主* 2016-03-26 00:30:34 |
通報 |
うん、こんな格好じゃ格好悪いだけだからね。
( 軽傷と言えども常に格好良さや見て呉れを気にした言動で述べれば、私的な感情を公の場で言えないのだろうと彼の性格上察する事が出来るも何も言わずにいて。次の進軍をする為に賽子を振った相手の指示で自身は最後尾を歩いていれば、不意に“…何か驚きは無いかねぇ”と鶴さんがぽつり呟き零して )
( 辺りを警戒しながら歩いていると、後ろから聞こえて来た鶴丸の声に、大倶利伽羅が真面目な声でぼそりと“…妙な驚きはいらない”と溜め息混じりに呟いていて。確かにそうだなと思いつつ、敵の本陣を目指して小雨の白金台を進んで行き )
( 止む事の無い小雨の中、白金台を進んで行きながら驚きと言う単語に思わず苦笑を零しつつ、伽羅ちゃんからの一言を聞いた鶴さんがやれやれと言わんばかりに“伽羅坊は分かってないなぁ。驚きは大事なんだぜ。…って事で、せっかくなら奇襲を仕掛けたいよな”と提案していき )
奇襲…?
( こんな小雨の中、無茶振りだなと思いながら進軍していた足を止めて後ろを振り返り。“闇夜に乗じて…ではなく小雨に乗じてと言う事ですか?”と宗三が鶴丸を見て小首を傾げていて )
( 前を歩く三人が足を止めてこちらへ振り返ったので同じく立ち止まり。皆の視線が集まる中、“嗚呼、そうだ。先ずは…偵察で敵の動きを知りたいな”と宗三くんの問いに鶴さんはこくりと頷いて。それを聞いた薬研くんが“それなら俺っちが偵察に行って来るぜ?…だが、ここは隊長に決めて貰うか”と長谷部くんを見ていて )
( 暫く全員の話を聞いていると、決定権は部隊長である自身が持っている様で薬研から問い掛けられれば、少し考えた後に下記を伝えていき )
…そうだな。なら偵察は薬研が行ってくれ。この中では一番偵察が高いしな。
( 確かにこの中では一番偵察が高いので納得すると、“分かった。じゃあ、ちょっと行って来るぜ”と全員見た後に薬研くんがそう言って偵察しに行く背中に向けて自身は心配性故に声を掛けていき )
ー薬研くん、気を付けてね。何があるか分からないから。
( “薬研、退く時は退いて下さいよ”と、ポツリと小声で宗三が呟き。まあ、薬研は隠蔽も高いのでそうそう敵に見つかる事はないだろうと考えながら、自身も相手を見送っていき )
( 見送った後、彼が戻って来るまでその場に待機していると“なぁ、皆でしりとりをしないかい?”と、唐突に鶴さんが口を開いて問い掛けていき )
しりとり?
( おもむろに口を開いた鶴丸を見た後、そう言葉を零すものの不可解な表情を向け。すると大倶利伽羅が“…あんたは少しは大人しく出来ないのか?”と呆れ気味に言うもののそれは何処か仕方が無さそうな声色でもあり、昔馴染みのよしみでその様な反応なのかと思い肩を竦めていって )
( “はは、そうは言うが伽羅坊も本当は退屈だろう?…順番は光坊、長谷部、宗三、伽羅坊、俺で行くぞ。最初は光坊だからな!”と鶴さんが次々に話を進めるのでやや慌てつつも困った様にそう言葉を零すと長谷部くんを見据えていき )
えっ、僕からなの?_えーと…しりとりの“し”だから…林檎。次は“ご”からだよ、長谷部くん。
はぁ…胡麻団子。
( 半ば強制的に進めていく鶴丸に溜め息を吐きつついれば、何故か律儀にしりとりに乗っている光忠を見て更に溜め息を深くし。黙っていようかと思ったものの、相手と目が合えば渋々上記を述べていき。それから宗三が“なら豪語で”と言った後、大倶利伽羅が黙っていたのでじっと言えと言わんばかりに見詰めていれば諦めた様に“…午後”と呟いていて。そう言えば何気に"ご"縛りだと思いながらも鶴丸の番になり )
…ごめんね。しりとりに乗らないと鶴さんが拗ねるからさ。
( 少し近付くと更に溜め息を深くした相手に、眉を下げてひそひそと話すかの様に小声で上記を告げていき。それから鶴さんが“こりゃ驚いた。何気に‘ご’縛りじゃないか。…だがここは敢えて極楽浄土”と何も思い付かなかったのかそれを打ち消す様に言った後、一周回って自身の番になれば少し考えながらも呟いていって )
うーん…、読書。
…お前が謝る必要は無い。
( 耳打ちで謝罪の言葉を言われれば、軽く首を横に振ってそう告げていき。それにしりとりをしない方が厄介だなと思った為に、ここは大人しく続けるかと思うと「…小説」と述べれば次は宗三の番だったが、しかし何やら薬研が偵察に行った方面を見ていて。“おや?あれは…薬研でしょうか?”と遠目に見える人影を指差しており、自身も目を凝らしていき )
あっ、本当だ。おかえり薬研くん。どうだった?
( 突然宗三くんが指差した方面を見遣るとこちらも目を凝らせば、遠目に見えるその人影は矢張り彼の姿であり。優し気な声色で偵察の結果報告を問い掛ければ、“敵の様子を探ったがうじゃうじゃと蠢いていたぜ”と全員の近くで足を止めた薬研くんが敵の本陣について話していき )
( 徐々に視界に入って来たのは、宗三の言った通り偵察に行っていた薬研で。まさか待っている間に自分達がしりとりをしていたなど思う筈も無いだろうと考えつつも、勿論それをしていたと言うつもりは無く自身は黙って報告を聞いていて。“うじゃうじゃとは…随分と大雑把ですね。因みに、数は分かりましたか?”と宗三が詳しい事を問い掛けており )
( 何とも大雑把な返答に大体10…かな?と予想を立てつつも、詳しい事を聞く宗三くんに“嗚呼。数は見た限りじゃあ、10ってところだな。因みに、敵の陣形は雁行陣だぜ”と薬研くんが敵の数と陣形を思い出しながら答えていき )
敵の数は十で、陣形は雁行陣か。
( 薬研から細かな事を聞くと、いつもより敵の数が多いなと思いながらも陣形を把握していき。敵の場所を捉えているのなら、鶴丸の言う通りここは奇襲を仕掛けるのには持ってこいだと考えては、部隊の面々を見て )
ならこちらは方陣で行く。それと薬研、敵の本陣を見て来たのなら、その背後に回れる位置は分かっているか?分かっていたら案内して欲しい。
( 予想的中だがいつもより敵の数が多い事に自身は軽傷を負っている以上、慎重に行こうと内心で思いながらどうやら奇襲作戦を仕掛ける様で横の鶴さんを見れば嬉々とした表情を浮かべており。“成る程、奇襲を仕掛ける訳か。勿論分かるぜ。こっちだ、旦那達ちゃんと俺に付いて来てくれよ”と薬研くんが部隊の面々を見て敵の本陣に食指を向けて言えば案内する為に歩き出していき )
…嗚呼、宜しく頼む。
( こくりと頷いては、“本当に奇襲を仕掛けるんですね…”と肩を竦める宗三を横目に、案内をしてくれる薬研の後を付いて行って )
( 部隊の面々は彼の後を付いて行く中、不意に宗三くんの声が聞こえては“何だ?宗三は奇襲を仕掛けるのは嫌かい?”と鶴さんが問い掛けてみて )
( 後ろから聞こえて来る会話は自然と耳に入ってしまい、鶴丸の問い掛けに宗三は軽く溜息を吐いて“…嫌と言うよりかは気が乗らないだけです。こんな小雨の中、幾ら立地を把握していたとしても奇襲など分が悪い”と視界の条件の悪さを気にしている様でいて )
( 小雨が降る中を進みつつ敵の本陣に向かいながら夜戦では無いと言えど太刀故に視界の条件の悪さを理解しており、宗三くんの返答に鶴さんは“まっ、そうだよなぁ。だが、数で言えばこちらが不利だ。それに折角敵の背後に回れる位置が分かっているんだ、奇襲を仕掛けるのに持ってこいだろ?”とそう返事を返していき )
( “…つまりは、敵の数が多いゆえ真っ向から仕掛けるよりも勝算があると?”と鶴丸の返事に宗三はやや視線を細めていき。しかし、ちらりと小雨を一瞥しては再び溜め息を吐いて“…まあ、それもそうですね。ここで愚痴を零しても仕方ありません。やるからには腹を括りましょう”と行動を起こしている以上文句は言えないと言った感じに相手は言い直していて )
( “嗚呼、そうこなくちゃな!”と宗三くんの返事に鶴さんはにひっと笑みを浮かべていて。ー敵の本陣に辿り着くとはその背後に回れる位置に気配を隠しながら移動すれば、急に薬研くんが足を止めて手で制すると“着いたぜ。ここなら奇襲を仕掛けやすいな”と小声で言葉を零していき )
…その奇襲についてだが、まずは遠戦を仕掛けるか?この小雨では薬研の銃兵は使えない故、俺と宗三と大倶利伽羅の投石兵のみになるが。
( 薬研の言葉で足を止めては、気配を隠しつつ敵の背を見遣り。視線走らせて本陣にいる数を数えた後、部隊の者達に目を向けるとそう提案をしてみて言葉を待ち )
( この中でも隠蔽は低いゆえ上手く気配を隠しつつ、奇襲作戦を行うのならここは投石兵を使える三人にお願いした方が良いだろうと考え。そっと鶴さんや薬研くん達に目配せをすると、意思が伝わった様で相手に視線向けてはその提案にこくりと頷いて )
…そうだね、その方が良いと思う。じゃあ、三人とも宜しく頼むよ。
嗚呼、分かった。…宗三、大倶利伽羅。
( 自身の作戦が通れば早速二振りの名を呼び、己の投石兵と共に構えさせ。自分達の練度ならば岩と呼ばれる程の大きさの石を飛ばせる為に、それらが落ちる場所を目測で測り。ザッと三箇所に狙いを定めると、振り上げていた腕を降ろして声を抑えながらも合図をし奇襲を仕掛け )
―投石兵、斉射!
