主* 2016-03-26 00:30:34 |
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( 眼前の敵を斬り倒せば刀の切っ先を地面に向けると、周囲に敵が潜んでいないか戦場に視線を走らせ。ほぼ倒した様で後は敵将だけかと思いつつ、視界に長谷部くんの姿が映ればその様子を見ていて )
( 走狗の如く走り敵将の首を討ち取らんと打刀を振り被るが、機動重視の己の武器ではその硬い装甲には歯が立たず僅かに防具に罅を入れるだけで。舌打ち零しつつも敵からの反撃を身軽さを持って避ければ、この中で最も力のある太刀の一振りを呼び )
―ッチ、燭台切!援護を頼む!
( 戦闘中の様子を見ているが、矢張り敵将の持つその硬い装甲に相手の打刀ではあまり攻撃が効いておらず。このままだと彼が危ないと思って助けに行こうとした刹那、名前を呼ばれると太刀を持ち直しそちらへと駆け出して行き )
オーケー、任せてくれ。
―良いか、左右の上腕、右の側腹部に傷を付けた。多少は脆くなっている筈だ。
( 直ぐさま地面を蹴り後退すれば、駆け寄って来た相手の隣に立ちざっくりと要点のみを伝えていき。彼の鈍く光る太刀を一瞥した後、下記を述べて再びこの足を動かして敵将へと走り出して行き )
俺が囮になる。その間にそこを狙えよ。
( 自身の隣に立つ相手の方を見て要点のみを聞かされれば、ちらりと敵のその箇所だけ一瞥していき。一つ頷いて下記を述べると敵将が彼に気を取られている隙に、己はその背後に回る為に走り出して行って )
うん、分かったよ。
( 視界が悪い中でも怪しく光る敵将の双眸を睨めば、わざと捉えられる位置に飛び出て打刀を構え。空を鈍く斬る重々しい音と共に振り下ろされた相手の得物を表面を滑らす様に受け流すと、泥濘に足を取られない内に横へと飛ぶが、囮役ゆえ敵将の間合いから離れず第二波に備え。再度振り上げられた得物の軌道を読もうとしつつも、視界の端に光忠が映れば確信を持てた為にニヤリと口角を上げ )
( 敵将の背後に回れる事が出来れば太刀を構え、長谷部くんに言われた通り左右の上腕に狙いを定めると上手い具合に相手が囮役の彼に視線を集中させており。今がチャンスとばかりに打撃力の高い己の武器を左の上腕に目掛けて振り下ろせば、容赦無く斬り落とし )
( 得物を握る敵の左腕が斬り落とされた瞬間と共に、武器を拾われてしまわぬよう足癖悪くそれを蹴っ飛ばし遠ざけ。この刀が肉を通らないのなら骨へと鈍い衝撃を与えてやろうと切っ先をひっくり返しては、両手で思いっきり柄の部分で敵の鳩尾を叩いて動きを鈍らせて。とどめをと言わんばかりに相手に目配せをし )
( 良い連携で地面に落ちた武器を遠ざけてくれた後、骨へと鈍い衝撃を与えた事で動きを鈍らせ弱った敵を見据え。視界の端に相手が映ればそれが合図と共に、止めを刺す為に柄を握る手に力を込めて思いっきり右の側腹部へ会心の一撃を食らわせ )
―燭台切、よくやった。主もきっとお前の活躍を悦ばしく思う。
( 肉と骨を断つ生々しくも馴染みのある音が響いたと同時に、眼前の敵将が倒れ霧散するのを見届ければ打刀に着いた血をピッと振り払い、流れる様な手付きで刃を鞘へと納めていって。その後、相手に向き直ると部隊長のへし切長谷部として上記の言葉を告げていって。それからふと、敵将が息絶えた場所に見慣れぬ短刀が落ちている事に気付けば、それを手に取り確認すると和らげな笑みを微かに零して。その短刀を彼の胸元に突き出し、小声ながらも今度は只のへし切長谷部として言葉を紡いで )
…それと、太鼓鐘貞宗だ。良かったな、光忠。
ありがとう。…でも最後の敵将を倒せたのも皆の協力があってこそだよ。
( こちらも眼前の敵将が倒れて消滅したのを見届けふぅと安堵からか息をつくと、太刀に付着した血を振り払えば同じく流れる様な手付きで刃を鞘へと納めていき。その後に告げられた言葉に、自身も相手の方へと視線向けてお礼を言うものの謙遜染みた返事を返して。戦闘が終了した為に仲間達がこちらに集まって来たとほぼ同時に、彼から己の胸元に突き出された短刀を見て大切に受け取るなり、パアッと表情を明るくし満面の笑みを湛えると思わずはしゃいでしまい )
―っ、貞ちゃん…!貞ちゃんだ!!ねぇねぇ、見て伽羅ちゃん鶴さん。貞ちゃんだよ!これは夢じゃないよね…!?
