ぱーぷる 2016-05-03 21:12:33 |
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こんな不燃ゴミ早く死んだ方が世間さまのためでしょ。
は?…多すぎ。誰だよこんな考えたやつ。一人はニート?としてあとは、………じゃあ死神で。クズには一番お似合いの職種だと思うんだけど、どう?
それは全面的に同意だけどね、そういうこと言い出すと兄弟揃ってニートな時点で皆死ななきゃなんなくなるから。ヒヒ、六人で心中ってのも悪くないかも……?
良いんじゃない、ニートと死神って字面からしてヤバい感じ。アンタどっちやりたいとかある?
…六つ子ニート揃って心中とか、松代に合わせる顔ないな。
ほの暗いくらいが俺には似合いでしょ、暑いの嫌いだし。どっちでもいいけど、…アンタの案だしアンタに合わせる。
じゃあアンタも生きないとね。何だろこれ、俺が死ぬのは構わないしアンタも俺なんだけど、アンタが死のうとするなら止めなきゃなって思うこの感じ。
言うと思ったよ……どうしよ、まあ、じゃあ、俺が死神貰おうかな。pf要る?
なんか、それわかるわ。“俺はお前”とか言っても、感覚は兄弟と接してんのと近い気がする。…見た目まんま俺なのにな。
すいませんね、任せっきりで。じゃあ俺ニート?…ってニートは元からか。いや、多分pfナシでいける。わかんないことあったらその都度聞くと思うし。
ガキの頃は今より全員似たり寄ったりだったから?そのときの感覚に近いのかもね。
ん、了解。じゃあはい、一応絡み文って奴。ロルの長さは割と適当だから、アンタのやりやすい長さでやって。そしたら俺も合わせるから。
……ああ、此処か……。
(今日も今日とて仕事の時間。仕事と言っても指示された場所で死期の近い人間の魂を回収するだけのこと、もうどれだけ繰り返したかも分からない業務には慣れしか無く。普通の人間には見えないのを良いことに悠々と家の中へ入っていき、とりあえずは死人が出るまで待とうと人の声のしない二階へ上がり)
俺があいつで俺たちが俺、ってね。…フヒ、アンタの場合、言葉のあやとかじゃなくほんとにそうだけど。
ん、サンキュ。とりあえず好き勝手してみたんで、何か問題あれば言って。
(「死にたい」と思ったのは、もう一回や二回じゃない。生まれてこの方生きててよかった何て思えたこともない。この世に未練?あるわけない、すべては来世でしょ、来世来世。故に、今日もまた例のごとく死にたくなって、例のごとく睡眠薬なんて物を持ち出している。ただ一ついつも違うのは、この睡眠薬は“デカパン博士の”睡眠薬だということ。即効性で効き目抜群、用法用量を守らないと大変なことになるダス、先程聞いたデカパンからの言葉を脳裏に焼き付け、掌程はある瓶に入った錠剤を見詰め。)……フヒ、これ一気に飲めば流石に死ぬでしょ。
分かりやすいように名前変えた、けどこれ戦隊モノの名前みたいでクソダサいね。
問題は無いでしょ、分かりやすくて俺好み。……ここの会話、蹴りたきゃ蹴っていーよ。
うっわ、自殺かよ……。(人の声がしないと思って向かった二階だったが、一人で何やらごそごそとしている人影を見つけ何だ何だと覗きこみ。その手の中の錠剤とこぼれた呟きから何をしようとしているのか分からないほど馬鹿ではない、今回の死人は間違いなくこいつだと確信し同時にうんざりとした声を上げ。近年自殺者が増えている気がする、お陰でこっちは昔より仕事が増えたのだからハタ迷惑な話である。おまけにこの家は確か成人しても仲良くニートをしている六つ子が居るという、後追いが出てもおかしくない。そんな面倒が頭に浮かぶとつい、手にしていた鎌の柄で瓶を突き飛ばしてしまい)
じゃあ俺も便乗。……したけど、したけどさァ。なにこの名前クソダサ。死神ぱーぷるとかまだ格好いい方でしょ、何ニートパープルって。
…俺こういう関係ない話とか、結構好きなんだよね。今んとこ蹴りたいとは思わないし。…蹴った方がいい?
……、は?(いざ、あの世へ。そう思い瓶の蓋に手を掛けようした矢先、突如手元から吹っ飛んでいった瓶。数メートル先の壁にぶつかり、コロコロと床に転がったそれには微かに傷がついていて、思わず間抜けな声が溢れ。今の、なに。え、誰かいる?思うが速いか、キョロキョロと辺りを見渡せば大きな、とても大きな鎌を持った自分とそっくりな顔の人物がいて)……ぇ?何邪魔してくれてんの。その鎌、なに。てか、え、何松?トド松?
ふっ、ふはっ……!いいじゃん何か強そうで、ぶふっ……(ぷるぷる)
正直俺なんかとだらだら話しててもつまんないかなって……俺もこういう雑談、嫌いじゃない。から、このままにしとく。
あーあ、やっちまった。(あ、と我に返って手を止めても時既に遅し。ばっちり干渉してしまった所為か相手には姿が見える様になってしまったし、まずい。これはまずい。とりあえず混乱している相手にちらりと視線を向け、動揺を見せない様常以上にぼそぼそと「見て分かんない?俺は死神……何でアンタみたいな人間が俺の知り合いの堕天使の名前知ってんのか知らないけど、トド松じゃないから。とりあえずアンタ、一回死ぬのやめてくんない?」と)
っ何笑ってんだゴラァ!自分がマシな名前だからってお前………くそっ。(チッ)
違う“俺”と喋る機会なんてそうそうないし。ゴミはゴミ同士、だろ?ヒヒ、そりゃどーも。
はぁ?(訳がわからん、その一言に尽きる。目の前の俺のそっくりさんは死神で、トド松が堕天使で?本気で訳がわからない。そんな話、にわかには信じられない。悪戯か?目の前のこいつ、随分俺に似せてきてるけどマジで何松なの。と、彼が言うことなんて勿論信じるつもりはないようで、チッと舌打ちをすれば歩の負のオーラを纏った瞳で鋭く睨み付け)俺がいつ、どこで、どう死のうがテメェに関係ないだろ。…つかマジで何松なわけ?俺の真似上手いのは認めるからとっとと正体晒しなよ。トド松じゃないとして、こんなクソつまんない遊び考えるってことは、おそ松兄さん?
想像はついてたけど実際文字にして見ると破壊力増すよね。かっこいいじゃん、この世に蔓延る職持ちを倒す、無職戦隊ニートレンジャー。紫だから後半に出てくる六人目の仲間っぽい。
(何でこいつ悪魔の名前まで知ってんだろ、と胡乱げな目を向けつつそりゃ信じられないかと溜め息を吐き。だけどこうして干渉してしまったからには冥界に連れて行くわけにもいかないのだ、人間に姿を見せて会話したなんてバレれば大目玉である。こうなってしまうと自殺を止めて「情報間違ってた」で誤魔化して数十年経った頃に天寿を全うして頂くしかない。とはいえそれを話して信じてもらえるはずもない、ぱさりと重たいローブのフードを脱いで顔を晒し)顔がよく見えたくらいでアンタが納得するか知らないけど。悪魔でも堕天使でもない、死神の一松なんですよね。アンタに死なれると仕事増えるから関係無くは無いワケ、分かる?
どこが。しかも脇役って……。まあ、いちいち誰かと戦うのもめんどいし、気が向いたときにポッと出られるくらいが丁度いいかもしんないけど。
それにしても悉くクソダサくしてくれるよね。
っぇ、(さっきから堕天使とか悪魔とかコイツ頭大丈夫か。そう悪態を付こうとしたとき、相手がフードを降ろしたことでその顔がははっきりと見えてしまい。自分と同じ顔。その顔はどの兄弟にも似ているけれど、違う。兄弟じゃない。これは“俺”だ。漸くその考えに思い至り、先程までの彼──死神?の言動を思い出す。死神って、人の命を刈るんじゃなかったっけ。警戒心剥き出しな眼差しのまま、目の前に立つ彼を見上げればハッと馬鹿にしたような笑みを浮かべ)……死神の癖に俺に「生きろ」って言うの?何それ、凄い矛盾してると思うんだけど。それともなに、俺の命なんて刈るほどでもないって?それはどうもすいませんね、死んでもゴミはゴミクズのまんまですよ。
ダサいのは俺の責任じゃないからね、たまたまだからたまたま。いっそクソ松リスペクトして英語表記にでもしたら?Neetpurple。
(あーヤベェ、すっごく正論。その通りなのだ、死神が死ぬななんて本末転倒にも程がある意見、というかそもそもまだ生きている相手に話し掛けてることが間違ってるのだけど。相手の命に刈る価値も無いのか、と問われてしまえばそれはイエスでもありノーでもある。人間の命の価値に差などない、綺麗事ではなく人外から見れば人間なんて誰も彼も大差ないという意味合いで。とりあえず床に転がったままの薬は回収して懐へ、相手の正面へ腰を下ろすとじろりと目を見据えて)こっちの事情をわざわざ話してやる必要なんてないでしょ、とにかく死なれちゃ困るの。……あんまり脅すようなこと言うのもアレだけどさぁ、アンタがしたいのは自殺であって兄弟の魂とか俺に持っていかれるのは嫌だろ?
…まあ捻りもクソもなく素直に名前付けたの俺だし。………二度と俺の前でクソ松の名前なんか出すな、絶対にだ。
っ(こっちの事情を……、確かにそうだ。けれどそれは完全にブーメランだ。この死神だとかのたまう男とて、こちらの事情など何も知らないくせに邪魔してくれやがった。睡眠薬の瓶も、きっちり回収されてしまった。何より兄弟の命まで持ち出されて、そう簡単にこの男に抗える筈もない。クソ。目の前で凄む男に怯むことなく、こちらも底無しの闇オーラを放ちながら忌々しげに口を開き)……アンタこそ、自分の都合で俺の行動に干渉して来て、しまいには関係ないあいつら脅しに使って何がしたいの。アンタが困ろうがどうしようが、それこそ俺は知ったことじゃない。ズカズカ踏み込んでくんな?大いに賛成だね。でもアンタが今してることは、干渉以外の何でもないんじゃないの。
俺も出したくて出したんじゃねーし……ただアンタが嫌がるかなと思って。軽い遊び心じゃん、……あー、おそ松兄さんの気持ち分かった気がする。
その理屈、俺とアンタが対等なら成り立ったんだろうけどね。残念ながら俺は人間とはちょっと違った立場にあるからその辺の義理守ってやる必要なんて無いの。(正論、正論、大正論ですとも。ただ己は死神、どうしたって人間より立場が上なのだからこの程度の横暴は許されて然るべきだと思いたい。好き勝手言っている自覚はあるし、どうにかしてギブアンドテイクの関係に持ち込まなければ結局こいつは死んでしまうことは明白で、かといって何を交渉材料にすれば良い?表情には出さないように散々悩んだ挙句口から出てきたのは、嘘も織り交ぜた今しがたまでの圧は何処へ行ったのかと思う様な迷いの混じる声音の言葉で)……あー、その、何で死のうと思ってたのか、聞いても良いのかな。事情によっちゃお望み通り殺してやらないこともないっていうか……。
……死にたいって思ったことは何度もあったけど、自分を殺したいと思ったのは初めて。あんな馬鹿の考えてることなんて一生知らなくていい、てか知りたくないし。
…アンタからしたら俺は下等生物って訳。(何て横暴なんだ。まるで主従のような関係だ。あちら側の意見だけを飲み込んで、こちらは意見のひとつも通りやしない。自ら進んでそんな関係になったのなら話は別だが、どこからともなく現れた得体の知れない死神さまに、へいへいそうですかと従える筈もない。警戒心はそのまま、彼から告げられた言葉を聞けばこれまた上からな物言い。…どこまで人を馬鹿にすれば気がすむんだコイツ。とは思いつつも、死にたい自分には彼の言葉は魔法のようで。素直に死のうとしていた理由を口にし)……別に、理由なんてない。ただ漠然と、あぁ死にたいなって思っただけ。
……俺は俺でもアンタちょっとバイオレンスだね?鬱期入ってる?
あ゛?理由も無いふわっとした自殺で俺は駆り出されたの?(どんな理由であろうとも元より殺してやるつもりなど無かったが、流石に「漠然と」等と言われては苛立ちもする。びきりと額に青筋を浮かべて低い声で問うと、はぁあ、と深い深い溜め息を吐き。そもそもにおいて自分は自殺する人間が嫌いなのだ、その魂の回収さえ苦痛な程には。がしがしと頭を掻きながらじとりと相手を見遣り「……そんな曖昧なら生きりゃ良いでしょ、何でわざわざ死ぬの」と)
んなのとっくに入ってるっつの。俺としてはアンタみたいに楽観的な俺の方が信じ難いね。
ヒヒ、今こいつクズって思ったでしょ。正解。(苛立ちに表情固まるその様に、ザマァミロ、と内心舌を出し。散々人間様を見下した御返しだ、こんくらいの憂さ晴らし許されるだろう。とはいっても、先程答えた内容はすべて真実だ。これといった理由なんてない。なんで死にたいかなど、そんなことは自分自身わからない、知りたい、とは思わないけれど。故に彼からの質問は自分にとって至極難題で、暫く無表情にその瞳を見詰めてはフゥ、と息を吐き)…俺はその逆。生きるのとかしんどいし、生きてる意味?とかもよくわかんないし。わざわざ生きてる意味とか、あんのかなってさ。なら死んじゃった方が楽でしょ、俺も周りも。
俺今機嫌良いからね。昨日は猫に滅茶苦茶会えたから。
……そういう自殺が一番ムカつく。(相手には聞こえない程度の声量にはしたもののぼそりと毒付く言葉を飲み込むまでは出来ず。どうせ人間には寿命というものがあるじゃないか、放っておいても大体は百年もあれば死ぬというのに。苛立ちついでに挑発的に出された舌を指先でつまんで引っ張り、きったね、とその手を振りながら「取引しよう」と切り出し)一月、一月で良いから死ぬの一旦待って。その間に俺がアンタの生きる理由探しに付き合ってやる。アンタとしては理由さえあれば生きるんでしょ?どうせ死ぬつもりだったなら一月も大して変わらないと思うけど。
はぁ。猫はほんと癒しだよ。俺も猫になりたい。
……一月で見付からなかった時は?(取り引きと、彼はそう言った。ならば普通、目的が達成されなかった場合の利益も一緒に提示すべきだ。二番目の兄であるあのポンコツなら、きっとそんなこと聞き返す間もなく「いいぞ!」と返していたのだろう、使える脳があって本当によかった。彼の言うように、自分に生きる意味なんてものが果たして見つかるのだろうか。正直検討もつかない。しかし、そうは言っても一ヶ月だ。それを余生として歩んでいくには、そう長くない期間ではないだろうか。そう結論付け、あとは彼の返答次第だとそのほの暗い瞳を見詰め返して)
……なればいーじゃん、どうでも良いけど猫カフェのバイトもう少し続けられてたら俺も今より元気だったかもしんないね(耳ぴょこ、)
その時は俺が責任持ってアンタの魂地獄まで持っていったげる。(にたり、と笑みを浮かべながら自身の返した答えはお世辞にもメリットと呼べたものではない、そもそもそれは何もせず相手が自殺していたときの前提条件なのだから。手持ち無沙汰に鎌の刃を指でなぞりつつ、ああそうだ、取引をするメリットではなく取引を断った際のデメリットを挙げれば良いじゃあないかと屑の極みの様な思考に落ち着き言葉を続け)逆に言えば一月経つ前にアンタが死んだら俺は魂を回収してやらない。苦しいよ、死んでも現世に留まる魂の末路なんて例外無くロクなもんじゃないんだから。
それはなんか違う。……ん、猫耳。(条件反射で頭撫で)無理無理、あれ以上体力持たない。
ふーん……。(“地獄”、その言葉に、妙に納得し素っ気ない返事を返しては眠たげな瞳を更に細めて。自分のようなゴミにはピッタリな場所だ、地獄なんて。それに死して尚この地に縛り付けられるなんて、それこそ本当に“地獄”だ。それならば、と、細めた目のまま「ヒヒ、」と不気味に笑えば、楽しげに言葉を返して)……その取引?乗ってあげる。随分俺に不利な内容だけど、それも目を瞑ってやるよ。生かしたがりの死神さん。
あー、そーか体りょ……自分の耳撫でて楽しい?(じとり/耳ぴこぴこ)
交渉成立……じゃあこれはもう要らないよね。(どうにか約束をこぎ付けたところでやっと一息吐き満足げに口元を緩ませ。懐に仕舞っていた睡眠薬の瓶を取り出すと薬の寿命を終えさせて手の中でぱっと灰に変えてしまい。適当にぱんぱんと手を叩きつつ、とりあえずは上へ報告挙げなくちゃなぁ、と立ち上がり)一回冥界に帰ってくる、どのみち日本担当してる死神俺しかいないんだから勝手に死のうとすんなよ。
…猫耳だけ見れば楽しい。(猫耳触り)
はいはい。んならとっとと行ってくれば?(掌の中で、灰になっていく睡眠薬をぼーっと見詰めていれば、よっこらと立ち上がる彼。そのあと吐かれた言葉に気力なさげにひらひらと手を振れば、ポケットから徐に煙草取りだし一本くわえ)
……あ、そーだよね、俺の価値なんて所詮この耳だけですよね。どうぞ好きなだけお楽しみ下さい……(くぁ、)
(誤情報だったのか死ななかった、との報告を挙げて要観察継続との結論を半ば強引に出させて。ついでにあの自殺志願者についての情報も貰ってきた、現世へ戻る道すがら手帳にまとめられたそれに目を通し、本人や兄弟の名前と自分や知人の名前の一致に目を丸くして。戻ってくるなり慣れない煙草の匂いにきゅっと鼻をつまみながら相手の背後まで近寄っていき)……アンタも一松って名前なんだ、すげー偶然。
…アンタも俺なら否定もしにくいんだけど。あと、耳だけじゃない。尻尾もあんでしょ、(背後指差し)
