白髪は幸福の象徴ゆえそれはさすがに畏れ多いと考えたのでその色だけは除いて、自分の主旨を告げていき)

  • No.351 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-08-25 22:14:05 

【五条鶴丸国永】

(黒の反対は白。不幸の反対は幸福。所詮は人間達が決めた曖昧な価値観ではあるが、幸福神たる自分が白い容姿をしていては説得力も無いだろう。気にする必要は無いなどと安い励ましを告げることはせず、笑みを浮かべながら「了解した!それじゃあ試しに一度術をかけてみるぞ、気に入らなければ別の色にしても構わんからな」と告げてから光坊に手をかざす。そこから白い光が溢れ、それが光坊をあっという間に包み込んでからすぐに霧散する。そうして現れたのは金色の髪に銀色の瞳を持った青年の姿で、ひゅう、と口笛を吹かせては「なかなか似合ってるじゃないか!元が良いと何色でも合うもんだ」と上機嫌に褒め称えて。しかし、光坊にとっては自分の評価よりも愛する竜神の評価の方が重要だろうと分かっている為、はてさて肝心の倶利坊はどんな言葉をかけるのだろうと興味深そうに視線を向けて)

【大倶利伽羅廣光】

(何故か国永に咎められたことを疑問に思いながらも、光忠からの返事は満足するものだったので特に気にすることなく「そうか」と返事をする。光忠が望むのならばこの姿のまま過ごすことも構わなかったのだが、自分の年齢に見合っているのはやはりいつものあの姿であり、それが一番好みだと言われれば嬉しくなるもので。そうしている内に国永からの要望を聞いた光忠が希望の配色を答えると、国永がそれに了承してから術を施す。次の瞬間に視界に入ったのは、黒から金、金から銀へと見事に変貌した光忠の姿で、国永が上機嫌に褒める言葉には同意出来るが、どうにも気に入らない。これは敵の目を欺く為であると分かっている、それに決して似合わないと思っているわけではなくむしろ逆の意見なのだが…やっぱり気に入らない。しかしそれを堂々と口に出せるわけもなく無言のまま眉を潜めつつ光忠に視線を向けていると、不意に国永から『(君が一番魅力的だと思う光坊の容姿を不特定多数の人間達に見られる心配が無い、と考えてみてはどうだ?)』とまるで心の中を見透かされたかのような言葉を声なき声で伝えられれば、それもそうか、と素直に妥協して「…それで良いんじゃないか」と頭ごなしに褒めるようなことは言わずに無難な言葉を口にして)

  • No.352 by 長船光忠  2016-08-25 22:47:58 

(「はい、宜しくお願いします」と鶴さんに頼めば、瞬く間に光に包み込まれたので反射的に目を瞑って、数秒経った後にゆっくりと瞳を開けると確認する様に指先で前髪を一房摘んで、黒髪が金髪になっている事を確かめる。目の方も確認したいが、しかしこちらはさすがに鏡が無いと無理だなと思いながらも、やはり髪色が変わったのは落ち着かなく何だか心がソワソワとする。変じゃないかなと周りの反応が気になるも、鶴さんから肯定的な言葉が貰えればホッと安堵の息を零して「…良かった。ありがとうございます」と元が良いのかは自分自身ではよく分からないが、そう笑みを浮かべてお礼を告げる。不意に伽羅ちゃんはどう思っているのだろうと、我ながら女々しいと考えつつも視線をそちらに遣れば何やら思う事があるのか眉を顰めていて、これは如何しようかと考える。そう言えば前から黒髪の事を褒められていたので、やっぱり今のよりかはあちらの方が良いのかなと思いながらも、変装なので明日か明後日のみの少しの時間だけと己に言い聞かせつつも、“良いんじゃないか”と言ってくれる相手を見ては「伽羅ちゃんは黒髪の方が好きかな?…なんてね」とあれ程好ましく無かった黒髪が恋しくなっているのだから、彼が関われば何でも変わってしまうのだと自身の心境の変化を感じながらも小さく微笑んで、そう何気無しに問い掛けてみて)

  • No.353 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-08-25 23:42:14 

【大倶利伽羅廣光】

(『黒髪の方が良かったか』と聞かれてしまい、そんなに分かりやすい反応をしてしまったのかと自分自身を叱咤してしまいたくなる。しかし、誤魔化しや嘘の言葉を口に出せる程、自分は話し上手でも器用でも無い。はあ、とため息を吐いてから視線を逸らして「…アンタと違って、俺は選り好みが激しいらしい」と、光忠の言葉を肯定するようにそう告げては、指を弾いて子供の姿からいつもの姿へと戻り、国永に視線を向けつつ「もういいだろう、光忠を元に戻せ」と訴える。そんな自分の様子が可笑しいのか、国永は笑い声をあげながら『はははっ!君、なかなかに束縛するタイプだったんだな!いや、これは束縛というより単なる我儘か?』と言いつつ、光忠に指を向けてパチンと音を鳴らして術を解き、光忠がいつもの容姿へと戻ったのを確認する。束縛、いや、我儘だろうか。どちらにしても、光忠の美しい黒髪が好きなのは事実であり、それ以外の色は認められそうにないこともまた事実だ。しかし、光忠が自身の黒髪をあまり好んでいなかったことを知っている為に、やはり露骨に眉を潜めてしまったのは失敗だったか、と密かに反省する。「…もう、話しておくことは無いか?」と気持ちを切り替えるように国永に問いかけて)

【五条鶴丸国永】

(倶利坊には悪いが、自身の欲に忠実な態度を示す姿は正直に言ってとても嬉しく思っているのだ。優しすぎる竜神が今まで己を優先したことは一度も無く、何かを求めようとすることもなく一人で静かに生き続けていたのを知っているから、余計にそう感じてしまう。だからこそ、光坊には感謝してもしきれない。あの子と出会ってくれたこと、あの子の傍にいてくれたこと、あの子を愛してくれたこと、その全てに。全ての人間に平等たる幸福神にあるまじき事だが、どうも自分は長船光忠という人間を贔屓目に見てしまいがちのようだ。このぐらいの不平等は許されるだろうと勝手に結論付けては『話しておくことは無いかと』問いかけてくる倶利坊に「いや、今日の所はこのぐらいで十分だな、後のことはその時になって考えるとしよう」と言ってから、その場で腕を伸ばして軽く息を吐きつつ「さて、俺はそろそろここから出るかな。やっと想いを通じ合わせた二人の邪魔をこれ以上するなんて野暮はしたくないしなぁ」と言い、背中の翼を大きく広げては「明日になったらまた来る、それまで思う存分二人の時間を楽しめよ?」と我ながらお節介すぎる言葉を告げながらニヤリと笑ってみせ、そのまま地を蹴って飛び去って行き)

  • No.354 by 長船光忠  2016-08-26 07:00:00 

(相手の言葉を聞いて、黒髪の方が好きらしい事を知れば何だかむず痒い様な嬉しい様な感覚を覚え、しかし大方人から受け入れられない黒髪を好いてくれる事は自身にとっては有難く幸せな事で、つい口元が綻びそうになる。そんな自身が現金だとは分かってはいるものの、やはり嬉しい事は嬉しいのだ。そんな事を思っているとお試しで一時的に掛けられていた術が解かれれば、自身の髪色が金髪から黒髪に戻った事を確認する。恐らく目の色も戻っているだろうと思いながらいると、明日の事について今他に話す事は無いかと問い掛けている伽羅ちゃんを見ては、後の事は明日とそう告げる鶴さんを見る。それからここから去る際の相手の言葉に、邪魔だなんてそんな…と思いつつ、むしろ幸福の神様たる相手が橋渡し役をしてくれた事で上手くいったのだから、邪魔じゃないですと言おうとした所で真っ白な翼が広げられて、最後まで助言の言葉をくれた為に口を噤み、鶴さんに感謝しつつペコリとお辞儀をしてはそのまま見送って行く。そうして、いつまでも中庭で立っているのも疲れてしまうかなと思えば「伽羅ちゃん、一旦居間に戻ろうか」と言って中庭から縁側に上がった後に「あっ、今日は君の分の夕餉も作りたいんだけどどうかな…?」と今日は自身にとっては想いを告げる事が出来ためでたい日である事は変わりないので、この後の夕餉をちょっと豪華にしようと考えていた為に彼にも食べて欲しいと思っては、そう提案していき)

  • No.355 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-26 21:47:59 

(別れ際の言葉までこちらの幸せを願うような台詞で、幸福を司る神である国永らしいと思いながら飛び去っていく白い背中を見えなくなるまで見送る。結局、国永には最初から世話になってばかりで何も恩返しが出来ていない。残された時間で恩を返しきれるかは分からないが、感謝だけは常に示し続けようと心に決める。国永の姿が見えなくなってから少しして、光忠から居間に戻ろうと促されてはそれに頷きを返して後をついて行く。縁側に上がった所で何かに気付いたように声をあげた光忠が『今日は君の分の夕餉も作りたい』と提案してきたことに一瞬きょとんとしてから、そういえば光忠の作った料理は一度しか口にしたことが無かったのを思い出す。元々食事を必要としない身体のせいで大して気にしていなかったことと、色んな出来事が立て続けに起きたせいで気が回らなかったこと、そして力の使いすぎで長時間眠って過ごしたことが災いして、今までずっと食べ損ねてしまっていたのだ。それを考えると何故だか無性に恋しくなってしまい「…俺も、光忠の作ったものが食べたい」と相手の言葉に同意する返事をしながら調理場の方を指差し「手伝う。調理器具の扱いは国永に教わってるから、アンタの邪魔にはならない。…駄目なら、ここで待っているが」と、今日は出来るだけ光忠と離れたくない為にそんな申し出をするも、自分がいたら集中して調理に専念出来ないかもしれない可能性を考え、断ってもいいと暗に告げており)

  • No.356 by 長船光忠  2016-08-26 23:00:49 

(相手の分も作る事に関して了承の言葉を貰えれば、料理を作る身としては嬉しくて仕方が無くパッと表情を輝かせていき。居間の壁掛け時計を見るに、そろそろ良い時間帯だった為さっそく下ごしらえをしようと考えていた所で、不意に調理場の方を指差し手伝うと言ってくれた彼を見れば「!。勿論っ、大歓迎だよ!駄目だなんて言う訳ないじゃないか。伽羅ちゃんと一緒に作れるなら、凄く美味しい夕餉が作れそうだよ!」と神様にこんな事をさせるのは無礼かと一瞬考えたが、しかし相手と少しでも長く居たかったのでそんな欲に負けて嬉し気にそう告げていく。それから相手の片手を取っては「なら、今から調理に取り掛かろうか」と笑顔で伝えると、彼が縁側に上がったタイミングで優しく手を引いて調理場へと向かって行く。目的地に着けばくるりと相手の方を向いて「本日の夕餉は、お赤飯と春カブのお味噌汁、金目鯛の煮付けに茶碗蒸しと、後は小松菜と油揚げの煮浸しを作る予定だよ」と特別な日なので少々豪華にして張り切って言っては、使う調理道具と材料を全て取り出していき、彼には何を担当して貰おうかと考えると「伽羅ちゃんには、まずは春カブのお味噌汁を作って欲しいかな。材料は、僕が作り置きしているダシ汁と味噌と春カブだからここに置いておくね。あと、調理道具も」と言いながら机の端にスペースを作ってそこに味噌汁の材料を置いておき、春カブを切ってダシ汁で煮て、頃合いを見て味噌を入れると言う少ない手順なので、料理の最初の入りとしては良いかなと思いそれを相手に頼んでいき、自身はお赤飯から作ろうかと考えていて)

  • No.357 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-26 23:54:18 

(嬉しそうな顔で手伝うことを歓迎してくれた光忠に、こちらも僅かに笑みを浮かべて「そうか」と呟く。そのまま手を引かれて調理場まで連れられ、何処か張り切った様子で今回作るらしい料理名を告げられる。…覚えておいて損は無いと言われてほぼ強引に調理器具の使い方を教わってはいたのだが、まさか本当に使うことになるとは思わなかった。しかし、あくまで使い方を知っているだけであり、料理の技術そのものは素人だ。光忠の足を引っ張る真似だけはしないよう充分に気をつけなければならない。料理名を聞く限り豪華と呼べるものばかりだから、尚更そう思う。どうやら自分は味噌汁を担当するらしく、近くに置かれた材料と調理器具に視線を向ける。確か最初は、入れる材料を適度な大きさに切ってダシ汁で煮るのだったか。これまた国永に無理やり覚えさせられた料理方法を頭の中で思い出していきながら、置かれた包丁とカブの一つをそれぞれ手に取る。まな板の上にカブを乗せて指を丸めて抑えつつ、包丁を持った手をカブの葉に向ける。そのままザクッと音を立てて葉の部分を切り落とし、白い身の部分に視線を向ける。確か、大根やカブといった殆どの野菜は、葉や皮を捨てずにそのまま使うことも出来ると聞いた。葉の部分も味噌汁に入れるのか、カブの皮は剥かなくても良いのかと少し考えてから「…光忠、葉と皮は使うのか」と言葉少なに指示を仰いで)

  • No.358 by 長船光忠  2016-08-27 00:44:47 

(調理に取り掛かってくれた相手を時折心配そうに見つつも、自身はお赤飯を作ろうとしていき、材料である餅米と小豆と塩とごま塩を机の隅に置いていく。初めは餅米を洗ってザルで水気を切り、次に小豆を洗えば鍋に入れて、被るくらいの水を入れると火に掛ける。沸騰してから少しの時間だけ煮てザルに上げれば、この茹で汁は使わないので捨てていく。もう一度鍋に水を加えて火に掛けたタイミングで、伽羅ちゃんから葉と皮の有無を問われれば、質素な生活をしていた為にこのまま捨てるのは勿体無いと思っては「そうだね、両方とも使うよ。葉は色合いも良いから、お味噌汁に入れると映えると思うしさ。手間が掛かるかもしれないけど宜しくね」とやっぱり肩を並べて料理をするのは良いなぁと感じれば、上記を微笑み掛けながら伝えていく。それから、再びお赤飯の調理に視線を遣って、全体的に煮立っていたので弱火にして蓋をすると、ある程度までグツグツと小豆を煮込む。小豆は指でぎゅっと摘むと潰れるぐらいが丁度良く、そこまで煮たら小豆と茹で汁の二つに分けていく。茹で汁が冷めたら炊飯器に餅米を入れ、茹で汁をおこわの目盛りに合わせて入れる。そこに塩を加えて軽く掻き混ぜて溶かし、先程煮た小豆も入れて炊飯をしていく。ここまでやれば後はお赤飯は待つだけで、伽羅ちゃんの調理の様子を見守りつつ次は何から取り掛かろうかと考えていき)

  • No.359 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-27 01:30:48 

(やはり経験の差か、自分がカブの葉と皮について悩んでいる間に手際良く動いて一品目を終わらせた光忠の姿を横目で見る。いくら神といっても出来ないことの一つや二つはあるもので、自分の場合は料理がそれに当たるだろう。いくら知識が豊富でも経験が無ければ意味が無い、こればかりはどうしようも無いことだ。…これから光忠に料理を教わるのもいいかもしれない。そうすれば手伝いの幅も広がるし、光忠の新しい一面を知れる可能性もある。そこから話題も広がるだろう。ただでさえ自分は口下手なのだから、話せることを少しでも増やしておきたい。光忠は自分の意志を何度も汲み取ってくれているから、別にそんなことを考えずとも良いのかもしれないが…。と、考え事をしながらカブの身を切っていたのが災いしたのか、包丁の刃がカブに置かれた手に当たってしまった。痛みを感じて素早くカブから手を離せば、割と深く切ってしまったらしい指から真っ赤な血がこぼれるのが見える。切った瞬間に手を引っ込めたおかげか、包丁を除く調理器具や、材料であるカブには血が付いていないのを確認して安堵しつつ「すまない、考え事をしていた」と正直に告げて謝罪をしてから、怪我をしていない方の手をかざして治癒を施す。自分自身の怪我はこうして治すことが出来るから問題は無いが、自分の出した血で材料や調理器具を駄目にしてしまったらどうしようもない。はあ、と少し落ち込んだため息を吐いてから「…邪魔にはならないと言ったのに、このざまか…」と有言実行出来なかったことを反省するように呟いては「悪い、光忠。今回はアンタ一人で作った方が良いかもしれない」と、また失敗しないとも限らないので、これ以上邪魔をしてしまう前にやめておこうと手伝いを辞退することを申し出て)

  • No.360 by 長船光忠  2016-08-27 07:32:47 

(次はメインである金目鯛の煮付けにしようと思い立って、金目鯛の切り身と料理酒と醤油と砂糖とダシ汁を用意すると、調理器具として鍋や落とし蓋も準備していく。この料理はお赤飯と違って細かな作業は要らず、ひたすら煮れば良いので茶碗蒸しの方に直ぐに取り掛かれるかなと少し作業が大変な料理の方も思い浮かべては、鍋に水を入れていた時に、包丁で怪我をしてしまったらしい伽羅ちゃんを見て「!?」とぎょっとして作業を中断する。綺麗な包丁捌きだったので半ば安心していたのだが、どうやらざっくりと切っているらしく慌てて相手へと近寄って「いや…!謝らなくて良いんだよ!それよりも手は大丈夫かい…!?」と既に治療されていた指を確認するが、心配だった為にそう問い掛ける。神様に不思議な力があって簡単に治せるとは言え、結構包丁で指を切ると言う事は体験した事のある身としては痛いものだ。だからこそ心配気に見ていたが、その後に告げられた言葉にやや眉を下げては「…ううん、そっか。僕は全然邪魔だとは思ってなかったけど…」と手伝いを辞退する意向を示す彼に、一緒に料理を出来ていたのは楽しかったのでしゅんとした表情を見せたものの、無理矢理続けさせてまた怪我をさせてしまったらそれこそ忍びない。それ故無理に引き止めようとはしないが、しかし今日は特に相手と離れ難く「…ただ伽羅ちゃん、一つだけ我が儘を言っても良いかな?その…料理をしなくても君にはこの部屋に居て欲しいんだ。今日は特に、少しでも長く一緒に居たくて…」と本心からの言葉なので気恥ずかしさやら申し訳なささで少々声量が小さくなるが、じっと彼を見詰めた後にそうお願いをしていき)

  • No.361 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-27 21:17:03 

(指はすでに綺麗に治ってはいたが、包丁で切った時の痛みはかなりのものだった。それに加えて光忠が慌てた様子で手は大丈夫かと心配してきたので、たかが切り傷と侮ってはいけないのだろう。知識があってもこれなのだから、恐らく何も知らない状態から始めたであろう光忠もこの怪我の経験があったに違いない。その痛みと練習の積み重ねが、今の料理の腕に繋がっているのかもしれない。そう考えると、一回指を切った程度で手伝いをやめるのが情けなく思えてくるが、光忠の張り切りようを見る限り今日の料理は本当に特別なモノらしいのだ。余計な意地を張って足を引っ張るより、さっさと退いた方が光忠の為になる。情けなかろうと格好悪かろうと構うものか、自分の中では光忠が最優先なのだから。しかし、手伝いをやめるとは言ったが何もせず棒立ちになるのも如何なものだろうか。光忠の傍にいたいので居間に戻るという選択肢は始めから無い。それなら料理の手伝い以外で出来ることを考えようとした矢先、光忠から声を掛けられ考え事を中断する。そうして告げられた光忠曰く『我が儘』らしい言葉は、いっそ笑える程に自分と同じ考えで、ふっ、と本当に笑い声が漏れてしまい片手で口を抑えながら「アンタが望むならそうさせて貰う。だが、俺は最初から傍を離れないつもりだった」と、自分も光忠と一緒にいたかったことを伝えては「今日は、アンタが料理している所を観察するだけにしておく。次は最後までアンタを手伝いたい」と、次の料理の際はもう一度手伝うことを告げて)

  • No.362 by 長船光忠  2016-08-27 21:52:20 

(断られる可能性を考慮しつつも、我が儘だなんて言ってお願いを半ば断り辛くしてしまったのは申し訳ないなと思いながら相手の返事を待って行く。そうして、不意に小さく笑みを零した彼を見ては「!。えっ、そうだったの…?ふふ、伽羅ちゃんもそうだったなんて、凄く凄く嬉しいなぁ」と一瞬きょとんとしたが直ぐに自分と同じ事を思っていてくれた事を知れば、幸福感で瞳を細めて柔い表情を浮かべていく。自身の一方的な気持ちで無かったと知れた事も嬉しいが、何より相手がそんな風に想ってくれていた事がとても嬉しくて堪らなく、こちらも小さく笑みを零す。それから“次は最後まで手伝いたい”と言ってくれた彼に「うん、分かった。次もまた君に頼むよ。一緒に料理を作るの楽しみにしてるね。_それじゃあ、夕餉が出来るまでちょっと待っててね」と微笑み掛けると、台所に戻って夕餉作りを再開させる。先程水を入れた鍋に料理酒と醤油と砂糖とダシ汁も投入していき中火で煮立てていく。そこに金目鯛の切り身を入れて落とし蓋をし、何十分か煮ている間に春カブのお味噌汁に取り掛かろうとする。伽羅ちゃんが殆ど切ってくれた残り少ない春カブを切れば、ダシ汁に入れて煮込んでいき、そこそこ一煮立ちさせたら火を弱めて味噌を溶かし入れていく。後は味噌の風味が飛ばない様に気を付けつつ蓋をして火を止めれば春カブのお味噌汁は完成で、彼が材料を殆ど切ってくれたから短時間で済んだなと心中で手伝ってくれた事に感謝をする。その後、金目鯛の煮付けも鍋底に残った煮汁に照りが出るまで煮る事が出来たのでこの料理も終わり、残るはおかずの二品だと思っては気合を入れていってそれらの材料を出していき)

  • No.363 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-27 23:38:53 

(光忠に料理を教わることをついさっきまで考えていたが、出来る所までは自力でやってみようと思い直す。先程指を切ってしまったのも別のことを考えていたせいなので、作ることに集中していれば上手くいっていたような気がする。あくまで『気がする』だけなので今回は諦めたのだが。台所に戻って再び調理を再開した相手の動きをよく観察してみると、手際が良いだけでなく、一つ一つの行動に迷いが無い。それぞれの料理でどのように行動すればいいのかを熟知している動きで、それらを見ては感嘆する。さすがに全ての動きを真似出来るとは思っていないが、覚えておけば今後の手伝いで役に立ちそうだ。そう思いながら光忠の動きを覚えるべく観察を続けていると、眷属の光が一つふわりと調理場へ入ってきた。「…ああ、お前か」と笑みを浮かべて迎えれば、眷属が自分の肩へぽふりと乗っかり点滅を繰り返す。ことあるごとに自分や光忠についてきてはこうして肩に乗るのが習慣となったその眷属は、不思議そうにこちらを見やりながら『主、お手伝いはどうしたんですか?』と聞いてくる。「さっき、失敗をしてな。手伝いは辞退した」と答えると『えっ!主が失敗することなんてあるんですか!?』と殆ど叫び声に近い驚きの言葉を告げられ、くくっと喉を鳴らしながら笑ってしまう。「俺は失敗や間違いばかりを繰り返しているぞ?そういう所は、光忠の方がずっと優秀だ」と言いながら、光忠へと視線を向け直す。思い返してみれば、光忠の行動はいつも正しい道を辿っていたと思う。特にそう感じたのは、あの村に宣教師が来た時、光忠が術を解いて姿を現し、ありのままの気持ちを村人達にぶつけたこと。自分では思いつきもしなかったその方法で、竜神の信仰が僅かに復活したのだ。おかげで自分は竜の姿に成ることが出来、宣教師を追い返すことも出来た。「…本当に、何も出来ないのは俺の方だな。いつも光忠には助けられてばかりだ」と呟けば、肩に乗った眷属がその場で跳ねながら『主は頑張ってます!何も出来なかったことも無いです!光忠さんだって同じこと言いますよ、絶対!』と強く訴えられては「そうだな。光忠なら、そう言ってくれる」と笑みを浮かべてそう言っては、指先で眷属を撫でていき)

  • No.364 by 長船光忠  2016-08-28 00:15:36 

(そう言えば茶碗蒸しなんて久々に作るなぁと、昔に母と一緒に作っていた時の事を思い出しては懐かしみ、具材の鶏肉や椎茸を食べやすい大きさに切っていく。それに加えて、茹でた海老と三つ葉と共に、茶碗蒸しの器に先に具材を均等に入れる。そして幾つか卵を割っては菜箸で溶いていき、その中にダシ汁を入れると再度掻き混ぜて溢れない様に茶碗蒸しの器に注いでいく。今度は蒸す為に、鍋に布巾を敷き、ボウルに入れて熱湯を茶碗蒸しの器の半分の高さまで注ぐ。また、別の布巾で包んだ鍋蓋を少しズラして乗せては中火に掛けて蒸していく。それを待っている時間は勿体無いので、小松菜と油揚げの煮浸しを作ろうと調味料を手に取っていく。ダシ汁、みりん、醤油、料理酒、砂糖、水を鍋に入れて、根を切り落とし五センチぐらいの長さに切った小松菜と短冊切りをした油揚げもそこに加えてサッと煮る。一煮立ちしたら火を止めて、そのまま味を馴染ませていく。それを小鉢に盛っていれば炊飯器が鳴ったと同時に茶碗蒸しの方も良い感じに固まっていたので、竹串で刺して大丈夫かの最終確認をすると平気だった為に夕餉の品が全て完成する。「よし、出来たっ」と満足気に呟けば後は盛り付けだけなのでお盆を二枚取り出すと、まずは煮浸しの入った小鉢を置いていく。それから後ろを振り向けば「あっ、眷属くん!調理場に来ていたんだね」といつの間にかここに来ていたお馴染みの光の精を見て笑みを向けた後、話を本題へと戻していき「そうそう、伽羅ちゃん。夕餉が完成したから、お赤飯をよそうのをお願いしても良いかな?」とさすがに一人でやると相手を余計に待たせてしまうので、お玉でお味噌汁を掻き混ぜつつ手間を掛けさせてしまって申し訳ないと感じながらもそう頼んでいき)

  • No.365 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-28 17:31:52 

(ふわりと漂ってきた匂いは、様々な料理の匂いが混ざっているにも関わらず少しも劣化することなく、むしろ互いを引き立て合うかのように良い匂いになっている。光忠のことだ、味や見た目だけでなくこういった細かい箇所にも気を配って作る料理の組み合わせを選んだのだろうなと考えていると、こちらを振り向いた光忠が肩に乗っている眷属に気付いて笑みを向ける。それに返すかのように点滅をする眷属に少し視線をやってから、赤飯をよそって欲しいという相手からのお願いに「分かった」と頷きながら返事をして、炊飯器の前へ移動する。米をよそう為の道具であるしゃもじを手に蓋を開けば、湯気と共に甘い匂いが広がり、綺麗な薄桃色に染まった米が視界に入る。『わあ!綺麗な色ですねー!』と肩の上ではしゃぐ眷属の声を耳にしながら、しゃもじで軽く赤飯をかき混ぜていく。…二人しかいないのに炊飯器の中身の量が少々多い気がするのはたまたまなのか、光忠が張り切った結果なのか。どちらにしても食べ切れない程の量では無いので問題無いだろうと思いつつ、気持ち多めに赤飯を二人分の茶碗によそってから蓋を閉めて「光忠、これでいいか」と盛られた赤飯を相手に見せながら問いかけて)

  • No.366 by 長船光忠  2016-08-28 18:08:23 

(こちらの頼みを快く引き受けてくれた彼に「ありがとう」と笑顔で感謝の言葉を述べては、鍋を掻き混ぜていたお玉を止めて木製の器に春カブの味噌汁を注いでいく。しかし注いだは良いものの、少し余ってしまった為に若干多めに作り過ぎたかもしれないと思っては、残った分は明日の朝に責任を持って食べようと考えながらも、彩りの為に三つ葉を上に浮かべた後に溢れないよう味噌汁をお盆の上に置いていく。それから、せっかく綺麗に出来た金目鯛の煮付けを崩さない様に慎重に少し堀の深い丸皿に乗せようとしていれば、盛った茶碗を見せてくれてお赤飯の量を尋ねて来た相手に顔を向けては「うん!その量で大丈夫だよ」と良い色に炊けていたそれを見ると安堵しつつ、量は適切だったのでこくりと頷いていく。勿論、料理は味にもこだわっているが、見た目にもこだわっている。やっぱりより美味しく食べて貰うには、飾り付けや色合いなどの見た目も大事なので今回もそれが上手く出来ていた為に、内心で密かに喜んでいく。それから何とか金目鯛の煮付けを上手く丸皿に乗せると、上から少しの煮汁を掛けていき。お味噌汁に続けてお盆の上に置いていこうとしながら丸皿を二枚持てば、まだ置いていない茶碗蒸しも置かないとと思っていて)

  • No.367 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-28 21:14:29 

(相手から大丈夫だと告げられ頷きを返しながら、事前に用意されていたお盆の上に乗せておく。先に置いてあった味噌汁の上に浮かんでいる三つ葉に少しだけ視線をやっては、こういう一手間を惜しまずすることが料理には重要なのだろうなと感心しつつ学習をしていく。それから光忠へと視線を移し、慣れた動作で煮付けを丸皿に置いていく様子を観察して。味噌汁、赤飯、煮付けとこれで三品が揃った。後は確か茶碗蒸しだったか、と光忠が作ると言っていた料理名を頭の中に思い浮かべて、湯気を出している鍋を見る。と、そこで『主!主!』と眷属が呼ぶ声が聞こえてはそちらを向いて「どうした?」と問いかけると『光忠さん、本当に料理がお上手ですね!社のお掃除も丁寧にしておられましたし、鶴丸様の言ってた通り良いお嫁さんになれますよね!』と告げてきた。…お嫁さん…嫁?確か、互いに永遠の契りを交わした人間の男女の、女性の方をそう呼ぶのだったか。妻、とも呼ぶそうだが…何故そこでその単語が出て来るのかがいまいちよく分からない。しかし情報源が国永となると、間違いでも無いのだろうか。『鶴丸様曰く、神に生け贄を捧げる行為に関しては昔から色んな呼び方があるそうなんです。その中の一つが"嫁入りする"という呼び方で、光坊はそういう意味でも倶利坊の嫁で間違いないな、と言っておられました!』と律儀に解説をしてくれた眷属に「…そうか」と返事をしてから、少しだけ思考を巡らせる。光忠だけを愛し、生きている限り傍にいるという契りは交わした。だが、光忠のことを自分の嫁と呼べるのかどうかは分からない。そもそもその呼び方は人間の女性を対象としているのだ、光忠がそう呼ばれて喜ぶとも思えない。「…呼び名は別に、関係無いな」と自分に言い聞かせるように呟いて一旦思考を中断させては、再び光忠の方へと視線を向け直して)

  • No.368 by 長船光忠  2016-08-28 22:08:49 

( 金目鯛の煮付けをお盆の上に置くと、そう言えば温めっぱなしだった事を思い出して慌ただしく茶碗蒸しの方へと近寄って行く。黒手袋を着用していたので、そのまま茶碗蒸しの器を持てるかと思ったのだが「っ!」とさすがに熱くて素早く手を引っ込める。幸い火傷にはなっていないので密かに安堵の息をつくと、きょろきょろと辺りを見回しては近くにタオルを見付けて、それを水で軽く濡らせば茶碗蒸しの器を軽く包んで持ち上げる。これなら全然熱くないと思っては、やっぱり横着するのは良くないなぁと黒手袋のみで持とうとしていた自身に反省をして、お盆の上に一個ずつ置いていく。そうすると今度こそ夕餉が完成して、お赤飯、春カブのお味噌汁、金目鯛の煮付け、茶碗蒸し、小松菜と油揚げの煮浸しと全ての品を置いた事を確認する。そして、ふぅと小さく息を吐き微かに浮かんでいた額の汗を拭った後、まさか嫁云々の話題をしていたとは知らずに伽羅ちゃんと眷属くんの方を見て「待たせちゃってごめんね。盛り付けも終わったよ」と伝えれば、夕餉の乗ったお盆を一つ手に持って「それじゃあ、居間に運んで行こっか」と微笑み掛ければ相手の準備が整うのを待っていき)

  • No.369 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-28 23:00:57 

(湯気が主張してくることから、茶碗蒸しの器は相当な熱さになっていたことだろう。しかし、光忠がそのまま手を伸ばしたのを見ては止めようと口を開きかけた所で光忠の手が器に触れてしまい、僅かに顔をしかめてからその手を引っ込めた。やはり熱かったのかと思い火傷の心配をするが、当の本人は気にした様子もなく水に濡らしたタオルで再度器を持ったのを見て、どうやら大したことにはならなかったらしい。そのままお盆を持って居間に行こうと提案する光忠に頷きを返してから、もう一つのお盆を片手に持って光忠の隣に立ち、そのままもう片方の手で光忠の持つお盆を取る。「俺が運ぶ。アンタは手を冷やしていろ」と先程火傷しかけたことを指摘するのと同時に、眷属が先程使われていた濡れタオルを運んできて光忠の手に乗せる。万全を期すならば自分が治癒をした方が良いのだろうが、あまり神の力を人間に施すのは良くない。国永が光忠に術をかける際に言っていたように、神の力は人間にとって強すぎる為、負担となってしまうのだ。姿を消したり髪や眼の色を変える程度なら大した負担にはならないので、気兼ね無く術をかけられるのだが。「…結局、手伝いは出来なかったからな。このぐらいはさせてくれ」と告げてから、調理場を出て居間へと進んでいき)

  • No.370 by 長船光忠  2016-08-28 23:23:38 

(相手がお盆を持ったのを確認するとこの調理場を出て行こうとしたが、その前に自身が持っていたお盆を彼がひょいと持って行ってしまえばきょとんとして、直ぐさま手を冷やす事を促されれば先程の失敗を見られていた事に気付き、心配を掛けさせてしまったと思うと「あっ、でも大丈__わっ!?」とヘッチャラな事を伝えようとしたものの急に右手がヒンヤリとしたので何事かと思えば、どうやら眷属くんが濡れタオルを持って来てくれたようだ。右手の下は、特に過去の火傷で感覚が鈍くなっているのであまり痛みは無かったのだが、けれど熱かった事は熱かった上にせっかくの二人の厚意を無下にはしたくなかった為「…、ありがとう」と胸内に広がる暖かさを感じながら濡れタオルをきゅっと握ってお礼を述べていく。黒手袋を付けたまま右手を濡れタオルで包んでいき、急いで居間を出て行った伽羅ちゃんの後を付いて行く。暫くして居間へと着けば、左手の片手で座布団を二枚敷きつつその内の片方に座っていき)

  • No.371 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-29 00:22:39 

(居間に着いてから両手に持ったお盆を机の上に置いている間に、光忠が二人分の座布団を片手で敷いては片方へ座るのを横目で見やる。…そういえば、出会った時から光忠の両手は黒い手袋によって隠されていた。右目も同様に長い前髪に隠されており、どちらも隠されたその下を見たことが無い。住んでいた家が謎の火事に遭い、両親を失って自分だけが生き残ったという話は聞いた。ならば、両手と右目が隠されているのもそれが原因だろうと予測出来る。しかし、それに触れることは、光忠が自身の黒髪に対して抱いている感情とは比べ物にならない程の傷に触れるのと同義だ。幾ら想いを通じ合わせたと言っても、無遠慮に踏み込んでいい領域ではないと分かっている。…それでも俺は、光忠の全てが欲しい。過去も傷跡も全部暴いて愛し尽くす、そう決めたのだ。しかしさすがに今すぐ聞くことは出来ないので、一旦その件は保留することにしてもう一つの座布団へと座り、胸の前で手を合わせて「いただきます」と食事前の挨拶を口にしてから箸を手に取る。どれから先に手をつけようかと少しの間迷ってから、金目鯛の煮付けへ箸を伸ばし、一口程度の大きさを取ってから口に運ぶ。そのまましばらく咀嚼して、こくりと喉を動かして飲み込んでから「…美味い」と呟いて口元を綻ばせ、今度は煮浸しに箸を伸ばして同じように口に運んでいき)

  • No.372 by 長船光忠  2016-08-29 06:06:31 

(濡れタオルを調整しつつ、ふとあの日に自分と両親を襲った大火を思い出す。それによって、右目と右手に火傷を負ってしまったので、今までもこれからもそれは隠して生きていく。あんな酷い火傷痕は見て気分の良い物では無いと考えているため頑なに黒手袋は外さず、濡れタオルがヒンヤリして気持ちが良いと思いながらも思考を戻し、目の前に置かれた夕食を見た後、相手と同じ様に胸前で両手を合わせると「いただきます」と食前の挨拶をする。それから左手で箸を取り、少しやりにくいが右手でお赤飯が盛られた茶碗を持っていく。それを箸で掴んで食べれば、餅米の弾力良し、塩加減良しと納得の行く味になっていて独りで満足気に頷く。すると、金目鯛の煮付けを食べてくれたらしい彼の“美味しい”と言う感想が耳に入ると「…ふふ、良かった!」とそれこそパッと満面の笑みを咲かせる。自分にはこれくらいしか出来ないから、やはり自信を持って出来る事を褒められるのは凄く嬉しい。それも特に大好きな相手から言われるのなら尚更だ。頑張って良かったなぁと感じつつ、思わず嬉々とした気持ちで春カブのお味噌汁に手を付けていき。これも良い塩梅に出来たと思いながら木製の器を置いていって)

  • No.373 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-29 21:35:35 

(自分は大食いでもなければ早食いでも無い。そもそも食事という行為すらまともにしたことは無く、たまに国永がくれる林檎を口にするくらいだった。しかし光忠の料理はどうやら自分にとっては例外のようで、幾らでも食べられる気がする上に気が付けばあっという間に無くなってしまっている。光忠と比べて料理の減りが遥かに早いのを見ては、まるでがっついてしまっているようで少し行儀が悪いかとも思ったが、みっともないような汚い食べ方はしていない…はず、だ。そんなことを考えながら茶碗蒸しの最後の一欠片を口に入れ、しっかりと飲み込んでから食器を置き、再び手を合わせて「ごちそうさま」と食事終わりの挨拶を告げる。すっかり空となった自分の分の皿を見やりながら「光忠、どれも美味かった」と改めて感想を伝える。もう少し褒め方があるだろうとは思ったが、自分には正直な感想を伝えることしか出来ない。こうなるのだったら国永にもう少し料理について教わるべきだったか、と内心で反省と後悔をしては、ふと気になったことを思い出して「…アンタが前に作った料理はもう少し簡素だったと思うが、気分で違うのか?」と、今日の光忠が作った料理はどれも豪華なものだったので、そのことに関して疑問を投げかけてみて)

  • No.374 by 長船光忠  2016-08-29 21:57:33 

(金目鯛の煮付けの骨を取りつつ箸を使って口へと運んでいれば、ふと伽羅ちゃんの食べるペースが速い事に気付いて、もしかしてこれは自分の作った料理が気に入ってくれたから食事の減りも速いのかなと、やや自惚れた事を思うが何はともあれ嬉しい事には変わり無い。“ごちそうさま”と丁寧に締めの挨拶と改めて料理の評価を言ってくれる彼に「お粗末様。ありがとうっ」と笑みと共に返しては、相手を待たせるのも忍びないので自身は食事を再開させると、やや食べるペースを速めていく。そう言えば茶碗蒸しに銀杏を入れるのを忘れていたなと、それを食べている最中に思えば次回作る際には忘れない様にしようと考え、最後に残っていた小鉢を手に取ると煮浸しを口へと運んでいく。不意に、料理について伽羅ちゃんから問い掛けられると「うん、そうだね。お祝い事や良い事があった日はちょっとだけ贅沢をするよ」と素直に頷いていき、それから「…今日はさ、君に想いを告げられた特別な日だから夕餉を張り切ったんだ」と隠さずに伝えると柔く微笑んでいく。それに今後先、残り時間の少ない相手と後どれだけ一緒に居られるのか分からないのだから、なるべく一品一品に気持ちを込めたくて手の込んだ食事になってしまったと言う事もあるが)

  • No.375 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-29 23:07:47 

(相手からの返答に納得して頷いていると、続けて光忠が口にした『想いを告げられた特別な日』という言葉に目を見開く。今日振る舞われた料理も、それを作るのに光忠が張り切っていたのも、全て目に見える形で自分に向けられた好意だったらしい。そして、自分に好きだと伝えたこの日を特別だとも言ってくれた。滲むようにじわじわと湧き上がるのは喜びの感情で、同時に愛しさも増していく。…いつか自分がいなくなってから、毎年この季節が訪れる度に今日過ごしたことを思い出してくれたなら、こんなに嬉しいことはない。光忠は優しいから、思い出す度に悲しんでしまうかもしれない。それでもそうなるよう縛ったのは自分で、それを今更撤回する気は毛頭無い。自分の為に流される涙なら、それすら愛おしいと感じてしまうのは、決して純粋で綺麗な愛では無いのだろう。内に秘められたほの暗い感情にそっと蓋をしつつ「そうだったのか、通りで二人分にしては量が多いと思った」と笑みを浮かべてごく普通の返答をする。それからタオルが巻かれた右手に視線をやっては「張り切るのはいいが、怪我はしないように気を付けろ。アンタは人間だ、少しの怪我で取り返しの付かないことになりかねない」と、少しだけ眉を潜めてそう告げる。考え事をして自らの指を切ってしまった手前あまり説得力は無いが、自分は幸い神の身なので幾らでも治せる。しかし光忠はそうもいかないので、充分注意をしてもらうための発言で)

  • No.376 by 長船光忠  2016-08-29 23:37:50 

(よく愛情が篭った料理は美味しいだなんて言うけれど、この夕餉で少しでも彼がそう感じてくれていたら良いなぁなんて思いながら、こう言った料理を作るのも相手が最初で最後になるのだろうと、今の時点でもハッキリと分かる。彼が死んだその時は自身も命を絶つと決めているのだから、それは今ここで前以て断言出来た。これが良い選択では無いことは分かってはいるものの、自分にとってはそれが最良の方法で、何度でも思うが相手が居ない世界で生きていたって意味など無い。死なないでなんてお願いをしたところで現実を変える事など出来ないのだから着実に近付く彼の死を受け入れるしか無く、しかしきっと心の奥では受け止めきれないから自身も後を追う予定だ。その時まで出来る限り沢山の思い出を作っておこうと思いつつ、伽羅ちゃんの笑みを見ては「量に関しては本当に張り切り過ぎちゃってね」と眉を下げて微笑み返す。その後に冷やしている右手を見られれば、この怪我は迂闊だったと感じながらも「…うん、ごめんね。肝に銘じておくよ。…でも君も神様とは言っても、怪我が痛い事には変わり無いんだから気を付けてね」と先程の包丁の件を思い出しつつ心配気に再び眉を下げていく。直ぐに治せるとは言え、やはりもう少しだけ体を労わって欲しいとの思いを密かに込めて上記を述べる。その後に、ややしんみりとしてしまった空気を変えるように持っていた箸を置けば「_さてと、ごちそうさま。待たせてしまってごめんね」と明るく言って、食器をお盆に戻していき)

