藤村伊織 2016-05-07 12:59:57 |
通報 |
あ?んなもんクソくらえだ。俺は俺が思うようにやる。誰にも文句は言わせねぇ。(笑われている事に気付いたのか不貞腐れたような表情で睨むも、己が握るスティックシュガーを見てあからさまに怪訝な表情をされれば何がそんなに可笑しいのかと言いたげな面持ちで。似たような事を他のメンバーにも散々言われてきたが、この拘りを変える気などなく相手の忠告をはね除け、握っていたそれらを当然のように珈琲に入れ。よくかき混ぜた後に一口すすり、口内に広がる求めていた甘味に“これだ”とばかりに満足そうな笑みを浮かべ、また一口。ふと相手を見ればその手元にあるのは安定の緑茶。自分には緑茶の良さがわからず「お前こそよくそんなジジくせぇもん好んで飲むよな。大体今どき茶柱なんかで喜ぶか?ジジィかよ」と、からかい半分無遠慮に言葉をかけ、更には以前茶柱が立ったと小さな喜びを噛み締めていた相手を密かに目撃していた事を明かし)
なっ…何でそれを…
(相変わらず自分の趣向を変える気が無いらしい相手の発言に自然と溜息が零れ、更には何事も無かったかのように手にしていた砂糖を全て入れているのを見るとそれだけで此方が気持ち悪くなってしまいそうで。お茶を飲んでいる事に対して何やらからかい気味に言われたものの、相手よりはマシなんじゃないかと思っている為特に大きな反応は見せなかったがいつか茶柱が立った日の事を相手から持ち出されると何故知っているんだとばかりに目を開き相手のほうへ視線を向けて。あの時はすっかり自分の世界に入り込んでいた為相手に見られていた事なんて全く気付かなかった。何だか今になってあんな事で喜んでしまった自分が恥ずかしくなり今度は向けていた視線を逸らして少し相手を背けるように身体の向きを変え。「まあ、そんなお子様みたいなコーヒーを飲むぐらいならジジイで結構だ。」なんてブツブツ呟きながらまたお茶を啜り。こうして何事も無い時間を相手と二人で過ごしている事が未だに不思議で暫く座ったままぼんやりしており)
(やはり見られている事には気付いていなかったらしく、その気まずそうな反応が愉快で。気付けば相手の事を目で追い、然り気無い仕草や表情の小さな変化も見逃さず胸を高鳴らせていた自分は、そんな何気ない日常で見る彼を恐らく本人よりも知っていた。茶柱の件が気恥ずかしいのか背を向ける相手が可愛いくて仕方なく、つい口許が緩む。例によって弄ってやりたくなりソファーを軋ませ距離を詰めれば、のし掛かるように肩に腕を回し。少々意地の悪い笑みを浮かべながら顔を覗き込み、わざとらしく問い掛けその反応を窺って)
さぁ何でだろうな。…今のお前にならわかるだろ。
(今のお前なら、そう言われた瞬間妙な納得感が生まれた。相手は自分の事を好きだと言った、つまり日頃から自分にとっても些細な事すら相手は気にかけて見ていたという事かと理解するもそれはそれで気恥ずかしくて手で顔を覆う。とはいえ自分も何だかんだで相手を視界に入れていた事は何度もある為あまりヘタな事は言えず言葉を飲み込み。途端に相手に距離を詰められるといくら想いを打ち明けたからといってまだこの密着具合に慣れるのは時間がかかりそうで余計に相手の目が見れず。自分自身と葛藤を繰り広げた挙句どうにかして上手く躱す方法は無いか必死に模索した結果、肩に回った腕を緩く掴み相手の方に顔を向ければ予想以上に距離が近く今にも唇が触れそうな程で煩く音を立てる鼓動がバレないように平然を装い「…いい加減支度しないと、遅れる」必要な言葉だけ述べるとすぐに視線を外し腕を引き剥がし空になった湯呑みをキッチンに運ぼうとして)
…んだよ。(近距離と意地悪な問いに少しは慌てる様を期待していた為、一見何てことない薄い反応を残して離れていく相手につまらなそうに溢し。考えてみれば己の気持ちを伝えたとはいえ、特に関係性が変わったわけではなく。爆発しそうな想いをとにかく吐き出すのが優先で、“俺のものになれ”等の強要をあの時点ではすべきでないと感じていた。取り敢えずは己の気持ちを伝え、相手もまた己を意識している事が確認出来ただけですっきりしたし、今後の事は様子を見ながら実行していけばいい。そんな事を考えながら湯呑みを洗う相手の後ろ姿をぼんやり眺めた後自分もソファーから立ち、相手の手元へこれもとばかりに空になったカップを置き。干しっぱなしだった私服はほぼ乾いたようで、それらをハンガーから外しながらここからは別行動を取る旨を伝えて)
俺は一旦帰る。着替えもしたいしな。
(渡されたカップも洗い終えると乾いた私服を手に取りながらこの後の事を話す相手に小さく頷き、確かにまだ自宅に帰って準備をする時間ぐらいはあるなと時計を見て確認すればとりあえず自分も相手が帰ってから着替える事にして。昨日はなかなか濃い時間を過ごしたにも関わらず案外普通に会話が出来るもんだなと自分自身に感心し、相手もあれからそこまで強引に迫ってくる事も無い。そういえば風邪を貰うだなんて豪語していた割にいつもと変わらないように見える相手、実際同じベッドで寝ていた訳だし多少なりとも体に影響はしていそうな筈なのに。まあ元気に越した事は無いし相手の事だからそこまで深刻に心配もしていないが念の為にと相手に近付き、洗い物を終えたばかりでまだ冷たさの残る手を額に当て今の所熱が無いと分かれば少し安心したように口元緩め手を離し)
本当に移ってたら洒落にならないからな…一安心だ。また後でな。
