▼ 2016-07-07 20:25:24 |
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ふっ、俺も端から諦める気など毛頭無い。絶対に治る方法を見つけて俺達の日常を取り戻すぞ。
( 端末から視線を相手に移すとその意思の強さを隻眼に灯した表情と、力強い声音で述べられれば先程までの着実に迫る恐怖と不安が募っていたものの彼のお陰でそんな感情は少し消えて。うっすらと笑みを零すと一刻も早くこの動乱を収めて、普段の何気無い平和な日常を取り戻す為に冷静な声色で告げていき )
オーケー、勿論だよ。
( 彼がいつもの調子に戻ったのを見ては安堵と同時に笑みを浮かべ。ファイルをしまった後、公園のベンチから立ち上がれば一度彼の方を見て「じゃあ、ヒメユリ製薬会社を調べる為にも『この論文を書いた研究者』と『最初に花吐き病で亡くなった研究者』が研究していた『ヒメユリ製薬研究所』に行ってみようか」とホームページを見る限り本社と研究所は分断されていたので、自分達が欲しい情報は恐らく本社には無いだろうと考えてそう提案していき )
嗚呼、分かった。
( こちらも彼を見上げて一つ頷くと公園のベンチから立ち上がり、ふと行き先も決まったのだが昨日は結局裏掲示板で得たヒメユリ製薬会社の研究者の噂話しか調べておらず肝心の『ヒメユリ製薬研究所』の住所は知らない為にやや眉を下げつつ「…済まない。生憎その研究所の住所は知らないんだがお前は分かるか?…出来れば案内して貰えると有り難い」と申し訳無さげに尋ねてみて )
大丈夫だよ、長谷部くん。ホームページの別リンクに書かれているから分かるよ。
( 申し訳無さそうにする彼へと首を横に振っては、ささっとスマホを操作して「…えっと、あそこの電車に乗ってA駅で緑色の電車に乗り換えてからF駅で降りて、駅の近くのバスで『緑ヶ丘公園前』と言うバス停で降りれば着けるそうだよ」と道順を説明していき )
済まない、助かる。
( 確りと道順を頭の中に叩き込むと丁寧な説明なので直ぐに覚える事が出来、微かに口許を緩めて感謝の言葉を述べ。よしと、先ずは待ち合わせ場所に利用した駅前に行こうと「では、彼処の電車に乗るぞ」と駅へ身体を向けて歩き出して行き )
いえいえ、どういたしまして。
( むしろこんな事態になってから助けられているのはこちらの方だと思いながら、言葉と共に笑みを返し。駅に向けて歩き出した彼の後を追うように「オーケー、“ナビゲート”は任せてくれ」と言いつつ横に並んで歩いて行き )
( / 今晩は、研究所へと行くまでの過程は飛ばしてしまっても大丈夫ですよ )
_お前の言った道順からすると此処が『ヒメユリ製薬研究所』だな。
( 頭の中に叩き込んだ道順と相手の“ナビゲート”を頼りに何とか目的地の『ヒメユリ製薬研究所』へと着いて。彼に確認するのも含めてぽつりと呟けば、外観を見渡す様に何か“目星”い情報は無いかと見ていき )
( / 了解しましたー。研究所へと着いた所からロルを回させて頂きますね )
そうだね、ここが『ヒメユリ製薬研究所』だね。
( 表に出ている看板を見ては、自分達が探していた建物…本社ではなく支部の小さな研究所で間違いは無かったので頷いていき。同じく“目星い”ものは無いかと、きょろきょろと周りを見回すも、逆に人影すら見当たらずに「無人、なのかな…?」と首を傾げ )
( / ありがとうございますー )
( ※ ハンドアウト→研究所の中はすっからかんになっており、受付の人すらおらず中に入るのは容易そうである )
だな。まあ、探索をする上で邪魔されずに済むのは助かるが。
( “目星”いもので得た結果、研究所の中はと言うと人影が無い上に受付の人すら居ない事に若干違和感を覚え。一応周囲に警戒を怠らぬよう彼の方を見て「何が起こるか分からない以上、警戒しつつ中に入るぞ」と言い終えれば研究所の正面口から奥へと進んでいって )
それもそっか、ちょっと不気味だけど…。
( ぽつりと呟いては研究所の中へと進んで行って。中は相変わらずの無人で、床にはガラス片などが散らばっており踏まないように気を付けようとしつつ、研究室だったり資料室が無いかどうかを見つけて行こうとし )