っゎ。…急に現れないでくれる。(彼が消え、煙草をふかして数分。そう時間も経っていなかったのだが、突如背後から現れた相手に思わず小さな声を上げ勢いよく振り返り。…どうやら報告は終わったらしい。更には同じ名前とまで言われてしまえば、普段落ちきっている瞼を些かばかり上げ、フヒヒと笑い)…アンタもお気の毒だね。こんなゴミと同じ顔、名前まで一緒なんて。
尻尾……尻尾ね、耳はともかくこっち触られたことないけど、(尾ぱたぱた)
アンタこそ俺みたいな不吉な奴と名前同じなんて……って、同じ顔?(きょとん、という擬音が付きそうな表情で小首を傾げてはへえ、そうなんだ、と呟き。何せ人外という奴は鏡の類に映らないのだから仕方無い。だが成る程自分はこんな見目だったのか、うわぁすげえ死んだ目。鏡代わりに目の前の相手をしばらく物珍しげに眺め回していたが、やがてはっと手帳取り出して続きに目を通し始め)ま、んなことはどうでもいいや。アンタさぁ、何だかんだ結構好きなものあるじゃん。生きる希望何一つ無いって訳じゃないでしょ。
…尻尾は眺めてるだけで充分幸せになれるなら、(揺れる尻尾見やり)
何、自分の顔見たことないんだ?……クソ松に見習わせてぇ。(物珍しげに自分の顔をまじまじと見る彼を、無表情に見返しながらぼそりと本音溢し。そんな自分の顔見て楽しいのだろうか、否始めてみる自身の顔なのだからコレが普通なのか?と疑問符浮かべていれば続けられた言葉。「好きなもの……」そう復唱し、暫く無言のまま彼を見詰め返していればふと、一言溢し)…………猫。
てかアンタばっかり見てんなよ、俺も猫触りたいんだけど(じと、)
誰だよクソ松。猫、あと家族?……ふーん(ぺらぺらとページをめくり、ふむと顎に手添え。要は猫を撫でつつ家族と手羽先食べてドクペ飲んでいれば幸せなんじゃないか、思いの外お手軽じゃね、などと思ってしまうが多分そういうことではないのだろう。人間の癖にどうも複雑なものだ。折良く窓の付近を通りがかった黒猫を目敏く見つけ、がっしと首根っこを掴み持ち上げ)これ?猫って普通にその辺に居る生き物なんじゃん。
は?…ぇ、俺の猫耳見て楽しいの、(猫耳ひょこり、)
(彼が手元で捲る紙、それに何が書いてあるかは用意に想像ができる。だが、いやだからこそ気分はあまり良くない。得体の知れない目の前の男に、こうも自分の嗜好物を知られているというのはやはり気味が悪い。しかし、それでも黙ってその様子を眺めていれば運悪く現れた友猫。それをまるで、物を扱うかのように掴まれればこちらの低い沸点がふつふつと煮えたぎるのは当然なことで、先程までの気だるげな様子が嘘のように、素早い動きで彼の手から友猫を救い、これまで以上に鋭い目付きで睨み)ってめぇ今すぐ喉掻切って死ぬぞ。
俺さっき同じ質問したと思うんですけど。でも良いなこれ、このサイズの猫耳とかなかなかお目にかかれないし……(もふもふ)
っは、何キレてんの。猫って首掴んだら死ぬ生き物な訳?それとも俺が触ったら殺されるとでも思った?(思いがけず俊敏な反応で猫を奪っていった相手に一瞬ぽかんとし、直後そこまでキレることでもないだろと不機嫌そうに吐き捨て。随分と昔のことだが猫を見たことはあったし、死ぬ様な持ち方でもなかったはずなのだが。「大体そんなに猫大事ならそいつら守る為にでも生きてれば良いんじゃねえの」と、意志疎通も出来ない生き物によくそこまで入れ込めるもんだとの本音は伏せて尋ね)
…そうだけど。
確かに、可愛いもんはでかくても可愛い。(猫耳へたん)
んな乱暴に持ち上げたら怖がんだろが。抱き上げるときはちゃんと尻支えろ(さも当然、と言わんばかりの勢いで、捲し立てるようにそういえば彼から視線を外し手元の黒猫を確認し。異常がないことを確認したのとほぼ同時、彼の発言にこれまた眉を寄せ「こいつらにはこいつらの界隈があんの、俺が入り込んでいい場所じゃない」と、これまた何を当たり前なことを、と言った口調で述べ)
あんまりでかくても膝とか乗せらんなくて勿体無いけどね(喉元をこしょこしょと撫で)
へぇ、そんなちっこいのにも怖いなんて感情あるんだ。……人間の考えはよく分かんねェな。(大事なら一から十まで管理してやれば危険は完璧に排除されるはずだが、それでは駄目なのだと言う。分からん、そもそも毎日餌やりしておいて界隈もクソもあんのかと疑問を浮かべつつ又手帳のページを進めて。にゃあにゃあと高い鳴き声がやけに耳に付き、おもむろに顔を向けると両手を差し出して)貸して、やり直す。
…規格外にでかいと逆にもふれるからそれはそれでいい、(喉ごろごろ)
当たり前でしょ。…俺にはあんたの方が理解し難い。(感情に大きいも小さいもない。猫だって犬だって、人間と同じように好き嫌いがあるし、怖いものだってある。そんな当たり前のことをさも不思議そうに呟く彼は、更に驚くことに腕を広げている。今度はしっかりと抱くつもりだろうか。やや不審に思いつつも、手元の黒猫を一瞥し一応の許可を取り。のそのそと近付けば、彼の右に猫の尻を乗せるような形で抱かせてやり)……お尻はちゃんと腕に乗っけて。左手は軽く添えるくらいでいいから。
いや、全身毛玉ならそれで良いけどアンタ頭と尻尾しか毛無いじゃん。撫で辛い、こっち来て(膝叩き、手招き)
(指示される通りに抱いた途端猫の重みが預けられてずん、と腕が下がりかける。大人しくしてくれるのかと思いきやそういう訳でもない様でもぞもぞと身じろがれたり、抱いている腕が妙に生温かったり。体温だ、と思い至ると死の象徴たる自分が死にかけですらない命を抱いているのがひどく滑稽に思えて、溜め息を吐いて目を細め。数回その背に沿って毛並みを整えてやると相手に返す、と手渡し)やっぱりよく分かんない、俺が根本的にイキモノ苦手だからかもしんないけど。
だから、尻尾にもふればいいじゃん。…完全に猫扱いしてない、(四つ足で傍寄り、膝に頭乗せ)
(自ら抱くことを所望したにも関わらず、彼の反応はイマイチ。終いにはすぐ猫を返してきた彼から友を受け取り、その頭を撫で。ナァ、と可愛らしい声をあげる様に自然と、極々微かにだが、緩めた口許湛えながら彼の言葉聞けば、次にはすっかり無表情に戻った顔を彼へ向けて上げ)…苦手なくせに、俺のことを生かそうとする意味がわかんない。
可愛い猫扱いされたい願望あるから。俺にあるならアンタも同じでしょ。(尾につぅ、と指這わせ)
自殺する人間の魂運ぶの嫌いだし、俺の仕事が増えるのは勘弁。そもそも生き物苦手だからって**とは思わないし……言っとくけど好きでこの仕事してるんじゃないから。(愛くるしくとでも形容すべきか、相手の腕の中に鎮座する猫をじっと見つめたまま。こうして離れて見ている分には可愛い、かもしれない。相手の問いにはぼそぼそといくつか理由を列挙していき。一番の理由は今この瞬間にもしているこのコンタクトが知れてはまずいから、なのだが今挙げた理由だって嘘ではないのだ)
……まあ否定はしないけど。(尻尾ぴくぴく)
ふーん……。死神も大変なんだ。(死神には死神なりの苦労があるらしい。やはり就職なんてろくなことがない。猫を愛でながらそう結論付ければ、ふと、手元に目線感じ彼を見ればその瞳には黒猫。…触りたいなら触ればいいのに、なんて心の中で思案するも、…苦手だって言ってたっけ。そう思考巡らせつつ、猫の顎指先で撫でぼそり、)…あんた、猫は好き?
……ん、ここ気持ち良い?(すりすり)
あ゛、規制引っかかった、伏せ字になってる。……まあ、察して。
見たのはこれで二回目だしまだ何とも言えないけど……可愛い、んじゃないの。(嫌いと言う訳でも好きと言う訳でもないが、とりあえず見ている分には悪い感情は無い、その旨を正直に口にして。やっぱりコイツ猫触っている間は幸せそう、と猫から相手へ視線を移して首を傾げ。ふと気付けば時間も大分経った模様、そろそろ相手の家族が誰かしら上に来るのではとそわりと身じろぎ)
ん、きもちぃ…(耳ぴこぴこ)
あぁ大丈夫、察した。
ふーん…。(返事は素っ気ないものの、猫は嫌いじゃないという彼に、内心好感度は意外にもグッと上がり。猫好きに悪い人はいない、独自の思考でそう思っている節があるのだが、彼も例外ではない。彼への警戒を、心なしか少し緩めもう一度彼を見ればそわそわとした様子の姿が写り。頭に疑問符浮かべ、緩く首傾げれば短く問い)…?なに?
……何かマジででっかい猫みたいになってきてるね(もにゅもにゅ)
や、いい加減誰か来るんじゃないの。そしたらアンタ何も無いとこに話しかけてるヤバい奴だよ。(ちらりと階段へ視線をやって話しつつもそもそと部屋の隅へ。相手の評価より何より”そこに何かいる”と思われたら人間の目に見えないはずのこの姿はあっさり見える様になってしまう。体裁としては観察なのだしこれ以上接触を持つ人間を増やす訳にはいかない、と身の丈以上の大鎌を懐に収めてしまいじっと座り込み)
ん……否定はしない。(喉ごろごろ)
あー…、そろそろ帰ってくるかもね。まあ俺がヤバい奴なのは前からだけど。……って、何してんの?(部屋の入口から見える階段、そこをチラリと気にして隅っこで小さくなる彼の姿がおかしくて、ぶっと少し吹き出せば傍まで寄り目の前にしゃがみこんで)他のやつにもあんたって、見えんの?
背中だけ見てれば普通に可愛い……?(猫じゃらし取り出しぴるぴる)
何笑ってんの。……普通は見えないけどね、アンタみたいに”居る”って気付いちゃうと見える様になることもある。(吹き出す相手にじとりと視線送り、依然階下の気配を気にしつつ説明して。というかこの体勢はおかしい、端から見れば壁と奇妙な空間を空けて向かい合う相手という構図が出来上がってしまう。しっしっ、と手で払う仕草をしつつ「原則人間と関わるのは禁じられてるから……とにかく見られると不味い」と締めくくり)
…!!(猫じゃらしに反応示し)
…あれ。じゃあ俺と喋ってんのって、いいの。(話している間も廊下を気にし、挙げ句あしらわれてしまえば少し眉を寄せるも離れることはせず。変わりに彼が座る横に彼同様部屋を見渡すように座り。…普段、自分は彼が座っている部屋の隅を陣取っている。それが人一人分ずれたところでさして不審には思われないだろう。そう思案しつつ、同時に脳内に浮かび上がった疑問をそのまま口にし)
ほらほら……、あー、(ぴこぴこ)……何か、呼び方無いと不便だね。
あ、……あー、あんまり、良くない。です。(まずい、口を滑らせた。ひくりと表情を引き攣らせながらごにょごにょとした否定。隣に腰を落ち着けることにしたらしい相手の存在もそわそわとした感覚を一層増長させて。そもそも改めて”喋ってる”等と言われてしまえばこんなに長く他者と会話したこと自体未経験で、意識してしまうと言葉の途切れた僅かな間さえも気まずい。もぞりとローブの中へ身を沈めんばかりに)
~…、(無言でたしたし)、変な名前つけたら引っ掻く。(じっと見つめ)
あ、そう。(彼の返答に少しだけ、小さく目を見開けば短くそう答えフム、と。どうやら自分とこうやって接触したのは計画外だったらしい。証拠に、明らかな気まずさを漂わせている。時計を見て、廊下を見て。もうそろそろ兄弟が帰ってくる。その間に、何か策を考える?そう思案するのは、部屋の隅に体を寄せる姿が何だか猫に似ていて、何故か放っておけなかったから。目線を彼から、目の前の宙へと移せば、ぼそぼそと話し出し)………俺があんたの存在をスルーしとけば、他の奴には気付かれないんだよね?
ヒヒ、そんなのご褒美じゃん。真面目には考えるけど(猫じゃらししまい)つーか同じ名前だし……………………イッチ?
……ん、そういうこと。別に俺、普段は話しかけたりしないしそんなに難しいことじゃないと思うけどね。(こくり、と小さく頷き横目でちらりと隣を窺い。ああでも最低限の会話スキルは身に付けておかねば、相手に生きる気力を与える案内役がコミュ障では仕方ない。慣れないやり口で誤魔化そうとして更に泥沼にはまっている気がする、とそっと息を吐いたとき、玄関のがらがらと開く音がしてびくっと肩を跳ねさせ)ほら、帰ってきた。お出迎えしてくれば?
そのままじゃん。…別にいいけど。(くぁ/欠伸溢し)
返信遅くなってごめん。
ん、そーする。(彼の言葉に、ふむふむ確かに、と頷き。確かに、彼と積極的にコミュニケーションをとる必要はない。だけれどもまた同じ理由で、積極的に彼を避ける必要もないのだ。常々口数の少ない自分なら、まあ苦労はしないかと結論付け、音の鳴った玄関で出迎えをすべく立ち上がり)
何事も分かりやすいって大事でしょ、ヨロシクイッチ。(ふぁあ、欠伸うつった)
別に。……放置プレイだと思えば楽しかったよ。
(体を丸めたまま、目を閉じて下でのやりとりに耳を澄ませて。一松、と誰かが呼ぶ度にぴくりと肩が揺れてしまうのは矯正しなくては、呼ばれているのは自分ではないのだ。女子供でもあるまいし男六人、何を話すことがあるのか知らないがいつまでも止まない声にのそりと重い腰を上げ、様子見に階段を降り)
ん、まぁそうだけど。…眠いなら寝れば?ゴミは動かないし、ここ使う?(ぽんぽんと自分の腿叩き)…てか、俺もいつまでもあんた呼びは不便。
…なんだ。てっきり罵倒が来るかと楽しみにしてたのに。
…あー、うん。へぇ…。(帰ってきたのは末の弟で、出迎えた自分を見つければ散々だった合コンの愚痴を延々吐き出している。居間のテーブルに向かい合わせに座り、適当に相槌を打つ頭の中では全く別の、辛気臭い顔の死神のことを考えていて。まだいるのだろうか、その疑問が浮かんだ丁度そのとき、末弟の背後の廊下に黒い人影が写り、一瞬面食らったような顔をすればわざと意識をそちらに向けぬよう再び弟へと目線を送り)
男の膝枕って誰得なの……使うけど。(ぽふん、)じゃあアンタも俺に呼び名頂戴、イッチのセンス期待してるから。
フヒ、罵倒して欲しかったら相応の頼み方ってのがあるんじゃないの?(にまぁ)
何だ、こっちで話してたんだ……(そろりと覗き込んだ一階の広い部屋では、ピンクのパーカーの奴が延々と話し続けている。いかにも聞いてなさそうな向かいに座る相手の姿にふっと笑い、扉に手を掛けることなくすーっと室内に入り。二階と変わらず壁の隅へ身を落ち着けてみたが、ほとんど愚痴でしかないピンクの語りにはすぐ飽きてしまい、ふと湧いた悪戯心から座る相手の足を指先でつん、とつついてみて)
残念ながら我が家は男しかいないからね、(頭ぽふぽふ)…って言われてもそれくらいしかなくない?もう一パインとかでいんじゃない(適当)
不可抗力でおこぼれ貰えるならありがたく貰うけど、自分から取りに行くのは違う。しかも自分自身に…(頬むにぃ)
……。(音もなく入ってきたかと思えば、早速ちょっかいをかけてきた死神。は?バレて困んのあんただろと舌打ちをしたいのを必死に堪え、今だマシンガンのように愚痴を溢す末弟の話に頷き。…今すぐトッティにバラすぞ。心の中でそう悪態をつき、くあっと欠伸を溢せば目の前では先程よりもわきゃわきゃと騒ぎ出す弟に片手上げつつ謝罪し)ぁ、ごめん。
おそ松兄さんのセンスじゃねーか、それで呼びたいなら止めないけどさ。(うつらうつら、)
風邪のときみたいに様付けで呼ばせたかったのに……相手が自分ってのがS的にもM的にも二重に興奮するよね(頬を摘む手ぺちぺち)
(思えば人間に認識されたことどころか、こうして人間界で無駄に遊んだことさえなかった。仕事、仕事で冥界では基本眠るだけ。それに比べこの状況、有り体に言ってすごく面白い。背中しか見えない相手が内心キレてるのかと思うと自然笑みがこぼれる、もしや自分は被虐趣味があったのか。にやにやとしたまま、乗せていた指をつぅ、と上へなぞり)
……、長いからいちで。(声潜め、頭撫で続け)
趣向の理解は早いしね、それはそれでいいかも、知れない。(摘まんでいた頬撫で)
っ!(弟のマシンガントークも終わり、目の前の弟はスマホに夢中。しかし背後の男は、完全に楽しんでいる。上に上がってきた指がその証拠だ。額に青筋が立つのをなんとか抑え、「トイレ、」と一言呟けばわざと大回りして立ち上がり、背後の死神の足を強かに踏んでやり)
んー……待って、これマジで寝そう……(へにょ)
でしょ?……摘むならもう少し強くて良いと思うよ。(頬に触れ)
痛っ……ふ、ふふ。(ああ面白い、踏まれた足を押さえつつもにやつきは隠せない。現世に引き留めるのに嫌がらせしてどうするんだ、と冷静な自分がどこかで言ったがそれはそれ。何せ初めて出来た人間の知人だ、多少はしゃぐ程度は許して欲しい。人の居ない廊下へ出た相手を追って部屋を出て)……悪かったって、ああいう状況初めてだからついはしゃいじゃった。
え、なに。駄目なの?(首傾げ)
ふーん……。強く打たれる方が俺は好きだけど、(指の腹で撫でてみて)
……言っとくけど次したら容赦なくバラす。(ドスドスと心持ち激しい足音響かせ廊下へ出れば、あとを着いてきたその人物睨み。こちらは馴れないなりに気を回してやったというのに、この男。チッと舌打ち溢せばそのままトイレへと歩を進め。…が、途中足を止め振り向けばいまだ不機嫌顔のまま睨み)…わかってるよね、入ってくんなよ。
足、痺れんじゃないの……(ぺし、)
く、すぐった……!(ぞわり)……お望みなら期見て叩いてやるけど?
