風人 2016-04-04 04:41:02 |
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小説『仮面ライダーキバ』人間とファンガイアの先にある何か。
過去編と現在編を紡いでいる感じはいい。
過去編の描写がなんとも懐かしい時代(笑)。
人間かファンガイアかと悩み紅渡の姿はまさに仮面ライダーそのもの。
音楽と愛をテーマにしてるところはいい作品。
かたや名護さんはまるで『ファイズ』の草加さんみたいで悲惨。
テレビ版とはちがうもうひとつの『キバ』なんでしょう。
人物を掘り下げ物語をシンプルに再構築していく。
『クウガ』は後日談、『アギト』『龍騎』はアレンジ、『ファイズ』は『異形なる花々』から後日談を加えた+α、『ブレイド』は一見するとパラレルにも見えるさらなる後日談。
『響鬼』はまさかの『変身忍者嵐』とのクロスオーバー、『カブト』はダイジェストと+α、『電王』は何か価値ある何かを守る物語、『キバ』は音楽と愛を過去と現代で奏でる、『ディケイド』は本編でできなかったであろう物語。
とりあえず平成一期ライダーの小説は揃った。
手塚治虫cover【エロス編】収録の「ビッグX」を読むと手塚作品のおおらかさもあれば暗部もある。
『cover』の【エロス編】【タナトゥス編】に収録されてる各作品は各作家さんがアレンジを加えながらもオリジナル作品の魅力は損なわれない。
角野栄子さんの『魔女の宅急便』、基本的な展開はジブリ映画版と同じだけど細部はかなりちがう。
おソノさんがおおらかに書かれてる人物。
大きな町にやってきてキキとジジの世話をみる。
グーチョキパン屋といういかにも児童文学的な名称は小説だけど絵本を読む懐かしさを感じさせる。
小説『魔女の宅急便』文章表現が独特。
児童文学でしょうけど絵本みたいに情景が浮かぶ。ジブリ映画は一巻の前半までなんですね。
小説の方では里帰りまで書かれていてキキが成長したのに里に帰るとひとりの娘に戻るところは微笑ましい。
小説『インデペンデス・デイ』のニムジキは人類存亡の危機さえ自分の出世や栄達のためにしか国家を利用しない人物として書かれてる。
なかには画策や謀略をする人物がいるというあらわれ。
だけど彼がいなければ物語内のエリア51の真相はわからずじまいでもあり必要不可欠な人物どある。
しかしグレイ将軍からエリア51の機密を糾弾され詳細に語ってたらあらかじめ犠牲は少なかっただろうことは難くない。
結果的にホイットモア大統領やコニーをはじめ主要人物から疎まれ長官の地位を解任される。
ニムジキが人類側にとっての悪役であり必要悪な存在として描写されるのはやむ得ない。
だけど続編『リサージェンス』にいっさい去就が記されてないのも気がかり。ニ十年の歳月で何かはあっただろうなくらいでしょう。
小説『機動戦士ガンダムUC』7、8巻が欠けたけど他は購入。
ラプラスの箱を巡りオードリーことミネバもまた巡りながら戦うバナージ。
宇宙世紀誕生の年から『逆シャア』の数年後にいたる物語本編。
過去、現在、未来へと系譜していくメカやモビルスーツ。
いろいろな意味で集大成的な感じはする作品。過去のキャラや出来事たちにもわずかに触れながら歴史を反映していく展開。
小説『機動戦士ガンダムUC』あるかどうかもわからないラプラスの箱に人物たちは踊らされている感もある。
また宇宙世紀という時代が幾度の戦乱で疲弊し宇宙移民という政策の在り方、そこに生まれる差別、地球至上主義などの目に見えるあるいは見えないところの無数の問題。
ところどころに各ガンダムシリーズに少しだけ触れられながら問いていく感じもある。
ただ連邦も袖付きもそれなりに良識ある人物がいる。一部はやはり精神が不安定な人物もいるが。
バナージがガンダムのパイロットとしても扱いは人並みにし袖付きのジンネマンは人格者ではないだろうかと思う。
小説『機動戦士ガンダムUC』連邦政府を覆す力を持つというラプラスの箱、その正体は連邦政府が宇宙世紀開始の年に綴った碑文あるいは条文なるもの……。
