▼ 2016-07-07 20:25:24 |
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_…色々と聞きたい事はありますが、先ず一つ目。貴女の目的は何ですか?…いえ、疑っているとかでは無く部外者の俺に特効薬を頼んだ事が気になったので。
( その時は来た様で相手から質問の場を設けられれば、聞きたい事など正直色々とあるが中でも二つほどあり先ず一つ目は彼女の目的。本来なら部下に持って来させる予定だろうがその者達の気配すら研究所には無いため、偶然…と言うべきか偶々その場に居た己が電話に出た事で条件付きの約束を交わし。普通は部外者の他人にこの様な約束事はしない為に何か裏があるのではと少々勘繰り過ぎながらも、警戒されぬよう声色を和らげて問い掛けていき )
( 『わたくしの目的は、大量感染後、薬を売ることで会社の利益をあげる事ですわ。本来ならもう薬は大量生産させている予定だったのですが…新研究所に置きっ放しですの。部下は無能で誰一人も使えないからこそ部外者の貴方に頼んでいるのです』と電話越しの彼女は本気とも嘘とも取れない調子で話していき、随分と部下に対して辛辣な事を言うものだと思っていて )
成る程、…随分と部下に手厳しいですね。──では最後に、研究所の人間が何処に行ったのか貴女はご存知ですか?
( こちらの質問に躊躇いもなくぺらぺらと話していく様子は本気とも嘘とも取れない判断のしにくい調子で、先程から自分の部下に対して辛辣な事を口走るのが気になり思わずぽつりと本音が出てしまい。幾つも質問をしては時間が無くなるので最後に、相手の部下が姿を消した事は知っているのか尋ねてみて )
( 『ええ、知っていますわ。何せわたくしが研究所職員に新研究所へとチャコタの沈静化に向かわせたのですもの。…けれど、新研究所からの連絡が少し前に途絶えてしまいましてね、恐らくチャコタによるものだと思われますけど。まあ、帰ってきていないということは全滅したのでしょう』と平然として言うものだから一瞬聞き流しそうになったものの、つまり今は新研究所ではチャコタが居て危ないのではないかと言う事と、部下にその様な事を強いた相手の人格を疑っていて )
──!?、……。
( 平然とした物言いで問題発言を耳にすればあまりにも、衝撃な事実に目を見張るだけで声が出ない。新研究所に居るチャコタが危険な事くらい社長である彼女は理解していてあの様な命を下したとすれば、その後の事は容易に想像が出来。恐らく自分達も下手したら部下の様に全滅する可能性は十二分にあり、眉根を寄せて色々と言ってやりたいと思ったもののグッと言葉を飲み込んでは「…それでは、今から新研究所に向かおうと思いますので電話を切らせて頂きますね。お話をお聞かせ頂きありがとうございました」と最後まで丁寧な敬語使いを心掛けては受話器を置いて電話を切り )
……長谷部くん、大丈夫だったかい?
( 女社長との電話が切られたタイミングでそっと声を掛けると、内容が内容だったので心情諸々心配気に思って声を掛けていき )
───あ、嗚呼、何とか…。
( はぁ…と溜め息を一つ零しては横から声を掛けられ視線を動かし、電話を切る前の内容が脳内に繰り返し再生されると胸糞悪くなったがそう短く返事を返していき。現在の時刻を確認する様にスマホを取り出し見ればちょうど昼になろうとする時間だったので「…もう昼か。丁度良い、適当に昼食を済ませるとしよう」と端末を仕舞いつつ呟いていって )
え、あっ…もうそんな時間か。
( 何とかとの言葉を聞けば安心するものの、ふと時間の事を言われれば自身の腕時計を見て今がお昼だという事を知っていき。この辺りの事は良く知らないが外に出たら何かお店があるだろうと考えて「そうだね、なら研究所から出ようか」と言って足を進めていき )
外に出て来たが…近くに飲食店はあるだろうか。
( そそくさと研究所から出て来れば先程まで気味の悪い場所に居たからか外の空気を吸い込むと少し落ち着き、それにしてもこの辺りの事は自身も良く知らないのできょろきょろと辺りを見回し店が無いか探していて )
ええと、カフェとイタリアンと中華屋があるらしいよ。
( 研究所の外に出るとスマホでマップを開いては近くの飲食店を検索していき、するとヒットしたのが三件だったのでそれらを口に出せば「長谷部くんはどのお店が良いかな?」と問い掛けていって )
俺は何処でも、長船の好きな所で頼む。
( この近辺はやけに人通りが少ない気がする等とどうでも良い事を思いながら相手の方に向き直ると、近くの飲食店を探していてくれた様でどの店を聞かれるも軽く食せるのなら何処でも平気なので彼に任せようとし )
なら、イタリアンに行こうか。結構レビューも良いらしいよ。
( カフェも良いと思ったのだが、それは昨日長谷部くんが行っていたので同じ系統では飽きてしまうだろうと考慮して、見た目も味も良さそうなイタリアンに決めていき。今後憂鬱な事が控えているからか、今だけでも明るく努めようと「僕が案内するね。付いて来てくれ」と笑みを浮かべては手招きして歩いて行き )
…イタリアンか。偶には良いかもな。
( あまり外食はしない派なので、それも料理が苦手で普段はコンビニ弁当と言った食生活の偏りがあるも本人は全く気にした様子は無い。そのせいか、ぽつりと呟けば小さく笑みを零して「嗚呼、分かった」と手招きされた方向へと歩き始めて行って )
あっ、此処だよ。意外と近かったね。
( 数十分後、街道を歩いていれば見えて来たイタリアンの店を指差していき。テラス越しから中を見ると割と人が多くいて、しかし如何やらまだ席は空いているらしくウェイトレスがこちらに気付いて人数を訪ねて来るのに、二人と答えては席へと促されたので「席空いていて良かったね」と相手に言っては座っていき )
嗚呼、そうだな。割と人が多く居るのに席が空いているとは運が良いな。
( 二人用の席に案内されては椅子に腰を掛けて、控えめに周囲を見渡すと視線を相手に移して上記を述べ。目の前にメニュー表を置かれたので手に取って一つ一つ目を通しては、何を注文しようかと考えつつちらっと彼を見ると「お前は何を頼むんだ?」とそう尋ねてみて )
そうだね、僕はモッツアレラチーズとバジルのトマトパスタかな。
( 確かに運が良いなぁと思いながら置かれたメニューを一通り見ていき、どれも中々美味しそうだったが特に目を引いたものがあったのでそれに決めていき。次いで「長谷部くんは何にするんだい?」と尋ねてみて )
俺はペスカトーレにする。
( 彼の口にした料理を見れば、それも美味そうだと思いながら散々迷った挙げ句にそう言うと近くに居た店員を呼んで「__と、__をお願いします。他に何か注文はするか?」と注文の品を伝えれば一応聞いていき )
いや、僕は他に注文は無いよ。
( こちらを気遣って再度尋ねてくれた長谷部くんに微笑み掛けては、他に頼む物が無い事を伝えていって。「君は他に注文するかい?」と反対に問い掛けていき )
そうか。俺も特に無いな。
( 頼む物が無いのは自身もなので目の前で微笑み掛ける長船を見遣り、そう答えては「じゃあ、それだけでお願いします」と再度店員の方に向いて頼んでいって )
ここの店の料理、美味しそうだよね。楽しみだなぁ。
( 店員さんが『畏まりました』と言って頭を下げ踵を返すのを見つつ、これから起きる事を今は忘れようとして先程写真で見たイタリアンの事について話せば、料理が来るのを待ち遠しく思っていて )
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