  • No.377 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-30 00:32:17 

(あの程度の痛みは何ともないというのが本音だが、わざわざ光忠を心配させるようなことを言うわけにはいかない。出来る限り努力しようと思い直し「…ああ、分かった」と返事をしては、食べ終わったらしい相手が食器をお盆に戻すのを見て、自分の分の食器が乗ったお盆と共にそれらを両手に持ち「光忠、持っていくぞ」と伝えてから再び調理場へと向かう。そうして調理場に着くなり、両手のお盆を一旦降ろしてからその上に乗った食器を全て洗面台へ移し、蛇口をひねって水を注ぎながら光忠へ視線だけを向け「俺がやるから、アンタはそこで待っていろ」と皿洗いは自分が引き受けることを告げては、視線を手元に戻して一個ずつ丁寧に洗っていく。どんな形であれ、水が自身の体に触れているのは心地良いものだ。唯一の例外は水中に独りで漂う例の夢だけだったが、それは光忠のおかげで解消されているので何の問題も無く、思わず上機嫌になりながら皿洗いを続けていき、最後の一枚を無事に洗い終えてから少しだけ名残惜し気に水を止める。濡れた両手を傍に置いてあるタオルで拭き取ってから光忠に向き直り「終わったぞ」と傍まで歩み寄りながら短く告げて)

  • No.378 by 長船光忠  2016-08-30 06:58:35 

(まだ右手に濡れタオルを巻いてるとあってか、自身の分のお盆まで持ってくれる彼に気を遣わせてしまって申し訳無いが、けれどそんな相手の優しさに表情を和らげては「分かった、ありがとね」と微笑み掛ける。それから居間を出て行く相手の後を追って立ち上がり、同じく廊下を通って調理場へと戻る。食器を片付けるまでが自分の仕事だと思い、右手の濡れタオルを取って洗面台に近付こうとしたが“待っていろ”と言われてしまえば「えっ、あ、うん」とこくりと頷き、机の前にある椅子へと座る。分担作業になっていてこれはこれで良い事なのかなと思いながら、つい手伝いたい気持ちを抑えていく。ふと自身の両親も母が料理を作っていて、父が最後に食器を片付けていたなぁと懐かしい事を思い出していれば、何だかこの状況がそれと重なってしまう。ただ自身と彼は夫婦では無いので、重ねるなんてのも烏滸がましい話だが。そうして洗い物の水音を聞きつつ待っていると、蛇口が止められそれが終わったと相手から聞けば椅子から立ち上がり「本当にありがとう、助かったよ」と感謝の気持ちを伝える。不意に今の時間を確認する為に調理場の壁掛け時計を見れば、結構夜になっていて「…あっ、もうこんな時間なんだね。明日は都に行くから、そろそろ寝た方が良いかも」と鶴さんは明日か明後日に宣教師の根城に突入すると言っていたので早い内に寝た方が良いと思ってはそう告げて「その前に、僕はお風呂に入って来るね。…それじゃあ」とさすがに彼が入らないのに幾ら離れ難いとは言えそこまで一緒にと言うのは子供過ぎるので、支度をしたら湯浴みをしようと思って小さく手をひらひらと振っては調理場から出て行こうとして)

  • No.379 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-30 19:38:22 

(確かに光忠の言う通り、今日は早めに休んだ方が良いかもしれない。実際に明日に都へ行けるかどうかは貞次第なのだが、鳥の神たる貞の機動力は折り紙つきだ、明日にはここに辿り着く可能性が極めて高い。そう考えてから、風呂場へ向かおうとする光忠の背中に向けて「光忠、普段使っている部屋は何処だ?」と問いかける。神域内で形成されたこの屋敷は無駄に部屋数が多く、一応どの場所にどんな部屋があるのかは把握しているが、光忠が普段使っているかどうかまでは本人に聞かなければ分からない。その故の問いかけで。「今日は傍にいると決めた。アンタが眠る時まで近くにいたい」と続けて言葉を投げかける。今まで自分が眠ってしまった時、目覚めるといつも光忠がそこにいた。自分の意識が無い時でもずっと傍にいてくれたことが嬉しかった。そのお返し…というわけでは無いが、今日は日が昇るまで光忠の傍にいたい。どうせ普段は眠る必要の無い身だ、太陽が再び姿を見せるまでの長い夜の間、愛しい存在に想いを募らせながら過ごしてもいいだろう。『どうせならお風呂もご一緒すればいいじゃないですか!』と、周りをふわふわと飛びながらそんなことを言ってくる眷属に「(…風呂は苦手だと、お前も知ってるだろう)」と光忠に聞かれぬよう声なき声でそう告げる。水は好きだが、熱せられた水というのは本当に苦手なのだ。熱湯に浸かるという行為を考えるだけでも鳥肌が立ってしまいそうになる。…さすがに情けなさすぎて光忠には言えないのだが。「部屋で待ってる、光忠」と最後にそう伝えては、風呂場に向かうよう視線で促して)

  • No.380 by 長船光忠  2016-08-30 20:32:28 

(湯浴みをしようと進めていた足を止めると、一旦振り返り彼の質問にやや首を傾げる。普段使わせて貰っている部屋は固定しているが、何で部屋の場所を?と不思議そうに相手を見ていたものの、続けて言われた言葉を聞けば驚きで目を瞬かせる。そこまで側に居て来れる事に素直に嬉しいと言う気持ちも感じれば、つい表情を綻ばせて「えっと、部屋は右の一番奥にある場所を使っているよ」と言った後、一息置いては「僕も寝る時まで伽羅ちゃんと一緒に居たいと思っていたから嬉しいよ」と、幸福感で目を細めれば素直に言葉を伝えていく。相手が側に居てくれるのなら、もし悪夢を見てもきっと大丈夫だし心強いとあの彼岸の夢に現れてくれた龍の事を思い出しながら、密かに想っていく。それから部屋で待っていてくれるらしい彼を見ては「うん、なるべく早く部屋に戻るね」と、あまり待たせるのも忍びない上に少しでも長く相手の側に居たいので、そう告げると足早に調理場から出て行く。湯浴み場に着くと蛇口を捻って湯船に湯を張っていき、丁度良い高さになった所で止めれば、一旦脱衣所に戻って着物と黒手袋を脱いでタオルのみを持って行く。普段の時の様に身体や髪を丁寧に洗うと、一日の疲れを癒す様に静かに湯船へと浸かっていって身体を伸ばし、数分間だけ温まっていく。逆上せない内に湯船から出れば脱衣所に戻って身体を拭いて、和装の寝間着に着替え直すと、再び足早に夜の縁側を通って彼が待っているであろう自室に戻ろうとして行き)

  • No.381 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-30 21:32:50 

(光忠の背中を見送ってから、教えられた箇所にある部屋へ向かう。普段は居間か中庭の二箇所くらいしか使わない為か、珍しい行動を取っているように見えたのだろう。眷属達が次々と集まってきては『あれ?主どこに行くんですか?』『こっち何かありましたっけ?』『みんな!この先にあるのって光忠さんが使ってる部屋だよ!』『『『ああー!なるほどー!』』』と好き勝手に喋っていく。相変わらず眷属達はいつでも騒がしいな、と苦笑をこぼしていると、目的の部屋に辿り着いた。記憶の中の内装とあまり変わっていないのは、光忠が単に物が無い方が好みなのか、自分に遠慮して下手に触ろうとしなかったからなのか。どちらも有り得そうだな、と思いながら部屋に足を踏み入れた時にふと視界に映ったのは、竜の形をしたお面。確か夜市に行った時にお面屋で光忠が買った物だったはず。まだ最近のことのはずなのに酷く懐かしい出来事のように思えて、置かれているそれを手に取り間近で眺める。いつかの日に見たことのある人間の祭りの屋台と比べて、妖怪達の取り扱う屋台の商品はどれもこだわりを持って作られている。それはお面も例外ではなく、だとするならばこれも竜の姿に限りなく近いのだろう。自分で自分の容姿というのはよく分からない為に、断定することは出来ないのだが。あの時お面屋の店主に言われた言葉をふと思い出し、あの時から光忠は自分のことを好きでいてくれたのだろうかと考える。「…求められていた…いや、求めていたのは、俺の方か」と呟き、竜の顔をなぞるように指先でお面に触れていく。自分が求めていたものはすでに手に入れた…否、まだ足りない。もっと強く、もっと深くと望むこの心は、きっと自分が死ぬその時まで満たされることは無い。俺は永遠に光忠だけを求め続けるのだろうから。『あ、光忠さんこっちに来てますよ、主!』と眷属の一つが告げたのを聞いては、竜のお面を手にしたまま部屋の外へと視線を移して)

  • No.382 by 長船光忠  2016-08-30 22:08:10 

(縁側を歩きつつ中庭を一瞥すると、蛍の様に飛び交っている眷属くん達が見えて幻想的だなぁと思っていれば、微かな夜風に髪が靡き、湯上りで温まっている体を冷まさない内に再び歩みを再開させる。自室の近くに戻ると、何だか相手が待っていてくれているこの状況に今更ながら緊張して、ゆっくりと襖に手を掛けて開けると「お待たせ、伽羅ちゃん」となるべく普段通りの調子で話し掛けたものの、不意に彼が手に持っていたあの竜のお面が視界に映って「あっ、それは夜市の時のお面だね」と値引きしてくれた妖怪のお面屋さんを思い出しては、再度口を開いて「…実はさ、そのお面って夢に出て来た竜…つまりは君に似ていたから買ったんだ。やっぱり伽羅ちゃんに関する物って、どうしても欲しくなっちゃうんだよね」とまだ数日しか経っていないのに何処か懐かしみながらそう伝えていく。今思えば夜市の時から無意識下で、相手の事が好きだったんだなぁと改めて想うと小さく笑みを零して自室へと入って行く。それから、話したいのも山々だったが一旦押入れの方に向かってそこの扉を開けると、中から敷布団を取り出す。彼も寝るのだろうかと思っては、一応二枚分のそれを持てば手際良く部屋の真ん中辺りに敷いていく。枕と掛け布団も置いていくと、行灯の柔い光はそのままに寝る支度を進め終えれば、再び相手の近くに戻って「さてと、準備は終わったよ」といつでもお休み出来る事を告げるとそこに腰を下ろしていき)

  • No.383 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-30 23:49:09 

(視線を向けていた襖が静かに開き、待ち望んでいた光忠の姿を目にしては自然に表情を柔らかくして。自分が手にしている物に気付いたようで、懐かしんでいるような声色で竜のお面を買った理由を告げられ、再びお面へと目を向ける。二人分の敷布団を用意していく光忠に自分は必要無いことを告げようとしたが、一人だけ布団で寝るのは申し訳ないと思ってしまうかもしれない。余計な口出しはしないでおこうと考え直し、準備は終わったと告げて腰を下ろした光忠に続くように自分もその場に座る。いつの間にか周りにいたはずの眷属達はいなくなっており、開いたままの襖越しに見える中庭の方でいつものように漂っているのが見えた。今、この場にいるのは自分と光忠の二人だけ。今ならば聞けるだろうと、開いたままだった襖を手を伸ばして閉じ、そのまま相手の方へ向き直って「光忠」と名前を呼ぶ。片手で黒い手袋に覆われた光忠の手を握り、もう片方の手で右目を隠している前髪に指先だけ触れてから「俺は、アンタの全部が欲しいと言った。その代わり、残っている時間を全てアンタの為に使うとも言った。だから、知りたい。アンタがずっと隠しているものを確かめたい」と、正直に自分の考えていたことを伝えては「…全部、俺のモノなんだろう?」と優しく微笑みかけて)

  • No.384 by 長船光忠  2016-08-31 00:31:39 

(そう言えば、今から寝に入ると言うのに掛け布団の上に正座をしていては寝るに寝れないかと思い、少しだけ上のを捲って布団の中に入る用意をしていると、不意にいつの間にか眷属くん達が部屋から居なくなっている事に気が付き、気を遣って二人っきりにしてくれたのかなぁと考えれば、中庭にいる彼等に向けて小さく笑みを浮かべる。それにしても、やっぱり改まって二人っきりになると意識し過ぎて緊張すると思いながらも、就寝するだけなのだからなるべく固くならない様にしようと考えて、相手にそろそろ寝る事を伝えようとした所で、襖がそっと閉じられた事に気付く。どうしたんだろうと思っては口を開こうとした刹那、名前を呼ばれて右手と右の前髪に触れられれば条件反射で僅かに目を見開き、ほんの少し後ろへと身を引き掛ける。だが彼の“確かめたい”と言う本心を真っ直ぐに伝えられると、一瞬言葉に詰まり「…そう、だけど…。でも君には…」と良い部分だけを渡したくて、あんな傷跡を見せるかどうかを躊躇っていく。優しい彼なら受け止めてくれるはずと分かってはいるのだが、矢張り幻滅されたくないと言う不安も捨て切れない。けど、それでも相手に優しく微笑み掛けられればぎゅっと片手を握り返して、彼は残っている時間を全て自分にくれるのだから前に言った通り自分も相手に全てをあげたいと、胸内でようやく覚悟を決めれば「…伽羅ちゃん」と名前を読んだ後「…君だけに、教えるね」と人前で晒した事など無い為に震えそうになる声を抑えつつ言うと、一旦手を解いて左手でするりと右手の黒手袋を外せばその手で右の前髪を退かして、隠していた右目と右手を露わにする。その部分には火事で出来てしまった古い火傷痕がこびり付いており、鏡を見ずとも赤く爛れているだろうと予測出来る。醜い部分で、人には知られたくない箇所。苦笑を浮かべながらも「…昔の火事で出来た火傷の痕が酷くて、隠していたんだ…」と相手がどんな顔をしているのか怖くてその顔は見れず、伏し目がちに恐る恐るそう伝えていき)

  • No.385 by 大倶利伽羅廣光  2016-08-31 21:55:02 

(我ながらずるい聞き方だと思う、自分の命を引き合いに出せば必ず了承してくれると分かっていたから。それでも、謝るということは決してしないつもりだ。この言葉は全て自分の本心であり、謝ればそれらを否定することになる。それだけは絶対にしない。光忠の全てが知りたい、全てが欲しい、全てを愛したいと願うこの本心だけは、何があろうとも決して否定しない。そのまま静かに相手の返答を待っていると、不意に名前を呼ばれ、続けて『君だけに教える』と告げられては小さく頷いてみせる。繋がれていた手が一度解かれ、今まで手袋と前髪によって隠されていたものが晒された。その下にあったのは、赤黒く変色して皮膚が爛れてしまった右手と、同じく赤黒く変色し瞼が閉じられたままの右目。黒い髪に白い肌、そこに新たに加わった赤色。まさしく焼き焦がされたという表現が正しいであろうそれらをしばらく無言のまま眺めては、恐らく自分の言葉を待っているだろう光忠を見やる。この傷跡を晒すことにどれだけの勇気を使ったのだろう、出来ることならば一生隠したままにしておきたかったに違いない。それを無理矢理暴いてしまったのは自分だ。だが、光忠にかけるべき言葉は謝罪では無い。「光忠」と伏せられた目を真っ直ぐに見つめながら名前を呼び、晒されたままの右手に触れる。手のひらに伝わったのはざらりとした感触で、それがより一層光忠の心の傷を表しているかのようだ。「…『両親が死んで自分だけが生き残った』とアンタは言っていた。一緒に死ぬことが出来ていれば…いや、両親の代わりに自分が死んでいればと、アンタは考えたかもしれない」と、完全な推測だが光忠の性格を考えれば充分に有り得そうなことを口にしては、右手の傷ごと優しく握りしめる。そして片方の手で右目の傷にも触れながら「それでもこの傷は、アンタが生きている証。炎に焼かれようと朽ちることなく残り続けた命の証明だ。俺は、それを綺麗だと思う」と、決して慰めでも励ましでもない、心の底からの気持ちを言葉にして伝える。「綺麗だ、光忠。この傷も、黒い髪も、アンタ自身の心も全て」と告げ、少し身を乗り出して顔を近付け、爛れて開かない瞼に触れるだけの口付けを落とす。唇に感じた乾いた感触すら愛おしく思いながら顔を離し「…俺だけに教えると言ったな。なら、この傷も俺のモノだ。他の奴に渡すことも、見せることも許さない。触れていいのは…愛していいのは、俺だけだ」と僅かに優越感を滲ませた笑みを浮かべてみせて)

  • No.386 by 長船光忠  2016-08-31 23:24:45 

(少しの沈黙が続き、部屋の壁掛け時計の音だけが耳に届く。晒した火傷の痕が空気に触れて、その慣れない感覚に早く隠したくなるものの全てを見せると覚悟を決めたのだから、ジッと耐えては相手の言葉を待つ。そうして名前を呼ばれれば、緊張気味にそっと視線を上げたが、その後に爛れた右手に触れられるとビクリと肩を震わせる。そこは汚いから触れては駄目だと制止しようとしたところで、こちらの本心を見透かされた様な言葉を言われれば一瞬息を詰まらせる。そんな事は何度も考えた、何十回も考えた、こんな自分なんかより両親の方が生き残っていた方が良かったんだと、代わりに自分が死ぬべきだったんだと。けどそう考えた所であの過去は変わらない、この傷だって痕だって消えはしない。鬱屈とした気持ちでその様な事を考えていれば、不意に右目に触られると矢張り少し肩が強張ってしまう。しかし、生きている証と、命の証明だと言ってくれた相手に微かに目を見開いて、そうして綺麗だと何度も伝えられれば目としての機能を果たせない其処に口付けを落とされたと同時に、ぽろぽろと涙が落ちる。それは悲しいからではなく安堵したからで。辛いからではなく嬉しいからで。「…伽羅、ちゃん」と掠れる声を振り絞って名前を呼び、もう一度口を開いて「…伽羅ちゃん。僕、君にそう言って貰えて、ホッとして、嬉しくて、涙が止まらないや」と過去も傷も受け入れてくれた為に泣きながら笑みを浮かべていく。それからこの傷に関して、彼にしか見せないと決めていた為にこくりと頷いた後、相手からの愛情を感じつつも「…けど、僕なんかがこんなに幸せで良いのかなぁ。君が愛してくれる分、僕は愛情を返せているのかなぁ…」と小さく呟けばじっと彼を見つめて。だが、そっと右目に触れられていた手を取るとその甲に口付けを贈っては「…でも、ありがとう。君のお陰で、僕は自分の事も少し好きになれそうだよ…」と柔い笑みと共に感謝の気持ちを伝えていって)

  • No.387 by 大倶利伽羅廣光  2016-09-01 21:37:39 

(金色の隻眼からこぼれ落ちていく涙は、悲しみからではないとすぐに分かった。それは光忠が『嬉しくて涙が止まらない』と言いながら笑顔を浮かべたからで、涙を流しながら笑むその姿は何より美しいと思う。今まで光忠が受けた忌み子としての仕打ち、両親と死別したという過去が、いつしか光忠自身の意志や心を縛り、自分は価値が無いと思い込むようになってしまったのだろう。だが、それは違う。この世に価値の無い命など存在しないし、自分にとっては光忠こそが最も価値のある存在だ。それに、贔屓目無しにしても光忠は素晴らしい人間だとも思う。それは国永が、貞が、薬研が…様々な者達が証明してくれている。「アンタはもう少し自分の魅力に気付くべきだ」と、もっと自分自身を好きになってもいいのだと暗に告げながら、『愛情を返せているか』という呟きに対しては「アンタ自身が疑問に思うなら、納得出来るまで俺を愛してくれ」と言ってから、光忠に口付けをされた手の甲をなぞるように指を滑らせて「俺は、これだけじゃ足りない。アンタからの愛がもっと欲しい。幾らでも、いつまででも。たとえアンタが納得しようとも、俺はそれ以上を求めるかもな」と蠱惑的に微笑んでみせる。それだけ自分は光忠を愛しており、どこまでも貪欲になれるのだから。そんなやり取りをしている内に夜が深くなってきたようで、襖越しに入る月の光が僅かに弱まっている。明日には貞が到着するかもしれない、そろそろ光忠は寝た方が良いだろう。光忠の前髪に触れて再び右目が隠れるように直し、晒された右手も黒手袋でしっかりと覆い尽くす。幾ら自分が綺麗だと思っていても、これらの傷を晒し続けるのは光忠にとっては苦であろうと考えた上の行動だ。「…光忠、そろそろ寝た方が良い。付きあわせて悪かった」と、隠されている箇所について知りたいという自分の我儘を聞き入れてくれたことに対してそう言っては、横になるよう促して)

  • No.388 by 長船光忠  2016-09-01 22:41:34 

(蠱惑的に微笑む相手に、そんな表情は初めて見たので妙に意識をしてしまい自身の鼓動が早くなるのを感じつつも、“もっと欲しい”と言う彼に、ならもう少し踏み込んでも良いのだろうかとそっとその様なことを想いながらいると、不意に火傷痕を隠す様に右の前髪と黒手袋を元と同じく正されたので少し首を傾げたが、優しい相手の事だから気遣ってくれたのだろうと考えていく。それから、こちらの睡眠時間なども気遣ってくれている言葉を聞けば「…ううん、悪くなんてないよ。君とお話し出来て良かった」と隠し事を言えた事とそれを受け入れてくれた事は、自身にとっては凄く嬉しかったことだったのでふるふると首を横に振っては柔い笑みを浮かべていく。欲を言えばもうちょっとだけお話をしていたかったが、けれど寝不足で明日に支障が出てしまったらそれこそ相手や他のみんなに迷惑を掛けてしまうので「じゃあ、お言葉に甘えて寝るね」と促されるままに布団の中へと入れば横になっていき、掛け布団の合間から横の彼を見ては寝る時まで側に居てくれる事がやはり嬉しくて仕方無く、おもむろに相手の片手を優しく握っては「伽羅ちゃん、ありがとう。…おやすみなさい」と表情を綻ばせながら就寝の挨拶をすると、名残惜しくも手を離しては静かに瞳を閉じていき)

  • No.389 by 大倶利伽羅廣光  2016-09-02 01:42:13 

(不意に片手を握られて一瞬だけ驚くも、光忠の言葉を聞いてこちらも手を握り返してから「ああ。…おやすみ、光忠」と返事をする。そのまま繋がれていた手が離され、光忠が目を閉じる。それから静かな寝息が聞こえ始めるのにさほど時間はかからなかった。…本音を言ってしまえば、もう少しの間だけ光忠の声を聞いていたかった。日が昇るまでの間を静かに過ごすことにはすでに慣れていたはずなのに、この場から話し声が消えただけで寂しく感じてしまう。寝入っている光忠へと手を伸ばし、そっと髪に指を絡ませて優しく撫でる。足りない。まだ足りない。光忠からの愛も、自分が与える愛も。強く溢れる愛しさは尽きることを知らず、今も無限に湧き上がっていくばかり。感情を持て余すとはまさにこのことだ。「…光忠」と愛しさを込めて小さく名前を呼び、一度離された手を今度はこちらから握る。足りない、何もかも足りない。自分には時間が足りなさ過ぎる。残された少ない時間ではとてもではないが全て伝え切ることなど出来ない。「…消えたくない」と、ぽつりとこぼれた独り言は、覚悟を決めた心のさらに奥底にしまいこんだ、本当の気持ち。「アンタを残して、死にたくない…叶うなら、傍にいて欲しい…最期まで、いや、最期の後も、ずっと…」と、自分以外に誰も聞くことのない独り言をただただ呟いていく。分かっている、もう自身の消滅は避けられない。どう足掻いた所で死ぬしかないのだ。だったらいっそ、愛する人も一緒に連れて逝けたらどんなに良いだろう。だが、それだけは望んではいけない。どこまでも傍にいて欲しいという暗い欲望と同じ程に、光忠には生きていて欲しいとも願っているのだから。いつの間にか強く握ってしまっていた手をそっと緩め、再び繋がりを解く。「…愛している、光忠」と暗い欲望を断ち切るかのようにありったけの愛しさを込めてそう告げては、結局することが出来なかった箇所…唇へと口付けを落とす。いつか相手が起きている時にも必ず実行しようと密かに決めながら顔を離し、そのまま視線を襖から入り込む月の光へと向け、太陽が再び姿を現すのを待って)

  • No.390 by 長船光忠  2016-09-02 07:58:27 

(緩慢な動きで隻眼を開くとやはり夢の中で、足元の彼岸花を踏まない様にしてゆっくりと周囲を見回す。すると、辺りには誰も居なかった前の時とは違って、三途の川の向こう側には龍の姿が見えた。「_伽羅ちゃん?」と声を掛けるが届いていないのか眠っているのか、その瞳は閉じられたまま。本当に眠っているだけなのかと、死んだ両親と同じ立ち位置に居る相手に不安が過るが、夢の中の事だけでは無くいつか現実でもお別れの時は来る。泣いても笑っても、どう過ごしたってそれは避けられない事実だ。本当ならもっと一緒に生きたい。生きて沢山の思い出を一緒に作りたい。死なないで欲しい、嫌だと素直に思っては、三途の川に足を入れて渡ろうとしたところで「_っ」と骨の髄まで沁みる様な冷たさに、反射的に足を引っ込める。それでも無理矢理入ろうとした刹那、後ろから腕を掴まれて驚き振り返ると『待って。渡らないで』と子供の姿の自身がいて、彼はもう一度口を開くと『竜神様が生きてるって言ったのは君でしょ。まだ生きてるよ。夢でもそこは渡っちゃ駄目だ』と目の前の川を見た後、ふるふると首を横に振る。けどあっちに居るから早く連れ戻さないとと言おうとした瞬間、ぐらりと視界が揺れてそのまま次第に暗転して…。次に目を覚ますと視界に映ったのは天井の木目で、少し視線を横にすれば寝る前と同じく伽羅ちゃんが側に居てくれたのでホッと安堵の息をつく。それから差し込む朝日の眩しさに目を細めては上半身を起こして「おはよう、伽羅ちゃん」と今日も彼が生きている事に感謝をしながら一日の始まりを告げる朝の挨拶をしていき)

  • No.391 by 大倶利伽羅廣光  2016-09-02 20:58:12 

(次第に明るくなっていく外の様子にそろそろ夜明けが来ることを悟り、立ち上がって自分の為に敷かれた布団を綺麗に片付けておく。足音を立てないよう静かに移動しては閉じていた襖をそっと開けて中庭の様子を伺ってみると、眷属達は変わらず宙を漂っており、時折聞こえる水音は鯉達が泳ぐ姿を連想させてくれる。彼らの様子を一通り確認してから再び光忠の横へ座り、黒から白へと変わっていく空を眺めていると、不意に横で聞こえた音にそちらへ視線を向ける。そこには目を覚まして起き上がったらしい光忠がいて、朝の挨拶を告げられれば「…ああ、おはよう、光忠」とこちらも挨拶を返す。前に聞かされた例の悪夢のことを思い出してはそっと顔色を伺ってみるが、見た所夢見が悪かったという様子では無さそうだ。それでも心配なので念の為に「よく眠れたか?」と問いかけてみる。以前は竜が…光忠曰くそれは自分らしいが、実際はどうなのか確かめようが無い。ともかく、その竜が光忠の悪夢を変えたと聞いた。その時と同じように自分が傍にいたのなら、今回もその竜が夢に現れたのだろうか。もしも光忠が見ていた夢が悪いものだったら、それをまた変えることが出来たのか。「…俺は、アンタの夢の中でもちゃんと傍にいたか?」と問いかけを重ねては相手の返答を待って)

(/背後失礼します!鶴丸さんで明日か明後日と言いましたが、貞ちゃん到着は今日にしますか?私は特に挟みたいイベントなどは無いので、そちらがよろしければこのまま伊達組集合して、例の神様が待ち受ける都へ突入したいです!)

  • No.392 by 長船光忠  2016-09-02 21:45:53 

(挨拶を返されるとこちらもにこりと笑みを浮かべていき、この寝巻きから和装に着替えていこうと思って立ち上がろうとしたところで、不意に夢見の事を尋ねられれば気付かれたのだろうかと思ったが、そのまま何事も無かった様に「うん、眠れたよ」と実際に寝れていた事は寝れていたのでそう答えていく。それに、あれは悪夢にしては生温く、だからと言って瑞夢にしては不穏なもので一概に夢見が悪いとは言えない。その為誤魔化す様にそう言ったのだが、“傍にいたか?”と問われれば、三途の川の向こう側に居ただなんて言える訳がなかったので「…そうだね、いたよ」と敢えて傍にとは言わず、しかし相手の言葉に同意する様な形で言っては違和感を持たせない様に微笑んでいく。それから何度も心配は掛けたくなかった為に、スッと立ち上がっては「ごめんね、ちょっと着替えて来るね」と布団は後で片付けるとして、着物を持っては洗面所に行こうとしていき)

(/そうですね、今日で大丈夫ですよ!貞ちゃんは光忠が着替えた後ぐらいに参上させますね)

  • No.393 by 大倶利伽羅廣光  2016-09-03 13:52:40 

(返答までに少し間が空いたことが気になったが、いつまでも夢のことを言及しても仕方が無い。着替えてくると言って立ち上がった光忠に「分かった」と短く告げては相手を見送って。恐らく後で片付けるつもりだったのだろう敷かれたままの布団をついでのように綺麗に畳んでは押入れに入れておき、自分は中庭の方に向かう。そこに集まっていた眷属の光達が自分に気付いたのか一斉に集まってきては口々に『おはようございます!』と告げてくるのに対して「ああ、おはよう」と返しておく。今まではこの場所で眷属達と共に夜が明けるまで過ごしていたので、こうして挨拶を交わすのは本当に久し振りのことだ。すると眷属達に紛れるようにして近付いてきた影に目を向けると、そこにいたのは白い鶴と青い鳥。それらが国永と貞の眷属だとすぐに悟り「どうした?」と問いかける。すると二羽がそれぞれ美しい鳴き声を響かせ、自分に意志を伝えてきた。「…そうか、貞はもう来ているのか。今は国永と一緒なんだな」と頷きながら理解する。それならばもうすぐにこの場所へ二人が来るのだろう、国永曰く殴り込みを仕掛けるのは今日になりそうだな、と思いながら二羽の翼をそっと撫でてやり「報告ご苦労だった」と労りの言葉をかけて)

(/分かりました!同じタイミングで鶴丸さんも登場させますね。来るなら同時がいいかと思って、勝手に二人を一緒にさせましたが大丈夫でしょうか…?)

  • No.394 by 長船光忠/太鼓鐘貞宗  2016-09-03 23:19:42 

【長船光忠】

(着物を持って自室から洗面所へと向かいつつ、和やかな雰囲気で小鳥の囀りが響く縁側を歩いて行く。ここは平和だなぁ、と改めて思いながら洗面所に着くと、先ずは眼帯と黒手袋を外して冷たい水で顔を洗う。タオルで顔を拭きつつも、ふと鏡に映った右目の火傷痕を見てはそれにそっと触れながら矢張り見ていてあまり気分の良いものではないなと思ったものの、でも昨夜彼はこんな古傷すらも受け入れてくれて、その事実が嬉しいと素直に感じつつ柔い笑みを零した後、再び眼帯と黒手袋を着けていく。それから黒色の生地に金色の模様が入った着流しを着ると角帯を締めていき、全体を確認すれば着替え終わったので寝間着を洗面所脇の籠に入れては部屋に戻ろうとした所で、不意に中庭が騒がしくなっていた為にそちらに視線を遣って青い髪の彼が見えると「あれ?貞ちゃん?」と首を傾げていき)


【太鼓鐘貞宗】

(今回の伽羅の村に関しての事は大体情報は収集出来ていて、しかし決定的な事は分からなかった為に昨日に幸福神から来た伝言は大変有り難いもので。加えて、こっちに来て欲しい事も伝えられれば所謂加勢と言うやつかと考えて、直ぐ様青い小鳥を飛ばしては了承の言葉を返していく。そうして、本日竜神の神域へと向かっていれば途中で白鶴の神と出会って、そのまま二人で到着した訳だが、ちょうどタイミング良く縁側を歩いていた黒髪の彼が見えたので「あっ、おーい!みっちゃん!」と元気良く声を掛けて近付いて行き)

(/問題無いですよ!ただ貞ちゃんには鶴のことを何て呼ばせた方が良いでしょうか?今の所、鶴ちゃんや鶴、国永などのどれかを考えているのですが…)

  • No.395 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-09-04 20:37:51 

【五条鶴丸国永】

(夜が明けたのを見計らってはさっそく倶利坊の神域へ向かおうとした所で、視界に映った青い翼に目を瞬かせたのは今から数分前のこと。青い翼の持ち主は鳥の神たる太鼓鐘貞宗であり、自分が眷属を遣わせてから全速力でこちらに来たらしい。その行動力と機動力は自分も倶利坊も叶わないなと内心で苦笑しつつ、二人で神域の中へ入った所で見つけたのは光坊の姿。黒の布地に金の装飾が施されたそれは、倶利坊と町へ出た時に買った服の一つなのだろう。そう思いながら眺めていると、二人が互いに名前を呼び合いながら距離を縮めるのを見ては、まるで兄弟のようだと密かに笑みを浮かべる。人間に対して警戒心が強く、心を許すことも滅多に無い鳥の神があそこまで無邪気な様子を見せるのは珍しいことだ。そんな二人の元へと自分も近寄りながら「光坊、おはようさん。昨日はお楽しみだったかい?」と冗談混じりにそう口にしては笑みを浮かべる。何処と無く幸せそうにも見える光坊の様子から、昨日の夜に何かがあったのだろうと予想しての発言だ。しかしそこで近くに倶利坊の姿が無いことに気付いては「倶利坊は一緒じゃないのか?」と首を傾げつつ問いかけてみて)

【大倶利伽羅廣光】

(二つの気配が神域へ入ってきたのを感じ取っては、恐らく国永と貞だろうと予想を付ける。翼を撫でられて気持ちよさそうにしていた鳥達がぴくりと反応し、鳴き声をあげながら飛んでいった方向へ自分も向かうと、そこには国永と貞、そして着替え終わったらしい光忠が勢揃いしており『倶利坊はいないのか』という国永の発言に答える為に歩み寄りながら「俺はここだ」と声を出して自分がいることを伝える。白い鶴は国永の方へ、青い鳥は貞の方へと飛んで行き、それぞれの主に擦り寄っている様子を僅かに笑みを浮かべて見つめてから、貞へ視線を向けて「貞、わざわざすまない。…それと、ありがとう」と自分の為にここまで来てくれた友人に向けて短く謝罪と感謝の言葉を述べて)

(/ありがとうございます!そうですね、呼び方は鶴でお願いしたいです!鶴丸さんから貞ちゃんの呼び方は、他の二人と統一して貞坊にしようかと考えてますが、いいでしょうか?)

  • No.396 by 長船光忠/太鼓鐘貞宗  2016-09-04 22:12:30 


【長船光忠】

(相手は神様なのだが、敬語は無しであだ名で呼ぶ様にとのお達しを貰っていたので、それで構えていては逆に失礼だろうと思って親しげに話し掛けていく。両手を握って来た貞ちゃんの手を握り返しては、ふと弟が居たらこんな感じなのだろうかと密かに微笑んでしまって。そんな事を思っていれば、鶴さんから妙な事を言われたので動揺しつつも「えっ!?い、いや何も無いですよ」と、さすがに火傷の痕に関しては言えなかったのでそう返していく。それから続け様に伽羅ちゃんの事を聞かれると、待たせっぱなしだった事を思い出して口を開こうとした瞬間、後ろからその本人の声が聞こえたので振り返りつつ遣り取りを眺めていって)


【太鼓鐘貞宗】

(相手の元へと近寄れば、何の他意も無く手を取ってはじっと表情を見た後「みっちゃんが元気そうで何よりだ」とニカッとした笑みを見せて、手を離していく。それから何やらみっちゃんに対して鶴が言った言葉に首を傾げて「んー?それってどう言う意__」と、二人の関係は全く知らなかったので問い掛けようとした時に、伽羅の声が聞こえて来たのでみっちゃんの横合いからひょいと後ろを覗いていく。遣いに向かわせた青い鳥が帰って来れば、ご苦労さんと小さく呟いて頭を撫でてやっては肩で休ませる。ふと伽羅と目が合って、加勢に来た事に対してお礼を述べられればけらりと笑って「なーに、水臭い事言ってんだよ!気にすんなって」と伝えていく。「それで、行き先は確か都だったっけ?乗り物を使わなくても道を繋げば一発で行けるか…?」と顎に手を充てて考えていき)

(/了解しました!鶴呼びですね!/・貞坊呼びで大丈夫ですよ!/・あっ、それと私信で申し訳ないのですが…今週は仕事が忙しく前より返信が遅くなってしまうと思います。一日一回は返しますが、済みません…)

  • No.397 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-09-04 23:44:11 

【五条鶴丸国永】

(足元に擦り寄ってくる鶴の眷属に向けて「ご苦労だったな」と声を掛けながら頭を撫でた後、パチンと指を弾いてその鶴を折り鶴へと戻す。それを大事に懐にしまいこんでから、貞の考えに対して「相手は俺達と同じ神だからな、いつもの移動手段を使ったらすぐにばれる…と、言いたい所だが、恐らく俺達が都に足を踏み入れた時点で必ず勘付かれるだろう。都自体が例の神の神域になっていると考えた方が妥当だからな」と自分の考えを話していく。「だが、神域の結界には欠点がある。『入ってきた者の種族と数が分かる』だけで、他の具体的な情報は何一つ分からないことだ。例えば、倶利坊が都に入るとする。すると『神が一人入ってきた』と分かる。だがそれだけで『竜神が入ってきた』とは分からないというわけさ」と、光坊にも分かるように具体的な説明を混じえては「あちらは竜神だけを警戒しているだろう。そこに三人も神が侵入してきたらどうなるか。…あちらさんは最高に驚くだろうなぁ?」と我ながら黒い笑みを浮かべてしまいつつそう言っては、ふっふっふ、とどこぞの悪役のような笑い声を漏らす。「さらに付け加えるなら、侵入が分かるだけで位置が掴めるわけでも無い。顔がバレているのも光坊一人だけだから、探すのも容易じゃない。つまり、一度入ってしまえばこちらのものだ。存分に掻き回してやろうじゃないか!」ととびきり明るい声でそう言いながら拳を突き上げて)

【大倶利伽羅廣光】

(とてもじゃないが幸福の神とは思えないほどに邪悪な表情を浮かべる国永に、呆れ半分と申し訳無さ半分のため息を吐く。普段は笑顔を浮かべていて争いごともあまり好まないはずの国永がここまで色んな意味で酷い表情を浮かべるのは、本気で怒っている何よりの証拠でもある。そしてその原因は間違い無く自分で、自分がヘマをやらかしていなければ国永がここまで怒ることも無かったはずだ。思わず喉奥から出そうになった謝罪の言葉をなんとか呑み込み、自分も話に参加するべく口を開く。「…なら、都に直接道を繋げる方針で行くんだな。任せるぞ、国永」と、この中で最も術の扱いと信仰に優れた国永に道を創るのを任せることにする。ここから都までの距離はかなり遠く、道の創造は距離が遠ければ遠い程に力を消費してしまうからだ。『おう!任せろ倶利坊!』という返事を聞いては軽く頷いて「確か、情報収集もするんだったな。昨日の話だと、俺と光忠は一緒に行動するのが決まっているようだが…国永は貞と行動するのか?」と問いかける。すると国永が少し悩む素振りを見せた後に『人数的にも二人ずつ分かれて行動した方が良さそうだしなぁ。貞坊、俺と一緒で構わないかい?』と貞に向けて聞いており)

(了解しました!遅くなるのは全然OKなのであまり気になさらないでくださいね、お疲れの時は無理に返信しなくても大丈夫ですよ!のんびり待ってます~)

  • No.398 by 太鼓鐘貞宗/長船光忠  2016-09-05 21:40:59 

【太鼓鐘貞宗】

(都自体が神の領域となっていると聞いて、確かにその可能性は否定出来ず面倒この上ないと肩を竦める。ただ仮に都全体が領域であるとしたら、どれだけ力を溜めているんだと言う話になるのだが既に人一人を操っているのだから、この国に根付いているのかと考え直す。不意に悪そうな顔をして笑む鶴を見ては、こっちもにまっと笑って「おうおう、ド派手に暴れようぜ!」とノリノリで便乗して答えていく。旧知の神の領地を好き勝手に引っ掻き回してくれたのだから、それ相応の御礼とやらは返さないといけない。さてどんな風に暴れてやろうかと考えていたところで、きょとんとしている横の相手に「あっ、みっちゃんは俺達みたいな悪い大人になっちゃ駄目だからな!」と、ポンポンと腕辺りを軽く叩いていっては真似は厳禁と言っていく。そう言えばと、おもむろにその服裾を掴んでは、都はこの国の要所で人口密度も高いので「…そういや、みっちゃんは一緒に都に行っても大丈夫なのか?」と問い掛けて“平気だよ”と言った主旨の言葉が返って来れば、じっと相手の顔色を観察した後「…そっか。まあ都は外国との貿易も盛んだし、あの村より閉鎖的じゃねえから大丈夫か。でも何かあったらちゃんと言ってくれよ?」と鶴が髪色や目の色を変えるとは言っても万が一の事はあるので、そう伝えていく。それから何やら自身が都では鶴と行動する事を聞いて、反対の意思など全く無い為に直ぐに頷くと「もっちろん!一緒で大丈夫だぜ。それで、みっちゃんの容姿を変えてから都に行くのか?」と問い掛けていって)


【長船光忠】

(大人しく神様達の遣り取りを見て、鶴さんの結界の説明は分かりやすいなぁと思っていると、やはり相当ご立腹なのか途端悪そうな顔で笑みを零す相手に小さく苦笑していく。加えて、貞ちゃんも協力的に言っていたのでこれは凄い事になりそうだと考えつつも、自分自身もあの件に関しては許せない事だと思っているので止める気は無く、ただ“悪い大人になっちゃ駄目”と言ってくれる貞ちゃんを見てはこくりと頷いていく。すると、急に服裾を掴まれたので何事かと首を傾げていれば心配そうに都に行っても大丈夫な事を聞かれた為に、確かに人が多く居る場所はあまり慣れてはいないものの伽羅ちゃんが側に居てくれるのなら大丈夫と思っては、再び貞ちゃんに視線を遣って「心配してくれてありがとう。でも僕は平気だよ」と笑みを浮かべていく。それから容姿に関して言われれば、身バレしているのは自身だけなので鶴さんを一瞥していき)


(/お優しい言葉をありがとうございます…!ちゃちゃっと多忙時期を乗り越えて来ます!/・あっ、伽羅ちゃんに渡した羽根についてですが、あれは外来の神様と惹かれ合う感じの物ですので、その神様の力が強く残っている場所に行くと反応する仕組みとなっています。それで、都の教会に辿り着く感じで、不動を出そうかなーと今の所考えています)

  • No.399 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-09-08 19:37:50 

【五条鶴丸国永】

(「そうだな、向こうに着いてからだと色々面倒だろうし…ここでやっておくか」と一つ頷いてから光坊の方へ向き直り「そういうわけだ、さっそく術をかけるぞ光坊!」と声をかけてから、慣れた手つきで指をパチン!と大きく鳴らす。すると昨日の時と同様に白い光が相手を包み込み、黒色の髪から金色の髪へ、金色の瞳から銀色の瞳へと変化させる。昨日も思ったことだが、色を変えただけでも人の印象というのは変わるものだ。何度か光坊と顔を合わせている自分がそう思うのだから、一度顔を見たきりの宣教師にはすぐにバレることは無いだろう。まして子供に弱い…まあこれは推測なのだが、とにかくその可能性がある以上、下手に光坊に手出しも出来ないはず。「倶利坊、君もこの場で例の姿に…」と言いつつ視線を向けてみると、そこにはまたしても不機嫌そうに眉を潜めている竜神の姿があり、思わず笑い声を漏らしてしまう。その声が聞こえたのか、不機嫌そうな視線がこちらに注がれては『…仕方ないだろう』とぼそりと呟く倶利坊に、くく、と喉を鳴らして笑い声を抑えつつ「君は本当に素直で可愛い奴だなぁ」と楽しそうに弾んだ声で告げて)

【大倶利伽羅廣光】

(…やはり、どう考えた所で今の光忠の容姿を気に入ることが出来ない。自分はこんなにも融通が利かなかったのか、と自分自身でさえも気付いていなかった新たな一面に内心で驚きつつも、『可愛い奴だなぁ』と楽しそうに言ってくる国永から視線を逸らす。さっきも言ったが仕方ない、自分はどうも黒髪の光忠が…いや、違う。光忠が持つ黒髪が好きなのだ。国永が施した術は完璧で、正反対の色になったにも関わらず今の光忠には全く違和感が無い。けど、やはり自分は、本来の光忠が一番好きなのだと今更のように自覚する。はあ、と自分に対して呆れ気味のため息を吐いてから、国永に促された通りに指を弾き、自らの姿を子供の姿へと変化させる。薬研を基準にしたからか、背丈は丁度貞と同じぐらいだ。「…奴らは貞のことを知らないから、貞を子供だと思うだろうな」と呟きながら貞を見据えると、国永がニヤリと笑みを浮かべて『その通りだ!これで二手に分かれてから宣教師に出くわしても、弱点を突くことが出来るぞ!』と言ってくる。子供に弱いというのはまだ推測でしか無いのに大丈夫なのかと思いつつも、国永と貞ならば心配いらないだろうと考え直し、光忠を見上げて「光忠、俺から離れるな」と告げて)


(/申し訳ありません、突然の風邪で寝込んでいたのでしばらく返事をすることが出来ませんでした…!今日からはもう大丈夫です!羽根の件了解しました、不動くんの登場楽しみに待ってますー!)