ふと思うのは現実世界にも知らされてない法律や条文、碑文など多くあるんじゃないかなと感じた。
歴史は知ってるようで実は教えられた歴史としてか内容を知らない。歴史はたとえば戦国や幕末時代などは所属する勢力や地方などによって伝え方や伝えられ方は異なるが徐々に世が安定したり統一政府などができると国民や大衆に耳がよいように整理や改竄される(だろう)。
宇宙に適応した人類イコールニュータイプとするか否かまたはそれを証明する方法。
あるいは宇宙世紀のガンダム世界では火星圏や木星圏まで行った人物たちも多くいるだろう。彼らが宇宙の深淵を見たかもしれないし見なかったかもしれない。
なにを以て適応したかと決める例をつくるか否かでもまた後々の世に与える影響もまたあるかもしれないしないかもしれない。
解釈や受けとり方は様々なんでしょうね……。
現在の世のなかもまたおなじかもしれない。
小説『機動戦士ガンダムUC』で宇宙移民政策が棄民政策であるというのもひとつの実体。
コロニー開発者や連邦政府、軍関係者などは比較的に優遇されてる身なのはかつてのアムロやカミーユ、後のシーブックの一家などにあらわされ描写はされてる。
だけどサイアム・ピスト。彼はちがった。
ラプラスの箱を手に入れなければそのまま貧困層として亡くなり歴史の表舞台に立つことはなかった人物。
いうなれば本来なら宇宙世紀ガンダム世界の日陰者だったが、ラプラスの箱を手に入れ連邦政府やアナハイム・エレクトロニクスなど大きな勢力と関係を持ち栄華や繁栄を手に入れたが同時にサイド3でジオン・ダイクンがニュータイプを提唱し後ジオンが何者かに殺されザビ家一統が地球圏を混乱に招くことになり更なる混乱を招いた。
宇宙移民者の当然の権利を記した碑文がありながら歴史が闇に隠したあるいは結果的に隠すことになった。
現実世界における格差などもそのひとつ。『ガンダムUC』ではパラオを舞台にした際に主人公バナージを通してかつて資源衛星であった物体に住む人々の姿が書かれる。
宇宙移民に夢を馳せてたはずが実体は棄てられる民の実体もあったという世界の裏側。
小説『機動戦士ガンダムUC』は宇宙世紀世界の闇や裏側を描いている。そんな意味では硬派。
連邦政府の闇や裏側は富野由悠季氏や他のシリーズなどでも断片的にこそ描写や書かれはするものの具体性は少ない(と思う印象)。
福井晴敏先生はそこのところを場面や人物を変えながら端的かつ事細かに書きながら宇宙世紀の闇を書いて伝えている。
連邦政府が悪辣な一面は各シリーズでも書かれ演出されてもいるがより具体的。
宇宙世紀の世界が争いが絶えないのは連邦政府が存続してるからといえるが連邦政府が存在してないと世界が崩壊するかもしれないあやうい世界。
読んでると何が正しく悪かわからなくなり読者に考えさせようという後押しは感じる。
NHK『100分で名著』松本清張スペシャル。
推理モノであり社会派でもある松本清張氏。
読んだことはないけど多くはテレビドラマなどで作品化されてる。社会に切り込む内容は今月放送の『名著』で理解できた。
だけどこの人もまた石ノ森章太郎先生同様に作品を未完になった方。
『神々の乱心』という作品は未完に終わったという。天皇崩御や新興宗教などの現実の事件をもとにつくられるはずだった物語。
宗教やクーデターなど一見するとやや非現実的な物語らしいけど天皇や皇族など詳しいことは一般大衆は知ってるようで知らないのが実情(と思う)。
昭和天皇崩御の時はいまだにおぼえている。テレビ報道が一斉に報じて通常放送になかなか戻らないという……。
松本清張先生が『神々の乱心』を書いていたのは昭和から平成になった前後でしょうね。
松本清張先生が凄い方というのは『100分で名著』で本当伝わった(と思う)。
『100分で名著』によると松本清張先生はフィクションとして書くことで社会の闇や裏側を描いてたというのが本音でしょうか。
フィクションとして書くことで書きにくい実在の事件や物事を一見架空に欺きながら実在の物事や事件を再度通して書いていくみたいな。
実際に事件記者が事実をありありのまま書くと不敬なことは書けないけどフィクションならある程度は書き起こせる。