( 光忠の嬉々とした声を聞いて、珍しく大倶利伽羅が自ら近寄って来て“…嗚呼、夢じゃない。間違いなく貞だ。”と平生ながらも手中の短刀を見れば、何処と無く嬉しげな声色で言っていたので何だか微笑ましく感じてしまい、こちらは黙って見守っていて )
( 自分と伽羅ちゃんの声で鶴さんも近寄って来て、同じく手中の短刀をじっと見てはうんうんと頷きつつ“良かったな。光坊、伽羅坊”と柔和な笑みを零していて。そして、突然くしゃくしゃと撫で回す様に自分と伽羅ちゃんの頭を撫でるので、嬉しげに益々笑みが深まって )
うんっ、また貞ちゃんに会えるんだ。嬉しいなぁ、早く会いたいよ!
( 止めろと言いたげな表情をしているが、実際には手を払っていない辺り厭ではないのだろうと頭を撫でられている大倶利伽羅を一瞥した後は、敵将を倒した事により現れた帰還ゲートを見て全員に声を掛けていき )
―…対象は殲滅、未顕現だった短刀は無事に保護。さて、長居は無用だ。主へと朗報を届けるため早急に帰還するぞ。
( 貞ちゃんを無事に保護出来た事で此処が戦場とは言え、浮かれ気分になっていた事実に内心苦笑しつつも、長谷部くんの声でキリッと表情を切り替えてそう返事を返していき )
そうだね。皆も疲れてるし本丸に帰ろうか。
( そうして、帰還ゲートを潜り抜け本丸へと帰って来れば部隊の全員を見回して指示を出すと、軽く相手を手招いて執務室に行こうとし )
…何事も無く帰還した訳だが、怪我をした者は手入れ部屋に行ってくれ。俺は主に出陣の成果を報告して来る。―…それと燭台切、その短刀を持ってお前も付いて来い。今回の誉はお前だからな。
( 何事も無く本丸へと帰還しては隊長として全員に指示を出す彼を見るも、自身に声を掛けると共に軽く手招きされて他の皆と別れその後を付いて歩き )
うん、分かったよ。…じゃあ、また後でね。
主、この度の戦果を報告致します。進軍は―。
( 執務室の前に来ると主へと声を掛けて一礼してから中へと入り、先ずは先の戦いの報告をしていって。それを終えれば戦果を聞いた主は光忠の活躍を褒めており、恋人として彼が褒められるのは嬉しい為に、特段ヤキモキせず二人の会話を大人しく聞いていき )
ありがとう、嬉しいよ。…あのね、主くん。
( 執務室の前で乱れた髪をサッと整えると自身も室内へと入り、相手の隣に正座しては主くんに己の活躍を褒められ嬉しそうに目尻を下げてお礼を告げ。今度は朗報を届ける番ゆえ話を続ける様に口を開くと、笑顔で短刀を差し出せば )
実は君に朗報があるんだ。それはね、貞ちゃんがどろっぷしたんだよ。この短刀がそう。
( 主は差し出された短刀を見た後、表情を緩めては感謝の言葉を述べており。それから丁寧な手付きでそっと短刀を受け取れば、新しい仲間を迎え入れようと言わんばかりに笑みを零すと短刀へと霊力を込めていって。一瞬の閃光の後、現れたのは青髪の少年。開口一番、“待たせたなぁー皆の衆!へへへ。なーんてね。俺が噂の貞ちゃんだ!”と、少年はニッと快活な笑みを浮かべおり随分と派手な自己紹介をしていて )
―俺はへし切長谷部と言う。まあ一つ宜しく頼む。
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