  • No.400 by 長船光忠/太鼓鐘貞宗  2016-09-11 18:30:13 

【長船光忠】

(相手から術を掛ける事を言われれば「はい、お願いします」とぺこりと頭を下げて頼んでいき、降り注いだ眩い光には反射的に目を閉じる。ゆっくりとこの目を開けた頃には、黒髪が金になっていたので成功した事を確認すると違和感はあるが、これも作戦な為に鶴さんに感謝の礼を一つして何も言わずにいれば、貞ちゃんが目を輝かせて『おお…!みっちゃんだけどみっちゃんに見えない!』と言っていたので小さく笑みを返すと、やはり髪色と目色だけでも印象がだいぶ変わるのだと改めて思う。ふと、伽羅ちゃんに視線を遣れば難しい顔をした彼がいて、そう言えばこの金では無く黒を好いていてくれていた事を思い出すと、何だか無性に愛おしくて仕方が無く、柔らかに目を細めてはくすりと笑みを零す。それから子供に姿を変えた伽羅ちゃんと貞ちゃんを交互に見て、確かにこれなら子供に弱いとされている宣教師の弱点を突く事が出来るなと納得し、その後子供の姿の相手に格好良い事を言われれば可愛いのに格好良いなんて狡いなぁと思いながらも「うん、君から離れないよ」と、そっと手を繋いでいき)


【太鼓鐘貞宗】

(一瞬でみっちゃんの姿が変わったのを見て、金色になれば全くの別人に感じてしまう為にこれであればもし宣教師に遭遇しても大丈夫だろうと思いつつも、相手が相手である様に見えない事を感動交じりに伝えていく。それから何だか、気難しそうな顔をした伽羅と慈愛に満ちた眼差しを向けるみっちゃんに、それを見て笑っている鶴を見れば何が何だか分からなかったが、まあ悪い事では無いのだろうと判断すると自身も自然と笑みを浮かべ、それから自分と同じぐらいの背丈になった伽羅の言葉に頷いては「ほんと好都合だな!宣教師の前ではちゃんと子供のフリをしとくぜ!」とニヤリと不敵な笑みを零していく。そうして、恐らく全ての準備が整ったので二人を微笑ましく見た後、自身は鶴の方へと足を運び「じゃあ、作戦通り都への道作りを宜しく頼むな!」と肩を叩いて鼓舞していき)


(/いえいえ…!こちらこそ遅くなってしまって済みません!なんと風邪でしたか!?主様の風邪が治られて良かったです…!しかし、せっかく病み上がりで来て下さったのに本当に遅れてしまって申し訳ないです…。もしまだいらっしゃいましたら、引き続きお相手をお願いしたいです…)

  • No.401 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-09-12 00:35:42 

【五条鶴丸国永】

(貞坊の鼓舞に答えるように笑みを浮かべて「おう!任された!」と明るく返事をしてから、数歩前に出て片手を目の前にかざす。目を閉ざして集中し、この場所から遠く離れた地へと点と点を結ぶようにして少しずつ道を形成していく。それから完全に繋がったのを確認してから目を開き、いつもしているように力を行使して入り口を形成すると、笑顔で三人に向き直り「ざっとこんなもんだな。ここを潜れば都に着くはずだ」と教える。それから「俺は先に行っておくぞ!」と高らかに告げてから、三人の返事を待たずにそのまま自分が形成した入り口へと飛び込んで行く。一瞬の閃光の後に視界に映ったのは立派な街並みと大きな門で、そこには見張りらしき人間が立っているようだ。しかし、その人間はよく見ると聖職者が纏う服装を身につけており、明らかに教会の関係者だと分かる。そんな人間が門の見張りをするなんて聞いたことが無いなと疑問に思っていると、三人の気配が背後に出現したのを悟り、後ろを振り返りつつ「門に見張りがいるようだが、あれはどう見ても教会の関係者だよな。少し妙だと思わないか?」と同意を得るように問いかけて)


【大倶利伽羅廣光】

(返事をする暇も無く入り口へと消えていった国永に「…相変わらずだな」と呟く。誰かと共に少しでも危険のある場所へ向かうことになった時、国永はいつも先行してその場所へ向かう癖がある。一見無謀に見えるその行動が、実は安全を確かめる為の行動であり、後から来る者達のことを気遣っての行動でもあることを自分も貞も承知している。早く後を追いかけるべきだろうと考えてから「光忠、貞、行くぞ」と二人に声を掛けつつ、繋がれた光忠の手を引いて入り口へと入る。一瞬白く染まった視界が次に移したのは、自分が守護している村や光忠と買い物をした町とは比べ物にならないほどの大きな街並みで、ここから見える都の入り口だろう門もかなり立派な物だ。…そして、ここからでもよく見える都全体を包み込んでいる黒い霧。まさしくこの都こそが例の神の根城であり、神域でもあるのだろう。『門に見張りがいるようだが、あれはどう見ても教会の関係者だよな。少し妙だと思わないか?』と、先に来て様子を伺っていたらしい国永がこちらを振り返りながらそう告げるのを聞いては、都の入り口へ視線を向ける。確かにそこに立っているのは武装した人間ではなく聖職者と思わしき人間だ。「…あの宣教師は、人間に扱えないはずの術を使っていた。教会関係者なら、あの宣教師程とはいかずとも、何らかの術を扱えるかもしれない」とやや警戒を帯びた声色で呟いて)


(/何の連絡もなく三日も放置してた私の方こそ申し訳ありませんでした…!遅れた件は気にしないでくださいね、こちらこそ今後共お相手よろしくお願いします!)

  • No.402 by 長船光忠/太鼓鐘貞宗  2016-09-12 18:59:27 

【長船光忠】

(ものの数分で形成された入り口に感嘆の息をつき、村から都までは牛車で丸三日間掛かる程の遠方にあるので神様の力は常識を覆すと思っては、鶴さんに視線を向ける。すると、先陣を切って入り口へと飛び込んでしまったので神様と言えど一人で大丈夫かと心配したが、その様子を見ていた貞ちゃんが『鶴のはいつもの事だからみっちゃんは気にしなくて平気だぜ!』と教えてくれて、敢えて一人で先に行く事で安全確認をしてくれているのだろうかと、鶴さんの性格的にそれが一番の理由そうだと考えては「そっか…」と呟いていく。そのまま伽羅ちゃんに手を引かれるまま、後に続いて入り口へと入る。視界に映り込んできた景色は自身の故郷とは打って変わって、木造ではなく煉瓦造りの街並み。近くには大きな港もあり、恐らくその貿易の影響で外来の物が多く浸透しているのだろうと推測を立てていれば、門前にいるのが聖職者と聞いてまさかと思っていると鶴さんが言った通り明らかにその職の者で、また伽羅ちゃんの警戒気味に聞こえて来た声にも頷けば迂闊に強行突破は出来ないかなと悩んでいると、おもむろに貞ちゃんが動き出して)


【太鼓鐘貞宗】

(三人に続いて入り口へと入れば、目の前に展開されている街並みはこれはまた立派な西洋風の建物で、何だかお上りさんにでもなった気分だと呑気に思っていると、鶴と伽羅の警戒の混じった言葉に自身も門前へと視線を移す。確かにそこにいたのはどこからどう見ても聖職者と言わんばかりの格好をした人間で、これは教会が街の要所である門を任せて貰えるほど強い権力を持っている事を誇示する為かと、やや目を鋭くさせて考えた後、まあ何はともあれあそこを突破しなければ始まらないと思い「取り敢えず、ここは俺が行ってみるな。この中で一番子供っぽいし」と見た目は伽羅も幼子だが、しかし普段は青年の姿をしているのでいきなり子供っぽくするのも大変だろうと考えて、自身が行く事に決めて、翼を隠して人間の姿に変えれば門前へと歩き出し「お勤めご苦労様ー。あのさ、俺この街に兄ちゃんがいるんだ。だからここ通してくれない?」と子供らしく門番に話し掛けていく。すると鋭い声で『中に入るのには許可証が必要だ。無いのなら子供でも入る事は出来ない』と突っ撥ねられてしまい「どうしてもか?」となお食い下がらずに聞くと『どうしてもだ』とバッサリと切られ「えー、ケチ。…なーなー、数分間ぐらい良いじゃんか」とちょっと駄々を捏ねてみれば、今度は険しい顔で「五月蝿い。これ以上、しつこいのなら貴様には天罰が_」と一瞬炎の様なものが門番の後ろにチラついたので、伽羅の予想はドンピシャだなと思った直後、すぐさま敵に回し蹴りを入れて気絶させ「子供に天罰ねぇ…。大人気ねーな」と軽く溜め息をつきつつ、意識の無い相手に一応怪我の治癒は施していく。それから後ろを向いて「早いとこ入っちまおーぜ」と三人に声を掛けてから、一足先に街の中へと入って行き)


(/いえいえ、急病は仕方の無い事ですので…!ありがとうございます…!はい、改めてこちらこそ今度とも宜しくお願い致します!)

  • No.403 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-09-13 01:48:52 

【五条鶴丸国永】

(確かに貞坊の言う通り倶利坊が子供の演技を上手く出来るとは思えないよなぁ、と内心でそんなことを思っている間に、貞坊がさっさと見張りの元へ行ってしまった。「ご愁傷様だなぁ…」と哀れみの視線を見張りへと向けつつ、彼らの会話を黙って聞く。すると見張りの背後に炎が見えた、と思った瞬間、貞坊の容赦の無い回し蹴りが叩きこまれ、そのまま見張りは白目を剥いて気絶してしまった。人間を相手に一切躊躇無く攻撃が出来るのは良くも悪くも貞坊の強みだな、と小さく笑みを浮かべる。そのまま放置せずに治癒をしている所が貞坊の優しさだ。こちらに声を掛けてから先に街へ入って行った貞坊を追うべく歩き出しながら、通りがかりに気絶している見張りへ眠りを深くする術を施し、報告をされないようにしておく。ここは敵の本拠地なのだから、念には念を入れておくべきだ。使える小細工は幾らでも使うべきだろう、小さな積み重ねによって大きな事を成し遂げるのは、何も人間だけの得意技ではない。「…それにしても、倶利坊の予想が見事的中か。こりゃあ教会関係者は残らず術使いと考えて良さそうだな」と肩をすくめては面倒くさいと言わんばかりに呆れ顔で呟いて)

【大倶利伽羅廣光】

(呆れ気味に呟かれた国永の言葉に頷きを返しつつ、倒れている見張りもとい聖職者の人間へと視線を向ける。この人間は、貞に向けて術を使おうとしていた。もしも貞が神ではなくただの子供であったならば惨事は避けられなかっただろう。本来は神を信仰しつつ人を導くべき者達が、導く所か危害を加える等、許されないことだ。これらも全て例の神の仕業なのだろうか。だとしたら、一刻も早く何とかしなければならない。このまま放っておけば、再び自分が守護するあの村に魔の手が伸びてしまうかもしれない。『倶利坊、焦って先走るなよ?』と、自分の心情を読み取ったかのように的確に告げられた国永の言葉に一瞬驚くも、すぐに冷静になっては「分かっている」と返す。以前の自分ならば、国永の指摘通りの行動をしていたのだろう。自分自身がどうなろうと構わなかった、以前の自分なら。繋がれた手を握りしめ、光忠が隣にいることを確認するように視線を向ける。自分はもう、生きていられる時間の全てを愛する人の為だけに使うと決めた。時間切れ以外で死ぬつもりは毛頭無い、どれだけ無様になろうと必ず生きて帰るつもりだ。『さて、貞坊が待ちくたびれてるだろうし、そろそろ俺達も中に入るか!』と言いながら国永が歩き出したのを見ては、光忠に向けていた視線を門へと移し、再び光忠の手を引いて都の中へと入っていき)

  • No.404 by 長船光忠/太鼓鐘貞宗  2016-09-13 19:09:43 

【長船光忠】

(一瞬、炎の様な何かがチラつき身構えたが、それよりも先に貞ちゃんの容赦無い回し蹴りが綺麗に決まって、門番は地に伏せる。自身は彼が人間に対してあまり好ましく思っていない事を知らないので、意外と躊躇いが無いと目を瞬かせながらも鶴さんの言った教会関係者は術使いと言う言葉に、戦う場所が敵の本陣に加えて不利な状況かと考える。ただ神様達の顔を見るに、面倒だと言わんばかりの表情だったので不利というよりかは大変なだけかと考え直す。それから鶴さんと伽羅ちゃんの言葉少ない遣り取りを聞いて、何となくだが村の事を心配しているのではと察し「…伽羅ちゃん」と、まだ見ぬ敵の神様がどれ程の力を持っているか分からないものの、無茶だけはしないで欲しい事を言外に零してぎゅっと今は小さくなった手の平を握り締める。死んで欲しくないから、少しでも長く側に居たいから、幼子の我が儘の様な事を心中で呟いては、不意に相手と視線が合ったのでそんな胸内の事を悟らせないよう微かな笑みを浮かべると、同じく門を潜って都の中へと入っていき)


【太鼓鐘貞宗】

(一足先に都へと入れば、自身が守護する村とは一変して景色はガラリと変化しており、散切り頭の面影など疾うに無く、草履や下駄を履いて歩く町人の姿はあまり多くはない。ガラガラと灰色の石畳を通る馬車を避けつつ洒落た西洋式のガス灯を見遣り、政府の方針か何かは知らないが割と外来化が進んでいるなと感想を零す。ただ奥の方はまだ時代の波に飲まれていないのか、見慣れた景色が広がっていたので何となく安堵の息をつく。それから、着物ではなく洋服を着ている人々を流し目に三人を待っていれば程無くして来た為、そちらへと足を向けると丁度ここが都の入り口であったので「鶴、伽羅、みっちゃん。ここから二手に分かれようぜ。それで、あの時計の針が十二時を差したら一旦ここに集合ってのはどうだ?…まあ、場合によっては、そう上手く合流出来るかは分からねーけど」と敵の妨害もあるかもしれないので事がそう運ぶ気はしないが、一応三人に提案していき)

  • No.405 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-09-13 22:27:24 

【五条鶴丸国永】

(目の前に広がっている光景は外の国の文化、言い換えれば西洋または洋風といったものだ。教会、宣教師、聖職者という単語が出て来る時点で予想は出来ていたが、都は随分と外の国の文化を取り入れていたらしい。他との違いを受け入れ、良い所を参考にして吸収し、より良い物へ昇華していくのは人間ならではの技だろう。最初から強大な力を持つ神にはあまり向上心というものが存在しないが、非力な存在である人間は丁度その逆になるのだ。まあ、倶利坊や貞坊のように積極的に自身を高めようとする神もいれば、非力なことを受け入れ過ぎて向上心を捨てる人間もいるのだが。そこで思考を一旦中断し、貞坊からの提案に頷きつつ「向こうだって阿呆じゃない、少しの油断がこちらの命取りになる可能性は充分あり得る。ここは敵の本陣も同然だ、互いに油断が無いようにな」とこの場の誰よりも年長者である自分なりの注意を促しておく。「それじゃあ、貞坊の提案通り十二時になったら集合だ!あらゆる意味で上手くやれよ、二人共?無駄に桃色の空気を振りまいてバレないようになっ!」と、こんな時でも余計なお節介を爆発させては茶々を入れつつ倶利坊の頭をわしゃわしゃと撫で回してから、今度は貞坊の背を軽く叩いて「行くぞ貞坊!」と明るく声を上げながら歩き出して)

【大倶利伽羅廣光】

(確かに自分は演技下手で、見た目相応の子供らしさを演じることは難しい。だからといって敵地の中心で空気も読まずそんなことをするわけもない。勿論そんなことは国永自身も分かっているはずで、いつものお節介だろうと予想しては、思い切り乱された髪を片手で適当に整えつつため息混じりに「…余計なお世話だ」と呟き、去っていく白と青の背中を見送る。国永達があちらへ行ったのなら、自分達は反対方向へ向かうべきだろうと光忠に伝えようとした所で、ドクリ、という何かの鼓動のような音が聞こえた。その発生源は自分の懐で、咄嗟に手を入れて取り出したのは光忠に渡された黒い羽根。国永の術によって制御されていたはずのそれはいつの間にか術が解かれていて、黒い霧を僅かに滲ませている。…どうやら、先程頭を撫でられた時にこの羽根に掛けた術を解いていたらしい。これが何らかの手掛かりになると国永も悟っていたのだろう。あらかじめ伝える事無くさりげない動作で術を解いたのは、周りにちらほらと見掛ける聖職者の格好をした人間達に見られるのを防ぐ為だろう。「光忠、これが一番強く反応する場所に行きたい。そこに何かがある」と手元の黒い羽根を指しながらそう伝えて)

  • No.406 by 長船光忠  2016-09-14 07:45:14 

(桃色の空気と言われれば苦笑気味の笑み零しつつも、たぶん鶴さんなりの冗談を言ったのだろうと思いながらその伽羅ちゃんとの遣り取りを微笑ましく見た後、分かれた二人を見送って行く。さて、この広い都の一体何処から探そうかと目星がつかぬまま考えるが、おもむろに昨日に手渡した黒い羽根を彼が差し出してくれば、それは薄い黒霧を纏わせていて、いつの間に安全の為にと鶴さんが掛けてくれていた術が解かれていたのだろうと疑問に思うが、きっと不自然に見られないよう自然な流れで解いたのかと考える。他に何の手がかりも無い今、唯一の手がかりとなる黒い羽根を見ては「そうだね…敵の罠かもしれないけど、行くに越した事は無いよね」と、あの宣教師がわざと落とした可能性も否めないがそうやって保身を優先して行かないでいては、何か大事な事を見逃すかもしれないと思って行くと言う意見に賛成していく。それで、相手の顔を見ると「伽羅ちゃん、案内を頼んでも良いかな?」と自身はただの人間である為、黒い羽根から伝わる力を感じる事が出来ないので彼に頼んでいき)

  • No.407 by 大倶利伽羅廣光  2016-09-14 23:59:38 

(光忠からの同意を得ては、案内をして欲しいという要望に頷きながら黒い羽根を再び懐に入れる。元はあの宣教師が持っていたらしいこれが例の神に関係する物であることはまず間違いない。それ故に堂々と晒したままでいるのは得策ではないだろう。一度目を閉じ、黒い羽根と同調することに集中する。自分の鼓動と羽根から伝わる鼓動が徐々に重なっていくのを感じながら、今度は都全体へ意識を広げていく。黒い羽根が出す力に反応したのか、幾つかの場所に波紋が広がる。その波紋が最も強い場所を見極めては閉じていた目を開き、光忠の手をひき「こっちだ」と告げて歩き出す。進むにつれて人の数は少しずつ多くなっていき、聖職者と思われる人間の数も増えていくのを横目に先へ進んでいくと、辿り着いたのは見慣れない大きな建物。それは『教会』と呼ばれる西洋の建物であり、黒い羽根が強く反応を示したのも納得出来る場所だ。この建物の何処かに、例の神が鎮座しているのだろうか。いきなり大当たりを引いてしまったかもしれない可能性を考え、偵察の為に一度中へ入るべきかどうか迷い、無言のままじっと教会を見上げていて)

  • No.408 by 長船光忠/不動行光  2016-09-15 21:09:42 

【長船光忠】

(伽羅ちゃんの後を追って辿り着いたのは、周りの建物よりも一際大きな教会。黒い羽根の反応を見て此処に到着したと言う事は、その持ち主に深く関わりがあるのが分かり何か重要な手掛かりがありそうだと思うものの、もしこの教会に大元の外来の神様がいたらそれはそれで大変だと、今は別行動の鶴さんと貞ちゃんを思い浮かべていく。さて、どうしようかと考えつつ教会の前で待っていると、不意に何処からか視線を感じてそちらを振り返り目に映ったのは薬研くんくらいの子供で、教会の子だろうかと首を傾げれば、訝しげな視線がこちらに向けられて)


【不動行光】

(従兄弟の長谷部が出掛けているので、家事や小さな孤児達の面倒は自分が見なくてはいけなく、午前の今は教会の庭に洗濯物を干そうとカゴを抱えて別口から外に出ていたところで、何だか教会前に突っ立っている怪しい二人組を見つけてしまい、警戒気味にジトっと見ていれば大きい方の奴と目が合ってしまった為に、思わず睨み返して「…あんたら教会に何か用かよ?長谷部なら今外出中だけど」と、一応教会に用がある人だったら困るので神父である長谷部の名前を出して、反応を伺っていき)

  • No.409 by 大倶利伽羅廣光  2016-09-16 01:24:50 

(中に入るのに一番無難な理由は信者のフリをすることだろうな…と内心でそう考えていると、横から掛けられた聞き覚えの無い声に教会を見上げるのをやめてそちらへと視線を向ける。そこには一人の子供が立っており、丁度薬研と同じくらいの歳に見える。両手に抱えた衣服が入った籠から察するに家事の途中といったところだろうか。それよりも重要なのは、この子供の口から出た『長谷部』という名前だ。自分達が教会に用があると踏んだ上でその名前を出したということは、長谷部というのは教会に関係する人物で、そこらの聖職者と違い高い地位に位置する存在なのだろう。そうなると脳裏に浮かぶのはあの宣教師だ。「前に、俺達が住む村に宣教師…さま、が来た」と、宣教師を呼び捨ては不味いと思い咄嗟に様付けをしたが取って付けたような感じになってしまいながら、嘘は言わずにそう告げる。「…村の神は、人間を守るべき立場でありながら、災厄に襲われた村を救おうとしなかった。そのせいで、みつた…兄さん、が、酷い目に遭った。親も、もういない」と続けて話す。一応違和感の無いように光忠のことを自分の兄だと嘘をついてしまったが、それ以外は全て真実だ。光忠と出会うまで自分は村が災厄に襲われていたことを知らなかったし、災厄の原因だと言いがかりをつけられて光忠は生け贄にされてしまった。両親がいないというのも光忠から聞いた話だから嘘ではない。「宣教師…さま、が信じろと話す神が、本当に守ってくれるのか。救ってくれるのか。それを、確かめたい。宣教師、さま、のことがもっと分かれば、その人が信じる神のことも分かる。そう、思ったから…会いに来た」と、疑われないようになんとか言葉を紡いでいく。こういうのは国永が得意なのであって、自分はそもそも話すこと自体が得意じゃないからこの程度が限界だ。「(光忠、話を合わせて欲しい)」と光忠にしか聞こえないよう声を飛ばしつつ、自分達は兄弟であるという演技をするように伝えて)

  • No.410 by 長船光忠/不動行光  2016-09-16 20:05:45 

【長船光忠】

(無理もないが凄く警戒心を持たれていると、ひしひしとその視線で感じつつ少しでもそれを解いて貰おうと微笑み掛けていれば、おもむろに第三者の名前が出て来たのできょとんとするものの、そう言えば宣教師が村の広場で自らの事を“長谷部国重”と名乗ってきた事を思い出すと、親しげに呼んでいる辺り親族なのだろうかと考えるがそれにしては似ていない為に、兄弟ではない?と疑問に思っていれば、伽羅ちゃんが子供の言葉に上手い具合に返していくのを黙って聞いていく。その内容は殆ど嘘では無く真実であるが、村の神様…竜神様に非がある様な言い方はこの場では仕方ないと分かってはいても、やはり悪く伝わってしまうのは嫌だなぁと思ってしまう。ただ自分の本心で、せっかく怪しまれない様な場を設けてくれた伽羅ちゃんの努力を無駄にしたくなかった為、頭に響いた言葉に同意し頷いて「突然押し掛けちゃってごめんね。けど、それだけ宣教師様に会いたかったんだ。…ここで待っていれば会えるかな?」と眉下げて微笑んでは問い掛けていき)


【不動行光】

(自分と同じくらいだろうか、その小さい方がぽつりぽつりと話し始めた内容に何だか追い返す気にもなれずにいて、神様が何もしてくれなかったせいで酷い目に遭ったと言う言葉は、同じ様な立場であった自身には響いて同情の眼差しを送る。両親が事故で死んだ時、貰い手のいない葬列で手を差し伸べてくれたのは長谷部だけだった。今の長谷部は妙な所もあって心配だが、それでも彼ならまた助けてあげられるかもしれないと思えば少し考えた後、二人を見ては「少し待てば帰って来ると思う。…中、入れば?さすがにお茶ぐらい出す」と洗濯カゴを持ったまま教会の扉を開いて手招いていき)

  • No.411 by 大倶利伽羅廣光  2016-09-17 12:58:03 

(自分の話とそれに合わせた光忠の言葉を聞いた子供の視線が、疑いから別の物へ変わったのを感じる。少しの間の後、教会の扉を開いて手招きながら中に入るよう言われ、ひとまず警戒を解くことが出来たのだろうと悟って内心で安堵する。光忠の手を引いて促されるまま中に入ると、まず視界に入ったのは建物を支えている白い塗装がされた幾つもの支柱。その奥には祭壇と思われる場所があり、彩り鮮やかな硝子で装飾された窓から差し込む光が内部を照らしている。初めて見るその光景に少し驚いてしまいながら、ふと視線を感じてそちらを向くと、自分や中に入れてくれた子供よりも幼く見える少年と少女が扉の隙間からじっとこちらを見ていることに気付く。『あの人達、誰だろう…?』『ゆきにぃが入れたんだから、怪しい人じゃないと思う』『おっきい人もいるよ?』『神父さまみたいに優しい感じがするけど…』と小さな声でひそひそと話しているのを耳にする。集中して耳を澄ますと、子供達が覗いている扉の奥から走り回る音や喋り声が聞こえることから、あの扉の向こうはいわゆる居住区であり、そこには他にも子供がたくさんいるのだろうと察する。ここは教会と孤児院を兼ねているのだろうかと考えては、無言のままこちらを見ている子供達を見ていて)

  • No.412 by 不動行光/長船光忠  2016-09-17 22:13:35 

【不動行光】

(中に相手を招き入れれば、細長い茶色の席_チャペルの会衆席に座る様に指示していく。それからお茶を出そうと奥の部屋に行こうとしていると、不意にそこからこちらを覗き込んでいる子供達に気付き「あっ、おい。今は客人が来てるからこっちには来ちゃ駄目だからな」と、無愛想ながらもなるべく優しい声色で子供達を奥に引っ込ませれば二人を見て「…お茶だけど、今淹れて来るから大人しく待ってろよ」と言っては奥の場所に足を運んで行って、中では客人に興味津々にしている子供達が居て沢山の質問をされたが、自身にも分からない為にはぐらかしては西洋の食器を出してお茶を淹れていき)


【長船光忠】

(教会に入れば中の荘厳さには目を瞬かせたものの、もっと驚いたのは小さな子供達がいた事で孤児かなと考えつつもこちらに興味津々に小さく話していたので、可愛いと少々呑気に思っては小さく手を振っていく。それから何やら本当にお茶を用意してくれる先程の子に「ありがとう」と感謝の言葉を述べては一旦会衆席に座ったものの、この場には自身達しかいなくなった為にチャンスかなと思いながら「…伽羅ちゃん、ちょっとここ調べてみるね」と席を立っては教会内を調べていく。まずは祭壇の方へと近付けば、何やら書物やら西洋の物が置いてあったので手に取ってペラペラと捲っていき、外来語で読めはしなかったが挿絵があったのでその頁で止めていって)

  • No.413 by 大倶利伽羅廣光  2016-09-18 00:01:35 

(待っているようにという言葉にこくりと頷いてみせてから、こちらを覗いていた子供達と共に奥へ引っ込んでいく様子を見つめる。薬研とはまた違った形で子供達に慕われているのだろうな、と子供と彼のやり取りを思い出しながらそう考えていると、光忠から辺りを調べると言われ、自分もその後に続くように席を立つ。シンプルな装飾が施された本をめくる光忠の横からそれを覗き込んでいると、ある頁でその手がぴたりと止まる。そこにあったのは挿絵で、大勢の人間が何かを崇めているような絵だ。その何かは全身が真っ黒に染まっており、まるで意味のある形を成していない。人間のようにも見えるし、動物のようにも見えるそれの足元だと思われる箇所には無数の黒い蛇が描かれていることから、この『何か』こそが例の神なのだろう。しかし、神にしてはやけに禍々しい絵だし、崇めているように見えた人間達もよく見れば恐れているようにも見える。視線を挿絵から横の文章に向け、そこに書かれた外の国の言葉を一瞥しては「……呪いの神…黒き蛇を、従わせ…人々を………かの神は…海を渡り………呪いの神は、救済の神となり……」と、読める部分だけを口に出す。しかしこれ以上は読めそうに無く、全て解読するには国永の協力が必要になるだろう。「『呪いの神』…」と自分が読んだ部分で一番気になった単語を再び口に出しながら、挿絵をじっと見つめて)

  • No.414 by 長船光忠  2016-09-18 02:20:09 

(これが宣教師が崇めている外来の神様かと眺めるが、どう見ても挿絵のそれは神聖な神様には見えずその不可解さに首を傾げる。どちらかと言えば禍々しさを感じ、伽羅ちゃんや鶴さん、貞ちゃんの様な神様ともまた雰囲気が違っているため何だか重大な事を見落としているのではと考えていると、相手が外来語の文の一節を読み上げたので「…黒き蛇。かの神…海を渡り。…呪いの神は、救済の神となり。_それって、もしかして…」と言葉を反芻しては考えたくもない事を予想してしまった為やや青ざめて「間違えて、この国に伝わった…?」と小さく呟いていく。もしそれが本当だとしたら今の彼らは何を崇めているんだとゾッとして、確証を得る為に他の手掛かりを探そうともう一つの冊子に手を伸ばして開けば、それは何やら日記で達筆な字で長谷部国重と書いてあった。置きっぱなしで不用心だと考えつつも、何かヒントが書かれているかもしれないと思い中身を読もうとしたところで、奥の扉からあの子供が帰って来る足音がしたので慌てて「伽羅ちゃん…!さっきの子、戻って来た」と話し掛けては日記を服の中に隠して急いで相手の手を引きつつ会衆席に座り直していき)

  • No.415 by 大倶利伽羅廣光  2016-09-18 18:48:00 

(文章は一部しか読むことが出来なかったが、そこから何かに思い至ったらしい光忠が顔を青くさせて呟いた言葉に納得する。つまり、この神は元々全く別の存在意義を持つ『呪いの神』だったが、何らかの手段で己が元いた地からこの地へと渡り、その際に『救済の神』として伝わってしまった。捻じ曲がって歪んだ信仰は邪な力しか生み出さない。しかし、その神が元は『呪いの神』であるならば、その邪な力こそが糧となる。間違って伝わったことはむしろ好都合だったのだろう。余計に放って置くわけにはいかなくなったなと内心で思っていると、奥から足音が聞こえてそちらへ視線を向ける。それとほぼ同時に光忠が別の本を懐に隠すのが見え、そのまま手を引かれて元いた位置へと座り直す。考え事をしていたせいで光忠が何の本を隠し持ったのかは分からないが、恐らく手掛かりになりそうな物なのだろう。あの子供に見つからないよう注意しようと決め、奥の扉が開く音が聞こえてはそちらを向いて)

  • No.416 by 不動行光/長船光忠  2016-09-18 20:16:22 

【不動行光】

(長谷部には及ばないがこの教会で兄代わりをしている為か、何度もチビ達に構えと言わんばかりにちょっかいを出されたので中々客人へのお茶の支度が進まず、最終的には無駄に時間が掛かってしまいやっとの事でお茶を淹れ終わる。よくは知らないもののティーカップには、ダージリンだとか言う長谷部が好んでいる紅茶の種類を淹れてみたが、中々良い香りで悪く無いと思う。それをお盆に乗せてチビ達のちょっかいを躱しつつ祭壇の間へと戻れば、如何やらちゃんと大人しくしていた二人を見ていき、それから近付いて「ほら、お茶だ。_…と言っても、紅茶だけど」とお盆ごと差し出しては自身は少し離れた所に座っていくと、念の為に長谷部が帰って来るまで監視していようと思ってそのまま祭壇の間にいて)


【長船光忠】

(何とかあの子が戻って来るまでの間に座る事が出来てホッとし、慣れない事はするものじゃないなと苦笑気味に思いながら先程隠した日記を服の上から撫でて、これはいつ戻そうかと悩んでいく。つい咄嗟に持って来てしまったが、宣教師が戻って来て気付いたらマズイのではと思うものの、気になってしまった上に何だか重要な手掛かりが隠されてそうと直感的に思い早く読んでしまいたい気持ちを抑えつつも、今は目の前の事に集中しようと思い直す。そう言えばあの子供の名前と宣教師との関係性、さっきこちらを覗いていた小さな子供達の事も気になっていた為に、外来の神様に関する事かは分からないがその事も聞いてしまおうかと考えていれば、おもむろにお盆を差し出されたので「…!わ、ありがとう」と微笑んで受け取ると見た事も無い食器に見た事も無い液体が入っていたので首を傾げ、伽羅ちゃんにもう一つの容れ物を手渡せば恐る恐る紅茶と呼ばれるお茶を飲んでいく。不思議な味がしたが不味くはなく「…美味しい」と思わず口元綻ばせていき)

  • No.417 by 大倶利伽羅廣光  2016-09-18 21:34:12 

(紅茶だと言われて差し出されたそれは、ずっと昔に鶯が外の国の茶だと言って出してくれた物にそっくりで、良い香りがするのも記憶のままだ。光忠が礼を告げるのに続いて頭を下げつつ、手渡されたそれをしっかり両手で持ちながら、試しにと一口飲んでみると、味も覚えているものと大差無い。隣で自分と同じように紅茶を口にした光忠が『美味しい』と呟くのを聞いて小さく笑みを浮かべては、少し離れた位置に座っている子供へと視線を向け直す。別れ際に国永は『警戒を怠るな』と言っていたが、常に神経を尖らせていては光忠に負担がかかってしまう。先程二人で見た本の内容で大きな不安と恐怖を感じてしまったこともすでに察している為、今は警戒を緩めている様子の光忠に敢えて何も言わず、手に持った紅茶を一旦お盆の上に置いてから「名前を言ってなかった。俺は廣光、こっちは光忠。アンタの好きに呼んでくれていい」と、軽く自分と光忠の自己紹介をしてから「…さっき、俺やアンタより幼い子供を見た。ここには、他にも子供がたくさんいるのか?」とまずは無難な所から攻めてみようと、あまり重要ではないが気になっていたことを問いかけてみて)

  • No.418 by 不動行光/長船光忠  2016-09-19 00:34:25 

【不動行光】

(紅茶の良い匂いが教会内に漂うと、それは長谷部の服の香りと同じであるため不覚にも安心し掛け、だが警戒心を緩まさずにいてはじっと客人の様子を伺っていく。けれど、自身が淹れたお茶を美味しいと言われれば悪い気はしなく若干口元を緩ませていて、それから何やら自己紹介をされるとこちらも名乗っていなかった事に気付いたので「…俺は不動行光だ」と簡素に名前だけを告げていく。その後にチビ達の事に触れられればやや複雑そうな顔をしたが、別に隠している訳ではないので「…そうだけど。ここは孤児院にもなっているからな。最近はこう言う場所も珍しくねーけど」と答えていって)


【長船光忠】

(敵地だと言う事も忘れて呑気に紅茶を飲んでいると、自身の分まで自己紹介をしてくれた伽羅ちゃんに感謝しつつ目の前の子供の名前を聞けば「へぇ、君は不動行光くんって言うんだ」と名前を反芻していく。宣教師の苗字である長谷部ではないのかと思うと謎は益々深まるばかりで、もしかしたら血の繋がりは無いのかもしれないと思いながら、ここが孤児院も兼ねていると聞けば、その節は案外当たっていそうだと感じていく。しかし孤児院と言う事は、あの子供達は皆親無しなのかと気の毒に思う反面悲しくなり、自身も親が居ない寂しさは知っている為あまりこの話題には触れない様にしようと思うものの、だが宣教師の事を知りたいので少しだけ踏み込んで「教会に孤児院が併設されているんだ。…なら、宣教師さまが子供達の面倒を見ているのかい?」と問い掛けてみて)

  • No.419 by 大倶利伽羅廣光  2016-09-20 11:26:02 

(不動行光というらしい目の前の子供から返された質問の答えは、この教会は孤児院にもなっているということ。どうやら自分の考えが当たっていたようで、ここまでは予想の範疇だ。自分が最も気になっているのは、どういった目的で教会と孤児院を両立させているのか、ということ。親を亡くした子供達の為にといった善意から来るものならば良い。しかし、問題なのはこの教会を持つのがあの宣教師だということだ。かつて災厄の眷属が村から子供ばかりを攫い、生命力を奪って自身の糧としていたことを知っている。そして、あの宣教師は災厄の眷属の主である外の国の神を信仰している者。疑うなという方が無理な話だ。僅かに疑心を滲ませた視線を向けながら、光忠が問いかけた言葉に対する相手の返答を待って)

  • No.420 by 不動行光/長船光忠  2016-09-20 20:44:25 

【不動行光】

(金色の髪の大きな方から問われた事は、長谷部が子供達の面倒を見ているかどうかで。朝から晩までと言う言葉では語弊があるものの、忙しい時間の中で許す限りチビ達の面倒を彼が見ているのは事実で、実際のところ長谷部は子供好きだ。あんな神経質そうな表情をしているが、教会の孤児達の事を可愛がっている。だからその問いには何の躊躇いもなく「…そうだよ、ちゃんと面倒を見てる。そもそも、宣教師様_長谷部の両親が元々ここの教会と孤児院をやっていたから、跡継ぎと言う事もあって余計にちゃんとやってる」と伝えていく。しかしながら何でそんな事を聞いて来たんだと思っていれば、ふとここ最近違法な孤児院が増えて来た事を小耳に挟んでいた為、まさかここも疑われているんじゃないかとやや見当違いの事を思っては、少し慌てて「…何だか、最近は孤児に無茶な労働をさせている孤児院もあるらしいけどここは違う。長谷部は長谷部で頑張ってるし小言は五月蝿いけど、やっぱりアイツは根が良い奴だから」とフォローする様な言葉を付け加えていき、相手の反応を待ち)


【長船光忠】

(ちゃんと面倒を見てる、と言った不動くんからは怖がっている様子や憎んでいる様子は見えず、本当にあの宣教師が子供達を可愛がっている事は目に見えて分かる事が出来た。それを聞けばホッとして、しかしながら意外だなんて思ってしまう自身もおり人は見掛けによらないなと密かに考える。何となく、宣教師自身は悪くなさそうだなと思いつつもまだ分からないので何個か質問しようとしたが、自分が聞いてばかりもアレなので「…そっかぁ。宣教師様は良い人なんだね」と言えばその後は口を噤み、隣の伽羅ちゃんが何か質問したい事があればその邪魔をしない様にしていき)

  • No.421 by 大倶利伽羅廣光  2016-09-21 01:08:44 

(不動の話を聞く限りは宣教師に後ろめたい所は無さそうだ。宣教師を庇っている可能性や、都合の良い発言をするよう術で操られている可能性も考えてみたが、少なくとも目の前の彼からそう言った様子は見当たらない。あの宣教師は子供に手を下さないということか?それならば国永の『宣教師は子供が弱点』という話に信憑性と確信が出て来るのだが…。と、ここまで考えた所で次に不動が口にしたのは『最近は孤児に無茶な労働をさせている孤児院がある』ということ。真っ直ぐにこの教会まで来たので他の孤児院のことは分からないが、それが本当だとするならばやはり例の神が関係してくるのだろうか。だとしたらこの教会にいる子供達が対象外になっている理由は…宣教師の庇護下にあるから?考えれば考える程に宣教師の二面性が強くなる一方で、光忠を傷付けようとしたあの時と、不動が語る人柄と、一体どちらが真実なのか。光忠の言葉が終わったタイミングで思考を一旦中断させ、不動へと視線を向けながら「…宣教師さまは…いや、この都では、ずっと同じ神を信仰しているのか?」とかなり確信に踏み込んだ質問をする。「宣教師さまから聞いたのは、村の誰も知らず、聞いたこともない神の話だった。宣教師さまのことを疑うつもりは無いが、都で信仰されているような神ならばもっと知られているはずだ」と当たり障りのない理由を口にしつつ、返事を待って)

  • No.422 by 不動行光  2016-09-22 10:53:15 

【不動行光】

(今度は自分と同じぐらいの背丈の、確か廣光と名乗った方に質問をされると少し頭の中を整理していく。確かずっと今の同じ神を信仰していた訳ではない。昔はもっと自由にやっていたはずと思い出しては相手を見て「…いや、前までは皆んな別々の神様を信仰していた。この国には八百万の神様が居て、外と違って一神教ではないだろ。だから都には寺院もあったし教会だってあった。長谷部だって色々な神様を信仰していた…でも」と、そこで一旦言葉を区切る。これ以上関係の無い人間に話して良いのかと考えたものの、いずれは誰か都の人間に聞けば分かってしまう事なので話そうと考えて「…ある時から今の神様しか信仰しなくなったし、他の神父や僧にも布教し始めた。何と言うかこんな事言うべきじゃねーけど、みんな気味が悪いぐらいにその神様を信仰し始めたんだよ」とバチが当たりそうだが事実なのでやや小さな声でそう伝えた後、「…まあ、今の神様は数年前に外来の国から伝わった神様らしいから、知名度があまり無いのは仕方が無いかもな」と知名度についてはそう説明していき)

(/昨日は返せなくて済みません…!あとこちらの情報提供が下手過ぎて申し訳ないです…。ちょっと光忠がいると益々情報が混乱すると思いまして、不動が伽羅ちゃんに対して話をしている時はフェードアウトしてても大丈夫でしょうか…?)