それだけ松本清張先生が現実の事件や物事について調べて考え再度頭や原稿用紙、パソコンなどで物語として再構築したんでしょうね。
作家として書く側ならとてつもない作業量と想像できる。内容に比したら質もそれにいたる。
小説『機動戦士ガンダムUC』結果ではなく過程が大切というひとつの結論。
これはガンダムシリーズ全般に限らず一日や一年、遊んだり勉強などなにごともいかなる過程でもと思う。
結果だけを見てたり臨むと背中を振り向くと見てなかったものや気づかなかった存在の後悔が表現ができないくらい大きく重たい。
けど人生は失敗したり落ち込んだりへこまないと知らないままの方がほんと無駄に多い。
可能性を開くも閉じるも自分しだいのむずかしさ。
久しぶりに小説『踊る大捜査線 THE movie 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』を読むと松本清張先生の『砂と器』と東北弁があった。
近年は作品同士がネタとしてリンクすることはある。オマージュやパロディとしても。
ただ『レインボーブリッジを封鎖せよ!』で警察の官僚社会の難しさ。
現場を知らないキャリア、官僚の難しさを知るノンキャリア。
『踊る』はサラリーマン警察という形で描いているのでいくぶんのフィクションはある(笑)。
いまになって思うけどキャリアにも有形無形な犠牲はたぶんにあるでしょう。劇中で室井さんは新城さんや沖田さんに一度は見下されながらも現場を知るキャリアという形で見直されていく。
階段を上る間にもセピア色の思い出や青春さえも現実に棄てているキャリアいるんじゃないかな。
『パトレイバー2』の課長代理をつとめていた南雲さんもまた柘植学校でのことやかつての部下たちが去った特車二課に思いを馳せるように。
ラプラスの箱を用いて連邦政府を脅し利用すればいいというフル・フロンタル。
たぶんにシャア本人であればここまでせこいことはしないと思う。
シャアが『逆シャア』で唱えたことは宇宙市民の自治権や独立であって連邦政府そのものを脅すことではない。『逆シャア』でたしかにあこぎなことを彼はしてるが騙し討ちでアナデウアー・パラヤや連邦艦隊を壊滅させてる程度。
フィフス・ルナやアクシズを落とすことで全人類をニュータイプに強制的に覚醒させようとしてるに過ぎない。
『ガンダムUC』でもバナージとハサン先生との会話で全人類がニュータイプになれば?という話をしてたと思うが現実的にはリスクもデメリットもあるしなによりそんな方法自体がそもそも無理ある。
フル・フロンタルはおそらくどの時期のシャアもしくはキャスバル(クワトロ時期含め)などにあたらない矮小な存在として造られたとすべきかもしれない。
連邦政府を『ガンダムUC』以降の時代に脅したとしても時代が巡り巡ってくるだけ。そんな意味ではクワトロとしての一面に近いかもしれない。
『ガンダムUC』のラプラスの箱みたいなものが現実に存在するか否かはわからないけど存在したら権力者や政治家もしくはその一族などには呪縛みたいなものでしょう。
さながらパンドラの箱みたいに箱を開ける者によっては魑魅魍魎かあるいは世に光明をもたらす存在になるか。
もしかしたら日本が韓国や中国などに頭を下げ続ける歴史なども国民が知らされてない歴史の暗部があるんじゃないでしょうか。たんに戦争責任や慰安婦問題などは氷山の一角ではないだろうか。
『ガンダムUC』のラプラスの箱が宇宙世紀の世界のいずれかの段階で明かされたとしても更なる混乱を招いた事態も考えられる。
一年戦争末期に公開したとしたらそれこそザビ家はほぼいなくなったにせよデラーズみたいな血気盛んな人たちはより戦争継続を望んだもしれない。
『Ζ』時期ならジャミトフやバスクはより隠蔽しようとしブレックスやシャアは公開を望んだでしょう。だけどこの時期のシャアならダカールの演説で利用(?)した可能性も否めない。
『ΖΖ』時期ならハマーンもまたスペースノイド自治権とザビ家による支配のために利用したでしょう。
『Ζ』『ΖΖ』時期は連邦そのものが内部抗争で疲弊してるから時期的にはいいかもしれないが逆に本編以上に最悪な事態になったかもしれない。
