風人 2016-04-04 04:41:02 |
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私が活字本を読み出したのは中学時代でしょうか。教科書の題材として印象あるのは夏目漱石の『坊っちゃん』。
つい新春にドラマ化されました。
中学時代に母校の図書館で見かけたのが『刑事コロンボ』がきっかけだったと思います。
ノベライズ(ドラマやアニメの小説)をはじめて見たのは『機動戦士Ζガンダム』でしたが、学生時代は購入しませんでした。
購入は社会人になってから『機動戦士ガンダム』のノベライズを購入。
アニメとちがいアムロたちがはじめから連邦軍の士官候補生だった展開やなによりガウが宇宙を飛んでる描写などいくつかあった。
富野由悠季さんの表現は作家としては粗くけっしてきれいにまとまってないけどいくつか強烈な表現が散見できる。
これは『伝説巨神イデオン』などのノベライズにもいえることと思う。
ちょっと話は前後すると思いますが、ドラマのノベライズを初めて購入したのは『世にも奇妙な物語』。
当時はまだ『世にも奇妙な物語』は季節間のスペシャル枠ではなく通常のドラマのひとつとして放送されオムニバスで奇妙なドラマの世界観に魅了された記憶ある。
それで放送からしばらくして本屋でノベライズがあるのを知り購入。
ノベライズはテレビで放送された小説が数本と小説のみの二本くらい物語が収録されてたいへん面白かったと思います。
ドラマの小説もドラマとはちがう終わり方だったり小説のみの物語も独特な雰囲気が多々あり奇妙な世界観に法則はないのだと思いました。
ノベライズとはいえドラマと遜色なくまた物語によってはドラマを上回る奇妙な物語もありました。
ノベライズ『世にも奇妙な物語』を購入しながら『ガンダム』シリーズのノベライズも読む。
そんな時に出逢った本がソニーマガジンズの『地球はウルトラマンの星』。
平成ウルトラマン一期(ティガ、ダイナ、ガイア(平成セブン含め))のスタッフや出演者などが平成ウルトラマンに関わった経緯や裏話などがふんだんにありました。
ただこの本を購入した際に印象深いのは平成ウルトラマンが製作され放送される以前に著者がとあるサラリーマン同士の会話がウルトラマンについて語ってるところでした。
「ウルトラマンというのは何なんだろうな」「あれは人には光りのかたちにみえるんだろうな」という会話が冒頭部分にありそこはとても印象ありました。
購入する時に中古本だったのですが、高かったので少し迷ったと思います(苦笑)。
『地球はウルトラマンの星』を読んで印象深いのは脚本家の小中千昭さんでしょうか。
もともと彼はアニメなどに関わる際にサブライターやゲストライターとしてはじめはオファーされるらしいですがしだいに脚本の中心になってゆく傾向があるらしいです。
また『ウルトラマンティガ』を作る際に第2話の「悪魔の預言」の脚本をつくる時にスタッフと衝突しティガが喋るかどうかでもめたそうです。
むかしのウルトラマンのテンポでつくっても視聴者はついていかないと意見し「時代はロックだぜ」と意見したそうです。
それらが功を奏したのかティガはしゃべらないまま敵であるキリエルビトには無言のまま対峙する演出ができたそうです。
あくまで見てる視聴者が無言のティガからどうメッセージを受けとるかというのがあったようです。
よく食事時に読んでたのは夏目漱石の『坊っちゃん』、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』『人斬り以蔵』、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』など。
『坊っちゃん』は読みやすさもあるけど物語がすんなり入る。
『竜馬がゆく』『人斬り以蔵』は幕末に生きる志士たちの生きざまが凄まじい。
芥川龍之介の『蜘蛛の糸』や『トロッコ』などは短いながらも物語に起伏ある。
私はノベライズをよく読みますが『踊る大捜査線』もまたおもしろかった一冊。
テレビドラマ版のノベライズは主人公である青島俊作、ヒロインの恩田すみれ、昔ながらの刑事の和久平八郎、そして将来のキャリア官僚の室井慎次と物語によってそれぞれの一人称で語られる。テレビドラマが青島視点なのにややちがう。
『踊る大捜査線』の魅力でもあるサラリーマン刑事がドラマと同じでありながらそれぞれの視点で語られることでより浮き彫りにされる。サラリーマン刑事という『踊る』の魅力はフィクションですが。
