主* 2016-03-26 00:30:34 |
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そうか?あまり大した事は言ってないが。
( だがこちらの言葉に顔を明るくする相手を見ると、胸の内では気分が良くなりウッカリ口元が綻びそうになっていって。しかし、すんでの所で硬く結び直していき。不意に話す場所を変えようと提案して来た相手に「お前の部屋でか?嗚呼、分かった」と、水羊羹を崩さぬように持ってちゃんと彼の後を追って付いて行き )
君がそう思っても、僕にとっては嬉しい事なんだよ。
( 己の隣を並んで歩く彼の方に顔を向けて料理やお菓子を作る者としては味の持ち味、出来栄え等の感想を貰える事は今後に役立てて参考になる為、柔らかな表情になって心情を伝え。少し歩いた所で部屋の前までやって来れば、おぼんから片手を離すと襖開けて先に入るよう促して )
そう言う物なのか。──部屋に邪魔するぞ。( 作り手の気持ちは分からない為そう言われてもしっくりは来なかったが、相手にとって嬉しい事だと言われるのは悪い気はせず。そして一つ断りを入れて、促されるままに部屋へと入れば中は相手の性格らしく整理整頓のされている所だと内装を見ていき )
そんなにじろじろ見ても何も無いよ?
( 彼の後に部屋へと入り後ろ手で襖を閉め、座卓の上におぼんを置いてその場に正座する形で座り。急須から湯呑みに茶を注ぎ入れてコトンと音を立てて彼が座るであろう場所に置き、ふと其方を見ると余り物はそれほどなくそう述べて )
ああ、済まん。ついな。
( やはり想い人の部屋ゆえ気になってしまっていて。この様な事をするなど柄では無かったなと思いつつも、軽く謝罪を入れて誤魔化すように言えば湯呑みが置かれた場所へと座っていき。座卓に水羊羹を置いて淹れられたお茶を見れば「茶まで悪いな。感謝する」と述べていき )
大丈夫だよ。
( 定期的に部屋の整理は怠らず物を散らかす行為などしないが、こうやって誰かを自室に招き入れたのは目の前の想い人である彼が初めてに加え二人きりの現状に心が浮き立っており。甘味と言えばお茶が必要なので彼の言葉に「どういたしまして。水羊羹、食べてみてくれる?」と感想が欲しいのかそう仕向けて )
では、頂こうか。
( 促されるままに水羊羹の横に付けられていた菓子楊枝を手に持てば、瑞々しいそれを一口サイズに切っていき。一つ口に運べばその滑らかな舌触りでクドくない甘さの水羊羹に「!…美味いな。あまり上手くは言えないが…甘さが控えめで食べ易い。それとお茶に良く合う」と、思わず少し口元を緩めては饒舌に感想を伝えていって )
口に合ったみたいで良かった…!
( 菓子楊枝を手に持って一口サイズに切った水羊羹を口に運んでいく瞬間を内心ドキドキした面持ちでじっと見詰め。仲間の皆には好評だったが彼の口に合うか正直少し不安ではあったものの、その気持ちを打ち消す様な感想と表情に嬉しさを表すかの如くぶわっと桜の花弁が舞っていって )
ああ、個人的には好みの味だ。
( どうやら美味い物を食べると気まで緩むらしく、ハッと気付いた時には既に言葉の数々を言い終えた所で、相手が桜の花弁を舞わせているのが見え。しかしその姿を見れば偶には素直に言うのも良いかと思い直しては、手元の水羊羹を食べ進めていき )
ふふ、作った甲斐があったよ。また作ってあげるね!
( 手作りの水羊羹が想い人にも好評な様で好みの味だと言われると嬉しげに笑えば、今度はこっそりと彼の分だけ作ろうと思いながら言葉にして述べていき。菓子器に乗せた残りの水羊羹を美味しそうに食べていく姿、両手で頬杖をついて眺めていて )
なら、期待はしておこうか。
( こうも食べている姿を見られるのは落ち着かないと思ったものの、また作ると言ってくれた為に内心は嬉しく愛想の無い言葉だがそう返していき。やがて綺麗に完食をすれば「ご馳走様、美味かった」と皿をお盆の上に乗せてはお茶を飲み。心なしかホッとして肩の力を抜いていて )
うん、任せて。大好きな長谷部くんの為なら、幾らでも作るから!!
( さっきまで頬杖をついていた姿勢を正して愛想の無い言葉でも、期待の単語で楽しみにしている事が分かると両手で拳を作ってサラッと恥ずかしげもなく"好き"だと告げていき。綺麗に完食をしてくれた菓子器に目線を向け、目尻下げつつ頭の中ではおやつの事を気が早いにも関わらず考えていて )
っ。だ、大好きは余計だろう…!?全く、変な言葉を使うな…!