分かってるって、排泄覗く趣味は無いから。(両手を上げて足を止めて見せつつ、首を振って相手の言葉に同調し。まあ人間と違ってこちらはそんな行為必要としない訳で、”トイレ”という言葉がすぐには分からずついていきそうになってはいたが。廊下のど真ん中で立ち尽くし不機嫌顔に怒らせたか、とは思うも不思議と危機感はない。思っている以上に自分は今の状況を楽しんでしまっている様で)……何やってんだろ、俺。
別に。…こう見えても兄弟の中では一番正座得意なんだよ、(頬ぷにぷに)
…ふくく、(笑い堪え)…じゃあお願いします(ぺこ)
(了解の意を背後で受けながら、トイレへと入れば手早く用を足して出て来。廊下を見れば先程と変わらず廊下の真ん中で立ち往生している死神目に入り、その横をするりと抜け。その先の階段を二段ほど上がったところで漸く後ろ振り向けば、ぼそりと呟き)…姿見られて困んのあんたでしょ。二階、行くよ。
……そ、だけど、膝枕なんかしたことない癖に……(顔逸らし)
人のほっぺ撫でて遊ばない。(ぺちぺち)……んん、やっぱすごい兄弟感あってやりづれえ。
え、あ、(不意の呼びかけにきょときょとしつつ後を追い、居間の前を通る際に中にいるピンクパーカーを指差して「もう良いの?」と。先程までは話を聞いていた様だがもう済んだのだろうか、二階へ行っても相手の大好きな兄弟は居ないと言うのに。勿論自分は人の居ない場所の方が良い、良いのだが相手は構わないのかと首を傾げ)
正座とあんまり変わんないでしょ。痺れたら言うから、(髪の毛ぽふり)
遠慮しなくていいよ、打たれて喜ぶ変態だからね、…ひひ。(じっ、と見つめ)
もう一通り愚痴聞いたし、スマホに夢中だから。(「大丈夫」と、言葉を続ければそのままなにも言わず二階へとゆっくり上がっていき。長年一緒にいれば、そういった感情の変化にも自然と気づく、六つ子なら尚更だ。構ってちゃん気質な末っ子は、存外ドライな部分の方が多い。今は末弟よりも構ってちゃんな、この死神に構ってやるのが最優先だろう。ちら、と階段のと階段の途中、後ろ立つ彼を振り返ればニヤリと笑い)それにトド松よりあんたのが構って欲しそうだったし。
……ん、(こくり/すやぁ)
まあ怪我させるほど馬鹿力でもないとは思うけど……えい(ぺちん)
っは?何で俺が人間なんかに構われなくちゃなんないの……ニートとはいえアンタだってしたいことくらいあるでしょ、俺の相手する暇あるなら自分の好きなことしなよ。(相手の言葉にぎょっとして一瞬足を止めた後、余計なお世話とばかりにそっぽを向き。ただ口先とは裏腹に構ってもらえるという事実に一も二もなく頷きかけた自分も居て、柄にもなくぺらぺらと言葉は口をつき。そうだ、相手は生きる理由探しの真っ最中、こんな死神なんかに気を向けさせている場合ではないのだ。「猫とか、……ねことか」と相手の好きなこととしてとっさに猫しか出てこないのは少なからず動揺してしまっているからなのか)
…寝んの早くない?(頬撫で)
……なにそれ、なめてんの?(眉寄せ/じとり)
下で散々ちょっかいかけて来たくせに何いってんの。(いつもより饒舌な彼に、これは強ち間違ってもいないなと確信。しかし彼の言葉にチラリ、時計に目をやればまだ夕食までには時間がある時刻。猫猫って、それ以外に思い付かないのかと一瞬文句が浮かび上がるも、自分自身ですらその単語以外に思い付くものがないのだから仕方ない。…「猫、」小さくそう呟き、フムと考え込む。この時間帯なら、行きつけの路地裏で猫集会が行われている。きっと友猫も、たくさんいるだろう。思い立てば、階段昇る足止め、完全に振り返れば数段下にいる彼正面から見詰め)……猫に餌、あげにいく?
んー……、(ごろん、すりすり)
いや、自分でもぬるいとは思うけど。……思うんだけどさぁ。(ぎゅ、と強めに頬摘んでみて)
だからさっきのはちょっと調子乗っただけ……餌?(先程の行動が浮かれたものだったのは認めるが、構ってちゃんの様に言われるのには眉を寄せて異を唱え。が、その言葉も途中で切れ”猫の餌やり”という新しい事象に興味の矛先は移る。行きたい、と飛び出しそうになった言葉は一旦飲み込み、猫関連なら相手にとっても楽しいことのはずだと判断。小さく一つ頷き)俺は観察役だし……アンタが行くなら俺も行く。
…こうやってみたらやっぱ兄弟みたい。(小さく笑い)
もっひょふよく、(眉寄せ強要)
ん、ならさっさと行くよ。(先程とは反対に、昇りかけの階段とたたと降りれば末弟のいる居間を抜け、台所へ。戸棚をガサゴソと漁れば買いだめていた猫缶を数個持ち、手近にあったスーパーの袋へと突っ込み。自分の誘いを断らなかった彼、…餌やり誰かと行くの、初めてかも。ぱっと浮かんだ言葉に少し胸がほかほかとするのは、きっと気のせいだ。別に誰が居ようと普段と変わりはしないのだから。一人気持ちを落ち着かせ、猫缶片手に立ち上がり)
……ここまで気抜くときって兄弟相手でもなかなか無いけどね。(ごろり、ぼそ)イッチ相手だからじゃないの、知らないけど。
(無言で抓る力強め)思うんだけど、これって結局壮大なだけのオナニーじゃね?自分でやってるのと何か違う?
(台所を経由して玄関まで向かう相手をひよこか何かの如くぴったりとついて行くのは、無自覚の内の期待の表れ。ローブの裾を擦りながらもやや早歩きになっていた足を一旦止め、得も知れない高揚感を抑える様に胸の辺りの布地を握り込み。猫に会いに行けることか、相手が構ってくれることか、現世を仕事以外の目的で歩き回れることか、何がそれほど嬉しいのか自分でも分からず悶々としながら玄関の前で相手を待ち)
…なに急に。甘えたなの?(少し目見開き/髪いじいじ)
オナニーなら後ろめたさもなくていんじゃない?(満足げに笑い)
(ひょこひょこと、生まれたての子猫のように後をついて回る彼。猫缶片手にサンダルを引っ掛け、玄関の敷居を降りれば一度彼を一瞥し、ガラガラと玄関の戸を開け。もう日が落ちかけているからだろうか、人も疎らで歩きやすく、後ろの気配に振り返っても不審者と間違われないのはありがたい。無言のまま、目的の路地裏へと入ればそこには案の定数匹の猫がたむろしていて、そこで一度足を止め、彼を振り返り)……ついたけど。
さぁね。……寝ぼけてんのかも、ていうかそういうことにしといて。(更に身じろぎ、顔隠し)
アンタが空しくないなら良いんだけどさ……はい、おしまい。(ぱちんと軽く叩いてやってから手は引っ込め)
(別に町を歩くこと自体は初めてではないのだが、いつも冥界から直に目的地まで飛んでいた為、歩いての移動がひどく新鮮できょろきょろあちこちを見回しながら目の前の背中を追い。不意に立ち止まったかと思えば到着した模様、薄暗い道でそっとしゃがんでみると猫が数匹。小さいのや大きいの、黒や白と様々な姿にこんなに種類があるものかと思わず隣の彼を振り仰ぎ)猫、いっぱいいる。
そんな流暢に喋っといてよく言う、(目線外し、ぼそ)
オナニーよりは、こっちのが空しさはないかも。……62点、(頬さすさす)
ん、今日はそういう日だから。(街を歩いている間も、随分と興味深げに辺りを見回していた。加えて今も、此方を見る瞳は光を反射しているかのように眩しい。思わず小さく息が漏れ、殆ど無意識にくいっと服を引きながら猫の傍まで近寄って。顔見知りである自分の足にすりりと寄ってくる猫。その頬に指で触れながらしゃがみこんで、猫の背を撫でながら呟き)…初対面の人には警戒心強いから、まずは匂い嗅がせてやって。安心したら自然と寄ってくるから。
……くっそ、油断して色々喋りすぎた。(むくり、身を起こし)別に甘えたとかじゃなくて、ただ何となく気置けないよねってだけだから。大体そういうのはあのドライモンスターの特権だろ。
微妙な点数……別に良いけど。自覚してるマゾの相手はあんまり面白くないってのは分かった。(はあ、)
いや、寄ってきて欲しい訳じゃ……アンタが撫でてるの見てる。(両手は膝に置いたまま、宣言通り相手の足へ集まってくる猫達を見つめるのみ。その内にほとんど動かずにいる子猫が目に入り、手を伸ばしてみても逃げる様子もなく。「猫のプロが言ってるんだから初対面の相手は警戒しなきゃ駄目だろ……」とちょんちょんつつきつつ僅かに表情を曇らせ)
俺別に何もしてないんだけど。ただ頭撫でただけ。(頭ぽふぽふ)…自分自身だから気抜けただけじゃないの、知らないけど。
オナニーに娯楽求めちゃ駄目でしょ、(頬杖つき、にやり)
猫のプロってなんなの、(彼の言葉を片耳で聞きつつ、言われた言葉に声だけで反応示し。彼の指の先、撫でられている子猫は確か最近この辺りに現れた新人だ。故に警戒心も強くなかなか近寄っては来ないのだが。抵抗もなく、彼の手を受け入れている所を見ればどうやらその存在を容認しているのだろうと解釈し、横で表情曇らせる彼覗き込み)…抱っこ、してあげて。この子最近来たばっかで情緒不安定なんだよね。
撫でるって相当な歩み寄りだと思うけど。俺もだけどアンタも大概パーソナルスペース狭くなるよね、お互いの間だけ。(腕ぺしぺし)
……最初に例え持ち出したのはこっちだけどさ、そのオナニー連呼やめない?俺の顔で言われると自分が長男脳になったみたいで何かやだ。(げんなり)
……ん、分かった。(つい半日前なら適当に摘み上げでもしたであろう小さな体を、壊れ物を扱う様にそうっと抱き上げ。隣の彼から気取られない程度に目を眇めて、子猫ではなくその中の魂を覗き見て。案の定消えかけの蝋燭の炎の如く弱々しい様子に小さく撫でていた腕を跳ねさせ、子猫を案ずるよりもちらりと横を窺い)
…言われてみればそうかもね。なんか、…いちの前だと楽。なに考えてるかとか大体わかるし、気張らなくて済むから(腕さすさす)
なにそれ。あの馬鹿と一緒にしないでよ、(眉寄せ)
…、?どしたの。(丁寧に小さな体抱き上げる様子にほっとしつつ、その体撫でる手が跳ねたこと気づけば緩く首傾げ。更には探るように此方を見る瞳にその疑問は確信にかわり、少し眉を寄せ手元の子猫見やり)……その子、なんか、あるの?お願い、なんかあるならいって。
自分だしね。燃えないゴミには生きづらい世の中なんだし、ここで話してる間位楽にしてても罰は当たんないんじゃない?(ふふ、)
や、だっていちいち言ってくるから。俺だって自分のことあれと一緒にしたくない。(首ぶんぶん)
……多分、明日まで持たない。(隠そうとしてもいずれバレることなのだからと仕方無しに口を開き。正直子猫が死んでしまうことは悲しくはなかった、悲しむには死というものに立ち会いすぎている。気にかかったのはむしろ、このことで彼が悲しまないかということの方で。話しながらも依然ちらちらと相手を気にしたまま、独り言として無意識に呟きを落とし)……悪魔の玩具にされるかもなぁ。
…だといいけどね。俺は別に、いいけど。あんたに罰あたんのは、ちょっと、不本意。(体育座りし膝抱え)
一々言ってたつもりはないんだけど…、(頬ぽりぽり)
…ッ!!そ、う…(彼の言葉に、息が止まりそうになるのをなんとか抑え、やっとの思いでそれだけを返し。彼の手の中、小さく動くその体にそっと、できるだけ衝撃を与えぬように触れれば直ぐに手を引っ込めてしまい。昨日はあんなに元気に鳴いていたのに、明日にはその体からは熱の欠片も拾い上げられなくなるのだという。表面上は平静を装っているつもりだが、動揺は図り知れず。しかし、ぽつりと呟かれた彼の言葉に目を見開きそちらへと目を向ければ小さく問い掛け)……玩具?
心配してくれて何よりだけど、それ俺も同じ気持ちだからね。(ぽすん、背中合わせ)
無意識は無意識でタチ悪い気もするけど……まあとにかく俺に頼むのはもう無しね。(がしがし)
ごめん、何か余計なこと言っちゃった気もするけど。(隠そうと努力はしているのだろうが相手の動揺は隠し切れておらずしっかり伝わってきて。申し訳なさげに眉を下げ、独り言も聞かせてしまったことへ歯噛みしつつ子猫の頭を撫で続ける。あまり悪魔やら人外に人間が精通するのは良くないのだが、この際やむを得まいと口を開き)俺達の界隈じゃ人間以外の生物の扱いは禁じられてることとか、無いから。動物の死にかけの魂を魔力で現世に留めて、幽霊みたいな状態にして使い魔にするのは悪魔がよくやることなんだよね。幽霊って言うかゾンビか、当の動物からしたらすごい苦痛だとは思うけど。
~…わかってる。(膝に顔埋め/後ろに少し体重掛け)
チッ……チョロ松兄さんに頼むから、いい。(不服げ)
(無理矢理この世に縛り付ける、なんて。彼の言葉最後まで聞けば、その視線は彼の手元の、弱々しい子猫へ縫い付けられるようにピクリとも動かず。この子も、その悪魔とやらに目をつけられたらそんな生き地獄を味わわされるのだろうか。知らずの内、膝の上に乗せていた手で膝に爪を立てていて、しかしその痛みも今は知覚することできず、ポツポツと言葉溢し)……この子、も、見つかったら、そう、なるっていうの?
……でも心配してくれたのは嬉しかったから。ありがと。(努めて背中伸ばして支え)
あの人ストレートに頼むと無視し始めるから上手いこと誘導頑張って。(ひらひら、)
……俺、が。今ここで魂持っていくって言ったら、アンタは止める?(子猫の頭から手を退かし、それこそ猫みたいに爪を立てる真ん前の彼の手に宥める様に触れ。人間の価値観は分からない、かと言ってこんな小さな動物は意思を伝える術を持たない。ならば彼に判断を委ねる他あるまい、基本的に死という概念を持たない身では判断が付かず俯き)今なら間違いなく安全に冥界まで届けてあげられる。けどそんな死後の安全より、一秒でも長く生きるのがイキモノの幸せなのかもしれないし……俺には分かんない、から、アンタはどっちが良いと思う。
~…別に。(ぼそり)
あんたんとこのチョロ松兄さんもそんな感じなの?…やっぱ似てんだね、(こくり、頷き)
…んなの、俺に決められるわけない。(自分の手触れる腕辿り、彼の瞳見返しながら苦しげに眉寄せ。この小さな命の、最期を自分が決められるわけがない。彼の手に抱かれる子猫の様子窺うように目線子猫へと移せば、思考逸らすように足元へ目線移し。今命を奪うことと余生を送らせてやること。それのどちらが正しいのか自分にはわからないが、この子が苦しまないようにしてやりたい。それだけは伝えたく地面に視線落としたままポツリ呟き)…この子の命を取るとき、この子は苦しまない?
素直じゃないっての、人に言われるとムカつくけどこうやって客観的に見るとよく分かるよね。(くっく、)
……似てると言えば、十四松は?アイツにバットにしてもらえば良いのに。(はて、)
そこは保証する、俺のこと誰だと思ってんの。(強引に毟り取ることしか知らない悪魔や、肉体から既に離れた魂しか扱かったことのない天使や神様ではないのだ。”それ”を仕事にしている自分が、苦しむ様な最期にするはずがないときっぱり断言して。鼻先だけがひくひくと動いている小さな体をそっと相手の膝の上へ置いてやり、立ち上がるとどこからともなく件の大鎌を取り出すと再度問いかけ)アンタに苦しい決断させてるんだろうってことは、何となくだけど分かってる。それでもその子は何も話せないから、……どうする?