室井慎次のキャリアとしての苦悩もうかがえる。
『踊る大捜査線』シリーズに続いて読んだのはドラマのノベライズ『TRICK』シリーズ。
仲間由紀恵さん演じる山田奈緒子、阿部寛さん演じる上田次郎が互いにトリックを暴きながら貧乳、巨根と軽く下ネタなどをまぜながら教祖や奇術師たちと戦ってゆく。
生瀬勝久さん演じた矢部謙三もノベライズでも変わらずカツラネタ(笑)。
適度にシリアスさはある。つい最近まで読んでた『SPEC』シリーズと共通点が多くあるのも興味深いところ。
『踊る大捜査線』『TRICK』ともにまだ完結にいたるまで読んでないのは残念ですが。
ちょこちょこアニメのノベライズも読みますが全巻揃うまでに苦労したのはスーパークエスト文庫の『超時空世紀オーガス02』。
オリジナルビデオアニメの方はいまだに見てませんが、オーガスの続編ということもあり興味を持った。
アニメ自体もマイナーな作品のためかノベライズ版はたぶん新刊の時は多く出たかもしれませんが、興味もった当時はすでに中古本でした。そのせいか全四巻と短いスタンスなのに揃うのに苦労しました。
だけど、物語を一冊一冊集め読んでいくと小説オリジナルのキャラが物語に深みを与えたりおそらく映像でわかりにくいところを補完してると思われました。
もとの『超時空世紀オーガス』のノベライズもあとがきに著者が“オーガスはわけわからじ”とありましたが『オーガス02』ではその“わけわからじ”を理解ある方向に進めたと思います。
作品内の混乱した時空平行世界が修復されたように。
ネタバレは控えますが『超時空世紀オーガス02』はノベライズもまた隠れた名作。
アニメのノベライズで隠れた名作は横山光輝のオリジナルビデオアニメ『マーズ』。
オリジナルビデオアニメの方は売り上げしだいで続編が作られるはずだったらしく惜しくも未完に終わった作品。
だけどノベライズではしっかり完結してる。
原作漫画の『マーズ』とほぼ同様の展開ですが、時代背景をオリジナルビデオアニメ製作当時の現代に置き換え、はじめは主人公マーズがヒロインたちとパソコンから徐々に人間性を得てゆく。制作側は『アルジャーノンに花束を』を意識したらしいです(私は未読ですが)。
最後は地球爆破は原作同様にされますが、またそこに至るプロセスも凝っている。
またあとがきに監督たちが『マーズ』制作過程のやりとりが綴られ自衛隊に取材した時のことも書かれおもしろい。
自衛隊は神体に勝てますか?の質問に監督は勝てませんとあっさり答えてる(苦笑)。
『マーズ』が今川泰宏監督の『ジャイアントロボ』みたいにできない背景もあったと思うけどくらべるとまたおもしろいかもしれない。
いま読んでるシリーズは海堂尊先生の『桜宮サーガ』シリーズ。
シリーズの根幹をなす『田口白鳥シリーズ』。『チーム・バチスタの栄光』に始まる医療サスペンスが主なシリーズ。
また短いながら『極北クレイマー』『極北ラプソディ』の極北シリーズは地域地方医療、ドクターヘリなどが丁寧に描写されてる。極北シリーズはけっこう好きなシリーズ。
『ジーン・ワルツ』『マドンナ・ヴェルデ』は代理出産を描いたシリーズ。妊娠出産を書きながら代理出産の在り方を書かれたシリーズで描写が全体的に女性的。ちなみに『イノセントゲリラの祝祭』でほんの少しだけ触れられてる。
『夢見る黄金地球儀』はかのルパン三世を彷彿させる通常のミステリー。医療サスペンスではない。
つい最近読んだのは『モルフェウスの領域』。『ナイチンゲールの沈黙』に登場した佐々木アツシ少年が未来科学センターなるところでヒロイン日比野涼子に見守られながらコールドスリープ(冷凍睡眠)してるところから物語は始まる。
個人的ですが『モルフェウスの領域』は海堂尊作品を読んだなかではコールドスリープがSF要素、また日比野涼子を取り巻く物語がロマンチックになっていた。
『ふしぎの海のナディア』のノベライズは基本的にテレビアニメ版に沿いながら一部“南の島編”は小説としてシリアスにまとめられてた。
だけど(中巻)だったか。あとがきにスタッフの友人が『ナディア』制作の前後に亡くなったことがありそのことが『ナディア』と重なったことが記されてたと思う。
作品内でもヒロインのナディアは肉は食べない行為についてはジャンやマリー、キングを通して考え語られる。
またネモ船長たちノーチラス号クルーの悲痛な思いもある。
ネモ船長たちノーチラス号クルーは『ガンダム00』のソレスタルビーイングに通じるところもある。