っ…、…だからそんなヤワじゃねぇって言ったろ。鍛え方が違うんだよ、鍛え方が。(外した私服に着替えていると、不意に目の前に相手の気配を感じ。額に触れてくる手は洗い物をしていたせいかひんやりとし、一瞬ピクリと反応し。熱の有無を確認し、安堵したように微笑む相手。今まで己には向けられる事がなかった柔らかなその表情に胸が高鳴り、嬉しさの傍らで何だか急に気恥ずかしくなって。僅かながら染まった頬を隠すようにそっぽを向きぶっきらぼうに返すと、さっさと着替えを済ませてしまい。借りたジャージは本来洗濯して返すものだろうが、図々しくもちゃっかりソファーに投げ掛け。貴重品をポケットに突っ込むと「…じゃあな」と短い挨拶を残し、一先ずその場を後にして)
…何を今更恥ずかしがっているんだ、アイツは。
(相手が部屋を出て行き静かになった空間でぽつんと立ち尽くしたまま先程相手が脱ぎ捨てていったジャージをぼんやり眺め。額を触っただけでやや赤く染まっていたように見えた相手の顔を思い出し小さく笑いが溢れる。自分もさっと着替えを済ませれば必要な物を鞄に入れ、例のジャージも一度綺麗に畳んでソファーの端に一旦置いておくも微かに相手の匂いが残っていてドキッとし。余計な事は考えるなと自分に言い聞かせるように首を横に振れば自宅にも関わらずいそいそと部屋を出て。昨日の大雨が嘘のように外は晴れているが空気が冷たく巻いているマフラーに顔を埋めながら歩く。暫くして事務所に着けばもう何人かは先に来ていたが辺りを見渡してもまだ相手の姿は無く。いつもの如く真っ先に此方に向かってくる昴を適当にあしらいつつも全員揃うまで台本を読み返し)
(相手と別れ自宅に戻ってくると、何故か少し寒気と疲労感がありベッドに突っ伏し。ベッドの上で昨日の出来事をぼんやりと思い返している内、うとうととしてしまい。─どのくらい経ったのか。ハッと目が覚め、時刻を確認しようと傍に放ってあったスマホに手を伸ばす。「…やっ…べ、」既にミーティングが始まる時間。数分前に着信履歴が何件かあり、その相手である蒼星から今新たな着信が。直ぐ様電話を受けると「悪い、すぐ行く」と短く告げ、通話を終了し。着替えようと起き上がった瞬間、頭にズキリと痛みが走し。何だか身体が怠いし寒気もする。そういえば彼の自宅で朝起きた時にも頭痛があったのを思い出す。「マジかよ…」己の行いを思い返せば移る可能性は大いにあったが、“風邪をもらってやる”なんて彼と接触する為の口実のようなもので。そんなにヤワじゃない等大口叩いた手前、見事に風邪引きました、なんて格好が付かない。何よりあのクソ真面目な彼が知れば余計な責任を感じさせてしまう。_意地でもバレねぇようにしないと…。半日なら何とかなりそうだと気合いを入れ、着替えや準備を済ませれば直ぐ様事務所へと向かって)
ったく…何をしているんだアイツは。
(ミーティングが始まる時間になっても相手の姿だけが見えず、まさかあの後家に帰ってまた寝たんじゃないかなんて見当違いな考えが頭に浮かび小さく呟きながら眉間に皺を寄せ。やがて数回電話をかけていた蒼星から今から来るらしいという知らせを聞きほっと胸を撫で下ろす。暫くして相手が事務所に来ると特に周りも咎める事なくいつも通り迎え入れ漸くミーティングも始まり。最中もやはり遅れて来た相手の事が引っかかり話し合いの内容をメモにとりつつも然り気無く視線を相手に向ければどこかいつもと様子が違う事に気付き首を傾げ。もしかして本当に体調でも崩したのだろうか。今朝自分が確認した時は熱も無かった為大丈夫だと思っていたが相手の事だから強がって何とも無いフリをしている可能性は十分にある。 というのもあくまで自分の予想であってあまりヘタな事は言えないしなととりあえず今は黙っており)
(遅刻しておきながら悪びれる様子もなく着席。そんな光景も珍しくないからか特に咎める者もなくミーティングが始まったものの、頭痛が邪魔して内容がしっかりと入って来ない。ちらりと相手に視線をやれば、いつもの如く熱心に話を聞きながら真面目にメモを取っているようで。変わらない様子に思わずふ、と小さく笑みを溢すと再び話に耳を傾け。時折意見を求められれば、普段通りの態度での応答を試みる。行き交う声にぼんやりと耳を傾けている中、休憩を挟む事になったらしく、周囲が急に賑やかになりハッと我に返り。珈琲でも入れようかと蒼星が席を立つが、正直珈琲という気分でもなく「いや、俺はいい」と伝えておき。不思議そうにする蒼星をよそに相手の方に視線をやると今日も昴に捕まっていて。ヘラヘラしながら相手に絡む昴を見ているとやはり苛立ち眉間に皺が寄る。とはいえ今日はそこへ割り込む気力もないし、体の不調を周囲に気付かれるのは面倒だ。静かな場所で一人で過ごすべく席から立ち上がると、冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターを手に足早に部屋を後にし)
(休憩時間になると早々に部屋を出て行く相手。周りは特に気にする様子は無かったが、コーヒーを準備してくれている蒼星を手伝いにキッチンへ向かった際相手の様子がいつもと違う事を気にかけており何か知らないかと問いかけられ。そういえば蒼星は相手が自分を昼食に誘った日に事務所に居た為唯一二人で居た事を知っている人物だ。少しバツが悪そうに口籠るも体調を崩し相手に看病してもらった話をすればどこか納得したように頷き「やっぱり。体調悪いって、気付かれたくないのかも。ああいう性格だしね」と何かを訴えるような表情で蒼星に見つめられ、額に手を当て大きな溜息を吐けば「…分かった。探しに行けば良いんだろ。」と自分も部屋を出て相手を探しに幾つかある部屋の扉を順番に開け確認していき。残すは資料室のみで中に入ると案の定姿を捉え、やはりあまり顔色も良くなく少し遠慮がちに相手に近付き)
