孤高の竜神と忌み子の生贄(非募)

孤高の竜神と忌み子の生贄(非募)

大倶利伽羅  2016-07-11 22:55:28 
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  • No.481 by 長船光忠  2016-10-12 13:59:20 

(三日月さんを見送れば、何だかまた波乱な日々になりそうだと思いつつも伽羅ちゃんから手紙を差し出されると、まさか一介の人間が読んでも良いとは思わなかったのできょとんとしたが、気になる事は気になった為に「えっ?良いのかい?ありがとう」と受け取っては、その文面を読み込んでいく。手紙に記されていた内容は『神無月上旬。西の都にある人と妖の花街にて、花魁を狙った連続傷害事件が発生。何れも時間帯は明け方近くで、外で一人で歩いている時に背後から襲われている。なお傷口は刃物の様なものである。被害に遭った二人の花魁は犯人の姿は見ていないと言う』と言ったもので、これは中々解決が難しいのではと率直に思う。手紙の裏側の一番上には『店名は極楽浄土、聞き込み調査、現場検証、犯人確保』と遊女屋の住所とやるべき事が書かれているだけで、少し考えた後、手紙を返しては「伽羅ちゃんはこの依頼を受けるんだよね?人手は多いに越した事はないから、僕も連れて行ってくれないかな?」と問い掛けていき)

  • No.482 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-12 20:31:01 

(世にはびこる事件は様々で、神無月には多く起こる傾向がある。それは各地の神が一箇所に集まることで一時的とはいえ守護や監視が疎かになり、人ならざる者達の悪意による凶行が多発するからだ。しかし、手紙に書かれていた会議の内容からは、他の月でも神無月とほぼ同等…下手をすればそれ以上に不可解な事件が起きているようだ。もしかすると、例の邪神による事件もそれに含まれているのかもしれない。今回の依頼がその件と関係があるのかどうかは分からないが、自分の管轄で起きているのならばすぐにでも解決しに行くべきだろう。ここまで考えた所で内容を読み終えたらしい光忠がこちらへ手紙を返す。それを受け取りつつ『連れて行ってくれないか』という問いかけに「元からそのつもりだ」と当然のように返す。その気が無いのならばわざわざ手紙を見せたりはしないし、何よりも光忠に傍にいて欲しいという気持ちの方が大きいからだ。「…一応聞いておくが、アンタはこういう場所での経験があるのか」と、手紙に書かれた『花街』『花魁』『遊女屋』といった単語を指差しながらさり気なく気になっていたことを口に出して)

  • No.483 by 長船光忠  2016-10-12 20:59:16 

(当然のように了承の言葉を返されると「本当かい?ありがとう」と目元を和らげては嬉しげに微笑んでいく。相手は優しいから足手纏いだなんて言うとは思えなかったが、危ないからと言う理由で神域にお留守になる可能性を考えていたので、少しでも彼の力になれる機会が巡って来て良かったと内心で思っていく。何かに太刀打ち出来る力は持っていないが、情報を収集する為の口と耳と足を自身は持っている。だから、そこで役に立とうと考えつついると不意に問われた事に目を瞬かせ「…え?経験?」と指を差している単語を見れば問い掛けた意味が分かって、そう言う事に関しての知識は薄いものの長編小説を読んでいると自ずと『花街』などの単語は出て来るため意味だけは知っており、しかしそもそもそんな所にすら行った事は無いので「いやいや!僕は経験なんて無いよ…!」と慌てて否定をする。逆にそう聞かれてしまうと、神様だが何だか相手の事情も聞きたくなって「…そう言う伽羅ちゃんの方は?」とおずおずと尋ねてみて)

  • No.484 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-12 22:04:17 

(経験は無いと慌てた様子で否定され「そうか」と小さく頷きながら短く返す。花街は良い意味でも悪い意味でも老若男女年齢問わずで何者も拒まない場所だ、それに加えて人のみならず妖怪もいるというそこは並の花街より厄介だろう。そういった場所に行ったことが無いのなら尚更光忠から目を離さないようにしなければ…と至極真面目に考えていると、光忠が何やら遠慮がちに尋ねてきた。一瞬何のことか理解出来なかったが、さっきの話から自分にこそ経験があるのかと聞き返したのだと気付いてそれに返事をしようとしたが、不意に思い付いたことを試してみたくなり、口元に笑みを浮かべては「さあ、どうだろうな。…アンタは、どっちだと思う?」と我ながら意地の悪い質問返しだと思いながらもそう口にして)

