四男 2016-03-27 22:17:49 |
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うわあ、これは工事が長かった訳だよ…。
( かなり変わったとは聞いていたが大々的な工事の理由に納得、その建物を見上げつつポツリと一言。ショッピングモールの周りにだけ人が居るような感覚で、こちらも建物へ入ると。「まずはカラ松兄さんの服選ばなきゃ」彼を見るとその笑顔、何となく誰にも見せたくないような。エスカレーターに乗り込んでは指先で相手の胸元とんとんと叩いては前記を告げて。
へ、俺の服か?別に急ぎでニューファッションが欲しい訳でもないんだが。
(エスカレーターで万が一がないように、とさりげなく相手の背中に手を回して支えながら思わぬ言葉に不思議そうに応じ。相手ならば真っ先に自分の好きな店へ向かいそうであるのに、何故特に何も言っていない自分の服?と首を傾げ。「トド松の行きたい店が先で良いぞ?」と言葉を重ねて相手を促し)
んーん、僕が選んであげるの。
( さりげない気遣いとか、…本当黙ってればかっこいいのにね、そう独りごちてはその言葉に緩く首を振って。これから一緒に外に出るときに彼が冷たい視線を浴びなくても良いように、なんて。エスカレーターを降りては促してくる彼の提案を一蹴、「だから、僕のは後でいいの。あ、ここの店、」ととあるブランドへ彼を引っ張り。
えっ、えー……?
(意図を把握出来ぬまま引っ張られるがままに店へ連れ込まれ。頭の中は疑問符だらけだが、唯一”トド松が服を選んでくれる”という一点のみは理解出来ぬ中でもわくわくする響きで。とりもあえず頷き、後で今度は自分が相手に選んでやろうと決心してから店を見回し)
それにしても、普段の俺の趣味からは大分アウトサイドにあるような……。
だってカラ松兄さんの趣味悪いもん。
( 次々と彼へ服を上から合わせて見ながらさらりと彼の言葉を論破して。彼の好みも取り入れたかったもののあまりに痛々しいため却下し、「ちょっとこれ一式着てみて?」と一式の洋服を持ち彼を試着室へと連れて行くと小首を傾げつつ前記を。
うっ、ぐぅっ!
(あまりにストレートな言葉がザクザクと刺さり、服の趣味ばかりはこの弟と共有することは出来ないらしいとがっくり肩を落とし。あまりに飛び抜けたセンスは他者には理解されにくいのだろうと無駄にポジティブな納得をして、可愛い恋人の我侭だと思えば手渡された服に着替えることもやぶさかではなく。分かった、と大人しく試着室へ入りしばらくの後カーテンを開いて現れ)
…兄さん似合ってるよ、流石僕!
( 彼のダメージは当方気にすることなどなく鼻歌を歌いつつ店員と話しながら彼を待って。やがて出てきた彼に自分で選んだ服とはいえモデルの良さに刹那見惚れて。やばい、かっこいい。わがまま言ってここに来た甲斐があったな、なんて。女性店員が彼を褒める中こちらはじっと彼を見つめて。やがて我に返ったように上記を述べると「じゃあ会計するから先に着替えて?」きゅるん、そんな効果音が似合うウインクパチリ彼に飛ばして。
本当か?フッ、まあ俺は何を着ても似合ってしまうクールガイだからな……ショップのガール達の視線が熱いぜ……。
(似合う、との言葉に条件反射で格好つけてしまったものの普段着ることのない方向の服は何となく落ち着かない。自信満々な口先とは裏腹におかしくはないだろうかとそわそわして何度も鏡を見やり。会計の一言にはおっと、と眉を上げ「俺の着る服だからな、会計は自分でするぞ」と答え、側に居た女性店員に話しかけ)
レディ、すまないがこのまま着て行きたいのでタグをカットしてもらえないか。このままで会計してしまいたいのでな。
兄さんちょっと黙って。
( ポーズや発言にその店員の笑顔がわずかに凍りついたのが見え、イッタいねー、そう呟いてはいつものナルシストのような発言をすっぱりと斬って。何やら慣れない服に困惑する彼をあの痛い服より数十倍は格好いいのに、なんて考えつつ。「え?僕カラ松兄さんにプレゼントする気だったんだけど…」店員がハサミを持って来るのを見ては少し上にいる兄を見上げ眉下げて困ったように告げて。
んん、気持ちはありがたいがな。俺はおそ松ではないし、弟に金を出させるほど腐っちゃいないさ。
(店員が一旦去ったのを見計らってぽん、と相手の頭に手を置き「でもそんな風に考えてくれていたってだけで嬉しいぜ、ありがとう」と笑いかけ。正直全身揃えてしまっている為ものすごく高いブランドものであったらどうしようか、と内心冷や汗まみれだったのだが切り取られたタグ全てレジにかけてもギリギリ払い切れる金額だったことに安堵し)
さて、そうしたら今度こそお前の服を見に行こうか!