…やっぱり調子悪いんだろ。家で休んでいれば良かったのに。
…あー…クソ…、だりィ… (ここなら誰も来ないだろうと、休憩の場に選んだのは資料室。脱力するように椅子に腰掛けると、机に突っ伏し独り言を呟いて。ズキズキと痛む頭に苛立ちながら、こんな時でさえ相手の顔が浮かぶ。_どうせ今頃また体力バカに捕まってんだろうな。 自然と溢れる溜息。“こいつは俺のモノだ、馴れ馴れしくしてんじゃねぇ” 、そんな風に牽制するのは簡単だが、彼はきっとそれを望んでいない。もどかしさで胸の奥がもやもやとして気持ちが悪い。伏せていた上半身を起こし、ペットボトルのキャップを開けた時不意に扉が開き、次いで視界に映ったその姿にドクンと胸が鳴り。隠していたつもりの己の体調に気付いていたらしく、どうやら心配して探しに来てくれたらしい相手。何となく嬉しくなりながらも視線を外してミネラルウォーターを喉に流し込み、憎まれ口を叩き)
…別に大した事ねぇよ。あのバカの声が喧しいから静かな場所で休憩したかっただけだしな。
…蒼星も心配してた。
(大した事無いと顔を背ける相手に相変わらず強がりだなと小さく溜息を零し。相手の体調が優れないのはどう考えても自分が関係している。申し訳ないという気持ちは勿論あるが罪悪感でここまで相手を探しに来たとも思われたくなくて困ったように顔を顰め。やや怠そうに呼吸をする様子を見ているときゅっと胸が締め付けられるような気分になり暫く黙り込み。今までの自分ならこういう時、厳しい事を言って突き放していただろう。だけどもうそんな事を言える余裕が無い位相手の事で頭がいっぱいで。具合が悪いなら無理はして欲しくない、本当に大した事が無いなら一緒に皆の所に戻る事も出来る。散々自分の中で答えを探した結果、言葉よりも先に体が動いていて気付けば横からぎこちない動作ながらもそっと肩を抱き寄せ朝触れた時よりも大分熱を持っている頬に手を当てていて)
朝の段階で俺が気付いていれば此処には来させなかったんだけどな…。お前も少しは弱い所を見せたらどうだ。
─…ッ…、(相手から視線を外す中沈黙が流れる。何となく気まずくて口を開こうとした瞬間、不意に優しく肩を抱かれ小さく目を見開き。己を心配するような声、労るようにそっと頬に触れてくる手、それは彼の優しさだけでなく心なしか自分への愛情も垣間見える気がしてドクンと胸の奥が震え。 けどコイツはきっと、これが昴だとしても─…、 彼に関してのみ時折生まれる負の感情が己の心を揺さぶる。欲しいものは何でも手に入れてきた。腕ずくで自分のモノにするなんて造作ない。なのに彼にだけ出来ないのは、いつの間にか本気になってしまっているからだと思い知る。彼の言葉に素直に甘えてしまいたくなる一方で、どうしようもない切なさが痛みとなり一瞬苦しげに顔を歪め。_コイツに弱さは見せたくない、大体俺は弱くなんかねぇ、俺は新堂カイトだ。そう思う程に今の状況は酷く情けなく、恋愛経験もろくに無さそうな昴の存在に揺らぐ女々しい自分が余りにも惨めで許し難く。堪え切れずそこから逃れるよう相手を押し返し椅子から立ち上がれば、鼻で笑いつつ素っ気なく告げ、その場を後にし)
弱い所?ありもしねぇモンどうやって見せるっつぅんだよ。…そろそろ始まんだろ、戻るぞ。
…素直じゃないな、本当に。
(今まで誰にも気を許そうとした事は無かったし、するつもりも無かった。カンパニーに入ってからその気持ちも少しは薄れ、メンバーになら多少心を開くようにはなったものの、プライドの高さ故に自分の弱い部分は絶対に見せたく無かったのに今回体調を崩した事で相手にはそんな自分を知られてしまい。お返しとまではいかないかもしれないが何か相手の役に立てたら、そう思った上での発言だったが見事に突っ撥ねられてしまうと何となく予想はしていたが小さく息をついて先に部屋を出る相手の背中をぼんやり眺め。一体相手が何を考えているのか分からない。少しは頼ってくれてもいいのに。自分に負けないぐらい高いプライドの持ち主である事は十分分かっている為そんなすぐには曲げられないかと自分の中で気持ちを整理し後を追うように皆の元へ戻り。打ち合わせが再開するも先程のように集中する事は最早不可能で相手の様子ばかり気になってしまい)
(ミーティングに戻ったはいいものの体調は悪化するばかりで、頭がぼうっとするせいで時折の皆の声が遠くなる。そんな中心配そうに此方に視線を向けている相手と目が合い、思わず視線を逸らし。彼には見透かされているのだろうが、此方が終始気を張っているせいか、誰もが打ち合わせに集中しているせいか、幸い体調について指摘されるような事もなくミーティングが終了し。この後稽古や自主練に取り組む者と様々だったが、そんな気力が残っていない自分は適当な理由を付けて帰宅する事に。帰り際、彼が何か言いたげに此方を見ていた事に気付いたが、わざわざ声を掛けにいくのも不自然かとそのまま事務所を出て帰路に着き。その後、帰宅してすぐ倒れ込むようにベッドに横になれば、止まない頭痛に苛立ちながら痛む部分を押さえ、痛みを少しでも逃したくて長めに息を吐き。ふと、帰り際に目にした彼の心配そうな顔が浮かぶ。…声くらいかけて来るべきだったかもな。少しは弱いところを見せろと肩を抱かれた感覚がよみがえり、胸の奥がきゅっと締め付けられ。「…見せられるわけねぇだろ。俺に弱い所なんか…あるわけねえんだよ…」独り言のように呟くと、痛みに堪える内いつの間にかうとうとしてしまって)
