ぱーぷる 2016-05-03 21:12:33 |
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梅雨って野良猫も外出てきてくれなくなるから嫌い……あー、気持ちい……(くた、)
……ん。(自分の足の周りをぐるぐる駆けて鳴いていた猫が、思いの外早く駆けつけてくれた彼の方へ向かったのを見てほっと肩の力を抜き。やはり猫好きというべきか、妙に嬉しげに餌やりに誘ってきた相手に小さく首肯を返してそろそろと近寄り。彼が隣に居るだけで大分緊張せず猫と相対せる気がする、と手を伸ばしかけたところで礼もまだだったことに気付きぱっと向き直って)ごめん、アンタに飯行けっつった癖に呼び戻して。……すぐ来てくれて、ありがと。
…俺は結構好きだけど、雨。(小さく笑い)
(部屋の隅に転がっていた猫缶入りの袋を拾い上げれば、聞こえた言葉。まさか死神に謝られる日がくるなんて。そう思考巡らせつつ、表情はキョトンと間抜けなもので。だってそんな、彼が言っているようなことは全くもって気にしていなかったから。それよりも、初めて呼ばれた名前と頼ってくれるその信頼にばかり目が行って、そんな些細なことは全く、本当に意に介していなかったのだ)……いや、別に気にしてない。俺としては、…頼ってくれるとは思ってなくて。
家の中に居る分には心地良いんだけどね……濡れるのが嫌で。
頼った……、(彼を頼った、のだろうか。でも自分一人では猫の相手は無理だと思って、彼なら何とかしてくれると助けを求めたのだからその言葉で合っているのだろう。知らず知らずの内に初めて他人へ、それも人間を頼りにしていたこと、相手がそれを迷惑がってもいないこと、どちらもおかしく、自然くつくつと声が洩れてにまりと笑い)っふ、俺は現世は初心者なんだからアンタに頼るのは当然でしょ。何、それとも迷惑?
俺は結構好きだけどな。たまに十四松と水溜まりで遊んだりするし。
は?迷惑なんて言ってないでしょ。(続いた言葉に、くつくつと笑う彼とは対照的にこちらはむすり、眉寄せて。こっちは、頼られることなどほぼ皆無の燃えないごみなのだ。友達だって猫しかいない。そんなやつが、今日会ったばかりの死神に頼りにされて、嬉しくない訳は、ないのだ。最初は険しい表情を浮かべていたのだが、嬉しいと、その感情に気がつけば途端に頬をぼっと染め、居心地悪げに顔を反らし)~~っこっちはそんな、た、頼られる、とか。初めてなんだよ。だからどう反応していいかとか、わかんないし。
確かに水溜まりばっしゃばっしゃすんのは楽しい、十四松マジックかな。ガキの頃はよくやってたんだけどね、大人になってからやるとそれはそれで。
俺も誰かを頼るのは初めてだけど。……そんな嬉しそうな顔されるなら悪くないかもね。(また照れてる、と気付くも二度目は流石に口に出さず頬をつつくのみに留め。待ち切れなくなったのか再度鳴き始めた猫を見やり、「こっちの相手してやろっか」と相手の持つ猫缶入りの袋を指して。すり寄る猫に視線は固定したまま、ふと思いつき)初めてって言うけど、猫にはすごく頼りにされてるんじゃないの。……友達なんでしょ。
あいつがいると年忘れるんだよね、良い意味でも悪い意味でも…。
~…別に嬉しそうになんて。(……してたの、だろうか。ツンツンとつつかれた頬が更に熱を持つ感覚にすいと顔を反らせば、指差された猫缶から、チラリ目線友人へと移せば漸くその傍らへとしゃがみこんで。早く早くと急かすように揺らめく尻尾に、「ごめんごめん」と頭を数回撫でてやれば聞こえた言葉。頼りにしている、のは、寧ろこちらの方だ。落ち込んで路地裏に行ったとき、心配そうにこちらを見上げてくるのはいつも彼らの方なのだから)………寧ろ俺の方が、頼りっぱなしだし。これはそれの恩返しみたいなものだから。
テンション若干うつるって言うの?
今日もすごい土砂降りだったね、滅茶苦茶冷える。……何かあったかいもの飲む?
……持ちつ持たれつって奴?アンタと猫は”友達”だもんね。(ぺらぺらと数時間振りに手帳をめくり、両者の関係を示す二文字を指でなぞり。ほんの僅かに揶揄する様な調子が混じったのには気付いたとしても許してほしい、だって羨ましかったのだから。自分と彼は似ているけれど同じではないのだ、彼は独りぼっちではない。こちらへも向かってくる猫を「俺はご飯持ってないから」と相手の方へ戻しつつ)友達なんだから、置いていって死んだら駄目だろ。そういうの、残された方は寂しいんだからね。
こっちは午後から晴れたよ。…ん、ここあ、(ぼそり)
(彼の言葉に他意があることに気付くことは出来ず、けれども、もしも自分がこの世界で生き続けることを選択したら、彼は、自分の前から消えてしまうのだろうか。唐突に浮かんだその疑問に自らも内心驚きつつ「…ともだち、」と、無意識に彼の言葉なぞるように呟いていて。友達。─…彼とも、そうなれれば良いと、思っているのだろうか。ぽかりと浮かんだその思いから気を反らすように、猫をこちらへ追いやる彼の手に、手中の猫缶を一つ乗せて)…あんたからも餌あげて。寄ってくるってことはあんたのことが気になってる証拠だから。
あ、甘いもの良いな、俺もココアにしよ。マシュマロとか突っ込んじゃう?