  • No.423 by 大倶利伽羅廣光  2016-09-22 12:01:33 

(不動の言う通り、この国には数え切れない程の神が存在している。自分が守護している村のように小さな場所ならば、そこに住む人間が一貫して同じ神を信仰するのは当然だ。しかしここのような大規模な都の場合、住む人間の全員が同じ神を信仰することはまず無い。あったとしても他の神と併用して信仰される場合が殆どだ。しかし不動は『みんながその神様を信仰し始めた』と言う。まるで意図的に統率を取らされているかのようなそれに、気味が悪いと呟く不動の気持ちも理解出来る。知名度が低い神ならば尚更そうなっているのはおかしい。今までの情報を統合していくと、やはり一つの結果にしか行き着かない。『外の国の神はもはや神にあらず、人間の心に干渉して操り信仰を得ている邪神である』…という結果に。それならば宣教師が信仰を突然変えたのも、都の住人が全員同じ神を信仰しているのも全て説明がつくし、宣教師や門番をしていた聖職者が術を扱っていたのもその神が直接力を与えたのだと納得出来る。…と、ここまで考えた所で、ふと気になることが出来て不動を真っ直ぐ見やる。「…アンタは、その神を信仰していないのか?」と、今までの発言からあまり例の神を信仰している様子が見られないことを指摘して)

(/いえいえ、大丈夫ですよー!こちらも上手く質問出来てるかかなり不安なもので…。フェードアウト了解しました!)

  • No.424 by 不動行光  2016-09-22 17:21:17 

(この都の人間は皆、あの神様を信仰しているのが当たり前だと思っている為に、逆に今の今までそんな事など言われた事が無いので一瞬きょとんとする。相手が聞いてきた事に対して、その神様を完全に信仰していないと言えば嘘になり、しかし信仰しているとも言えば嘘になってしまう為に何とも言えず少し黙っていく。本当の事を言わなくても良いじゃ無いかと理性が述べるものの、人間的な本能は素直に話した方が良いと言って来ており、自身が気付いていないところ…深層心理では少なくとも相手が只ならぬ者と分かっていて、それ故ちゃんと話すかと思い直し「…俺は、長谷部が信仰しているから信仰しているだけだ。神様自体を、と言われれば信仰は…していない。気味が悪いし…」と最後は小さく呟いて)

(/ありがとうございます…!いえいえ、凄く伽羅ちゃんの質問の仕方が上手で助かってます…!では、何か不明な点がありましたらその時は遠慮無く背後をお呼び下さいませ…!)

  • No.425 by 大倶利伽羅廣光  2016-09-23 00:05:41 

(不動の言葉を聞き、一度目を閉じて思案する。脳裏に浮かんだのは薬研と村の子供達のことで、彼らをきっかけに村の人間達が自分に対する認識を僅かながらに変えたことを思い出す。恐らく薬研も、宣教師の語る例の神を良く思っていなかったに違いない。あの時薬研が引き止めてくれなければ、自分は無理矢理にでも光忠を連れて村から出ようと考えていた。もしそうなれば村の人間達が目を覚ます機会が失われていただろう。どんな時でも人の間違いを正すのは人であり、神ですら気が付かない真相に気付く。光忠や薬研がそうであったように、恐らく不動もその一人だ。宣教師が本当に操られているとするならば、目を覚まさせることが出来るのは、きっと。「…そうか」と呟きつつ席から立ち上がっては、不動のすぐ近くまで移動してじっと見据える。「不動行光、その意志を失うな。正しいとか間違っているとかは関係無い。アンタが信じるモノを信じて行動しろ。神でも宣教師でもない、アンタ自身の意志で」と、子供らしからぬ発言であると分かっていながら敢えてそう告げる。これは『布石』だ。神を止められるのが神であるように、人を止められるのも人であるのだから。「…兄さん、別の用事があるんだろう。そろそろ行かないと間に合わない」と、視線を不動から光忠へ移しながら教会から出ることを促す。「(国永の術で容姿が変わっているとはいえ、さすがに宣教師と直接顔を合わせるのは不味い。『その本』が見つかる前に出るぞ)」と声無き声で光忠に話しかけつつ、光忠の傍まで近寄りその手をしっかり握る。「邪魔をした。…また来る、必ず」と不動に向けて告げてから、そのまま光忠の手を引いて教会の出口へと歩き出し)

(/はい!こちらこそ何かあればお声掛けよろしくお願いします!あ、でも質問早々に打ち切って教会から出ようとしてますが大丈夫でしょうか…?一応流れとしてはこの後合流して、四人で長谷部さんの日記読んで、作戦会議して、それから外来の神様に殴り込みと大雑把に考えてあるので、もしこの時点で伝え忘れた情報等があるなら鶴丸さんと貞ちゃんが情報収集してきたという形で補完出来ると思うのですが、どうでしょう?それとさりげなく不動くん再登場フラグを勝手に立ててしまってすみません!)

  • No.426 by 不動行光  2016-09-23 22:43:11 

(自身の気持ちを話した後“その意志を失うな”と言う言葉を聞けば、相手は自身と近い年齢の者にも関わらず一言一句には重みがあり不思議な事に心の底に落ちて行く。…自分はどうしたいのだろうか。長谷部の事は信じたい、長谷部が信じている神様の事も信じてはみたい。けれど、あの神様は何かがおかしい、それを信仰している都の人間も何処か異常性を感じる。それに数年前に比べると、長谷部だって変わってしまった部分がある。真面目で不器用な優しさがあるところは変わってはいないが、あんなにも狂信的ではなかった。あの長谷部は…とそこまで考えたところで“また来る”と言われればハッとして立ち上がり「…あんたは、」一体何者なんだと問おうとしたが一旦口を噤んで、それからそれ以上は何も言わずに二人を見送って行き)

(/大丈夫ですよー!元々長谷部とは対面させない予定でしたので。流れ把握しましたー。うーん、そうですね…伝え忘れた事…最近別の孤児院が酷い事になっているのに関しては長谷部は白です。長谷部が教えた神様に影響された別の神父達が勝手にやってる事です、皆神様に長谷部並みに贔屓されたいですので。あと長谷部しか神様の声を聞く事は出来ません(第一の被害者ゆえ頭なので。他は末端))そしてそもそも長谷部自身は別の孤児院自体が酷い事になってるのすら知らないです、視野が狭くなっているのと上手い具合に神父から隠されている為。不動再登場フラグはお気になさらずに!…それにしても相変わらずこちらの説明が下手で申し訳ないです…!)

  • No.427 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-09-24 00:11:11 

【大倶利伽羅廣光】

(後ろで不動が何かを言おうとしていたのは分かっていたが、敢えて振り返らずにそのまま教会を出る。念の為にと辺りを見回してあの宣教師の姿が無いことを確認してから、光忠の手を引いて歩き出す。その道中で聞こえた鐘の音に視線を上げればそこには大きな時計台が建っており、針が指しているのが丁度十二時であることに気付く。「…約束の時間だ」と小さく呟いてから、そのまま行き先を合流地点へと変更して再び足を進めれば、すでに到着していたらしい国永と貞の姿が見えて内心で安堵する。こちらは特に何も仕掛けられなかったが、向こうも大丈夫だっただろうか。「国永、貞、待たせた」と声を掛けつつ傍まで近寄って)

【五条鶴丸国永】

(貞坊と行動を開始してから自分達が向かったのは、この都に点在する多くの教会と孤児院だ。そこに向かった理由は単純明快、『子供が弱点(仮)』であろう例の宣教師のことを手っ取り早く知れると思ったからだ。…結果から言えば、一応は知れたと言ってもいいのかもしれない。しかし宣教師の事以外にも分かってしまった事実があり、そのせいで貞坊の機嫌も急降下してしまっている。それもそのはず、自分達が訪ねた孤児院の多くがそれはもう酷い有様だったからだ。表面上は取り繕われていたが、神である自分達が見抜けぬはずもない。さてどうしたものか、と早めに着いてしまった待ち合わせ場所で思案していると、自分と貞坊の名前が呼ばれた。視線を向ければ予想通り倶利坊と光坊がそこにいて、無事な様子を見てぱっと笑顔を浮かべ「二人共お疲れさん。なぁに、俺達が早く着いてしまっただけだから気にするな」と告げる。「そっちは何か収穫があったかい?こっちはそれなりにあったぜ。な、貞坊?」と隣にいる貞坊に話を振って)


(/ふむふむ成る程、理解しました。いえいえ、今の説明でも充分伝わっておりますのでご安心を!こっちはやりたいことをその場のノリでやってるだけなので本当に助かっております…!あ、例の外来の神ですが、長谷部さんが経営する教会にいるという認識で大丈夫ですか?それと、長谷部さんの日記を四人で読んでいる途中か、読み終わった直後にイベントを起こしたいです!超簡潔に言うとボスの前の雑魚戦みたいな感じなのですが、如何でしょうか?)

  • No.428 by 長船光忠/太鼓鐘貞宗  2016-09-24 14:33:25 

【長船光忠】

(すっかり不動くんと伽羅ちゃんの会話に聞き入っていたものの、頭の中に直接言霊が入ってくれば納得し、着流しの袖に隠している分厚いDiaryと金色の字で印字されたそれを落とさないように上手く持ち直すと、そのまま心中で「(…うん、分かった)」と返しては、一つのアクションとして無言で頷いていく。お茶を飲み干した外来の食器をお盆に置いて続けて立ち上がればその手をきゅっと握り返し、ふと伽羅ちゃんの言葉を聞いて何かしら思うことがあったのか、教会を出る際に言葉にならず口を開閉しただけの不動くんを心配げに見たが、隣の彼が見定めて敢えてあのような言葉を告げたのだから、きっとあの子は大丈夫だと思い直して教会を出ようとしたところで、じめりと背を殺意で撫ぜられる感覚に、ひ…と情けない言葉が零れそうになったが片手で口元を抑えていく。首だけを後ろに回して教会内を見たが何も無く、しかしただの気のせいにしては首筋に伝う冷や汗が妙な現実感を伴っていて僅かに眉を顰める。だが聞こえて来た鐘の音に注意を周りに戻され弾けたように顔を上げれば、村では見たことの無い形の時計を見ていく。それが二本とも真ん中を差していることに気付くと、伽羅ちゃんの言葉に同意して歩いて行けば無事な姿の二人が見えて来て、二重な意味で安堵しては「…良かった」と誰に聞こえるわけでもなく呟く。それから「こっちも収穫はありましたよ。あの宣教師の日記をクスねて来たんですけど…分厚いのでこれは最後に見ましょう」と鶴さんにそう言いつつ冊子を取り出してはそんな事を提案していき)


【太鼓鐘貞宗】

(あの後、鶴と一緒に宣教師の情報を集めようと都に建てられている教会や孤児院に行ってある程度情報は得られたものの己の気分は最悪になっていた。簡単に言えば、人間の欲望や悪意、その他羨望と嫉妬が煮詰められた故に、あのような惨事が起きていたことを知ったのだから当然人間に嫌気が差していて_これだから人間は…と思うものの、そんなきっかけを作り出したのはこの都で広く信仰されている神様なため言葉にして人間を非難することは出来ない。それにしても、知れば知るほど気味が悪いと思いながら、まだ来ない二人を待ち合わせの場所で待っていると暫くして姿が見えたのでほっとして「そうそう、気にすんなって。無事ならそれで良いんだからさ」と鶴の言葉に続いて相手を労っていく。ふと収穫と言われれば「…まあ、あったな。胸糞悪いのが」とやや表情を浮かないものにしていき、そうしてみっちゃんが取り出した冊子を見ては「日記を付けるなんて律儀な奴だな」と率直に感じた宣教師への感想を零しては「なら、報告はまずは俺達の方から話すか?」と他の二人に聞いて行って)


(/ありがとうございます…!もう何と言うか感謝の言葉しか出ないです…。お察しの通り教会にいますねー、因みに伽羅ちゃんや光忠のこと見てました、深淵から。あっ、あんなこと言ってましたが不動は大丈夫です、不動が駄目になったら使い勝手のいい長谷部まで駄目になる事を外来の神は知っていますので。ご都合的で申し訳ない理由ですが…!/・ボスの前の雑魚戦!良いですよね滾ります!ではでは、イベントは読み終わった直後でお願いします!)

  • No.429 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-09-25 02:27:07 

【五条鶴丸国永】

(くすねてきたと言って光坊が見せてきたのは『Diary』と書かれた一冊の本。勿論それも気になるのだが、自分が一番驚いたのは光坊の大胆さだ。まさか宣教師の私物を盗み出すとは思わなかった。別に彼のことを清廉潔白の聖人と思っていたわけでは無く、なんとなくそういった悪さをしないイメージがあったからつい驚いてしまっただけだ。いやむしろ、彼の愛する竜神が関わる事柄なのだから当然の行動だったのかもしれない。「なかなかやるじゃないか光坊!」と悪戯っぽい笑みを浮かべつつそう言ってから、貞坊と倶利坊の言葉に頷き「よし来た、それじゃあ俺達から報告だな」と告げ、ゴホンと咳払いをしてから口を開く。「この都には教会が数多くあるが、その殆どが孤児院と併用しているようだ。何でも例の宣教師が元々そういった方針で教会を営業していたようでな、他の聖職者達もそれに影響された結果らしい。お陰で露頭に迷う子供の数は激減し、世間からは評価され、宣教師や聖職者が信仰する神への関心も高まっているそうだ」と、ここで一度区切ってからため息を吐き「当然、これだけで終わる程都合の良い話じゃない。身寄りの無い子供の保護は表面上の名目で、実際は引き取った子供達に労働を強制しているようだ。そうやって手に入れた金を使って神への信仰を高めているらしい」と肩を竦める。「まあそれも例の神の影響なんだろうが…ここまで根強く影響が出てるとなると、逆に心配になってくるな」と、少々呆れた表情を浮かべつつそう言っては、直ぐ様笑顔を浮かべて「俺達からは以上だな。さて、お次はそっちの収穫を聞こうか?」と促して)

【大倶利伽羅廣光】

(国永も貞もいつも通りの様子を見せているが、その裏で全く別の感情を抱いていることはすぐに分かった。それは二人が得た情報が決して良い物では無いことを示している。貞からの問いかけに一瞬考えてから「…そうだな。そちらから話してくれると助かる」と、二人の方から話をしてくれるようにお願いをすると、国永が任せろと言わんばかりに情報を話してくれた。それは不動が口にした『孤児に無茶な労働をさせてる孤児院があるらしい』という言葉を決定づける情報で、国永が呆れているような心配しているような複雑な気持ちになっているのと、貞がひたすらに機嫌が悪そうにしている理由でもあった。やはり、一刻も早く例の神をどうにかしないといけない。このままでは歪んだ信仰がさらに増加し、人間達に強い悪影響を引き起こしてしまう。ある程度話した所で国永が情報を話すよう促してきたので、小さく頷いてから「俺達は、これを使って例の神の力が最も強い場所…宣教師が持つ教会に行った」と懐から黒い羽根を覗かせる。国永が意味深に微笑んだのが見え、やはり意図的に術を解いたらしいことを悟りつつ続きを話す。「国永の言う通り、宣教師は教会と孤児院を併用していた。そこに住む子供から話を聞いた限りだと、この都に住む人間はそれぞれ別々の神を複数信仰していたらしい。宣教師も、以前は全く別の神を信仰していたようだ。だが、ある時から一つの神だけを異常に信仰し始め、それは徐々に都の人間達に浸透していった。…やはり例の神は、人の心に干渉している可能性が高い」と、ここまで話してから一旦口を閉ざし、光忠の方を見上げて「後は、その日記を読むだけだ」と告げる。もし外の国の言葉で書かれていた場合は国永に任せれば問題は無い。「光忠、開いてみてくれ」と日記を読むよう促して)


(/おおう、やっぱり潜んでいたんですね…。とりあえず不動くんには危険が無いようで一安心です!了解しました、ではそのタイミングでイベントを起こさせて頂きますね。情報共有という名の説明なので今回はやけに長ったらしくなってしまいましたが、殆ど読み飛ばして貰ってもOKです!)

  • No.430 by 長船光忠/宣教師の日記  2016-09-25 17:55:12 

【長船光忠】

(鶴さんの報告を聞いていれば、この都にある教会と孤児院の殆どはその様に子供達を労働者としている様でいて、先程不動くんが言っていた事は本当だったのかと思い出す。その現状が、件の神のせいだとしたら早いところ何とかしないとと思いながらも、報告の終わった伽羅ちゃんに日記を読む事を勧められればこくりと頷いて「それじゃあ、日記を読むね。□□年◯月□日…」と分厚い冊子を開いては重要そうな部分だけを抜粋して読み進めていき)


【宣教師の日記】

(□□年◯月□日。お前は神様は助けてくれなかったと言っているが、必ず手を差し伸べてくれる神様はいる。この国には八百万の神様がいるんだ。捨てる神もいれば拾う神もいる。…だから行光、いつかその神様が現れるまで俺がお前の事を守ってやる。俺は神様にはなれないが、お前の兄代わりにならなれるはずだからな。
◯◯年◯月◯日。俺の両親と行光の両親が事故で亡くなってから××年が経った。あの時と比べると、行光の性格はだいぶ明るいものとなった。××年前は終始暗い顔をしていたので、今の様に孤児院の子供達と笑い遊び成長してくれて安心した。願わくば、あの様な不幸が二度とお前に降り掛からないよう祈っている。
◯△年△月△日。基本的に外つ国には神様は一人しかいないらしいが、この国には八百万の神様がいる。異人からすれば有り得ない事らしいが、この国は信仰の形にも数にも制限が無く自由な国だと俺は思う。知名度が高くとも低くとも、それぞれ特色を生かした神様が共存しているのは素晴らしい事だ。それ故、宣教師として俺も色々な神様を調べ広めているが、中でも白鶴の幸福神などの言い伝えは良いものだった。孤児院の子供達が聞いたら喜びそうだ。今夜寝かし付ける時に聞かせよう。
◯△年△月◯日。僻地にも神様は居り、それに基づいた風習もあるらしい。特に陸の孤島_山々に囲まれた村などは、それが顕著に出ているそうだ。そう言った各地に居る神様も調べたいものの、排他的思想が強い為あまり深く関わらない方が良いのだろう。ただある村の、古今東西格式高い竜の神様は気になるが。
◯◇年◯月□日。商船で外つ国との取り引きをしている商人が興味深い書物を持って来た。何でもこれは救済の神と呼ばれる、外つ国の神様の教典らしい。外つ国の言葉で書かれているため読むのは少々骨が折れるが、善い神様なら広めねばな。それが宣教師たる俺に与えられた使命だ。
◯◇年□月◯日。最近、酷い頭痛に悩まされている。序でに幻聴の類も聞こえて来た。行光と孤児院の子供達に心配をされたが、単なる偏頭痛だと伝えておいた。恐らくあの教典を解読する為に、常に頭を使っているからだろう。疲れているんだ。きっと、そうに違いない。
◯◇年◇月◯日。…どう言う事だ?翻訳して全てを読み終えたが話が違う。あの商人はとんでもない勘違いをしているぞ。この本には救済の神の事など書かれていない。書かれているのは邪__。
××年×月×日。人間の血、月の光、蛙の臓物、蛇の毒牙、蛍火、蜘蛛の糸、リコリス、泥、悪感情。××年×月×日。声が五月蝿い。頭に響く。俺の意思とは関係無く。お前は、貴様は、一体誰_。××年×月×日。頭が痛い。頭が痛い。頭が痛い。頭が痛い。頭が痛い。頭が痛い。頭が痛い。頭が_。××年××月××日。俺は、誰■。記憶が■け■ちて■。何■為に。あ■方の声が聞こえ_。
××年××月××日。全て の、者に 救済の 手を。)


(/取り敢えず、今は様子見してますね。因みにラスボス戦は教会じゃなくても良いんですが、如何しましょうか?/・了解しましたー。こちらも日記の内容を考えるのが楽しくてつい長くなりましたが、重要な部分だけを掻い摘んで頂ければと)

  • No.431 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-09-25 21:04:29 

【五条鶴丸国永】

(自分達の所だけ静まり返っているような、重苦しい空気。それは宣教師の日記の内容を聞いたからで、倶利坊も、光坊も、貞坊も、それぞれ三者三様の表情を浮かべたまま黙り込んでいる。かく言う自分もあまりに衝撃的な内容に言葉を出せずにいて、こういう時こそ空気を読まない明るい発言をするべきだというのに、頭の中が文字通り真っ白な状態だ。無理矢理思考を動かし、光坊が読んでくれた日記の内容を整理する。最初の頃は特に異常は見当たらず、なかなかに信仰深い好青年である様子が読み取れていた。しかし、商人から書物を受け取ったという辺りから様子がおかしくなっており、解読を終えた頃からは日記として殆ど意味を成さない文字の羅列と化してしまっている。…まるで『呪い』に段々と侵食されているかのように。「こいつは…驚きどころの話じゃないな。倶利坊の言葉がまたもや的中したらしい」と、例の神が人の心に干渉している可能性を肯定するように呟く。「俺達が思っている以上に、この神とやらは…」と口にした所であることに気が付き、唐突に言葉を切る。辺りを素早く確認してみると、あれだけいたはずの人の姿が残らず消えており、漂う黒い霧も濃くなっている。不気味な程に静まり返ったその様子を眺めていると、霧の中からずる…ずる…という何かが這いずる音が聞こえ、そこから巨大な黒い蛇が二匹現れた。その傍らには虚ろな目をした聖職者達が何人か立っており、その中の一人がこちらを指差し『見つけた…我らが神に逆らう…愚かな反逆者共め…』と無感情に告げるのを聞いては「おいおい、幾らこの都が奴の神域とはいえ、ここまでやるか?」と言いながら、手の中に真白の太刀を顕現させる。「まあ、あっちから仕掛けられたんじゃ仕方ないよなぁ。存分に暴れてやるとするか!」と好戦的に言い放っては不敵に笑って見せて)

【大倶利伽羅廣光】

(都の住人全ての意識を操って特定の場所に誘導し、自らの眷属と信者である聖職者には特定の場所以外の捜索をさせる。そこで誰かを見つければ、その者達は意識を操れない存在…そなわち敵であるとすぐに判断することが出来る。かなり大規模で強引すぎるが、この都全体を神域としている例の神ならばやりかねない手段だ。そして今、その手段によって自分達は炙り出された。…もうこれ以上の隠密行動は出来そうに無い。それはつまり、変装をしている意味もこの瞬間に無くなったということだ。その場で指を弾いて子供の姿から元の姿へと戻り、ついでのように光忠に施されていた術も解いて元の色へと戻しておく。黒に戻った光忠の髪を満足げに見てから「行ってくる」と短く告げ、竜が彫られた刀を片手に顕現させて前へ出る。それぞれ刀を構えた国永と貞が隣に立つのを一瞥していると、聖職者の何人かが詠唱と共に火の玉を放った。しかし、それらがこちらに届くより先に国永が放った術による水の本流が火の玉を呑み込み、残らず鎮火させては『倶利坊、君は人間達を気絶させてやってくれ。あの眷属二体は俺と貞坊が倒す』と告げられる。『こんな何でも無い所で君の力を消費させるわけにはいかないだろう?』と言われては、それもそうだと納得して頷き「分かった、二人に任せる」と告げ、再び術の詠唱を始めた聖職者達へと駆け出して行き)


(/思っていた以上に日記がホラー展開でぞくぞくしました…!長谷部さんを助けなければならない使命感が沸いてきますね!ラスボス戦については教会かなぁと思っていたのですが、今いる場所で戦っても良さそうです。雑魚を蹴散らしたら登場、みたいな感じで…。ちなみに外来の神の具体的なイメージというか、容姿とかはありますか?)

  • No.432 by 長船光忠/太鼓鐘貞宗  2016-09-25 23:10:05 

【長船光忠】

(古い紙質、やや掠れたインク、記された日付け。そこから読み取るにかなり前からこの冊子は使用されていたものだと分かり、愛着があるのだろうと思いながら文字を読み進めていたものの、日記の内容は段々と雲行きが怪しいものになっていき、最初は理路整然とした硬い文字で記された文章は最終的には所々に血痕が付着したグチャグチャの蚯蚓文字と支離滅裂な文章に変わっていて、思わずゾッとする。文章を読んでいるだけでも人間の人格が崩壊していく有様を見ている様で、背筋が凍り付く感覚がした。村で見て話した宣教師は、狂信的な所を除いたら普通の人と何ら変わらない人物だった。それがこんな文章を書いていたのだから、自分があの村で話した宣教師は一体何だったのだろうと考える。あれは、あの中身は本当に長谷部国重と言う人格だったのだろうか。…いや、きっと違う。この日記の最初の文章を書いている人とは思えない程、村での宣教師は酷く冷めていた。正直に言えば怖い。それ程までに、人間の人格に影響を及ぼす神様が怖く感じる。日記を読み終えてシンとした中、鶴さんが何かを言おうとしていたところで不意に地面を這いずる音_聞き覚えのある音が耳に入ったため僅かに体を強張らせる。やがて現れたのは、巨大な黒い蛇が二匹と虚ろな目をした聖職者達。直ぐに戦いの気配を察知しては、戦えない自身はせめて邪魔にならないよう下がっていようと思った刹那、伽羅ちゃんが普段の姿に戻ったのと同時に自分の髪色が黒へと戻ったのを感じ取り、戦火に身を投じる彼の背に「行ってらっしゃい…!」と不安を押し込む様に手元の日記をぐっと抱え込んではそう告げて、自身は身を隠す場所を探して隠れて行き)


【太鼓鐘貞宗】

(外つ国の邪神、人間の意思を侵食する者、蛇。と今までの敵の情報を頭の中で纏めていたが、如何にもこの国のみの知識しか無い頭では敵の全体像は見えずに顎に手を充てて考え込む。ただ分かった事は、あの邪神は今直ぐにでも滅せなければいけない存在であり、あの宣教師は加害者ではあるが最大の被害者だと言う事で、とにかくその二つを頭に入れてはあまり細かい事を気にしていれば動けるものも動けなくなってしまうと思い、静寂の中で響く鶴の言葉に耳を傾けようとする。だがその前に幾つかの敵の気配を感知し、如何にもあの邪神は手を打つのが早いと胸内で舌打ちを零して、手中に短刀を顕現させては凛と弾ける音を立てて抜刀させる。チラリと他三人の動向を視線走らせて確認すれば、指揮を取る鶴の言葉に同意する様に頷いて「ああ!蛇の事は任せてくれ。伽羅はあんまり無茶すんなよ」とだけ告げると身軽な体を持ってして地面を蹴り上げ跳躍し、黒蛇の脳天へと刃をお見舞いさせようと試みる。が、さすがに読まれていたか、振り下ろす数秒前には鞭のようにしなった尾が腹部目掛けて飛んで来た為に、咄嗟に翼を羽ばたかせて空中で回避行動を取る。ゆらゆらと揺れる尾を見つつ、距離感が掴みにくいなと短刀を構え直していたものの正攻法じゃあ時間が掛かるなと思い直し、普段は使わない詠唱を短く行うと周りの風を刃に変化させ鎌鼬を繰り出し、弾丸の如く発射されたそれが蛇の片目を切り裂いたところでぐらりと傾いた体制を見逃さず、懐へと入り込めば擡げられた鎌首を逆手に持った短刀で掻っ切って、そのままグラつく巨大な体躯を蹴り飛ばすと地面に叩き付け、容赦無く息の根を止めていき)


(/わー、ありがとうございます!ホラーは趣味ですが凝った甲斐がありました…!/・ふむふむ、成る程。あ、その前に長谷部を登場させても良いですか?ちょっと三役はキツイので貞ちゃんかみっちゃんはフェードアウトしそうですが…。/・外来の神の具体的なイメージですか…。ご存知であれば、クトゥルフ神話に出て来る邪神みたいな醜悪的な容姿をイメージしてますね。後はソロモン72柱の悪魔達の容姿などでも大丈夫です。ただ信者達には、いかにも女神様と言ったマリア像の姿にしか見えない仕様になっていますが…)

  • No.433 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-09-26 02:45:15 

【五条鶴丸国永】

(無駄の無い最小限の動きで次々と聖職者達を倒していく倶利坊と、身軽に宙を飛び回りながら黒い蛇と戦う貞坊の様子に感心しては「二人共やるなぁ、俺には到底出来ない動きだ」と楽しそうに二人を褒める言葉を口にする。武器と身体能力を駆使した接近戦は二人の得意とする戦い方だが、自分は違う。顕現させたこの刀は性質上戦えるような武器にはなり得ないし、身体能力だって二人程良いわけでは無い。だが、自分には自分の戦い方があるのだ。「そういうわけで、相手してもらおうか?」と、もう片方の黒い蛇に不敵な笑みを向けるのと同時に刀の切っ先を向ければ、それに呼応するように自分の周囲に光で出来た輝く白い鶴が何十羽も現れる。術で生み出したそれらに向けて「行け!」と命令を下せば、光の鶴達が一斉に黒い蛇へ突進し、その体に接触するのと同時に弾け、強い衝撃が襲う。醜い奇声を上げる黒い蛇を他所に素早く詠唱を完了させては、手に持った刀を思い切り地面に突き刺す。すると黒い蛇のいる地面が白く輝き、そこから無限の刃が撃ち出されて下から黒い蛇を斬り裂き、貫いていく。身体中を穴だらけにされた黒い蛇がそのまま大きな音を立てて崩れ落ちるのを見届けてから二人へ視線をやれば、すでに敵を倒している様子が見えて「流石だな、二人共!」と称賛の声を上げていき)

【大倶利伽羅廣光】

(最後の一人を峰打ちで沈めるのと同時に、大きな声と音が響き渡る。そちらを向いてみれば、貞の持つ短刀の刃で急所を斬り裂かれた黒い蛇が地面に叩きつけられた様子と、国永の術で身体中から黒い液体を噴出しつつ倒れていく様子が目に入り、二人共が無事に眷属を倒したのだと分かり内心で安堵する。黒い蛇二匹が起き上がることも再生することも無く霧状になって消えていくのを目の当たりにしていると、ドクリ、と懐に収めていた黒い羽根から強い鼓動がしたのを感じ、反射的に辺りを見回す。この羽根は例の神の力に反応する。それが今、強く反応したということは…近くに、いる。「…出て来い。今更出し惜しみしても意味が無いだろう、互いにな」と黒い霧の向こう側へと視線を向けつつそう口にして)


(/おお、長谷部さんついに再登場ですね!勿論いいですよ!確かに三役はきついでしょうし、状況に応じて入れ替えたりすればオッケーだと思います。成る程、イメージはクトゥルフ神話でしたか…!そんな邪悪な姿が信者達には全く別物に見えているというのも一種のホラー感がしておぞましいですね…。分かりました、そんな感じの神様なら割と躊躇無く倒せそうなので一安心です!)

  • No.434 by 長谷部国重/太鼓鐘貞宗  2016-09-26 21:17:20 

【長谷部国重】

(ゆらりと、聖職者の証であるストラとカソックを棚引かせては黒霧の中から姿を見せ「_はっ、何処の輩が大立ち回りをしているのかと思えば、神が直々に御出でになさっているとはな」と辺りに充満する神力の残骸に一つ鼻で笑っては、爬虫類の様に鋭い瞳孔をその部外者達に向けていく。その際に、倒れている黒蛇と聖職者が目に入ればあまり主の手を煩わせたくないのにも関わらず、簡単に返り討ちにされているのだから役に立たないと思い苦々しく舌打ちを零す。しかし主の恩恵を受けているとは言え、神に勝る訳も無いため当然の結果かと気を取り直せば現状の把握をしようと視線を走らせていく。この場に居る部外者は三人、都に侵入して来た時は四人いたはずだが一人は身を隠したかと考えると、先ずは目の前の輩を始末すべく腰の打刀に手を充てていく。今は主の力のみで戦うのは得策ではない。敵方の獲物は刀剣ゆえ、ならばこちらも近戦の剣術と併用するのが妥当な判断で、再び口を開き「だが、」と一度目を伏せ今にも殺さんとばかりの殺意を含んだ瞳を開けば「我が主へと刃を向けた罪は重い。その肉の器をもって、己の浅はかさを知ると言い」と吐き捨てる様に言い放つと冷徹な音を立ててその刃を抜く。不届き者へと切っ先を向けたところで、踏み出した一歩に付随する足音が辺りに反響した瞬間_呟いた呪文と共に影から手駒を喚び起こす。それは、己には醜悪なモノには見えず大蛇よりも小さな黒蛇としか認識出来ないのだが、マトモな思考回路を持った者が見ればその形は_)


【太鼓鐘貞宗】

(タン、とした石畳を叩く音と同時に微かな詠唱の言葉が聞こえれば、いつの間にか宣教師の足元には無数の影が蠢いており、しつこく纏わりつく様な不快さが辺りに充満し始めた。それは何となく爬虫類の様にも見える物体で、噎せ返る様な麝香の様な匂いがして、胃がひっくり返されるような吐き気を催させる。体の縁から黒い小さな指を這い出させ、黒っぽい玉虫色の体を波打つ様にして現れた。液体とも言えず個体とも言えないゼラチン状の塊は、少なくとも先程倒した蛇には思えず「ッ気持ちワリィ…!?」と、本能的に感じた言葉をそのまま大声で言っては黒蛇の血を拭ったあと短刀を構え直し、すかさず「伽羅!鶴!あいつはもう戦闘態勢だけど如何すんだ!?」と日記の内容の事も引っ掛かっていたので直ぐには手を出さずに二人に行動を問い掛けていき)


(/そういう訳で光忠は暫し戦線離脱しますね!途中、不動を連れて戻って来るかもしれませんが…良いタイミングがあるかどうか…/・盲信かつ盲目な描写をしたくて認識の相違はそんな感じにさせて頂きました…!あっ、長谷部が意気揚々と戦闘態勢に入りましたが説得するも良し迎え撃つも良しです。最終的にはラスボスが乱入して来ますので!)

  • No.435 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-09-28 19:01:45 

【五条鶴丸国永】

(宣教師が呼び出したらしい不気味な形をしたソレは大きさこそ先程の黒い蛇程では無いが、その身から放たれる邪な気配と力は黒い蛇を遥かに上回っているのを感じる。ソレを従えている宣教師自身も、倶利坊が倒した聖職者達とは比べ物にならない実力を持っているのは明白だ。どろりとした身体を引きずってこちらを見据えているソレを目を細めて眺めつつ、貞坊からの問いかけに対して苦々しい表情を浮かべては「あんなモノを従えている時点で、あの人間は神の力に根深く侵されているに違いない。戻れる可能性は限りなく低い…だったらいっそ…」と、苦渋の決断を下そうとしたその時、倶利坊が刀を構えて前へと踏み出した。一切の迷いも無く歩を進めながら『国永、貞、そいつの相手を任せる』と振り返らずに言葉を告げられ、すぐにその意図を理解した。倶利坊は諦めていない。誰よりも慈悲深く優しい竜神が人間を助けることを諦めるはずが無いのだ。「…ああ!任された!」とその背に向けて明るく返事をし、その場で術を発動するための詠唱準備に入りながら「貞坊!俺達の相手はそこのグニャグニャした奴だ!行くぜ!」と貞坊に向けて声を張り上げて)

【大倶利伽羅廣光】

(張り切った様子の国永の声を背に受けながら、自分は宣教師へと近付いていく。相手が持つ刀の間合いに入らない程度の距離まで近付いてから足を止め、赤く血走った両目をこちらに向ける宣教師を見つめる。村で初めて会った時も、今こうして対峙している時も、宣教師の様子は一向に変わっていない。しかし、あの日記に書かれていた内容と不動の言葉を信じるのならば、今の彼は偽りであり、『長谷部国重』としての本当の彼が存在するはずだ。ならば、それを呼び起こす。幸い宣教師は光忠の居場所を掴めていない、それはつまり『この場にはすでに光忠がいない』ことも知らないはずだ。ある場所に向かって真っ直ぐに移動している光忠の気配を感じながら「…アンタは本当に、心の底から『主』とやらを信じているのか?」と問いかける。これは時間稼ぎでもあるが、それ以上に宣教師自身の心を確かめる為の質問だ。「一度も疑問には思わなかったのか。『主』の意向は全て正しいと、本気でそう思っているのか」と続けて問いかけて)


(/時間が取れなくて返事が遅れてしまいました、すみません!光忠さん離脱了解です、こちらとしても不動くんの呼びかけで目が覚めるような胸熱展開を期待してますので、それっぽく展開を持っていこうと思います!とりあえず説得?っぽいことしてますが、普通に斬りかかってもOKです。ラスボス乱入までになんとかしておきたいですね…!)

  • No.436 by 長谷部国重/太鼓鐘貞宗  2016-09-28 22:14:22 

【長谷部国重】

(二手に分かれたかと、明らかに己に向けられた視線の気配が一つになった事を感じ取れば、薄く笑って「始末しろ。骨すら残さずにな」と足元の手駒に告げると、敵意が白と青の神に鋭く向く。ずるりと体を石畳に這わせた途端、勢いよく黒い表面を波立たせれば地面を割る程の力で飛び掛かっていって、それを横目に赤の神へと異質な雰囲気を纏う双眸で定め射貫いていく。その人間の面を被った人ならざる者の血肉を断ってやろうとばかりに打ち刀に手を掛けていたものの、詰められた距離と共に開かれた口から発せられたのは一つの疑問の言葉。己の信仰の在り処を探るようなそれに、馬鹿馬鹿しいと思いながらも口元歪めて笑っては「当たり前だ、一片たりとも疑う筈が無い。主は救済の神だ。あのように慈悲深く、人々の道標となる御方は他には居ない」とはっきりと告げていく。現に主が現われてからこの都には孤児院が増え、路頭に迷う子供も少なくなった。あの方が現われなければ成されなかった事だ。それに他の者達だって争い事をしなくなり、全てに於いて意見が一致するようになった。全てが丸く収まっている、平和と言っても差支えが無い。それを成し遂げたのは主であり、信仰しない道理が無い。だからこそあの御方を崇めない者は異端であり哀れであり愚か者であり、この世にいては秩序を乱す害ある者だ。さあ早く始末をしようじゃないか、躊躇う事も可笑しいと思う事も無く脳裏に響くその言葉を胸底に落としては「故に、血迷っているのは貴様の方だ。その過ちに気付けないとは愚かな事だ。せめてこの場でその命を以て悔い改めろ」と言い放ったと同時に強く踏み込んで瞬く間に間合い詰めると打ち刀を振りかぶり)


【太鼓鐘貞宗】

(神の掌で踊らされたまま救う余地が無いのならこの手で葬った方が良いと考えるのは一種の優しさで、その決断が鶴から出されようとした瞬間、何か救う算段があるのか口を開いた伽羅を見て、同じく意図を察すれば「オーケー!任せろ!」と声を張り上げる。短刀にこびりついた黒蛇の血を空を斬って払っては、液体でも固形でも無い中途半端なゼリー状の塊へと白刃を向けていく。そこから生える無数の黒い触肢は手の様でもあり足の様でもあるが、微かにギラリとした飢えた口とかぎ爪らしきものが見えた。端的に言えば、おぞましい醜悪な姿が垣間見える暗黒の物体。「鶴、あの紐っぽいものには気を付けろよ」とそれだけ伝えると、短刀を握り直して駆け出せば獰猛に襲い掛かって来たソレを迎え撃つ形で切り刻んでいく。が、びちゃりと嫌な音がしたのも刹那すぐに刀傷は再生しており、触肢が伸びて来たので舌打ち零せば咄嗟に地を蹴り後ろに飛び退いて)


(/お気になさらずにー、余裕がある時に返信で全然構いませんよ。文章量も多いですしね。それと私信ですが、明日は用事の関係で返信が出来ないかもしれないことをお伝えしておきます。/・長谷部がノリノリで悪役をして切り掛かってしまって済みません…。その胸熱展開に持ってけるようこちらも調整致しますね!なら、長谷部が正気を取り戻したところでラスボス乱入ですかね?)