( 自身は後ろの方にいると相手の掛け声と共に三振りは一斉に投石兵を飛ばせば、隻眼を細めていき。あらかじめ三箇所に狙いを定めていた所へと石が落ちてその拍子に敵の刀装が何個か剥げた為に、奇襲作戦は成功し )
ー…どうやら奇襲作戦は成功したようだね。
なら、斬り込むぞ。混乱に乗じて、あの首を撥ね飛ばしてやろうじゃないか。
( 冷静を帯びた声色の端に愉悦を含ませては、突然の奇襲に怯む敵を一瞥し、カチリと鍔を押していつでも打刀を抜刀させられる様にしており。“…やれやれ、血の気の多い事で”と呟きつつも本身に手を遣る宗三と、“……”と無言のまま気迫を高めた大倶利伽羅に人の形をしていても矢張り刀なのだなと笑みを深くし、片側の反応を待ち )
嗚呼、折角の晴れ舞台だ。格好良く行こう!
( 人の形を得たと言えど本来は刀なので、自身も本身に手を遣ればいつでも太刀を抜刀させれる態勢を取り。“まーかせておけ。先陣切って空気を掴むぜ”とポンポンと鞘で肩を叩きつつもそう言う鶴さんと、“血がたぎるなぁ”と鞘から短刀を抜き出した薬研くんはニヤリと笑みを浮かべおり )
敵の数は十、陣形は雁行陣で行くぞ!
( 薬研の情報を元に部隊へと動きを伝えると切り込み隊長として逸早く地を蹴り上げ、じゃきりと爛々と輝く白刃を鞘から引き抜くと小雨の中その敵の背後から首を斬り伏せていき )
格好良く決めたいよね!
( 直ぐ様鞘から太刀を引き抜くと、隊長の後に続くよう其々小雨の中を走っては方陣の形にバラけて自身は忠告通り後衛で敵の背後から決め台詞と共に思い切り斬り倒していき )
( ざっと戦場に視線を走らせると、上手い具合に各自陣形に散らばれた様で。刀に付着した血を振り払えば戦の高揚で薄っすらと笑みが溢れているのは知らず、浮いている敵を仕留めようと一拍置かずに駆け出せば刃で斬り付けようとして )
( 一体の敵を倒せば刀に付着した血を振り払うと返り血を浴びた姿のままで、矢張り戦で本体を振るう行為は高揚感を得るもので口元に薄ら笑いを浮かべ。後衛の位置で部隊の様子を確認すれば、今のところ怪我は無い事が窺えたので戦に集中していって )
( 敵を斬れば刀の刃が血で濡れ、雫がぽたりと切っ先から落ちるのを横目に、粗方倒したので敵将を探して行こうとし。一人違う雰囲気を醸し出す敵を見つければ、あれかと心中で思ってはそちらへと駆け出して行って )
( 眼前の敵を斬り倒せば刀の切っ先を地面に向けると、周囲に敵が潜んでいないか戦場に視線を走らせ。ほぼ倒した様で後は敵将だけかと思いつつ、視界に長谷部くんの姿が映ればその様子を見ていて )
( 走狗の如く走り敵将の首を討ち取らんと打刀を振り被るが、機動重視の己の武器ではその硬い装甲には歯が立たず僅かに防具に罅を入れるだけで。舌打ち零しつつも敵からの反撃を身軽さを持って避ければ、この中で最も力のある太刀の一振りを呼び )
―ッチ、燭台切!援護を頼む!
( 戦闘中の様子を見ているが、矢張り敵将の持つその硬い装甲に相手の打刀ではあまり攻撃が効いておらず。このままだと彼が危ないと思って助けに行こうとした刹那、名前を呼ばれると太刀を持ち直しそちらへと駆け出して行き )
オーケー、任せてくれ。
―良いか、左右の上腕、右の側腹部に傷を付けた。多少は脆くなっている筈だ。
( 直ぐさま地面を蹴り後退すれば、駆け寄って来た相手の隣に立ちざっくりと要点のみを伝えていき。彼の鈍く光る太刀を一瞥した後、下記を述べて再びこの足を動かして敵将へと走り出して行き )
俺が囮になる。その間にそこを狙えよ。
( 自身の隣に立つ相手の方を見て要点のみを聞かされれば、ちらりと敵のその箇所だけ一瞥していき。一つ頷いて下記を述べると敵将が彼に気を取られている隙に、己はその背後に回る為に走り出して行って )
うん、分かったよ。
( 視界が悪い中でも怪しく光る敵将の双眸を睨めば、わざと捉えられる位置に飛び出て打刀を構え。空を鈍く斬る重々しい音と共に振り下ろされた相手の得物を表面を滑らす様に受け流すと、泥濘に足を取られない内に横へと飛ぶが、囮役ゆえ敵将の間合いから離れず第二波に備え。再度振り上げられた得物の軌道を読もうとしつつも、視界の端に光忠が映れば確信を持てた為にニヤリと口角を上げ )
( 敵将の背後に回れる事が出来れば太刀を構え、長谷部くんに言われた通り左右の上腕に狙いを定めると上手い具合に相手が囮役の彼に視線を集中させており。今がチャンスとばかりに打撃力の高い己の武器を左の上腕に目掛けて振り下ろせば、容赦無く斬り落とし )
( 得物を握る敵の左腕が斬り落とされた瞬間と共に、武器を拾われてしまわぬよう足癖悪くそれを蹴っ飛ばし遠ざけ。この刀が肉を通らないのなら骨へと鈍い衝撃を与えてやろうと切っ先をひっくり返しては、両手で思いっきり柄の部分で敵の鳩尾を叩いて動きを鈍らせて。とどめをと言わんばかりに相手に目配せをし )
( 良い連携で地面に落ちた武器を遠ざけてくれた後、骨へと鈍い衝撃を与えた事で動きを鈍らせ弱った敵を見据え。視界の端に相手が映ればそれが合図と共に、止めを刺す為に柄を握る手に力を込めて思いっきり右の側腹部へ会心の一撃を食らわせ )
―燭台切、よくやった。主もきっとお前の活躍を悦ばしく思う。
( 肉と骨を断つ生々しくも馴染みのある音が響いたと同時に、眼前の敵将が倒れ霧散するのを見届ければ打刀に着いた血をピッと振り払い、流れる様な手付きで刃を鞘へと納めていって。その後、相手に向き直ると部隊長のへし切長谷部として上記の言葉を告げていって。それからふと、敵将が息絶えた場所に見慣れぬ短刀が落ちている事に気付けば、それを手に取り確認すると和らげな笑みを微かに零して。その短刀を彼の胸元に突き出し、小声ながらも今度は只のへし切長谷部として言葉を紡いで )
…それと、太鼓鐘貞宗だ。良かったな、光忠。
ありがとう。…でも最後の敵将を倒せたのも皆の協力があってこそだよ。
( こちらも眼前の敵将が倒れて消滅したのを見届けふぅと安堵からか息をつくと、太刀に付着した血を振り払えば同じく流れる様な手付きで刃を鞘へと納めていき。その後に告げられた言葉に、自身も相手の方へと視線向けてお礼を言うものの謙遜染みた返事を返して。戦闘が終了した為に仲間達がこちらに集まって来たとほぼ同時に、彼から己の胸元に突き出された短刀を見て大切に受け取るなり、パアッと表情を明るくし満面の笑みを湛えると思わずはしゃいでしまい )
―っ、貞ちゃん…!貞ちゃんだ!!ねぇねぇ、見て伽羅ちゃん鶴さん。貞ちゃんだよ!これは夢じゃないよね…!?
( 光忠の嬉々とした声を聞いて、珍しく大倶利伽羅が自ら近寄って来て“…嗚呼、夢じゃない。間違いなく貞だ。”と平生ながらも手中の短刀を見れば、何処と無く嬉しげな声色で言っていたので何だか微笑ましく感じてしまい、こちらは黙って見守っていて )
( 自分と伽羅ちゃんの声で鶴さんも近寄って来て、同じく手中の短刀をじっと見てはうんうんと頷きつつ“良かったな。光坊、伽羅坊”と柔和な笑みを零していて。そして、突然くしゃくしゃと撫で回す様に自分と伽羅ちゃんの頭を撫でるので、嬉しげに益々笑みが深まって )
うんっ、また貞ちゃんに会えるんだ。嬉しいなぁ、早く会いたいよ!
