背後 2016-03-14 16:37:42 |
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まあ、彼奴の楽しみは潰してやりたく無えしな。
(何よりも好きな酒をやめろと言えばいくら大人しい彼でもどうなるか分からない上にストレスまで溜まってしまうだろうと考え、更にライブや番組に支障をきたしているわけでも無いので此方が止めるように指図する義理はなく。絶対にアルコール絡みのCMや番組は避けさせようと心の中で決意すれば此方ももう一方のコップ手に取り。"引きずり出すも何も、事実だろ?"差別をしたつもりでも身分を弁えろというつもりで言ったわけでも無いので其処はあまり気にしていなかったようで。手に取ったコップ口許へ運んだ所で甘い香りが鼻をつけば不審に思い中の液体を見遣り。其れは梅酒にも似たような色をしているものの香りは明らかに林檎の其れで。慌てて相手のコップの中身見遣れば呼び止めて。)
--おい、天!ちょっと待て、それ飲むな...!
そうだね。案外酒でストレス発散してるのかも。
(あの性格では苦労することも多いのだろうし、本人はそれでスキャンダルを起こしたり二日酔いを引き摺ったりしている訳でもないので基本的には咎めないというスタンスを自分も変えるつもりはなく。クイとコップを手に持ち一口煽った瞬間少々遅れて相手の制止の声が聞こえたものの喉が渇いていたのでかなりの勢いで三口ほど飲んでしまいほぼコップの一杯目は空になっており。口に広がる味が林檎ジュースのそれではなく爽やかな梅の風味とアルコールのそれであったので間違えて飲んでしまったことは直ぐに分かり即座に怪訝そうに眉を顰めてコップをテーブルに置き)
…間違えた。
…大丈夫か?一応水持ってくる
(まさかコップの中身を間違えたまま相手がその中身を飲み干すとは考えてもいなかったのでどうすれば良いかと少々戸惑いつつも取り敢えず水を飲ませれば大丈夫だろうかと思い立ち上がってはキッチンへと向かい一杯の水を運んできては相手の傍へと腰下ろし顔を覗き込んで酔いが回っていないかと確認して。)
……。
(自分でもここまで初歩的なミスをするとは思っておらず口元を押さえて呆然としていたがアルコールの影響なのか次第に体が熱くなってきて心なしか頭もぼんやりとしてきて。水を取ってきたのか隣に戻って此方の顔を覗き込んできた相手の顔を見ればふと笑ってぐいとその腕を掴み引き寄せると相手の背中に手を回し普段とは打って変わって優しい穏やかな声音で相手の名前を呼び)
…楽。
--…天?御前、酔ってんだろ…
(想像もしていなかった相手の行動に一瞬驚くもアルコールに耐性のない身体に酔いが回ったのだろうと考えれば一つ息を吐いて。いつも誰にも甘えない分酔うと溜めてきた其れが一気に出るタイプなのだろうと勝手に想像すれば相手の腕からどう逃れようかと思考巡らせて暫しそのままの体勢で居て。)
酔ってないよ、酔ってない。
(確かに若干気分が良く頭がぼんやりとして意識がふわふわと揺蕩うようで心地が良いが決して酔っているわけではないと言い張り。そのままの体制を取っている相手に満足したのか更に強く相手の体を抱き締めるとじっとその色素の薄い瞳を見つめて静かに口を開き)
楽、好きだよ。大好き。
だから、余り他の女の子とかと連絡とかすると、僕妬くからね。
酔ってる奴は大体そう言うんだよ
(再びはふりと溜息吐いて。己を抱き締める相手の腕力強まれば今度は何だと視線帥の方へと向け。あどけなさの残る少年の様な瞳に吸い込まれる様に見詰め返してはその次に帥から発せられた言葉耳にすれば目を見開き。一瞬何を言っているのだろうかと静止するもきっと酔いによる誂いやいつもの冗談だろうと推測し。)
...御前酔いすぎだろ。それも冗談か何かか?
(驚く相手の顔が視界に入り、然しそれでも尚相手の口から発されるのは自分の言葉を信じていない言葉であり、むっとして相手の腕を強く引くとその唇に噛みつくように強引に口づけをして。至近距離から相手の双眸を見据えれば真剣な表情で言葉を紡いでいき)
冗談なんかじゃないんだけど。
これでも嘘だって、冗談だって思える?
僕だってずっと色々隠して来てたんだけど、もう限界。
(状況が飲み込めずに居ると唐突に唇へと感触が当たればそのまま帥の瞳見詰めていて。相手の言葉に徐々に思考が追いついていけば表情隠す様に隻手で口許覆えば顔背けて。其の顔は僅かに熱を帯び紅が差していて普段の余裕そうな表情とは正反対で余裕は全く無いであろう表情で。)
--...後々血迷った、とか言い訳言っても聞かねえからな。
(目の前の相手の白い肌は熱で赤らんでいるのがわかりやすく満足げに其れを見遣ると相手の口から発された言葉に口元緩めもう一度軽く触れるだけの口付けを落とし。愛おしそうにその細く細やかな白銀の髪に触れると相手の髪を優しく手で梳き肩口に自分の頭を預けてその背中に手を回し穏やかな手付きでぽんぽんと軽く叩いて)
言わないよ。ずっと思ってた本当の事だもの。
…ねえ、だから僕だけの物になって、楽。
...周りにバレてもしらねえぞ?
