鶴と月の部屋。(非募)

君がそれでいいなら繋いでおくぜ（きっと今彼はいろいろと楽しみで仕方ないのだろうとこちらが何故か楽しみにしていて手を差し出し）

はは、宜しく頼むぞ(嬉しそうに笑い、走ってしまいたくなる衝動を抑えながら相手の差し出された手にそっと己の手を重ね)

ああ、任せてくれよ。最高の驚きを君に（そう言い微笑むと重ねられた手をはぐれない様にと握れば門へと向かい歩き出し）

……鶴、鶴や(今ではもうすっかり真上にある太陽の光を浴びながら手を繋ぐとそのまま相手に引かれながらどこか言い出しにくそうにするも声をかけて)

うん？どうかしたかい？（声を掛けられると何か忘れ物でもしたのだろうかとは振り返りつつ首を傾げて）

…もう昼だろう？……腹が減った(人の身体を得たからには必然的に腹が減るわけで眉を下げ申し訳なさそうにするも相変わらず笑ったままで)

うーん、そうだな。もう昼餉の時間だし定食屋にでも行くかい？それとも現代っ子がよく食べるハンバーガーというのもあるぜ（外にせっかく出ているのだからたまには贅沢をしたっていいだろう、近くにある二つの店を挙げそう言い）

んん…鶴の好きな方で構わないのだが…(そう上記を述べながらも相手に丸投げするのは良くないだろうと思い少し考えると｢はんばーがーとやらが食べたい｣と聞き慣れない単語を使い相手に訴え)

了解、ハンバーガーだな。（こくりと頷きそう言うとハンバーガーショップへと入っていき店員にセットを二つ頼み暫くして受け取ると席へと向かって）

…鶴はこの｢はんばーがー｣を食べたことがあるのだろう？(自分とは違い外の世界に慣れている相手を横目で見やりながらふと疑問に思ったことを問いかけて、ゆっくりと席に座り)

ん、まぁな。って言っても一度だぜ？そりゃ食べるのが大変でさ…まぁほら、君も食べなよ。（このハンバーガーはどうしても食べづらい様で一度しかまだ食べておらず久しぶりだなと思いつつセットを彼の目の前へと置き）

うむ。しかし俺も食べれるだろうか…？(相手の話を聞く限りでは食べるのが難しいというそれを見つめると首を傾げ、しかし黙っていては始まらないと紙に包まれたハンバーガーを持つとゆっくりと紙を広げ一口齧り)

どうだい、味の方は（頬杖をつきつつ初めてのハンバーガーを食べる彼を見ては自分もこうだったのだろうか、なんと初々しいものか。と思いつつ首を傾げ問い）

うん…美味いぞ(初めて味わう味に目を輝かせるとこくこくと頷くと手をソースで汚していることにも気付かず小さな口を開きながらハンバーガーに齧り付き)

はは、そりゃ良かった。…ほら、手汚れてるぜ（美味そうに食べる姿を見ているとこちらも嬉しいもので微笑みつつ手拭きを渡すと自分も食べ始めて）

…鶴の言うとおり、これは食べるのが難しいな(幼子のようにころころと表情を変え、一旦ハンバーガーをトレーに置き手を拭くとまたそれを食べ始め相手が食べるのを見ると一度飲み込み｢美味いか、鶴？｣と聞かずにはいられないようで)

ああ、やっぱ難しいな。でもまぁ…美味いぜ（やはり食べるのは難しく手についたソースを舐めつつこくりと頷くとそう言って）

ははは、よきかな。鶴が喜ぶなら何よりだ(自分から連れ出してもらっているのに何故か上記のように述べハンバーガーを食べ終えると丁寧に挨拶代わりに手を合わせ)

ごちそうさま（しばらくしてやっと食べ終えると手を合わせそう言うと｢さて…腹ごしらえはできたし次はどこに行こうか？｣と問い）

…そうだなぁ、……買い物がしたい。俺は金を持っていないから見るだけになるが(外に出るとは思っていなかったので金銭は持ち歩いておらず、しかし特に欲しいものは無かったのでそう上記を述べ)