( 止めろと言いたげな表情をしているが、実際には手を払っていない辺り厭ではないのだろうと頭を撫でられている大倶利伽羅を一瞥した後は、敵将を倒した事により現れた帰還ゲートを見て全員に声を掛けていき )
―…対象は殲滅、未顕現だった短刀は無事に保護。さて、長居は無用だ。主へと朗報を届けるため早急に帰還するぞ。
( 貞ちゃんを無事に保護出来た事で此処が戦場とは言え、浮かれ気分になっていた事実に内心苦笑しつつも、長谷部くんの声でキリッと表情を切り替えてそう返事を返していき )
そうだね。皆も疲れてるし本丸に帰ろうか。
( そうして、帰還ゲートを潜り抜け本丸へと帰って来れば部隊の全員を見回して指示を出すと、軽く相手を手招いて執務室に行こうとし )
…何事も無く帰還した訳だが、怪我をした者は手入れ部屋に行ってくれ。俺は主に出陣の成果を報告して来る。―…それと燭台切、その短刀を持ってお前も付いて来い。今回の誉はお前だからな。
( 何事も無く本丸へと帰還しては隊長として全員に指示を出す彼を見るも、自身に声を掛けると共に軽く手招きされて他の皆と別れその後を付いて歩き )
うん、分かったよ。…じゃあ、また後でね。
主、この度の戦果を報告致します。進軍は―。
( 執務室の前に来ると主へと声を掛けて一礼してから中へと入り、先ずは先の戦いの報告をしていって。それを終えれば戦果を聞いた主は光忠の活躍を褒めており、恋人として彼が褒められるのは嬉しい為に、特段ヤキモキせず二人の会話を大人しく聞いていき )
ありがとう、嬉しいよ。…あのね、主くん。
( 執務室の前で乱れた髪をサッと整えると自身も室内へと入り、相手の隣に正座しては主くんに己の活躍を褒められ嬉しそうに目尻を下げてお礼を告げ。今度は朗報を届ける番ゆえ話を続ける様に口を開くと、笑顔で短刀を差し出せば )
実は君に朗報があるんだ。それはね、貞ちゃんがどろっぷしたんだよ。この短刀がそう。
( 主は差し出された短刀を見た後、表情を緩めては感謝の言葉を述べており。それから丁寧な手付きでそっと短刀を受け取れば、新しい仲間を迎え入れようと言わんばかりに笑みを零すと短刀へと霊力を込めていって。一瞬の閃光の後、現れたのは青髪の少年。開口一番、“待たせたなぁー皆の衆!へへへ。なーんてね。俺が噂の貞ちゃんだ!”と、少年はニッと快活な笑みを浮かべおり随分と派手な自己紹介をしていて )
―俺はへし切長谷部と言う。まあ一つ宜しく頼む。
( 両手で短刀を持った主くんは笑みを零すと同時に、霊力を込めていく様子を期待した面持ちでその時を待っており。そして、一瞬の目映い光の中から現れた青髪の少年を見遣れば、沸き上がる気持ちを抑えつつ見る見る内に隻眼を細めて微笑み )
―…貞ちゃん!こんな形で会えて嬉しいよ。
( こちらの挨拶に“おう!宜しくな”とニッと笑って握手をして来て。それから貞ちゃんと言う愛称で光忠から呼ばれれば、パアッと表情を明るくさせて“みっちゃん…?みっちゃんなのか!?ひっさびさだな!俺も会えて嬉しいぜ!”と彼の両手をぎゅっと握ってはブンブンと手を振っていて、少年らしくはしゃいでおり )
うん、久し振り!こうしてまた会えるなんて夢みたいだよ!
( されるがままにブンブンと上下に両手を振り返しつつ和やかに笑って、こちらも同じくはしゃいでおり心中で思った事を言い。ふと、彼とは挨拶をしたものの主くんには未だだった事に気付き、ハッとしては手を離すと下記を教えていき )
…あっ。貞ちゃん、まだ主くんに挨拶はしてないでしょ?この方が僕達の主くんだよ。
( 太鼓鐘は手を離されると首を傾げていたが、しかし主の紹介を光忠からされると“へぇ…あんたが俺達の主か”とじぃっと子供心の興味津々さで主を見た後、ニカッと笑っては“こうして、俺の事を顕現してくれてありがとな。あんたの為にもこれからド派手に活躍していくぜ!”と礼を言っていて。ふと、そろそろ時間も良い頃合いだったので )
―…さて、挨拶も済んだな。太鼓鐘貞宗、お前には今からこの本丸でのイロハを教えてやる。そして燭台切、お前は手入れ部屋で戦での傷を治して来い。
うん、そうして来るよ。…それじゃ僕は先に失礼するね。
( 三人との挨拶が終わると長谷部くんに傷を治す事を勧められれば、素直に従ってすっと立ち上がると上記の言葉を述べてから襖に手を掛け。手入れ部屋に向かい丁度他の刀の手当てが終わった様で、薬研くんに治療を頼み )
嗚呼、また後で。
( 出て行く相手の背中を少し心配気味に見たが、まあ彼の事だから大丈夫だろうと信頼にも似た気持ちで見送ると、自身は主に礼をしてから太鼓鐘を連れて本丸の案内をしていき )
―わっ!驚いたか?
( 帰還後。出陣先で怪我は負っていない為に自室に戻って少し休憩をするものの、退屈を嫌う性格ゆえ部屋を出て行き。偶然にも長谷部とその後を付いて行く後ろ姿を見て貞坊だと認識すれば、挨拶代わりに一つ驚きを与えてやろうと気付かれぬよう背後ににじり寄り。大声と共に両手で軽く肩を叩き )
(/ 燭台切の傷が治るまでサブキャラとして、鶴さんを出させて頂きました。宜しかったでしょうか? )
…鶴丸か。
( 背後から脅かして来た鶴丸に無駄に元気な奴だと呆れつつも、太鼓鐘は慣れていない為に驚いていて“!?そりゃ、吃驚したって!”と言った後、自身が鶴丸と名前を口に出していたせいかその名前を聞いては“…ええと、あんたが鶴丸だよな?よっ、久し振りだな!また会えて嬉しいぜ!”と笑顔で言っていて )
(/ 大丈夫ですよ。ただどのタイミングで時間を飛ばしましょうか? )
あっはははは!…嗚呼、いやいや、済まん済まん。…そうだな、俺も貞坊に会えて嬉しいぞ!
( 脅かした貞坊の反応は大層驚いた様子だったので隠す事なく笑い声を上げた後、謝りを一つ入れてから彼の頭をぽんぽんと撫でつつ改めてまた会えた喜びを表情に滲ませ、次の瞬間には何か閃いたと言わんばかりの様子を見せればそう提案していき )
今日は貞坊の歓迎会をしよう!折角この本丸に来てくれたんだ!
(/ そうですね、一旦鶴さんと別れてからでしょうか。そこから歓迎会まで飛ばします? )
( 鶴丸が提案した事に太鼓鐘は目を輝かせて“歓迎会?ド派手にやんのか!”と期待の眼差しを送っていて。子供さながらと思いつつも、まあ主の事なので鶴丸の提案には賛成するだろうと考えては一先ず )
なら、鶴丸。歓迎会を遣るなら主にもその話をして来い。
(/ そうですね、そうしましょうか。その方が自然ですしね )
嗚呼、ちと主に交渉してくる。貞坊、楽しみに待っててくれ。パッと盛り上げようじゃないか。
( 長谷部の言葉に頷くと、自身も何処かで主なら賛成してくれると全く同じ事を考えては奥の部屋に行く為に踵を返して。一歩二歩と歩き出した所で急に立ち止まると振り返って貞坊を見据え、ニッと笑みを向けてひらりと手振りつつ姿を消し )
(/ それじゃ、歓迎会まで飛ばしちゃって下さい! )
( 鶴丸を見送ってから太鼓鐘にザッと本丸の事を教えていき、それから再び主に呼ばれて行けば歓迎会をするとの事で準備をして行って。そうして、飾られた大広間で主が乾杯の音頭を取ると太鼓鐘の歓迎会が始まっていき )
(/ では、飛ばさせて頂きました。)
( 歓迎会と言う事もあって手入れ部屋から出た後、歌仙くんと一緒に腕に縒りを掛けて作ったいつもより豪華な料理の数々に心なしか満足気で。歓迎会が始まるとちらりと今回の主役である貞ちゃんに近付いて話し掛け )
楽しんでるかい?貞ちゃん。
(/ ありがとうございます。では、背後は引っ込みますねー。)
( 主にお酌をしていれば遠目に太鼓鐘に話し掛けている光忠が見え、“あっ、みっちゃん!そりゃ勿論、楽しんでるぜ”と嬉しそうに言う太鼓鐘の声がここまで聞こえて来て。仲が良いね、とこちらに同意を求めて来る主の言葉に「ええ…伊達の刀は皆総じて仲が良いですね」と返したものの、今更になって何だかモヤッとしたが、はて?と首を傾げ。まさか短刀に妬く訳があるまいと自身に対して苦笑を零せば、気にしないように努めていき )
(/ いえいえ。はい、こちらも引っ込みますね。)
ふふ、なら良かった。料理は僕と歌仙くんが腕に縒りを掛けて作ったんだよ。是非食べてみて。
( 嬉しそうに言う彼にこちらまで楽しくなって口元に笑みを浮かべ、手中に取り皿を持っていなかったのでまだ食べてないのかなと思い。仲の良い貞ちゃんに美味しい料理を食べて貰いたい為に、丸皿の上へ適当に肉やら野菜やらを取り分けると箸も添えて上記の言葉と共に差し出していき )
( “おお、みっちゃんが作ってくれたのか。いただきます!…ん、これ美味いな!さっすが、みっちゃんだな!”と料理を食べながら和気藹々としている二振りを見ては、微笑ましく思う反面額には皺が寄っていて。隣の主が苦笑気味にこちらを見つつ、長谷部、気になるのなら話し掛けて来ては?と促されたものの「…いえ、水を差すのも悪いので遠慮しておきます」と答えると視線を外して、黙々と主の分の料理を取り皿に並べていき )
ありがとう。貞ちゃんに喜んでもらえて嬉しいよ!
( 美味しそうに食べる姿を隻眼に映しつつ料理を褒められれば、嬉々とした表情が益々笑みを零していて。ふと、何やら鼻眼鏡を装着した鶴さんが現れたので自身は未だ食事に有り付けていない為に、二振りと別れて定位置に座って取り皿に料理を並べていくもちらっと長谷部くんを見て。そう言えば、手入れ部屋を出た後は歓迎会の準備で忙しなかったゆえあまり彼と話していないのでおもむろに腰を浮かせ、二人の方へと取り皿とお猪口を持って歩み寄り )
―…ねぇ、僕も一緒に食べて良いかな?
