都々 2016-06-18 21:21:15 |
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綺麗な言葉遣いとか表現方法の面白さとか、そういうもので評価される文章を書く人は素直にすごいと思うし、私にはない魅力に憧れを感じたりもする。それでも私が一番嬉しいと感じるのは、わかりやすさだったり読みやすさだったりを褒めて貰えた時。普段色んな物を読む人から綺麗な文章だと言われたら、そりゃ嬉しくないわけない。だけど本なんて全く読まないような、読むのが苦手と言ってた人が私の文章を読んで「何故か最後まで読めた」「面白かった」と言ってくれた時の、言葉では言い表せないあの感情を私は忘れられない。
文章を書き始めるきっかけになったのはたぶんあの時。小学4年生の頃だったと思う。道徳だったのか生活だったのか、何の授業だったのかは覚えてない。国語とか算数のような教科書に沿った授業ではなくて、クラス毎に担任の先生が内容を考えるような授業のどれかだった。
他のクラスがプリント学習だとか代わり映えしない内容をしてる中、うちのクラスは担任の先生が本の読み聞かせをしてくれた。「びりっかすの神様」に出会ったのはその時。何回かの授業に分けて読んでくれて、最初は読み聞かせなんかに興味ないって子も意外と寝ずに聞いてた。最後の読み聞かせが終わった日、親にこの本を買ってくれとせがんだのを覚えてる。だけどそれよりも印象的だったのは、普段授業前の本を読む時間ですら真面目に読むことなんてなかった子たちの何人かが泣いてたこと。先生の読み方が上手かったこととか、当時私たちの年齢に刺さる話だったこととか、色んな要因があったんだと思う。ただ、小学4年生の私には「本ってすごいんだ」と、そんな漠然とした感動があった。
都々は黒い髪、金の瞳を持ち、外套のフードを目深にかぶって首輪型の呪具をはめられている人間です。二丁銃を愛用しています。ある日道で倒れてる吸血鬼を見つけ、成り行きで世話をしています。
この診断好き。吸血鬼ものがたり。吸血鬼さんのお世話したい。
21世紀美術館のジャネット・カーディフ & ジョージ・ビュレス・ミラー作品がものすごく良かった。久しぶりに心臓を射止められてしまった感覚。観客も合わせて部屋全体が一つの作品として完成していたのがとんでもなく好みで、空間一つ一つに引き込まれた。
( 固く平らな地を蹴り、軽い体を空へ預ける。舞い上がる細かな砂と星の欠片。ふわりと浮き上がる感覚に身を任せると、まるで自分も無数に散らばる宇宙ごみの一つになったかのような感覚に陥る。いや、宇宙に捨てられたものという括りで考えるのならば強ち間違っていないのかもしれない。腰のベルトにぶら下げた試験管型の容器の一つを一撫でし、中で輝くピーコックブルーの光を揺らす。光の数は二つ。この広大な黒い海を行く宛もなく彷徨う日々はまだ終わりそうにない。これを全て集めきるまでは、帰る場所も迎えてくれる者も存在しないのだから。__ああ、いけない。思考まで宇宙の何処かへ遣ってしまっていた。ふと我に返ればすぐ側まで小さな岩が迫っている。くるりと身体を反転させ、岩に手をついた反動で方向転換して星の隙間を抜けた。遠くの方で落ちていく星が見える。尾を引くそれを地に縛られた者たちは“流れ星”と呼ぶらしい。星が流れ終わるまでに願いを告げることができればその願いは叶うのだとか。ならば「 もう一度 」その言葉が続く前に流れる星と己との間の空間に亀裂が走り、裂け目から巨大な物体が現れた。群青の体から小さな黄金の光を溢れさせるそれは静かに宇宙を泳ぎ始める。「 宇宙鯨だ 」珍しいこともあるものだ、こんな寂れた宇宙の片隅に鯨が現れるとは。どうやら己の行き先と鯨が向かう場所の方向は同じらしい。足を上下に動かして近くへ寄れば光の欠片が己の手に、頬に触れた。優しい光だ。「 分かれ道まで、一緒に行っても良いかい? 」返事こそなかったものの、前方に浮かんでいた岩の塊を胸鰭で除けてくれたところを見るに肯定されたと受け取って良いのだろう。ふと先程見ていた方向に視線を遣ったが、そこには既に星の流れた跡すらもなくただ黒とも青とも取れる暗闇が広がっていた。やはり願いを叶える為には己の力で進むしかないらしい。温かな光を隣に感じながら、沢山の星とごみと願いとを抱える広い広い宇宙の水を掻いた。 )
頂いたお題で早速書かせて頂きました。がっつりSFで行くか、ふんわりとよく分からないファンタジー風世界観で行くか迷ったけど最終的には後者に。普段あまり書かない文章の雰囲気を楽しめて大満足です。>593様ありがとうございました!
都々 様
あまり書かれない雰囲気と言う事で、楽しんで貰えたみたいで良かったです。此方も楽しかったので良ければまた、遊びに来させて下さい。突然の訪問にも優しくして下さった上に綺麗なロルを読めて此方も大満足です。書いて下さり有難う御座いました。( ぺこり )
失礼します…!
今晩は、初めまして、じゃないんですよね…実は。お名前で気付いて頂けたら有難い限りなのですが、つい先日携帯を水没させまして…ブクマがぶっ飛んでしまってどうしようかと嘆いていた所に都々さんのお部屋を見つけて、と言った次第であります。
御返事にお部屋を見つけなければいけないのでしばらくかかってしまうかと思いますが申し訳ありません…!
くろさん
わああお久しぶりです‥!
そうだったのですね、良いタイミングで上げることが出来て幸運でした。携帯さんのご冥福をお祈りしつつ、のんびり待たせて頂きます。
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