とある猫。 2016-05-21 16:35:37 |
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『無題』(創作/体験談) 投稿者=作者
子供の時
知っている野山
電話ボックスぐらいのサイズの公衆トイレ
体験者は自分
開けてみた
人が入っていくのを見たから
中は暗かったよ。扉は勝手に閉まった。
電気もなくて、臭くて気味の悪い虫がいた。とても今も使える雰囲気じゃなかった。
だから、すぐに出たんだ。
そしたら、驚いた。外は真っ暗になっていてね。
俺がトイレに入ってから、ほんの数分だって経ってなかったはずなのに。
不気味さにすぐに帰ろうと思ったけれど、その時、後ろから音がした。
「誰?誰?」って声が聞こえて、思わず振り向いたら、あのトイレの扉が少し開いていて、白い顔が横に沢山並んでこっちを見ていた。4番目くらいの高さにあった男の顔が顎だけで扉を押しあけ、俺の方を見て目を見開き「ああ、次は男の子なんだ」と言ったあたりで、俺は叫んで駆け出した。
今もあれが何だったのかは分からない。
家に帰ったら、もう夕飯の時間だったけれど、普段、門限を破ったらうるさい母親がその日に限っては何も言ってこなかった。
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