  • No.485 by 長船光忠  2016-10-12 22:29:32 

(花街には行った事は無いものの、たぶん手紙によれば犯行現場は何れも外なので遊女屋の奥には入る羽目にはならないだろうと思いながらも、相手から経験が有るか無いかの返答を待っていく。すると返って来た言葉は、肯定でも否定でも無く曖昧なもので「ええ…!もう狡いなぁ…」と眉尻を下げて呟いたが、たぶん相手の性格上そう言う事はしていないだろうと思っていたので、直ぐに小さく笑みを浮かべては「まあ、君は誠実だから僕は経験が無いと思っているよ」と信頼をしているため一つも疑わずにそう返していく。そして、不意に壁時計を見ては「…確か花街って、夜からだったよね?今から出掛ける準備をして今夜にでも行くのかい?」と聞いてみて)

  • No.486 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-12 23:30:54 

(自分が仕掛けた軽い意地悪は成功したようで、光忠の困ったような呟きを聞いて内心で満足する。たまにならこういう戯れも悪くないなと考えては、ちゃんとした返答をしようと口を開きかけた所で、いつもの優しい笑みを浮かべた光忠からこちらを信頼しきっている言葉を返され、思わず面食らって反射的に口を閉ざしてしまう。…慣れないことはするものじゃないな、と僅かな照れを誤魔化すように自分も壁にかけられた時計へと顔を向けて「そうだな、行動は早い方がいい。『連続傷害事件』ならまた被害が出ないとも限らない」と、手紙に書かれていた内容を思い出しつつそう告げ、庭の方へと視線をやり「一応、次郎太刀にも協力要請をしておく。あいつの今の根城が丁度そこの花街だったはずだ」と夜市の時に顔を合わせた酒豪の妖怪の名を口に出しつつ、眷属を送る為に部屋を出ようとした所で、相手の方へ顔を向けて「さっきの答えだが」と、先程の経験の有無に関する話を再び掘り返しては「好きになったのも、触れたいと思ったのも…全部、アンタが初めてだ」と告げてから、相手が何か言うより先に部屋を出て中庭へ向かい)

  • No.487 by 長船光忠  2016-10-13 00:05:20 

(そうだ、“連続”障害事件なのだからあの二件だけで事が終わったとは限らないと相手の言葉で気付かされながらも、なら早いところ犯人を捕まえないとと更に気を引き締め直していく。ふと、おもむろにあの賑やかな夜市を取り仕切っていた妖の名前に懐かしいと思いつつ、そこが根城だと聞けば驚くも何となく想像をすると確かに似合っているとも考えていて「そうなんだ、次郎太刀さんが花街にはいるんだね。知っている人が一人でもいると心強いね」と言葉を返したところで、恐らく協力要請を送る為に部屋を出て行こうとする相手を見ては、自身も出掛ける為の支度をしようと立ち上がった瞬間_唐突に向けられた率直な言葉に「…!?」と音にならず何度か口を開閉させて、遅れて顔が熱くなるのを自覚すれば「うっ…本当に狡い!」と彼の不意打ちの上手さに思わず片手で顔を隠し、儘ならない熱に翻弄されつつも相手が出て行った先を見ては「…僕だって、君が初めてだよ。好きなのも、触れたいのも、何もかも全部…」と聞こえる訳も無い事をぽつりと呟いては、ようやく顔の赤みを引かせた後に同じく部屋から出て中庭へと向かって行き)