( 鼻眼鏡を掛けた鶴丸に大爆笑をしている太鼓鐘を一瞥しては、料理を取り終えたので主へと手渡していき。自身も食事を取ろうとその隣に腰を降ろしていれば、件の彼が目に入った為に相手は悪くないのだがタイミングが悪かったので下記の様に少し素っ気なく接してしまい、横では主が長谷部は不器用だね…と苦笑をしていて )
―…好きにすれば良い。
…?うん、そうさせて貰うね。
( 目前の彼の素っ気ない対応に、無意識の内に何か悪い事でもしてしまった?と思い込んで考えてみるも検討が付かず。とは言え許可は貰えたので嬉しげに口角を上げては躊躇無く彼の隣に座ろうと )
…隣、失礼するよ。
……。
( 自身の隣に座ろうとする相手に無意識的にこの席を動こうかと考えたがその前に主に、逃げては駄目だと言わんばかりに軽く肩を押さえられれば目を瞬かせて、そして新刀の彼に改めて挨拶に行ってくると言われてしまえば主は席を立ってしまって、彼と二人っきりになったので少々気まずそうにしては無言のまま料理を食べようとしていき )
( 必然的に彼と二人っきりになれた状況は嬉しく思う反面、何故だか少々気まずさもあって素直に喜べず。この空間だけ異様に長い沈黙が続く中で冷めない内に箸で料理を口に運ぶが、横目に相手の事が気になって皿の上に戻して手持ちの物を一旦床へ置いていき。少し身体を横に傾けて視線動かすと、先に沈黙を破るかの様に恐る恐る口を開いて )
―…あの、長谷部くん。どうしてさっきは、素っ気なく接してきたんだい?…無意識の内に僕が君を傷つけてしまったのなら謝るよ。
( 沈黙の中、箸を進めていきながらも、ふと相手の料理はいつも美味いのだが今回は気合が入っている為か特に美味いと思ってしまい、一度首を横に振っては考えを払っていき。改めて食事を進めようとしたところで、彼から問い掛けられれば眉を寄せ。少し間を置いた後に口を開いていき )
―…お前は悪くない、単に俺が自身の心の狭さに嫌気が差しているだけだ。…別にお前を盗られた訳ではないと言うのに。
( じっと視線を逸らさず相手を見つめただ返答が返って来るまで待つと、少し間を置きつつも口を開いた様なので無言で聞いていき。話の内容を思わず聞き流しそうになる程、彼の言葉が脳内で繰り返し再生されれば少々驚き。驚いた表情もほんの数秒でふっと小さな笑みに変わり、妬かれるのは恋人として嬉しい事で )
!、…ふふ。それって貞ちゃんに妬いたってことだよね?
( 改めて、妬いたと口にされれば情けないやら気恥ずかしいやらで、何とも渋めの表情をしていき。正直なところ相手が自身以外と話していて、いつも以上に嬉しそうで幸せそうだったのが気に食わなく、要するに本当に幼子の様な嫉妬をしていた訳で。やや視線を逸らしては同意をしていき )
……嗚呼、そうだ。お前があまりにも彼奴と話していて嬉しそうにしているから妬いたんだ。……否定はしない。
( そのまま肯定されれば、確かに伊達のよしみで仲の良い彼と再会を果たせた事は何より嬉しくて気持ちが舞い上がった自覚があり。しかし、これ程までに相手が彼に対してやきもちを妬いていたとは知らずに、寂しい思いをさせた事実に胸がぎゅっと締め付けられて。此処は大広間、しかも仲間が居る前で大胆に彼の両手を包み込む様にそっと握っては真っ直ぐな瞳で見つめ )
……うん、貞ちゃんと話していて嬉しかったのは事実だよ。でもそれが返って、長谷部くんに寂しい思いをさせちゃった訳だけど。―…これだけは、どうか信じて欲しい。僕は長谷部くんしか好きにならないからね。
…光忠。嗚呼、其処は大丈夫だ。俺はお前の事を信じている。
( 不意に手を握られれば、反射的に視線を戻して二人っきりの時にしか呼ばないと決めていた名で呼んでしまい。今度は確と相手の瞳を見据えると、その点に関しては信じているので頷いていって。それから矢張り如何にも罪悪感があり謝罪の言葉を零し )
本当に済まない、俺の我が儘のせいで。
うん、ありがとう。信じてくれて。
( 自身の事を信じていると本心から言ってくれたので嬉しそうにふわりと微笑み、ぎゅっと握る手に力を込めて。不意に謝罪の言葉を言う彼に対してふるふると首を振っては、声色を和らげて下記を伝えていき )
ううん、大丈夫だよ。…はい、この話は終わり。ご飯を食べよう、長谷部くん。
…分かった。せっかくの歓迎会でもあるしな。
( 相手の微笑みに心臓が微かに高鳴りつつ、一度その手を握り返しては頷いた後にそっと放していって。不意に、唖然としている者や含み笑いをしている者が見え今やっと第三者の存在に気が付けば「…!」と言葉にならない言葉を発するも気にしないように努めて食事を進めて行こうとして )
―…!?、
( ふと、相手の様子に小首を傾げるも姿勢を正す為に正面を向いて視界に映り込む仲間の反応に、こちらも漸く第三者の存在に気が付けば必然的に少し頬を染め。恥ずかしげに俯きがちになれば黙々と食事を進めて行き )
( “あっはっは!何だ君達そう言う関係だったのか!”と、にんまりとした顔で鶴丸国永が言うものだから思わず「違う、断じて違う…!」と直ぐさま否定をしていって。しかし如何にも弁明は出来なさそうな状況に溜め息を吐いては )
…済まん、燭台切。お前に迷惑を掛ける事になりそうだ。
…あっ、ううん。僕は平気だから気にしないで…!
( 何やら楽しそうな鶴さんの口にした言葉に対して、感情が顔に出やすいゆえ更に頬の赤みが増していって。だが、流石に自分達の関係を打ち明ける事が出来ず、そんな事分かっているも改めて彼に否定をされるとズキッと胸の奥が痛くなり。それを悟られぬよう慌てて口を開いていき )
そうか?…悪いな。
( やや眉尻を下げてはそう述べて、関係性を告げたいのは山々だがそれで相手に余計な気苦労を掛けてしまうのではと思っており、素直に認めろと言わんばかりの鶴丸の笑顔に表情を顰めつつも「いいか、余計な詮索はするなよ」と白い太刀に念を押していって )
ごめん、少し席を外すね。
( ちらりと壁時計を一瞥しそろそろ食後のデザートを出す頃合いなので、横にいる彼に耳打ちでそう声を掛ければ、席から立ち上がるとこちらの動きに気付いた歌仙くんと共に大広間を出て行って )
嗚呼、分かった。
( よく分からないが恐らく歌仙と共に出たと言う事は、料理に関する事なのだろうと考えていって見送っていき。もはや恋仲と決め打って馴れ初めを聞いて来る鶴丸を適当に流しつつも、目出度いなどと言われれば其処は遇らえずに感謝の言葉を零していって )
( 暫くして御盆を両手に持ちながら再び大広間に戻って来れば、その上には丹精込めて作った栗入りの水羊羹を端から順に配膳し始め。程無くして二振りの前に姿を見せると、長谷部くんの横に座れば栗羊羹を配っていき )
お待たせ。今日は栗羊羹にしてみたよ。
( それから大人しく待っていると食後の甘味を配っている二振りが目に入り、相手お手製の栗羊羹が置かれれば秋だからかと思いながらそれを受け取り黒文字を手に取っていって )
…栗羊羹か、美味そうだな。
(/大丈夫ですよ、返事に関しては気にしないで下さい。身体を休める事の方が大事ですので。そちら様のご回復を祈っております )
秋だから季節の甘味を作ろうと思って、すいーとぽてとか栗きんとんか栗羊羹かおはぎの何れにしようか迷ったけどね。
( 自身も菓子器を膝の上に置いて黒文字を手に取るなり季節感を出す為にも、秋の定番の甘味を四つ上げて経緯を話し始めるが結果的に栗羊羹になり。楊枝で一口サイズに切ると、それから彼を見ては味の感想を聞いてみて )
…どう?美味しい?
(/ 昨日より大分熱が下がったので、お返事を返しますね。ご心配をお掛けして申し訳ないです…! )
成る程、それでその中の一つの甘味にしたのか。
( 挙げられた四つの季節の甘味を脳裏に浮かべつつも何れも美味そうだと思っていて、黒文字を器用に動かすと栗羊羹を食べやすい大きさに切り分けていき。早速口に運んでは羊羹の優しい舌触りと栗の控え目な甘さに舌鼓を打って微かに笑みを零し )
嗚呼、美味い。手作りとは思えない程にな。
(/ いえ、熱が下がったのなら良かったです。安心しました )
ふふ、そんなに褒めても何も出ないよ?
( 美味しいと言う相手に褒められて余程嬉しいのか、にこっと笑みを零すと冗談を口にし。早速自身も食べようと食べやすい大きさに切り分けた羊羹を口に運んでは、口の中に広がる甘さに美味く出来たと内心で自画自賛していて )
(/ はい、ありがとうございます!まだ本調子じゃないですが、身体を暖かくして過ごしますね。)
既に美味い栗羊羹が出ている。それ以上は求めない。
( 相手の冗談にこちらも軽口を返すと口元を緩ませては笑み、その後は黙々と食べ進め栗羊羹を綺麗に完食をすればお茶を飲んで一息つき。ふと、改めて歓迎会の様子が目に映ると思った事を口に出して )
…秋は物寂しくなる季節だと言うが、この本丸にはまた新しい一振りが来て賑やかになるな。
(/ そうですね、冷えると悪化してしまうので温かくして御自身の御身体を労ってあげて下さい。陰ながら早期のご回復を祈っております )
はは、そっか。君ならそう言うと思ったよ。
( 相手の言葉に思った通りと言わんばかりの発言をすればくすりと笑い、こちらも黙々と食べ進め栗羊羹を彼の後に続くかの様に完食をし。温かいお茶を飲んでホッと一息つけば横目で彼を見た後、賑やかな歓迎会に目を細めて )
そうだね。…長谷部くんは、賑やかなのは嫌いかい?