うぇ、俺は別に……って。……ったく、(別にいい、と言う間もなく渡されてしまった猫缶を渋々ぱきゅりと開き。途端変わり身早くこちらへ舞い戻ってくる猫、缶を床に置くのも待てないのかぴょんと床を一蹴りしてこちらの膝の上へ飛び乗ってきて。そのまま缶を持つ手に前足を乗せ、顔を突っ込む様は人慣れしているどころの距離感ではなく本当に野良猫なのか疑うレベルの警戒心の無さ。というかもふもふしている、乗られている膝も前足置きと貸している両手ももふもふしている。たとえ猫でもここまで距離が近いのはやはり慣れそうにない、動くに動けず顔だけがきょときょととあちこちを向き、やがて隣の彼へ向いて)い、一松、もういいでしょ、近い、これ何とかして……!
いいね、猫型のやつとかどう、(がさ)
あんたどんだけコミュ障なの。(まさか猫にまで人見知り…いや、この場合は猫見知り?するなんて思っていなかった。きょどきょどとこちらに助けを求める姿にぷっと吹き出しながら、彼の膝の上でどうどうと猫缶を食べる友達をひょい、と持ち上げ。ナア、と不服げに泣く友達に、「ごめんってば、」と眉を下げればそのふわふわを彼の目の前、向き合うように下ろして。猫は満足したようにそのまま猫缶に向き直っていたので、恐らくもう心配ないだろう。ふ、と、先程まで狼狽えていた彼を見る。彼が困っている姿を見てしまうと、全力で何とかしてやりたくなるのは何故なのだろうか)…これで大丈夫?
……何それ可愛い。はい、(マグカップ手渡し)
うるさい、そもそもコミュニケーションなんてしたことほとんど無いんだから仕方ないでしょ。(笑うな、と口を尖らせつつ膝から退かされた猫を横目で見やり、やっぱりこのくらいの距離から見てるのが一番丁度良いと息を吐き。正直今こうして相手と普通に話せているのが奇跡だ、恐らくはお互い波長が近いのと相手がそこまでぐいぐい来るタイプでないのが理由なのだろうが。「……ん、ありがと」と頷き問いに応じると、階下からの食事の匂いにすん、と鼻を鳴らして)アンタ、自分のご飯は?この猫ももう平気だろうし行ってきなよ、わざわざ呼んで悪かった。
ありがと。(カップ受け取り、お返しにマシュマロの袋手渡し)
…にしちゃあ俺とは問題なく話せてるよね。(それは俺もか、というツッコミは心の中で。お食事中の友達の頭やら背中やらをもふもふと撫でて堪能しつつ、彼の言葉に「まぁ、そうなんだけど」と小さく返し。正直、お腹はあまり空いていない。それに今はここから、彼、から、離れたくない、ような、気がしなくもない。さすがにそこまで言うのはコミュ障にとってハードルが高すぎる。なぜそんなこと思うのか?なんて疑問は、とりあえず今は置いておいて。猫を撫でながら体育座りした膝の上、口許を隠しぼそぼそと)…今はお腹空いてないから、もう少ししたら、ね。
どこで見つけたのか知らないけど、可愛いの持ってるよね。食べるの勿体なくなる。(ゆるりと微笑みつつ袋を受け取り、互いのカップにぽいぽい投入して)
……う、ん。……あのさ、もし、もしもさ、アンタが頑張って生きようってなって。それでも、その後も俺、ここにたまに来ても良いかな。(まだここに彼が残ってくれる、そのことが”嬉しい”などと感じてしまうのだから頷く他無かった。彼と普通に話せるのはお互い波長が合うこと以外にも一緒に居て楽しいから、を付け足さなくてはならないかもしれない。そう思うとゆくゆくは彼とのお別れが来ることが無性に惜しく思えて、つるりと口が滑って。言ってしまってからばっと顔を背け、相手の返事を待たず言い訳めいた口調で)っ、なんて、アンタからすればまだ死ぬ気満々なのかもしれないし、余計な話かもしれないけど!
…この間路地出て直ぐ右に曲がったとこに雑貨屋が出来たんだ。そこが猫専門の雑貨屋でさ、可愛くて思わず、ね。(こくり、と溶け始めたマシュマロの入ったココア飲み)……今度あんたも行く?