  • No.488 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-13 01:03:18 

(辺りを漂う眷属の一つを呼び寄せ、指の先に留まらせては「次郎太刀に使いを頼む。今日の夜にそちらに行くから詳しい話はそこでする、と伝えてくれ」と必要最低限のことを伝えるよう命令をすれば、眷属が指先で数回跳ねて『分かりました!』と意志を伝える。このままの姿だと遠くまで一人で行ける程の力を持つことが出来ないので、何か適当なモノに変化させようとすると、眷属が自分の後ろを覗き込むかのように光る体を傾けてから『光忠さんと同じ姿がいいです!』と要望をされた。そういえば、光忠と出会ったばかりの時にも眷属の一人を光忠そっくりな人間の姿へ変えたことがあったのを思い出し、僅かに迷ってから「…分かった」と頷き、指先へ力を集中する。するとたちまち眷属を中心に辺りが光に包まれ、それが収まる頃には指先から眷属が消え、代わりに立っていたのは光忠に瓜二つな青年。両目が揃っていることと、髪色が自分と同じ色であることが唯一の違いだろう。眷属は嬉しそうにはしゃぎ、自分に向けてぺこりとお辞儀をしてから、後ろにいた光忠の方に駆け寄ると、何の迷いも無く思い切り抱きしめた。『光忠さん!主を選んでくれてありがとうございます!これからもずっと主の傍にいてくださいね、僕達は光忠さんのことも大好きですから!』と、言葉を話すことが出来ない為か声なき声で光忠に語りかけるのが聞こえて「…その為にその姿を選んだのか」とやや呆れ気味に呟く。『えへへー、だって僕らの声って普段は主にしか聞こえないですから。それに、人の姿なら光忠さんをぎゅーって出来ると思ったんです!』と、どこか誇らしげに告げられて)

  • No.489 by 長船光忠  2016-10-13 21:28:58 

(遅れて中庭に着くと、そこに居たのは伽羅ちゃんと自分にそっくりな人…いや、恐らく前にこの姿を借りて来た事があったから眷属くんだろうと考える。ただ前回とは違って髪色が甘栗色なところを見ると、彼と同じ色だと何だか嬉しく思ってしまう。そして何故だかはしゃいでいる様子の眷属くんを微笑ましく見た後、お遣いの見送りをしようとしていたのだがその前にこちらに駆け寄って来るのが視界に入れば、何だろうと思いつつ声を掛けようとしたもののそれよりも早く抱き締められてしまうとその行動に目を瞬かせて驚いてしまう。だが、更に頭の中に眷属くんの声が響いてくれば益々驚くものの同時に嬉しくもあり、背中にそっと手を回しては抱き締め返して「ううん、お礼を言うのは僕の方だよ。僕を受け入れくれてありがとう。…勿論、時間の許す限りずっと伽羅ちゃんの傍に居るよ」と確りと声に出して伝えていく。それから、周りの光達にも視線を向けた後「僕も君達のこと大好きだよ」と微笑んでいき、最後にもう一回抱き締め返してはゆっくりと離れていって、眷属くんと倶利伽羅ちゃんの会話を微笑ましげに聞いていき)

  • No.490 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-13 22:09:53 

(光忠に抱きしめ返されたのが嬉しかったのか、離れた後も幸せそうに笑いながら光忠の傍にひっついている眷属の様子に『いいなー!』『ずるいずるい!』と周りの眷属達が騒ぎ始める。殆ど喧騒に近い眷属達の訴えに深い溜め息を吐いてから「早く行け」と改めて命令を下す。すると眷属はびしっと姿勢を正し、敬礼の真似事をするように額に伸ばした手を当てて『はい!それじゃあ行ってきます!』と気合の入った声音で告げ、自らの手を目の前にかざして入り口を作り、そこに向けて駆け出す。そこを潜る直前でこちらを振り返りながら大きく手を振ったのを最後に入り口が閉じたのを見て「…人の姿にしたのは失敗だったか」と、二度目の溜め息を吐き出す。ただでさえこの神域から出る機会が無い上に、ここの眷属達は揃って無邪気で好奇心旺盛だ。人相手ならともかく、妖怪に良いように遊ばれてしまわなければ良いのだが…。やはり早めに合流するべきかと考え「光忠、予定変更だ。夕暮れにはここを出たい」と、夜になった後ではなく、夜になる少し前に行動を早めようと提案して)