クワトロと名乗ったシャアでさえフル・フロンタルのように利用する価値として使ったかもしれない危険はある。
箱を巡ってアムロたちと袂を分かつ可能性は充分にある。
小説『ガンダムUC』の敵組織である袖付き。
作品中でも語られている通り一年戦争からの古参兵もいればザビ家を崇拝する者、純粋にジオンやジオニズムを信ずる者など様々な者たちがいる寄り合い所帯。
だけどハマーンのネオジオン、シャアのネオジオンと異なるネオジオンにも関わらず二度の戦争と壊滅。
もちろん両組織に在籍し袖付きに加入した者もいるでしょう。
連邦がいうようにテロ組織にかわりないかもしれないが表面的や潜在的に組織が力を秘めているであろうことは示唆されている。
『逆シャア』におけるシャアの反乱で力をなくしたにも関わらず直接ないし間接的にジオン共和国が介在している。
だけど一年戦争から三十年近く過ぎてなお連邦に対抗しようする信念あるいは志。まっすぐに信ずる者もいれば当初の志とは違った形になったことに疑念を持つ者もいる。
ジンネマンなどはまさにその類いの人物でしょう。ジオン創業の志とは裏腹にコロニー落としをしたことに取り返しがつかない大きな悔やみを残しながらなお戦うという志や姿勢を示す。
主人公バナージはいじけながら反発しながら再度“敵”と称される人物たちにふれあいながら考えていく。
六巻での砂漠の旅はバナージにとっては大きい人生経験だったとうかがえる。
だけど袖付きの戦力が潜在的に秘めている怖さが伝わる巻でもある。
小説『ガンダムUC』においてバナージにユニコーンが託されたのは託すべき人物であるにふさわしかったんでしょう。
もしもバナージ以外にユニコーンが渡っていたらシステム自体が働かなかった可能性もあるし永遠にラプラスの箱は封じられたかもしれない。
ニュータイプの素養を持つ人物はネェルアーガマにリディなどにいたでしょうが最終的には機体を柔軟に扱えサイナム・ビストなど財団の主な人物の信頼も間接的には関わるでしょう。
たんに機械的な性能を引き出せるだけでなく未熟ではあるが成長や伸びしろある人物に託し未来を託すという思い。
何かの小説に“秘匿されたものこそ力を持つ”みたいな表現があったけど『ガンダムUC』のラプラスの箱もそのひとつ。
海堂尊先生の『ブラックペアン1988』が『ブラックペアン』としてTBSでドラマ化。
『桜宮サーガ』シリーズは『バチスタ』から歴史が長いシリーズ。出版社やドラマの放送局は異なるけど作品間のつながりは原作同様にたぶんにあるでしょうか。
『桜宮サーガ』で好みは『イノセント・ゲリラの祝祭』『極北シリーズ』『ナニワ・モンスター』かな。
だけど現実世界にも秘匿された存在など多くあるんじゃないでしょうか。
機密文書など世界各国や各地にあるんじゃないでしょうか。
効力をさほどもたなくなった時に公開され混乱は起こるが結局は一時の流行のように流行っては時の流れや記憶に消えていく。
小説『機動戦士ガンダムUC』五巻ラブラスの亡霊、軌道上でユニコーンガンダムから聞こえるかつての宇宙世紀を記念しての大統領演説。
もちろん“ラブラスの箱”への道標だけどなぜ箱を求める者たちに伝えるかという意図。
最終巻のネタバレだけど結果ではなく過程を大切という意味合いでしょう。
宇宙世紀が開始された時には当然まだニュータイプの概念は生まれてなく“神”もしくは宗教の信仰の対象がそれだった。
だけどラブラスの亡霊の巻においてもデストロイモードを覚醒するユニコーンとバナージ。
神とニュータイプの交錯がここでも行われる。神とニュータイプが等しいとは個人的には思わないがたぶんに“世界”は誤解をし大衆やジオン残党などは求めるかもしれない。
『ガンダムUC』の物語はそんな危険をはらんでいる世界でもある。
フル・フロンタルによる“シャアの再来”もまたそれに近く危険なもの。
内容を読むと危うい世界と肌に感じ現実にも通じるところある。
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