へ、(“また来ても良いかな”。そのあとの言葉は、正直耳に入って来なかった。…そうだ、そうだった。彼とのこの奇妙な関係は、一ヶ月という期限つきのもの。それを過ぎれば、彼は居なくなってしまう。その事実は予想していたよりも、かなり、大きく、自分の胸にのし掛かる。今彼と別れるのが嫌だなんて、思ってしまった。そう思った事実に、また目を大きく見開く。…なんで?どうしてさっきから、彼の傍に居たがるの。自問自答したってなんにもわからなくて、先程は口許だけ隠していた膝に、今度は顔全部を乗せ更にくぐもった声を出し)~…もし俺が死にたいって思い続けてたら、あんたはどうすんの、
行く、(ぱっと顔を上げて)そういう店はたまにふらっと寄るけど、誰かと行くのは初めて。……楽しみ。
……冥界でアンタの魂留めたままにしてようかな、なんてね。多分、そうなったら俺もお役御免だから、すぐに消えるよ。(ふ、と冗談を口にした勢いでついうっかり洩らしてしまった言葉に、しかし自覚はなく。こうして姿を見られていることが知られれば最悪クビ、との事実は隠していたはずなのだが、弱味を知られても問題ないと無意識に警戒を緩めすぎた故か。どのみち彼が死んでしまえば自分がどうなろうと会えなくなる事実は変わらない。そう考えるとくっと眉が下がり)でも、アンタにはやっぱり生きてて欲しい。生きて、……人間の寿命ならあと60年位?だけでも、俺の話相手になってて欲しい。
俺もそういう店に入ったのは、これ買った時が初めてだから。…二回目があんたとでよかった、(ズズ、照れ隠しするようにわざと音立てココア啜り)
消える、って………、?(冥界だの魂だのの話は、自分にはよくわからない。けれど彼が何かの規則を破れば、“消える”と言っているようでならない。その言葉の真意を知りたくない、そう思うのに口は勝手に動いて疑問符を投げ掛けていて。自分が死を選ばなければ、彼とまた話すことが出来る。そのことだけで心が傾く。…死なずにいればまた会えるのか、その事実だけで自殺なんてどうでもよくなってしまっている自分が可笑しい。今朝はあんなに意気揚々と死ぬ準備をしていたというのに。しかし伏せた顔から発するのは、本心とは大分かけ離れた言葉で)………考えとく。
お茶じゃないんだから音立てて飲まない、行儀悪いでしょ。(照れ隠しする相手に呼応する様にぱっと視線逸らし)
……っあ、あー。気にしないで。(ヤバい、と露骨に顔に出てしまった気もするが、伏せられた相手の目には恐らく入っていないだろうから適当に誤魔化して。それよりも、死ぬことを止める自分の言葉に保留でも即座に却下されなかったことが嬉しかった。今日一日たくさん話したのは無駄ではなかったのかもしれない、と自然に口元が緩み、とすんと隣の彼へ肩を預けて)うん、考えといて。応じてくれるまで、俺も待ってるから。
……おかんかよ、(音立てないように飲みながらぼそり)
俺が死んだらあんたは消えるの?(肩に加わる彼の重みが、どうしてかひどく心地良い。その彼から伝えられた言葉に、ぱっと顔を上げれば見えた微笑み。…笑うのが下手だと思っていた彼の、思いもよらぬ表情に思わず目を見開き。しかし表情はすぐに元に戻り、何か思案するように目を前方へと漂わせれば、意を決したように重たい口を開き「……こんなこと言ったら、あんたは変に思うかもしれないけど。~…俺は、」。しかし折角上げた顔は、言葉と共に徐々に下がっていき、最後には元の定位置へ)…俺はあんたと離れんの、やだなって、思ってる。
……誰がおかんだよ。素直に話すのがむず痒いのは俺も同じだから、下手な照れ隠しすんなってこと。(マシュマロを追加投入しつつ)
え、(予想の外を行く彼の言葉に、ぱっと横を向いてその隠れた顔の方をまじまじと見てしまう。例えば死神なんて存在が物珍しいとか、あるいは自分が余程楽しいトークスキルを持っているかすればその言葉は妥当だったのかもしれないが、現実は無論そのどちらでも無さそうで。思わず何で、と呟いてしまったのは当然の疑問だ。彼と仲良くなりたいと思ってしまった身としては喜ぶべき言葉なのだろうが、如何せん理由が分からない。「……俺も、アンタともっと話してたいし、”友達”にだってなりたいけど。けど、」と口ごもりながら再度何で?と問うて)
…………別に照れてない。(とはいいつつふいっと顔背け)
(言ってしまったあと聞こえた、彼の声に言わなきゃよかったとすぐ後悔する。自分なんかにそんなことを言われても、彼は困るだけだというのに何を舞い上がっているんだ、自分は。素直になった途端卑屈な思考ばかりが一人歩きしてしまう、けれど。そのあと続いた彼の言葉に目を見開き。~…彼も友達になりたいと思ってくれていたらしい。そんなことを言われたのは、初めてだ。ぱっと顔を上げると見えたその顔は、随分と怪訝そうで。思考は今だ混乱しているのに、ボソボソと話す言葉は本心包み隠さず伝えていて)……あんたと話すの、凄い、落ち着くし。もっと話していたいって、思って。俺もあんたと、と、友達に、なりたいから。
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