  • No.491 by 長船光忠  2016-10-13 22:54:00 

(弟がいたらこんな感じなのだろうかと思いながらも、にこにこと笑っている眷属くんの頭を思わず可愛さ故に甘やかす様に撫でていき、不意に心なしか点滅している気がする光の眷属くん達には、言葉が分からないため首を傾げてしまう。それから改めて出発して行く眷属くんに「気を付けて行ってらっしゃい。無茶はしない様にね」と大きく手を振る相手に手を振り返して行く。あのように純粋な為に悪い人とかに騙されないと良いけどなんて保護者的な目線で考えつついれば、横から伽羅ちゃんの苦労が染みた溜め息が聞こえて来る。それに何とも言えず曖昧な笑みを零していると、続いて聞こえて来た時間変更の言葉に「夕方かい?うん、分かったよ」と頷いて、時間を早めた事に疑問を持ったが眷属くんの事を心配してかな?と予測をしながら中庭で踵を返せば「じゃあ、伽羅ちゃん。出掛ける準備をして来るね。出来たら酉三つ刻にここに戻って来るよ」と伝えた後、縁側へと上がって部屋に行こうとしていき)

  • No.492 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-14 00:10:22 

(眷属の様子が余りにも気になる故の予定変更だったが、光忠は特に気にした様子も無く了承してくれたので内心で安堵する。準備をしてくると告げて部屋がある方向へ向かい始めたのを見ては「ああ、分かった」と短く返事をしてそのまま見送る。昼過ぎとはいえ夕刻まで時間がある、それまで鍛練の続きでもするかと考えていると、周りを漂っていた眷属達が自分の周囲に集まってきた。「どうした?」と問いかけると、眷属達は数秒間沈黙したままだったが、すぐにそれぞれが意志を伝えてくる。『主、よく表情が変わるようになりました』『笑顔もたくさん見せてくれて、僕達とっても嬉しいです』『ずっとずっと昔の主に戻ったみたい』と次々に告げられたそれらに、少しだけ思考を巡らせてから薄く微笑み「そうだな。お前達がそう感じるのなら、そうなんだろう」と穏やかに答える。自分が竜神として生まれて今日に至るまでずっと傍にいてくれた彼らの言葉だ、間違いなどあり得ない。『光忠さん、受け入れてくれてありがとうって言ってました』『でもでも、光忠さんも主や僕達のこと、受け入れてくれた!』『だから、主も光忠さんも、これからはずーっと幸せいっぱいですよね!』と、信じて疑わないといった様子でそう伝えられては「…ああ。この先、何があったのだとしても…俺は間違いなく幸せだ」と答える。どうか、光忠もそうであって欲しい。自分と同じだけの、いや、それ以上に幸せだと思って欲しい。『あ!じゃあ僕、主から幸せのお裾分けして欲しいでーす!』『じゃあ僕もー!光忠さんと同じ人の姿にして欲しいですー!』『光忠さんにぎゅーってするのは先越されちゃったから、僕は主にぎゅーってしたい!』『ずるい!僕も僕も!』とさっきまでのしんみりとした空気は何処へやら、いつもの調子に戻って騒ぎ始めた眷属達に肩を竦めつつ、口元には笑みが浮かんでいて)

  • No.493 by 長船光忠  2016-10-14 13:29:31 

(中庭から自室へと戻って来ると、さっそく持って行く物を準備していく。ただそれも必要最低限の物で、金色の鈴が付いたお財布と書き物と笠ぐらいだ。あまり物を持ち過ぎても却って邪魔になってしまう。あくまでも花街に観光に行く訳ではなく、調査をしに行くのだから。そこは間違えてはいけない。しかしどんな感じのところなのだろうとは好奇心ゆえに思っており、煌びやかで艶やかな着物を着た人達が沢山いるのだろうかと中途半端な小説の知識で考えていく。自分は無いだろうが、あまり伽羅ちゃんが客引きに勧誘されないと良いなと複雑な心持ちでもいつつも、朝に部屋の掃除をしていた為に着ていた服が少し汚れていたので、黒色の布地に金色の刺繍が一点施された着流しに手早く着替えていく。これは伽羅ちゃんと鶴さんに買って貰った中でも一等気に入っている着物だ。何処と無く気分良く着替え終えれば、時間になるまでは服が汚れない程度の家事を行なっていき、それから酉三つ刻になると件の中庭へと戻って「伽羅ちゃん、準備出来たよ。僕はいつでも出発出来るよ」と話し掛けていき)

