主* 2016-03-26 00:30:34 |
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( 必然的に彼と二人っきりになれた状況は嬉しく思う反面、何故だか少々気まずさもあって素直に喜べず。この空間だけ異様に長い沈黙が続く中で冷めない内に箸で料理を口に運ぶが、横目に相手の事が気になって皿の上に戻して手持ちの物を一旦床へ置いていき。少し身体を横に傾けて視線動かすと、先に沈黙を破るかの様に恐る恐る口を開いて )
―…あの、長谷部くん。どうしてさっきは、素っ気なく接してきたんだい?…無意識の内に僕が君を傷つけてしまったのなら謝るよ。
( 沈黙の中、箸を進めていきながらも、ふと相手の料理はいつも美味いのだが今回は気合が入っている為か特に美味いと思ってしまい、一度首を横に振っては考えを払っていき。改めて食事を進めようとしたところで、彼から問い掛けられれば眉を寄せ。少し間を置いた後に口を開いていき )
―…お前は悪くない、単に俺が自身の心の狭さに嫌気が差しているだけだ。…別にお前を盗られた訳ではないと言うのに。
( じっと視線を逸らさず相手を見つめただ返答が返って来るまで待つと、少し間を置きつつも口を開いた様なので無言で聞いていき。話の内容を思わず聞き流しそうになる程、彼の言葉が脳内で繰り返し再生されれば少々驚き。驚いた表情もほんの数秒でふっと小さな笑みに変わり、妬かれるのは恋人として嬉しい事で )
!、…ふふ。それって貞ちゃんに妬いたってことだよね?
( 改めて、妬いたと口にされれば情けないやら気恥ずかしいやらで、何とも渋めの表情をしていき。正直なところ相手が自身以外と話していて、いつも以上に嬉しそうで幸せそうだったのが気に食わなく、要するに本当に幼子の様な嫉妬をしていた訳で。やや視線を逸らしては同意をしていき )
……嗚呼、そうだ。お前があまりにも彼奴と話していて嬉しそうにしているから妬いたんだ。……否定はしない。
( そのまま肯定されれば、確かに伊達のよしみで仲の良い彼と再会を果たせた事は何より嬉しくて気持ちが舞い上がった自覚があり。しかし、これ程までに相手が彼に対してやきもちを妬いていたとは知らずに、寂しい思いをさせた事実に胸がぎゅっと締め付けられて。此処は大広間、しかも仲間が居る前で大胆に彼の両手を包み込む様にそっと握っては真っ直ぐな瞳で見つめ )
……うん、貞ちゃんと話していて嬉しかったのは事実だよ。でもそれが返って、長谷部くんに寂しい思いをさせちゃった訳だけど。―…これだけは、どうか信じて欲しい。僕は長谷部くんしか好きにならないからね。
…光忠。嗚呼、其処は大丈夫だ。俺はお前の事を信じている。
( 不意に手を握られれば、反射的に視線を戻して二人っきりの時にしか呼ばないと決めていた名で呼んでしまい。今度は確と相手の瞳を見据えると、その点に関しては信じているので頷いていって。それから矢張り如何にも罪悪感があり謝罪の言葉を零し )
本当に済まない、俺の我が儘のせいで。
うん、ありがとう。信じてくれて。
( 自身の事を信じていると本心から言ってくれたので嬉しそうにふわりと微笑み、ぎゅっと握る手に力を込めて。不意に謝罪の言葉を言う彼に対してふるふると首を振っては、声色を和らげて下記を伝えていき )
ううん、大丈夫だよ。…はい、この話は終わり。ご飯を食べよう、長谷部くん。
…分かった。せっかくの歓迎会でもあるしな。
( 相手の微笑みに心臓が微かに高鳴りつつ、一度その手を握り返しては頷いた後にそっと放していって。不意に、唖然としている者や含み笑いをしている者が見え今やっと第三者の存在に気が付けば「…!」と言葉にならない言葉を発するも気にしないように努めて食事を進めて行こうとして )
―…!?、
( ふと、相手の様子に小首を傾げるも姿勢を正す為に正面を向いて視界に映り込む仲間の反応に、こちらも漸く第三者の存在に気が付けば必然的に少し頬を染め。恥ずかしげに俯きがちになれば黙々と食事を進めて行き )
( “あっはっは!何だ君達そう言う関係だったのか!”と、にんまりとした顔で鶴丸国永が言うものだから思わず「違う、断じて違う…!」と直ぐさま否定をしていって。しかし如何にも弁明は出来なさそうな状況に溜め息を吐いては )
…済まん、燭台切。お前に迷惑を掛ける事になりそうだ。
…あっ、ううん。僕は平気だから気にしないで…!