(結局後半のミーティングは全く頭に入らず相手の様子を気にしているばかりであっという間に時間は過ぎてしまい。いつもなら自分の満足いくまで練習を行ってから帰宅するのだが先に帰って行く相手の背中を見てしまえば流石に練習どころではなく唯一事情を理解している蒼星に声をかける。そういえば自分の家から近いという情報しか知らなかった為相手の家までの簡単な地図が書かれているメモ紙を受け取り足早に事務所を出て行き。きっとあの様子では自分の時のように食事もロクに作れないだろう、途中スーパーに寄り食材やらベタに果物なんかも買い込んでおく。─突然押しかけて迷惑じゃないだろうか。目的地に近付くにつれ何だか鼓動も速くなり部屋の前まで来たところでぼーっと立ち尽くし「やっぱり引き返すべきか…?」小さく呟くも緩く首を横に振り自分を落ち着かせる為に大きく息を吐いてから躊躇いがちにインターホンを押し大人しく返答を待ち)
(うとうととしている内に眠りに落ち、やがて夢の中でも彼に会う。眠りを妨げるリアルなインターホンの音にビクリと肩を震わせ瞼を開ければ、見慣れた自室がぼんやりと浮かんで。どのくらい眠っていたのだろう。夢の内容こそ朧気にしか思い出せないが、切なさと愛しさだけが胸に残り、何故だか妙に彼に会いたくなる。胸の辺りに何かつかえているようなもどかしい感覚に無意識に胸元を握り、短く息を逃せばまたも部屋に響く呼び出し音。_身体が怠い。来客に対し居留守を使おうかと思ったが、数回鳴った事が少し引っ掛かり、これ以上鳴らされたら堪らないと渋々重い身体を起こし。モニターで様子を確認するのも億劫な程に身体が怠く、壁を伝うようにしてそのまま玄関に向かうと、不機嫌さや怠さを露にした面持ちで扉を開け。しかし扉の向こうに立っていたのは思いがけない人物で、驚いたように目を見開き言葉を失ってしまい)
─…! …な、んでお前が……
…家の場所は蒼星に聞いた。あれだけ大口叩いておいて、随分辛そうだな。
(なかなか扉が開かない事で寝ているのだろうかと察し、大人しく帰ろうかと思った矢先鍵の開く音と共に先程見た時よりも怠そうな相手が姿を現すと小さく息を吐いてつい何時ものように憎まれ口を叩いてしまい。自分が原因でもある事への罪悪感と、初めて見る弱った相手の姿への心配とで眉間に皺を刻むと半ば強引に玄関まで足を踏み入れる。「言っておくが、この前と立場は逆だ。今度はお前が大人しく寝ていろ。」とぶっきらぼうに言い放つと家の中に上がり込み辺りを見回しつつキッチンに辿り着き。きっと風邪の引き始めでこれから熱も上がってくるだろう、消化の良い物をと考えたのは煮込みうどん。洋食好きの相手にとっては気が進まないかもしれないが今はそんな事を気にしている場合では無い為腕まくりをしてさっさと準備に取り掛かり)
…あのメガネ、余計な事しやがって。(勝手に上がり込みキッチンへと向かう彼を呆然と見つめていたが、直ぐにはっとしボソリと呟けば、ゆっくりとだが後を追う。此方の状態に気付いた蒼星が気を回して彼に見舞いを頼んだのか、それとも彼の独断なのか。どちらにしても彼がこうして訪ねて来てくれた事は有り難く。先程は驚きや照れ臭さから可愛げない台詞を溢してしまったが、本音を言えば嬉しい。寝ているように言われたもののベッドには戻らずリビングのソファーに凭れれば、手際よく料理を始める相手をそこからぼんやりと眺めていて。先程まで夢の中の相手に恋い焦がれ、目覚めても尚相手を想っていたせいで、何とも言えない切なさや愛しさが込み上げて。熱のせいもあってか少しばかり歪む視界に眉を寄せるとソファーに深く凭れたまま天井を見上げる体勢で目元を腕で覆い。不意に静かに投げ掛けた疑問は試すような響きで、そこに期待が含まれている事を何となく気付かれたくなくて)
……なぁ、何で来たんだよ。罪悪感なら要らねぇぞ。こうなるのも覚悟の上だったしな。
(黙々と料理を進めている間もどうしても相手の様子が気になりさり気なく視線を配るとやはり怠そうにソファーに凭れており、だから寝ていろと言ったのにとあえて口には出さず心の中で呟き。風邪を引いた時にはネギやショウガが効くと昔ながらの考えが何故か自分には染み付いており予め買ってきたショウガを使って生姜湯も合わせて作り。暫くして料理も出来上がりソファーの前にあるテーブルまで運ぶと「出来たぞ、無理の無い程度に食べろ。これは食後の風邪薬だ。」と呼びかけながらテーブルの上に薬も置いておき。病人の世話などあまりした事が無い為以前相手が自分にしてくれた事を思い出しながら次はどうするのが正解なんだと辺りを見回しながら考えていたところ、不意に飛び込んで来た問いにきょとんとした表情で相手に視線を戻す。先程までトゲのある言い方や素振りを見せていたわりに今の質問はどこかしおらしく可愛いなとすら思えてしまい微かに口元緩め頬杖を付きながら答え)
罪悪感だけで此処まで来る程俺も暇じゃない、とまで言えば分かるか?