  • No.494 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-15 01:44:05 

(眷属達にせがまれている内に池の鯉達すらも一緒になって騒ぎ始めたので鍛練どころでは無く、両方の相手をしている内に時間が過ぎてしまった。もう出発の時刻になったのだと気付いたのは光忠に声を掛けられてからで、本日何度目かも分からない溜め息を吐き出しては「お前達、いい加減静かにしろ。帰ってからまた聞いてやる」と話を締めるようにそう告げると、途端に騒ぎ声と池の水音がぴたりと止んだ。単純だな…と内心で思いながら光忠の方へ向き「すまない、待たせた」と一言謝り、さっそく依頼の手紙に書かれていた西の都に繋がる入り口を作り出す。一応は知っている場所なので繋げることは可能だが、ここからかなり遠い場所なので入り口が多少不安定になってしまう。国永程の術の使い手になればどれだけ遠くても確実にその場所へ行けるだろうが、自分はまだそこまでの練度に達していない。万が一にでも別の場所に飛ばされてしまわないよう注意を払いつつ「行くぞ、光忠」と声を掛けながら手を差し出して)

  • No.495 by 長船光忠  2016-10-15 07:57:19 

(何やら騒ぎを鎮めていた相手に謝られたので「ううん、気にしないでくれ」と時間に関してはまだまだ充分に余裕もある為そう笑みを返していく。そうして西の都へと繋がる入り口が形成されていくのを見ては、確か自身の村からは何日も掛かったぐらい遠い場所だったなぁと考えつついると、完成したようなのでそちらへと近付く。いつもこの入り口を潜る時はドキドキすると思いながら心の準備をしていたところで、おもむろに彼から手を差し伸べられれば、嬉しくてついぱあっとした笑みを向けては「うん、行こうか」と手を繋いで一緒に入り口を通り抜けて行く。次に視界を開けた時は、茜色に染まったまだほんの僅かに明るい花街の景色。張り見世には格子女郎は居らず、全体的に客も少ない開店前の状態だ。しかし徐々に芸妓屋や遊女屋は準備をしているのか、左右にずらりと並んだ楼の提灯には明かりが灯っていた。奥まで続く遊郭の楼と提灯の景色は圧巻の一言に尽き、更に奥の中央広場らしきところには秋にも咲く不断桜の大きな樹があって綺麗に花を咲いている。ふと、何気無く後ろを見ると、すぐ近くに木製の大門があって此処が入り口よ近くだと分かり、ただ花街の道は分からないので「伽羅ちゃん、次郎太刀さんが何処に居るかって分かるかい?」と髪色を隠す為に笠を被り直して問い掛けてみて)

  • No.496 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-15 19:22:14 

(周りに花が咲く幻覚が見えるような明るい笑顔を浮かべた光忠が手を握るのを見て、こちらも緩く笑みを浮かべてはしっかりと握り返し入り口を通る。一瞬にして変化した華やかな景色を見渡し、ここが目的地である西の都にある花街だと確認をして密かに安堵の息を漏らしては、光忠からの問いかけに対して「ああ、それなら…」と返事をしようとした所で『おやまぁ、まだ日が降りてない内に来はるだなんて…随分とせっかちな殿方はんでありんすなぁ』と不意に声を掛けられる。声がした方を向くと、そこには赤の布地に紫の縁の着物と深い緑色の帯を締め、赤みがかったうす茶色の長い髪を金色の簪で結った女性が立っていた。帯の締めをわざと緩くして肩と胸元を強調するようにはだけさせており、手には薄い灰色の煙を吐く煙管を持っている。女性は面白がるような怪しくも美しい微笑みを浮かべながらこちらに近寄り、笠に隠れた光忠の顔を下から覗き込んでは『こちらの殿方はん、ほんにお綺麗で可愛らしい顔してはりますなぁ。それに、夜とも闇とも取れる黒の髪…素敵ですわぁ』と、どこかうっとりとした表情をしながら告げる。明らかに獲物を狙う眼差しをしている女性に鋭く尖った視線を向けると、それに気付いたのかくすくすと笑みをこぼして『でも、ざぁんねん…隣の甘茶と金の殿方はんがこわぁい顔してはりますし、つまみ食いはやめときます。ふふ、ほんに残念やわぁ』と言って下がる女性と光忠の間に割り込むように移動してから「アンタ、妖怪だろう。それも相当力が強い」と問い詰めると、女性は赤い瞳を輝かせ、僅かに裂けた舌先を覗かせては『ご名答、さすがの慧眼でありんすなぁ。水の寵愛を受けし竜の神…まさにその名に相応しい清廉なお方ですこと。次郎さまの仰る通り』と、女性は覚えのある名を口にして微笑み)