  • No.437 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-09-28 23:48:16 

【大倶利伽羅廣光】

(黙って宣教師の言葉に耳を傾けていたが、返ってきたのはある意味予想通りの反応。自分の言葉程度でどうにかなるとは考えていなかったが、ここまで何の迷いも無い返答をされては多少やりきれない気持ちになる。だが、今この場で重要なのは光忠が戻ってくるまでの時間を稼ぐことだ。それまでは相手の気を自分に向けさせ、四人目の侵入者がこの場にいないことを悟らせないようにしなければならない。と、ここまで考えた所で地を蹴り接近した宣教師が躊躇い無く刀を振るうのが見え、その軌道に合わせるように自らも刀を振るいその一撃を受け止める。金属音と共にぶつかった刀身からギチギチという音が鳴るのを聞きながら「…自らの意志に従わない者は容赦無く消すのか。それも『主』とやらの意向か?そんなもの、救済でも慈悲でも無い…ただの傲慢だ」と、相手の目を真っ直ぐに見据えながら言葉を紡ぐ。「アンタの『主』はもう神とは呼べない。呪いと破滅を吐き散らかすだけの邪神だ」とはっきり告げ、そのまま重なっていた相手の刀を弾き飛ばすように力任せに腕を振るう。ガキィン!という甲高い音が響いて相手の刀が大きく逸れ、追撃はせずに刀を構え直しては相手の出方を伺い)


【五条鶴丸国永】

(貞坊からの注意の言葉に「了解した」と短く返事をし、いつでも術を撃てるように力を高めていく。その間に貞坊が眷属から生えた幾つもの触肢を切り落とすが、それらは殆ど一瞬で再生したのを見て目を細める。何処かから力を供給されているのか、それとも眷属自身の自己再生なのか。前者の場合はあの宣教師が供給源の可能性が高く、後者ならば眷属の身体の何処かに力を生み出す核が存在するはず。どちらにしても対処法は一つに限る。なんでもいいから攻撃を繰り返して消耗させれば良い。前者だった場合は供給源たる宣教師に影響が出るはずだし、後者だった場合は身体を維持する力が弱まった際に核が姿を現すはずだ。「貞坊!威力より手数重視だ!再生が追いつかないようにしてやれ!」と指示を出しつつ、術によって自分の周りに生み出した光の刃を次々と放ち、再生したばかりの触肢を斬り裂いていき)


(/ありがとうございます…!こちらがトピ主だというのに本当に申しわけありません…!明日の件了解しました、のんびりお待ちしていますね。いえいえ、倶利伽羅は長谷部さんを攻撃する気が全く無いのでそちらから仕掛けて貰えて助かってます!そうですね、そんな感じでラスボス突入が理想的だと思います!タイミングはお任せしますねー)

  • No.438 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-10-04 17:17:09 

(/念の為に上げておきます!)

  • No.439 by 長谷部国重/太鼓鐘貞宗  2016-10-04 22:29:34 

【長谷部国重】

(金属と金属がぶつかり合う不協和音が辺りに響き、火花を散らせつつその首を刈ってやろうと両の手に力を込めていたが、相手の金の双眸に見据えられ発せられた言葉に微かに目を見開けば「…傲慢、だと」と呟き苦々しい表情と共に下唇噛んで声を荒げ「秩序を乱す者を排除して何が悪い!従わない者に手を差し伸べても無意味だ!」と言い切ると同時に更に一歩踏み出そうとしたものの、乱れた心身の一瞬を突かれたかの如く耳障りな音が響けば己が刀の軌道を逸らされてしまう。追撃を危惧してすぐさま脇を締め打ち刀を握り直し、たんっと広場の地面を蹴って後退をしたが畳み掛けて来る様子は無く、馬鹿にしているのかと言いたげな眼差しでジロリと睨み付ける。遠からずとも近からずともな距離感を保ちつつも一拍置けば「いいか、決して主は邪神などではない…!邪神などでは_」と否定に否定の言葉を重ねたが、不意にそれが何故だか自身に言い聞かせているような気さえもしてほんの僅かに言葉を詰まらせたものの脳裏に『背教者には裁きを』との冷徹な声が発さられると、不思議なまでに先程浮かび出た疑問は鳴りを静めていく。第三者から見ればその意志の光が無い深紅の瞳を、ゆらりと打刀と共に敵方へと向けていき、独り言だがまるで直ぐ傍に相手が居る様に「…嗚呼、仰る通りです。貴方の意のままに、俺は何でも斬って差し上げましょう」と柔く緩やかな微笑みを一つ零したが、その奥底の感情の一端は歯車が噛み合っておらず酷く歪であった。だがそれにも気付けぬまま再度斬り掛かろうとした刹那、第三者の乱入にて己は大きく動きを止める羽目になり)


【太鼓鐘貞宗】

(片手を着き身軽に飛び跳ね易々と後ろまで下がると「…さあて、如何すっか」と頭をガシガシと掻いて打開策を考える。ああ言った系統の敵は何処かに力の源となる核があるはずだと思いながら、それがあの黒い眷属にあるのかそれとも術者の宣教師にあるのか検討は付かず。一先ず弱らせてから判断するかと考えていると、矢継ぎ早に聞こえて来た鶴の言葉に、さすが旧知の仲だと戦法が同じだった事にニッと口端を上げては「了解っと。一丁ド派手にやるか!」と短刀を持ち直せば力強く地面を蹴り上げ直ぐさま間合いを詰めていく。矢の如く降り掛かる触肢を斬り付け口早に呪文を言葉に乗せると鎌鼬を斉射させブツリと根元ごと裁断していき、それを鶴の攻撃と重ね、派手でありつつも確実に殺していけば黒い眷属の胴体がぐずぐずに溶け出し始めた。そこから見えた微かな赤い宝石の様な物体を視界に入れると、自身よりも的確かつ精密な攻撃を得意とする相手へと顔を向け「鶴!核だ!イケるか!?」と大声で尋ねていき)


(/ひいい済みません…!どうやら返信を送ったのに実際は送れてなかったようです!ああ本当に済みません!こちらの確認不足で…!きちんと確認するべきでした…!上げて下さりありがとうございます!あっ、あと次は貞ちゃんから不動にCCします)

  • No.440 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-10-05 00:15:35 

【大倶利伽羅廣光】

(自分から距離を離すように後退した宣教師を視線で追いつつ、構えは解かずにただ静かに見据える。先程見せた表情と声は明らかに動揺が混じっていた。心の底から支配されているのなら、この程度で取り乱すようなことは無かっただろう。それはつまり、彼にはまだ戻れる余地があるということ。微かに見えた可能性に内心で嬉しく思っていると、さっきまで叫んでいた宣教師が急に黙り込み、動きを止める。何事かと注意深く見ていると、不意に彼が浮かべたのはこの場に酷く似つかわしく無い穏やかな笑みと、同時にこぼした忠誠の言葉。正気とは思えないそれらに例の神が干渉していることを悟り、思わず舌打ちしながら刀を構え直す。…と、そこであることに気付き、小さく笑みを浮かべる。どうやら時間稼ぎは成功したようだと確信を持って視線を向けた先には、この場を離れていた光忠と、もう一人…不動行光の姿がそこにあり)

【五条鶴丸国永】

(自分の術と合わせるように放たれた風の刃が確実にその胴体を捉え、触肢と同じように切り刻まれていくのが見えては、相変わらず派手な事が好きな奴だなと笑みを浮かべる。神二人分の術を同時に受けるのはさすがに応えたのか、体の半分以上が溶けかけた眷属を観察していると、キラリと光る赤い何かが一瞬だけ見えた。貞坊もそれが見えていたようで、自分に対して訴えかける声が聞こえてはニヤリと自信たっぷりな笑みを浮かべ「ああ、勿論だ!」とこちらも声を張り上げて返しながら、手に持っている刀を上段に構えて力を集中させる。すると途端に刀が白く輝いて閃光の刃へと姿を変えると、それを思い切り振りかぶる。「予想外だったか?…がら空きだぜっ!」と高らかに叫びながら力強く投げつけたそれは一寸の狂いも無く核を捉え、貫くと同時に砕け散った。すると甲高い鳴き声をあげた眷属が、ついに体の形状を保てなくなりそのまま溶けて消えていったのを見ては「やったな、貞坊!」と駆け寄りつつハイタッチをする。さて、倶利坊の方はどうなっただろうかと視線をやった先には、いつの間にか新たな人物が増えており)

(/何かあったんじゃないかと心配していたので安心しました!こんなことならもうちょっと早く上げていれば良かったですね、申しわけないです。CC了解しましたー!胸熱展開待機です!)

  • No.441 by 不動行光/長谷部国重  2016-10-05 19:32:37 

【不動行光】

(何かが大きく動く時と言うのはいつも突然やって来る。両親が死んだ時も長谷部が変わってしまった時も、いつも突然だった。だから、教会にて先程の褐色の子供に言われた事へと一人物思いに更けていれば、急に荘厳な静寂を破るかの様に息を乱して入って来た黒髪の青年が、長谷部の日記と共に訴えた事_彼奴が神に毒されている事実には驚きを隠せずにいた。何で事情を知っているんだとか長谷部の日記を持っているんだとか、色々と聞きたい事はあったのだが、有無を言わさせない程の切迫感に虫の知らせにも似た部分を感じて、気が付けば連れられるままに都の中央広場へと辿り着いていた。目に飛び込んで来たのは非現実的な光景で、形容し難い化け物とそれを従えていた長谷部。反対に、対峙するかの様に刀を構える三人の人間…否_人の形をした人ならざる者。少なくとも自分の知る限り、人間には翼や角は生えていない。その威圧的な光景に足が竦み掛けるが、徐ろに後ろから肩へと手を添えられて『_っ…不動くん、状況が飲み込めないと思うけど聞いて欲しい事がある。宣教師様…長谷部くんを救えるのは君にしか出来ない事なんだ。“家族である”君にしか出来ない事なんだよ、断言しても良い。…だから、お願いだ。逃げないで、目を覚まさせてあげてくれ』と軽く言葉と同時に背中をとんっと押された感覚に、弱音や疑問を吐き掛けた口を一度ぐっと結んで一歩ずつ前に出て行く。今まで積もりに積もった心配の念を吐き出すかの様に、再度開くと有りっ丈の声のまま「_長谷部ッ!!」と名前を呼ぶ。少しの後、声が届き、反応し、振り向いた。緊張感からかまるでコマ割りの様に遅く感じる一つ一つの動作。名前を呼ばれた相手は一瞬だけ驚いた風に赤い瞳を丸くさせていたが、直ぐにそれは切れ長く細められ『…何をしに来た。お前は此処に来るべきでは無い。大人しく帰れ』と突き放す様な声を返されるものの、逆に踏み出しては「っ、何が大人しく帰れだ!バカ長谷部!!俺はあんたが苦しんでいる時に何にも出来なかったダメ弟だけど、でも今度はちゃんと向き合ってあんたの目を覚まさせる!だから帰らない!!」と拳を強く握るとそう断言していき)


【長谷部国重】

(この場に来るはずの無い第三者の乱入、恐らく隠れていたと思っていたあの無力な忌むべき人間が、何処から情報を仕入れたかは分からないものの不動を連れて来たのだろう。先程に竜の神が此方に対して追撃をして来なかったのも、只の時間稼ぎだったのだろう。全く以って小賢しいし忌々しい。直ぐさま帰る様に告げたが、相手は何故か自分の目を覚ますときた。どう言う事だ?意味が分からない、自身は至って正気であって、その様な事を言われる筋合いは無い。そんな考えが顔に出ていたのか、不動は苦虫を噛んだかの様な顔で『だって、今の長谷部は長谷部じゃない!昔のあんたは色んな神様を信仰していたし、沢山の善い神様を世の中に広めるのが使命だって言っていた!なのに、今のあんたは一人の神様しか信仰していない!それは…!それは長谷部の意志じゃないはずだ!!』と悲痛に訴えられる。家族から己を否定された為に虚しさや怒りを覚えるかと思いきや、この胸に浮かんだのは疑問と戸惑い。手の平が返ったかの様に戦意が塗り替えられれば刀の切っ先が自然と下がり、目を伏せ、震える溜め息を吐くと「俺は…。俺はそんな事を言った事があるのか?」と自身の事なのに確認する様に尋ねる。意識を向ければ向けるほど今の自身の行動が分からないからで、それに対して迷い無く『ああ!そうだよ…!』と頷いた不動の目は真っ直ぐだった。一点の曇りも無い純粋な藤色の双眸、嘘を付いている様には到底思えない。ごちゃごちゃになった思考を抱えたまま「っ…なら、可笑しいのは俺のほ_…ッ!?」と問い掛け様としたところで、“何を惑わされている。かの者は他の神に嘘を吹き込まれただけだ。ほら…お前の家族を助けてやれ”との、再び己の猜疑心を奪うかの如く安易で甘美な言葉が脳裏に響けば、倒錯的な酷い頭痛が生じる。今まで以上にその言葉に疑いを持ち、深層心理で拒絶している為か許容出来ない程の痛さに背を丸めて唸り)


(/いや、ほんともう済みません…!こちらが悪いのでお気になさらないで下さい!/・む、胸熱に出来るか分からないですが…次あたりで長谷部が少し正気に戻って黒幕登場かもです。黒幕はどんな容貌が良いとかありますか?)

  • No.442 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-10-05 20:47:46 

【大倶利伽羅廣光】

(不動の真っ直ぐで嘘偽りの無い言葉に、宣教師が…長谷部が明らかに動揺しているのが見て取れた。それは自分が言葉を投げかけた時とは全く違う反応で、心の奥底までしっかりと不動の訴えが届いている証拠でもある。長谷部の持つ刀がゆっくりと下がっていくのを見ては、自分も構えを解いて静かに二人のやり取りを見守る。そして、ついに長谷部が己の思考や行動に決定的な疑問の言葉を紡ぎかけたその瞬間、不自然に声が途切れた。その場に蹲って苦しげな声を漏らす様子に、また例の神が干渉し妨害しているのだと気付き、閉ざしていた口を大きく開いては「長谷部国重!アンタが耳を傾けるべきなのは『主』や俺のような『神』の言葉じゃない!アンタのことを一番大切に想っている『人』の言葉だ!アンタがまだ『人』であるなら、踏み間違えるな!」と、自分が生きてきた中で数える程しか出したことが無いような大声を上げて)

【五条鶴丸国永】

(きっと自分の顔も隣に立っている貞坊のように呆気に取られた表情をしているに違いない。それだけ辺りに響き渡った叫び声に近い大声は意外過ぎるもので、その声の主が竜神であることを認識するのに数秒かかってしまった。まるで言霊のように力強いその声は、辺りを包む気味の悪い空気をほんの一瞬だけ吹き飛ばし、この場にいる全員の頭と心に叩き込まれたことだろう。宣教師の様子から例の神が彼に話しかけていたのかもしれないが、倶利坊が放ったさっきの言葉に割り込むことなど出来るはずが無い。その効果も一時しのぎに過ぎないのだろうが、人が人へ想いを伝えるには充分過ぎる時間だ。倶利坊が作ったせっかくのチャンスを無駄にはしまいと、光坊が連れてきた人間の子供に向けて「そこの君!まだ言い足りないだろう?この際だ、全て彼にぶつけてしまえ!」と大声で促して)


(/いえいえ、この時点で充分胸熱な展開になってますよー!黒幕の容貌については、そうですね…眷属が蛇なので蛇の要素が欲しいかもしれません。あと、黒い羽根のことも考えたら翼があっても良さそうかも?あとは邪神っぽく気持ち悪い見た目だと倒しがいがありそうです!)

  • No.443 by 不動行光/長谷部国重  2016-10-06 18:50:07 

【不動行光】

(想いを込めて強く言葉を発していれば、それが届いたのか長谷部の瞳に一瞬光が灯った様に見えたものの、唐突に頭を押さえ出して痛そうに呻いていた為に驚いて一旦言葉を止めてしまう。何で痛そうにしているかが分からなく、こちらはオロオロとし掛けるもそれを掻き消すかの様な芯の通った声が聞こえたのでそちらを見遣り、それはあの褐色の子供と既視感のある褐色の青年が発したものだった。もしかしてあの時の子供は_とそこまで思ったところで、畳み掛ける様に全体的に真っ白な人から鼓舞の言葉を貰えばハッとして顔を戻し、言い足りない事や伝えていない事は沢山あるとぐっと握り締めていた拳を更に握り締めて「長谷部…!長谷部!!」と思いっきり感情のままに名前を叫ぶ。苦痛に歪む弱々しい赤色の瞳と目が合えば、息が詰まる様な錯覚に陥るも何とか踏み止まると「戻って来いよ…!あんたはあんただろ!!そんな奴になんか負けるなよッ!」と負けず劣らずな大声で伝えていく。黒髪の青年や褐色の青年が言った事が本当なら、今は相手は元凶の神の干渉を強く受けている為その反動で痛がっているはず。なら気付かせて貰った通り、自分に出来る事はただ一つ、相手の耳に_更には心の奥底まで届く様な言葉を発する事だ。思わず感情で震える声を持ってして「俺だけじゃない!孤児院のみんなだって長谷部の事を心配していたんだ!だからッ、だから!戻って来いよ!!」と本心をありのままに乗せた声と言葉を零れ落ちる涙と共にぶつけていって)


【長谷部国重】

(己の思考を掻き消すかの様な鈍い頭痛に耐え切れず、膝を着き頭を押さえていれば、その様に意識が朦朧とする中で急かす様に“早く殺せ。家族を助けたいのだろう”との言葉が雑音混じりに何度も響いて来る。額に冷や汗を滲ませては意思に反して刀の切っ先が再び上がり掛けるが、その手前で淀んだ空気を斬り払うかの如く真っ直ぐに告げられた竜神の言霊に、ほんの僅かに脳裏のノイズが止んでいく。辛うじて開けた口から「…『人』の、言葉。_俺は……」と零し、何とか憔悴し切った双眸を上げて視界に家族の一員を捉えると「…ゆき、みつ…」と不安定な声色で名前を呼ぶ。血の繋がった、たった一人の家族。自分が何としてでも守りたい大切な弟。そんな存在が今“戻って来い”と泣きながら訴えている。何故その様な顔をさせてしまっているのか、何故こんな事になってしまっているのか。痛む頭を押さえつつ深く深く息を吐き、様々な物の整理をつけるように双眸を伏せて思考の海へ。先ずは己の名前をなぞり、それから家族の事や家族の様に大切にしている孤児達の事、更には自身の宣教師としての信念を確かめ思い出せば、思わずこの今の有様に対して失笑が溢れる。「…っ、ははッ。俺は…、俺は…何を、やっているんだ…」そう薄く双眸を開くと眉尻を下げては情けない顔で自嘲を一つ。しかし、第三者から見れば何処か晴れ晴れとした顔でもあった。一度行光や神々を見て「…目を覚まさせてくれて、感謝する」とそう告げた後、着いていた膝を片方立て懐から教典を一冊取り出すと地面へと置いて両手で刀の柄を握り込み、途端これから起こるべき事を予測出来たのか脳裏の声が“_ッ!貴様!!神に刃向かうのか!?”とけたたましい警告音へと変わるが、こちらは既に迷いなど無く静かな声で「…縁を繋いでしまったのが俺ならば、それを断ち切るのもまた俺だ。…主_否、堕ちた神の端くれよ。察しの通り、これは貴方への宣戦布告だ!」そう今度こそ最後の最後まで己の意思でハッキリと告げては、振り下ろした打刀が一思いに教典を貫いていく。瞬間、ブツリと何かが切れた感覚。それに伴い教典からはインクに似た、ドス黒い液体が次々に泉の様に湧き上がる。「…ッ」と縁が断ち切れた感覚はするものの、その反動が来た為か一度喀血したが直ぐさま手の甲で拭い打刀を引き抜く。再度、裁断しようと構えたものの、その直前流れ出た黒い液体が不自然に動き出し天へと登る。ガラリと辺りの雰囲気が時が止まった様な重い気配へと変わり、直感的にアレが来るのだと感じれば全員に「奴が来るぞ!!」と伝え、自身は戦えない不動や黒髪の青年へと下がる様にと払う様な仕草を見せる。それが終わるとほぼ同時に、背を殺意で撫ぜられる感覚がしたと思えば天からは慈悲深い聖母を思わせるかの様な白き翼を携えた女性の姿が…_いや、正気に戻った今は、ケロイドの如くブヨついた醜悪な体躯に横ではなく縦に裂かれたギザついた口、鼻や髪は無く平らな顔には蛇を連想させる目が幾つも付いていて、背からは不釣り合いな程に真っ黒な翼が生えていた。それは一度金切り声を上げれば、この広場を焼き尽くさんとばかりに呪文を唱え轟々と燃える幾つもの火の矢を放って来て、チッと一つ舌打ちをすると近くの建物を盾にして回避行動を取ろうとし)


(/ありがとうございます、そう言って貰えて嬉しいです!/・了解です!黒幕の容貌は元ネタらしく気持ち悪いものにしてみましたー。/・次から貞ちゃんに代わりますが、長谷部はどうしましょう?今はただの人間なので下がらせた方が良いでしょうか?それとも、黒幕の攻撃行動や弱点のレクチャーでもします?)

  • No.444 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-10-06 21:05:37 

【大倶利伽羅廣光】

(再度響いた不動の悲痛なまでの心の叫びを耳にした瞬間、長谷部がゆっくりと目を閉じる。その表情は不敵なものでも苦しげなものでもなく穏やかなもので、今度こそ届いたのだと確信する。決意と覚悟を込めた言葉と共に開かれた瞳は血のような赤色から淡い藤色になっており、彼が懐から取り出した教典に向けて一切の躊躇い無く刃を振り下ろすと、そこからどろりとした真っ黒な液体が溢れ出てくるのが見えた。あの本こそが長谷部と例の神の繋がりだったのかと理解している間に、溢れ出た液体はまるで生き物のようにうごめき、あり得ない動きをしながら空へ昇る。それと同時にゾクリとした悪寒を感じ、長谷部の叫びにつられるようにして視線を向けた先に現れたのは、この世のものとは思えない程に醜悪で邪悪な存在。まさに『呪いの神』という言葉が相応しいソレこそが、全ての元凶である邪神なのだろう。奇声とも悲鳴とも取れない鳴き声をあげた邪神が呪文と共に火で出来た無数の矢を放つのが見えれば、「国永!」と強く名前を呼ぶ。待ってましたと言わんばかりに国永が笑みを浮かべ、素早く詠唱を完了させて放ったのは水で出来た同じ数だけの矢。それらが全て火の矢を叩き落とすのを見ては、顔だけを長谷部の方へと向けて「…神の落とし前は神が付ける。アンタは人だ、これ以上関わる必要は無い」と、今だに闘志を宿す藤色の瞳を真っ直ぐに見据えながら静かにそう告げる。それから視線を動かし、少し後ろの方に立っている不動と、不動を支えるように隣に立つ光忠を視界に収めては僅かに笑みを浮かべ、刀を握り直しつつ邪神の方へ向き直っては白刃の切っ先を向けて)

【五条鶴丸国永】

(相変わらず倶利坊は人間に優しすぎる神だと思う。操られていたとはいえ、目の前の醜悪すぎる邪神に忠誠を誓っていた宣教師に対して結局一度も敵意や殺意を向けることが無かった。それどころか邪神について何か聞くでもなく、協力をこぎつけるでもなく、ここから先の戦いも責任も負担も全て肩代わりしようとしているその姿は、清廉で汚れの無い水のようだ。あれだけ苦労したのだから、少しぐらいは見返りを求めてもいいだろうに。どうせ倶利坊のことだ、邪神のことを聞かずに突き放すような言い方をしているのも、宣教師に精神的な負担をかけない為だろう。やれやれと肩を竦めながら倶利坊の隣に立ち「君、相変わらず言葉が足りないなぁ。そこの宣教師が君にあらぬ誤解を抱いたらどうするんだ?」と問いかければ、倶利坊は真っ直ぐに邪神を見据えたまま『それで楽になるのなら、それでいい』とはっきり告げてきた。こちらとしては宣教師が竜神に対して悪い印象を持ってしまうのは非常に困るのだが…まあ、それはそれとして。「何はともあれ、ようやく黒幕のお出ましだ。やられた分はきっちり返させて貰おうか」と、これまで抑えていた殺意混じりの神気を滲ませて)


(/ちょっと想像しただけでも最悪に気持ち悪そうな邪神来ちゃいましたね…!これは倒さないと!そうですね、倶利伽羅的には神同士の戦いに巻き込みたくないと思っているので、長谷部さんにはこのまま休んで貰おうと思います!)

  • No.445 by 長谷部国重/太鼓鐘貞宗  2016-10-07 07:17:37 

【長谷部国重】

(あれを表現するならば火の雨で、随分と前に老婆が語っていた、遥か昔に起きていた戦を連想させるかの様な現状に打刀を持つ手が強まる。それと同時に険しい顔をしていたのだろう、後ろにいた行光が『…っ、長谷部』と行くなと言わんばかりの心配気な表情で硬く服裾を掴んで来る。邪神を広めてしまったのは自身ゆえ、行かない訳には_と思っていたところで、火の雨を打ち消すかの如く展開された水の矢が鋭くかつ的確に殺意を相殺させていく。真っ白な水蒸気が辺りに立ち込め、一瞬視界が曇るものの再度視界に映ったのは凛と立つ三人の神。その姿勢には迷いも怯えも無い、決して揺らぐ事の無い魂の持ち主。思わずほんの僅かに目を奪われていれば、途端こちらへと投げられた竜神の視線と言葉に目を瞬かせる。「なっ…!?俺が撒いた種だ!責任は俺に_」と訴えようとしたが、ぐんっと引っ張られた為にそれは消化不良に終わって何事かと背後を見遣ると、服は行光で見当がついていたのがストラを引っ張っていたのはあの黒髪の青年で。幾ら操られていたとは言え、相手には随分と酷い事を言ってしまった事を思い出せば何となく視線合わせ辛くいたものの、当の彼は全く気にしていないかの様に『宣教師さま_いや、長谷部くんって呼んだ方が良いかな?…まあともかく、君は君の為にも、不動くんの為にも、戦うべきではないよ』と今の事に対して落ち着かせる様な声色で諭し、更に重ねる様に『…体、ボロボロだよね?…不動くんだって、君から離れたくなさそうだよ』とこちらを案じて眉尻を下げながら言葉を告げて来る。一度血を吐いたぐらい平気なのだが、しかし行光の事を出されれば長い事不安にさせてしまっていたので反論など出ずに言葉が詰まる。それから、相手から竜神の話題が出ると無自覚なのか彼は自然に緩やかな笑みを浮かべて『…それと、嗚呼は言ってるけどね、竜神様も君の事を案じているんだよ。あの方は誰よりも優しい神様だから』と嘘偽りの無い感情の籠った声で微笑み掛けられる。そこまで言われてしまえば己の出る幕など無く、不服ながらも一応納得は出来ていて「……分かった。刀は収めよう。_行光、お前にも心配を掛けた」と刃を鞘へと収めた後に不器用に頭をぽんぽんと撫でていく。そうして、せめて事の成り行きは最後まで見届けようと再び視線を広場へと戻していき)


【太鼓鐘貞宗】

(一連の騒動を起こした黒幕が遂に現れれば、今の今まで積もった行き先の無かった怒りを晴らす事が出来ると思うと、ニンマリとした笑みを零し「へへっ、この先が本番だな。気合いを入れるか!」とクルリと手の甲で回した短刀を掴み直す。門番の聖職者が出そうとした炎と言い放って来た火の矢と言い、邪神は火の使い手かと思えば、風を使う己とは若干相性が悪いもののまあ何とかなるかと思い直し、醜悪なソレへと視線を定める。火の矢が打ち消された事により、侭ならない現状にギザついた縦長の口をガバリと開き、敵は酷く歪な咆哮を上げて空気を震わせる。変わらない手順で第二波が来ようとしていた為に「同じ手は食らわねぇ!」と、咄嗟に片翼へと空気を圧縮して形成した槍を構え思いっきり投げ付ける。撃ち落とすまでには至らず掠めただけなものの、態勢がぐらりと傾いたので「よっしゃ!」と拳を握り掛けるが、そこから流れ出た真っ黒な血は粘り気を持って石畳に落ちると同時に先ほど倒した液状の敵となっていって、他二人に視線を遣っては「ッ、悪ぃ!敵を増やしちまった!」と謝罪の言葉を投げていく。そうこうしている内に、今度は自分達三人の居る部分だけの石畳の床が熱くなり始め、終いには溶岩の様にドロリとしたものへと変わり掛けたので、ハッとして上を見れば邪神が呪文を唱えており、次いで顕現させた西洋の大きな剣をこちらへと叩き付けるように振るって来て)


(/足りない脳みそ動かしつつ生理的嫌悪を齎す表現を名一杯詰め込んでみました…!どうぞどうぞ!盛大に倒してしまって下さいな。/・了解しましたー。なら長谷部は大人しく下がりますね)

  • No.446 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-10-07 17:38:07 

【大倶利伽羅廣光】

(先陣を切った貞が攻撃を仕掛け、僅かに傷を負った邪神の醜悪な体が揺らぐ。しかし、そこから溢れた血だと思われる黒い液体が床に飛び散った途端、それらが蠢いて先程長谷部が従えていたあの眷属へと変わるのを見ては、無闇に攻撃を仕掛けるのは危険なのかと考える。慌てた様子の貞がこちらに謝罪するのが聞こえ、気にするなと言おうとした所で光の刃が次々と眷属を刺し貫き、消滅させていく。『雑魚処理は任せな、核の位置はもう掴んである。君達は遠慮無く攻撃を叩き込め!』と不敵に微笑みながらそう告げる国永に、了承の意味で頷いてみせる。術に優れた国永は後方支援と眷属の殲滅、機動に長けた貞は先制攻撃と手数による撹乱。ならば、自分がやるべき役目はそれ以外だ。頭上に迫る大剣を真っ直ぐに見据え、刀を両手で握り直して下段に構える。刀身に力を注ぎ込めば、握った手に熱気が伝わるのと同時に白銀が紅蓮へと塗り替わり、そこから赤と橙が混ざりあった炎が巻き起こる。そのまま刀を大きく振るい、刀身を包んでいた炎が巨大な紅蓮色の斬撃となって大剣へと叩きつけられた。その二つが僅かに拮抗し、同時に消滅したのと同時にその場から大きく跳躍し、貞の攻撃によって傷が出来たままの片翼を抉るように斬りつけ、返す刃で二撃目を食らわせて完全に切断すれば、切り取られた片翼はそのまま消滅し、傷口から尋常ではない量の黒い鮮血が吹き出し自分の体を黒く染めた。耳障りな金切り声のような悲鳴を叫び散らす邪神を横目に、顔に飛び散った黒い血を乱暴に拭い取っては「アンタは、思い上がりすぎた。神は全知全能であると錯覚した。それこそがアンタの罪であり、罰でもある」と言い聞かせるように静かな声で告げては、再び刀身に炎を宿らせる。「…終わりにしよう。アンタが撒き散らした呪いも、それが招いた多くの悲しみや苦しみも、全て」と、自分でも場違いだと思うくらいに穏やかな声でそう口にした後、天高くかざした炎の刀身を躊躇いなく邪神に向けて振り下ろし、その体を焼き尽くしていき)

【五条鶴丸国永】

(さすがにあそこまで巨大な大剣を振り下ろされた時には肝が冷えてしまったが、倶利坊が放った炎の斬撃により防がれたことに安堵する。こんな時にこんなことを考えるのは良くないが、倶利坊が炎の術を使ったことには少しばかり驚いてしまった。水の化身たる竜の神である倶利坊は、自らが得意とする術が真逆の炎であることを気にしていたはずだ。だからこそ、自分や貞坊の前でも術を使うことが無かった。それに、炎というのは人間に害を与える最も身近なものでもある。光坊を招き入れたと聞いた時はもう二度と使う気が無いのだろうと思っていたのだが…。「まあ、君の扱う炎が誰かを傷付けるだなんて、元から誰も思っちゃいないがな」と独り言のように呟いて笑みを浮かべては、邪神の片翼を見事に斬り落とした倶利坊を見上げる。そして、彼が静かに紡いだ言葉を耳にしては、それに被せるように口を開き「神と人は違うが、決して上下関係があるわけじゃない。むしろ手を取り合って互いに助け合う関係なのさ。君の敗因は、それを履き違えたことだな」と告げては、倶利坊の放った炎に合わせるようにして術を発動させ、邪神の足元から光で出来た無数の刀剣を出現させて刺し貫いていき)


(/お言葉に甘えて、一気に決めてみました!もしよければ貞ちゃんも一緒にトドメの一撃を出しちゃってください!あ、往生際の悪い卑怯を極めた邪神がやってみたいので、このあと神様勢がピンチになる演出を入れたいのですが大丈夫でしょうか?で、倶利伽羅が無茶なことしようとするので、ぜひ光忠さんに割って入って貰いたいなぁと…)

  • No.447 by 太鼓鐘貞宗/長船光忠  2016-10-07 23:23:11 

【太鼓鐘貞宗】

(畳み掛ける様にして次々と敵から攻撃の手を打たれたが、それに対して鶴が雑魚を捌き、伽羅が巨大な剣を滅して片翼を捥ぎ取っていく。炎を使う竜神を珍しいと横目に思ったが、今はそれに気を取られている場合ではないと考えれば、マグマに成り掛けていた地面を突風で急激に冷まし火山岩に変わるのを見届けていく。次いで、自身にしてはより豪勢かつ豪快に長めの呪文を唱えた後、何本もの風の槍を形成させれば残った片翼へと弾丸の様にブン投げる。幾ら血が出て眷属に成ったとしても、それを鶴が捌くと言うのなら安心して遠慮無く穿つ事が出来て、結果として穴だらけになった片翼はそのまま飛行を為せずにボロボロに崩れ落ちた。二神による言葉とトドメの一撃を見ては、これ以上己が追撃をする必要は無いだろうと考えるものの、しかし思うところが有り閉ざしていた口を一度開いて重ねる様にして「…俺はあんまり人を好いてはいないけど、それは人が神よりも劣っているからじゃあない。むしろ神ってのは、俺らを認知してくれる人と言う存在があってこそ成り立つもんだ。鶴の言った通り、あんたはそこを根本から間違えてんだよ」と告げていく。そうして焼け焦げ串刺しになった敵を再び見ては「_まっ、あんたに次があったなら、今度は間違えんなよ」と同情の様な温情を呟くとひらりと手を振って)


【長船光忠】

(一連の出来事をこの隻眼に収めていき、圧倒的な力を以てして悪の根源が断たれた瞬間を見れば、凶悪な火が消えたと言う安堵もあるものの重く深い安心しきった溜め息を吐く。これできっと操られていた人達は元に戻り、それによって苦しんでいた人達も解放されるはず。あの邪神にも救いの手があれば良かったのだろうが、生まれ以てして嗚呼であるのなら仕方がない事なのだろうと、少し自身の黒髪と重なるところがあって複雑な気持ちになったが、一度頭を振って鬱屈した思考を振り払う。それから今この時は、魔を払ってくれた神様達にありがとうと言った感謝の言葉を伝えるべく気持ちを切り替えて、思わず嬉々とした心情のまま建物の陰から出て行こうとしたが、不意に『…待て、本当に終わったのか?』とぽつりと長谷部くんが呟いたものだから、足を止めて不動くんと共に首を傾げ「え?それはどう言う_」と返そうとした瞬間、何だか形容しがたいほどの嫌な予感を覚えて「!?」と広場の方へと視線を投げていき)


(/貞ちゃんには言葉でトドメの一撃をさせて頂きましたー/・良いですよー、こちらの温情?を華麗に壊しちゃって下さい!/・その様な大役を光忠がしても良いのですか…!?期待に応えられるかは分かりませんが、精一杯割って入らせて貰いますね!)

  • No.448 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-10-08 01:12:44 

【大倶利伽羅廣光】

(炎に焼かれ、光に貫かれて動かなくなった邪神を見下ろす。すでに救いようの無い程までに堕ちてしまったとはいえ、同胞である神を…否、誰かを殺めるというのは良い心地がしない。それでも、自分の行動で他の大勢の人の命を救えたのだと思う。そう考えて割り切ろうと無理矢理納得していると、くらりと視界が揺れる。さっきの戦いでかなりの力を消耗してしまったからその反動なのだろう、せめてここから出るまでは耐えようと、遅い来る眠気を振り払うように頭を緩く横に振る。そうして身を翻して皆の元へ向かおうとした時、ドクリ、と鼓動を感じて足を止める。それは懐に仕舞い込んだままの黒い羽根から感じたもので、黒い羽根がそもそも何だったのかを思い出して振り返ろうとしたが『…もう遅い』と全く聞き覚えの無い声が響いた。その瞬間、邪神の体から伸びた黒い触肢が全身に絡みつき、抵抗出来ない程の強い力で地面に叩きつけられる。国永と貞が自分の名前を呼んで助けに入ろうとしているのが見えたが、二人の足元…影の部分から触肢が伸び、自分と同じように二人を拘束して地面に引き倒してしまう。『竜神…貴様さえ…貴様さえ邪魔しなければ…上手くいっていた…!』と、憎悪に塗れた邪神の声が聞こえ、倒れ伏していた邪神の眼に値する部分全てがぎょろりと自分に向けられる。『皆殺しだ!あそこの神二人も、宣教師も、餓鬼も、この都の人間も、全て!だが竜神、貴様だけはただでは殺さん…!永久にその体を酷使してくれる…!』と、もはや理性の欠片も見当たらない強い声に、邪神は自分の体を乗っ取って生き長らえるつもりなのだと悟る。『あそこにいる黒髪の人間、貴様のお気に入りなんだろう…?決めたぞ、次の『宣教師役』はあの人間だ…死ぬまで飼い殺してやろう…!』という声が聞こえた瞬間、プツンと何かの糸が切れた。「………黙れ」と、低く溢す。「光忠に手出しはさせない…アンタ如きに渡すものか…」と、怒りと殺気が入り混じった声で呟きながら、拘束されたままの手を無理矢理動かし、何とか刀を手繰り寄せる。これは、すでに力を失いかけている奴の悪足掻き。今すぐに奴が乗っ取れるのは自分だけ。乗っ取る器が無くなってしまえば、奴はそのまま消滅する。だったら、やることは一つだ。「…光忠、すまない」と呟き、刃をそっと喉元に当てて)

【五条鶴丸国永】

(完全に油断していた。邪神の体が消えていない時点でおかしいと思うべきだった。しかし気付いた時には全てが遅く、倶利坊が邪神の触肢によって拘束されてしまい、それを助けようとした自分と貞坊も同じようにして身動きが取れなくされてしまった。引きちぎろうにも自分達を拘束している触肢に特殊な術が掛けられているのか思うように力が入らず、上手く術を唱えることも出来ない。それを見た光坊と長谷部、そして子供が自分達を助けようとしているのが見えたが「ま、待てっ…!人である君達が迂闊に触るのは危険だ…!」と制止の声をあげる。時間を掛ければ解くことも可能だが、この状況では時間を掛けることなど出来もしない。その間にも邪神の憎々しげな声が辺りに響き渡り、自分達を殺そうとしていること、倶利坊の体を乗っ取ろうとしていること…そして、光坊をかつての長谷部のように操ろうとしていることが分かったその瞬間、今まで一度だって出さなかった鋭く強い殺気を倶利坊が放った。何かをブツブツと呟きながら刀を手繰り寄せる姿に、彼が何をしようとしているのかを理解した。彼は、邪神を道連れにして死のうとしている…!「倶利坊!よせ!やめろっ!」と必死に叫ぶも、竜神の手は止まらない。そのまま白銀の刃が褐色の首へ当てられ、そして…)


(/物理的と精神的なトドメが決まりましたね!といっても温情をはねのけてしぶとく生きていらっしゃるのですが…。いえいえ、ただ私が見てみたいという欲望のままにお願いしてしまって申しわけ無いです…。ぜひ倶利伽羅を止めてやってください!)

  • No.449 by 長船光忠  2016-10-08 11:45:39 

【長船光忠】

(瞬間、次々と目に映ったのは敵の手により倒れ伏す三人の姿。悪い予感が当たってしまったと思いながらも咄嗟に「伽羅ちゃん!鶴さん!貞ちゃん!」と焦りの混じった声色で名前を呼んで、自分に何が出来るのかも分からないまま広場へと飛び出していく。この行動が浅はかな事は分かってはいるが、大切な人達が危険な目に遭っている時にまで隠れていられるほど自身は薄情ではないし、またそんなに冷静でいられるほど利口でもない。背後から、唐突な自分の行動に対する長谷部くんや不動くんの驚愕の声が聞こえたものの、結局それは溜め息に変わり直ぐに同じような足音となる。一目散に駆けていく中、理性の欠片も無い憎悪と殺意に濡れた邪心の声が空気を震わせ響き渡る。そのおどろおどろしい内容に視線を尖らせては、邪神が自分達を含め都の人達も皆殺しにしようとしていること、それを為すために伽羅ちゃんの体を乗っ取ろうとしていること、加えて邪神の信仰を広めるがゆえ自身が次の宣教師役をやらされると言うことで。正直、自分の事よりも伽羅ちゃんがその器として乗っ取られてしまう事に対して怒りが沸いていて、だってそれは死と同意議ではないかと無意識の内に拳を握り込んだところで、徐ろにこちらには向いていない強い感情が発されたことに気付き、感覚を辿って隻眼を動かせば目に映ったのは竜神の彼だった。無理矢理に手を動かしてその洗練された刀を手に取る様子を見ると、相手の性分上、次に何をするのかが分かってしまったので鶴さんが叫ぶ前よりも早く、更に駆け出し肺の酸素が無くなるほど死に物狂いで足を動かせば「_ッ、伽羅、ちゃん…!駄目だ!!」と相手の覚悟を止めるべく、彼の手に重ねる様にして柄を思いっきり両手で握り込み上から制止させる。息切れを起こしているため狭くなった気管支を空気が通る度にひゅーひゅーとした喘鳴が零れるが、それでも手には力を込めていて額に浮かぶ汗も気にせず、揺らぐ隻眼を向けてぶんぶんと首を横に振っていく。それから、苦し気な呼吸のまま「…お願いだから、もっと君は君を、大切にしてくれ…!」と“短い命の全てを自分の為に使う”と前に言ってくれたが、やはり好きだからこそ相手が犠牲になるところは見たくないが為、とんだ我儘だが強く訴えていく。だが不意に、邪神のこちらを嘲笑う声が響き『ハハ!愚かだな黒髪の人間よ!この竜の覚悟を踏み躙り、こちらに加担するとはな!』と醜悪に嗤うそれを強く睨んでは、直ぐさま「違う!僕は、君なんかに加担する為に止めたんじゃない…!」と大声で否定し、しかし打開策を考えなければ敵の思う壺だと思って思考を巡らせていると、ふと人間で言えば心臓のある部分にきらりと血液を固めたかの様なほど濃い赤色の宝石が微かに敵の体躯から見えたような気がして、もしかしたらと思っては僅かな希望を持ってして彼に小声で「…!_伽羅ちゃん、あれ…」と視線のみで促していき)


(/こう言う熱い展開大好物ですのでありがとうございます!それにこの一歩間違えれば闇落ち展開とかも美味しく頂けます/・光忠には力が無いゆえ、信念と行動と言葉のみが武器ですのでそれを表せる場を設けて頂けて嬉しい限りです。トピ主様のご期待に添えられたかは分かりませんが…!)