…っ…知るかよ。(料理を終えて戻ってきた相手からの返事は遠回しではあるが、微かな愛情が感じられ。此方を見つめる表情も穏やかで、らしくない事を言ってしまっただろうかと急に羞恥に駆られ、咄嗟に返した言葉はぶっきらぼうながらも普段の勢いがなく。テーブルに置かれたのは出来立ての煮込みうどんと生姜湯。正直食欲は余り無いものの、相手の心遣いは素直に嬉しい。普段飲む機会のない生姜湯を不思議そうに見つめていたが、恐る恐るといった風にゆっくり口に含み。すると、まず口内に広がった生姜独特の苦味に顔をしかめ。けれど飲みやすく工夫してくれているのか、蜂蜜か砂糖らしい甘味も存在し、気合いを入れれば飲めなくはない。とはいえ、やはり一言を言わなくては気が済まない性格。「…なんだよ、このビミョーな味の飲み物は」普段なら最初の一口で突っ返すだろうが、相手の気持ちを無下に出来るわけもなく、今回は手元の生姜湯を見つめたまま葛藤しており。様子を窺うよう相手にちらりと目線をやった後、生姜湯は一先ず後回しにと考えたのか、煮込みうどんに手をつけ。「ん…?こっちは案外イケるな。」薄めの味付けは普段なら物足りないと感じる筈だが、身体が弱っているせいかその優しい味付けが美味しく感じ。思いの外あっという間に完食した上、残しておいた生姜湯もしっかりと飲み干す。温かいうどんや生姜湯の効果もあってか身体もぽかぽかとし、気分も少しだけ楽になったような気がする。ふと、しっかりと薬も用意されている事に気付くが、どうやら薬の中でも最も苦手とする粉薬のようで。あからさまに嫌そうに眉間に皺を寄せた後、今更ながら見なかった事にして)
…おい、薬。
(ブツブツと小言を言いながらも何だかんだ完食し綺麗になった容器を見れば口元緩め。後は薬さえ飲めば自分の役割も無い為ベッドで大人しく寝てもらおうと考えていたものの、薬の存在に気付いてはいるのだがなかなか手を付けようとしない相手。疑問に思い短く零して自ら薬に手を伸ばす。とにかく気が急いていたせいか、粉状の物を買っていたようでもしかしてと察し。だからと言ってこのまま飲まずに寝かせる訳にもいかない、水の入ったコップを相手の目の前に差し出せば「子供じゃないんだから、飲めるだろ。」と目を逸らす相手に宥めるように告げる。こういう時は頑固な相手に負けてしまいがちだが、少しでも早く回復して欲しいという気持ちが大きく、ここは自分も折れる訳にはいかなくてジッと顔を見つめボソボソと小さく呟き始め)
…お前が辛そうな姿は、見てられない。
…っ、そんな苦くてクソ不味いモン飲めるわけねぇだろ。(なかなか薬に手を付けようとしない自分に痺れを切らしたのか、早く飲むようにと促してくる相手。耳に届いた心配そうな呟きにちらりとそちらを見やれば、真剣な瞳とぶつかりドキリとし。その瞳に偽りは見えず、本気で自分を心配してくれている事が伝わる。しかし薬の苦味は特に苦手ですんなり頷く事も出来ず、視線をさまよわせた後に再び逸らして拒否してしまい。子供じゃないんだからと呆れられるだろうか。それとも怒らせてしまうだろうか、悲しませてしまうだろうか。身体は相変わらず怠いし、彼がどう受け止めるか気になって仕方ないのに、変な意地を張らずにはいられない。 _それに、此処で俺が大人しく薬を飲んだらコイツはきっと─…、浮かんだ考えは不意に切なさを呼び胸を締め付ける。けれどこのまま意地を張り続け子供みたいだと失望されたくなくて、視線を逸らしたまま恥を忍んで小さく呟き)
……ちゃんと飲んだら…俺が寝るまで帰らないって約束しろ。
…分かった。居るから、早く飲め。
(一度は薬を飲む事を断られてしまったものの、予想通りの答えだった為苦笑零しどうするのが一番効果的なんだろうかとひたすら考えるもここまで頑なだとなかなか解決策も見当たらず黙り込んで。すると相手からボソボソと要望が聞こえてくれば思わぬ言葉にきょとんとしついふっと小さく笑う。そんな事でいいのか。そう言ったら拗ねてやっぱり飲まないと言いかねない為心の中だけに留めておき、コクリと頷いて言葉を返せばもう一度コップを相手に差し出してみる。流石の相手でも弱っている時は少し控えめなんだなと、何だか此方も調子が狂う。渋々薬を流し込む様子を見届ければ空になったコップを相手から受け取り台所に持っていくついでにくしゃりと髪を緩く撫でてやり)
洗ったら行くから、とりあえず横になっていろ。