( 何やら楽しそうな鶴さんの口にした言葉に対して、感情が顔に出やすいゆえ更に頬の赤みが増していって。だが、流石に自分達の関係を打ち明ける事が出来ず、そんな事分かっているも改めて彼に否定をされるとズキッと胸の奥が痛くなり。それを悟られぬよう慌てて口を開いていき )
そうか?…悪いな。
( やや眉尻を下げてはそう述べて、関係性を告げたいのは山々だがそれで相手に余計な気苦労を掛けてしまうのではと思っており、素直に認めろと言わんばかりの鶴丸の笑顔に表情を顰めつつも「いいか、余計な詮索はするなよ」と白い太刀に念を押していって )
ごめん、少し席を外すね。
( ちらりと壁時計を一瞥しそろそろ食後のデザートを出す頃合いなので、横にいる彼に耳打ちでそう声を掛ければ、席から立ち上がるとこちらの動きに気付いた歌仙くんと共に大広間を出て行って )
嗚呼、分かった。
( よく分からないが恐らく歌仙と共に出たと言う事は、料理に関する事なのだろうと考えていって見送っていき。もはや恋仲と決め打って馴れ初めを聞いて来る鶴丸を適当に流しつつも、目出度いなどと言われれば其処は遇らえずに感謝の言葉を零していって )
( 暫くして御盆を両手に持ちながら再び大広間に戻って来れば、その上には丹精込めて作った栗入りの水羊羹を端から順に配膳し始め。程無くして二振りの前に姿を見せると、長谷部くんの横に座れば栗羊羹を配っていき )
お待たせ。今日は栗羊羹にしてみたよ。
( それから大人しく待っていると食後の甘味を配っている二振りが目に入り、相手お手製の栗羊羹が置かれれば秋だからかと思いながらそれを受け取り黒文字を手に取っていって )
…栗羊羹か、美味そうだな。
(/大丈夫ですよ、返事に関しては気にしないで下さい。身体を休める事の方が大事ですので。そちら様のご回復を祈っております )
秋だから季節の甘味を作ろうと思って、すいーとぽてとか栗きんとんか栗羊羹かおはぎの何れにしようか迷ったけどね。
( 自身も菓子器を膝の上に置いて黒文字を手に取るなり季節感を出す為にも、秋の定番の甘味を四つ上げて経緯を話し始めるが結果的に栗羊羹になり。楊枝で一口サイズに切ると、それから彼を見ては味の感想を聞いてみて )
…どう?美味しい?
(/ 昨日より大分熱が下がったので、お返事を返しますね。ご心配をお掛けして申し訳ないです…! )
成る程、それでその中の一つの甘味にしたのか。
( 挙げられた四つの季節の甘味を脳裏に浮かべつつも何れも美味そうだと思っていて、黒文字を器用に動かすと栗羊羹を食べやすい大きさに切り分けていき。早速口に運んでは羊羹の優しい舌触りと栗の控え目な甘さに舌鼓を打って微かに笑みを零し )
嗚呼、美味い。手作りとは思えない程にな。
(/ いえ、熱が下がったのなら良かったです。安心しました )
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