(/ 分かりました、ご助言ありがとうございます!ではでは、これにて背後は失礼致しますね。)
お前の側にいて、俺が賑やかなのが嫌いだと思うか?
( 己が零した言葉に対して返って来た相手の言葉を聞くと少し目を瞬かせたが直ぐさま緩く柔い微笑を浮かべては、彼の影響を受けている事を暗に伝えつつも逆に問い掛けていき )
(/ はい、こちらの背後も失礼致しますね )
…ううん、思わない。ごめんね、変な事聞いちゃって。
( 歓迎会の様子を眺めながら逆に問われたので、これまでの事を思い返せば自ずと答えが出て来て緩く首を横に振り。そうして、楽しい歓迎会の時間も閉会を迎えるとその事を察した主くんが席に戻ろうとしたのでお盆に皿等を重ね合わせていき )
いや、気にするな。
( 如何やら意図が伝わった様で、己は微かに満足気に笑みを零すと視界の端に主が此方へと戻ろうとしていたのが見え、そろそろ終わりかと考えては食器を片すのを手伝っていき。それをしつつも、戻って来た主の歓迎会の締めの挨拶を聞いていっては再び食器を重ねていき )
( 戻って来た主くんが視界に入ると自身も動かしていた手を止め、歓迎会の締めの挨拶を聞けば再度食器を片していき。一旦炊事場へと運ぼうと立ち上がり、膳を下げるので両手で確りと持ちつつも流石に全部を片すとなると人手が欲しいゆえ彼にも手伝って貰うよう頼んでみて )
…あの、長谷部くん。今大丈夫かな?出来れば、一緒にこれを炊事場に運んで貰えると助かるんだけど。
嗚呼、良いぞ。これを炊事場に運ぶんだな。
( 相手からの協力要請に断る気など元から無く頷いては、同じく食器を持って炊事場に運ぼうとしていき )
うん、じゃあお願いね。
( 己の頼みを聞き入れてくれた相手に感謝しつつも、一緒に炊事場に運ぶのでその方向へと向かい。戸を開けて中に入ると先ずは流し台に食器を置いて、洗い物の準備をすれば早速洗い始めていき )
( 同じく流し台に食器を置いてはこのまま居間に戻っても遣る事が無い為、側に掛けてあったタオルを手に取って相手に近付き尋ねてみて )
燭台切、食器を拭くのも手伝えるが如何する?
( 黙々とスポンジで食器を隅まで丁寧に洗って流せば横の作業台に置いての繰り返しをしており、隣にいる相手に尋ねられれば顔を見て )
本当かい?それは助かるよ。ここに洗い終えた食器を置いてるから頼むね。
分かった、任せてくれ。
( 次々と重ねられていく濡れた食器を見ては、一枚一枚手に取ってタオルで丁寧に拭いていき。それを何度か繰り返していって )
よし、終わったね。長谷部くんお疲れ様。
( 最後の一枚の皿も洗い終え、確りと手を綺麗に洗うと台所の手拭きタオルで拭いていき。ちょうど相手も作業を終えた様子だったので労いの言葉を掛けるとピカピカになった皿を持ち上げ、食器棚に並べていって )
嗚呼、お前もお疲れ様だ。
( 相手が終わったタイミングから少し遅れてこちらも食器を拭き終えれば、労いの言葉を掛けていき。棚へと食器を並べている相手に自身も手伝って並べ終えると横の相手を見て )
さて、今日はゆっくり休むと良い。色々とあったからな。
うん、そうするよ。今日は何だか疲れてすごく眠たいや。
( 出陣先から帰城した後はバタバタと歓迎会の準備やらで、疲労が溜まり少々眠たげな隻眼で彼を見ればこくりと頷いて )
そうだな、疲労も溜まるだろう。
( 立て続けに色々な事が続いた為に疲れるのは百も承知で、眠そうにしている相手を視界に入れればふっと笑みを零して一度その頭を撫で、ゆっくり手を離した後下記を述べると自身は部屋へと戻ろうとして )
では、俺も失礼する。
おやすみ、長谷部くん。
( 頭上に感じる手の感触に撫でられるのが好きなので嬉しそうな笑みを零しては、徐々に離れていくと名残惜しく少し不満はあるものの睡魔は限界で手を振りつつ就寝の挨拶を伝え。彼を見送った後、炊事場の電気を消して自身も部屋へと戻って行き )
( あれから数日後の、秋の気配も深まった頃。紅葉の絨毯が敷かれた秋模様の中庭を見ては、そろそろ落ち葉焚きが出来る頃合いかと考えながら本日もやや忙しなく縁側を歩いていて )
(/ 今晩は。事前に決めていたハロウィンですが、過ぎてしまっている為に如何致しますか?)
( 本日は非番と言う事もあり、審神者の書斎から借りていたレシピ本をパラパラと捲りながらお八つで悩んでいて。そう言えば、先程粟田口の短刀くん達が何か飾り付けがどうとか言っていた事を思い出すと小首を傾げて呟けば、直接聞きに行こうと部屋から出て )
あれ、今日って何かあった…?うーん、考えても分からないし聞きに行こうか。
(/ そうですね、事前に決めていましたし個人的にもハロウィンはやりたいので過ぎちゃいましたがやりましょう! )
( 縁側を歩いていると直ぐ横を慌ただしく短刀達が駆けて行き、何やら手には布やら南瓜やらを大事そうに持っていて。ふと、今日はハロウィンかと前主の影響か外来の事には興味があった為に直ぐに思い当たり。なら、後でお菓子を用意せねばなと思いながらも足を動かしていれば、前方に光忠が見えたので声を掛けていき )
――燭台切、何をしているんだ?
(/ 了解しました。ではではハロウィンをやりましょう。 )
――あっ、長谷部くん。唐突だけど今日は何の日か知ってる?
( 思案顔な表情で縁側を歩いていれば、突然声を掛けられると反射的にそちらへ視線向けて。そこには相手の姿があり、近くまで歩み寄ると彼なら今日が何の日か知っているかもと思っては質問をしてみて )
(/ 有難いです…!折角のハロウィンですし、何か仮装させちゃいますか? )
今日か?…今日はハロウィンだな。秋の収穫を祝い、悪霊を追い出す宗教的な儀式らしいが…今は専ら仮装をしてお菓子を貰う風習に成り代わっているらしい。
( 唐突な質問に微かに目を瞬かせたものの、つい先程考えていた外来の行事を事細かに教えていき。言っていて分かったが、短刀達が持っていた布は仮装用の物だったかと今更になって気付いていて )
(/ そうですね、ハロウィンですし仮装もさせますか。長谷部と言うと王道で神父とかですが如何でしょう?)
…成る程、ハロウィンか。だから短刀くん達が楽しそうにしていたんだね。
( 外来の行事を事細かに教えて貰えば、ふむと何故大広間を折り紙や紐などでお化けを象った模様を飾り付けたのか理由を知ると納得した様に一度頷いて。なら、今日は多めにお菓子を用意しないとと思いながら仮装は相手もするのか小首を傾けて )
うーん、仮装はどうしよう…。長谷部くんは仮装はするのかい?
(/ 長谷部は神父姿似合いますよね。それで大丈夫です!…こちらの燭台切は悪魔か狼男で迷っているのですがどちらが良いですかね? )
嗚呼、そうだな。言われてみれば、短刀達が好きそうな行事だしな。
( 見た目の年齢と実際の年齢が同等な訳ではないが、精神的な其れは外見年齢寄りな為にそう言っていき。不意に、仮装の事について言われれば全くもって考えていなかったので濁しては逆に問い掛け )
いや、俺は考え中だが…お前は仮装をするのか?
(/ 了解しましたー。何方も良いですが、今回は悪魔の方でお願いしても良いですか? )
うん。鶴さんもこう言う行事は好きそう…と言うか、楽しい事には積極的に参加するからなぁ。
( 相槌を打ってはこの様な行事ごとを好む傾向にある一振りの顔を思い浮かべ、今頃仮装の準備をしているだろうと考えるも何やら考え中との事で自身はするので頷いていき )
そっか。…うん、僕はするよ。でも何の仮装をするかまで考えてないけどね。
(/ 分かりました、悪魔ですね!他に決めておく事はあります? )
嗚呼、確かに鶴丸も好きそうな行事だな。
( 常日頃から驚きを求めている太刀を思い浮かべては、はしゃぐ姿が目の前に浮かんでいき。その後は仮装する気の相手を見て、何と無く色合い的に悪魔や吸血鬼の西洋の衣装が似合いそうだと思って、思わずぽつりと )
お前の仮装か。…悪魔とか吸血鬼が似合いそうだな。
(/ 特には無いですねー。大丈夫ですよ )
( 悪魔か吸血鬼と言う言葉に離れの書庫に置いてある書物に西洋の衣装だと載っていたので、自身も考え中故に彼に似合いそうだと言われては単純な思考だが何方にするか少しの間悩んでいて。そして決めたのか片方を選ぶと、何故か相手の容姿を改めて見れば顎に手を充てて )
――じゃあ、僕は悪魔の仮装をするよ。次は君の仮装を決めないとね。…うーん、何が似合うだろう?