( 恐らく友情的な意味なのだろうが相手のストレートな言葉に、流石に思わず飲んでいたお茶を零しそうになり。不覚にも僅かに顔を赤くして金魚のように口を開閉したが、誤魔化すようにお茶を一気に飲めばダンッと音を立ててお盆へと置いて。照れ隠しで眉を顰めては、その言葉を使用するなと強く言い )
──余計なんかじゃ無い。僕は長谷部くんの事が好きなんだ。
( ストレートな言葉で想いをぶつけてみたものの、恐らく友情的な意味合いと捉えたのだと薄々分かっていた事だが軽くショックを受けるも諦める訳には行かず。ダンッと叩くように置かれた音に少し吃驚したが彼の言葉を気にせず、真剣な眼差しで見詰めればもう一度想いを伝える為告白して )
…っ。燭台切、だから誤解を招く様な発言は──。
( 相手の言葉を正そうと思ったものの、その真剣な眼差しを見てしまえば言葉に詰まり。嘘でも冗談でも無いことは分かったが、しかし本当は嬉しいはずなのに頷く事は出来ず。“俺もお前の事が好きだ”と告げたかったものの自分達は刀だ、この感情を秘めておくだけではなく、表に出しても良いのかと少し躊躇い「…済まない。少し気持ちを整理させてくれないか…?」と申し訳無さそうに呟き )
(/後日改まって、長谷部から告白したいと思いますが大丈夫でしょうか…?もし萎えになってしまっていたら済みません…)
…うん、分かった。いきなりでごめんね、返事はいつでもいいから。
( 告白した後で何の根拠も無いが断れるんじゃないかと胸の内で思っていたものの、己の真剣さが伝わったと同時に彼を他の仲間にとられる前にこうして面と向かって言えた事に後悔はなく。返事の催促をするつもりはなく、彼にだって思う所があるだろうと二つ返事で言えば今思うと急な告白の仕方に眉を下げて微笑し言葉を紡ぎ )
(/ 全然大丈夫です!…となると、一旦一人の時間を作りますか?それとも翌日まで飛ばしますか? )
謝るな、少なくとも迷惑ではないんだ…。…ああ、返事をする時は改めてお前に声を掛ける。
( 謝られれば慌てて嫌だとか迷惑ではない事だけは伝えていき。とにかく少々混乱しているので、頭を冷やす為にも一度立ち上がっては「…済まん、外の風を浴びて来る」と部屋から出て行こうとしていき )
(/ありがとうございます…!はい、一旦一人の時間を頂ければと。因みにそれで時間を飛ばして一回出陣して燭台切がそれで怪我をした為に、改めて長谷部も腹を括ってその流れから告白と言う展開を考えているのですが如何でしょうか?)
そっか。…分かった。
( 本心からの言葉だと感じ取ると、少しばかり安心した様な穏やかな表情を浮かべ。今は一人の時間が必要だと引き止める事もせず、襖の前に居る彼を見据えて一言だけ呟けば見送ろうとして )
(/ その展開すごく良いです、シリアスが好きなので尚更…! ではあなた様からの返事をいただき次第、出陣で怪我を負った燭台切が本丸に帰還した所から返しますね! )
……失礼する。
( そう言って燭台切の部屋を出て、人気の無い廊下まで来れば壁に寄り掛かってその場にズルズルと力無く座り込み。額に手を当てては「…刀が恋、か」と自虐的に呟いて。しかしそれでも相手の事が好きな事実は変わりなく、只それを常識のしがらみに捕らわれて面と向かって言えない自身に溜め息を吐きながら、思考を巡らせて延々と先程の事を考えていき )
(/了解です、その際は日付飛ばして頂いて大丈夫です!ではでは他に何か無ければ蹴って頂ければと。)
( 翌日。毎日の様に身嗜みを整えて最後に眼帯を付けては大広間で仲間達と朝餉を共にした後、審神者の主命で出陣命令が下ると本心は彼とじゃなきゃ嫌だったがそれを隠したまま第一部隊と共に戦場へと赴いて行き。すると、暫くして検非違使と遭遇したと思わせる中傷と軽傷を負った姿のまま第一部隊が本丸へと帰還してくればその中でも己だけ怪我が酷く、仲間に心配されながらも手入部屋に向かいつつポツリと声を漏らし )
──こんな姿、長谷部くんに見られたくないな…。
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