俺は、あんまり実感ないかも。あんた俺より素直だし。(目だけ覗かせ、視線下げ)……でも、まあ。いちに素直じゃないって言われても、ムカつきはしない。
そんなんとっく。最近は慣れちゃってキツくもないし。(首振り)
(立ち上がった彼から子猫受け取り、いつぞやの大鎌こさえたその姿見上げ。彼の言葉に嘘はない。死神なんて訳のわからない存在の筈なのに、なぜだか何の疑いもなく信用できてしまう。そっと、目線を子猫へと移し、その瞳をじっと見詰める。昨日までの覇気はなく、どこか辛そうな子猫はニィとか細く鳴いている。そっと喉を撫で、「…ごめんな、助けられなくて。俺のこと、恨んでもいいから」と出来るだけ優しい声色で声を掛け、再び彼へと視線向け)……この子のこと、お願い。
それこそ相手がイッチだからじゃないの?言うほど俺、アンタと違いないと思うんだけど。(ぽふぽふ、)
あー……まあ、そうか。やっぱチョロ松兄さんが適任なのかね。(ふむ)
……分かった。(こくりと一つ頷くと、「動かないでね」と声を掛けて大鎌を子猫を撫ぜる様に振り抜き。物理的に子猫の体を切り裂くことはなく、その代わりに鎌先に引っかかった淡く光る魂を手に取ると両手で包み。手の中の、魂特有の温かいとも冷たいともつかない感覚に安堵を覚えつつも、直に触れたことで伝わってきた子猫の感情に目元を和らげ)この猫はアンタが毎回餌やりに来てること、ちゃんと理解してたし感謝もしてたみたい。撫でてもらうの好きだったってさ。
根っこの部分は一緒だけど、…なんだろ。全く同じではないじゃん、俺たち。(振り向き/じっ)
ん。…でもあんたにつねってもらったから当分は、いい。(ふいっ)
そ、う…~ッ、(彼が大鎌を振った直後、くたりと腕の中で力を抜いた体。まるで眠っているようなその姿、彼から告げられた言葉。それらを受け止め競り上がる涙の気配に、そう小さく返事をすることしか出来ず、永遠の眠りについた小さな体をきゅっと、優しく腕の中に引き寄せれば顔を俯け。浮かびそうになる涙を、奥歯を噛み締め懸命に堪えたまま手の中の体をそっと撫で、震える声で彼に話し掛け)あの子、ちゃんと天国に、行けた?
かもしれないけど、でも俺だって兄弟相手に相当素直じゃないからね。イッチよりは自己分析は出来てるけど改善は出来てないって言うか。
低燃費。地球に優しいゴミって良いと思うよ。(くつくつ、)
それはこれから、冥界で手続きが済んでからだね。俺は責任持ってこの魂届けてくるから、アンタは埋葬してあげなよ。死体使って呼び戻されるのなんて可哀想でしょ。(夢の無い返事で申し訳なく思うが、死んだからと言って終わりではなく、むしろここからが自分達の仕事。動物の魂をきちんと冥界まで届けるのは物好きな一部の死神しか行わない慈善事業でしかないが、することは人間相手と同じだし問題は無い。早く届けてあげようと冥界へ飛ぶ直前、俯く背中に努めて柔らかく声を掛け)大丈夫、この子はちゃんと天国行けるから。……気遣って餌やり誘ってくれたのに変なこと言って、嫌な思いさせて、ごめん。
…ふーん、なんか意外。兄弟の前でも、今みたいに素直なのかと思ってた。
ひひ、あざーす。…まあ、世間様に何の貢献もしてないゴミクズだからね。貢献しようとも思ってないけど。(ニヤリ)
別にあんたのせいじゃ……っ、て、もういないし。(飛び立つ直前だったのだろう、聞こえた言葉に勢いよく顔を上げたが、そこには死神の姿はなく。「…あんたが謝ることないだろ」と、ぼそり一人言呟けば腕の中の子猫だった体を抱き直し、立ち上がり。足元で、自分を慰めるかのように擦り寄ってくる猫たちに小さく笑いながら、路地裏の一角に埋葬する場所の目星をつけ。そこに猫たちと一緒にしゃがみこみ、素手で土を掘りながら猫にぼそりと語りかけ)…あいつが帰ってきたら、みんなでお礼言おっか。
いやいや、まさか。素直な俺とかどこの時空探しても居ないと思うし。
まあ、俺もアンタもニートだからね。どうせ兄弟全員同じなんだし別に良くない?(にま)
あれ、まだ帰ってきてなかったんだ。……ったく、あのクソ悪魔……。(冥界でよりによって出会ってしまった知り合いの悪魔。「何その魂、おやつにちょーど良さそうじゃん。頂戴!」などと言い出したのだからたまったものではなかった。昔から悪戯や我侭を許容してきた所為か珍しい自分の反抗が気に入らなかったらしく、たかだか子猫の魂を巡り冥界でガチバトル。ローブのあちこちに穴を空けつつどうにか無事送り届けて、ようやく戻ってきた空の部屋に拍子抜けして座り込み)何であんな物の為に必死になってたんだろ俺、馬鹿らし……。
…確かに想像しただけで鳥肌立った。(ふるり、)
ひひ、クズはクズのまま人生全うするつもり。ニートが五人いても六人いてもかわんないだろうしね、(口角上げ)
……よし、(綺麗、とまではいかずとも、丁寧に子猫を埋め、見守ってくれていた猫と黙祷し終えれば、土の盛り上がった箇所に撫でるように触れ。手についた土を粗方払い、立ち上がった頃にはすっかり日も暮れていて。着いてこようとする猫たちに、「大丈夫、お前たちの分も、お礼言っとく」と制止すれば去っていくその背を見送り自身も帰路へと着き。早足に歩き、辿り着いた家にて土まみれの手を洗い、無言のまま二階へと上がれば何故か穴だらけのマントを引っ提げ戻ってきた彼目に入り)……どしたの、それ。
でしょ?俺はひねくれてるので正常なんだって、イッチの前は例外なんだよ。(ふ、つんつん)
案外どうにかなるもんだしね。ヒヒッ、さすがギャグ時空……。(メタァ)
……悪魔に喧嘩売られた。(どうしたってバレるか、と自身のローブの穴をちらりと見下ろすと端的に答え。答えてからすぐに相手を不安にさせてはいけないと思い立ち「猫はちゃんと天国に行けたから安心して」と付け足し。何故子猫の魂などに自分が必死になったのか、分かった気がした。不思議と相手には嫌な思いをさせたくなかったのだ、生に希望を持ってもらうという取引を抜きにしても。)
…なんでだろ。俺だけ例外って、なんか嬉しい。(なでなで)
でも違う世界線では働いてるよね、俺たち…(更にメメタァ)
怪我、してない?(二階の部屋に一歩踏み入れた場所で立ち止まり、少し距離のある彼に怪我がないかと様子窺い。…見たところ怪我がないことに、心底ほっとした自分に驚きつつも、そう小さく問い掛け。更に続けられた言葉にほっと胸を撫で下ろしたのと同時、先程の猫たちとのやり取り思い出し。そうだ、“お礼”だ。普段そんな言葉を素直に吐き出せない性分ゆえ、覆いに目線泳いでしまい、口からは「あの、あのさ、」としどろもどろな言葉溢れていて)
誰かの特別って良いよね、相手は自分だけど。(「撫でるの好きだね」とふにゃり)
最近は石油掘りに行ったし、理由があれば働くんだよ多分。期間限定だけど。
怪我は平気。……何?(ひらひらと片手を振って怪我の無いのをアピール、そもそも戦ったのではなく逃げてきただけなのだから。何かを言おうとして口ごもり始めた相手を促し、何か言いづらいことでもあったのかと立ち上がり相手のすぐ目の前にしゃがみこみ。じっと見上げる様に視線を合わせると「何かあった?」と重ねて尋ねて)
いちは俺だけど、厳密には違う個体、になるわけだし。(髪の毛くるくる/小さく笑いかけ)撫でんのも撫でられるのも、好き。
まぁそれも自分のためじゃないと働かないけど。
そう、(本当に怪我がないことを確認すれば、脱力したように小さく笑い。かと思えば目の前まで来て、こちらを覗き見る瞳。そんなに見られたら言おうとしている言葉も、満足に言えなくなってしまう、……けど。パーカーの中に突っ込んでいる両手で、ぎゅうと裾握り締めれば眼下にいる彼じっと見詰めたまま、ボソボソと呟き)さ、さっきは、その、ありがと。あいつらもあんたにお礼言いたいって、言ってた。……あんたがいなかったら、あのまま何にも知らずにあいつを死なせちゃって、もしかしたらアクマ?に連れてかれてたかも、しんなかったし。これでも結構、感謝してるん、だけど。
……アンタはそういう風に笑ってる方が良いよ。(頭ぺしぺし)
良いんじゃない、やるときはやるってことで。
お礼言われる様なことじゃない。むしろ知らなくて良いこと知って、変なことに首突っ込ませただけなんだから。(複雑そうな表情で視線を揺らし、耐えかねた様にふいと逸らすと照れ隠しではなく本心から首を横に振り。こんなことで感謝されるのは筋違いだ。自分が余計な事を悟らせなければ何事もなく子猫は天寿を迎えられた可能性の方が高い、知らなければその方が良いのだし。眉を寄せながらも更に言葉を重ね)……アンタはさ、そうやって子猫一匹の死でも悼める人間なのに自殺は平気でするんだね。
…なにそれ、照れるからやめて。(無表情戻り目線逸らし)
やらなきゃいけないときにやらないことの方が多いけどね。
それ、は……。(逸らされた目線は、自分の考えが間違っていると言われているようで言葉出てこず、ぐっと言い淀み。しかし彼が、子猫の命と自分の命を比すように言葉紡ぐことに少々疑問を抱きつつ、言葉を選ぶように視線を横へと流し。子猫は、きっと望まれて生まれた来た。生まれてきたあとだってみんなに必要とされて、生きる権利があった。だから自分は、あんなに必死になれた。けれどそれが自分のこととなると話は別だ。別に自分はこの世の誰にも必要ではないし、生きる権利なんて、ゴミクズには無論ないのだ)……俺は。俺の命にはそんな価値ないんだから、当然、でしょ。
今更何照れることあるの、笑ってろって言ってんじゃん。(頬むにむにと指でつり上げ)
世の中そんなでも案外何とかなるもの。……どうでも良いけど、俺が返事来ないかなぁってゴロゴロしてるタイミングでいつもイッチが返事くれるの面白い。
俺は神様じゃないけど断言出来るよ、アンタが死んだらアンタの兄弟の誰かしらは後追う。(溜め息を一つ、どうにも彼は自分と兄弟のつながりの深さに気付いていないみたいだと額を押さえて。他の人間は分からないが、少なくとも家族には愛されているのは人の情に疎い自分でも分かった。どうして相手はそこまで自己評価が低いのか、と再三の疑問に頭を傾げつつ「少なくとも俺はアンタの命に価値はあると思うけど」などという言葉が自然に口をついてしまい)
あ゛~~…。思い通りに表情作れてたら苦労しない(低く唸り)
なにそれ(ふひ)…やっぱり顔出すタイミングも一緒なんかな、俺たち。
っは。兄弟だって腹の中で何思ってるかなんてわかんないよ。(他人からどう見えているかわからないが、何を言われたって自分の思考を変えることなどできず。だってずっとそう思ってきたから。兄弟はみんなクズ。その中でもずば抜けたゴミが俺。ずっとそうやって生きてきた。燃えないゴミなんてなんの価値もない。故に彼の、善意からの言葉でも真に受けること出来ず)…それに、俺なんかの後追ったら確実に地獄行きだよ。
分からなくもないけど……今日なんて俺らの誕生日じゃん。今日くらいは笑っておかないと駄目でしょ、ほら。(ぐに、にへら)
特にイッチは安定してるからね、日付変わる頃に来るのは分かってるし待ってるんだけどどうしても寝落ちる……(目元ごしごし)
……自殺者は例外なく地獄行きだよ。とにかく、アンタの兄弟も本心からアンタのこと大事にしてると思うけど?(説き伏せられないことではなく、本心からの言葉が届かないことに焦れてローブの裾を手持ち無沙汰にいじくり回し。何故そう思うのかなんて、自分の様な死神の怪我を心配してくれたのがひどく綺麗な心だと思ったからなんて、正直には言えない。具体的な出来事を除いた結論のみをぽつりと呟いて)だってお前、優しいでしょ。
…(ぐにゃりと歪に笑い)
ごめんね、遅くにしか来れなくて。(なでなで)…でも今日は早くこれた。
……、(自分が死ぬことで他の兄弟が死ぬなら、易々とは命を投げ出せないな。と頭の片隅で思いつつ、彼から出た言葉に驚き目を見開き。というより、自分は彼に何かしたわけではないのだから、そんな言葉を貰う意味がわからない。ポカン、と一瞬固まったあと「は?」とすっとんきょうな声上げ)俺が優しいとか、ないから。お、俺にそんな価値、ないし。
ちょっとだけ、レス保留。ちょっと風邪引いたみたい、このクソ暑くなりだした時期に引くのもどうかと思うんだけどさ。一日待たせて悪いね、今返レス打ってもまともな文になる気しないし、回復するまでちょっと待ってて欲しい、デス。(ぺこり、)
え、大丈夫?(眉下げ)こっちはいいから、あんたはとにかく寝て早く治して。夏風邪は長引くって言うけど、とりあえず安静にね。返信は落ち着いたらでいい、気にしなくていいから。(撫で撫で
)…きついのに返信ありがとね。
ごめん、思ってたより遅くなった。ひとまず回復したから帰ってきたよ。(手ひらひら)
猫でも何でも、誰かの為に心配出来るのは優しいって言うの。アンタもう少し自分のこと客観的に見てみなよ。(特に死神の怪我心配するなんてよっぽどだよ、などという呟きだけは声に出さずに、呆れ顔で相手の額にチョップをかましつつ宣い。人間の価値なんて誰も彼も等しく同じ、……とは思っていたものの、もしも価値を付けるとすればそれは当人ではなく他人なのだ。だから自分が優しいと言ったら相手は優しいで間違いない。うんうんと一人頷きながら)俺が人間のこと褒めるなんてなかなか無いんだから素直に受け取りなよ、俺はお世辞とか言える様な性格してないから。
おかえり。死んでないか少し、心配してた。平気そうでなにより。(頭ぽふり)
(自分のような人間に、「優しい」などと言う者が現れるなんて思ってもいなかった。ましてやそれが死神だなんて、予想できるはずもない。彼が放った最後の台詞のせいで、頭ごなしに否定することも出来なくなり、ぐっと奥歯噛み締め反論の言葉飲み込み。然程痛くもないが、チョップされた頭さすさすと何度も手で撫で付けるのは、もしかしなくても照れ隠し。じんわりと熱くなる頬を隠すように、顔を背けながらぼそぼそと小さな声で)……あんたってほんと変な奴。そんなこと言われたの、初めて。
流石に風邪で死ぬほど軟弱じゃない……。俺としてはイッチが普通に心配してくれたことにびっくりしてる、一松様発動するかもって期待してたのに。(くすり、)
……口にしないだけで周りも同じ様に感じてると思うんだけど。(初めて、との言葉に彼の周囲はこれまで一度も彼の心根の優しさに言及しなかったのか、と僅かに顔をしかめて。ふと相手を見ると、頭をさすっているし顔は背けているしで表情は窺えない。幾ばくか下げられた声量に、しまった一方的にくどくど話しすぎたかと狼狽して)あ、いや、……俺が勝手に思ってるだけなんだけどさ。”優しい”って言われるの、もしかして嫌?
緊急時にキャラ出せるほどキャパ広くないんで(ぷい)…心配すんので精一杯だった。
…クソ松には言われたことある、気がする。(顔を背けているから彼がどんな表情をしているのかわからない。だが今顔を見られてしまえば情けない顔を見られることになる、それは嫌だ、絶対。そう思い顔を隠したまま返答したが、思いもよらぬ彼の不安げな声。それを聞いてしまえば先程のプライドなど頭からすっぱ抜けていて。パッと顔をあげ彼の方を向けば、そのままの表情で咄嗟に声あげ)っゃ、違うから。~…言い慣れてない、だけ。
……そりゃどうも、何と言うか、そこまで心配掛けてるとは思わなかった。(頬ぽり、)実はまだ微熱が尾引いてるんだけどさ、やっぱりちゃんと休まないと治り遅い。
……、(人間のことはあまり見慣れていない、故にとっさには喜怒哀楽程度しか表情は把握できない。表情の起伏が少なくひどく分かり辛い相手が顔を上げた途端、珍しくはっきりと分かった真っ赤な顔にも意味の理解に暫くの時間を要して。まじまじと相手を見つめる自分はぽかんとして、さぞ阿呆面を晒していることだろう。やがてはっと我に返ると得心した様に)アンタ、照れてるのか。
普通に、心配するに決まってるでしょ、(むっ、)てか、……はぁ?ちゃんと休まなきゃ駄目でしょ。ただの風邪でも最悪肺炎になったりするんだから。(眉寄せ/冷えピタぺたり)
~~…そういうの普通ストレートに言わないもんだよ、(情緒の起伏は激しい方だが、それを表情に出すのが極めて苦手な自覚はある。故に兄弟からも「感情が読めない」とよく叫ばれるのだが、今回ばかりはすぐに知られてしまったようだ。だが、普通それはこんなにはっきりと言うべきではない。その証拠に更に頬に熱が集まって来た、ような気がする。少し眉を寄せ、すぐに先程同様表情隠すように顔背ければ不機嫌にぼそりと呟いて)
冷た、(びくり)……風邪こじらせて肺炎になりかけたこと、実際あるけどさ。この程度平気だって、曲がりなりとも成人男性だよ。
俺は人間の価値観とか知らないし。(再度隠されてしまった顔を面白くなさげにつんつんとつつき。「……照れてるってことは少なからず嬉しいってことなんだよね、」と話を戻すと、嬉しいならもっとたくさん相手を褒めなくてはとの義務感。自殺を引き留める者としては、どうせ話すのなら相手が言われて幸せになることの方が都合が良い。恥ずかしいから言わず仕舞いにしようとしていた心境を打ち明けて)アンタが俺なんかの怪我気にしてくれたのも、まあ、その。……嬉しかった、ですよ。
……なら尚更寝てろ、(眉寄せ、むっすり)俺に成人男性並の免疫力あるとは思えないけどね。
……悪い気はしない、けど。(彼の言う通り、多分自分は嬉しい。けれどその言葉を貰うに値しない人間だとずっと思っていたから、素直に受け取ることが出来ない。つんつんとつついてくる指を無視し、ボソボソと小さく呟いたそのあと、彼から呟かれた言葉聞けばきょとり、と目を見開き彼の方へ目線向け)…あんな俺の言葉なんかで、喜んでる、の?