  • No.450 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-08 21:42:45 

(覚悟を決めて目を閉じ、そのまま首筋に当てた刃に力を入れようとした時、聞き慣れた呼び名と制止の言葉と共に自分の手ごと刀の柄を握られて思わず目を開く。そこにいたのは黒髪を乱れさせて息を切らしている光忠で、必死に首を横に振っているのを見ては「離せ、光忠っ!」と殆ど懇願に近い声で訴えるも、離すどころかより一層強く握られてしまった。その状態のまま呼吸も整わない内に光忠が告げた言葉に、場違いだと思いながらもどうしようもない愛しさがこみ上げてしまう。死にたくないという心の奥底の気持ちは今も変わっていない。それでも、邪神を道連れにして命を絶つ覚悟が出来た。光忠を奪われるのは、誰よりも愛する人を失うのだけは、どうしても許せなかったから。なのに、光忠の言葉一つでその覚悟さえも揺らいでしまう。しかし再度聞こえてきた邪神の声による嘲笑を耳にしては、駄目だ、揺らぐな、動揺するなと自己暗示をかける。自分が死ぬことで全て収まる。皆が無事に助かる。光忠が生きていてくれる。それだけで充分だろう。こうなったら強引にでも光忠の手を引き剥がそうと望まぬ決意をした時、光忠の視線が自分から邪神の方へ向いているのに気が付く。そして何かに気付いたように目を見開いてからこちらを向き、小声で促された方に顔を向ける。そこにはごぽごぽと音を立てる邪神の醜悪な身体が横たわっているだけ…いや、違う。一瞬だけ見えた赤い何かを追うように意識を集中させると、ある一点に赤く輝く石の形をした物が存在していることに気付く。…あの眷属達には『核』が存在していた。ならば、主たるこの邪神にも、『核』が存在する…?「…光忠、離してくれ」と、すぐ傍にいる愛しい人の名前を呼び、自分の手に重ねられている両手を離すように告げる。光忠が示してくれたもう一つの選択肢、別の可能性。もしもそれが違っていれば、最悪の結末を迎えてしまうだろう。それでも俺は、光忠と同じ選択をしたい。残った力を総動員して刀身を再び紅蓮色の炎によって燃え上がらせ、刀を握っていない方の手をなんとか動かし、前髪に隠された光忠の右目をなぞるようにそっと撫でる。「この傷の理由を、知ってる…火を恐れていることを、知ってる…」と、光忠が聞かせてくれた話と晒してくれた傷を脳裏に浮かべては「…それでも、傍にいて欲しい。俺を信じてくれ。駄目だった時は…一緒に、死んでくれるか」と、最後の最後で自分の本音をこぼしてしまいながら笑みを浮かべて)


(/そう言って頂けて感無量です!好みが同じで良かったと心から思っております、こちらこそ期待以上の展開に持っていってくださってありがとうございますー!なんか倶利伽羅が心中しよう的なこと言っちゃってますが、ちゃんとハッピーエンド予定なのでご心配なく…!)

  • No.451 by 長船光忠  2016-10-08 22:47:30 

(まるで心臓のように波打つ赤い宝石。まだ運命が自分達を見放していないのなら、アレはきっとこの盤上を引っ繰り返せる切り札になるはずだ。絶望と不安しか無かった暗闇の中で、唯一の光明が見えた。お願いだから運命よ、このまま見放さないでくれ。自分のみならばどんな結末でも甘んじて受け入れられるが、大切な想い人が犠牲になる未来だけは絶対に受け入れられない終わりだから。彼の決死の覚悟を止めたぐらいに、自分は我が儘なほど相手に生きていて欲しいと願っている。それだからアレが活路であって欲しいと思っては、どう壊そうかと必死に考えていたところで、不意に伽羅ちゃんから“離してくれ”と言われると一瞬だけ躊躇ったものの、その瞳には自決の覚悟は無く何か別の覚悟を決めた様な面持ちであった為「…分かった」と強く握ってしまっていた相手の手を労わる様にそっと撫でた後、直ぐに両手を離す。_瞬間、刀の刀身に熱気が立ち込め巻き付いていく紅蓮色の炎に条件反射でびくりと肩を震わせるが、あの時全てを焼き尽くした獰猛な炎ではないと強く言い聞かせて、恐怖で体が震えない様に叱咤する。だがこんなにも近くで見た為か、酸素不足もあって過呼吸になりそうだと視線を歪めていれば、徐ろに右目を撫でた彼の手から仄かな体温が伝わると、驚く程に心の平静を保つ事が出来た。それから紡がれた相手の言葉にこくりと頷いては、当たり前のように微笑みを零し「…はは、そんなの今更さ。僕は何があっても伽羅ちゃんの傍にいるよ。何が起きても君の事を信じているよ」と片手で彼の頬を一度撫でれば、数秒瞳を閉じて再び開き柔らかくも信念の籠った声色で「_勿論、僕は僕の全てを君にあげたんだ。伽羅ちゃんとの心中を断るはずが無いさ。だからもし駄目だった時は、黄泉の国まで付き添うよ。それに、君と一緒に死 ねるなら本望だ」と愛おしい相手を見つめれば同じく緩やかな笑みを浮かべていき)


(/此方こそトピ主様と好みが合っていて良かったと思ってます!毎回ロル書くの楽しいです…!/・いえいえ、ハピエンになる事は分かっていますので大丈夫です!心中台詞が美味しかったので、入れて頂いてありがとうございます!あっ、むしろ光忠の依存心満載の台詞は大丈夫でしたか…?)

  • No.452 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-09 01:12:43 

(自分は神として失格だ。慈しみ守るべき人間に対して死を望むだなんてどうかしている。だが、それでも構わない。光忠が自分の望みを全て受け入れてくれたことが何より嬉しくて、心の底から幸せだ。願わくば、光忠も自分と同じだけの幸せを感じていて欲しい。「ありがとう。愛してる、光忠」と告げてから、顔を近付けて数秒間だけの口付けを落とす。これが最初で最後になるかもしれないな、と内心で考えながらそっと唇を離し、片手を光忠の手に絡めて離れないよう強く握りしめる。ごう、と勢いを増した刀身の炎へ視線を移し、ゆっくりと刃を持ち上げては切っ先を瀕死の邪神へと向け「残念だったな、アンタの勝ちはもう無くなった」と堂々と言い放つ。刃がどこに向けられているのかに気付いたのか、それとも自分達の思惑を察したのか、明らかに動揺した様子で『よ、よせ!貴様ら、やめろおおおおおおお!!!』という叫び声と共に邪神の身体から新たな触肢が伸びて襲いかかってくるも、刀身に宿った炎がまるで生き物のように動いて触肢を焼き尽くす。「これで、本当に最後だ」と呟き刀を空に向けて構えると、刀身を覆っていた炎が上咆哮へ伸びていき、炎で出来た巨大な刃へと変貌を遂げる。それを一切の躊躇なく赤い宝石が見えた箇所へと振り下ろすと、炎の刃が邪神の身体を斬り裂き、傷口から一気に炎が燃え広がった。バキン、という金属が砕けるような音が聞こえると、悲鳴とも奇声ともつかないおぞましく大きな叫び声が響き渡り、思わず目を細める。炎に焼かれた邪神の身体がごぽごぽと音と立てて少しずつ崩れていき、やがて灰となって散っていく頃には、自分の身体にまとわりついていた触肢も崩れ去っていた。どうやら奴は完全に死に絶えたようで、懐の黒い羽根も何の反応もしない。これで、本当に終わった。光忠が見つけた選択は正しかった。…自分はまだ、生きていられる。それを実感した瞬間、ふらりと身体が傾いて隣にいる光忠に寄り掛かってしまう。もう何もかもが限界だった。よくもまあここまで耐えていられたと思う。「みつただ…つかれた、ねむい…」と殆ど力の入っていない声で呟いて)


(/トピ主としてとっても嬉しいお言葉をくださってありがとうございます…!依存しまくりな台詞は望む所です!むしろそれが聞きたくて心中発言したようなものですので!そうそう、次かその次辺りで倶利伽羅が消滅しない布石を打つ為に鶴丸さんが長谷部さんと話をしようとするので、適当に話を合わせてくださると助かります。完全なハッピーエンドに繋げる為にそれっぽいことを喋るだけですので!)

  • No.453 by 長船光忠  2016-10-09 10:59:34 

(死の覚悟なんてとっくに出来ていた、むしろそれよりも怖いのは相手がこの世界から居なくなってしまう事で。だから、死に対しての恐怖は一切無い。例え黄泉路でも彼と共に居られるならこの上ない幸せだ。それが周りから見れば間違えだとしても、自分にとっては正しい事だと思っている。相手が死んだ世界で生きていくなど、自分には死よりも耐え切れない事なのだから。ゆらゆらと揺らめく命の炎にも似た紅蓮の炎を一瞥した後、再び蜂蜜色に輝く彼の瞳を見る。その竜の双眸は力強くも慈悲深さがあり惹き込まれてしまいそうだと思っていれば、相手から告げられた言葉に顔を綻ばせて微笑んで同じく愛おしさを籠めた言葉を返そうとしたところで、不意に口元へと感じた柔い感触に目を瞬かせてしまう。離れた際にようやく口付けをされたのだと自覚出来れば、同時に火が点いたかの様に頰が熱くなるものの手を固く握り返し「…僕も。_僕も、一等愛しているよ、伽羅ちゃん」と柔く目を細めて微笑み返す。これが最後にならないで欲しいと願いながらも、覚悟を決めて真っ直ぐに敵を見据えていく。轟々と燃え盛る炎の気配を感じつつも、この火は決して人を傷付けるものではなく人を守るものだと思っては、反対の手で額に滲む汗を拭い繋がっている手の体温へと意識を向けて呼吸を落ち着かせる。彼の切っ先が敵方に向き確信を帯びた堂々たる言葉が発させると、刹那、断末魔の如く邪神の錯乱した叫び声が聞こえ悪足掻きをされるものの、それもこの力強い炎の前では無意味にも等しく焼き尽くされた触肢は灰となり霧散する。そうして、相手の宣言と共に掲げられた炎の刃が躊躇無く赤い宝石を斬り裂き、ガラス片の如く跡形も無く砕け散っていく。すると、邪神は長く重い悲鳴を発しては原型を保てなくなったのか泥の様に溶けた後、やがてその体躯はさらさらと灰になって宙へと消えていく。程無くして真っ黒く分厚い雲に覆われていた空が晴れていき、一筋の太陽の光が広場に射し込んで来る。邪神を討ち滅ぼせた事を実感すれば、あの赤い宝石が弱点で間違いなかったんだと徐々に胸内へと安堵が広がり、まだ彼と一緒に生きていられるんだとその嬉しさに幸せと共に涙が込み上げそうになる。ふと、肩横に触れた一人分の重さに首を動かし愛おしい相手が目に映ると「…お疲れ様、伽羅ちゃん。寝ても良いんだよ、僕が起こしてあげるから…」と体勢を変えれば力を消費した為にフラつく彼の体を受け止めて、消え入りそうな声に優しく言葉を返しては一度だけその髪を撫でていき)


(/それなら良かったです!さり気なくこの二人無自覚共依存で美味しいです…!/・ふむふむ、でしたら次は長谷部に代わりますね。それにしても、そろそろ第一章?完で、新章突入ですねー。新章ではようやく鶯丸が出て来ます!)

  • No.454 by 大倶利伽羅廣光/五条鶴丸国永  2016-10-09 13:00:07 

【大倶利伽羅廣光】

(殆ど薄れた意識の中で相手の優しい声を聞き、目を覚ました時に最初に聞けるのもこの声なのだと思うと幸福感が滲み出てくる。もうここには光忠を傷付けようとする存在はいない、国永や貞がいるから後を任せることも出来る、このまま意識を手放してしまっても構わないだろう。一人だけ離脱して皆に任せきりにしてしまうのが気がかりだったが、今までのことを考えれば起きていようと抗った所で無駄に終わることは分かっている。「わかった…」と、最低限の言葉で光忠に返事をしてから、そのまま目を閉じて)

【五条鶴丸国永】

(神は基本的に不死だが、この時ばかりは無いはずの寿命が縮まる思いをした。もしも光坊がここにいなかったらと思うと今でも肝が冷える。絶体絶命の状態だったとはいえ、迷わず自分の命を絶とうとした竜神に向けて長い説教の一つでもかましてやりたい所だったが、光坊に身を預けて穏やかに眠る姿を見てはその気も失せてしまった。結局、自分はなんだかんだ言って倶利坊に甘いんだよなぁと苦笑をこぼしてしまいつつ、こっちはこっちで話を進めようと視線を向けた先にいるのは、宣教師だった長谷部国重。拘束の解けた身体が動くかどうかを軽く確認してから彼の方へ歩み寄り「ちょっといいか?状況が二転三転して思考が追いついていないかもしれんが、俺から君に頼み事があるんだ」と、いつもの明るい笑顔を浮かべながらそう声をかけて)


(/はい、よろしくお願いします!そうですね、ここで一区切りって感じですねー。おお、ついに鶯丸登場なのですか!自分で忘れないようちょくちょく名前を出して待っていた甲斐がありました!楽しみにしてますー!)

  • No.455 by 長船光忠/長谷部国重  2016-10-09 13:51:12 

【長船光忠】

(眠たげな声と緩慢な動作で閉じられた瞳を確認すれば「…うん、おやすみなさい」と撫でていた髪から手を離してゆっくりと眠りに着いた彼を和らかな表情で眺める。不思議と、もう起きないのではと言った不安は無く焦りも無い。それはきっと、相手が安らかな顔で眠っているからだろうと笑みを零してはそう思っていく。曇天の合間から見える暖かな太陽を見上げた後、それからそっと彼を起こさない様にその体を受け止めていって、もし移動が必要になったらいつでも抱き上げる事が出来るようにしていき)


【長谷部国重】

(言いたい事、聞きたい事は山程あったが兎にも角にも今度こそあの邪神は滅んだようだと、いつの間にか全てが白紙になった教典を確認してはそう思っていく。拘束されていた神々も無事だった様子を見ては安堵の息を零し、一目散に飛び出して行った黒髪の青年の無事も分かれば、死人が出ていない事にほっと胸を撫で下ろす。それにしても、遠目から見ていたのと他の神の拘束を解こうとしていた事もあって、あまりよく竜神達二人の遣り取りを見てはいなかったが、やけに親しげではないかと少し不思議そうに首を傾げ掛けていれば『_長谷部』と行光に声を掛けられ思考の海から現実へと引き戻される。「どうした?」と言うと、指をある方向に向けたのでその指先を辿れば白鶴の神…幸福の神が居り、こちらが操られていた時の接した方とはまた違って明るく人当たりが良さげに話し掛けて来た。これが相手の本来の性格なのだろうと考えつつも、先程は状況が状況だったので神に対して無礼な事ばかりをしてしまったが、落ち着きを取り戻した今は姿勢と言葉を正して「…頼み事?何でしょうか?今回の事で貴方達には恩がある為、俺が出来る事ならば何でも致しますよ」と本心からそう言っては返答を待ち)


(/因みにですがこの一件からある程度時間が経って、長らく遠征していた鶯丸がやっと帰って来た所で新章の話が始まるかなーと、ざっくり考えています。ただせっかくですので直ぐにシリアスだったり戦闘にいかないで、少し日常とか恋愛事を増やしていきたいとも思っていますが、トピ主様の意見もお伺い出来ればと思います)

  • No.456 by 五条鶴丸国永  2016-10-09 16:40:40 

(改めて聞いた長谷部の口調や雰囲気は日記で垣間見たそれと全く同じで、目まぐるしく様々な事が起こったにも関わらず、神である自分への敬意を感じ取れた。こんなに真面目そうな彼をあそこまで真逆の性格へ変えていた邪神に対して新たに怒りを覚えるのと同時に、自分の思惑とは別にして助けることが出来て良かったと心からそう思う。「回りくどい言い方は好きじゃないから直球で言わせて貰うぜ。あそこで寝ている倶利坊…竜神なんだが、あの子はそう遠くない内に死ぬ運命にある。それを阻止する為に力を貸して欲しい」と、無駄な前置きは省略して率直に自分の頼み事を伝える。「神は不死の存在だが、完全じゃない。人間に信仰をされて初めて存在することが出来る。元々あの子は小さな村を守る神だったんだが、ある事情でその村の信仰だけでは足りなくなってしまったんだ」とこちらの事情を簡単に説明しつつ、浮かべていた笑みを消して僅かに憂いを秘めた表情を浮かべては「『神は人の心に干渉してはならない』。本来ならこの頼み事だって許されない願いだ。けど、俺はあの子に幸せになって欲しい。その為ならどんなこともしてやりたい」と、言い終わるやいなや相手に向けて頭を下げる。「竜神を至上として敬えとまでは言わない。ただ、知って欲しいんだ。あの子がどんなに優しい神なのかを大勢の人が知ってくれるだけでいい。それだけでも竜神への信仰になり得るから…頼む、あの子を助けてくれ…!」と、最後には懇願するように声を震わせて)


(/ふむふむ、確かにずっとシリアスやら戦闘やらが続いたら疲れちゃいそうですし、そういう部分も大切だと思うのでそれで良いと思います。具体的に何をするのかはこれからお互いに話し合って決めていきましょう!といっても、私はこれまで通りそちらの提案に細々とした設定や展開を付けることしか出来ないので、今後も変わりなく頼りにさせて頂きますね…。)

  • No.457 by 長谷部国重  2016-10-09 18:41:17 

(そうして、幸福の神から語られたのは竜神が死ぬ運命にあると言う事で。そうなってしまった原因は、申し訳無い事に自身が一部加担をしてしまっており、それゆえ何とも言えない表情を浮かべる。幾ら己の意志が無い状態だったとしても、邪神の眷属を村に送り込み、宣教師として自身の主たる邪神を崇めさせる為、村人の竜神への信仰を失墜させてしまったのは事実だ。恐らく目の前の白鶴の神はその事を知らないのだろう。そう思っては胸内に罪悪感を覚え、密かに固く拳を握り締める。しかし起こしてしまった事は変えられない、零れた水は元には戻らない。だからこそ、今自身がやるべき事は罪悪感に囚われる事ではなく頼まれた通り竜神を助ける事だ。頭を下げた幸福の神を見ては「…顔を上げて下さい。元はと言えば、俺が宣教師としてあの村での竜神の信仰を奪ってしまったが原因です。心ならずもご無礼をお許し下さい」と逆に自らが頭を下げていく。それから一拍置いて顔を上げれば確りと相手の双眸を見て、自身の本心を述べようと口を開き「…俺は、善い神であれば例え名の知らぬ神でも人々へと伝えていきます。それが俺の信条です。_ですから、安心して下さい。あの竜神は、思慮深く慈悲深い…こうして敵であった俺の事も救ってくれました。…むしろ人々に言い伝えない理由がありません」と罪悪感からではなく本当に心の底から広めていきたいと思っている事を告げ、片手を己の胸に充てては「…幸福の神よ。その任、この長谷部国重が拝命致しました。必ずや優しき竜の神を人々にお伝えしていきましょう」と微笑んだ後ゆるやかに一礼をしていき)


(/そうですね、ありがとうございます!いえいえ、本当に申し訳ないぐらいにこちらの発想など微々たるもので矛盾だらけで、むしろ色々と辻褄を合わせて下さったり展開を足して下さり感謝の言葉しか出ません!)

  • No.458 by 五条鶴丸国永  2016-10-09 19:54:22 

(祈るような気持ちというのはこのことを指すのだろう。本来は人が神に救いや願いを求める時に使われる言葉を、神である自分が使ってしまうのは酷く滑稽に思える。だが、どんなに滑稽であろうと、禁忌を破りかねない行為を…人に願いを伝えたことを、後悔する気は全く無かった。だからこそ、相手から謝罪を耳にした時は驚いて勢い良く顔を上げてしまった。そして、その後に続けて彼が口にした真摯たる言葉と真っ直ぐな藤色の瞳を目にして、その意味をゆっくりと理解した後、ぽろりと何かが頬を伝って落ちる。それが涙であることに数秒かけて気が付き、それが悲しみや苦しみではなく、嬉しさから溢れていることを理解しては、涙をこぼしたまま安心しきった笑顔を浮かべて「は、ははっ…良かった…!ありがとう、本当にっ…ありがとう…!」と伝えきれない感謝を拙い単語でなんとか口にしてく。ああ、これで本当に安心出来る。彼ならば必ず自分の願いを叶え、あの子を救ってくれる。ようやく肩の荷が下りたような感覚を感じながら、何百年振りに流した涙をさっと拭い取り「さて!これで俺達の目的は全て達成されたわけだ!せっかくだからこのまま親睦を深めたい…と言いたい所なんだが、肝心の竜神様が眠りこけてしまってるからな、またの機会にということで俺達は帰るとしよう。邪神の影響下から逃れた人々が落ち着くまで今日一日は騒がしいだろうが、そちらはそちらで頑張ってくれ」と、さっきまでの泣き顔が嘘のように明るい笑顔を振りまきつつそう告げ、隣の貞の肩を軽く叩いては倶利坊と光坊の元へ向かう。「光坊、そろそろ帰るぞ。ここでやり残したことはもう無いか?」と帰る旨を伝えつつ他にやることがあるかどうかを問いかけて)


(/そちらの発想があってこその展開作りなので、こちらこそ感謝してもしきれないです…!さてさて、このまま何事も無ければこのまま第一章(?)を終了して新章突入か、幕間みたいな感じで日常や恋愛絡みのイベントを起こす感じでしょうか?これまで出て来たサブキャラ達をちょいちょい出すのも楽しそうですよね!)

  • No.459 by 長谷部国重/長船光忠  2016-10-09 20:31:18 

【長谷部国重】

(目の前で一筋の涙を流しては、人に対して感謝の言葉を述べる白鶴の神に目を瞬かせるものの、それ程までにあの竜神の存在を大切に思っていた事が伺える。今まで神と言う存在は崇高な存在で人ならざる者だと思っていたが、そう言う認識は変えなければなと仲間の為に涙を流す幸福の神を微笑ましく見遣る。「…どう致しまして。改めて、僭越ながら宣教師として竜の神を広めさせて頂きますね」と再び一礼をすれば表情を正していく。そうして、別れを告げられると「確かに、あの邪神の影響は大きかったので鎮静化するのには骨が折れそうですね。ええ、御心配なさらずとも人の問題は人で片付けてみせましょう」と力強く頷いては、行光に相手方を見送ってから帰る事を伝えていこうとし)


【長船光忠】

(眠りに着く伽羅ちゃんの体を支えたまま、鶴さんと長谷部くんの会話を遠目から事の成り行きを見守っていく。上手く聞き取れないが、恐らく彼の信仰に関する事なのかなと思いながらも待っていれば、唐突に声を掛けられたので慌てて口を開き「あっ、いえ。大丈夫です」と答えていく。長谷部くんの日記は先程戻る際に不動くんに返したし、と考えつつも寝ている伽羅ちゃんを抱き上げては待っている鶴さんと貞ちゃんの方へと走って行って、どうやら見送ってくれるらしい長谷部くんと不動くんに「それじゃあ、またね」とひらひらと小さく手を振っては神域に帰ろうと待ち)


(/新章突入して、鶯丸が来るまでに幕間をやる感じでも大丈夫ですよー。今まで…ですと薬研とか青江とか次郎ちゃんとかですかね?後は、新章に繋がるキャラも出せたらなーと。個人的には、月読命の三日月だったり天下人の一護一振だったりとか出したいなーとか思っていますが、まだ中身がどんなものにするとかは決めておらず…。ベタに物見遊山とかも良いですが、何かファンタジーにおけるクエストみたいな感じで簡単なお遣い程度の任務でも貰いますか?あっ、そうすると日常とか恋愛イベにならないですかね…?)

  • No.460 by 五条鶴丸国永  2016-10-09 21:25:23 

(最初にここへ訪れた時と同じように意識を集中させ、都と竜神の神域を線で繋ぎ、その入口を形成する。自分達を見送ろうとしているらしい二人の方へ顔を向けては、光坊の言葉に続けるようにして「今度来た時は都の案内を頼むぜ!」とまたここへ来ることを約束し、自分が作り上げた入り口へと足を踏み入れる。一瞬で景色が揺らいで変わり、あっという間に視界に広がるのはすっかり見慣れた竜神の神域の象徴たる立派な中庭。自分達の帰りを待っていたのか、妙にそわそわとした動きを見せていた眷属達がこちらに気付くなり一斉に集まってきては、光坊に抱えられた倶利坊を見て衝撃を受けたかのように大きく震え出し、パニック状態になって辺りを滅茶苦茶に飛び回り始めたのを見かねて「待て待て!落ち着け君達!倶利坊は寝てるだけだ!」と宥めようとするも、相当慌てているのかなかなか収まりそうにない。「こりゃ駄目だな…。光坊、先に部屋に行って倶利坊を横にしてやってくれないか?ここは俺と貞坊でなんとか落ち着かせるから、君もそのまま休んでくれて構わないぞ」と、このまま屋敷の方へ行くよう促して)


(/新章突入からの幕間イベントの方がなんとなく綺麗に纏まってる感じがするので、そんな感じで行きましょう!サブキャラは大体そのメンバーだと思います。その後どうしてるのか~みたいな後日談チックにするか、そのキャラに関わるサブイベを起こしてみるのも面白いかもしれないです。おお、三日月さんにいち兄も出るのですか…!もちろん出演は大歓迎です!そうですね、RPGによくありそうな感じならやっちゃっても大丈夫だと思います。工夫次第で日常や恋愛系になりそうですし、もしならなくても楽しそうなので私は一向に構いませんよー!)

  • No.461 by 長船光忠  2016-10-09 21:54:10 

(神域へと帰って来れば、朝に見送ってくれた光の眷属くん達が見えて嗚呼…帰って来れたんだと、無意識で安堵の息を零す。その気の緩みか、少し力が抜けそうになったのでずり落ちてしまわないよう伽羅ちゃんをぎゅっと抱き締めて抱え直していれば、何だかいつの間にか慌てふためいている眷属くん達が視界に入って来て、まるでビー玉同士が弾け飛んだみたいだと思っていると鶴さんと『伽羅は死んでねーって!あーもー落ち着け!』と貞ちゃんが懸命に止めようとしていた。しかし、混乱している為か一向に収まる気配は無い。どうしようと悩んでいれば、鶴さんにこちらは先に休む事を促されて「_えっ、あ、良いんですか?…済みません、ありがとうございます」と一人先に休息を取る事に躊躇いはしたものの、腕の中の伽羅ちゃんを早く布団の上で休ませてあげたかったので素直にお言葉に甘えて、パニックになっている眷属くん達へと「…ごめんね」と一度謝っては縁側に上がって寝室に向かう。そこで押入れから布団を敷けば、ゆっくりと丁寧に伽羅ちゃんを寝かせていく。何だか寝室に入ったせいか自身もうつらうつらとして来たので、そのまま横になってしまって)


(/了解しました!なら新章時は数ヶ月飛ばしましょうか、それと一章エピローグはその時に少し挟めば上手く新章に入れそうですしね。/・そのキャラに関わるサブイベを起こしてみるのが、一番手っ取り早いかもしれません。それをクエストに組み込んでも良いかもしれませんね。/・もしかしたら、一期は話の都合上出て来ない可能性もありますがご了承下さい…!/・ありがとうございます!ならクエスト形式やらせて頂きますね!問題は依頼を誰が渡してくるかなんですが…、三日月本人か三日月の飛ばした鳩でも良いですかね?何かここ最近、妖怪やら神のせいで人間が困っているから各地の土地神が問題解決してくれなどで。それか、空白の数ヶ月間に行われた神無月の神様集会(現実で言う出雲大社)で、クエストをやるのが既に決定事項とされているなど…/・あっあと済みません、新章幕間はほのぼの中心だと思いますので、上のロルもしくは少し短めぐらいの長さでやっていっても大丈夫でしょうか?)

  • No.462 by 五条鶴丸国永  2016-10-09 22:34:00 

(神域を出てから都で起きた出来事を貞坊と二人がかりで説明し、ようやく彼らが落ち着きを取り戻す頃にはすっかり日が落ちていた。邪神との戦いより眷属達の説得の方が疲れるなんて思わなかったな、と思わず苦笑をこぼしてしまう。部屋の方の様子を伺うと、横になって眠る倶利坊と光坊の姿があり、二人共相当疲れたのだろうなと微笑ましく見つめる。と、そこでふと気が付いたことがあり、隣の貞坊へと向き直っては「そうだ、貞坊はまだ知らなかったよな?二人が恋仲になってること」と、なんだかんだでまだ伝えていなかったことを唐突に口に出す。本人達ではなく自分がそのことを伝えるのはいささか手順が違うような気もするが、竜神にとっては身内同然である鳥の神にはちゃんと伝えた方が良いだろうと判断しての発言だ。「詳しい経緯は省略するが、神と人という前代未聞で驚きの恋仲だ。俺は末永く彼らの幸福を見守るつもりだが、貞坊はどうだ?」と、相手からどんな返答がされるかを分かっていながら敢えてそんな問いかけをしつつ笑みを浮かべて)


(/分かりました、ではそういう方針で行きましょう!成る程、クエストに組み込むのもアリですね。なんだかゲームのルート選択のようでわくわくします!私の方からも新しいキャラが出せたらいいな…。いち兄の件了承しました、いつか会えたらいいなぁぐらいの感覚で楽しみにしてますね。三日月さんからのクエストの件もそれで大丈夫だと思います、個人的には三日月さんが見たいですが、位の高い神様だと考えると鳩が来る方がしっくり来そうですよね…。ロルの件も了解しました、やりやすい方でやってください!)

  • No.463 by 太鼓鐘貞宗  2016-10-09 23:01:08 

(活きが良いと言うか何と言うか、縦横無尽にパニックで飛び跳ねる伽羅の眷属達を片っ端から捕まえては、どーどーとまるで馬を落ち着かせる様に宥めていく。そこまでしたところで、ようやく話を聞く気になった光の精へと簡単に都での事と疲れて寝ている事を伝えていけば、やがてこの中庭での騒動と混乱も治まっていく。その頃には夕日もとっぷりと落ちており、辺りは暗く静寂さを増すような雰囲気となっていた。そこから鶴と一緒に、先に休んでいる伽羅とみっちゃんの様子を伺おうとして部屋へと向かえば、目に見えたのは仲良く眠る二人の姿。仲睦まじくて何よりだと思っていると、唐突にサラリと言われた鶴の言葉にきょとんとしては「ええ!?俺今初めて知ったんだけど、いやでも仲良かったしな…!」と動揺しつつも何とか自身の中で折り合いを付けていく。驚いたりはしたが、しかし大切な者が出来るなんてめでたい事だ。ひしひしと昔からの友人の幸せを感じていれば、聞こえて来た問い掛けに「そんなのは勿論、勇敢の神として、互いに恐れず踏み切った二人の勇気と恋情の強さに盛大な祝福と拍手を送るぜ!それから友人として、末長く二人の幸せを願っていくさ」とニッと快活な笑みを浮かべては、心の底から嬉しそうに返事をしていき)


(/わくわくして頂いてありがとうございます!そうですね、新キャラは出したい時に出してしまって構いませんよ!互いに楽しめるのが一番ですから。/・気紛れお爺ちゃんなので本人自ら来ると言うことも出来ますよ!初回はそうしましょうか?/・ありがとうございますー、このロルですとまだ早く書けますので沢山やり取りが出来るはずです…!)

  • No.464 by 五条鶴丸国永  2016-10-09 23:42:43 

(予想通りの返答に気を良くして「それでこそ竜神の友だ!」と楽しそうに告げながら貞坊の頭をわしゃわしゃと撫で回す。自分が知る限りのことを思い返すだけでも色んなことがあって、二人はようやく幸福のスタート地点に立つことが出来た。そこからどのような道を選び、どのような幸せを得るのかは二人次第。せめて不幸が待つ奈落へと落ちることが無いよう、自分と貞坊で手助けをしていこうと心に決める。さて、二人はもう今日中に起きることが無いだろうから、明日になるまでどうしようかと思考を巡らせた時、ふと思い出したことに頭を抱える。「あー…そういえば、もうそろそろ神無月か…今回の事、報告しなきゃまずいよなぁ…」と、露骨に重苦しいため息を吐いては肩を落とす。神無月…世に言う『神様がいなくなる月』。その時期は各地の神が一箇所に集まり、これまで起きた事を互いに報告しあう集会がある。自分はもちろん、土地神である貞坊、そして倶利坊も出席する義務がある。…のだが、正直に言って心底面倒くさい。各地の神が集まるということは、それだけ色んな性格や個性を持った者達が一堂に会するということで、柔軟性が無く頭が固い古参の神達に今回の事をあれこれ言われてしまうことは火を見るより明らかだ。「今の状態の倶利坊を参加させるわけにはいかないな…。上手い言い訳を考えておくか」と、早くも疲れ切った表情で頭を掻いて)


(/ではお言葉に甘えて、それっぽいタイミングが来たら出してみようかと思います!おお、でしたらぜひぜひ三日月さんに来て頂きたいです!個人的にもすごく好きな方なので…。あ、私の方は相変わらずロルの長さが安定しませんが、気にしないでくださいね…!)

  • No.465 by 太鼓鐘貞宗  2016-10-10 00:09:13 

(わしゃわしゃと頭を撫でれれば、こちらも笑顔のまま「それは鶴もだろ!」と上機嫌にパシパシと背中を叩いていく。勿論、寝ている伽羅とみっちゃんを起こさない程の音量でだ。これで起こしてしまったら悪いどころの話じゃない。今日の二人は特に頑張ったのだ、出来るなら誉とか花丸をあげたい程にだ。うんうんと一人腕を組んで納得していれば、唐突に何だか頭を抱え出す鶴に首を傾げる。一体全体どうしたんだと問い掛けようとしたところで、“神無月”との言葉が出れば「っ、あー…!そっか、そろそろ十月で神無月かよ」と同じく頭を抱え出す。一言で言えば、神無月で各地から集められた神が行う神在月の集会は凄く面倒臭い。しかし土地神は人間との距離が近い分、神からすれば特段位が高い訳でも無いので強制参加は決まっており、参加を拒否する事など滅多に出来ない。だから伽羅の事を見ては鶴と同じく何か上手い言い訳をするしかないと思っては、一つ溜め息を吐く。それから「…鶴、こうなったら伽羅が参加出来ない理由を夜通しで考えるしかねーな」と何処か腹を括ってそう話していき)


(/はーい、宜しくお願いします!/・私も三日月は個人的に好きです!あっ、伽羅ちゃんと光忠が恋仲と言う事は知らない方が良いですよね?/・大丈夫ですよー、こちらの方がきっとロルの長さが安定していないと思うので…!)

  • No.466 by 五条鶴丸国永  2016-10-10 00:54:57 

(自分と同じく頭を抱えては面倒くさいと明らかに表情に出しているものの、二人で協力してなんとか乗り越えようという相手からの提案にこちらも力強く頷いて「話が分かる奴や俺達の知り合いも何人かいることだし、彼らに援護を頼むのも手だな。ああ、まずい、今から頭が痛くなってきたぞ…」と、自分達が考えた理由にあれやそれやと嫌味たっぷりにケチを付けてくる頑固な神達の様子を想像しては、眉間にしわを寄せる。「…最悪、三日月が味方してくれればゴリ押しでいけそうなんだが…それはそれであの頑固者達の反感を買うだろうなぁ」と、気まぐれでマイペースなとある神の名前を呟いては、また別の意味でため息を吐く。「倶利坊と光坊が起きるまでに、良い理由が考えつくことを祈るか…」と半ば諦めの境地になりながら、真白の満月が輝く夜空を見上げて)


(/そうですね、鶴丸さんも貞ちゃんも集会では絶対言わないでしょうし、三日月さんは知らない方向でお願いします。勘が鋭い方だったら気付いちゃうかもですが…。そう言ってもらえて良かったです、ロルが安定しないのはお互い様ということにしておきましょう…!)

  • No.467 by 太鼓鐘貞宗  2016-10-10 01:29:24 

(援護と言う言葉を聞けば、味方になってくれそうな神は縁のある鶯丸や同じ宗派の“貞宗”の者達だが、どうにもみんな一癖も二癖もある性格な為に味方になってくれたとしても若干心許ない。横で頭が痛いと述べる鶴を一瞥しては「一番良いのは格の有る三条に頼む事だけどなぁ…。それはそれで、鶴の言う通りアイツらの反感を買うか」と変化を疎んじ古い思想に捕らわれ脳味噌が凝り固まった一部の神々を思い出しては、嫌悪を隠す事なく思いっきり眉を顰める。形式ばかりを重んじて融通の利かない奴らは本当に最悪だ。しかし、説得しようにも聞き耳すら持っていないのだから今更アレコレ言ってもどうしようもない。もう一度、静かに重たい溜め息を吐いては「そうだなぁ…」と鶴の言動につられる様にして、厭に丸い満月を見上げていき)


(/了解しましたー、三日月は知らない方向でいきますね。気付いていないフリをするのも面白そうですが/・そうですね、そうしましょう…!/・あっ、さり気無く刀派をここでは宗派とさせて頂いています。三条と五条は繋がりがあるので、三条の三日月は五条の鶴の事を同じ三条並みに可愛がっています。この裏設定がアレでしたら遠慮無く言って下さい…!/・あっ、そろそろ時間スキップして新章に入りますか?)

  • No.468 by 五条鶴丸国永  2016-10-10 21:11:35 

(三日月に頼るという選択を自分で否定したのは、貞坊が同意した通り反感を買ってしまう可能性があるからだが、実はそれ以外の理由もある。自分が今より幼く、力も知識も無かった大昔の時、三日月にはかなり世話になった。幸福の神として信仰されているのも、多種多様な術を扱えるのも、人の娯楽と林檎の味を知れたのも、全て三日月のおかげだ。だから、一人で神の役目を果たせるようになった今は、彼に頼らずに生きようと決めている。それは反抗心や意地から来る物では無く、ただ成長した自分を見てもらいたいだけなのだ。さすがに恥ずかしいので、この事は貞坊や倶利坊、鶯や三日月本人にさえも口にした事は無いのだが。「…まあ、倶利坊に余計な飛び火が行くくらいなら反感を買う方がマシか」と呟き、今まで自分の中で保ってきた考えをあっさり曲げる決意をする。どんな理由を考えた所で難癖を付けられるのは分かっている、だったらあらゆる手段を使って黙らせてやろうじゃないか。「いつまでも頭の固い奴らにいい顔はさせられないからな!今回ばかりは徹底抗戦だ、やってやるぞ貞坊!」と拳を握って空に向けて突き上げながら声を張り上げて)


(/いえいえ、むしろ大歓迎です!早くもそれに便乗して小さい頃の鶴丸さんは三日月さんにお世話になってたという設定を勝手に生やしてしまってすみません…!そうですね、この辺で切り上げて時間を飛ばしちゃいましょうかー)

  • No.469 by 太鼓鐘貞宗  2016-10-10 21:31:30 

(突然だが、この国には八百万の神様がいるものの矢張り優劣やら段位やらは暗黙の内にあり、その中でも三条の地位はピカイチだ。何せこの国が生まれた頃から居る神様とされていて、彼らに一目置く神や崇める信者も多い。それゆえ、その三条の中でも特に力を持つ三日月と繋がりのある鶴に神在月での一件を頼んで欲しかったのだが、しかし頭の固い連中の事を考えれば鶴にまで批難の言葉が向けられてしまうので、そう強くは言えない。そんな事を考えていれば不意に隣の彼が呟いた事が聞こえ、少し首を傾げたが、その後に続いた言葉に目を瞬かせると「!?_徹底抗戦、か。嗚呼、やってやろうぜ鶴!」とうだうだ細かい事を考えるのは止めようと思い、同じく空に向けて拳を突き上げながら声を張り上げていき)


(/お気になさらず!設定は生えるものですから!ああ済みませんたぶん三日月は凄く鶴丸を可愛がると思うのでご容赦を…!/・ではでは丁度キリ良く切らせて頂きますね、次は光忠で一ヶ月後ぐらい経った時間軸で回させて頂きますね)

  • No.470 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-10 22:40:47 

(呪いの神を討ち滅ぼしてから、今日で丁度一ヶ月。あの後気絶するように眠ってから、次に目を覚ましたのは三日後の事だった。光忠の声が聞こえて目を開けた瞬間、眷属達に一斉に飛びかかられて視界が様々な色の光に埋め尽くされた時は何事かと思ったが、それだけ大切に思われていることを実感出来て良かったと思う。目を覚ました時にはすでに国永と貞はおらず、光忠から『神無月の集会に行ってくる、君は参加せずに大人しく休んでおけ』という国永の伝言を聞いて納得すると同時に、また面倒事を二人に任せてしまったと申し訳なく感じた。…それから今日に至るまで、一応は国永の伝言通り神域内から出ずに体を休めながら、毎日欠かさず刀の素振りと術の精度上げに勤しんでいる。それは、今この瞬間も。周りを漂う眷属達が見守る中、顕現させた刀の刀身へ炎を宿らせ、無心になって刃を振るう。白銀と紅蓮が入り混じった刀の軌道を目で追いながら、時には片手、時には両手と持ち替えつつ何度か刀を振り、何度めかの斬撃が空を切った後、ふう、と軽く息を吐き出しては刀を降ろして)


(/ありがとうございますー!あの鶴丸さんが三日月さんにめちゃくちゃ翻弄される姿が目に浮かぶようで今からすごく楽しみです!あ、この辺りでも丁度良いかなと思ったので、先に一ヶ月後という感じでやらせて貰ってます、フライングすみません!)

