四男 2016-03-27 22:17:49 |
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良いけど…、兄さんUFOキャッチャーやった事ある?
( からからん、と軽い音を立て彼の手のひらにふた粒ほど分けると、自分も自分の手のひらのそれを飲み込んでは鏡で前髪をチェックし出して。その提案はとても良いものだったが、なんせUFOキャッチャーはかなりの難易度であり自分も得意とはしない、それならそれで頑張ろうか、そう思ってはなんとなく上記を聞いて。)
ハイスクールに通いし頃……おそ松に付き合わされてたから多少は得意だぞ。
(相手が髪を整え始めたのに自分も依然着慣れぬ服がどこかおかしくないかチェックを始めて。デートで恋人に何かを取ってプレゼントする、というのは当時からの憧れでもあった、まあ当時は恋人の枠に弟が入るなど想像だにしていなかった訳だが。高校時代からブランクはあるもののコツは何となく覚えている、任せろとぐっと拳を握り)
えっそんなんしてたの?…それなら期待できるかもね、
( 今更ではあるものの鏡の方へ身を乗り出したまま彼を驚きの表情で見て。六つ子でも遊び方は六色である、ともかくそれなら自分より上手いだろうと安堵の表情浮かべてはおいていた鞄を手に取り)大丈夫?そろそろ行こうか、
任せてくれ、俺のゴッドハンドを見せてやるぜ!
(服装チェックを終えて相手の隣へ戻りながら、無駄に自信たっぷりに腕を誇示して見せ。取れなくともかなりの回数挑んでいれば店員さんが情けをかけてくれることも高校時代に学んでいる、収穫ゼロということはあるまい。取れた何かも一緒にプリクラに写れば完璧だ、とプランをまとめあげてゲーセンに足を踏み入れ)
おお、こうしてみるとやっぱり久し振りだな。
うわあ煩いとこ…
( 久々に来てみると様々なゲームの音が入り混じり、第一声はそれであり。いつも思うのだが相手の自信はどこから来るのだろうか、プリクラも撮ったら3Dホラーゲームでもやらせてやろうかなんて企んだりして。キーホルダーが景品になっているUFOキャッチャーは無いだろうか、なんてそう見回しつつ)
人もかなり多いな、平日とはいえもう昼も過ぎたからだろうか。……迷っては困るからな、
(ニートの身から春休み、なんて言葉はログアウトしており不思議そうに人の多い周りを見回して。上記を呟き相手の手を握る、ただの言い訳でこんな狭いゲーセンで迷子になどなりっこないのは分かっているのだが。とりあえず立ち並ぶ筐体を順々に見ていくと、ふと動物が様々な色のハートを抱えているデザインのストラップを見つけて)
このラビット、何となくお前に似ていないか?ほら、抱えているハートもピンクだし。
…世間は春休みなんじゃない? …!そうだね、
( ニートだからやはり世間からずれているのだろう、行き交う学生をチラリと見るとポツリと思ったことを述べて。彼の手をきゅっと握り返しては緩い笑み一つ上記を。彼が言うそのストラップは、愛らしいものであり彼の色も自分の色も残っている為 )僕に似て可愛いね、兄さんのは…虎だ
タイガーか、クールな俺には相応しいな……よし。
(相手の言葉に青いハートを探してみれば、成程青いハートを咥えている虎もあった。これは取るしかあるまい、と財布を取り出し500円玉を投入。どうせ一発で取れるほど簡単ではないのだから1回分多くプレイ出来た方がお得だ。しかし何度か掴むことは出来たものの、最後まで進む前に落ちてしまい)
ぐっ、意外にハードだな……?
…この位置からなら取れるんじゃないかなぁ、
( うさぎも虎もいちいち英語に直す兄だからストラップも嫌がって取れないのかもしれないと勝手にそう解釈すると今度は自分が500円玉を入れてみて。先程兄が虎を少し移動させた為もしかしたらできるかもしれない、と。3回目でやっと虎を落とすことができ、)あとはうさぎ…!