貧弱な免疫力でもどうにか復活出来たみたい、良かった良かった。(はー、)つーかよく風邪から肺炎なんて発想出るよね、体験談?
……アンタが、死神ってものにどういうイメージ持ってんのかは知らないけど。人間は見えないから当然として、同じ人外でも基本関わろうとはしてこない存在だから。(素直に話せるのは一度で限界、改めて喜んでいるのかと問われても返せるのは婉曲な話のみ。それでも出来うる限り全力で相手に微笑みかけながら話してはみて。恐らくは目も当てられない形相になっているだろうが、気にせず相手と目を合わせると「こうやって目合わせたり、」と言葉を続けて)会話したりって、それだけで俺の中ではすごいレアイベントな訳。ましてやアンタがああやって気に掛けてくれたことなんて、さ。
あそ、(なでり)んな訳ないでしょ、…たまたま。兄弟が多いと一人くらい無理する馬鹿いるでしょ。そんとき松代から聞いた。(ぼそぼそ、)
そう、なの…。(人間の世界があるように、彼らにも彼らの世界があるらしい。じ、と奇妙な顔でこちら見る彼にしどろもどろな返答しつつ、伝えてくれた言葉を嚥下する。…つまりは彼も、自分同様他者と関わる機会が滅法少ないという訳だ。ならば彼が先程呟いた言葉の意味もわかるような気がする。知らず浅いものになっていた息を、ふぅと吐き出し目の前の、死神である彼の頭を殆ど無意識にぽふり、撫でながらぼそぼそと呟き)……俺はあんたが死神だからどうとか、全然知らないし別に興味ない。でも、俺が知ってる“あんた”は、……良い奴、なんじゃないの。
言っても兄弟の中で一番免疫力死んでそうなの俺だけどね……全員で風邪引いたことはあったけど肺炎までこじらせる奴居たの?
!?(頭に乗った重みに飛び退き、信じられないものを見る様な目で相手を見つめて処理落ち状態。撫でた、こいつ今俺の頭撫でた、と頭の中はそれだけがぐるぐると渦巻き。接触なんて慣れていないどころの話ではない、頭を撫でられるなど初めてのことで、「良い奴って、何言ってんの、何で撫でたの、」と自分でも把握しないまま言葉を垂れ流し。ローブのフードをしっかと被り直すと、距離を取って体育座りに収まり)……もう俺のことは良いから、アンタは自分の良いところだけ考えてて。晩飯ももうじきじゃないの、ちょっと俺も落ち着きたいしアンタは下降りたらどう……?
いちと一緒で手前までね。…元々風邪気味だったクソ野郎が、クソみたいな大雪の日にクソタンクトップにクソジャケットで女漁りに行ったら珍しく焦った十四松が死にかけのクソ野郎拾ってきたの。
は?ぇ、撫でちゃいけなかった?(まるで自分の掌を拒絶するような動きに、思わず手を引っ込め驚いたようにそう問い掛け。しかし相手の表情と、ポロリ溢れた言葉にあぁなるほどと理解する。何で撫でたか、か。別に大した理由はなかったのだけれど、彼の世界では珍しいことなのだろう。明らかに動揺の色を滲ませ言葉紡ぐ姿にふぅ、吐息溢せば小さく頷き)……そうする。飯食ったらまたこっち来るから。
あー……馬鹿は風邪引かないはずだけど、アレは馬鹿通り越してクソサイコパスだから仕方ないか。……やだなクソ松と同じって。
……いってらっしゃい。(かろうじて一言だけ応じると、膝に頭を乗せたままひらひらと片手を振り。一人になった部屋で撫でられた意味を考える、褒めたのか、はたまた愛玩的意味合いなのか。それにしても向こうから触れてくるなどまるで彼が気を許してくれたかの様ではないか、それがさほど嫌ではない自分も相当に絆されてしまっている。多分自分と相手は本質がどこか似ている。同族嫌悪しか生まないと思っていたが、もしかすると悪くない関係を作れるのかも、なんて。)……あいつは人間だけど、ともだちってやつに、もしかしたら……。
あんたの場合、無茶して悪化した訳じゃないでしょ。状態は一緒かもしれないけどあんなクソ野郎と一緒ではないから。(撫で)
(見送りの言葉を背に、階段を降りながら思う。なんで撫でたのか、なんて、「そんなの、」。大した理由はない、ただああ言葉を並べる彼が、ほんの少し、切なく見えただけ。階段を降りきり、自分の掌を見下ろす。普段猫を撫で慣れた自分のそれ。撫でる前に一言言えば、彼は大人しく撫でさせてくれるのだろうか。その思考に驚いて、少し目を見開けば、ぎゅうと開いていた掌を閉じる。彼は自分と似ていると思っていたけれど、きっと恐らく、自分よりも独りに慣れてしまっている。だからなのだろうか、彼に手を、差し伸べたくなってしまうのは。)………明日こそ猫に餌、一緒にやりたいな。
……ん、ありがと。(こくり、頭預け)イッチもこの時期雨多いし体調気を付けてね。
(ちらと時計を見上げれば今日が終わるまでもう四半日を切っていた。本来今日死ぬはずだった松野一松が生きていれば、確実に自分はあれこれ問い正されるだろう。果たして書類ミスだったで乗り切れるものか、恐らく今なら正直に干渉を申告すればまだ軽い罰で済む可能性もある。それでも、不思議と今は罰への恐れ抜きで彼に生きていて欲しいと思えた。自分の変化に頭を傾げていると、不意に窓から一匹猫が飛び込んできて。餌を求めてか部屋の中をうろうろ、どうすべきか分からず暫く硬直していたが、やがておずおずと自分の名でもある呼称で階下の相手を呼び)……っ、い、いちまつ!一松!
こう見えても結構丈夫だし、多分大丈夫でしょ。(顎元こしょこしょ)……心配は、ありがと。
!?は、ぇ?(居間に通ずる襖へと手をかけようとしていた刹那、二階から聞こえた自分の名を呼んぶ声。それに弾かれたようにドタドタと降りてきた階段を駆け上がり、その勢いのまま彼がいるであろう部屋の襖をスパーン!すると目の前には友達と、狼狽えた様子の死神が。思わず「は?」と声をあげれば、素知らぬ顔の友達はナァンと鳴き、餌を乞うように足元へと擦り寄ってきて。思わず脱力し、大きく溜め息を吐き出せば自分を呼び戻した張本人へと視線を移して。…そう言えば、彼に名前を呼ばれたのは初めてではないだろか。その事実と、咄嗟の出来事に自分を頼ってくれたことが嬉しく、自然緩む頬のままぼそり、と。)……昼間餌あげれなかったから、今あげよっか。
梅雨って野良猫も外出てきてくれなくなるから嫌い……あー、気持ちい……(くた、)
……ん。(自分の足の周りをぐるぐる駆けて鳴いていた猫が、思いの外早く駆けつけてくれた彼の方へ向かったのを見てほっと肩の力を抜き。やはり猫好きというべきか、妙に嬉しげに餌やりに誘ってきた相手に小さく首肯を返してそろそろと近寄り。彼が隣に居るだけで大分緊張せず猫と相対せる気がする、と手を伸ばしかけたところで礼もまだだったことに気付きぱっと向き直って)ごめん、アンタに飯行けっつった癖に呼び戻して。……すぐ来てくれて、ありがと。
…俺は結構好きだけど、雨。(小さく笑い)
(部屋の隅に転がっていた猫缶入りの袋を拾い上げれば、聞こえた言葉。まさか死神に謝られる日がくるなんて。そう思考巡らせつつ、表情はキョトンと間抜けなもので。だってそんな、彼が言っているようなことは全くもって気にしていなかったから。それよりも、初めて呼ばれた名前と頼ってくれるその信頼にばかり目が行って、そんな些細なことは全く、本当に意に介していなかったのだ)……いや、別に気にしてない。俺としては、…頼ってくれるとは思ってなくて。
家の中に居る分には心地良いんだけどね……濡れるのが嫌で。
頼った……、(彼を頼った、のだろうか。でも自分一人では猫の相手は無理だと思って、彼なら何とかしてくれると助けを求めたのだからその言葉で合っているのだろう。知らず知らずの内に初めて他人へ、それも人間を頼りにしていたこと、相手がそれを迷惑がってもいないこと、どちらもおかしく、自然くつくつと声が洩れてにまりと笑い)っふ、俺は現世は初心者なんだからアンタに頼るのは当然でしょ。何、それとも迷惑?
俺は結構好きだけどな。たまに十四松と水溜まりで遊んだりするし。
は?迷惑なんて言ってないでしょ。(続いた言葉に、くつくつと笑う彼とは対照的にこちらはむすり、眉寄せて。こっちは、頼られることなどほぼ皆無の燃えないごみなのだ。友達だって猫しかいない。そんなやつが、今日会ったばかりの死神に頼りにされて、嬉しくない訳は、ないのだ。最初は険しい表情を浮かべていたのだが、嬉しいと、その感情に気がつけば途端に頬をぼっと染め、居心地悪げに顔を反らし)~~っこっちはそんな、た、頼られる、とか。初めてなんだよ。だからどう反応していいかとか、わかんないし。
確かに水溜まりばっしゃばっしゃすんのは楽しい、十四松マジックかな。ガキの頃はよくやってたんだけどね、大人になってからやるとそれはそれで。
俺も誰かを頼るのは初めてだけど。……そんな嬉しそうな顔されるなら悪くないかもね。(また照れてる、と気付くも二度目は流石に口に出さず頬をつつくのみに留め。待ち切れなくなったのか再度鳴き始めた猫を見やり、「こっちの相手してやろっか」と相手の持つ猫缶入りの袋を指して。すり寄る猫に視線は固定したまま、ふと思いつき)初めてって言うけど、猫にはすごく頼りにされてるんじゃないの。……友達なんでしょ。
あいつがいると年忘れるんだよね、良い意味でも悪い意味でも…。
~…別に嬉しそうになんて。(……してたの、だろうか。ツンツンとつつかれた頬が更に熱を持つ感覚にすいと顔を反らせば、指差された猫缶から、チラリ目線友人へと移せば漸くその傍らへとしゃがみこんで。早く早くと急かすように揺らめく尻尾に、「ごめんごめん」と頭を数回撫でてやれば聞こえた言葉。頼りにしている、のは、寧ろこちらの方だ。落ち込んで路地裏に行ったとき、心配そうにこちらを見上げてくるのはいつも彼らの方なのだから)………寧ろ俺の方が、頼りっぱなしだし。これはそれの恩返しみたいなものだから。
テンション若干うつるって言うの?
今日もすごい土砂降りだったね、滅茶苦茶冷える。……何かあったかいもの飲む?
……持ちつ持たれつって奴?アンタと猫は”友達”だもんね。(ぺらぺらと数時間振りに手帳をめくり、両者の関係を示す二文字を指でなぞり。ほんの僅かに揶揄する様な調子が混じったのには気付いたとしても許してほしい、だって羨ましかったのだから。自分と彼は似ているけれど同じではないのだ、彼は独りぼっちではない。こちらへも向かってくる猫を「俺はご飯持ってないから」と相手の方へ戻しつつ)友達なんだから、置いていって死んだら駄目だろ。そういうの、残された方は寂しいんだからね。
こっちは午後から晴れたよ。…ん、ここあ、(ぼそり)
(彼の言葉に他意があることに気付くことは出来ず、けれども、もしも自分がこの世界で生き続けることを選択したら、彼は、自分の前から消えてしまうのだろうか。唐突に浮かんだその疑問に自らも内心驚きつつ「…ともだち、」と、無意識に彼の言葉なぞるように呟いていて。友達。─…彼とも、そうなれれば良いと、思っているのだろうか。ぽかりと浮かんだその思いから気を反らすように、猫をこちらへ追いやる彼の手に、手中の猫缶を一つ乗せて)…あんたからも餌あげて。寄ってくるってことはあんたのことが気になってる証拠だから。
あ、甘いもの良いな、俺もココアにしよ。マシュマロとか突っ込んじゃう?
うぇ、俺は別に……って。……ったく、(別にいい、と言う間もなく渡されてしまった猫缶を渋々ぱきゅりと開き。途端変わり身早くこちらへ舞い戻ってくる猫、缶を床に置くのも待てないのかぴょんと床を一蹴りしてこちらの膝の上へ飛び乗ってきて。そのまま缶を持つ手に前足を乗せ、顔を突っ込む様は人慣れしているどころの距離感ではなく本当に野良猫なのか疑うレベルの警戒心の無さ。というかもふもふしている、乗られている膝も前足置きと貸している両手ももふもふしている。たとえ猫でもここまで距離が近いのはやはり慣れそうにない、動くに動けず顔だけがきょときょととあちこちを向き、やがて隣の彼へ向いて)い、一松、もういいでしょ、近い、これ何とかして……!
いいね、猫型のやつとかどう、(がさ)
あんたどんだけコミュ障なの。(まさか猫にまで人見知り…いや、この場合は猫見知り?するなんて思っていなかった。きょどきょどとこちらに助けを求める姿にぷっと吹き出しながら、彼の膝の上でどうどうと猫缶を食べる友達をひょい、と持ち上げ。ナア、と不服げに泣く友達に、「ごめんってば、」と眉を下げればそのふわふわを彼の目の前、向き合うように下ろして。猫は満足したようにそのまま猫缶に向き直っていたので、恐らくもう心配ないだろう。ふ、と、先程まで狼狽えていた彼を見る。彼が困っている姿を見てしまうと、全力で何とかしてやりたくなるのは何故なのだろうか)…これで大丈夫?
……何それ可愛い。はい、(マグカップ手渡し)
うるさい、そもそもコミュニケーションなんてしたことほとんど無いんだから仕方ないでしょ。(笑うな、と口を尖らせつつ膝から退かされた猫を横目で見やり、やっぱりこのくらいの距離から見てるのが一番丁度良いと息を吐き。正直今こうして相手と普通に話せているのが奇跡だ、恐らくはお互い波長が近いのと相手がそこまでぐいぐい来るタイプでないのが理由なのだろうが。「……ん、ありがと」と頷き問いに応じると、階下からの食事の匂いにすん、と鼻を鳴らして)アンタ、自分のご飯は?この猫ももう平気だろうし行ってきなよ、わざわざ呼んで悪かった。
ありがと。(カップ受け取り、お返しにマシュマロの袋手渡し)
…にしちゃあ俺とは問題なく話せてるよね。(それは俺もか、というツッコミは心の中で。お食事中の友達の頭やら背中やらをもふもふと撫でて堪能しつつ、彼の言葉に「まぁ、そうなんだけど」と小さく返し。正直、お腹はあまり空いていない。それに今はここから、彼、から、離れたくない、ような、気がしなくもない。さすがにそこまで言うのはコミュ障にとってハードルが高すぎる。なぜそんなこと思うのか?なんて疑問は、とりあえず今は置いておいて。猫を撫でながら体育座りした膝の上、口許を隠しぼそぼそと)…今はお腹空いてないから、もう少ししたら、ね。
どこで見つけたのか知らないけど、可愛いの持ってるよね。食べるの勿体なくなる。(ゆるりと微笑みつつ袋を受け取り、互いのカップにぽいぽい投入して)
……う、ん。……あのさ、もし、もしもさ、アンタが頑張って生きようってなって。それでも、その後も俺、ここにたまに来ても良いかな。(まだここに彼が残ってくれる、そのことが”嬉しい”などと感じてしまうのだから頷く他無かった。彼と普通に話せるのはお互い波長が合うこと以外にも一緒に居て楽しいから、を付け足さなくてはならないかもしれない。そう思うとゆくゆくは彼とのお別れが来ることが無性に惜しく思えて、つるりと口が滑って。言ってしまってからばっと顔を背け、相手の返事を待たず言い訳めいた口調で)っ、なんて、アンタからすればまだ死ぬ気満々なのかもしれないし、余計な話かもしれないけど!
…この間路地出て直ぐ右に曲がったとこに雑貨屋が出来たんだ。そこが猫専門の雑貨屋でさ、可愛くて思わず、ね。(こくり、と溶け始めたマシュマロの入ったココア飲み)……今度あんたも行く?