  • No.497 by 長船光忠  2016-10-15 22:16:19 

(不意に第三者の声が聞こえて来ればそちらへと見遣り、格子ではなく店前に居た一人の遊女が目に映る。人目を惹く程の艶やかな着物だが色々と目のやり場に困る着方をしていたので、笠を深く被りやや視線を彷徨わせていると突然下から覗き込まれたので驚いて少し後ろへと退がる。しかも女性には言われた事の無い褒め言葉を言われたのだから返答に困って「いや、あの…そんな事はありませんよ」と苦笑気味にやんわりと否定をするのが精一杯で、微かに冷や汗をかく。この様に華やかな花街で自分になんかに声を掛ける客引きなど居ないと思っていたので、どうしようかと考えていれば間に割って入ってくれた伽羅ちゃんにほっとして、情け無くて格好悪いがすすっと後ろに隠れさせて貰う。それから自身には全く分からなかったが、目の前の遊女は妖怪なのかと会話の遣り取りを聞いてやっと気付き、その口から今まさに探している次郎太刀さんの名前が出れば、この人はあの人の知り合いなのかな?と事の成り行きを大人しく見守っていって)

  • No.498 by 大倶利伽羅廣光  2016-10-15 23:53:52 

(まだ日も落ちておらず、店も準備の途中であるこの時間帯に遊女が一人で客引きをしているのはおかしい。遊女を狙った連続傷害事件が起きているのなら尚更だ。そして、その疑いは光忠の黒髪に興味を示した時に確信へと変わった。呪いや不幸だと疎まれているその色を手放しで褒めるのは、人の常識に囚われない神か妖怪のどちらかだ。「大方、次郎太刀に言われて俺達が来るのを待っていたんだろう」と告げると、女性は微笑みながら『ええ、その通り。そちらの殿方はんによう似てはる可愛らしい子が尋ねて来はってなぁ、わっちは次郎さまに出迎えを命じられたんですわぁ』と言ったのを聞き、どうやら無事に次郎太刀の元へ行けたようだと内心で安堵する。しかし、それを聞いた後で新たに分かったことに関して問い詰めようと鋭い視線を向ける。「…アンタ、全部分かってて光忠に言い寄ったのか」と僅かに怒りを滲ませた声音で言うと『やぁん、そないな顔せんでおくれやす。わっちら妖怪の定義、竜神さまだってご存知ですやろぉ?』と妖艶な笑みを浮かべて悪びれる様子も無く告げて『面白ければそれで良い。そう、面白ければ何でもするのがわっちらなんどす。ゆめゆめ、お忘れなきように』と、何処か忠告のようにも聞こえる言葉を口にしてから、くるりと身を翻して『さぁて、お話はここまでにして、次郎さまの所に案内させて頂きますわぁ。しっかりついてきておくんなし』と言って歩きだした女性の背中を数秒見つめてから、後ろに身を潜めるように隠れている光忠へ顔を向け「光忠」と名前を呼ぶ。位置が変わったことで離れてしまった手をもう一度繋ぎ直しながら「大丈夫だ、行くぞ」と短く声を掛けて歩き出し)

  • No.499 by 長船光忠  2016-10-16 00:44:29 

(出迎えとの言葉を聞けば、嗚呼だからこんな芸妓屋や遊女屋が開いていない早い時間帯にも関わらず一人だけ遊女の方がいた訳かと、納得をしていく。しかしそうだとしたら、自身にあのように声を掛ける必要は無かったのではと純粋に疑問に思って首を傾げていると、心なしか伽羅ちゃんの少し怒った声が聞こえて来たので慌てて自分は大丈夫だと言うように、背中を軽くとんとんと撫ぜていって落ち着いて貰う為にそう行動で伝えていく。ただ遊女の方はその声色にも動じずに、くすくすと妖艶に笑っていたので何処と無く妖怪の本質を垣間見た気がして、背筋に悪寒のようなものが走る。人型であって人ではない。情のある神様ばかりと接していた為か、妖怪の底知れなさには気を付けようと考えつつ聞き慣れた声で名前を呼ばれると安心して「伽羅ちゃん…ありがとう」と思わず自然に笑みが溢れて今度は離さないよう手を握り締める。そうして、遊女の方の後をついて行って歩いて行けば花街の中でも一際大きな楼の前で足を止め『此処が次郎さまの居る楼どすえ。中には彼方から入っておくんなまし』と着物袖で促されたのは木製の大きな入り口で、如何にも遊女屋と言った雰囲気が漂っていて中々に入りにくいと考えながらも「えっと…行こうか」と伽羅ちゃんの手を引いていこうとし)