…クソ…最悪だ。(一足先に寝室に戻りベッドの中で前髪をかき上げながら悔しげに独り言を溢す。薬の苦味が中々消えず歯磨きやうがいを念入りにする事でどうにか落ち着いたものの、いつもの自分なら考えられない甘えた態度に心底情けなくなる。体調が悪い時人は多少気弱になるというが、余りに子供じみた要求をしてしまった羞恥に堪え難いものがあり。とはいえ自分の元から手放したくない気持ちは確かで、彼が傍にいてくれるという事への安堵と嬉しさがじわじわと込み上げて。熱い額に腕を乗せ長めに息をつくと大人しく相手を待って)
おいカブキ、年が明けたぞ。年末年始と忙しかっただろうが、ぶっ倒れたりしてねぇだろうな。
…お前の顔見ねぇと調子が出ねーんだよ。待っててやるから、暇が出来たら真っ先に俺に会いに来い。俺から離れるのは許さねぇ。
(/明けましておめでとうございます!昨年は素敵な伊織くんを有難うございました…!(感涙)お返事を心待ちにしながら、とても楽しく過ごさせて頂きました。
伊織くん大好きなカイトはあんな事を言っておりますが、お返事を急かしているつもりではありませんので、ご自身のペースでゆっくり返して頂けたらと思います。
今後もドキドキしながらやりとりをさせて頂けたらと思いますので、こんな展開にしてみたい等、ご希望やご意見がごさいましたらいつでも何でも仰って頂けたら幸いです。今年もカイト共々どうぞ宜しくお願い致します!!)
2月だな。元気にしてんのかカブキ。忙しくてぶっ倒れたりしてねぇだろうな。
何か来れねぇ理由があるだけで、またお前が来てくれるなら待っててやる。
が、もし俺の相手すんのしんどくなったなら、俺がこうして待ってんのはお前の重荷にしかならねぇだろうからな。一言でもいいから、もう来ねぇって言ってくれたら助かる。
お前とはまだ続けていきたいが、無理強いはしたくねぇからな。もしもの時は今までの礼だけでも言わせろ。
…流石に来るのが遅すぎたか…?すまない。もうきっとお前は待ちくたびれて此処も見ていないかもしれないが、もし気付いたら会いに来て欲しい…いや、来てくれてもいい。お前の事が嫌になったとか面倒とか、そういう事じゃないっていうのは分かって欲しい。
(/いやああああもうほんとに申し訳ありません...!仕事の環境が今年から変わったおかげで色々とバタついておりました…もういらっしゃらないでしょうか??;; もしまだ続けて頂けるのであれば是非ともお願いしたいのですが、かなりお待たせしてしまいましたのでお任せ致します…本当にすいません(泣))
──カブキ…?(驚きに目を見開き)てめ…今まで何処ほっつき歩いてやがった!お前はもう来ねぇとばっかり思ってたから…上がってて焦っただろうが!
…あぁ、待ってたよ。あれからずっとな。上がってもねぇのに、もしかしたらお前から何か届いてるんじゃねぇかってわざわざ覗きに来た事もあった。てっきり俺が面倒になったんだろうと思ったさ。だが、それならそれで礼くらいは言いたかった。……お前、面倒になったわけじゃねぇのかよ。(ふて腐れた調子でちらり)
(/いやはや上がっていたので吃驚しました!覚えていてくださり有難うございます…!
負担になっていたわけではないのでしたら安心しました。ご多忙の中また来ていただけて嬉しいです(涙)此方としてもまた無理なくお付き合い頂けたら…と思いますので、もしご迷惑でなければお願い致します!)
…心配かけた。少し事情があってなかなか顔を出せなくてな。せめて一言ぐらい言ってからにすれば良かった。怒ってる…よな。悪い。(申し訳なさそうにやや眉下げた後すぐにコホンと咳払い零し)大体、お前が面倒なのは今に始まった事じゃないだろ。それも含めて、……ああ、いや何でもない。
(/ いやもうほんとにご迷惑ご心配おかけしました…!こんなに素敵なカイトくんが負担な訳ないです!むしろまたお相手して頂けるということで仕事まみれのズタボロな私からしたら癒しでしかありません…!これからはまた顔出せますのでよろしくお願いします;_; かなり間空けてしまいましたが続きからお返事という形で良いでしょうか?)
怒ってるに決まってるだろうが。俺を待たせるなんていい度胸してんじゃねぇか。(頭ぐりぐりぐり)
…でもまあ、元気そうで安心した。戻ってきたお前の誠意に免じて許してやる。(うむ)
それも含めて、…何だよ?言ってみろ。(肩を組んでにやにや)
(/日々お仕事お疲れ様です…!環境が変わると余裕なくバタバタしますよね。いやいや癒されていたのは此方の方ですとも!私生活のご負担にならない程度にのんびりゆるゆると絡んで頂ければ嬉しいです。
続きからでも構いませんし、新たな場面からでも構いません。確かカイトが気持ちを伝え、見てろよ、絶対カブキを振り向かせてやるぜ、みたいな状態でしたよね!)