久しぶりに角川スニーカー文庫の『伝説巨神イデオン』を出して再読中。
『機動戦士ガンダム』とちがって基本的にテレビアニメ版と同じ流れながらアニメで語られてないバッフ・クラン側の政治体制などが語られてるのが興味深い。
互いに引き寄せられるようにソロ星で出会い些細で不幸な偶然(必然)から地球人、バッフ・クランによる戦いが始まる。
『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン』のノベライズをはじめて読んだ時はセンチネルプライムに憤ったけど少しずつ再読すると彼の気持ちもまたわからなくもない。
だけどオプティマスを裏切ったのは幻滅する。
オプティマスをはじめオートボットたちは彼に敬意を持ってるのにそれを物語の冒頭から実は裏切っていたとは……。人類側もまた情報を明らかにしてないのは問題あったけど。
さいわいにしてサムが何らかの形で利用されてたことにオプティマスが察してたからいいけど。
『リベンジ』のジェットファイアやウィーリーの方が元ディセプティコンなのにそれなりに彼らが理性的に思える。
ノベライズにおいてはオプティマスとメガトロンが和解してるのは数少ない救いある終わり方。
『トランスフォーマー ゴーストオブイエスタディ』は当初は前史外伝的につくられながら『ダークサイド・ムーン』がつくられたことで設定的や物語的になかったことになったのはいささか残念。
『伝説巨神イデオン』のノベライズを再読すると物語内の謎はそれなりに明らかになる。
地球とバッフ・クランが広大な宇宙のなかで同時に同じようなメンタルを持つ互いに“地球人”という種が存在した理由。
イデが種をばら蒔いた。そして長い悠久の時を経てソロ星(バッフ・クランではロゴ・ダウ)で出逢う。ただし皮肉にも戦端を開いてしまった。
カララの好奇心による行動、あるいは前線の兵士たちが異星人という恐怖に駆られたことで……。
だけどまだ物語前半においては和平の余地はあったと思われる。
アニメは忘れたけどノベライズではカララの姉ハルルがバッフ・クラン側にいたことで和平が閉ざされ再び戦端が開かれる。
もしも相手がハルルではなかったら、和平がなされてた可能性もあったのではと匂わす。
『ターンエーの癒し』を読むと富野由悠季さんの制作者としての苦労がうかがえる。
なかなか作品を思うようにつくる状況や環境でなかったり『Vガンダム』でコケたりガンダムシリーズ以外をなかなかつくらせてもらえなかったり。
また富野さんが耳鳴りにやられながら神経ぐったりななかでも軽くジョギングしたり。
必ずしも順風満帆ではない。またアニメのなかに性的なセクシャルを取り入れるところも見受けられる。
『∀ガンダム』だとグエンが主人公ロランをローラと呼ぶニュアンス。
また家父長制度など家庭的なものの時代の移行。家父長制度は『イデオン』『ダンバイン』『エルガイム』などにも見受けられる。
ところどころに富野さんの苦悩が綴られてる。
『ゲゲゲの女房』の武良布枝さん、『ターンエーの癒し』の富野由悠季さん。それぞれ漫画家の奥さん、アニメ監督とちがうけど似たような苦悩が記されてる。
武良布枝さんは水木しげるさんが貧乏なのを嫁いだ時から知ってるし貧乏や売れてからもほぼ水木しげるさんと同じような目線で漫画やその都度、家庭や時代を見つめていた感じする。
富野由悠季さんもまたアニメで絵コンテマンとしてデビューし少しはずるいことしながらもアニメ監督として頭角を現す。だけどいつの頃からか『ガンダム』以外のシリーズは作らせてもらえずサンライズやバンダイの事情も一時期は知らないまま(あるいは知らされないまま?)。
富野さんはご自身がアニメをつくってることからどこか日常的な普通な家庭とは解離してることで気づき悩む。
なにかしら水木しげるさんも富野由悠季さんもごくごく普通とはちがうことで悩んでること書かれてる。
『ゲゲゲの女房』を読むと戦後から貧乏漫画家時代、そして売れてからも苦難あったりまた時代の流れで妖怪モノが一時期、廃れたような感じになったり苦労がうかかえる。
だけど境港が水木しげるさんゆかりの地ということあって水木しげるロードをつくり推してくれた。もちろん地域観光や産業の一環もあったけど。
ちゃんと目に見えるところやまた見えない人たちに支えられてる一面ある。
ほんと水木しげるさんは妖怪に見守られて作品をつくった感じが伝わる。
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