匿名さん 2016-05-12 23:16:13 |
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暗い森の中、火の灯ったランプを片手に下げている一人の女があまり道とも呼べない草花が生えた道を歩いている。冷たい夜風が色白い頬を撫で、長く真っ直ぐな黒髪をなびかせた。何故こんな時間に、森に女がいるのだろうか。
それはこの場所にいつからあるのか、誰が作ったのか分からない一つの少女の姿をした石像がよく晴れた満月の夜。石像から人間その物の身体へと変化し、美しくもどこか儚げな歌声を響かせるといった噂話を聞きつけたため単なる好奇心旺盛な性格から、実際に確かめてみようと行動に移したからである。どうやら、行動力は割とあるらしい。
緊張と興奮などの感情が混ざり合い、まるでそれが表れているかのように足取りは少し忙しなくせかせかとした動きだ。そして、心臓の動きも普段と比べて早い。「この先に噂の石像があるのね…。一体、どんな感じなのかしら」そう呟くと期待を胸に抱き、目的地へ順調に近付いている。
出だしを書かせてもらいました。語彙力と文章構成がなってないので、拙い文章ですみません。でも書いちゃいました。因みに文をくっ付けてないのはワザとです。取り敢えず、なんかファンタジーな世界観という設定です。
「ひゃ!?」
女の手からランプが離れ、軽い音を立てて地面に落ちた。すぐ近くの木の枝から、のっそりとした影が幹を伝って下りていく。
―しゅるしゅるしゅる…
それは舌をちらつかせた大蛇のようであった。女は突如視界に入った巨体に驚き、ランプを取り落としてしまったのだった。しかし、大蛇のほうは害を成す気はないと見え、そのまま女の前を横切り、茂みへと消えていった。
「吃驚した…。」
ともかく、落としたランプからは火が消えてしまった。辺りは真っ暗でろくに物が見えない。
女は手探りでランプを拾いあげるも、手元も闇に染まっている為、新たに火を付けることも難しく、途方に暮れた。
「どうしよう…。」
時折、吹き抜けていく夜風にうすら寒さを覚えつつ、辺りを見回す。どこかに空が開けている場所はないものだろうか。今夜は満月なので、空を覆う木枝さえなければ、地表には月明かりが降り注いでいるはずなのである。
女は立ち上がると、さっきよりも足元に気をつけながら、木々を手で辿って再度、歩き始めた。そして、少し進んだところで何処からか聞こえてくる儚げな歌に気付いた…―
*―*―*―*―*―*―*―
素敵な出だしに惹かれ,
主様の応答を待たずに,
続きを書かせて
貰ってしまいました.
迷惑だったら御免なさい(><;)
完結迄,行けると良いですね.
それは聞いたことがない歌だったが、どこか懐かしいような気がした。
慎重に歩いて行くとぽゎっと持っていたランプに火がついた。女は一瞬驚いたみたいだが『不思議な森だから…』と今は気にしないようにした。女はランプに目をやると小さくため息をついた『このランプ勝手にもってきちゃったな…』家に帰ろうかな…とふと思ったときふわっと足が軽くなった気がした。あの歌声に吸い寄せられるみたいに…ペースがあがっていく。
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素敵な投稿ありがとうございます!1日で2件も投稿していただけてとても嬉しいです。投稿者も参加したくなり続きを書いてみました。お二人のような感情の表現が難しく…また投稿お願いします!