年が明けて春になっちまったじゃねぇか。元気にやってんのかよ、カブキ。
お前はもう来ねぇかも知れねぇが、一度出戻りしたからな。いつかまた会えるんじゃねぇかと勝手に期待してるし勝手に待ってる。そんくらいはいいだろ?
…嗚呼、もうこんなに時間が経ってしまったか。すまない、何も言わないまま急に来なくなって。きっと何を言っても言い訳になってしまいそうだから謝る事しか出来ないが…もう此処には居ない、よな。お前は今どうしてる?自分勝手だがもしまた会えたら…なんてな。時間が経ち過ぎて嫌味の言い方も忘れてしまったみたいだ。兎に角、長い間待たせてすまなかった。
──カブキ…!?(驚きに目を見開いていたが、直ぐに眉を寄せ仏頂面に) ~~…ッたくお前は、毎度毎度半分諦めた頃に現れやがって…。(わなわな) この俺を待たせるなって言っただろうが…!今どうしてる、じゃねぇよこの馬鹿!(散々吠えた後に大きく息をつき) …まぁ、元気にしてたなら安心した。思い出して戻ってきてくれたんだろ?……ありがとな。(視線逸らし、ぼそり)
……まさかこんなに早くお前に会えるとは思わなかった。怒るのも無理ないよな、本当に長く待たせ過ぎたと反省している。
まあ、その、何だ…お前に愛想尽かしたとか、嫌いになったとかそういう理由じゃないって事は分かってくれ…(俯き咳払い)
(/お久しぶりです…!そして本当に長い間放置してしまって申し訳ありませんでした……!一言言うべきだったのですが諸事情で海外に行っておりましてなかなか時間がとれず…当分はまた余裕がありますのでもしご迷惑でなければまたお相手して頂ければ幸いです…)
俺も此処が上がってた時はびっくりしたぜ。冷やかしの可能性も疑ったが、もしかしたらお前が帰ってきたんじゃねぇかって期待もした。
…もう謝んな。別に責めちゃいねぇよ。ただ、お前への感情をもて余してたからな。少しくらい俺の言うこと聞いてくれんだろ?(腕を掴みじっと見つめ)
(/お帰りなさい!またお会い出来て嬉しいです!何かとお忙しかったかと思いますが、お元気そうで本当に良かったです。迷惑なんてとんでもない…!そちらの負担にならない程度にお相手いただけたら幸いです!)
ああ、これ以上謝ると殴られそうだしな…。本来だったら誰がお前の言う事なんて、と言いたいところだが流石に今回は要求を飲んでやる…(ぼそ、)あんまり調子に乗り過ぎた要求はナシだぞ。
(/いえいえ本当にご心配とご迷惑をおかけ致しました…こちらこそまたお会い出来て嬉しいです…!!是非今後ともよろしくお願い致します!大分間が空いてしまいましたので場面とか切り替えた方がやりやすいでしょうか…?)
──だったら抱き締めさせろ。お前が言う調子に乗りすぎてるってのがどの程度かわからねぇが…お前俺の気持ち知ってんだろ。これでも控え目な要求にしてやってる。(有無を言わせないような眼差しぶつけるも、心臓はやたら煩く)
(/そうですね…伊織に介抱される場面も美味しかったのですが、別の場面に切り替えて新たにスタートさせましょうか!今までの経緯的にはカイトが告白したものの、正式には付き合っていない曖昧な感じ…ですかね?カイト的には、はっきりした返事は聞けていないけれど、良い意味で意識はしてもらえてるだろうから、これからもっと距離を縮めてやる、的な。この辺の状況は少し変えた方がやりやすいですか?伊織の心境といいますか、こんな感じにしたい等ありましたらお聞かせください!)
……!恥ずかしげも無くよくそんな事が言えるな…。だからと言って俺は素直に頷ける性分でもない。……今までだって強引に自分のしたいようにしてきたくせに…。つまり、いちいち聞くなと言っている。(恥ずかしさ誤魔化すように視線逸らし)
(/承知致しました…!状況的にはそのままでも全然問題無いです!伊織があれから変に意識しすぎて調子狂ったりますます陽向に対してモヤモヤしたり…すんなり両想いでお付き合い!というよりしばらくはもどかしい感じで進めた方が面白いでしょうか!カイトは振り向かせるのに必死だけどいざ伊織がちょっと頑張って行動に移してもイマイチ気付いてない、みたいなのも可愛くてアリかなと思います。笑 )
たまには許可とらねぇとな。お前クソ真面目だしよ。強引に攻めすぎても逆効果、って事もあんだろ。それに──、(言い掛けると抱き寄せ)…お前のそんな顔も見たかったしな。(恥ずかしそうに視線逸らす相手を間近で見つめ、口角上げて)
(/ですね!両想いに辿り着くまでもう暫くこのもどかしい距離感を楽しんでいきましょう!笑
おお、そんな二人も可愛くていいですね!カイトも張り切ってはいるんですが、頑張ってる伊織にイマイチ気付かず、たまに引いてみたり…。引いたら引いたでちょっと動揺する伊織が見てみたいです…!← 伊織が他の人と仲良くしてるとすぐ妬いて拗ねたりと面倒なカイトですが宜しくお願いします。笑)
逆効果、か。今まで散々勝手な事をしておいて、……っ!これで強引じゃないつもりか…?(久々の感覚に懐かしさ感じつつもすぐにハッとして)近い、離れろ、…!(近距離の相手の表情に僅かに顔赤らめ胸元押し返し)
(/カイトが引く…!!すごく新鮮ですね!モヤモヤムカムカザワザワする伊織が想像できます。笑 お互い無意識に駆け引きみたいなものを繰り返すの絶対楽しいですね…!拗ねてるカイト大好物ですありがとうございます← ではそろそろ場面切り替えますか…??)