あっ……、
(もう500円でどうにか取ろう、と息巻いていた矢先新たに入れられてしまった500円玉に小さく声を洩らして。おまけに3回目で見事落とされてしまった、流石だしすごいなぁとは思うのだがこのままでは念願のUFOキャッチャーでプレゼント計画が夢に終わってしまう。とはいえプレイ途中で邪魔することも出来ないし、相手の500円には申し訳ないがまだ取れないでくれ、とひっそり祈ってしまい)
…惜しい、
( 回が重なるごとに近づいては行くのだが結局うさぎは取れないまま、落ちる穴の近くにいる。唇を尖らせては取り敢えず取れた虎を回収、相手が持つ500円硬貨を見ると次は取ってくれるだろうと希望の眼差しを向けてはその虎を胸元に抱きかかえ待機、)
! ああ、任せてくれ!
(相手の眼差しに気が付くとぱっと表情を明るくして胸を叩き。ここまで来たなら格好良く決めよう、と取り出していた500円玉をしまい100円玉を投入。これで失敗などしてはダサいなんてものではない、よくよく距離感を確かめてから恐る恐るボタンに触れて。相手が穴の付近へ持ってきてくれていたのが大きかったのだろうが、無事にぽとりと落ちたうさぎに歓声をあげて)
あ、取れた、取れたぞトド松!
!!取れたね兄さん!
( 正直こんなに真剣に見守ったことなんてなかったし成人男性2人でうさぎを取ろうとしている図はなかなか面白いものだったと思う。しかし色にも思い入れがありうさぎが穴に入ったところを見ると普段そこまで上がらないテンションが上がり目を輝かせると虎を抱いたまま小さく拍手して。
それじゃあ、これはお前にプレゼントするぜ。……といっても全部俺の力で取った訳では無いんだが……
(取り出し口から出したうさぎをひょいと相手の手の中の虎の背へ重ねるように置いて、苦笑しつつもとりあえずはプレゼント出来たことに満足して。「さあ、そのラビットとタイガーも共に行こう!」と相手が言っていたものであろうプリクラ機のある一角を指差して手招き)
ありがと兄さん。この虎は兄さんのだよ、
( 嬉しそうにうさぎを受け取ると、代わりに虎を彼に手渡して。これでお互いが取ったものをプレゼントできたのではないだろうか。ああ確かに男性専用、そう書かれた看板と幾つかのプリクラ機。彼について行くとちょうど2人で200円ずつ。男子用のコーナーと女性用のコーナーが隔離されているのは遺憾であったが )人もいないしこの機械で良いかな、
(プリクラの機械の善し悪しなど分かるはずもなく、相手の質問に一も二もなく同意して。中へ入ってみれば予想以上に狭い空間で、とりあえずは200円を投入。音声で案内が始まり、画面が何やらぴかぴかしたりしているがさっぱり分からない為、相手に任せようと手の中の虎をむにむにしながら見守って)
あっほら撮るよ!
( 背景選択をし幾つかのボタンを押すとすぐに撮影が始まる。ふと見ると虎と触れ合う彼の姿、それはそれで良いけれども取り敢えずポーズをとらせようと彼を引き寄せるとピースを作りうさぎを画面内に収めつつまず一枚目を撮影して。)
えっ、えっ、
(いつの間にか始まっていた撮影、音声がカウントダウンをしてくるものだから焦ってしまい、辛うじて虎は画面内に収めたが表情を作る余裕もなく。二回目の撮影ではこんな間抜け面収めさせないぞ、と意気込みつつふと閃いた案に更に相手へ身を寄せて。シャッター音と同時、自分の持つ虎の口あたりを相手の持つうさぎの口あたりへむぎゅ、と押し付けて)
( 一枚目は彼は拍子抜けしたような表情、思わず笑ってしまい。二枚目になると身を寄せ人形同士キスさせる相手に今度はこちらが驚かされ。こうなると意地が出てきてしまう、何か彼をびっくりさせるような、シャッターを切る瞬間彼を抱き寄せると頬にキスをしてはあざとく笑って彼を見て。)
(頬へと柔らかい感触、驚いて横を見れば微笑む相手。ふ、と目を細めると同時画面からは「最後の撮影だよ!3、2、1……」と可愛らしい女の子の声。シャッター音と同時に抱き寄せられていた状態から相手へ腕を回し、頬ではなくその唇へキスをし返して)
……さっきの続きとしてはなかなか悪くないシチュエーションだと思うんだが、お気に召してもらえたか?
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