(/ 了解です、それでは背後は下がらせて頂きます )
そうか、なら楽しみにしている。
( 相手がする仮想の内容を聞けば自身の意見が取り入れられたので、小さく笑み零しては上記を述べ。ふと、何やら自身の仮装の事で考えているのが分かると、まだするかしないかは決めていなかったのだがどの道この本丸の事だから仮装はさせられるだろうと予想をすれば、自身が着ても違和感の無いものを考えて )
…俺の仮装か?普段からカソックを着ているから神父などが良いかもな。
(/ はい、ではこちらも下がりますね )
オーケー、悪魔の姿でも格好良く決めるからね。
( 自身の仮装を楽しみにする相手に胸前へ両手を持って来ては、掌で拳を作ると気合を入れて。うーむと思考を巡らせるも、神父の言葉にその衣装を着た彼の姿を想像すればまさにピッタリだと思ったので幾度か頷いていき )
長谷部くんの神父姿…。うん、絶対に似合うと思うよ!
なら、神父にしよう。…仮装の服は主に聞けば分かるだろうか?
( 相手から肯定的な言葉を貰えれば満更でもなく嬉しく思ってしまい、口元に少し隠し切れていない笑みを携えたまま神父に即決していき。ふと、肝心の衣装について誰に言えば良いのだろうかと首を捻り考え )
…問題はそこだよね。本当なら主くんに聞くべきなんだろうけど…。
( 其々の仮装は決まったが、問題の衣装は誰に言えば用意して貰えるかと考えるも矢張り主くんしか居らず。しかし、思う事は皆一緒なはずで今頃審神者の部屋を訪れても大変だろうと彼の事情を考慮して。ふと、鶴さんの部屋にはいつも新しい玩具があるので、もしや仮装をするものもある気がして思い付いたかの様に下記を提案してみて )
……あっ、そうだ。鶴さんに相談してみようよ。彼なら色んな仮装の服を持っているかも知れないよ。
鶴丸にか?…確かに、驚かし好きの彼奴の事だ。仮装の一つや二つ持っていそうだな。
( しかし主は仕事で忙しいかと迷っている最中、聞こえて来た第三者の名称に思考の海から意識浮上させては確かにと納得をして。悪魔や神父の仮装を持っているかは分からないが、聞いてみて損は無いと判断すると、頷いてはその部屋へと行こうとして )
なら、聞きに行くか。燭台切、行くぞ。
うん、分かったよ。
( どうやら自身の提案は受け入れて貰えたので少し安堵の表情を浮かべ、小さく頷いては彼の部屋に向かい。直ぐに着けばここに来るまで一度も姿を見ていないが、念の為に襖越しに声を掛けていき )
――…鶴さん、居るかい?少し相談したい事があるんだけど大丈夫かな?
( 静まり返っていた廊下だったが光忠の呼び掛けがされたと同時にスパーンと襖が真横に開かれて、“おお光坊と長谷部か!俺に相談事かい?何でも言ってくれ!”と一気に騒がしくなった原因の白太刀見ては、相変わらずだなと思いつつも口を開いて )
ハロウィンの事で少し聞きたい事がある。
鶴さんは悪魔と神父の衣装を持っているかい?もし良ければ、貸して貰えないかな…?
( 鶴さんの行動パターンは同じ歳月を過ごした分把握済みゆえ慣れたもので、横の彼の言葉に繋げるようもし持っていた時の為に交渉してみては反応を窺い )
( 一瞬こちらの言葉を聞いて鶴丸はきょとんとしていたものの、直ぐさま状況を理解した様で“悪魔と神父…?…嗚呼!成る程、ハロウィンの仮装で使うのか。俺のお古で良ければ持っているぞ!前のハロウィンの時に使ったやつだが…ちょっと待っていてくれ!直ぐに持ってくる”と一息で言えばあっという間に部屋に戻って行ってしまい、取り敢えず大人しくここで待とうとし )
本当かい!?うん、待ってるね。
( 矢張り悪魔と神父の衣装を持っていた様で、パアッと表情を明るくし部屋に戻って行く鶴さんに声を掛けて。これなら夜に行われるハロウィンに間に合うので、長谷部くんの方に向き直ると安心した様な声色で話し掛けていき )
やっぱり鶴さんに相談して正解だったね。
嗚呼、そうだな。鶴丸が持っていてくれて助かった。
( 相手の方へと自身も小さく笑みを向ければ、鶴丸が戻って来るのを待ち。すると、数分もしない内に再び障子が開かれて“待たせたな!見つけて来たぞ!”と笑顔で言う白太刀が両手に持っている衣装を見ては、割と凝った作りのものだと思っていて )
( 体感時間で言えば数分も経たずに目の前の障子が開かれて、笑顔の鶴さんの両手に持っている衣装をまじまじと見ると書物に載ってたイメージのもので、その上作りが丁寧ゆえ同じ事を思えば微笑み掛けて )
ありがとう、鶴さん。二つとも凝った作りをしているね。
( “そりゃあ呉服屋に特注で頼んだからな!矢張り、何事も全力でやった方が楽しいだろう?”とにこにこしながら言う鶴丸に一理あるなとは思いつついれば、“だから君達も今回のハロウィンを全力で楽しんでくれ!”と明るい声で言うとこちらに衣装を手渡してくれて )
鶴丸、感謝する。…嗚呼、羽目は外しはしないがハロウィンを楽しむとしよう。
勿論、全力でハロウィンを楽しむつもりだよ。
( 呉服屋と聞けば即座に納得しつつこちらに衣装を手渡してくれたので、大事に受け取ると微笑みを湛えたままこくりと頷いて。そろそろ夕方までにお菓子を用意しなければいけない為に、長居は出来ず改めてお礼を言えば長谷部くんの袖を軽く引っ張って )
…それじゃあ、僕達はまだ準備があるからそろそろお暇するよ。鶴さん、衣装を貸してくれてありがとね。…行こう、長谷部くん。
嗚呼、分かった。行くか、燭台切。
( “おお、じゃあな!後で楽しみにしているぞ!”と快く手を振って見送ってくれる鶴丸へと軽く頭を下げては、そのまま衣装を持って歩いていき。自室で着替えようと考えては問い掛け )
着替えるのは各自の部屋で良いか?
うん、それで大丈夫だよ。後はお菓子の用意だけど…君さえ良ければ一緒に作らないかい?あっ、勿論断ってくれても良いからね。
( 少しひんやりとした廊下を両手で衣装を持ちながら歩いていれば、着替えの事を尋ねられたので異論は無いと言う様に一度頷いて。ふと、もしも彼がまだお菓子の用意が出来ていないのなら一緒に作れる簡単なものがあるので菓子作りに誘ってみるも、既に準備済みの時の為にも断りやすい様に上記を述べていき )
いや、良いぞ。丁度菓子は用意していなかったからな。着替えたら炊事場に向かう。…では、後ほど。
( そもそもハロウィン自体参加する予定が無かった為に、当の大事な菓子の存在を忘れていたので了承してはひらりと相手に手を振って、自室へと向かって行き )
オーケー、また後でね。
( お菓子作りへの誘いを了承して貰えば嬉しそうな笑みを向けてひらりと手を振った後、こちらも自室の方へと歩みを進めて行き。部屋に着けば服を脱いで先程借りた悪魔の衣装に着替えると、忘れずに羽や角、尻尾を付いて。これで良いのかな?と思いつつ炊事場へ、彼が来る前に材料確認とお菓子作りの用意をしていて )
( 自室に戻るとさっそく黒を基調とした神父の服へと着替えていって、白のストラを首から掛ければ普段の服装とあまり変わらないのではと思うものの、十字架のネックレスを付けると部屋から出て炊事場へと向かって行き。既に仮装をした相手が居たので声を掛け、その姿を見ては薄っすらと笑み )
待たせたな、燭台切。…ほぅ、中々似合っているじゃないか。
( 今回は手軽で簡単に作れるクッキーとスイートポテトの二種類を予定しており、机の上に材料と道具を置いた所で声を掛けられれば振り向くと仮装をした相手が瞳に映って。少し近付いて黒と赤を基調とした悪魔の姿を似合うと言われると、笑みを零しては相手の神父姿を眺め )
そうかな?少し不安だったんだけど、そう言ってくれると嬉しいよ。―長谷部くんの神父姿もとっても似合っているよ。
嗚呼、他の奴らも恐らく俺と同じ事を言うんじゃないか?…そうか?然程変わっていない気もするが、有り難く言葉を頂戴する。
( 悪魔の姿は相手の色合いにも合っていて、自身以外の者達も似合うと言うだろうと確信に似た気持ちを抱いていた為、そう言っては笑み。その後は己の格好を褒められたので気恥ずかしさ半分うれしさ半分で言葉を受け取っていって。それから相手の隣へと進むと )
―それで、ハロウィンの菓子は何を作るんだ?
それはね、クッキーとスイートポテトを作るんだ。どっちも簡単だからそんなに時間は掛からないよ。
( 自身の隣に立った相手を見遣ると今回作るお菓子を言えば比較的両方とも簡単なのでそう時間は掛からず、早速開始しようと先ずはクッキーから作る為にボールの中には予め常温に戻して柔らかくしたバターと砂糖が入っていて、混ぜて貰おうとヘラを渡していき )
それじゃあ、お菓子作りを始めようか。先ずはヘラで白っぽくなるまで混ぜてくれる?
…クッキーとスイートポテトか。嗚呼、分かった。混ぜれば良いんだな。
( うどんならまだしも両方とも作ったことのない料理だと思っては小声で反芻していき、ただ簡単と聞いたので取り敢えず相手の指示に従って作れば炭にはならないだろうと考えては、ボールとヘラを受け取るとバターと砂糖を混ぜていって。段々と白くなって来たので相手に声を掛ければ )
燭台切、白くなったぞ。この様な感じで良いか?