  • No.471 by 長船光忠  2016-10-10 22:59:41 

(村へと厄災を運んでいた邪神を倒してから、約一ヶ月後の事。鶴さんと貞ちゃんは何やら神様達が集まる神無月の集会がある為に別の土地へと移動していき、少し寂しさを覚えたものの眷属くん達と一緒に伽羅ちゃんが起きるのを待っていれば、三日後に起きてくれたのでそれはもうみんなで盛大に喜んでしまった。その後は鶴さんの伝言を伝えて、体調が悪化しない様に伽羅ちゃんには休んで貰っていた。そうしてこの神無月を越えた今に至り、自身はすっかり神域の屋敷に馴染む事が出来ていた。また如何やら村に届いた手紙によると、長谷部くんや不動くん達も都で頑張っている様だった。そんな事を振り返りつつ各部屋の掃除を終えた後、そろそろ日々の彼の鍛錬が終わる頃かなと壁掛け時計を見て思えば、タオルと水出し玉露をお盆に載せて鍛錬をしている場所へと足を運ぶ。扉を開けると見えた相手の圧倒的な剣捌きに格好良いと思いながらも、息をつくタイミングを見計らって「伽羅ちゃん、お疲れ様。タオルと飲み物を持って来たよ」と手渡そうとしていき)


(/鶴さんめっちゃ翻弄させたいです…!/・あっ、いえいえ。むしろ新章に切り替えて頂きありがとうございます!次かその次ぐらいで、この神域に三日月を出現させますね)

  • No.472 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-11 00:26:38 

(声を掛けられて向いた先には光忠が立っており、差し出されたそれらを一瞥しては「ああ、いつもすまない」と自分なりに労りと感謝を伝えながら、まずはタオルを手に取って流れる汗を拭う。鍛錬に一区切り付けた辺りで光忠が用意した差し入れを受け取るまでの流れがもはや日課のようなもので、良く言えば変わりの無い穏やかで平和な時間、悪く言えば何の変化も無い平凡な時間を過ごしている。自分は当然前者だと考えているし、光忠も波乱を求めるような性格では無いから前者の意見だろう。それでも鍛練を続けているのは、邪神の件のような事件がまた起こらないとは限らないからだ。守護する村を救えるだけの力を、何より愛しい存在を守れる程の力を常に保ち、神として研鑽を積まなければならない。タオルを光忠に返しつつ、今度は用意された飲み物を受け取って半分程飲んでから口を離し「…今日で神無月の終わりか」と、暗に一ヶ月が過ぎたということを告げては、参加出来なかった集会のことを考える。本来ならば当事者の自分が報告すべきだったのを国永と貞が請け負ってくれたが、どのように進み、どのように終わったのかが非常に気になる。二人が話しに来てくれるのを待つしかないかと思い直し、残った飲み物を飲み切ろうとした瞬間、何者かが神域に入って来たのを察知して動きを止める。「この気配は…まさか…?」と、あり得ないようで充分にあり得る気配の主を悟っては、若干動揺の混じった声色で呟いて)

(/了解しました!登場フラグをばっちり立てましたので、しっかり回収しちゃってください!)

  • No.473 by 長船光忠/三条三日月宗近  2016-10-11 08:21:21 

【長船光忠】

(タオルと飲み物を受け取って貰えば、一つ微笑んで周りで舞っている眷属くん達にも笑みを向けていく。一ヶ月前の事が嘘なぐらい平和だなぁと、穏やかな心を持ちつついると、不意に呟かれた言葉に「そうだね、もうすぐで霜月だ」と後何回か寝れば月が変わる事に同意を示していく。この神域には季節が無い為、人里が寒くなっても料理を温かい物に変えなくても良いのだが、気分的な問題で変えようかなと考えていると何やら動揺の声を発した相手に首を傾げる。「…気配?誰か来たのかい?…僕、見てくるよ」とこの神域に入って来るのは大方客人だったので警戒無く扉を開いて廊下に出ようとすれば、何やら奥から人並外れた雰囲気と容貌を持つ着物姿の男性が歩いて来ていたので、思わず緊張で固まり)


【三条三日月宗近】

(しゃんと鈴の鳴る音と共に藍色の狩衣をふわりと宙に舞わせれば神域内へと入って行き、緩慢な動作で中庭を見渡していく。草木や鯉も生命力が有り、力強さのある良い神域だと思ってはほんの少しだけ意識を集中させ、この場に居る存在の居場所を探る。やや西側の端の方に二つかと検討が付けば、そちらへとゆったりとした足取りで進み_その途中で前方から人影が見えて来れば進めていた歩みを止めていく。「竜の子と、おや?人の子か」と呟いた後、何やら固い表情の相手方に毒の無い笑みを零しては「はっはっは、そんなに構えずともよい。近う寄れ」とまるで子供を可愛がりたい老人の様に手招きをしていき)


(/はい!回収させて頂きました。あとは流れに身を任せますね!)

  • No.474 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-11 17:28:24 

(光忠に続いて出ようとした瞬間、肌を刺すような強い神気を感じて一瞬だけ体が硬直する。しかしすぐに持ち直して視線を動かした先に立っていた人物に、今度は驚愕のあまり動けなくなってしまう。神無月の集会で何度もその姿を見たことがある上に、国永と縁の深い存在でもあるから、気配を察知した時からすでに確信は持てていた。それでも呆然としてしまったのは、その人物が神々の中でも位の高い『三条』に属する存在であり、月の化身と名高く知られ信仰されている『月読命』であるからだ。こちらの様子に気付いてか、相手は朗らかな笑みを浮かべて手招きしているが、緊張を解けという方が無理な話だ、月の神に対等な態度を取れるのはそれこそ同じ三条の者か国永ぐらいしかいないだろう。しかし、自分が動揺したり過剰な緊張をしてしまえば、光忠がそれを敏感に感じ取ってしまう。一度深呼吸をしてから、その場からは一歩も動かずに片膝を付き頭を下げて「…三条三日月宗近殿、貴殿がこのような辺境の地へ来られたのには、何か理由がお有りと見受ける」と普段の口調から丁寧な口調へと切り替えつつ「神無月の集会を欠席した咎めならば受けよう。だが、貴殿が一介の神を処罰する為にわざわざ動くとは思えない。差し支えなければ、この場に訪れた理由を偽り無くお教え願いたい」と、敬意を払いつつも決して下手には出ない凛とした声でそう告げて)

  • No.475 by 長船光忠/三条三日月宗近  2016-10-11 18:29:19 

【長船光忠】

(人当たりの良さそうな和らげな声で、手招く姿が見えるものの何だか本能的に近付くのが畏れ多いと思ってしまい、逆に小さく礼をしてから後ろへと退がる。たぶん神域に入って来れたと言うことは神様なのだろうと考えつつ、月を連想させる服装や双眸から月の神様なのかと考える。流石に声を掛けることは出来ず、失礼の無いように口を噤んで待機をしていれば徐ろに伽羅ちゃんが至極真っ直ぐな言葉遣いで対応をしていった。とても位が高い神様だと言う事を薄々感じ取りつつ、神無月での集会の事が話題に出れば神様にとってアレは必ずしも行かなければならない事だったのかと思っては、緊張気味に三条三日月宗近と呼ばれた神様を見て返答を待ち)


【三条三日月宗近】

(警戒心を緩めて貰おうと話し掛けたのだが、何やら逆に緊張をさせてしまった様だと人の子を見ては内心で思う。それから丁寧な言葉で竜の子から返答をされると、矢張り三条の位のせいかと鶴の旧友だった為に距離を置かれて少ししゅんとなる。しかし、“咎め”やら“処罰”やらの言葉が聞こえて来れば首を傾げ「…はて?お主に落ち度など無いぞ。神無月の集会での件は俺が出席の代行をしたからな、文句を言う者など誰もおらんかったぞ」と裏も毒も無くサラリと言ってはにこにこと微笑んでいく。付け加えるように「嗚呼それと、礼を言うのなら鶴に言うとよい。俺は可愛い鶴の頼みを受けてから、動いただけなのでな」と弟もしくは我が子の様に目を掛けている幸福の神の名を上げては、再び棘の無い声色で緩やかな笑みを浮かべいく。実のところ心中では今日はせっかく此処まで足を運んだのだから、帰りは鶴の神域に寄り道しようとまで思っている程に目を掛けている。ふと、ついつい話が脱線していたことに気が付けば「それで、理由だったか?なに、簡単な事だ。俺がお主の出席の代行をした故その集会の内容を伝えに来ただけだ。詳細はこの手紙にしたためている。受け取るとよい」と、最近各地で不吉な事が起きているのでその問題を解決するため土地神には依頼を遂行し人や妖、果てには神絡みの問題解決を図る仕組みが出来たと言う内容の手紙を渡していき、再度口を開いて「まあ、後は鶴が親しくしている友人と話してみたくてな。要は爺の気紛れだ」と何処か子供の様な無邪気さを持って本心を述べていき)

  • No.476 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-11 19:23:35 

(拍子抜け、という言葉は今の状況こそ相応しいと思う。国永や貞が上手く立ち回ってくれたにしても、何らかの罰を受けるとばかり思っていた。だからこそ月の神が告げた言葉には驚いたし、思っていたよりずっと友好的…というか、むしろ警戒心が無さ過ぎる相手にどう対応していいものか分からなくなってしまった。自分が国永の知り合いだからかとも思ったが、その程度の繋がりでここまで無防備になれるものなのだろうか。それとも、国永の知り合いならば信頼に値すると無条件で思うほどに国永を信じているのか。『三条やら月読命やらと大層な称号ばかり目につくが、実際はただの好奇心旺盛で構いたがりな爺さんなんだ』と、国永が苦笑しながら話していたのを思い出し、一度目を閉じて思案してから、再び目を開いて立ち上がり、差し出された手紙を受け取り、その場で封を切って一通り目を通す。「成る程、大体は把握した。…国永の言う通り、アンタには気を使うだけ無駄だったみたいだな」と、自然といつもの口調に戻っては「代行をしてくれたこと、改めて礼を言わせて貰う。それと、無礼を承知で言わせて貰うが、アンタがわざわざ出向くことは無かったんじゃないか?手紙なら眷属を飛ばせば済むし、話がしたいならそちらから呼び出せばいいだろう」と、あまりに気軽な月の神の様子に若干心配になりつつそう問いかけてみて)

  • No.477 by 長船光忠/三条三日月宗近  2016-10-11 20:24:45 

【長船光忠】

(妙な緊張感のまま二人の遣り取りを見ていたが、如何やら見た目や雰囲気とは違って三日月さんと言う神様は意外とお茶目なようだ。加えて、鶴さんの名前が何回か出ている為に、彼とは親しいんだろうなぁと推測も出来る。そうして三日月さんから伽羅ちゃんが手紙を渡されれば、中身は気になったもののきっと悪い内容では無いはずと独り勝手に思っていく。それから、いつもの話し口調に戻った彼の言葉を聞きつつも確かにそうだなぁと感じては、対面の神様の様子を伺い)


【三条三日月宗近】

(何やら少々ぽかんとしている双方に、着物袖で口元を隠してはくすりと笑みを零していって手紙を最後まで読み切ったのを見届ける。すると、自然体と思われる話し口調になった為にそれを嬉しく思っては、三日月の浮かんだ双眸を細めていく。いつもの調子で「はっはっは。うむ、気は使わずともよい。その方が此方も話し易いからな」と軽快に笑うと、至極友好的な言葉を返していく。不意に、こうしてこの場へと足を運んだ事に関して言及をされると「俺がお主と話したいと思った故、ならば己が足を運ぶのが礼儀だろう?仲を深めたいと思うのなら尚更だ」と当然のように言ってはにこにこと笑みを零していて、続けて口を開けば「それに、鶴の神域にも行く用事があったからな。_まあ兎にも角にも、俺は自らの足で会いに行く事に意味があると思っている」と告げて言って)

  • No.478 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-11 22:04:15 

(相変わらず笑みを浮かべたまま返ってきた言葉を聞いては、納得するのと同時に流石は国永と縁がある神だと感心すらしてしまう。月の神に世話になったという話は聞いたことがあったが、もしかすると国永の自由奔放さは目の前の神に影響を受けたからなのかもしれない。「そうか。アンタの考えに口出しするつもりは無いが、国永に心配を掛けるような真似だけはしないでくれ。アンタは国永にとって大事な存在なんだ」と、月の神の話をする国永の楽しげな表情を思い出しつつ、自分なりの勝手な解釈を含めてそう告げる。自分自身も『大事な存在』の一人であることには勿論気付いていないので、自分のことを棚にあげた発言になっていることへの自覚は無い。「それと、この手紙の二枚目に書かれている内容だが、俺に課せられた依頼と受け取って構わないか」と、片手に持っている二枚の手紙へ視線を向けながら確認の為に問いかける。一枚目は月の神が言った通り集会での内容を詳しく書き記した物だったが、二枚目は全く別のことが書かれていた。そこには竜神たる自分が守護と管理をしてる地域を詳しく調べた報告書のような文面となっており、何人かの知り合いの名前も書かれている。それは自分が神域で休息を取り始めて丁度一ヶ月分の情報で、何やら不穏だったり不可思議だったりする文章が所々見られることから、これらを解決することを要求されているのだろうと解釈して)

  • No.479 by 三条三日月宗近/長船光忠  2016-10-11 23:12:41 

【三条三日月宗近】

(おもむろに言われた事にきょとんと目を瞬かせたが、直ぐに「はっはっは、それはお主にも言える事だぞ。竜の子も鶴にとっては大事な存在だ」と楽しそうに友人の事を話していたあの子の姿を脳裏に思い出しながら、惜しげも無く返していく。それに自身が何者かに手を出されたとしても己は三条の名を持つ故、大方は返り討ちに出来る。だからこそ、こうやって外をフラついている訳だが。ふとそれから話が手紙の方へと戻ると「嗚呼、それはお主に_竜神へと我々が依頼をしたものだ。間違いは無い」と答えていく。そう言った後、付属されていた二枚目の手紙を指差しては「先ずは一番上から順に熟していって欲しい。確か…最初は『花街で起きている連続傷害事件の解決』だな。詳細や地図は裏に書いてあるぞ」と告げては、ゆっくりと上げていた手を降ろしていく。そうしてさり気なく神域の空模様を確認すれば、一度目を閉じて緩慢に開き「さて、俺はそろそろ御暇させて貰うが…お主の活躍期待しておるぞ。_では、またな。竜の子と人の子よ」と緩やかな上品さを持って二人に微笑めば、そのまま踵を返して空間を裂き神域から出て行こうとして)


【長船光忠】

(三日月さんが読み上げた為に、不可抗力で『花街で起きている連続傷害事件』との案件が聞こえて来れば、他にもそう言った感じの依頼が伽羅ちゃんに来ているのかなと考えていく。それにしても花街かと思うと、なら被害に遭っているのはお客か花魁かなとあまり花街の事はよく分かっていないが中途半端な知識のままそう予測をしていて、そんな事に頭を回していれば三日月さんが帰るようだったので「あの、何も御用意が出来ずに申し訳ありませんでした」と、せっかく来て頂いた客人に対してお茶の一つでも出せなかった事を悔やみつついれば、相手は『なに、気にするでない。俺も急に来てしまったからなぁ。今度は連絡を入れてから来るとしよう』と優しげに微笑んだ後、再び裂いて出来た出口へと入ろうとして行き)

  • No.480 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-12 00:49:46 

(相手に向けて注意を促したはずが、逆に言い返された言葉に一瞬驚いて「それ、は…」と思わず言い淀んでしまう。これまで自分がしてきた事を考えると国永に心配を掛けているのはむしろこちらの方で、大事にされているのだと自覚したのも最近である為、月の神に何かを言える立場では無い。結局何も言えずにいると、依頼の件についての話に移ったのでそちらに集中するべく思考を切り替える。告げられたのは『花街で起きている連続傷害事件の解決』で、手紙を裏返してみると言われた通りの内容が書かれていた。ざっと目を通しただけでも細部に至るまできちんと纏められており、この内容に間違いは無いと確信出来る。そうしている間にどうやら月の神はここを出るようで、光忠と短くやり取りをしてから神域の外へと去って行った。それを見送ってから「期待、か…」と呟いてため息を吐く。他の神に比べて無名同然の自分が、神として最上位に君臨する存在にそんな言葉を言われるとは思わなかった。どんな形であれ興味を持たれてしまったのは色々と面倒かもしれない。たとえ相手に悪意が無いのだとしても。一旦そこで考えるのを止め、渡された手紙を改めて読み込んでから光忠の方へ手紙を差し出し「光忠、見ておくか?」と問いかけて)

  • No.481 by 長船光忠  2016-10-12 13:59:20 

(三日月さんを見送れば、何だかまた波乱な日々になりそうだと思いつつも伽羅ちゃんから手紙を差し出されると、まさか一介の人間が読んでも良いとは思わなかったのできょとんとしたが、気になる事は気になった為に「えっ?良いのかい?ありがとう」と受け取っては、その文面を読み込んでいく。手紙に記されていた内容は『神無月上旬。西の都にある人と妖の花街にて、花魁を狙った連続傷害事件が発生。何れも時間帯は明け方近くで、外で一人で歩いている時に背後から襲われている。なお傷口は刃物の様なものである。被害に遭った二人の花魁は犯人の姿は見ていないと言う』と言ったもので、これは中々解決が難しいのではと率直に思う。手紙の裏側の一番上には『店名は極楽浄土、聞き込み調査、現場検証、犯人確保』と遊女屋の住所とやるべき事が書かれているだけで、少し考えた後、手紙を返しては「伽羅ちゃんはこの依頼を受けるんだよね?人手は多いに越した事はないから、僕も連れて行ってくれないかな?」と問い掛けていき)

  • No.482 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-12 20:31:01 

(世にはびこる事件は様々で、神無月には多く起こる傾向がある。それは各地の神が一箇所に集まることで一時的とはいえ守護や監視が疎かになり、人ならざる者達の悪意による凶行が多発するからだ。しかし、手紙に書かれていた会議の内容からは、他の月でも神無月とほぼ同等…下手をすればそれ以上に不可解な事件が起きているようだ。もしかすると、例の邪神による事件もそれに含まれているのかもしれない。今回の依頼がその件と関係があるのかどうかは分からないが、自分の管轄で起きているのならばすぐにでも解決しに行くべきだろう。ここまで考えた所で内容を読み終えたらしい光忠がこちらへ手紙を返す。それを受け取りつつ『連れて行ってくれないか』という問いかけに「元からそのつもりだ」と当然のように返す。その気が無いのならばわざわざ手紙を見せたりはしないし、何よりも光忠に傍にいて欲しいという気持ちの方が大きいからだ。「…一応聞いておくが、アンタはこういう場所での経験があるのか」と、手紙に書かれた『花街』『花魁』『遊女屋』といった単語を指差しながらさり気なく気になっていたことを口に出して)

  • No.483 by 長船光忠  2016-10-12 20:59:16 

(当然のように了承の言葉を返されると「本当かい?ありがとう」と目元を和らげては嬉しげに微笑んでいく。相手は優しいから足手纏いだなんて言うとは思えなかったが、危ないからと言う理由で神域にお留守になる可能性を考えていたので、少しでも彼の力になれる機会が巡って来て良かったと内心で思っていく。何かに太刀打ち出来る力は持っていないが、情報を収集する為の口と耳と足を自身は持っている。だから、そこで役に立とうと考えつついると不意に問われた事に目を瞬かせ「…え?経験?」と指を差している単語を見れば問い掛けた意味が分かって、そう言う事に関しての知識は薄いものの長編小説を読んでいると自ずと『花街』などの単語は出て来るため意味だけは知っており、しかしそもそもそんな所にすら行った事は無いので「いやいや!僕は経験なんて無いよ…!」と慌てて否定をする。逆にそう聞かれてしまうと、神様だが何だか相手の事情も聞きたくなって「…そう言う伽羅ちゃんの方は?」とおずおずと尋ねてみて)

  • No.484 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-12 22:04:17 

(経験は無いと慌てた様子で否定され「そうか」と小さく頷きながら短く返す。花街は良い意味でも悪い意味でも老若男女年齢問わずで何者も拒まない場所だ、それに加えて人のみならず妖怪もいるというそこは並の花街より厄介だろう。そういった場所に行ったことが無いのなら尚更光忠から目を離さないようにしなければ…と至極真面目に考えていると、光忠が何やら遠慮がちに尋ねてきた。一瞬何のことか理解出来なかったが、さっきの話から自分にこそ経験があるのかと聞き返したのだと気付いてそれに返事をしようとしたが、不意に思い付いたことを試してみたくなり、口元に笑みを浮かべては「さあ、どうだろうな。…アンタは、どっちだと思う?」と我ながら意地の悪い質問返しだと思いながらもそう口にして)

  • No.485 by 長船光忠  2016-10-12 22:29:32 

(花街には行った事は無いものの、たぶん手紙によれば犯行現場は何れも外なので遊女屋の奥には入る羽目にはならないだろうと思いながらも、相手から経験が有るか無いかの返答を待っていく。すると返って来た言葉は、肯定でも否定でも無く曖昧なもので「ええ…!もう狡いなぁ…」と眉尻を下げて呟いたが、たぶん相手の性格上そう言う事はしていないだろうと思っていたので、直ぐに小さく笑みを浮かべては「まあ、君は誠実だから僕は経験が無いと思っているよ」と信頼をしているため一つも疑わずにそう返していく。そして、不意に壁時計を見ては「…確か花街って、夜からだったよね?今から出掛ける準備をして今夜にでも行くのかい?」と聞いてみて)

  • No.486 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-12 23:30:54 

(自分が仕掛けた軽い意地悪は成功したようで、光忠の困ったような呟きを聞いて内心で満足する。たまにならこういう戯れも悪くないなと考えては、ちゃんとした返答をしようと口を開きかけた所で、いつもの優しい笑みを浮かべた光忠からこちらを信頼しきっている言葉を返され、思わず面食らって反射的に口を閉ざしてしまう。…慣れないことはするものじゃないな、と僅かな照れを誤魔化すように自分も壁にかけられた時計へと顔を向けて「そうだな、行動は早い方がいい。『連続傷害事件』ならまた被害が出ないとも限らない」と、手紙に書かれていた内容を思い出しつつそう告げ、庭の方へと視線をやり「一応、次郎太刀にも協力要請をしておく。あいつの今の根城が丁度そこの花街だったはずだ」と夜市の時に顔を合わせた酒豪の妖怪の名を口に出しつつ、眷属を送る為に部屋を出ようとした所で、相手の方へ顔を向けて「さっきの答えだが」と、先程の経験の有無に関する話を再び掘り返しては「好きになったのも、触れたいと思ったのも…全部、アンタが初めてだ」と告げてから、相手が何か言うより先に部屋を出て中庭へ向かい)

  • No.487 by 長船光忠  2016-10-13 00:05:20 

(そうだ、“連続”障害事件なのだからあの二件だけで事が終わったとは限らないと相手の言葉で気付かされながらも、なら早いところ犯人を捕まえないとと更に気を引き締め直していく。ふと、おもむろにあの賑やかな夜市を取り仕切っていた妖の名前に懐かしいと思いつつ、そこが根城だと聞けば驚くも何となく想像をすると確かに似合っているとも考えていて「そうなんだ、次郎太刀さんが花街にはいるんだね。知っている人が一人でもいると心強いね」と言葉を返したところで、恐らく協力要請を送る為に部屋を出て行こうとする相手を見ては、自身も出掛ける為の支度をしようと立ち上がった瞬間_唐突に向けられた率直な言葉に「…!?」と音にならず何度か口を開閉させて、遅れて顔が熱くなるのを自覚すれば「うっ…本当に狡い!」と彼の不意打ちの上手さに思わず片手で顔を隠し、儘ならない熱に翻弄されつつも相手が出て行った先を見ては「…僕だって、君が初めてだよ。好きなのも、触れたいのも、何もかも全部…」と聞こえる訳も無い事をぽつりと呟いては、ようやく顔の赤みを引かせた後に同じく部屋から出て中庭へと向かって行き)

  • No.488 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-13 01:03:18 

(辺りを漂う眷属の一つを呼び寄せ、指の先に留まらせては「次郎太刀に使いを頼む。今日の夜にそちらに行くから詳しい話はそこでする、と伝えてくれ」と必要最低限のことを伝えるよう命令をすれば、眷属が指先で数回跳ねて『分かりました!』と意志を伝える。このままの姿だと遠くまで一人で行ける程の力を持つことが出来ないので、何か適当なモノに変化させようとすると、眷属が自分の後ろを覗き込むかのように光る体を傾けてから『光忠さんと同じ姿がいいです!』と要望をされた。そういえば、光忠と出会ったばかりの時にも眷属の一人を光忠そっくりな人間の姿へ変えたことがあったのを思い出し、僅かに迷ってから「…分かった」と頷き、指先へ力を集中する。するとたちまち眷属を中心に辺りが光に包まれ、それが収まる頃には指先から眷属が消え、代わりに立っていたのは光忠に瓜二つな青年。両目が揃っていることと、髪色が自分と同じ色であることが唯一の違いだろう。眷属は嬉しそうにはしゃぎ、自分に向けてぺこりとお辞儀をしてから、後ろにいた光忠の方に駆け寄ると、何の迷いも無く思い切り抱きしめた。『光忠さん!主を選んでくれてありがとうございます!これからもずっと主の傍にいてくださいね、僕達は光忠さんのことも大好きですから!』と、言葉を話すことが出来ない為か声なき声で光忠に語りかけるのが聞こえて「…その為にその姿を選んだのか」とやや呆れ気味に呟く。『えへへー、だって僕らの声って普段は主にしか聞こえないですから。それに、人の姿なら光忠さんをぎゅーって出来ると思ったんです!』と、どこか誇らしげに告げられて)

  • No.489 by 長船光忠  2016-10-13 21:28:58 

(遅れて中庭に着くと、そこに居たのは伽羅ちゃんと自分にそっくりな人…いや、恐らく前にこの姿を借りて来た事があったから眷属くんだろうと考える。ただ前回とは違って髪色が甘栗色なところを見ると、彼と同じ色だと何だか嬉しく思ってしまう。そして何故だかはしゃいでいる様子の眷属くんを微笑ましく見た後、お遣いの見送りをしようとしていたのだがその前にこちらに駆け寄って来るのが視界に入れば、何だろうと思いつつ声を掛けようとしたもののそれよりも早く抱き締められてしまうとその行動に目を瞬かせて驚いてしまう。だが、更に頭の中に眷属くんの声が響いてくれば益々驚くものの同時に嬉しくもあり、背中にそっと手を回しては抱き締め返して「ううん、お礼を言うのは僕の方だよ。僕を受け入れくれてありがとう。…勿論、時間の許す限りずっと伽羅ちゃんの傍に居るよ」と確りと声に出して伝えていく。それから、周りの光達にも視線を向けた後「僕も君達のこと大好きだよ」と微笑んでいき、最後にもう一回抱き締め返してはゆっくりと離れていって、眷属くんと倶利伽羅ちゃんの会話を微笑ましげに聞いていき)

  • No.490 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-13 22:09:53 

(光忠に抱きしめ返されたのが嬉しかったのか、離れた後も幸せそうに笑いながら光忠の傍にひっついている眷属の様子に『いいなー!』『ずるいずるい!』と周りの眷属達が騒ぎ始める。殆ど喧騒に近い眷属達の訴えに深い溜め息を吐いてから「早く行け」と改めて命令を下す。すると眷属はびしっと姿勢を正し、敬礼の真似事をするように額に伸ばした手を当てて『はい!それじゃあ行ってきます!』と気合の入った声音で告げ、自らの手を目の前にかざして入り口を作り、そこに向けて駆け出す。そこを潜る直前でこちらを振り返りながら大きく手を振ったのを最後に入り口が閉じたのを見て「…人の姿にしたのは失敗だったか」と、二度目の溜め息を吐き出す。ただでさえこの神域から出る機会が無い上に、ここの眷属達は揃って無邪気で好奇心旺盛だ。人相手ならともかく、妖怪に良いように遊ばれてしまわなければ良いのだが…。やはり早めに合流するべきかと考え「光忠、予定変更だ。夕暮れにはここを出たい」と、夜になった後ではなく、夜になる少し前に行動を早めようと提案して)

  • No.491 by 長船光忠  2016-10-13 22:54:00 

(弟がいたらこんな感じなのだろうかと思いながらも、にこにこと笑っている眷属くんの頭を思わず可愛さ故に甘やかす様に撫でていき、不意に心なしか点滅している気がする光の眷属くん達には、言葉が分からないため首を傾げてしまう。それから改めて出発して行く眷属くんに「気を付けて行ってらっしゃい。無茶はしない様にね」と大きく手を振る相手に手を振り返して行く。あのように純粋な為に悪い人とかに騙されないと良いけどなんて保護者的な目線で考えつついれば、横から伽羅ちゃんの苦労が染みた溜め息が聞こえて来る。それに何とも言えず曖昧な笑みを零していると、続いて聞こえて来た時間変更の言葉に「夕方かい?うん、分かったよ」と頷いて、時間を早めた事に疑問を持ったが眷属くんの事を心配してかな?と予測をしながら中庭で踵を返せば「じゃあ、伽羅ちゃん。出掛ける準備をして来るね。出来たら酉三つ刻にここに戻って来るよ」と伝えた後、縁側へと上がって部屋に行こうとしていき)

  • No.492 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-14 00:10:22 

(眷属の様子が余りにも気になる故の予定変更だったが、光忠は特に気にした様子も無く了承してくれたので内心で安堵する。準備をしてくると告げて部屋がある方向へ向かい始めたのを見ては「ああ、分かった」と短く返事をしてそのまま見送る。昼過ぎとはいえ夕刻まで時間がある、それまで鍛練の続きでもするかと考えていると、周りを漂っていた眷属達が自分の周囲に集まってきた。「どうした?」と問いかけると、眷属達は数秒間沈黙したままだったが、すぐにそれぞれが意志を伝えてくる。『主、よく表情が変わるようになりました』『笑顔もたくさん見せてくれて、僕達とっても嬉しいです』『ずっとずっと昔の主に戻ったみたい』と次々に告げられたそれらに、少しだけ思考を巡らせてから薄く微笑み「そうだな。お前達がそう感じるのなら、そうなんだろう」と穏やかに答える。自分が竜神として生まれて今日に至るまでずっと傍にいてくれた彼らの言葉だ、間違いなどあり得ない。『光忠さん、受け入れてくれてありがとうって言ってました』『でもでも、光忠さんも主や僕達のこと、受け入れてくれた!』『だから、主も光忠さんも、これからはずーっと幸せいっぱいですよね!』と、信じて疑わないといった様子でそう伝えられては「…ああ。この先、何があったのだとしても…俺は間違いなく幸せだ」と答える。どうか、光忠もそうであって欲しい。自分と同じだけの、いや、それ以上に幸せだと思って欲しい。『あ!じゃあ僕、主から幸せのお裾分けして欲しいでーす!』『じゃあ僕もー!光忠さんと同じ人の姿にして欲しいですー!』『光忠さんにぎゅーってするのは先越されちゃったから、僕は主にぎゅーってしたい!』『ずるい!僕も僕も!』とさっきまでのしんみりとした空気は何処へやら、いつもの調子に戻って騒ぎ始めた眷属達に肩を竦めつつ、口元には笑みが浮かんでいて)

  • No.493 by 長船光忠  2016-10-14 13:29:31 

(中庭から自室へと戻って来ると、さっそく持って行く物を準備していく。ただそれも必要最低限の物で、金色の鈴が付いたお財布と書き物と笠ぐらいだ。あまり物を持ち過ぎても却って邪魔になってしまう。あくまでも花街に観光に行く訳ではなく、調査をしに行くのだから。そこは間違えてはいけない。しかしどんな感じのところなのだろうとは好奇心ゆえに思っており、煌びやかで艶やかな着物を着た人達が沢山いるのだろうかと中途半端な小説の知識で考えていく。自分は無いだろうが、あまり伽羅ちゃんが客引きに勧誘されないと良いなと複雑な心持ちでもいつつも、朝に部屋の掃除をしていた為に着ていた服が少し汚れていたので、黒色の布地に金色の刺繍が一点施された着流しに手早く着替えていく。これは伽羅ちゃんと鶴さんに買って貰った中でも一等気に入っている着物だ。何処と無く気分良く着替え終えれば、時間になるまでは服が汚れない程度の家事を行なっていき、それから酉三つ刻になると件の中庭へと戻って「伽羅ちゃん、準備出来たよ。僕はいつでも出発出来るよ」と話し掛けていき)

  • No.494 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-15 01:44:05 

(眷属達にせがまれている内に池の鯉達すらも一緒になって騒ぎ始めたので鍛練どころでは無く、両方の相手をしている内に時間が過ぎてしまった。もう出発の時刻になったのだと気付いたのは光忠に声を掛けられてからで、本日何度目かも分からない溜め息を吐き出しては「お前達、いい加減静かにしろ。帰ってからまた聞いてやる」と話を締めるようにそう告げると、途端に騒ぎ声と池の水音がぴたりと止んだ。単純だな…と内心で思いながら光忠の方へ向き「すまない、待たせた」と一言謝り、さっそく依頼の手紙に書かれていた西の都に繋がる入り口を作り出す。一応は知っている場所なので繋げることは可能だが、ここからかなり遠い場所なので入り口が多少不安定になってしまう。国永程の術の使い手になればどれだけ遠くても確実にその場所へ行けるだろうが、自分はまだそこまでの練度に達していない。万が一にでも別の場所に飛ばされてしまわないよう注意を払いつつ「行くぞ、光忠」と声を掛けながら手を差し出して)

  • No.495 by 長船光忠  2016-10-15 07:57:19 

(何やら騒ぎを鎮めていた相手に謝られたので「ううん、気にしないでくれ」と時間に関してはまだまだ充分に余裕もある為そう笑みを返していく。そうして西の都へと繋がる入り口が形成されていくのを見ては、確か自身の村からは何日も掛かったぐらい遠い場所だったなぁと考えつついると、完成したようなのでそちらへと近付く。いつもこの入り口を潜る時はドキドキすると思いながら心の準備をしていたところで、おもむろに彼から手を差し伸べられれば、嬉しくてついぱあっとした笑みを向けては「うん、行こうか」と手を繋いで一緒に入り口を通り抜けて行く。次に視界を開けた時は、茜色に染まったまだほんの僅かに明るい花街の景色。張り見世には格子女郎は居らず、全体的に客も少ない開店前の状態だ。しかし徐々に芸妓屋や遊女屋は準備をしているのか、左右にずらりと並んだ楼の提灯には明かりが灯っていた。奥まで続く遊郭の楼と提灯の景色は圧巻の一言に尽き、更に奥の中央広場らしきところには秋にも咲く不断桜の大きな樹があって綺麗に花を咲いている。ふと、何気無く後ろを見ると、すぐ近くに木製の大門があって此処が入り口よ近くだと分かり、ただ花街の道は分からないので「伽羅ちゃん、次郎太刀さんが何処に居るかって分かるかい?」と髪色を隠す為に笠を被り直して問い掛けてみて)

  • No.496 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-15 19:22:14 

(周りに花が咲く幻覚が見えるような明るい笑顔を浮かべた光忠が手を握るのを見て、こちらも緩く笑みを浮かべてはしっかりと握り返し入り口を通る。一瞬にして変化した華やかな景色を見渡し、ここが目的地である西の都にある花街だと確認をして密かに安堵の息を漏らしては、光忠からの問いかけに対して「ああ、それなら…」と返事をしようとした所で『おやまぁ、まだ日が降りてない内に来はるだなんて…随分とせっかちな殿方はんでありんすなぁ』と不意に声を掛けられる。声がした方を向くと、そこには赤の布地に紫の縁の着物と深い緑色の帯を締め、赤みがかったうす茶色の長い髪を金色の簪で結った女性が立っていた。帯の締めをわざと緩くして肩と胸元を強調するようにはだけさせており、手には薄い灰色の煙を吐く煙管を持っている。女性は面白がるような怪しくも美しい微笑みを浮かべながらこちらに近寄り、笠に隠れた光忠の顔を下から覗き込んでは『こちらの殿方はん、ほんにお綺麗で可愛らしい顔してはりますなぁ。それに、夜とも闇とも取れる黒の髪…素敵ですわぁ』と、どこかうっとりとした表情をしながら告げる。明らかに獲物を狙う眼差しをしている女性に鋭く尖った視線を向けると、それに気付いたのかくすくすと笑みをこぼして『でも、ざぁんねん…隣の甘茶と金の殿方はんがこわぁい顔してはりますし、つまみ食いはやめときます。ふふ、ほんに残念やわぁ』と言って下がる女性と光忠の間に割り込むように移動してから「アンタ、妖怪だろう。それも相当力が強い」と問い詰めると、女性は赤い瞳を輝かせ、僅かに裂けた舌先を覗かせては『ご名答、さすがの慧眼でありんすなぁ。水の寵愛を受けし竜の神…まさにその名に相応しい清廉なお方ですこと。次郎さまの仰る通り』と、女性は覚えのある名を口にして微笑み)

  • No.497 by 長船光忠  2016-10-15 22:16:19 

(不意に第三者の声が聞こえて来ればそちらへと見遣り、格子ではなく店前に居た一人の遊女が目に映る。人目を惹く程の艶やかな着物だが色々と目のやり場に困る着方をしていたので、笠を深く被りやや視線を彷徨わせていると突然下から覗き込まれたので驚いて少し後ろへと退がる。しかも女性には言われた事の無い褒め言葉を言われたのだから返答に困って「いや、あの…そんな事はありませんよ」と苦笑気味にやんわりと否定をするのが精一杯で、微かに冷や汗をかく。この様に華やかな花街で自分になんかに声を掛ける客引きなど居ないと思っていたので、どうしようかと考えていれば間に割って入ってくれた伽羅ちゃんにほっとして、情け無くて格好悪いがすすっと後ろに隠れさせて貰う。それから自身には全く分からなかったが、目の前の遊女は妖怪なのかと会話の遣り取りを聞いてやっと気付き、その口から今まさに探している次郎太刀さんの名前が出れば、この人はあの人の知り合いなのかな?と事の成り行きを大人しく見守っていって)

  • No.498 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-15 23:53:52 

(まだ日も落ちておらず、店も準備の途中であるこの時間帯に遊女が一人で客引きをしているのはおかしい。遊女を狙った連続傷害事件が起きているのなら尚更だ。そして、その疑いは光忠の黒髪に興味を示した時に確信へと変わった。呪いや不幸だと疎まれているその色を手放しで褒めるのは、人の常識に囚われない神か妖怪のどちらかだ。「大方、次郎太刀に言われて俺達が来るのを待っていたんだろう」と告げると、女性は微笑みながら『ええ、その通り。そちらの殿方はんによう似てはる可愛らしい子が尋ねて来はってなぁ、わっちは次郎さまに出迎えを命じられたんですわぁ』と言ったのを聞き、どうやら無事に次郎太刀の元へ行けたようだと内心で安堵する。しかし、それを聞いた後で新たに分かったことに関して問い詰めようと鋭い視線を向ける。「…アンタ、全部分かってて光忠に言い寄ったのか」と僅かに怒りを滲ませた声音で言うと『やぁん、そないな顔せんでおくれやす。わっちら妖怪の定義、竜神さまだってご存知ですやろぉ?』と妖艶な笑みを浮かべて悪びれる様子も無く告げて『面白ければそれで良い。そう、面白ければ何でもするのがわっちらなんどす。ゆめゆめ、お忘れなきように』と、何処か忠告のようにも聞こえる言葉を口にしてから、くるりと身を翻して『さぁて、お話はここまでにして、次郎さまの所に案内させて頂きますわぁ。しっかりついてきておくんなし』と言って歩きだした女性の背中を数秒見つめてから、後ろに身を潜めるように隠れている光忠へ顔を向け「光忠」と名前を呼ぶ。位置が変わったことで離れてしまった手をもう一度繋ぎ直しながら「大丈夫だ、行くぞ」と短く声を掛けて歩き出し)

  • No.499 by 長船光忠  2016-10-16 00:44:29 

(出迎えとの言葉を聞けば、嗚呼だからこんな芸妓屋や遊女屋が開いていない早い時間帯にも関わらず一人だけ遊女の方がいた訳かと、納得をしていく。しかしそうだとしたら、自身にあのように声を掛ける必要は無かったのではと純粋に疑問に思って首を傾げていると、心なしか伽羅ちゃんの少し怒った声が聞こえて来たので慌てて自分は大丈夫だと言うように、背中を軽くとんとんと撫ぜていって落ち着いて貰う為にそう行動で伝えていく。ただ遊女の方はその声色にも動じずに、くすくすと妖艶に笑っていたので何処と無く妖怪の本質を垣間見た気がして、背筋に悪寒のようなものが走る。人型であって人ではない。情のある神様ばかりと接していた為か、妖怪の底知れなさには気を付けようと考えつつ聞き慣れた声で名前を呼ばれると安心して「伽羅ちゃん…ありがとう」と思わず自然に笑みが溢れて今度は離さないよう手を握り締める。そうして、遊女の方の後をついて行って歩いて行けば花街の中でも一際大きな楼の前で足を止め『此処が次郎さまの居る楼どすえ。中には彼方から入っておくんなまし』と着物袖で促されたのは木製の大きな入り口で、如何にも遊女屋と言った雰囲気が漂っていて中々に入りにくいと考えながらも「えっと…行こうか」と伽羅ちゃんの手を引いていこうとし)

  • No.500 by 大倶利伽羅廣光/次郎太刀  2016-10-16 20:35:48 

【大倶利伽羅廣光】

(歩いている内に段々と辺りが薄暗くなっていき、少しずつ人が増えてきた。夜が近付くにつれてまるで別世界のように独特の景色と雰囲気を放ち始める街中を視線だけ動かしつつ眺めていると、目的地であろう楼へと辿り着く。どうやらこの花街で最も大きな建物のようで、主に赤系統の装飾で飾られているそれは絢爛豪華という言葉が相応しいだろう。指し示された入り口から香る花のような甘い匂いに目を細めながら、入ろうと促す光忠に「ああ」と短く返事をして中に足を踏み入れる。ここまで先導してきた女性は外に立ったままゆらりと片手を振り『わっちはここまで。次郎さまによろしゅうたのんますわぁ』と告げるのが聞こえ、頷きだけを返して奥の方へと進んでいく。徐々に強くなっていく花の香りは恐らくお香ではなく、妖怪が用いる術か道具の一種だ。詳しいことは知らないし知りたいとも思わないが、妖怪が扱う香りや匂い系統は人間に対して幻覚や誘惑の効果を発揮することが多いと聞いたことがある。万が一にでも光忠が惑わされないよう繋いだ手に強く力を込め、立ち止まることなく真っ直ぐ進む。そうして辿り着いたのは赤と金の花模様が描かれた大きな襖で、この先から感じる気配に大きく息を吐き出し、襖に手を掛けて思い切り横へ滑らせると、その先にいたのはあぐらをかいた状態で上機嫌に酒を飲んでいる次郎太刀と、その上に小さく座り込んで頭を撫でられている眷属の姿で、眷属はこちらに気付くなり嬉しそうな笑顔を浮かべて『主ーっ!光忠さーんっ!』と無邪気に両手をぶんぶんと振って)

【次郎太刀】

(最初に姿を見た時は、何でこんな所に一人でいるのかと大層驚いてしまった。けれど、よくよく見れば髪色と両目が違うことと、見覚えのある神気を纏っていることに気が付き、そこから竜神の眷属であると頭の中で結びつくのは早かった。そして眷属の言葉通り、竜神と黒髪の彼がこの部屋へやって来たのを見やり「ようこそ、お二人さん!夜市以来だねぇ!」と明るく笑ってみせる。眷属の頭を撫でていた手を降ろして軽く背を押してやると、眷属はこちらを見上げてにこっと笑みを浮かべ『次郎さん、ありがとうございました!』と礼を告げてから二人の元へと駆け寄っていく。「ここを根城にしてるアタシも悪いっちゃあ悪いんだけどさぁ、こーんな無法地帯にそんな純粋な子放り込んじゃ駄目じゃないのさ。もしも営業中の時間だったら、きっと喰われちまってたよ?」と少しからかい混じりにそう言えば、眷属がぴゃっと小動物のような声をあげて二人の後ろに隠れてしまった。竜神はそれを見て仕方ないと言いたげに肩を竦め、黒髪の彼と繋いでいた手を離しては『光忠、世話を頼む』と後ろにいる眷属のことを指した言葉を口にしてから、自分の近くまで歩み寄り、静かにその場に座る。『次郎太刀』と表情一つ変えずに名を呼ばれれば「うんうん、用件を伺っちゃおうか。単に世間話をしに来たわけじゃないんだろう?」とあくまで笑顔は崩さずに話をするよう促して)


(/背後失礼します!今回の依頼ですが、具体的な犯人等は考えていらっしゃいますでしょうか?もしそうなら教えて頂きたいです!)