んむ、じゃあお昼くらいは出させてよ。
( 僕が選んだのに、これじゃあ買わせたようなもんじゃないか。しかしここで言い返しても彼は聞かないだろうし、早々と払おうとしている。慌ててポイントが貯まった会員カードを提示し数十パーセントの割引をしてもらい。彼の財布の中身に心の内で手を合わせると、その代わりと言うのも難だが代案を示して。店を出るとその言葉にもちろん自分で選ぶものと思いつつ笑顔で )
僕の服?うん、行こっか。
(それじゃあランチは頼んだ、と昼食代だけならば大した額にはならぬだろうし相手にもあるであろうプライドを守るべく応じて。相手の出してくれたカードのお陰で思ったほど懐は冷えずに済んだ、これなら相手に何か買ってやるだけの余裕もあるだろうと見込んで相手の肩をちょいちょいとつつき)
俺はトド松に選んでもらったからな、今度は俺がお前の服をチョイスするターンだぜ、オーケー?
…えっ?か、革ジャンとキラキラズボン以外なら…
( 財布を仕舞うと彼の方を見て、その言葉に凍りついた。いつもなら嫌がるところである、だが彼もまた、自分に対する好意からそう言ってくれているのだろう。ある程度痛いアイテムを制限すれば何とかなるだろうと冷や汗拭いつつ上記をやっとこさ述べて。
ドントウォーリー、あのパーフェクトファッションは着る者を選ぶからな、心配せずとも俺の着るようなものは勧めないさ。
(相手の懸念を微妙に間違えた方向ながらも察して、安心させる様に笑みを向けて。その宣言通り足を進める先はどこか女子向けの様な可愛らしさがあったりカジュアルなテイストの店ばかり。ぐるりとそのフロアを見回し、「ほら、こういうのならトド松の好きなジャンルだろう?」と確認して)
兄さんもあれ似合ってないよ?
( その言葉を右から左へさらりと流し唐突に彼をスマホで撮影、カンカン帽を押さえにやりと笑っては上記を何のためらいもなく告げて。相手の目線の先には女子向けファッション、カジュアルな店が連なって。何だこいつ、僕の好み何でこんなに押さえているのか。いや女子向けファッションは違うけれど…。予想外の行動に少々驚いては「結構僕のこと見てるんだね、」と。
えっ、
(本当にこの末弟はいつもさらりとえげつないことを言ってくるから困る。あれが似合ってないはずないだろう……ないよな?不意打ちでの撮影もやめてほしい、キメ顔が作れないじゃないか。撮られた後に言っても詮無いので言わないが次はもっとイカした姿を撮って欲しいものである。とはいえその後の反応からして自分の選んだ店の方は間違っていなかった様である、ふふんと得意気に表情を緩め)
当然だろ、好きな奴のことはどうしたって目に入るんだ。
僕今のカラ松兄さんの方がかっこいいって思うもん。
( スマホに収められている画像を見てみると素のままの彼、本当にかっこいいと思う。取りあえずこの画像を保存してスマホを仕舞って。幸いしてこのフロアに人が少ない事からさり気なく彼に近づき腕を組むとにこりと笑って上記を。たまには凄いとこあるじゃんとか何とか言おうとして口を開くも続いた相手の言葉に顔を僅かに赤くし)いっつも鈍いから、見てないかと思ってた。
か、かっこいい……そうか、トド松はこっちの方が良いのか……。
(なかなか普段相手からは得られぬ評価に思わず照れてしまい。自身の描くかっこいいとは違うのが少し寂しいところではあるが、相手がこちらを望むならこれからはそちらへ寄せていこう。それでまたかっこいいと思ってもらえたら、なんて。ただまあ、相手も自分の言葉に照れてくれたようだから思わず笑ってしまい)
確かに俺は皆によく鈍感だって言われるがな。恋人のことも分かっていない様な男ではないつもりだぜ、マイハニー!
…まあどんな兄さんでも好きなことに変わりはないけど…、
( 相手が述べたことにこくりと頷いては。しばらくして、少し顔を逸らすと小声でポツリと呟いて。あんな痛い格好では一緒に歩きたくないというのが普通の人の答えだろうが、なんだかんだ言って付いていくのはそういった意味があり。ここまで兄弟相手に惚れたのも凄いことだよな、そう独り言を。無駄に良い声で言わないで欲しい、先程から心臓がばくばくとうるさい。彼の言葉がいちいち嬉しい、赤くなった顔を見られまいと彼の腕に顔埋めると)
マイハニーって何なのさ、いったいよねぇ…
ハニーがお気に召さないなら控えるが、その顔ならそういう訳でも無さそうだな?
(腕にぴったりとくっついてきた頭をさらりと撫で、隠しているつもりだろうが隠している時点で顔が赤いのなど分かってしまうのだ、くすりと口元綻ばせて上記告げ。相手と体が密着していると少しばかり緊張して鼓動が早まってしまう、このドキドキした音は自分と相手、どちらのものなのやら。ふと相手がくっついた腕を軽く揺すって顔を上げさせ、少し先にあるショーウィンドウの中の淡い色合いをしたスプリングコートを指差して)
ほら、あれなんかトド松に似合いそうじゃないか?
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