ちょっと待って。…うん、良い感じだよ。次は僕が溶き卵を少しずつ入れていくから混ぜていってね。
( 机の上に置いてある大きな器に卵を片手で何個か割っていき、慣れた手付きで箸で溶きながら確認する様にボールの中身を見てみれば白くなっているので頷くと、次の指示を伝えて溶き卵を少量ずつ入れていって )
よし、任せろ。また混ぜれば良いんだな。
( 心なしか妙に意気込みつつも、少量の溶き卵がボールの中へと入ってくれば言われた通りヘラで器用に混ぜていき )
ここまで混ぜてくれてありがとう。今度は僕が交代するよ。
( 彼のお陰で良い感じに卵と馴染んだのでここまで混ぜる事を頼んでばかりいた為に、今度は他の事をして貰おうと混ぜ終えたボールをこちらに寄せていき。薫り付けにバニラエッセンスを三滴投入しヘラで軽く混ぜると、薄力粉とベーキングパウダーと共に粉ふるいも相手の目の前に置いては )
代わりに、長谷部くんには粉ふるいで薄力粉とベーキングパウダーを一緒に振るって欲しいんだ。
嗚呼、悪いな。感謝する。
( 混ぜていたヘラとボールを相手へと渡せば、次は何をすれば良いのだろうかと彼の指示を待ち。目の前に置かれた粉ふるいに今度はこれをやれば良いのかと思っては、薄力粉とベーキングパウダーを粉ふるいで共に振るっていき )
…こんな感じで良いんだな?
そうそう、そんな感じかな。
( ボールの中に粉ふるいで振るった細かな粉と共に纏まるまでヘラで生地をさっくりと混ぜていって。混ぜていけば大分生地が纏まったので、まな板にラップを敷きその上に先程の生地を置いて包むと冷蔵庫の中へと入れていき )
生地は冷蔵庫で一時間休ませるから、その間に水を沸かそう。
( 粉ふるいの役割が終わったのを察すれば、邪魔にならない様に器具は横へと退けていき。徐々に纏まっていく生地に感嘆の息を零していれば、沸かすと言う言葉を聞いたので鍋取り出しては其処に水を入れ火を掛けていき )
…水をか?分かった、沸かしておく。
( 野菜室の中から薩摩芋を二、三本取り出してはさっと軽く水で洗い流すと鍋の水が沸騰するのを待ち。それから数分後、お湯が沸騰してきて鍋の中へと薩摩芋を入れて蓋をしていって )
薩摩芋に確りと火が通っているかを確認する為に竹串を刺すんだけれど、棚の引き出しから一つ取ってくれるかい?
( 相手のテキパキとした手慣れた料理の動作に感嘆の息零しながらも、声を掛けられればハッとして棚の引き出しを開けては竹串を一本取り出し相手に差し出していき )
竹串―…これか。燭台切、ほら。
ありがとう、…火は通っているね。じゃあ、薩摩芋の皮を剥こうか。
( 受け取った竹串で薩摩芋に火が通っているかを確認する為に、蓋を開けて刺していけば全部身が柔らかく。火を止めて別のボールに移し変えて、お湯を完全に抜き切れば台の上に置き相手を見て )
熱いから火傷には気を付けて。もし無理なら冷ましてから皮を剥いてね。
いや、このくらいなら大丈夫だ。任せろ。
( すっと薩摩芋の中へと通って行く竹串を見て、台に置かれた熱々の其れを観察した後、あまり手伝えていない申し訳無さもあり少しばかりまだ薩摩芋は熱いものの我慢出来るレベルだったので無心で皮を剥いていき、剥き終えたのは横に置いていって )
本当?…無理はしないでね。
( お湯から出した湯気が立つ熱々の薩摩芋を手に指示の下、無心で皮を剥いている様子に心配げに見つめ。それなりに量が多いので自身も熱い薩摩芋を気合で何とか皮を剥いては同じところに置いていき )
死ななきゃ安い。…お前こそ火傷には気を付けろよ?
( そう珍しく冗談交じりに言いつつも相手の心配をしては薩摩芋の皮を丁寧に向いていき。其れから自身の手持ちの全てを剥き終えると、潰す為に木べらとボールを持ち出しては薩摩芋を入れていきながら )
燭台切、次はこれを潰す作業で合っているか?
そういう問題じゃないけど。…うん、大丈夫。
( 珍しく冗談混じりに言う相手に対して苦笑を零しては、逆にこちらの心配もされたのでこくりと頷き。何とか熱いながらも薩摩芋の皮を全て抜き終えると、丁度良いタイミングとボールを持って来てくれた為にその中へと入れつつそう受け答え )
その通りだよ。出来るだけ細かく潰して。
そうか。…よし、丁寧に潰すとしよう。
( 相手の薩摩芋もボールで受け取れば、木べらを上手く使ってぐにぐにと一つ一つを潰していき。固形物の形が無くなるまで潰し終えれば、自分としては何処か満足気な顔でボールごと相手に見せていき )
さて、終わったが…燭台切、これで良いか?
うんうん、バッチリだよ。…そろそろ冷蔵庫から生地を出す時間だ、長谷部くん取って来てくれるかな?
( チェックするようにボールの中を覗き見れば言った通りに、丁寧に固形物の形が無くなるまで潰しているので幾度か頷いて笑み。ふと、あれから一時間は経過していると料理をする者は大体感覚で判るもので、その間に潰した薩摩芋に砂糖とバターを加えてヘラを使って混ぜていき )
さっきの生地か、分かった。
( 潰した薩摩芋が入ったボールを相手に手渡せば、言葉通り自身は冷蔵庫から先程の生地を取り出していき。うどんの生地と似ているなと思いながらもそれを持っては相手に )
そう言えば、これは型抜きのクッキーにするのか?
( 手渡されたボールを持ちつつ潰した薩摩芋に纏まりが付くまでヘラで混ぜながら声を掛けられれば、そう言えば相手の言葉で思い出したが予め何も伝えておらず。折角なら型抜きクッキーを作ろうと思っていたので、星やハートに様々な型抜きを広げては )
うん、そのつもりさ。見た目が可愛いからきっと短刀の子達が喜ぶし。
確かに、短刀達は喜びそうだな。
( 取り出された型抜きを見てはクマのぬいぐるみの形をした其れを手に取り、特に乱藤四郎あたりが喜びそうだと思っていて型抜きを置き直すと麺棒を手に持ち生地を伸ばしていき。そうして、型抜きをする作業に取り掛かろうとしては )
…こんな所か。燭台切、型抜きを手伝ってくれ。
オーケー。…何れにしようかなぁ。
( ボールの上に軽くラップを掛けて型抜きの種類は沢山あり、作業に取り掛かる前に何れを選ぶか悩みながら最初は定番のハートの形をした其れを手に取れば早速伸ばしてくれた生地へと型を押し込んでいき )
…ハート型か、伊達男らしいな。
( 型抜きクッキーにおいては定番中の定番なのだが、相手が使うとよりそれっぽい気がしてそんな事を言っていき。自身は星型や飛行機の型抜きを手に取っては、次々と生地から型を取っていって )
あはは、そうかな。
( 生地から型を切り取った綺麗な形のハートをクッキングシートに置きつつ、ははっと笑いながら何個か同じ型を作っていき。こうして、彼と一緒にお菓子作りをするのが嬉しくて頬を緩ませ、次はウサギの型抜きを取って生地から型を軽く押し込みつつ )
僕ね、長谷部くんと一緒にお菓子作りが出来て楽しいよ。普段はこう言う機会って滅多に無いからさ。
ふっ、そうだな。あまり菓子作りなんてした事が無かったから新鮮だ。…お前とやっているからか意外と楽しいな。
( 次々と型抜きをした生地をクッキングシートに置きつつ、頰を緩める相手を何処か微笑ましく見ては微かに目元を和らげていき。大して興味の無かった事でも好いている相手と行えば楽しく感じるなと、その気持ちを伝えては全ての型を抜き終わったので片付けていき )
ふふ、良かった。楽しいと思ってくれていて僕も嬉しいよ。
( 何処かで楽しいのかなと内心は不安で一杯だったものの、意外と相手から好評な為にホッと安堵の表情を見せ。特別な関係になってからと言うもの、最近では素直な気持ちを伝えてくる彼に嬉しさ感じながらも上記を述べては型抜き作業を終えたのでクッキーを焼きに行って )
そうか、お前も嬉しいのか。
( 自身だけでは無く相手からもそう聞けば単純な事に嬉しくなってしまい、込み上げてくる感情を抑えつつも微かに笑みクッキーが焼かれる作業を後ろから見ていき。それからもう一つの菓子の方へと目をやれば )
さて、スイートポテト作りを再開するか?
( オーブンで180度で約13分に設定をすれば後は焼き上がるのを待つのみ、残りの限られた時間で最終段階のスイートポテトを完成させようと元の位置に戻れば、ラップを剥がし )
そうだね、クッキーを焼いている間に仕上げまで一気に取り掛かろう。形は楕円形に整えてね。
分かった、楕円形だな。
( 相手の言葉に頷くとスイートポテトの種を言葉通りに楕円形へと整えていき、黙々と作業を進めていけばそう時間も経たない内に終わり )
こちらは終わったが燭台切の方はどうだ?