  • No.501 by 長船光忠  2016-10-16 21:07:45 

(此処まで案内をしてくれた遊女の方にお辞儀をしては、伽羅ちゃんと共に大きな楼閣へと足を踏み入れて行く。すると、漂って来た花の蜜の様な甘ったるい匂いにぐらりと頭を揺さぶられる感覚がして、思わず眉を顰める。この匂いは一体何なのだろうかと戸惑いつつも着物裾で鼻を覆っては何とか匂いを和らげて行こうとするが、奥に行けば行くほど甘ったるい匂いは一層濃くなっていく。意志に反して足が止まり掛けるものの、固く繋いでいた彼の手と温もりが先導してくれていたお陰で、その誘惑を振り切って奥まで辿り着く事が出来た。煌びやかで大きな襖の前まで来ると、甘い匂いはマシになっていた為に少し噎せつつも着物裾を外して普通の空気を取り込んでいく。そうして、呼吸を落ち着かせれば開けられた襖の中を見て其処に眷属くんがいる事を確認すると、ほっと安堵の息を零しつつ笑みを浮かべて小さくひらひらと手を振り返す。それから、こちらに眷属くんが戻って来て次郎太刀さんの言葉に、確かに営業時間だったらあぶなかったなぁと、先程の自身の体験もあって苦笑をしていれば怖がってしまった眷属くんを伽羅ちゃんから頼まれたので「うん、任せて」と快く頷き、離れた手を今度は眷属くんに向けて「眷属くん、そんなに怖がらなくても大丈夫だよ。ほら、手を繋ごうか」と相手を安心させるため手を差し出していき)


(/犯人は、自我を失った悪霊です!ある花魁に一方的に恋をしており、身請け出来ないからと強制的に一緒に心中しようとしましたが花魁は拒否して、結果悪霊だけが死にます。それが憎悪へと変わってしかし憎むあまり自我すら失い、その花魁…赤い蝶の簪が特徴なのですが自我を失っているので、本人ではなく偶々それと似た簪を付けた二人の遊女を襲いました。何故朝方なのかと言うと、その悪霊が死んだ時間なので最も顕現しやすいからです。ザッとこんな感じですが…アレでしたら犯人変えますので何なりと言って下さいな!/・あっ、それと500越えましたねー。これからも宜しくお願いします!)

  • No.502 by 大倶利伽羅廣光/次郎太刀  2016-10-16 23:53:28 

【大倶利伽羅廣光】

(優しく諭すような光忠の言葉に、眷属は何度も頷きながら差し出された手を強く握りしめ、そのまま光忠にくっついて動かなくなった。あの様子なら大丈夫だと判断し、視線を次郎太刀の方へ戻す。次郎太刀は何処か面白がるようなニヤついた笑みを浮かべており、それに対して怪訝な顔をしながら「…なんだ」と短く問いかけてみるも『いやー、別にぃ?』とはぐらかされてしまう。このまま追求した所で適当に流されるのは分かっていたので、早々に本題に入ろうと思考を切り替える。「三条派の神からの依頼でここに来た」と余計なことは言わずに簡潔に告げると、次郎太刀は目を大きく見開いて『前々から思ってたけどさ…あんた、良くも悪くもとんでもないツキの持ち主なんじゃないのかい?』と言われ、それに関しては何と答えて良いのか分からなかったので返事はしないことにして話を続ける。「ここで起きている『連続傷害事件』の解決を求められた。アンタにはその協力をして欲しい」と、自分達がここに来た理由を伝えて)

【次郎太刀】

(竜神の口から告げられた言葉に「そのことか…」と小さく呟き、片手に持った杯を揺らす。勿論、その事件のことは知っている。それが人間ではなく人外によって引き起こされているということも。正直に言って、人間と妖怪だけでは例の事件を解決することはほぼ不可能に近い。だからこそ竜神が解決に乗り出してくれたのは非常に有り難いのだが、果たして彼に出来るのだろうか。妖怪である自分とも繋がりを持ってくれる程に優しい神である、彼に。「協力云々の前に、事件について話しておこうか。この事件の犯人が人間じゃないことは察してるんだろう?そうじゃなきゃ、神が直々に解決しに現れるわけ無いからね」と問いかけると、竜神は小さく頷いて見せた。それにこちらも頷きを返してから再び口を開き「人外と言ってもね、アタシら妖怪でも無ければ、あんたみたいな神様でも無い。その正体は聞いて驚くなかれ、死して尚この世に留まる人の魂…すなわち『幽霊』。それもとびきりたちの悪い『悪霊』さ」と告げる。予想と反していたのか僅かに驚いた表情になっている竜神に笑みをこぼしつつ「ちょっと長くなっちゃうかもだけど、悪霊になってしまった人間の話…聞いてみるかい?後ろのお二人さんが怪談話に弱くないなら、だけどね」と竜神の後ろにいる黒髪の彼と眷属を見やりながらそう言って)


(/ふむふむ成る程…一方的なヤンデレは怖いですね…。いえいえ、犯人はこのままで大丈夫だと思います!それで相談なのですが、悪霊を引っ張り出す為に囮作戦をしようと思っています。その案として、倶利伽羅か光忠さんか眷属くんの誰かに囮役をして貰いたいのですが、その場合この三人の誰かに女装あるいは女体化してもらうことになります。女装は三人全員可能で、女体化は倶利伽羅と眷属くんの二人が可能です。誰がどのように囮をするか希望はありますか?女装や女体化が駄目な場合は別の作戦を考えますので遠慮なく仰ってください…!)

  • No.503 by 大倶利伽羅廣光/次郎太刀  2016-10-17 00:26:06 

(/書き忘れすみません!ついに500超えしちゃいましたね、こちらこそこれからもよろしくお願いします!)

  • No.504 by 長船光忠  2016-10-17 17:55:40 

(差し出した手を握られれば、体温を分けるようにぎゅっとその手を握り返していく。あまりくっ付かれると言った経験は無いので何だか新鮮だと感じつつも、仕草の一つ一つも相まって可愛いと思っては、自身と同じ髪色ではなく一等好いている彼の髪色と同じ甘栗色を撫でていく。そうしながら、視線と意識は二人の方へと向いていて遣り取りを眺めていくものの、幽霊や悪霊の単語が出て来れば、それこそきょとんと目を瞬かせる。それもそのはずそんなのはこの世に居ないと思っていたからだ、しかし現にこうして妖の方に言われていると言う事は実際に存在しているのだろう。怪談話と聞いて、特に自分は怖いものは大丈夫な為に「僕は平気だよ。眷属くんは平気かい?駄目だったら両耳を塞ぐと良いよ」と少し心配気に見た後、そう提案していき)


(/採用して下さりありがとうございます!そうですね、女装も女体化も平気ですよー。希望は特には無いのでトピ主様がやりたい展開で大丈夫ですよ!/・あっ、いえ!抜けはお気になさらずに!はいっ、宜しくお願いします!)

  • No.505 by 大倶利伽羅廣光/次郎太刀  2016-10-18 02:37:01 

【次郎太刀】

(黒髪の彼は大丈夫そうだが、隣にひっついている眷属はちょっと大袈裟にからかっただけであの怯えようだったから、駄目な部類かなと思いつつ様子を伺っていると、眷属はきょとんとした表情で首を傾げている。それに対して竜神が『…怪談というのは、ようするに怖い話のことだ』と簡潔に説明するのを聞いて顔を青くさせては、ぶんぶんと勢い良く首を横に振って黒髪の彼にしがみついてしまった。耳を塞ぐと良いとアドバイスをされていたはずだけど、どうやらそれすら頭から飛んでしまうほどに怖がっている様子。「大丈夫大丈夫、怪談と言っても本格的な奴じゃないさ。分かる人には怖いと感じちゃう話ってだけだからね」と明るく笑みを浮かべてみせると、眷属は迷っているかのように竜神と黒髪の彼を交互に見つめた後、こくりと小さく頷くのが見えて「うんうん、素直でいい子は大好きだよ」と告げる。「さて、それじゃあ話すとしますか。愛欲に溺れて堕ちてしまった男の話をね」と切り出しては意味深に微笑んで)

【大倶利伽羅廣光】

(悪霊の正体は、この花街に住む花魁の女に恋をした男だった。その男の想いは常に一方通行であり、女が想いを受け入れることは無かった。男はその想いを暴走させ、無理矢理に女と心中しようとする。しかし、最終的に命を落としたのは男だけだった。男の想いはそのまま憎悪へと形を変え、悪霊となって蘇ってしまった。『…で、その花魁の子は赤い蝶の簪を付けていたそうでね。それに似た簪を付けていたが為に、あの子達は襲われちまったのさ』と口にしてから、次郎太刀は手に持つ杯に入った酒を飲み干した。…悪霊についてと二人の遊女が襲われた理由は分かったが、一つ腑に落ちないことがある。「そこまで分かっているなら、何故アンタが動かないんだ」と率直に聞いてみると、次郎太刀は空になった杯に再び酒を注ぎながら『それが厄介なことに、悪霊が出て来るのは決まって朝方なんだよ。アタシら妖怪は日が高い内は上手く力が発揮出来ないからねぇ…人間相手ならまだしも、人外でしかも悪霊が相手となっちゃあ難しくってさ』と、どこか落胆したような表情で答えた。それならば、妖怪の住むこの花街で連続して事件を起こすことが出来たのも頷ける。『だからって何もしてないわけじゃない、悪霊退治までの段取りは考えてあるんだよ?ここに特別に作らせた赤い蝶の簪がある。これを着けた誰かが囮になって、まんまと釣られた悪霊をバシッと退治するって寸法さ』と、懐から簪を取り出して見せながらそう告げられるやいなや「そうか。それなら話が早い、俺が囮になる」と迷う事無く当然のように囮を買って出ると『あっ、主!駄目です!主が怖い思いをするのは絶対駄目ですっ!』と眷属の焦った声が聞こえ、振り返るより先に思い切り背中に抱きつかれて)


(/了解しました!自分で複数の案を出しておいてなんですが、よく考えたら倶利伽羅が二人を囮にさせるわけが無かったので、囮作戦は倶利伽羅を女体化させて実行しようと思いますー)

  • No.506 by 長船光忠  2016-10-18 13:03:40 

(次郎太刀さんの口から語られていくのは、何とも浅ましくも気の毒な或る一人の男性の恋情噺しだった。両想いで、相手も死ぬ気なら心中と言う選択肢でも良いと自身は思ってしまうのだが、実らない片想いならば潔く身を引くのが美徳だろうと思いつつ、最後まで複雑な表情で話を聞いていく。そうして聞き終われば、つまるところ今回の犯人はその心中しようとしたが失敗し且つ一方的な想い人を逆怨みして悪霊になった元人間、と言う事かと納得していく。更に被害者は、その想い人と勘違いされてしまった為に今回被害を受けた訳であり、原因は赤い蝶の簪らしい。次郎太刀さんの囮作戦を聞きつつ、遣るならそれぐらいしか役に立てない自身が遣ろうと手を挙げ掛けたが、その前に彼が名乗り出た為に目を瞬かせ「えっ?伽羅ちゃん、危ないから僕が遣るよ?」と心配気に見て相手の背中に抱き着いている眷属くんを宥めつつ言ったものの、しかしふと気が付いた事があり、最悪自分では囮役以前に足手纏いだと思っては「…それとも、危ないからこそ力のある君が遣った方が良いのかな?」と情けない事に自分自体には何の力も無い為に、眉尻を少し下げて苦笑気味に問い掛けていき)


(/了解ですー。光忠の性格上、大切な伽羅ちゃんに危険な事をさせるぐらいなら自分が進んでやりたいけど、逆に足手纏いになるんじゃ無いかと思って悩んでいますが、お気になさらずにそのまま伽羅ちゃんで囮作戦を実行して下さい。/・あっ、それとですが初期の頃から思っていましたが眷属くんとても可愛いです…!癒しです…!)

  • No.507 by 大倶利伽羅廣光/次郎太刀  2016-10-18 19:19:08 

【大倶利伽羅廣光】

(遠慮なしに力を込めて抱きついている眷属に、片手を動かして頭を撫でてやる。自分と同じ色をした髪がふわりと揺れ、不安そうな表情でこちらを見上げてきたのを見て「大丈夫だ」と告げる。続いて光忠の方へ視線を向けて「元々は俺に出された依頼だ、アンタにやらせるわけにはいかない」と、改めて自分が囮役を引き受けることを告げる。自分は心が読めるわけでは無いが、困ったように笑う光忠がまた自分のことを必要以上に卑下しているように感じ、真っ直ぐ相手を見据えて「…俺は、アンタが無力だと思ったことは一度も無い」と、余計な言葉は使わずいつものように短く自分の思っていることを告げ、眷属に光忠の元へ戻るように伝えてから、次郎太刀の方に向き直る。次郎太刀はまたニヤついた表情をしていたが、その事に突っ込んでもまともな答えが返って来ないのは分かっていたので黙っていると『囮役が決定したのはいいけど、具体的にどうやるんだい?幾ら自我を失った悪霊でも、さすがに男と女を見間違うことは無いだろう?まあ倶利伽羅は綺麗な顔してるし、女装して化粧を施せばイケそうな気もするけどねぇ』と至極最もな問いかけをされては、さほど間を置かずに「それなら問題は無い」と答える。即答されたことに次郎太刀は意外そうな表情をしていたが、すぐに面白そうだと言いたげな笑みを浮かべて『へえ、どうする気なんだい?』と聞いてきた。実際にやって見せようと、一旦目を閉じてはパチン、と片手の指を鳴らして)

【次郎太刀】

(何をするつもりなのだろうと内心で楽しみにしながら眺めていると、竜神が指を鳴らす。すると部屋全体を眩く照らすような閃光が一瞬だけ起き、気が付くと目の前に座っていたのは一人の美しい女性だった。畳の上に落ちる程の長く淡い甘栗色の髪に大きくぱっちりとした睫毛の長い金色の瞳、線の細くなった体格に先程まで無かった胸の膨らみ…どこからどう見ても女性そのものだ。『わぁっ、主のその姿、とっても久し振りですね!』と、無邪気にはしゃぐ眷属の声が聞こえてようやく我に返り「うっそぉ…神様ってホントに何でもアリなんだねぇ…」と心の底から驚嘆しながらそう呟くと、目の前の女性…竜神は表情一つ変えずに『見た目の性別を変えるぐらいは神なら誰でも出来る』とさらりと口にしてきた為に、つくづく神という存在は常識離れしていると感じるも、それだけとてつもなく面白いとも思う。現に自分はすでに目の前で起きた現象に慣れているし、驚きよりも楽しいという気持ちの方が遥かに強い。「あっはっは!これだけの美女に引っかからない男がいるはず無いねぇ!囮じゃなくても最高だよ、この簪もきっとよく似合うだろうさ!」と大きく笑いながらそう言って、竜神に向けて赤い蝶の簪を差し出す。「これは預けておくとするよ。明日の明朝、それを着けて適当に歩き回ってみな。必ず釣れるはずさ」と言ってから、続けて「今から帰ってまたこっちに来るのも面倒だろう?今晩はこの部屋で休みなよ。アタシは別の部屋を使うから気を遣う必要は無いからね」と、今日の所はここで休むように告げて)


(/分かりました!遠慮なく囮作戦をやっちゃおうと思います。自分でも気が付かない内に眷属がマスコット的存在になってて驚いてますが、そう言って貰えると嬉しいです!これからも全力で愛情表現してくると思うので存分に癒やされてやってくださいー)

  • No.508 by 長船光忠  2016-10-18 20:13:22 

(伽羅ちゃんの性分的に、彼はとても優しい性格だからこう言った危険な事は自分で行なってしまうだろうと思っていれば矢張り予想通りで、しかし正論であった為に此方は何も言わずにいて。不意に無力云々に関して言われると、言葉には出していなかったものの顔には出てしまっていたのだろうかと考えたが、相手の優しくも温かみのある言葉に何だか胸内の重荷がすっと降りたような気がして、ぽつりと「…ありがとう」と緩やかにはにかんでは御礼の言葉を述べていく。それから囮作戦について話し合いがされていくと、確かに男性と女性だと体格差もあって女装をしても厳しいのではとボンヤリ考えながらいれば、何か策があるらしい伽羅ちゃんの返答に次郎太刀さんと一緒になって自身も興味津々に彼を見遣る。すると、指が鳴らされたと同時に一瞬の閃光が部屋を埋め尽くし再び目を開ければ目の前に居たのは見知らぬ女性。いや、見知らぬではなく褐色の肌、金色の瞳、甘栗色の髪と見覚えのあり過ぎる特徴に少し間を置いては、彼女が伽羅ちゃんだと言う事に遅れて気が付く。神様って何でもアリなんだなぁと次郎太刀さんと全く同じ事を思っては、普段から綺麗な容姿ゆえ女性になっても凄い美人だと思いつつ、赤い蝶の簪を渡されていくのを見ていく。アレで悪霊を釣るのかと考えては、如何やら部屋を貸してくれるらしい次郎太刀さんに「ありがとうございます」とぺこりとお辞儀をしては、伽羅ちゃんの方に近付いて「えっと、伽羅ちゃん…だよね?何だか凄い美人さんだから話し掛けるのも恐縮だけど、…神様って見た目の性別まで変えられるんだね、凄いや」と笑みを浮かべたまま包み隠さず思っていた事を話していき)


(/了解しましたー。眷属くんは本当に浄化的な存在です、これからも沢山癒されていきますねー。では他になければこれにて失礼しますが、大丈夫でしょうか?)

  • No.509 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-19 01:01:17 

(次郎太刀の提案はこちらとしても有難かったので頷いておく。場所が場所なだけにこの時間帯に宿を探して出歩くのは光忠と眷属に別の意味で危険が及ぶだろうし、次郎太刀の息が掛かったこの建物ならば安全も保証されているだろう。自分の頷きと光忠のお礼を受けた次郎太刀はにっこりと微笑んで『それじゃあアタシは外に繰り出すとするかな。また明朝にね~』と片手をひらひらと振りながらそう言い、そのまま部屋の外へと出て行った。それを見送った後、言葉は何処か遠慮がちながらも性別が変化した自分に対して素直な感想を話す光忠に「別に大した事はない、こういう時でも無ければ役に立たない力だ」と自らの華奢な手を眺めながらそう告げる。見た目の性別が変わったからといって力が劣るわけでは無いのだが、男の体と女の体では使い勝手も違ってくる。少しでも慣れる為に明朝の作戦決行までこの姿のままでいるかと考えていると、眷属が『あっ!』と声をあげたのが聞こえてそちらを向く。『簪って、髪を難しいやり方で纏めないと使えないんですよね?僕、やり方知らないです…』と言ってきたのを聞いては、そういえば自分も髪の纏め方を知らない事に気が付き、どうしたものかと畳の上に散らばる自分の髪を見つめる。知っていそうな次郎太刀はすでに出掛けた後で、この建物にいるであろう遊女達に聞くのは少々怖い気もする。「…適当に束ねて挿すか」と、どうせ自分の髪なので多少雑に扱っても良いかという考えからそう呟いて)


(/はい、大丈夫です!ありがとうございました、また何かあったらお願いしますね!)

  • No.510 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-23 17:26:13 

(/念の為に上げておきますね!)

  • No.511 by 長船光忠  2016-10-30 14:56:52 

(神様にとっては些細な力でも矢張り人にとっては時に奇跡の様に見え、謙虚でも謙遜でも無く本心からの相手の科白に小さく笑みを零しては、緩く首を傾げ「そうかな?けど、君のその術のお陰で助かったよ。有難う」と改めて感謝の言葉を伝える。流石に男が女装と言うのは無理があっただろうし、敵が理性無き悪霊とは言え変装に無理があって出現しなかったら元も子も無いので、危険な事を任せてしまうのは如何にも気が引けるもののそんな風に思考を巡らせていると、不意に聞こえて来た眷属くんの短い言葉に視線を其方へと流す。何やら簪の使い方に関して戸惑っている様で、髪を結われる方の件の彼も遣り方を知らない様だ。ならと口を開いては「伽羅ちゃん、もし良ければ僕が髪を結ってあげようか?折角綺麗な髪をしているのだから乱雑に扱ったら勿体無いしさ。格好良く…じゃなくて、可愛く纏めてみせるよ」と畳に流れる様に広がっている艶めいた甘栗色の髪を見つつ部屋の鏡台を一瞥してつげ櫛がある事を確認すると、良く母親の髪を束ねていた記憶が朧げながらも有るのでそう尋ねてみて)


(/遅れて済みません…!あまり声を大きくして言える事ではないのですが、身内に不幸が有りまして手続きをしていましたら此処に来るのが遅くなってしまいました…。一言書き置きをしておけば良かったのですが、其処まで頭と手が回らない状況でした…誠に済みません。まだトピ主様がいらっしゃるかは分かりませんが、お返事を置かせて頂きます)

  • No.512 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-31 20:20:54 

(自分の大雑把な発言を見かねてか、それとも実際にやったことがあるからか、あるいはその両方か。光忠からの思いもよらない発言に少し驚いていると、眷属がぱっと笑顔を浮かべて『主!ぜひ光忠さんにやってもらいましょう!』と何処か楽しみにしているような様子で進言され、特に断る理由も無いので「それもそうだな」と呟いた後、光忠の手に赤い蝶の簪を渡し、鏡台の前まで移動してからそこに腰を降ろす。鏡に映ったいつもと少し違う自分の姿を数秒眺めてから、鏡越しに光忠へ視線をやり「アンタの好きにするといい。特にこだわりは無い」と、どんな風になろうと自分は一切口出ししないことを暗に告げる。その言葉を聞いて何故か眷属の方が表情を輝かせ『光忠さん!すっごく可愛くして欲しいです!主がもーっとキラキラしちゃうくらいがいいです!』と抽象的で無茶振りにも思える要望を光忠にしているのを聞いては「…程々でいい」と釘をさすように呟いて)

(/いえいえ、そのような事情でしたら仕方が無いと思います。お返事が貰えただけでもこちらは充分です!あまり気になさらないでくださいねー)

  • No.513 by 長船光忠  2016-10-31 23:46:23 

(眷属くんの後押しする様な嬉々とした声が聞こえて来れば、伽羅ちゃんから了承の言葉と共に向けられた赤い簪を壊さないよう慎重に受け取っていく。一足先に鏡台へと移動をした相手の後を追うかの如く、自身もそちらに足を進めるとつげ櫛を手に取り彼の髪を梳きやすい様に膝立ちになっていき、ふと双方から告げられた要望を確と耳に入れると「うん、任せてくれ。程々に可愛くするね」と二つの言葉を組み合わせて返していく。そう言えば花魁の髪型は確か、横兵庫、島田髷、勝山髷などがあるものの何れが相手に一番似合うだろうかと考えていって、髪も長い事だし後ろから見ると蝶々の様な形に纏める横兵庫が良いかもしれないと思っては、早速つげ櫛を持った手を動かしていく。何度か細長い髪を梳き梳かした後、正直見様見真似だが何とか横兵庫の髪型になるよう髪を括っていき、四苦八苦しながらも其れに近い感じのアップの髪型を作れば簪を差して恐る恐る「取り敢えず、こんな感じだけど…如何かな?」と問い掛けてみて)


(/お優しい言葉をありがとうございます…。毎度毎度こちらが迷惑を掛けてしまい申し訳ありません)

  • No.514 by 大倶利伽羅廣光  2016-11-01 23:40:58 

(どんな髪型にしようか考えているのか、少しの間黙っていた光忠が不意に手を動かして髪に触れ、そのまま櫛で綺麗に整えていくのを鏡越しに見つめる。くすぐったいとも心地良いとも思う感覚と、時々手を止めては悩んでいる表情を浮かべる光忠に、自然と表情が緩んでしまう。自分を含めた部屋にいる三人共が無言のまま数十分が経過し、光忠から問われた言葉に改めて鏡に映る自分を眺める。使っている装飾品が赤い蝶の簪一つのせいか、自分が知る遊女の豪華絢爛さには到底及ばないだろう。…だが、自分は目立つのはあまり好きじゃないし、そもそも遊女でも無ければ女でも無い。髪型に特にこだわりは無かったが、このぐらいが自分好みだと思う。「ああ、これでいい」と短く感想を伝えれば、黙って見守っていた眷属が『すごいです光忠さん!あんなに長い主の髪をぱぱっと纏めちゃうなんて、魔法みたいです!』と例の如く大はしゃぎするのを見て「…あまりはしゃぐと、明日まで持たないぞ。今のお前は少し力があるだけの人間だからな」と遅すぎるような気もする忠告を口にする。すると眷属がハッとした様子で『そうでした!明日の朝一番でしたよね、だったらもう寝ないと!』と言った後、部屋の隅に置かれていた布団を手際良く敷いていく。大方、光忠の動きを見て覚えたのだろうと思いながら様子を見ていると、眷属が光忠の手を両手で握り『光忠さん!一緒に寝ましょー!』と無邪気にそう告げて)

(/こちらこそ、いつも返事をする時間がバラバラで申しわけ無いです…。これからもお相手よろしくお願いしますね!)

  • No.515 by 長船光忠  2016-11-02 12:34:19 

(短いながらも嫌がっている声色ではなかったのでホッとし、やや緊張気味だった硬い表情から緩く笑むと「そっか、お気に召した様で良かった」と言っては持っていたつげ櫛を鏡台前へと置いていく。次いで眷属くんに魔法と称されれば髪結いの技術など全然だが、そう評価される事自体は嬉しかった為「ふふ、有難う。少しは役に立てて良かったよ」と嬉しげな声色で言い微笑む。それにしても、自身の拙い髪結いでも矢張り元々伽羅ちゃんが美人ゆえ赤い簪も相俟って綺麗だと、思わず見惚れてしまい掛けるも耳へと相手と眷属くんの遣り取りが聞こえて来れば、確かに作戦の決行は早朝なので早く寝ないとと思い。使ったつげ櫛を椿油に浸してはそれから布団を敷こうと腰を上げたところで、どうやら既に準備をしてくれたらしい眷属くんに手を握られると、弟を持った兄の様な気持ちになってほっこりしつつも「うん、僕なんかで良ければ是非此方からもお願いしたいな」と頷いていく。ただ寝る前に彼へと向き直っては「あっ、伽羅ちゃん。髪だけど一旦解くかい?肩が凝っちゃうと悪いしさ」と確か神様は睡眠を取る必要が無いので髪型が夜通しそのままでも平気だとは思うが、窮屈なのも申し訳無いと考えて問い掛けてみて)

(/いえいえ、それは私もそうですのでお構い無く…。済みません、改めて此方こそ宜しくお願いします!)

  • No.516 by 大倶利伽羅廣光  2016-11-03 20:02:12 

(確かに、夜通しこの髪型というのは正直辛い。この髪型をするだけで頭が重くなったような感覚がするのに、遊女達はこれに多くの髪飾りを着けているのだ。なんともないように振る舞う遊女達の我慢強さを身を持って体感するとは思わなかったと内心で考えつつ「ああ、そうさせて貰う。明日、もう一度頼む」と光忠にまたやって貰いたいことを伝えては、簪を抜いて髪を解く。ぱさりと音を立てて畳に落ちた髪を片手で払う仕草をしていると、眷属が何かを思い付いた顔になってこちらに駆け寄り『主も一緒に寝ませんか?』と妙な提案をしてきた。一瞬呆けた後に首を傾げていると『だって、僕ばっかり光忠さんを独り占めするのは良くないです…』という言葉を聞けば、そんなことを気にしていたのかと思わず笑い混じりの声が漏れる。手を伸ばして眷属の頭を軽く撫でながら「悪いが、俺は次郎太刀と話があるからここを離れる。俺の代わりに光忠を任せたい、出来るな?」と、その場の思いつきで適当に作り上げた断りの理由を口にしては、視線を光忠に向けて「(しばらく付き合ってやってくれ)」と眷属には聞こえないよう声無き声を送って)

  • No.517 by 長船光忠  2016-11-03 23:11:48 

(見るからに重たそうな髪型にしてしまった為に緩やかな動作で艶やかな髪が解かれる様子を見つつ「うん、勿論だよ。また任せてくれ」と何度でも相手の役に立てるのは嬉しいので和らげに微笑んでいく。予め起きる時間を少し早めておこうと考えながらいると、不意に伽羅ちゃんへとある提案をした眷属くんを眺めつつ、其の理由に何だか自身の扱いをそう言って貰えて凄く恐縮だと思ったが、ただ彼と同じくそんな眷属くんをつい微笑ましく思ったため小さな笑みを零す。それから、声無き声で伽羅ちゃんから言葉が送られてくればきっと次郎太刀さんとの話し合いは本当では無いのだろうと色々と察し、了解と言わんばかりにこくりと頷くと眷属くんの側に寄ってはその手を優しく掴んで「眷属くん、伽羅ちゃんもそう言ってくれた事だし二人で寝ようか。彼が頼りになるのは勿論だけど、君も頼りになるから今日も安心して寝られそうだよ」と頭を撫でては寝室に促そうとして行き)

  • No.518 by 大倶利伽羅廣光/次郎太刀  2016-11-04 21:55:35 

【大倶利伽羅廣光】

(多くを語らずとも光忠は自分の思惑を悟ってくれたようで、眷属に話しかけながらさりげなく寝室へと誘導する。眷属の使命である主の命令と、光忠と一緒にいたいという願いを同時に叶えられることに気付いたのか、ぱあっと明るい笑顔を浮かべては『はい!任せてください!』と力強くそう言い、光忠の誘導に従って上機嫌な様子で寝室に向かって行った。良くも悪くも単純な奴だ、と僅かに苦笑を浮かべては「さっきの言葉は適当だったが、次郎太刀と話がしたいのはあながち嘘じゃない。少し出て来るが、その間よろしく頼む」と改めて光忠に眷属の面倒を見てくれるよう頼んでから、部屋の襖へと手を掛ける。…と、そこで襖の向こう側の気配に気付いて僅かに顔をしかめてから「…遅くなるかもしれない」とぽつりと呟くように付け加えては、襖を開いて部屋の外へと出た後、振り返らずに素早く襖を閉める。それから、目の前に立っている二人の妖怪へと視線を向けて「立ち聞きか」と問いかけて)

【次郎太刀】

(この建物はありとあらゆる場所に妖怪の術が施されている。唯一術の影響下に無いのが竜神と黒髪の彼、そして眷属がいる部屋だ。神とは真逆の妖の力が満ちたここでは、得意の気配察知もまともに機能しない…と、思っていた。それなのに部屋を出る前に自分達のことを察知した竜神には感服するしか無く「あっはっは!さすがは竜神様だねぇ、バレちゃったか!」と大きく笑ってみせる。隣に立つのは自分の部下であり、彼らの案内役を務めた女性型の妖怪が口元に手を当ててくすくすと微笑み『ほんに、面白いお方ですわぁ。さすがは次郎さまが見込んだ殿方ですこと』と言うのを聞いては、竜神が部下に向けて鋭い視線を向ける。「まーた余計なちょっかいかけたのかい?」と部下に聞いてみれば『だぁって次郎さまぁ?あんなに素敵な黒い髪をお持ちの方を目の前にしたら、わっちらなんかマタタビ与えられた猫同然ですやろぉ?』と艶っぽく笑うのが見えて、反省の色が全く無いのがよく分かる。「悪いねぇ、倶利伽羅。あたしら妖怪ってのはこういう種族だからさ」とフォローになってないような発言をしては、がっしりと今は細くなった竜神の肩を掴み「と、いうわけで!お詫びの印にこれから一杯やろうじゃないのさ!」と誘いをかければ露骨に竜神の顔色が変わり、逃げようとする体に足払いをかけて傾いた所を瞬時に俵担ぎする。『やぁん、次郎さまったら鮮やか~!』『おい!降ろせ!アンタと飲むとろくなことが無い!』という周りの声を耳にしながら、襖の向こう側に聞こえるように「みっちゃーん!倶利伽羅借りてくよ~!明朝までには戻るからね~!」とどさくさ紛れに親しみやすい呼び方を混じえつつそう呼びかけてから、暴れる竜神が落ちないようしっかり支えつつ歩き出して)

  • No.519 by 長船光忠  2016-11-04 23:55:55 

(無邪気に笑う眷属くんを見ては、素直で可愛いと思いつつ寝室へと向かって行くのを見届けて、続けて掛けられた声に後ろを振り返れば「そっかぁ、うん分かったよ。任せてくれ。伽羅ちゃんは次郎太刀さんとゆっくり話して来て大丈夫だよ」と相手から頼み事をされれば責任を持って全うしようと密かに意気込みながら、ひらひらと小さく手を振っていく。が、不意に何やら襖を開ける彼の手が一瞬止まったように見えたので首を傾げたものの、次いで聞こえて来た言葉に何か遅くなる要因でも察したのだろうかと、またもや不思議に思ったが「時間については気にしなくて平気だよ」とだけ伝えて、部屋からその二回りも小さくなっている背を見送っていく。それから数分もしない内に響き渡った次郎太刀さんの声に、嗚呼だからかと納得しては「ええ、分かりました。明朝までには必ず戻って来て下さいね」と口端に片手を充てて少し大きな声で返答すると、伽羅ちゃんってお酒強いのかなと思いながら大丈夫かなと心配しつつ、眷属くんの待つ寝室へと入って行く。冬に近い秋ゆえ少し分厚い羽布団を持ち上げては「さてと、消灯の時間だね。寝る準備は大丈夫かい?」と寝る前に遣り残した事は無いか眷属くんに問い掛けてみて)

  • No.520 by 竜神の眷属  2016-11-07 00:24:58 

(僕がずっとずっと思っていたこと。それは、人間のように自由に動く体と聞こえる声で光忠さんにたくさん気持ちを伝えること。主を通してしか言葉を伝えられなくて、小さな体を一生懸命動かして意志表示するしか無くて。光忠さんはとっても賢いから、僕の言いたいことをいつも察してくれていたけれど、それでも直接言葉を伝えたかったし、ぎゅっと抱きしめて安心してもらいたかった。でも、眷属の姿を変えるには主の力を借りるしか無くて、少しずつ弱っていく主を見てきたから人間の姿にして欲しいなんて言えなかった。でも、悪い神様をやっつけて、前より元気になった主に人間の姿を与えて貰って願いが叶った。だから僕は、人間の姿でいられる今の内に光忠さんにたくさん気持ちを伝えたい。僕の気持ちはちゃんと光忠さんに伝わってるのかな。そんなことを考えていたら光忠さんから声を掛けられて『はい!ばっちりです!』と答えてから、先に布団の中に潜り込む。ぽかぽかとした暖かさとふわふわな感触が気持ちいい。光忠さんが入れるようにあまりスペースを取らないように気を付けながら『光忠さん、暖かいですよ!早く早く!』と呼びかけてみて)

  • No.521 by 長船光忠  2016-11-10 21:06:45 

(思えば、眷属くんとこう言う風に音のある言葉でやり取りをするのは矢張り新鮮だなぁと思いながらも、子供の様に純粋無垢な相手を微笑ましく見ては「うんうん、それじゃあお隣に失礼するね」と続けて布団の中に入り込んでいく。ふわふわとした感覚を下に感じつつ、羽毛布団特有の温かさに眠気が誘われるものの格好悪いため欠伸などは出来ず我慢し、ふと直ぐ横で床に着いている眷属くんを視界に入れては「本当だ。この布団温かいね。良く眠れそうだ」と笑みを零すと、おもむろに手を伸ばして其の頭を緩やかな手付きで撫でていき、隣に温もりが有るのは心地良いなと口元を緩めれば「…誰かと布団で一緒に寝る事なんてあまり無いから、何だか凄く嬉しいよ」と小さな声ながらも伝えていって)

  • No.522 by 竜神の眷属  2016-11-11 22:34:44 

(光忠さんも暖かいと思ってくれているようで、同じ気持ちになれたのがとっても嬉しい。けれどそれだけじゃなくて、光忠さんは僕の頭を撫でてくれた。主がいつもするような優しい手付きで、主に撫でられた時と同じくらい幸せになる。主が帰って来たら、主にもたくさん撫でて貰いたい。でも今は、光忠さんにたくさん撫でて欲しい。…そう思っていると、光忠さんが小さな声で僕に言葉を告げた。思わず顔を上げると、そこには微笑む光忠さんがいる。けど、さっきの言葉はなんだかちょっと悲しい感じがした。それは主が時折見せる悲しい表情と似ているような気がして、それを無くす為に光忠さんをぎゅうっと抱きしめる。『こうしたら、もっと嬉しい気持ちになってくれますか?』と問いかけながら、じっと光忠さんの一つだけの瞳を見つめてみる。主より柔らかい色をした金色の瞳。主と同じ優しい口調。主のように傷がいっぱいある心。主と光忠さんは全然違うはずなのに、二人はなんだか似てる所が多い。だからこそ、主と光忠さんはお互いを選んだのだと思う。『僕は…僕達は、主や光忠さんが嬉しい気持ちになってくれると、とっても幸せです』と気持ちを伝えて、にっこりと笑顔を浮かべて、それから…なんだか、目の前が霞んできた。段々と目を開けていられなくなって、もしかしてこれが眠るということなのかな、と頭のすみっこで考えて『だから…ぼくは…ずうっと、あるじとみつたださんの、そばに…』と、お願いのような言葉を口にして、それを最後に意識が落ちていき)

  • No.523 by 長船光忠  2016-11-16 21:23:48 

突然、ごめんね。
一度お話の方をストップさせて貰うよ。

ちょっと背後が意気地無しでね、僕から大切な事を伝えさせて貰うね。君と君の背後さんとの遣り取りは凄く凄く楽しかったんだけど、色々と此方の理由があってこれ以上続けられそうに無いんだ。…ごめんね、これだけ何度も待たせておいた癖に唐突にこんな事を言うだなんて。…理由については詳細は暈させて貰うね、きっと言っても君と君の背後さんを困らせて嫌な思いをさせてしまうだけだからさ…。ただ、絶対に飽きたとか君が嫌いになったとかではないからね、それだけは絶対に違うよ。こんな立場だから説得力なんて無いけど、それだけはどうか信じてくれたら嬉しい…。

無言で居なくなってしまうのは、さすがに此処まで遣り取りをした君や君の背後さんに失礼だし、それだけはしたくなかったから、こうして伝えさせて貰っているのだけど…逆にこれが嫌だったらごめんね。それと、本当は僕の背後の口から話すのが一番良いのだけどそれが出来ない意気地無しで本当にごめんよ。

…全面的に僕が悪いから、君は何も気にしないでくれ。我が儘な僕に此処まで付き合わせてしまってごめんね、君との遣り取りは凄く楽しかったよ有難う。それと、こんな最後まで自分勝手な文を読んでくれて本当に君と君の背後さんには感謝しきれないよ。

それじゃあ…僕は伽羅ちゃんの幸せを願って、ここで失礼するね。

  • No.524 by 大倶利伽羅廣光  2016-11-17 12:27:53 

…そうか、分かった。アンタ達に合わせてこちらも背後ではなく俺が返事をさせて貰う。

まず、アンタ達自身に何事も無くて安心した。こちらが現実の方を優先して構わないと言ったが、実際に返事が無いと何かあったのではないか、こちらに粗相があったのではないかと不安になるのが常でな。大袈裟だが、アンタ達が健在だということが何より嬉しい。
理由も、詳しくは聞かない。誰にでも話したくないことはある、それを無理に聞こうとは思わない。俺も背後も、アンタ達のことを信用してる。だから、『嫌いになったわけでも飽きたわけでもない』というアンタ達の言葉も信じる。
何かもっと、気の利いた言葉を言えればいいんだが…すまない、俺も背後も、上手く言葉で感情を表現するのが苦手だ。だが、アンタ達とのやり取りは本当に楽しかった。幸せだった、と言っても過言じゃない、と思う。…少し恥ずかしいが。

…正直、アンタ達以上の相手が見つかるとも思えない。だから、別の相手を探すことはせずにこの場所はこのままにしておく。
もう叶わないかもしれないが、もし、アンタ達が戻りたいと思った時は…また来てくれ。俺達はいつでも待ってる。待つのは得意だからな。

俺の傍にいてくれてありがとう、光忠。

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