へ、(“また来ても良いかな”。そのあとの言葉は、正直耳に入って来なかった。…そうだ、そうだった。彼とのこの奇妙な関係は、一ヶ月という期限つきのもの。それを過ぎれば、彼は居なくなってしまう。その事実は予想していたよりも、かなり、大きく、自分の胸にのし掛かる。今彼と別れるのが嫌だなんて、思ってしまった。そう思った事実に、また目を大きく見開く。…なんで?どうしてさっきから、彼の傍に居たがるの。自問自答したってなんにもわからなくて、先程は口許だけ隠していた膝に、今度は顔全部を乗せ更にくぐもった声を出し)~…もし俺が死にたいって思い続けてたら、あんたはどうすんの、
行く、(ぱっと顔を上げて)そういう店はたまにふらっと寄るけど、誰かと行くのは初めて。……楽しみ。
……冥界でアンタの魂留めたままにしてようかな、なんてね。多分、そうなったら俺もお役御免だから、すぐに消えるよ。(ふ、と冗談を口にした勢いでついうっかり洩らしてしまった言葉に、しかし自覚はなく。こうして姿を見られていることが知られれば最悪クビ、との事実は隠していたはずなのだが、弱味を知られても問題ないと無意識に警戒を緩めすぎた故か。どのみち彼が死んでしまえば自分がどうなろうと会えなくなる事実は変わらない。そう考えるとくっと眉が下がり)でも、アンタにはやっぱり生きてて欲しい。生きて、……人間の寿命ならあと60年位?だけでも、俺の話相手になってて欲しい。
俺もそういう店に入ったのは、これ買った時が初めてだから。…二回目があんたとでよかった、(ズズ、照れ隠しするようにわざと音立てココア啜り)
消える、って………、?(冥界だの魂だのの話は、自分にはよくわからない。けれど彼が何かの規則を破れば、“消える”と言っているようでならない。その言葉の真意を知りたくない、そう思うのに口は勝手に動いて疑問符を投げ掛けていて。自分が死を選ばなければ、彼とまた話すことが出来る。そのことだけで心が傾く。…死なずにいればまた会えるのか、その事実だけで自殺なんてどうでもよくなってしまっている自分が可笑しい。今朝はあんなに意気揚々と死ぬ準備をしていたというのに。しかし伏せた顔から発するのは、本心とは大分かけ離れた言葉で)………考えとく。
お茶じゃないんだから音立てて飲まない、行儀悪いでしょ。(照れ隠しする相手に呼応する様にぱっと視線逸らし)
……っあ、あー。気にしないで。(ヤバい、と露骨に顔に出てしまった気もするが、伏せられた相手の目には恐らく入っていないだろうから適当に誤魔化して。それよりも、死ぬことを止める自分の言葉に保留でも即座に却下されなかったことが嬉しかった。今日一日たくさん話したのは無駄ではなかったのかもしれない、と自然に口元が緩み、とすんと隣の彼へ肩を預けて)うん、考えといて。応じてくれるまで、俺も待ってるから。
……おかんかよ、(音立てないように飲みながらぼそり)
俺が死んだらあんたは消えるの?(肩に加わる彼の重みが、どうしてかひどく心地良い。その彼から伝えられた言葉に、ぱっと顔を上げれば見えた微笑み。…笑うのが下手だと思っていた彼の、思いもよらぬ表情に思わず目を見開き。しかし表情はすぐに元に戻り、何か思案するように目を前方へと漂わせれば、意を決したように重たい口を開き「……こんなこと言ったら、あんたは変に思うかもしれないけど。~…俺は、」。しかし折角上げた顔は、言葉と共に徐々に下がっていき、最後には元の定位置へ)…俺はあんたと離れんの、やだなって、思ってる。
……誰がおかんだよ。素直に話すのがむず痒いのは俺も同じだから、下手な照れ隠しすんなってこと。(マシュマロを追加投入しつつ)
え、(予想の外を行く彼の言葉に、ぱっと横を向いてその隠れた顔の方をまじまじと見てしまう。例えば死神なんて存在が物珍しいとか、あるいは自分が余程楽しいトークスキルを持っているかすればその言葉は妥当だったのかもしれないが、現実は無論そのどちらでも無さそうで。思わず何で、と呟いてしまったのは当然の疑問だ。彼と仲良くなりたいと思ってしまった身としては喜ぶべき言葉なのだろうが、如何せん理由が分からない。「……俺も、アンタともっと話してたいし、”友達”にだってなりたいけど。けど、」と口ごもりながら再度何で?と問うて)
…………別に照れてない。(とはいいつつふいっと顔背け)
(言ってしまったあと聞こえた、彼の声に言わなきゃよかったとすぐ後悔する。自分なんかにそんなことを言われても、彼は困るだけだというのに何を舞い上がっているんだ、自分は。素直になった途端卑屈な思考ばかりが一人歩きしてしまう、けれど。そのあと続いた彼の言葉に目を見開き。~…彼も友達になりたいと思ってくれていたらしい。そんなことを言われたのは、初めてだ。ぱっと顔を上げると見えたその顔は、随分と怪訝そうで。思考は今だ混乱しているのに、ボソボソと話す言葉は本心包み隠さず伝えていて)……あんたと話すの、凄い、落ち着くし。もっと話していたいって、思って。俺もあんたと、と、友達に、なりたいから。
そう?じゃあそういうことにしとくけど。俺はもうアンタは俺なんだしって色々開き直ったからね。(ふふん、)
! 本当?……アンタも、そう思ってくれてるの?(猫とはいえ友達と呼べる存在の居る相手は、決して一人ではない。だからこそ友人を選り好みすること位は可能なはずで、それなのに友達に自分を望んでくれたことが嘘の様で。元より素直でない性格の自分だが、死神としてのこれまでで他者に好意を向けたことが皆無な訳ではない。ただ応えてもらえたことはこれが初めてで、人間って奇特なイキモノだ、と脳内でひっそり評するとたどたどしく言葉を続け)僕でいいならいくらでも話すし、仕事が無いときは側にいるし、とっ、友達に、なれる様頑張るから。一松、が、死にたいって思ったら行動に移す前に僕を呼んで、何回だって止めてあげる。
なに普通に順応してんの、俺はそんな器用なキャラじゃなかったでしょ。(むす、)
…こんなゴミで、本当にいいわけ?他に人間なんていくらでもいるのに。(こちらからすれば、寧ろ不安なのはこっちの方だ。友達になりたいと思っているのは、こちらだって同じ。傍に居てくれると、話をしてくれると言ってくれた。それだけで頬はめいいっぱい緩みそうだ。ふいと顔を彼から背け、そう告げるも、続けて言葉吐き出し)~…でも、そんな俺とでも友達になってくれるっていうなら、俺、は。…あんたと友達に、なりたい。
自己を客観的に認識したら何ちゃらみたいな……アンタと話してそういう感じの影響があったんだよ。知らないけど。
……正直、俺は基本人間嫌いだから。それでも友達になりたいって言ってんだから、アンタがどれだけ特別か分かるでしょ?(くしゃりとあちこちが跳ねた相手の頭を撫でながら、ふっと笑みを向け。厳密には人間全般ではなく、”自殺志願の”人間が嫌いなのだが説得の上では言わない方が好都合なので伏せたまま。人間は友達同士で何してたっけ、と記憶を辿りきゅっと相手の手をにぎにぎとしながら)……はい、俺とアンタは今日から友達。よろしくね、一松。
言うわりに随分と適当じゃん。……まあ、なんでもさらけ出してくれてるって分には、嬉しいんだけどさ。
~…アンタも一松でしょ、(撫でられた髪も、握られる手も嫌じゃない。寧ろその言葉通り、自分を受け入れてくれているようで酷く心がほかほかする。突然訪れたその感覚と、出来た友達という存在に言い知れぬ気恥ずかしさ感じれば、先程の素直さはどこへ置いてきたのかそう返答し。ついでに背けた顔から、ぼそぼそと、小さく)………こちらこそ、こんなんでよければ、よろし、く。
イッチはまだ素直じゃないところあるよね、面白いからいいけど。素直になった方が俺の場合ノーマル四男になっちゃってつまんないかもしれないし。
俺、友達、初めてだ。(半ば勢いで押し切ってしまった気がしないでもないが、それでも跳ね退けたりはしない相手にじわじわと喜びを覚え。小さな子が玩具を貰ったときの如く、大切そうに握った手で何度も手の温度を確かめる様にしてはご満悦でへらりと笑い。友達ってすごい、手を繋いでいるだけでかつてないほど幸せな気分になれる。そうだ、と声を上げて相手の方に向き直り)人間の友達が普通すること、考えといて教えて。それで機を見て俺達もやってみよう、そしたら俺、色々頑張れそう。
人をツンデレみたいに言わないでくれる?……てか、あんたと話すの別につまんなくないし。
(にぎにぎと握られる手がなんとも恥ずかしい。けれど手を離すという選択肢は微塵も浮かばず、緩い力できゅうとこちらからも握り返し。しかし、続けられた言葉に「え、」とすっとんきょうな声あげれば、続けて焦ったように首横に振り)え、や、無理。俺だって友達出来たのなんて殆ど初めて、だし。い、一緒に考えるじゃ、駄目なの。
……そりゃどーも。ってね、こういうところがツンデレ?なんだって、俺ら。最近の言葉はあんまり意味分かんないけどさ。
俺の知ってる友達関係って、サンプルが少ない上に皆人外なんだから仕方ないでしょ。(そうは言われても、と苦笑しながら落ち着かせる様にすりすりと指先で手の甲を撫でて。天使なら空一緒に飛ぶものだとか、そんな友人図は人間の彼と死神の自分には全く役立たないものである。こんなことならもう少し普段から人間に興味を持っておくんだった、と悔やみながらなけなしの記憶を探ること十数秒、「あ」と小さく声を上げ)……ほとんど人間のことは知らないけど、親しそうな二人が唇を接触させてるのは見たことある。あれって友愛を示す人間の仕草じゃないの、やってみる?
…それにしたって俺、いちには割りと素直な方だと思うんだけど。
……、は、(何の気無しに紡がれた言葉に、思わず目を見開き固まって。…唇を接触って、それってつまり、つまりキ、キスってことだろ?死神ヤバい、人外ヤバい。頭のなかは嫌に饒舌なのに、いざ口から出たのはたったの一文字。その形のまま、暫く固まっていたがじわじわと状況理解すればブンブン首を横に振っていて。教えなければ、その行為の意味をこの死神君に、教えなければ)い、いやいやいやいや。それキ、キスだから。友達同士じゃそんなことしないから。キスすんのはリア充っていう疎ましい存在のやつらだけだから。
……ま、他の奴相手と比べるとね。そこは俺も一緒、むしろ家族はおろか自分相手でも素直になれないって大分救えないし、俺といるときくらい気抜かないと。
りあ……じゅ?よく分かんないけど、とりあえずキスって何?どういう間柄でする行為?(元来知的好奇心は人並みに持ち合わせており、意味を察せるほど聡くもない為、気分としては未知の風習を前にした外国人の様なもの。というより種族が違うのだから、例えと言うよりそのものだ。あくまで人間の不思議な慣習とだけ捉えた上で、「俺もやってみたい」とぼそり洩らし)
そりゃそーなんだけどさ。…なんだろ、あんたは本気で俺のことからかわないから、安心、してんのかも。俺自身ってことも、確かに理由に入るけど。
は?ぃゃ、だから、~…っキスは、す、好きな人同士ですんの。勿論友達とかじゃなくて、恋人、どうしがさ、(こちとら童貞なのだ、こういった話題を真剣に話すとなると、矢張羞恥心でどもってしまう。それに自分は色恋沙汰に関しては兄弟の中でも特に疎い自覚はある、闇松とか言った奴悔い改めろ。自然熱くなる頬ふいと背ければ、正面から聞こえたまさかの呟きに、「…はい?」と思わず敬語で返事返し)
からかったら全部ブーメランってのもあるけど……うん、嫌だって気持ちは痛いくらい分かるからね。何されたら嬉しくて、悲しくて、びっくりして、っての全部理解し合ってるってのが死ぬほど楽だからじゃない?
……こいびと……つまり番のこと?キスって人間の交尾なの?(友達じゃなくて好きな人、との説明からどうにか自分の知る言葉に置き換えてふむふむと頷き。番だけがする行為なら交尾だろう、とはいえ人間の交尾についてなど悪魔が好きだよなぁ程度にしか知らなかったので推測だが。確かにそれを「したい」と言われても困るか、と理解した上で、それでも物惜しげに)手繋いだだけですごく幸せな気分になったんだし、他の場所触れたらもっと変わるかと思って……ちょっと、気になった。
ん、そういうとこ。これがバカ長男だったら積極的に地雷踏んできそうだし。
…ん、そうツガイ。キス、キスは交尾の準備、みたいな感じかな…。(ツガイ、言い慣れない言葉に戸惑いつつもコクリと頷き。初めて出来た友達、そんな相手と友達になった途端キスだなんてノーマル松な自分には出来るわけがない。しかし、自分のような奴と手を繋ぐことが「幸せ」と、更には残念そうな彼の表情に「えっ」と思わず声を漏らしていて。そうしていると先程立てた決意がガラガラと音を立てる気配。…クソ長男ともしたんだから、別に、別に友達とキスするのなんてどうってことないかもしれない。そんな煩悩まみれの考えが浮いてきてしまい、気付けば口を開いていて)~…一回、だけなら、いいよ。キス。
ああ、あの人のあれは……何て言うか、病気みたいなものだよね。本人はそれが楽しいんでしょ、悪趣味だし理解は出来ないけど。
え。……え?(聞き違いだろうか、許可する言葉が聞こえた、気がした。だってキスというものは人間が番とするもので、交尾の前段階みたいなもので?そもそも自分は人間の雌雄に当てはめれば外見も体構造もオスに分類されるはずで、彼もまたオスであるはずだ。興味はあるしして良いのならそーっと唇を触れさせてみたいとは思うが、相手が勢いで許可してしまったのならいけないとぐっとこらえ)……そうだ、そうだよ、アンタの番に怒られるでしょ。駄目だよ、そういうの。
あの人のこと理解したいとも思わないけどさ。…まあ、いちは俺自身なんだけど、細かい部分とかやっぱり違いはあるわけじゃん。そういうの、いちのそういうのなら知っていきたいって多少は思ってるよ。
生憎こんなゴミとツガイになってくれる奴なんていないから、(友達がいないのだ、彼女が出来たことがあるはずない。ヒヒ、と卑屈な笑み浮かべれば、先程までねだっていた態度から、急に汐らしくなった彼の態度に段々と脳内冷静になり。とはいえ、別に彼とのキスが嫌かと言われれば、これまた不思議なことで別段嫌ということもない。ただ、友達同士は普通キスなんてしない、そのことだけが頭の中にころりと転がっていて。今の状況を確かめるよう、自分でも無意識に言葉口にしていて)…ていうか、そもそも死神と友達ってのが普通じゃないんだし。今更普通にこだわる理由もないっていうか…。
…………何なのアンタ、十分素直に話せるじゃん。イケメンかよくっそ……。(ぺたん、体育座り)
そう、なんだけど。……アンタが嫌じゃないかが気になったんだよ。(何となく、彼が自分をゴミと卑下したのが気に食わず眉を寄せる。とはいえ勢いで許諾した様子でもなし、後で悔やんでも俺は知らないから、と内心で言ってやりながら相手の肩をぐいと引く。顔が驚くほど近くに来るが目は閉じていた方が良いのか、ととりとめの無いことを思いつつ顔を近付け。あと数cm、というところで鼻に衝撃、ぱっと身を離し唇より先に触れてしまったそこを押さえ)……上手く出来ない。
だからそう言ってる、いちには割りと素直だって。(目の前にしゃがみ込み、顔覗き)…あと、自分自身にイケメンはどーかと。
これが不思議なことに嫌ではない、全く。(ただ可笑しな光景だな、とは思う。これは口には出さず、心の中で呟くに止める。そうこうしている内に肩を掴まれ、自分と良く似た顔が至近距離まで迫っていたから。それにしても、目くらい閉じなよ、とか、このままだと鼻当…ほら言わんこっちゃない、だとか。なんだか緊張感の欠片もなくて少し頬が緩んでしまう。鼻同士が触れて退いてしまった彼の腕をそっと掴み、日々お世話になっているAVの知識を総動員して今度はこちらから、しっかり首を傾けて顔を近付け)…目、閉じて。
いや、精神的な話だから、自己愛じゃなくて。さっきの一瞬だけ切り取れば女口説けそう。
……ん、(やっぱり目は閉じる方が正解なのか、と至近距離で目が合うことを想像してから納得、大人しく従い瞼を伏せて。番はいないと言う割にはどこか手慣れた様な雰囲気に、何度かしたことはあるのだろうかともやりとした気分に……もやり?原因不明の感覚に目を開きかける直前、ふにゃりとした柔らかい感触に違和感は霧散。代わりに湧いてきた心拍数の速まる感覚に、落ち着かなさげに身じろぎして)
俺が女の子口説くとか無理。…それに知りたいのは、あんただからな訳で、さ。別に誰かを口説きたくて言ってたんじゃないし。(目反らし、ぼそ)
(言われた通り、重たげな瞼下ろしたの確認すれば、再度ゆっくり顔を近付け、そっと唇触れ合わせ。ぷに、と触った唇は想像以上に柔らかくて、予想外に心臓がばくばくと仕事を始めるのを感じてこちらも慌てて瞼を下ろす。流石に舌を入れるようなキスは出来ないから、そのかわりにペロリと下唇の端を舌先で舐め、身動ぐ彼からゆっくり唇離し)~…ん、おわり。
……俺なんか相手にそんなこと言っちゃう辺りがさぁ……。俺もイッチのことなら何でも知りたいと思ってますから、そこんとこよろしく。
っ、な、何か、思ってたのと違うんだけど。(ぬるりと下唇を撫でた舌に肩を跳ねさせ、口元を片手で覆いながらぼそぼそと感想を。手を繋いだときはほっとするみたいな、にへっと笑い出したくなるみたいな、そんな気分になったのに。安堵とはほど遠い、むしろ早鐘を打ち始める心臓の辺りをぐっと押さえ。困惑気味の視線を相手に向け、更に小さな声でぽつりと)……この辺、ぎゅってなる。緊張してる時みたい、キスってこういうもの?