何が起きたのだろうか、それは判明出来ないものの軽くなった足取りをスタスタと進めながら木々を避けつつ、歌声が聴こえてくる方へ進んでいく。それにしても、と女は心の中で思った。自分としては初めて訊いた筈にも関わらず、この歌はどこかで聴いたような、そんな懐かしさを感じた。これがいわゆる、既視感というものなのか。
しばらく歩いていくと、先程まで木々が邪魔していた場所とは異なりそこだけがぽっかりと何もなく、草花がちらほらと生えている地面が丸く広がっている所に着いた。枝もないので、淡く優しい月の光が一気に体へ当たった。
そして、少し離れた距離に一人の少女が立っている。歌声の持ち主であろうその少女はこちらに背を向けているため、顔は伺えないが自分の真っ直ぐな髪とは違い、緩くウェーブのかかった長い金髪はまるで絹のようだ。白いワンピースをヒラヒラと優雅に揺らしている。美しく、それでいて儚くも聴こえる歌を歌っており、夢中になっているらしく背後にいる女の事にはまだ気が付いていない。
女は少女のハッキリと聴こえる歌声に心を奪われた。声の調子は勿論、歌唱力もかなりある。女は感嘆による溜め息を漏らす事は愚か、しばしその場から意識的に動く事も出来なかった。
やがて、歌が終わった。少女が振り向く。可憐に揺れる純白のワンピースと柔らかそうな金髪の映える後ろ姿から、女は無意識の内に、少女の顔立ちも美麗な仏蘭西人形の様であることを想像していた。
しかし、月明かりに照らされ、視線の先に映し出された少女の顔立ちは其の予想に反していた。黒鳶色と思わしき瞳は円らで、白く見える頬にはふっくらと肉が付いており、其の上には赤い雀斑が散っている。洗練された麗しさではなく、地味で素朴な愛らしさが感じられる、幼い顔立ちが其処にあった。
振り向いた少女は女に気が付くと、一瞬、目を丸くしたが、直ぐに口元を綻ばせ、次は広場の真ん中辺りにあった石の台座の上に飛び乗った。抜けた空を見上げ、浮かんでいる月に聞かせるかの様に、次の歌が始まる。
台座に腰掛け、瞳を閉じて歌う姿には確認したばかりの容姿のあどけなさを忘れさせられる様な、ぞっとする美しさと不思議な威厳があった。
目が合った時こそ、胸に緊張感を走らせた女だったが、今はまた、先程迄と同じ様にただただ、少女の世界に引き込まれ、魅せられる。
「妖精なのかな…。」
思わず、呟く。すると、背後から男の声で応答があった。
*―*―*―*―*―*―*―
迷惑にならなかった様なら
良かった(^^)
至らない点や
理想の展開があれば,
随時,御伝え下さい.
「妖精ではないよ」と男の声は言った。女が視線を向けるとそこにいたのは女をじっと見つめる大きな蛇だった。それはさっきの蛇だった。
「あの少女はね…。」
木陰から這い出ながら、大蛇は続ける。
「僕達をこうしてくれるのさ。」
大蛇の身体が霧の様な淡い光に包まれたかと思うと、がっしりとした体格でありながら、物静かそうな人間の男の姿に変化した。ゆっくりと歩いてきた男は、女のすぐ隣で立ち止まり、歌っている少女を眺めながら独り言のように呟く。
「あの娘の父親は大変な悪党でね。」
女は黙って男の横顔を見つめる。寡黙そうな渋めの面立ちであった。
「初めは都会で高利の金貸しをしていた。裏街との繋がりを利用し、悪どいやり方で…、誘拐や殺人を犯すことも厭わず利益を上げた。」
月明かりの広場に少女のどことなく甘く、切ない歌声が響き続ける。
「其の次は、稼いだ金を元手に商人になったが、其処でも利益が最優先で他人の苦しみはそっちのけ。画期的な罠を使い、毛皮を剥いだり、食肉を得たりする為に、残虐な手法で鳥や獣も大量に殺したし、商売の邪魔になる者は徹底的に弾圧した。」
夜風はいつの間にか止んでおり、心無しか、少女の歌声に共鳴するかの如く、辺りの空気も優しく感じられた。
「最後は権力者をそそのかし、武器や食料を高値で売る為に不要な戦争の要因迄作った。狡猾な男はこうして富豪になった。」
彼の話は此の場には場違いにさえ思えた。此の場では先程から、幻想的で穏やかな時間が過ぎている。
「然し、遂にある高名な魔法使いが男の悪事に気付いてね、男が其れ迄に買った恨みの力を使い、男の娘に呪いをかけてしまったんだ。慌てた男は許しを乞い、財産の殆どを手放して娘の助命を願った。其の甲斐あって、病に侵された娘は回復したのだが。」