ここは資料室じゃないか。
( 同じく足元に注意を払いつつ仄暗い室内ゆえ慎重に廊下を歩きながら先に左側から探るつもりで其処を曲がれば、進むに連れて資料室と書かれた場所を見つけて足を止め。人の気配は感じないが入室する前に“聞き耳”を立ててみて )
あっ、本当だ。資料室だね。
( ピタリと足を止めて部屋の名前を確認すると、一応人がいたらマズイので小声で頷いていって。聞き耳を立てている相手の邪魔をしないように自身は大人しくしていて )
( ※ ハンドアウト→資料室の中からは何も聞こえない )
この中からは何も聞こえない。人は居ないようだ、俺が先に入る。
( 扉から耳と身体を離せば相手の方へと視線を移して資料室の中に人の気配はしないのでそう判断し、何かあった時の為にも自身が彼を守れるよう上記の言葉を紡いで。ドアに手を掛けゆっくりと開ければ先導しつつ中へと入って行き )
オーケー、でも気を付けてね。
( 何も聞こえないとは言え、何かが潜んでいる可能性もあるので上記を述べて。それに、緊急事態が起きた時は直ぐに相手の手を引っ張って後ろに退げて逃す意識は持ちつつ、続いて資料室の中に入って行き。棚には研究ファイルがぎっちりと詰まっていて「…図書館並みに資料があるね」とぽそっと呟き )
ふむ、ここも図書館同様に手分けして探す方が効率は良さそうか。
( 視線の先にある棚には詰め込まれた研究ファイルの数々を見ては、考える様な声色で呟いて。隣に立っている彼を一瞥しつつ「俺は左側を調べるからお前は右側を頼めるか」とそう提案していき )
分かった、僕は右側だね。
( その指示を受けるとこくりと頷いて直ぐに右側の棚へと移動をしていき、一つ一つのファイル名を見て調べるがこれは日が暮れてしまいそうだと、何とか効率的に行こうとして流し読みをしていって )
( この空間に二人で居るなら単独行動をしたとしても大丈夫だろうと頭の片隅に置いておき、自身も左側の棚へと移動し同様に一つ一つのファイル名を見て調べながら、“目星”いものが無いかと見落としなく探していって )
( ファイルを開いて中身を確かめていれば、突然の嘔吐感に見舞われ「_ッ、」と何とか耐えようとするものの不可能だった為に、相手に余計な心配を掛けたく無いがゆえ気付かれる前に慌てて扉を開けて外へと出れば、扉を閉めてそこで思いっきりゴホゴホと咳き込んでいって。咳と共にひらひらと溢れる菊の花弁を忌々しく見た後、花吐き病の進行に多少の不安と恐怖はあったが少し熱っぽい頭を横に振り、気持ちを切り替えて今度はこっそりと資料室の中へと戻って行こうとし )
( ※ ハンドアウト→『研究ファイル。改良植物M2−51_通称“人面花”について』人の脊髄に根を張り成長する危険植物の改良に成功。本来ならば寄生した植物は発芽と同時に人体を突き破り破壊するが、このM2−51は体内で発芽し徐々に宿主となった人間を養分にする事が可能。また寄生させる際、呪文を植物に宿す事が可能であり、これを利用すれば植物の成長を急速に促す事も出来る為、発芽時期をある程度コントロールする事も出来る。)
( とある一冊のタイトルを見て手に取りペラペラと頁を捲りつつ内容を読めば「これは…」と人面花について記載されていたので反対側を調べている相手に情報を共有する為に、その研究ファイルを持ったまま彼の姿を探して。ちょうど入り口付近に相手が居たので、…?とやや首を傾げるも気にした様子は無くそのまま歩み寄れば「…少し良いか。人面花について記載された研究ファイルを見つけた」と手中にあるそれを見せて )
( はぁ…と息を吐きつつ静かに扉を閉めれば、中断していた散策を続けようとしたところで彼に話し掛けられれば少々驚き動揺し掛けたものの、直ぐさま体裁を取り繕っては「!…え、それ本当かい?凄い手掛かりになりそうだね」と言いつつ相手からファイルを受け取ると「…ふむ、養分か」と情報を共有していき )
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