(こんなにも穏やかに接されたのは初めてのことで戸惑いが隠せずに居るもその手付きに自然と落ち着いてきたのかそっと己の腕相手の背中へと回し緩く抱き締め返してみれば照れ臭そうに目を逸らし。"--天、"ぽつりと相手の名を紡いでは逸らしていた視線再び相手の方へと戻し見詰めては。)
上手くやるに決まってるでしょ。
僕を誰だと思ってるの?
(酒が入っているせいなのかいつもよりやや上機嫌な表情でそう言うと、その言葉を肯定と受け取り相手が自分の物になったという長年の悲願の達成に心から震え上がる様な喜びを感じて。男同士だなんて気味悪がられたらどうしようだとか世間体だとかその様な箍が酒によって解放されてしまった訳であるが、それは結果的に上手く行った様で。自分の名前を呼ぶ相手の声に満悦といった風に目を細めると此方も相手の名前を呼び)
…楽。愛してるよ。誰よりも。
ふは、そうだったな。
--...御前のその言葉が俺に向かって言われる事になるなんて思ってもみなかったけどな。
(自分に元々其の気が合ったわけでは無いが相手の九条天という人物は一概に男と言っても男らしいというよりも少年の様に美しい、または可愛らしいという言葉のほうが似合うとされていて。其れは強ち間違っていないと自分でも思っていたため勢いだけでなくどこか以前から自分も相手に惹かれていたのかもしれないという想いがこみ上げてきて。然しながら未だ夢を見ている様な心地の為とこのままでは同情で受け入れたと勘違いされる事を防ぐ為に相手の頬に手添えれば己からゆっくりと優しく唇を重ねていき。何度か角度変えた後最後にリップ音鳴らして唇離せば。)
本当はずっと前から、伝えたかった。
(冗談でもその場限りの勢いでもなくずっと相手を思い続けてきたことを吐露すれば不意に頰に相手の手が触れ、彼からの口付けを受け。何度も何度も繰り返されるそれは相手が同情だけで自分の言葉を受け入れたのだという可能性を否定してくれているようで嬉しそうに少し目を細めると相手の体を抱き寄せその頭を優しく引き寄せて胸元に軽く押し付けて。抱き締めているのは此方なのにどうしても体格差で抱き締められているような形になってしまうのは何と無く気に食わなくて耳を食むように口付けを落として)
でも僕達、男同士だし、スキャンダルになったら困るし、そういう柵があるでしょ。
だから君に言うのを躊躇って伝えるのがこんなに遅くなっちゃった。
僕も大概弱虫だよね。
簡単に言える奴何て居ねえよ。…ありがとな。その…言ってくれて。
(すっぽりと相手の腕の中に収まる、というよりは自分の腕の中に相手が収まる様な形になってしまい其れに何処か可笑しそうに小さく笑み零して。耳を食む様な口付けには擽ったそうに身震わせて。其の体勢が落ち着くのか離れたくないと云う想いの表れなのか相手の服を握ると己の頭相手に擦り付け。)
…楽。
(幾ら喧嘩をしても自分とは違い直ぐに素直に謝ったり、年下だと見下すこと無く礼を言ってくれたりとそんな実直な相手の人柄に惹かれた部分が多くあり。今もまたそんな相手の素直な言葉に安堵し、助けられた部分が多くあり、ふと口元緩め穏やかな声音で相手の名を呼ぶと子供のように服を握り頭を擦り寄せる相手が酷く愛おしく思えてその頭を優しく何度も撫でてやり)
此方こそありがとう、こんな僕を、受け入れてくれて。
...天、"こんな"何て言うなよ。
(自分は身長が低い方ではなく、寧ろ高い方の為あまり撫でられる事は無くその感覚が新鮮な事もあるが今撫でられている相手の腕の中が落ち着き心地良く感じ普段は見せることのない様な安心しきった表情で撫で受けていて。相手の発した言葉に反応すれば前記告げて、今度は己の腕の中へと相手の体収めれば少し強めに抱き締めて遣り。)
…っ、楽…。
(安心しきったような表情の相手を見ていれば本当に心を許してもらった様な心地がして口元緩めれば嬉しそうな表情をして相手を見つめ。その相手の言葉に少し驚き目を丸くし、いつの間にか相手の腕の中へとすっぽりと収まり抱きしめるその力と体温を感じていれば思わずぽろりと出てしまった卑下の言葉も聞き逃さず相手が咎めてくれた事がやはり嬉しくて)
───…うん。ごめん。
…楽とくっ付いてると、あったかい。
別に謝れって言ってる訳じゃ無えよ。
--ふは、ならこのまま居るか?
(驚いた表情の帥見ては小さく微笑み浮かべ。相手の髪に指通し梳かす様に撫で乍"酔い、回って無えか?"耐性のない身体に入り込んだ為アルコールが回っていないかと少々心配になれば問い掛けてみて。もし酔っているのなら己の家に泊めた方が良いだろうかと考えつつ、撫でる手は止めずにそう告げれば。)
だから、酔って無いってば。
ちょっと間違えて飲んじゃっただけだし。
ていうか、お酒って其処まで美味しくないね。
(頭を撫でられながら再び酔いの心配をされれば少し不服げに頬を膨らませ突っぱねる様にそう答え。気分がよく頭が少しふわふわと浮いているような感覚はあるもののそれは相手にこの思いを受け入れてもらえたのが嬉しいから浮かれているのだろうと思っており。しかしながら泊めてくれるという相手の申し出は嬉しく、丁度龍は来ない訳であるし是非ともそうしてもらおうと考え一つ頷き)
…でも、まぁ、うん。楽が泊めてくれるって言うならそうさせてもらおうかな。
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