少女の歌もフィナーレに入る。
「娘が回復すると、男はまた悪事に手を染めた。だが、元手の無い状況、戦渦で荒れた国内では以前のように上手くは行かなかった。身を落とした男は山賊になり、略奪と殺戮を繰り返した。」
彼の話も終局に入ってきたようだ。
「やがて、男は狙った貴族の用心棒と渡り合って死んだが、男の罪は消えなかった。」
歌を終えた少女が、話を続ける男に気付いたらしく、台座の上で手を振り出した。男は其れに応え、相好を崩して手を振り返す。
「あの少女は、父親の罪の代価として、此処で色んなものに命を吹き込んでいるのさ。」
女は急にランプに火が灯ったことを思い出した。
話し終えた男は少女に向かって歩き始め、女もなんとなく、ついていった。少女は台座の上から男に「今日も来てくれたのね!」と言った。女は無意識に間近にした少女をまじまじと見つめた。ふっくらした頬はやっぱり白く、指でつついてしまいたくなる感じだった。
/下手な文ですが、支援したくて書かせて貰いました。あげ。
しかし、気持ちのままにつついてしまうわけにもいかず、女はただ黙って少女を見つめるしかなかった。すると、女の視線に気付いた少女がこちらを向き、手を差し出して「初めまして。さっきから歌を聞いてくれてようね。貴方、名前は何て言うの?」と尋ねてきた。
深い黒鳶色の瞳に捕らえられ、女は一瞬どぎまぎしたが、表向きには平静を装いつつ、少女の手を取って答えた。
「テレサ・シーニュです。」
少女は女に取られた手を握り返し、微笑んだ。
「素敵な名前ね。私はマールブランシュ。」
繋いだ手は柔らかく、確かに体温を孕んでいた。女は、この少女は本当に普段は石像なのだろうか、と不思議に思った。
「私は、今日のような良く晴れた満月の夜以外は、身体が石になってしまって動けないの。」
女の内面を見透かしたかのように少女が言った。絹糸が解かれるような呆気なさで、繋いでいた手がほどかれる。
自由になった右手を少女は台座の上に置くと、月を見上げながら言葉を続けた。
「そして、折角生身の身体に戻れる今日のような夜でも、この広場からは出られないの。」
女は何か言いたい気持ちになったが、何も言うことができなかった。
「だから、初めての人とお話できるのは久々なのよ。嬉しいわ。」
少女は無邪気な顔で笑う。
その時、黙っていた男がどこか不満げに「いつも僕がいるだろう」と呟いた。蛇から変化した男と少女はさっきからどこか親しげだったから、どういう関係なのだろう、女はそう思っていた。
「ああ、そういえば貴方、自己紹介はしたの?」
思い出したかのような調子で少女は男に問い掛けた。
「自己紹介? いや、お嬢様の話しかしていませんね。」
男が答えると、少女は黙って男を見詰める。男は察したように女のほうに向き直った。
「僕の名前はレヴィナス。昔は蛇の皮を鞣す職人だったんだ。」
男は先程と同様の落ち着いた口調で自分のことを話してくれた。元々は普通の革職人だったらしいが、雇われて少女の父親の下で働くようになり、そのうちに残虐な商売の片棒を担ぐようになってしまったらしい。
清純な女性に恋をしたことをきっかけに足を洗おうとしたが、認められず、この森にある泉に沈められてしまったのだとか。
「次に目覚めた時には、蛇の姿になっていた。何度も人間に捕まり、皮を剥がれたが死ぬことはできなかった。」
此処が不思議な森であることは噂に聞いていたが、此れ迄に聞かせて貰った話や目の前で起こったことは女の想像を上回るものであった。
「でも、実は、蛇の姿でいる時は死んでいるようなものなのさ。人としての気持ちを忘れてしまっているからね。僕が人間としての命を取り戻せるのは、今日のような夜だけなんだ。」
人間に追い回される日々なら、恐らく、安らかな気持ちで過ごせるのも今日ぐらいのものなのだろう。男と少女の関係性に触れた女は、話を聞く内にぼんやりと自分の身の上にも思いを馳せた。
*―*―*―*―*―*―*―
主様、来なくなって
しまったようだなァ・・・。
自分も此のあたりで
投稿を休みますm(__)m
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