( 自身も器用にスイートポテトの種を楕円形へと整えれば、アルミに置き黙々と作業に集中して繰り返すと相手の後に終わり。まだクッキーは焼き上がらないので仕上げに卵黄を塗る為に、卵と容器に端を用意しては卵白だけ捨てて )
僕も今終わった所だよ。さて、最後の仕上げに卵黄を塗ったら後は焼くだけだ。
卵黄か、混ぜて塗れば良いんだな。
( 相手が用意をした道具を見てはハケが無いなと思い其れを二本取ってきて、それから卵黄のみが入った容器に視線を移すと箸を取って軽く混ぜ、ハケに浸すと自身は右側から塗っていき )
俺はこちら側から塗る。そちらはお前に任せた。
オーケー、任せてくれ。
( ふと、必要な物の用意を忘れた事に気付くも既に相手が取って来ており、内心で感謝しつつ卵黄のみが入った容器へとハケを浸せば左側から塗っていって )
…よし、右側は終わったぞ。
( ハケを使って卵黄のみを右側のスイートポテトの種に塗り終えれば、そう声を掛けて使い終わったハケを洗面台の方に置いていき。そして、相手が終わるのを待ち )
こっちも終わったよ。
( こちらも丁寧に満遍なくスイートポテトの種にハケで塗り終え、そう返事を返しては同じく洗面台の方に置き。オーブンからいい匂いが漂ってきてキッチンミトンを両手に嵌めてクッキーを取り出すと、確りと焼き上がっており心なしか満足気な顔で )
うん、ちゃんと焼き上がってるね。それにすごく美味しそう。…長谷部くん、一つ食べて感想を貰える?
良い匂いだな。…食べて良いのか?なら、味見をさせて貰う。
( オーブンから取り出されたクッキーは程よくきつね色に焼けており、見た目も匂いも美味しそうでいて。不意に相手からそう振られれば目を瞬かせるものの、こくりと頷けば熱いそれを摘んで口に運び。サクサクの食感とシンプルな甘みのあるクッキーは子供も大人も口に合う仕上がりになっており )
…美味いな、食感も味も良い。短刀達もきっと喜ぶぞ。
…よし、クッキーは完成だね。それならトースターでこれを焼いて来る。
( 味見を引き受けた相手の感想を無言で待つと、食感も味も良く美味しいと褒めてくれれば嬉しげに頬を緩め。焼き立ての内はラッピングは無理なので、もう少し冷ましつつトースターでスイートポテトの種を数個入れて焼き目が付くまで待っていて )
嗚呼、分かった。
( 相手がスイートポテトの種をトースターに入れていくのを横目に、自身は棚からラッピング用の袋とリボンを取り出してはいつでも使えるようにテーブルの上に置いていって )
( 少しトースターを開けて焼き目を見ればこんがりときつね色に焼いており、棚から皿を取り出し其の上に置いて残りの種も纏めて入れていき。先に焼き上がったスイートポテトをテーブルの上へと置いていって )
スイートポテトが焼けたよ。こっちも美味しそうだ。
そうだな、これも良い具合に焼けている。
( 程よく焼き目の付いたスイートポテトを見ては頷き、これも冷めてからラッピングするのだろうと考えれば先に冷えたクッキーを袋に入れつつ )
スイートポテトは燭台切が味見をしたらどうだ?
そうだね。…なら、半分こにして一緒に食べようよ。
( 相手の言葉に同意しつつ横目でクッキーを袋に入れる作業を見れば、焼き立てのスイートポテトを半分に切ると其れを“はい”と手渡して )
…お前が言うのなら有り難く頂く。
( 手渡されたスイートポテトに視線を降ろしては再び上げて、このまま美味い物ばかりを食べていたら餌付けされそうだと思いながらも現状既に前から相手の料理などに胃袋を掴まれている訳だが、上記を述べると口に運んでいき。普段から皺の寄っている額を和らげるとつい微かな笑みを零し )
これも美味いな、薩摩芋の甘さが丁度いい。
どうぞ。…うん、美味しい。
( 相手が食べたスイートポテトの感想を待っていると、微かな笑みを零し再び褒められれば我慢出来ずに嬉し気な表情を見せつつ自身も口に運んでは自画自賛になるが、薩摩芋の味が丁度良くそう呟いて )
短刀達が喜ぶな、スイートポテトもクッキーも。
( 呟いた相手の声が聞こえると此方もふっと小さく笑んでいき、再び丁度良い温度にまで冷えたクッキーを袋へと詰める作業をしていって )
そうだと嬉しいな。…これでよしっ、
( お菓子を渡した時の短刀の子達が喜ぶ姿を、隻眼を閉じ目に浮かぶ様で微かな笑みを零し。ゆっくりと目を開けてクッキーを姿へと詰めたままのそれを取り、手元に置いてある可愛らしいピンク色のリボンで結んでいき )
さて、後はスイートポテトを詰めるだけか?
( 同じくリボンを結び終えるとクッキーの入った袋を端に並べていき、程よく冷えたスイートポテトを見ると改めて別のラッピング袋を取り出していって )
特にやる事はもう無いからそれで最後だよ。
( こちらも軽く結び終えると端に並べた所へ袋を置き、残りは焼いたお菓子を詰める作業だけでこくりと頷いて取り出されたラッピング袋を何枚か貰って )
そうか、分かった。
( クッキーと同じ様に黙々とスイートポテトをラッピング袋に入れていき、自身の手元にあるものを全て入れ終われば相手へと声を掛けていって )
よし、燭台切。終わったぞ。
( テキパキとした手付きでスイートポテトを袋詰めにして、最後に色違いのリボンを結び終えるとこちらも作業の手を止め。隣の相手を見て労いの言葉を掛けて )
僕も終わったよ。やっと完成したね、お疲れ様長谷部くん。
嗚呼、お前もお疲れ様だ。…それで、早速ハロウィンと洒落込むんだろう?
( 小さな紙袋を二つ取り出すとラッピングした菓子をそこに全て平等に入れていき、片方の紙袋を渡しては炊事場から大広間へと向かおうと足を進めて相手を見遣り )
うん、大広間で皆は待ってるし行こう。
( 受け取った紙袋の中へと既にラッピング済みのお菓子を相手同様、平等に入れていけばそれらを持って炊事場から出て行こうとする彼の後に付いて歩きながら )
分かった、行くぞ。
( 相手の返答に頷くとそのまま炊事場を出て行き、廊下を歩いて行って。大広間に着けば、お化けかぼちゃと呼ばれる大きなかぼちゃのランタンや蝙蝠の飾りが天井からぶら下がっていて、ハロウィン一色になっており。ふと、こちらの存在に気付いたミイラ男姿の鶴丸が“よっ!お二人さん。既にハロウィンは始まってるぜ。そう言うわけだ、とりっくおあとりーと!お菓子をくれなきゃ取って置きの驚きを披露するぜ!”と話しかけて来て )
――わあっ、すごい。大広間がハロウィン一色だね。
( 大広間に着いて真っ先に目に映ったのは書庫の本で見た事のある西洋で言うジャックランタンが天井からぶら下がっており、他にも色々と飾られて部屋があっという間にハロウィン模様で。中に入って見れば仲間と主くんが其々仮装に身を包んでいて自然と笑みを零しては、早速鶴さんが話し掛けて来てそちらへと視線を向け )
あっ、鶴さん!それミイラ男だっけ。…取って置きの驚き?どうしようかな、お菓子は持っているけれどどんなものを披露してくれるのか気になるなあ。
嗚呼、そうだな。華やかだ。
( と同意をしていれば菓子の催促に来た鶴丸を見遣り、さて如何したものかと思っていれば燭台切が興味津々で見ていた為に鶴丸も“嗚呼、今年はミイラ男にしてみたぜ。おっ、気になるかい?敢えて悪戯をご所望するのも粋だな!俺の悪戯はこうだ、そら!”とノリノリで相手が掌を上に向け右手を上げたと同時に大広間の明かりが消え真っ暗になり、但しカボチャのランプと蝙蝠の天井飾りが仄かに輝きだしたお陰で視界に困る事はなくいて。“どうだ?驚いたか?”とこちらの反応を待っている相手に取り敢えず )
…凄いが、他の奴らまで巻き込んでいるぞ。
(/ お気になさらずに、大丈夫ですよ。体の方が大事ですしね。こちらはいつまでも待てますので、保養につとめて下さいませ。お大事になさって下さい )
ははっ、すごいね。驚いたけどこれどうやってしたの?
( 普段は呆れて怒るものの行事の悪戯となると何故だか興味が湧いてしまい、一体どんな驚きなのだろうと密かにワクワクして待っていて。すると、ノリノリで掌の上に向け右手を上げたと同時に瞬く間に大広間の明かりが消え視界が真っ暗になり。南瓜のランプと蝙蝠の天井飾りが仄かに輝きだして綺麗なその光景に、驚いて数回瞬きをすると拍手をしつつタネ明かしが知りたく )
(/ 今晩はー。19日から風邪で寝込んで安静にしていたお陰で、やっと体調が良くなりました!これまでの様に返事を返す事が出来ます )
( 興味深そうに言う光忠を見つつもその様子に気を良くした鶴丸が“はっはっは、タネは明かさないからこそ驚きは増すのさ。と言うわけで内緒だ”とウィンクをしていて、大方蝙蝠の天井飾りに夜光塗料でも塗ってランプには電球か何かを仕込んだのだろうと思いつつ、下記を述べては菓子を渡し )
まあ、そうだろうな。下準備の労力に労って菓子は遣る。
(/ こんばんは、体の調子が戻ったのなら安心しました。返信につきましては無理はしない程度で大丈夫ですからね。では、こちらは失礼します )
嗚呼、やっぱり内緒か。どんなネタなのか気になるけど内緒なら仕方ないね。
( そう簡単にはタネを明かさないだろうと予想していた口振りでぽつり呟けば、やや眉を下げ残念そうに肩を竦めて。もう一度蝙蝠の天井飾りと南瓜のランプを身遣った後、隣の彼が鶴さんにお菓子を渡した様子に悩み始め )
…鶴さん、僕のお菓子もいる?長谷部くんと一緒に作ったから中身は同じだけど。
(/ ありがとうございます…!まだ少し咳が出る程度ですけど風邪が振り返さないように気を付けますね。了解です、こちらも失礼させて頂きます )
トピック検索 |