なら交換日記とかする?……なんて、交換日記って柄でもないか。
…逆にどういうの想像してたの。(胸元押さえ、困惑したように此方見る彼から目線反らすように俯き。…想像してたのと違うは、こっちのセリフだ。なんでこんなにドキドキしてるのかも、死にたくなるほど恥ずかしいのも、此方が聞きたい。彼から投げ掛けられる小さすぎる問いに、此方もか細い声でぼそぼそと)~…知らない。俺も予想以上に照れてて、……困惑してる。
……交換日記。っふ、懐かしい響き。っても俺自身はしたことないけどね、そんな友達もいなかったし。(くく、)
もっと、あったかいもんだとばかり。……あったかいっていうか、熱い。(未だ落ち着かず、もそもそと身を縮ませては自身の膝に頭をぽすんと置き。でも、別段、嫌ではなかったのだ。そのことを再認識するとうん、と一つ頷き、彼も照れているだけで嫌な気持ちにはならなかったことを祈っておく。慣れている風にも思えたが、照れるということはそうでもないのだろうか?そのことに無性にほっとして)……ねえ、アンタはこれでキスするの何回目?
まあどこの世界でも俺に友達なんていないから。…今は違うけど、(ぼそ)
(確かに、あつい。ドッドッ、と煩い心臓に呼応するかのように、体温が一気に上がった気がする。指先で自分の、先程彼の唇に触れたそこを触り、なんと言うか言い淀んでいれば投げ掛けられた質問。過去のあのキスは、六つ子同士のキスなのだからノーカン?いやでも、そうなると今のキスは自分とキスしたことになるのだが。まだポカポカと熱い脳でそう考えても答えは出ず)…おそ松兄さんとふざけて一回だけ。
ん、そうだね。別にわざわざノート経由しなくても、こうやって顔合わせて話せれば……俺は、その方が友達っぽいと思うけど。
そっか、じゃあアンタにとってもまだ二回目なんだね、良かった。(確信を得てほっとすると同時にぽろりと洩れた本音にはっとして、視線を床へ向けながら「……良かったって言うか、その、俺だけ馬鹿みたいにどきどきしてた訳じゃなくて良かった、みたいな、」とへどもどと。聞かれてもいないことへの弁明が不自然なのに気付いてすぐに口を噤むも、付け足す様に更に呟きを落とし)……でも、本当に二回目で良かった。アンタが人間のメスとキスしてるの、あんまり考えたくなかったから。
…あんたも大概、恥ずかしいことポロッと言うよね。言ってること否定はしないけど。
え?ぁ、そういう、(彼の、焦ったような言い訳聞き、こちらもつられて焦ったように頷き。なぜ彼がそんなことを聞くのかと疑問だったが、続けて紡がれた言葉になるほど、と納得。つまりは自分と同じ顔の男が、女性とキスしているところを想像して居たたまれなくなったわけか。そう納得すれば、ひひ、と自嘲的な笑み浮かべ)…心配しなくても、俺みたいな奴とキスするような変わり者、あんたしかいないから。
自覚はないから何とも言えないけど、イッチのがうつったんじゃない?素直病。
……そうだと良いけど。(本人はすぐにそうやって言うが、人間のメスから見た彼なんて分かったもんじゃない。魅力的なのかもしれないではないか、とまだ納得行かないながらも一応は頷き。「そろそろ冥界戻ってくる、何でアンタが生きてるんだって問い詰められてくるよ」と立ち上がると、ふと何かに気付いた様に再度しゃがみ込み。先程の一回で既に要領は覚えた口付けを、隙を狙って再度かますと逃げる形でとっとと姿を消してしまい)
なにその変な病気。…なら、素直ついでに言っとくけど、症状出んのあんたにだけだから。友達、だから。
問い詰めってなにを……ッ!?(立ち上がった彼が放った言葉、それに怪訝に眉を寄せ目で追うように顔を上げれば不意打ちで降ってきたキス。再度触れあった柔らかい唇に、先程まで出掛かっていた言葉は遮られてしまい。ポカン、と、真っ赤な顔で姿消した彼が立っていたそこ見つめ、口元覆えば小さく一人言)…帰ってきたら一発殴ろ。
症状の進行ヤバいね、ま、お互いだけってのは大いに同意。恋とかそーゆーのと同じで二人の間にしか発生しない病なんでしょ(にま、)
どうでもいーけど……良くないか、これ場面によってCCとかどうする?別れた後時間一気に進めて再会まで飛ばすのと、他キャラに一時的にCCするのと、別の場所にいる描写をお互いして時間進めるのと、どれがやりやすいのか教えて。
(くしゅ、と僅かに寒気を感じてくしゃみを一つ、噂でもされてるのかと下らない考えを巡らせ。半日ほどであるはずなのにいやに久々に感じる冥界で、昼頃敵に回してしまった悪魔に見つからぬ様こそこそと神の元へ。予想に違わぬ怒濤の質問責めを、とぼけた振りでぼんやり聞き流しつつ早く彼の居るあの家へ”帰りたい”なぁ、などと。そんな言葉を用いた自分に驚くとともに内心苦笑し、ものの半日で随分と近しくなれたことを改めて実感し)
え?そんなに末期?…初期症状だと思ってたんだけど。(頬ポリ、)
んー、場面による、かな。今回のは俺が無理矢理別の場所での描写にしちゃった感あるけど。CCとかもやってみたい、ではあるけど。あくまでメインはこっちで、CCはおまけみたいな感覚かな、俺は。
(彼が去ったあと、程無くして一階から夕飯を知らせる兄弟の声。それに無言で階段を下り、自分の席へと腰を下ろし。むぐむぐ、といつも以上に無言で夕飯を腹の中へと入れながら、気にするのは時計ばかり。しまいには銭湯まで断って一人、家の浴槽に浸かっていて。それらの行動に自分自身で溜め息を吐き、湯気立つ浴室にぼそり)…遅い。
まさか、猫以外相手に”友達”なんて呼称使ってんだよ?この俺が。……とか言うと、ブーメランでもあるんだけど。(ぼそ)
了解。何となく世界観定まってきたから、そこ深めたいしCCは折見てする。
(結局書類不備で通すにもとんでもなく時間が掛かったが、他ならぬ神自身が彼の死相が消えたと判断したことでどうにか収拾の付いた午後11時。自身の影響で少なくとも彼がすぐさま自殺しようとはしなくなったらしいことに安心し、ほくほくと人間界へ戻ってきて思いの外遅くなったのに驚き。今日最後に一度彼に「おやすみ」という挨拶を交わしてみたいと思ったのだが、この分ではもう寝ているだろうか。足音など立たないのだが、それでも何となくそろりそろりと二階へ向かい)……一松?
……別に、俺相手なんだからいいでしょ。(ふい、)
ん、わかった。まぁその時は言って。兄弟の真似なら誰でも出きるから、……多分。
(あれから、風呂も済ませ銭湯から帰ってきた兄弟と一緒に布団に入って、しばらく。今は友達と屋根の上に座っていて。なかなか寝付けずにごそごそと寝床から抜け出し、丁度窓の外を散歩していた猫と目が合い屋根の上へと登ってきていたのだ。しかし不意に聞こえた自分を呼ぶ声。無意識に待ちわびていたらしい彼の声を聞き、きょろ、と部屋の窓を見下ろし。ニートの自分とは違い、一仕事終えてきたであろう彼。ご苦労様、なんて心で呟きながらぼそぼそ、と)…こっち。
ん、俺相手だから仕方無いね。(よしよし、宥める様に頭撫で)
遅くなってごめん、何故か返レスしたつもりになってた。……夏の暑さにやられたかな。
(予期せぬ方角からの声にびくりと目を丸くし、まさかと思いつつ上ってみた屋根の上には彼の姿。隣に鎮座する猫と相まってまるで猫二匹が居る様だが、これでも彼は人間だし落ちれば危ない。「落ちないでよ、」と相手からすれば百も承知であろう注意を促し、それでも不安で彼の手をしっかと握り)ただいま、何でまだ起きてたの。
…きもちぃ。(頭撫でる手の心地よさに目伏せ)
最近暑いもんね、しぬ。返事の件は全然。俺も遅くなることあるし、いちのペースで返してくれたらいいから。
(不安げにこちらに手を伸ばす彼の手を、そっと握ればクツクツと喉の奥で笑い。体温の低い自分の掌より、更に少し低い温度の手をくいっと軽く引っ張れば“隣に来て”と暗に伝え。どこかのクソ次男でもあるまいし、そうそう屋根から落ちるなんてことは起きない、と心の中で返答しつつ、彼の問い掛けに小さく笑み)おかえり。……あんたが帰って来ないから、寝付けなかった。
いつも思うけど、俺って他の兄弟に比べて体温低いよね。今の時期は丁度良いけど。(頬を両手で挟み)
……ありがと。でもイッチとちょっとでもたくさん話したいし頑張る。
何それ、俺これからアンタの安眠の為に毎日ここ来なきゃいけないの?
(引っ張られるがままに隣に並び、へたりと腰を下ろすと返ってきた言葉にぱちぱちと瞬きを数度。夕方振りに訪れるもぞもぞと落ち着かなくなるあの感覚に、誤魔化す風に口を尖らせてぶつくさと。でも、勿論嫌ではないのだ。むしろそう言われるのが嬉しくて、「仕方ないから一日一回は顔出すよ」なんて、相変わらず素直には物が言えず)
…今はね。冬は足先冷えて寝苦しい。(うっすら瞼上げ)
……なに。今世紀最大のデレ?
…別に。(ただあんたが去り際に置いてったキスが尾を引いて心臓が煩かっただけ。その台詞は口から出ることなく、誤魔化すように引っ張っていた彼の手離せばそのまま自分の両膝胸元へ引き寄せ。ついでに、手と一緒に目線も彼から空へと向ければ「……一回ってケチだね」なんて軽口を。…しかし、素直じゃない言葉は自分も同じ。同じ性質故、その言葉の裏の心情まで手に取るようにわかってしまう。視界の端、尖った唇認めれば空見上げたままうっすらとした笑み深くし、胸元へ膝引き寄せる腕の力強め)暇で話相手が欲しいときは、来てよ。ニートだし、こっちは時間有り余ってるから、さ。
靴下でも履いたら?何かすごいもこもこしてる奴、俺も使ったことないけど。(ふむ、)
今世紀まだ始まったばっかだけど……イッチとしては俺の最大のデレがこんなもんで良い訳?
俺これでも一応仕事してるんだからね……そうおちおち来られないっつーの。(軽口には軽口で、ぷいと視線を逸らしながら応じ。来たらいつでも話し相手になってくれるというその言葉に、悪い気はしなかった。それほど話すことが大好きな訳ではないが、自分の為に彼が待ってくれているというのは悪くない。ぽふ、と屋根で寝そべる様に倒れ込むと空を仰ぎながら)ま、お言葉に甘えて物寂しいときはアンタに会いに来ることにするよ。逆にアンタが俺と話したいって時は、……多分そんな時無いけど、呼んでくれれば来てあげるし。
あれ寝てたら脱げてどっか行くから、いや。(ぽそぽそ)
……それはやだ。ていうか、ごめん。今度は俺が遅くなった。
(自分同様軽口叩く彼に、口許の笑みが消えず困ってしまう。空へと目線送る彼、気付いていないことを祈りながら空見詰め続ければ、続く彼の言葉に少しむっ、とし。…彼と話したいと思うわけない、と、彼は言うけれど。実際は彼の帰りを待っていた自分がいるのが事実で、その事実を否定されているように感じ、少し、唇を尖らせ)……話したくなければこんな夜遅くに屋根の上になんて登らないんですけど。
あー……。だったら後は体あっためるもの飲むとか、常に体温高い兄弟にひっついてるとか?ベタだけどショウガとか良いって聞くよね。
まあそうほいほいデレられたら苦労しないんですけどね、今後も期待はしないで。一日二日くらい俺もちょくちょくやらかしてるし大丈夫。
確かにね、っつーか俺が見てて怖いから今度から屋根の上はやめて。(ふ、と笑い声混じりに答えながら、夜の丁度良い暗さが自分も彼も素直にしているのだろうかと。昼間以上に分かりやすく好意、そう、自惚れで無ければ好意を示してくれている相手に、ふふっと笑みは崩れぬまま保たれ。先程解かれてしまった手をちょんちょんとつつき、ぱっと己の手を広げて見せ)……ね、折角だし繋いでたいんだけど。
なら調度いい湯タンポあるじゃん。(ぱしり、手首掴み)
この間吹っ切れたみたいなこと言ってたじゃん。ん、そう言ってくれるとありがたい。
……わかった。(先程の言葉で、多少不服げな表情残るものの素直に彼の言葉に頷き。暗闇の中でも、笑っている気配察知すれば先程の不満はどこかへ行ってしまい。それに加え、差し出された手と言葉に一瞬、目見開き動き止めるもおずおずとその手繋ぎ、視線彼から逸らし)……なんか素直すぎて怖いんですけど。なんかあったの?
いや、俺だって一松だからね?アンタと一緒で体温低い方だと思うんだけど……(ほっぺたに手ぴたり)
吹っ切れ……た、けど、デレとか言われて意識するとまた引っ込むから。誰よりもよく分かってるだろうけど、天の邪鬼なんで。
先に妙に素直になってきたのはアンタの方でしょ?……強いて言うなら、帰る前に友達補給しておこうかと思ったから、かな。(繋いできてくれた手を、感触を確かめる様ににぎにぎとしつつぽつぽつと。隣でこうして居てくれる存在が出来た代償というのか、今まで何てことの無かった独り寝が妙に寂しいものに思えてしまい、手の感触を少しでも覚えて帰れば一晩くらい平気だろうか、なんて。一人が当たり前ではなくなった今、一人の寝床に帰るのはつい先延ばしにしたくなるもので)
でもあったかいよ、ほら。(真似る様にほっぺた触り)
天の邪鬼はお互い様だけど、言うほど拗らせてもないと思うけどね。わりとずっと素直じゃん。
(にぎにぎ、と、繋いだ手に力込められながら彼の言葉を聞きはた、と目を瞬き。…そうか、戻って来たとはいえ彼には彼の帰るべき場所がある。友達の猫と一緒だ、ずっとは居れない。わかっていて目を背けていた事実に向き合うように、彼の方へと目線向ければ「…そう、」と、短く言葉落とし。会ってまだ数時間しか経っていないというのに、彼と離れるのがこんなに寂しいなんて。一人の人物に、こんなに執着したことなどないからか自分でも戸惑いが大きく、ついぽろりと本音が口から溢れていて、「ねぇ」)…寂しい、とか、思っちゃってるんです、けど。
……あれ、ほんとだ。じゃあ人間湯たんぽしてあげる、こっちおいで。(手招き)
そう見えてるなら良いけどさ、……俺に出来る範囲で甘やかしていくつもりではあるから。
何言ってんの、あれだけぞろぞろ並んで寝ておいて。(相手の言葉に何より先に洩れるのは苦笑、だって寂しいなどと言うには彼の寝床はあまりにも賑やかすぎる。兄弟五人が両隣にずらりと並んでいて、それでも寂しいのだろうか。それとも兄弟五人分でも足りないほど自分の存在が大きい?深読みすると自惚れにしかならなさそうで、「そんなこと言ったら帰ったら一人の俺の方がよっぽど寂しいし、」と拗ねた様な声で誤魔化し。繋いだ手にぎゅっと力を加えつつ、彼の「寂しい」がリップサービスであったらどうしようと恐る恐る口を開き)……一緒に、ねる?
なんか猫扱いしてない?(素直に擦り寄りながら引き寄せ)…あとこれ、冬のはなし。
それはまあ、嬉しいし俺もいちのこと甘やかす?つもりだけど。…なんかいちって俺のこと年下扱いしてない?
あいつらとあんたは、違うでしょ。(確かに自分は一人寝をするわけではない、そもそも一人寝が寂しいなんて言う年でもないし。…そうではなくて、初めて出来た友達と一時とはいえ離れるのが嫌だった、それだけのこと。加えて彼は一人寝だという。ならば尚更、一緒に居てあげたいと思うのは当然な思考だろう、断じて自分が寂しくて傍に居たいからではない、断じて。心の中で呟いた言い訳だったが、彼の最後の言葉にそれはあっさりと覆されてしまい、目を見開きぽつり、)出来る、の?