強引に散々勝手なことをしたからこそお前の気を引けたんじゃねぇか。…だろ?(押し返される力が加われば逃すまいと抱く腕に力を込め、不敵な笑みを浮かべ) …──なぁ、さっさと俺を好きになって俺のもんになれよ。(抱き締めたまま髪を撫でると耳元で囁いて)
(/めちゃくちゃ想い合ってるのになかなか上手くいかないもどかしさは楽しいですよね!笑
カイトの事だから時に抑えきれず手が出そうですが。← 嫉妬心も独占欲も強いカイトでも大丈夫ですか…?(ドキドキ)ですね!どんな場面から始めましょう?)
ッ…!!誰がお前のものなんかに…!(相手の腕の中で自由が奪われるとせめてもの憎まれ口を叩いてキッと睨み)好きになんか……(小さな声でブツブツ呟きながら溜息吐き)
(/独占欲も嫉妬もウェルカムです…!笑 伊織にもそのうちそういう感情を沸き起こさせます!!無難にカイトが風邪から復活する所、とかですかね…?もしくは全く違う場面から始めるのもアリかと…!)
お前がなんと言おうと、俺は絶対にお前を手に入れる。欲しいもんは手に入れないと気が済まねぇ質だからな。…お前が好きだ、カブキ──…、(その強気な態度さえ愛おしく、独占欲に強く揺さぶられ、どさくさに紛れて唇を奪おうと顔を近づけ)
(/大きな台風でしたが、大丈夫でしたでしょうか?伊織の嫉妬や独占欲…幸せすぎます…!笑
場面はどちらでもOKですが、何かやってみたいシチュなどありますか?そのうち皆で何処かに一泊するなり、キャンプをするなり、お祭りに行くなりと、何でも構わないのですが…他のメンバーに嫉妬しつつ、後でこっそり二人きりになれるようなシチュがあったら嬉しいなー…なんて考えております。笑)
な、……調子に乗るな…!(ストレートに言葉をぶつけられるとどんな表情をしていいのか分からず眉顰め、徐々に近付く距離を少しでも阻もうと掌で相手の口元覆うも返って大胆な事をしてしまった事に気付き視線彷徨わせ)
(/ご心配ありがとうございます…!こちらは特に大きな被害も無く無事でした!其方も大丈夫でしたか…?
一泊いいですね…!合宿稽古という形でもいいですし息抜きという意味で旅行でも楽しそうです!生憎泊まる部屋が別、とかだとカイトくんのメラメラが引き出せるかなと!!笑 また昴辺りに犠牲になってもらう事になりそうですが…← )
…っ、(拒まれる事は予想していたが、口を塞がれるとは思っていたなかったのか瞳瞬かせ──たかと思うとにやりと瞳細め、口元覆うその手に舌這わせれば悪戯に指を甘噛みしてやり)
(/少し立て込んでおりまして遅くなってしまい申し訳ありません…!被害がないようで安心しました!此方も大丈夫です、お気遣い有難うございます!
うむむ、どちらも楽しそうですがどうしましょう?今回は合宿みたいな感じにして、また自炊でもさせましょうか?笑 部屋割りは別にしておき、モヤモヤメラメラさせましょう!笑 カイトの事だから昴が居ない間に乗り込んだりして伊織を困らせそうですが。←)
ッ……!!お前、…何、してっ……!!
(早々に手を離そうとしたのも束の間、生暖かい感触と指に伝わった甘く痺れるような感覚にびくりと肩震わせ勢い良く相手と距離をとれば煩く跳ねる鼓動抑えるかのように左胸に手を当て呼吸整え)
(/いえいえ全然大丈夫です!!ご無事だったようで良かったです…!自炊!久々にアリですね!笑 いつメンバーが入ってくるか分からない状況で乗り込んでくるとは伊織も思ってないと思うので存分に困りたいと思います!!笑)
お前が拒むから悪戯してやっただけだろうが。(過敏な反応は恐らく己を意識しているからだと自惚れてしまい、にやにやと楽しそうに。相手と再び距離を縮めれば、小さなリップ音と共に耳許に口づけ、間近で不敵な笑み浮かべ)
(/またも遅れて申し訳ありません…!次回からは早めに返せるようになるかと思いますので!
さて…合宿は何処でさせましょうか?普段の事務所で出来るんですかね?ハイキングがてら山にでも向かわせますか?笑 張り切って登るのは昴くらいでカイトはぶつくさ文句言ってそうですが。笑 逆に海の方でもいいですし、何かありましたらご意見いただけたらと!)
おいおい…三年どころか五年も経ってたじゃねぇか。マジで懐かしいな。お前は俺に振り回されてたって言うけどよ、あの頃の俺の方こそお前に振り回されっぱなしだったな。お前の言動に一喜一憂したり、女々しくお前を待ってたり…お前のことしか見えなくなってんじゃねーか。天才ともあろうこの俺が。まったく…聞いて呆れるぜ。…でも事実だからどうしようもねぇ。
何かの拍子で思い出してはお前に会えたりしねぇかなって来てたよ、たまにな。今回もそうだ。…が、正直驚いた。驚いたし、嬉しかったよ。お前に会えただけでもう十分だ…ってくらい嬉しかった。…ありがとな、カブキ。
トピック検索 |