  • No.500 by 大倶利伽羅廣光/次郎太刀  2016-10-16 20:35:48 

【大倶利伽羅廣光】

(歩いている内に段々と辺りが薄暗くなっていき、少しずつ人が増えてきた。夜が近付くにつれてまるで別世界のように独特の景色と雰囲気を放ち始める街中を視線だけ動かしつつ眺めていると、目的地であろう楼へと辿り着く。どうやらこの花街で最も大きな建物のようで、主に赤系統の装飾で飾られているそれは絢爛豪華という言葉が相応しいだろう。指し示された入り口から香る花のような甘い匂いに目を細めながら、入ろうと促す光忠に「ああ」と短く返事をして中に足を踏み入れる。ここまで先導してきた女性は外に立ったままゆらりと片手を振り『わっちはここまで。次郎さまによろしゅうたのんますわぁ』と告げるのが聞こえ、頷きだけを返して奥の方へと進んでいく。徐々に強くなっていく花の香りは恐らくお香ではなく、妖怪が用いる術か道具の一種だ。詳しいことは知らないし知りたいとも思わないが、妖怪が扱う香りや匂い系統は人間に対して幻覚や誘惑の効果を発揮することが多いと聞いたことがある。万が一にでも光忠が惑わされないよう繋いだ手に強く力を込め、立ち止まることなく真っ直ぐ進む。そうして辿り着いたのは赤と金の花模様が描かれた大きな襖で、この先から感じる気配に大きく息を吐き出し、襖に手を掛けて思い切り横へ滑らせると、その先にいたのはあぐらをかいた状態で上機嫌に酒を飲んでいる次郎太刀と、その上に小さく座り込んで頭を撫でられている眷属の姿で、眷属はこちらに気付くなり嬉しそうな笑顔を浮かべて『主ーっ!光忠さーんっ!』と無邪気に両手をぶんぶんと振って)

【次郎太刀】

(最初に姿を見た時は、何でこんな所に一人でいるのかと大層驚いてしまった。けれど、よくよく見れば髪色と両目が違うことと、見覚えのある神気を纏っていることに気が付き、そこから竜神の眷属であると頭の中で結びつくのは早かった。そして眷属の言葉通り、竜神と黒髪の彼がこの部屋へやって来たのを見やり「ようこそ、お二人さん!夜市以来だねぇ!」と明るく笑ってみせる。眷属の頭を撫でていた手を降ろして軽く背を押してやると、眷属はこちらを見上げてにこっと笑みを浮かべ『次郎さん、ありがとうございました!』と礼を告げてから二人の元へと駆け寄っていく。「ここを根城にしてるアタシも悪いっちゃあ悪いんだけどさぁ、こーんな無法地帯にそんな純粋な子放り込んじゃ駄目じゃないのさ。もしも営業中の時間だったら、きっと喰われちまってたよ?」と少しからかい混じりにそう言えば、眷属がぴゃっと小動物のような声をあげて二人の後ろに隠れてしまった。竜神はそれを見て仕方ないと言いたげに肩を竦め、黒髪の彼と繋いでいた手を離しては『光忠、世話を頼む』と後ろにいる眷属のことを指した言葉を口にしてから、自分の近くまで歩み寄り、静かにその場に座る。『次郎太刀』と表情一つ変えずに名を呼ばれれば「うんうん、用件を伺っちゃおうか。単に世間話をしに来たわけじゃないんだろう?」とあくまで笑顔は崩さずに話をするよう促して)


(/背後失礼します!今回の依頼ですが、具体的な犯人等は考えていらっしゃいますでしょうか?もしそうなら教えて頂きたいです!)

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