知ってる、俺が今くっつきたかっただけだから。(ぎゅー、)……耐えらんないほど暑かったら離れるから言って。
別に年下扱いしてるつもりは無いんだけど……何だろう、甘やかされるより甘やかす方が楽っていうか。
こっちでの休息……は、まあ出来るけど、このままだと本当四六時中べったりになりそうだよね。(俺の仕事にまでついてくるって言われたらどうしよ、と冗談めかしてくくっと声を立てつつ、彼も期待してくれて良かったとほっとして。ここで「別にそれはいい」だとかすっぱりお断りされていたら心が折れていた。そうと決まればこんな夜更けに屋外に長居させる必要はない、よいせと立ち上がると隣の手も取り、隠しきれず滲むわくわくに頬を緩めて)ほら、アンタの寝床に案内してよ。
…クーデレキャラに変わったの?(ぎゅ/頭ぽんぽん)別に、嫌とは言ってないでしょ。
…なるほどね。俺は甘える方が性に合ってるから、かな。でもたまに凄い甘やかしたいときある。
四六時中はさすがに。(死神の仕事とかなんか激しそうだし。と、先程ボロボロになっていたマント思いだしながら、彼につられるように笑み浮かべ。猫と一緒になるのとはなんだか違う喜びが胸の中に生まれ、自然と纏う空気が柔らかいものになる。一緒に寝るだけでこんな状態なのだ、今後更に友達らしいことをするとなると、一体自分はどうなってしまうのだろう。隠しきれず破顔する自分の姿が想像できて、思わずふ、と笑み溢せば彼に手を取られたことで立ち上がり、こくり頷き)七人だから、相当狭いだろうけど我慢してね。
別にキャラ変とかそういうんじゃ……ないけど、イッチが嫌じゃないなら遠慮なく。(体の重み預け)
……何か、甘やかされるのはむず痒い。それはそうと、面白いもの見つけたんだけど、(にま、チラシぴらぴら)
人がたくさん居て狭いとか、物珍しくて面白いから別に。(当人らからすれば人口密度が増して暑いのかもしれないが、彼を除く五人には自分を認識さえ出来ないだろうし許してほしい。狭いのが好きなわけではないのだが、今日一日彼と手を繋いだりキスをしたりしたことを思い出すと、狭い中にぎゅうぎゅうでくっつきながら眠るのは幸せだろうな、と口元緩ませ)
遠慮とかいちにあったの。…ぐ、(体支え)
でもヤじゃないでしょ。…何、新しい雑貨屋でも見付け──ッ!!ちょっ、勝手に!!(顔真っ赤に染め、チラシに手伸ばし)
男ばっかでむさ苦しいだけだよ、(雑魚寝を面白そう、なんていう彼にふっと笑み溢せば、手を繋いだまま友達の猫へ「おやすみ、」と。去っていく友達を横目に見ても、寂しい気持ちにならないのは彼のおかげ。寝るのは嫌いじゃないが、こんなにうずうずと就寝を待つのは初めてで、少し落ち着かない。彼にわくわくがばれぬよう、平静を装いながら部屋へと続く窓を跨げば、聞こえてきた五人分のいびき。それに苦笑しながら、繋いでいる手の持ち主振り返ればぼそぼそと小さな声で話し掛け)…場所、クソ松の隣か一番端、どっちがいい?
一応ありますけど、拒否られたらどうしよって常にうだうだ考えてたりするし。(ぐで、)
駄目、これはもう俺の。(ひょい)……家宝にしよ(ぼそ、)
最初会ったときも言ってたよね、”クソ松”。アンタの兄なんでしょ、なんつう言いようだよ。(苦笑して眉を下げながら、「俺は端っこでいいよ」と。彼以外の人間の隣になってもどうすれば良いか分からないし、多分落ち着いて寝られないし。それにしても兄弟揃って一つの部屋で寝ているなんて、やっぱり仲良いな、と微笑ましい気分になりながら布団の端にしゃがみこみ)
…っ俺がここに来てる時点でわかるでしょ。てか重、っゎ(どたーん!倒れ/)
ほ、ほんと駄目だから!そのゴミ早く寄越しなよっ!(めげずに手伸ばし)
…別に普通。(本当にクソなんて思っているわけではない。自分は家族が好きだ、あれほど辛辣な態度を取っていたって、兄のことだって他の兄弟と隔たりなく好いていた。その事実は、勿論言うつもりなどなく、ただ短くそう返せばしゃがんだ彼につられのそりと布団の定位置へと入り。そのままぽふっと、枕へ頭を乗せれば右隣の布団を捲り)…ん、ほら。端っこ。
あ、ごめん。そんな重かった?(のそのそと退き、起こしつつ)
だーめ。代わりにイッチにもあげるから、チラシ置き場行っておいでよ。171、だったっけ。
うん、えーと……失礼します、(いざ横になった彼を前にすると謎に緊張、少しの逡巡の後そっと隣に身を倒して。先程まで手を繋いだりと今更かもしれないが、それにしたってやっぱり距離が近い。向き合う形で入ったものの、落ち着かずもぞもぞと寝返りをうって背を向けて)……お、やすみ。
…日頃の不摂生が祟った。(起き上がりながらぼそり、)
……見た。(チラシ片手に赤い顔隠し)
ん、おやすみ。(また明日ね。最後にそう付けたし、背を向けてしまった彼に小さく笑い。キスだってしてしまった仲だというのに、今更何を恥ずかしがることがあるのだろう。心の中で、意外と初な死神にそう呟けばこちらも目を瞑り、先程とは打って変わりすっと眠りの海へと落ちていき)
まあ俺自身重いしね、猫とは訳違うか。
ん、じゃあこれ交換ね。……同じ主旨のこと書いてるのがまた嬉しいよね。(ふふ、)
…………。(特に気にした様でもなく、余裕ありげな笑い混じりの返事が面白くない。とはいえあまり時間を置かずに隣から上がりだした寝息には、無意識の内にふっと少しだけ肩の力が抜けて。ずりずりと身を少しだけずらし、背中を相手の肩へ僅かに触れさせると、満足して再度目を閉じ浅い眠りへと落ちていき)
そりゃ猫とはサイズも違うんだから、重いけど。…自分の体重くらい支えられると思ってた。
~…結構早い時期に書いてるよね、全然気付かなかった。(チラシ撫で)
(窓から射し込む日差し、それによってぱちり、と、自分にしては珍しくスッと目が覚め。部屋のなかは酷く静かで、どうやらいつも通り自分が兄弟の中では最後の起床であったようだ。いつもと違うのは、右側に兄弟以外の温もりがあること。…寝ている間に、寝返りを打ったらしい、彼の方を向くように右側を向いていた体制のまま、ボソリ、朝の挨拶呟き)……おはよ、いちまつ。
もう少し普段動く?俺が受け止める側でも良いんだけどね。
そりゃ見つからないように隠しておいた訳ですし。……居なくなられるの一番怖かった時期だったんだよ。(ぼそり、)
んん、ん……?ここどこ……。(普段は決して寝所に差すことのない朝日の眩しさに、眉を寄せながら目元をごしごしと擦ってから目を開き、背中側へ寝返り一つ。声の掛かった方を向き、寝起き特有のぼんやりした目で相手を数秒かけて認識すると、もにょもにょと寝ぼけ声で)あ、そっか…………おはよ……。
……気が向いたら、隣街の猫でも見に行く。受け止めんの俺じゃないと、変化わかんないし。
っぷ。怖いとか、別にどこもいかないでしょ。(口許押さえ、頭ぽん)
あ、(まだ寝てたであろう彼。もしや自分の一人言で起こしてしまったかと小さな声をだし。ぽやぽやとした彼の声、まだ眠そうな彼の頭を無意識に撫でていてはっとし。…昨日の夕方は振り払われてしまったけれど、起き抜けな彼の頭に触れても大丈夫だろうかと内心ヒヤリとしたものを感じ)……ご、めん。起こした?
ん、じゃあ冬までに頑張って。その時はまた人間湯たんぽやりたいから。
……分かんないでしょ、そんなの。俺、イッチに面白いこととかしてあげらんないし……そりゃあ今はそこまで不安には思ってない、けど。(じとり、むう)
(頭に触れた手に、やはり慣れないゆえの驚きこそあれど嫌だなんて思うはずもない。昨日の手を繋いだりキスをしたりで免疫が付いたというのもあるのだろうが、ともかく今度は跳ね除けることなく受け入れると心地良さげに目を細め。相手の不安そうな問い掛けには、小さく首を横に振って否定すると大きな欠伸をして)ふぁ……いや、元々そこまで爆睡してたわけでもないし。どうせもう起きなきゃでしょ、丁度良かったと思うけど。
ごめ、めちゃくちゃ遅くなった。ちょっと立て込んでた、ごめん。
湯たんぽ認めんだね。…なら夏はなんになんの?
別に、いちに一発芸とか振らないよ。それに、俺はこうやってゆっくり話してる方が好きだし。(ふふ、頭撫で撫で)
そう。(彼につられてこちらも、くあ、と欠伸溢せば最後にもふもふ、と頭一撫で。そのまま手を放せば上半身だけ起こし、未だ横になっている彼へと視線を向けて。…爆睡していなかった、というのはやはり寝床が変わったからだろうか。元々眠そうな瞳ではあるが、寝不足でそれに拍車が掛かっているか否か、そこまでは判断がつかずボリボリと後頭部を掻きながら)…寝苦しくなかった?寝不足とかなってない?
おれこそごめん、遅くなった。そういや小説で「おれ」だったし、イッチとの区別化にもなるからこれからこっちで行くことにしたから、よろしく。
夏は……何だろ、汗拭きタオル?(首筋の汗をぐいっと拭ってやり)
ん、おれもイッチとの会話のペース楽だから好き。
……まあ多少寝不足な感じはあるけどいつものことだし……。(いつまでも布団の上に陣取っていても仕方ない、のろのろとした動きながらもどうにか起き上がり。寝るのが下手なのはいつものことだ、眠りが浅い質の自分にしては一度も起きず朝を迎えたのはむしろ快眠といえる時間だったのでは、と頷き。撫でられたお返しとばかりに寝癖のある相手の頭に手を置き、髪を軽く整えながら)むしろアンタがいたからか良い夢見たしね、ありがと。
了解。てか、小説読んだんだね。俺読んでないからわかんないけど、なんか、凄かったらしいね?
…衛生的に良くないから却下。(汗拭う手首掴み、反対の掌彼の額へ押し宛て)どうせなら冷えピタとかの方がいい。
ん、だから別に、不安がることないでしょ。今はそんなの思ってないみたいだからいいんだけど。
ならいいけど。(伸びてきた手、さらさらと髪の毛の間を彼の指が通っていく感覚が心地よくて、表情が緩む。加えて続けられた言葉に閉じかけていた瞼を持ち上げ彼を見詰めていたが、次には小さく微笑み掛けたりなんかして。思ってもない感謝の言葉に、こちらもらしくもなく穏やかな表情を晒してしまう。…上手く笑えているかは別として、彼といると何故だか酷く落ち着いてしまって、気付けば今のようにふわりと笑ってしまうわけで)それじゃ、また寝に来れば。俺も隣にあんたいた方があったかいし、落ち着く。
うん、新規イラストとかもあって面白かった。上三人がメインだから割と滅茶苦茶だったけど……。
そこまで劇的には冷たくないでしょ……どう?(額に当てがった手を大きく広げ)
自信なんて持ってないのがおれだし、イッチと話してると自虐がイッチにも刺さるから最近減ったのは確かだけどさ。
…………そう?……迷惑じゃないなら、また来る。(昨日だって笑う顔は見せてくれたのだが、起き抜けであるが故かあまりに無防備で嬉しげな笑みに目を見開き驚いた猫の様に固まり。すぐに我に返って返答を寄越すも、ただ一緒に寝るだけで彼も喜んでくれるなんて予想外で、何とはなしに昨日から脱ぎっぱなしのフードを深く被ってしまう。自分の見た”良い夢”なんて、そんな綺麗な喜びとはほど遠いものだというのに。何だか自分が不純な気がしてきて、「仕事行ってくる」の一言を残して窓から飛び出して消え)
あー…、まあ、上二人がクソで三番目がライジングだからね。どうしよ、買う予定なかったんだけど話聞いてたら読みたくなった。後半だけ買おうかな。
…ふふ、冷たくはない。(小さく笑いながら目閉じ)けど、まあ、落ち着く。
ふぅん。……ねえそれじゃあさ、今でもまだ、不安に思ったりする、の?
え?ぁ(昨夜一緒に寝たそもそもの発端は、自分の我儘。自分にとっては彼の優しさによって得られた安眠の時間だったのだが、彼も少なからず満足のいく睡眠がとれていたことが嬉しい。そう思っての発言だったのだが。驚いた表情のあと、なぜかフードを被り窓の外へと消えてしまった彼に声を掛ける間もなく、伸ばし掛けていた手のろのろと下ろし。「いってらっしゃい」と、小さく呟けば布団を片付ける為のろのろと動き出して)
良いんじゃない?多分前半読んだ限りじゃ外れはないよ。
冷たくないんじゃ意味ある……?(首傾げ、手を頭まで持っていき撫で)落ち着くってだけならこっちの方が良いでしょ。それとも喉の下撫でる?
……そりゃそうじゃん。自信なんて、そんなすぐ持てるもんじゃないし……こうやって、遅くなる度もう見限られてんじゃないかなとは。思っちゃったりしてる。
(何となくいたたまれない気分のまま、それでも今までと変わらぬ仕事を淡々とこなし始め。命を終える人間には依然何の感情も湧かず、一松のように心が揺れる存在は他にいないことを改めて自覚。昨夜見てしまった彼と口付けを交わす夢を思い出しては、ぼっと顔を赤くして誰が見ているでもないのだが顔を隠して。あちこちを巡る道中、不意に被らずにいたフードの中にぼすんと何かが降ってきて。驚き、どうにか出そうとするも背中からみぃ、と鳴き声が上がればフードをひっくり返して取り落とすことも出来ず)ね、ねこ……?
ならそっち買う。活字なんて読めるか危ういけど。
…ん、こっちのが落ち着く。(素直に頷きながら、こちらからは彼の言葉倣い顎下へ指先伸ばし)喉の下も気持ちいよね。
そ、か。…まあその気持ちもわかるけど、さ。俺もけっこう、ていうか、大分あんたとの時間、大切だから。返事遅れたくらいで居なくなったりしないし。…俺も遅くなるし。
(彼が仕事へと向かってから、こちらは、今日も変わらずニートな訳で、のそのそと起き上がり布団を片付け。その後一階へと降りれば朝食と昼食の一緒になった本日初のご飯。それをゆっくりな動作で食しながら、ふと思い出したのは彼の言葉。「良い夢がみれた」と、確かに彼は言っていた。その内容まではさすがに見当がつかないし、聞こうとも思っていない。けれど、その夢を見れたのが自分と寝たお蔭だとでも言いたげな物言いに、無条件に嬉しくなる。黙々と焼き魚を口に運びながら、自然緩む頬には気付かずぼーっと窓の外を見詰めて)
う……過去最大に遅くなったかも。ごめん、やっと忙しいの終わったからもう少し顔出せるようにする。
それ前に言ったら「マジで猫じゃん」って言われた。撫でるのもそうだけど、撫でられんのも好き。(指先をこしょこしょと動かしつつ様子を窺い)
……イッチがそう言うなら。少なくとも不安なときは不安だって口に出すようにしておこうかな。かまちょみたいでウザいかもしれないけど、大丈夫って言ってもらえるとすごい安心するから。
……つーかこれ、誰かのお古じゃん。(背中に収まる猫から感じる微弱な魔力に、誰かしらの使い魔だったであろうことが伺える。が、主人がいる使い魔はこうして自由にあちこちをうろつくものでもないのだから、主は既に亡くなったのだろう。少し考え、どうせもう普通の猫には戻れないのだからと己の使い魔にしてしまうことを決意。……猫を連れていれば彼ともっと話せるかも、などと打算も込みの決定を胸に一旦松野家へとんぼ帰り。半日もせずに戻ってきてしまったことに居心地悪さを感じながらも、控えめに窓を叩き)一松、いる……?
お疲れ。…よかった、もう来ないかと思ってた。体調は?この間風邪でしんでたけど、大丈夫なの?
まあ、強ち間違ってないんじゃない?(撫でられる心地よさに自然とゴロゴロと喉鳴らし)
ウザいとか言うわけないでしょ。…不安だって言ってくれた方が、一人で悩まれるよりずっといいし。
は?あ、おかえり。(黙々と食べ進めた朝食兼昼食を食べ終えた頃、先程見詰めていた窓をコツコツと叩く音にそちらを見て。カラカラと音を立てて開けたそこには、今朝ぶりの彼が居て。思わず出てしまった出迎えの言葉に、内心「いや間違ってない?」とつっこむも、これ以外の言葉が見つからなかったのだから仕方ない。彼が入りやすいよう、窓際から少し身を引きながら彼を見れば、その頭の後ろにゆらゆらと揺れる柔らかそうな尻尾を認め)え?ねえその子、どうしたの?
来なくはならないよ、イッチがいてくれる限りはね。雨多くてうんざりしてはいるけどとりあえずおれは元気。
まあ、体構造が猫転換手術受けるまでもなく半分くらい猫だしね。(あちこち跳ねた猫っ毛を指先でくるくる巻いていじり)
……分かった。アンタもそういうの言ってね、催促とかも遅ければしてくれて良いんだから。
……ただいま?(初めて掛けられた、自分とは縁遠いはずの言葉にきょとんとしたまま疑問系で応じ。ここは帰る場所ではないのだけど、もしそうなる未来があるのなら良いのに、なんて。視界の端にちらちらと見える尻尾に「出ておいで」と声を掛ければ、素直にフードから飛び出してきた猫を昨日教わった通り抱いて見下ろし)この子、おれの使い魔にしようと思ったから。猫の飼い方、教えてくれない?
なら、だいぶ来続けなきゃいけないけど。…そ、大丈夫なら安心。
半分どころか、8割くらい猫なんじゃない?(擽った気に目細め)
いちが来るまでは少し、なんかあったのかなって不安だったけど。大丈夫そうだから今は別に。催促もいちのペースで来てほしいから多分、しないけど。時々呟きに来るかも、それは許して。
(素直に帰ってきた返答に、先程戸惑った自らの言葉を告げてよかったと顔が綻ぶ。しかし彼が猫を抱きかかえて飼い方を教えて、なんて言うとは思わず、きょとんと動きを止めてしまい。彼の腕の中、可愛らしく自分と彼を見上げて鳴く存在に殆ど無意識に手を伸ばし、頭を撫でれば漸く「えっ」と声を漏らし)この子、飼うの?昨日まで猫見知りしてたのに、大丈夫、なの?
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