匿名さん 2016-03-08 23:27:05 |
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(初めて食べた蕎麦なのにやっぱり何処か懐かしい味がすると思いながらも、柔らかい鴨肉と手打ちの蕎麦は美味しい事に変わりは無いので舌鼓を打っていれば、蕎麦を食べて微かに頰を緩めている長谷部くんが視界に映ったので、その様子をバレ無い様に微笑ましく見ながらいつかそんな柔い表情を自身にも向けてくれるかなぁ、なんて高望みを考えながらも、黙々と鴨南蛮蕎麦を食べ進めていき。)
はぁ…美味かったな。ご馳走様。
(繁盛しているのか、自身たちが無言で食べていても周りの話し声であまり気にならずその事に感謝して。本丸の料理も文句無く美味しいが、こうして外で食べるのも良いものだと、食べ終えた器を卓上に置き、汚れた口元紙で拭い。漸く息深く吐き出すと両手を合わせ食事後の挨拶をして。)
うん、美味しかったぁ。ご馳走様。
(同じく満足気に息をついては食後の挨拶をして、箸を置くとお冷を飲んでいき。_暫く、店内で落ち着いていればそろそろ出ようかと思い机端の小物に入れられていた会計表を取ると長谷部くんに視線で促して、それぞれのお昼の会計を済ませていき。本当は此処は格好良く奢りたかったのだが、そう言う訳にもいかずに断念。_そして、後ろがつっかえる前に暖簾を潜って店内から出て行こうとしていき。)
(店主に支払い済ませ、ご馳走様と礼を言うと店出ようと歩き出し。入り口に佇む相手に首傾げながら邪魔にならない様にその背を軽く押し店先出て。天高く真上にある太陽見上げ時刻把握すれば、本丸から出てまだあまり時間も立ってないと分かるが、特に行きたい所自身には無く。隣の相手見つめ「さて、行きたい所は他にあるか?適当に街を回って帰るか?」と提案投げかけ)
(ふと、次の行き先を考えていた為に少々入り口前で立ち止まってしまっていたら、長谷部くんが背中を押してくれたので申し訳ないと思いつつ店先から出て行き。その後に、おもむろに同じ様な事を考えていた相手からその様な事を聞かれれば、再び思考の渦に陥りかけたが、不意に炊事の為に自身の包丁と包丁の研ぎ石が欲しいなと思って口を開き。「…そうだね。たぶん此れから僕は炊事を任を受ける事が多くなると思うから、包丁と包丁を研ぐ為の道具を買っておきたいんだ。だから調理器具のお店に行きたいんだけど良いかい?」と、それが売っているお店に行くことを提案していって。)
そうか、なら金物屋か。…俺より歌仙の方が良い店を知ってると思うが、ついて来い。(相手の要望聞き入れれば、町外れに金物屋があった事思い出し。一振り目の彼も料理を得意としており、調理道具などを良く主に強請っていたが、二振り目の彼も既に食事係の命を受けたのか最初の外出でまさか自身専用の包丁を欲しがるとは予想しておらず。他の本丸でも燭台切光忠とは料理好きなのだろうかと考えながら道案内すべく先を歩き始め)
あっ、悪いね。ありがとう、助かるよ。
(そう笑い掛けては後を付いて行き。一応本丸内の厨で包丁を見た事はあるのだが、歌仙くんから“今は誰も使ってない”と言って渡された其れは如何にもしっくり来ず。いや、手には馴染んだものの何だか自分が使ってはいけない妙な感覚がして。結局、其れは歌仙くんに返してしまったのだがあの時の彼は何処かガッカリした様な、逆にやっぱりと腑に落ちていた様な、そんな複雑な感情を苦笑の裏に隠していた気がする。何となく嫌な予感がしたが、まあ杞憂だろうと思いつつも長谷部くんの背中を追って行き。)
此処だ。
(先程の蕎麦屋や万屋よりも奥まった所に建った金物屋見えてくれば指差し示して。店先にずらり並ぶ銅や陶器で作られた小物や、風に吹かれカラカラ音立てる風鈴一瞥しつつ店内に躊躇わず入っていき。店先と変わらず小物が溢れかえった店内見て回れば予想以上の物の多さに辟易とし、店主に「包丁が見たいんだが。」と一言告げ、刃物が並んだ一角案内してもらい。)
へぇ、此処が金物屋か。…凄いな、色んな種類の包丁が置いてあるんだね。
(暫くして金物屋へと来れば、案内されるままに包丁のみが置かれた場所へと辿り着いて。料理を嗜む者としては非常に心が踊る光景なので、嬉々としながら感嘆の息をついて包丁の入った木箱を手に取っていき。何個か見ていけば不意にある包丁に惹かれて手が止まり、其れをジッと見ていって。歌仙くんが渡してくれた包丁とは違かったので何となく安心したが、徐に木箱の裏を見てみれば包丁の作り手が同じ人だったので「……偶然、だよね?」と独り言を呟いて訝しむが、薄気味悪いと思ってしまい。しかし、見えない何かに取り憑かれている訳でもあるまいしと苦笑を零せば、結局はその包丁が一番良かったので其の木箱を持ったまま長谷部くんの方を向き直り。)
うーん…、よし。僕はこの包丁を買って来るよ。
ああ。…浮かない顔だが、どうかしたのか?(数ある包丁嬉々として吟味している様子横目に、自身は余り炊事に関わらない為興味無さ気に店内の棚見渡し。ふと決めたのか相手が一つの木箱携え近づいてくる様子に、内心早く買って来いと言いたかったが、何やら妙な様子の相手に首傾げ。気に入りの包丁が無かったのかと眉潜めながら彼の木箱見つめて)
…ん?いや、何でも無いよ。大丈夫。
(首を傾げる相手に眉を下げた笑みを浮かべつつも、正直自身でもこの包丁の件は薄気味悪く怖いと思っているので、詳しくは言わずに心の中で偶然と言う言葉で暈してはそう自身で片付けていき。それにこんな事を言っても長谷部くんを困らせてしまうだけなので何とも無しに笑顔で誤魔化しては、包丁を買おうと会計の方へと行こうとしていき。)
じゃあ、買って来るね。
ん?…嗚呼、分かった。俺は店先で待っている。
(何処か違和感かじる相手の笑みを見れば矢張り気に入らなかったのかと内心考えながらも、此方がとやかく言うことでは無いと突っ込まず。彼が会計に向かう間、特に自身は買うものもなく付き添いだった為店を出て入口脇の邪魔にならないところに避難して。涼しげに音色聞かせてくる風鈴の音色耳傾けそっと瞳閉じて)
(相手の配慮に感謝しつつ会計へと向かって包丁を買っていき。_ふと、その際に店員さんに親しげに“久し振り”と言われて“元気だった?”と問われてしまい。まるで身に覚えがなかったので、薄っすらと汗を浮かべつつ困った様に頰を掻いては眉を下げて笑み。「…えっと、ごめんね。たぶん他の本丸の燭台切光忠と間違えていると思うよ」と、そちらの可能性の方が高いのでそう言っていき。店員さんは“けど、あの男の人と一緒に居たからてっきり…”と恐らく長谷部くんの事を指しつつ訝しげに首を傾げていたが、渋々ながらも納得してくれたようで無事に会計を済ませていき。店の外に出れば、風鈴の音が聞こえてその近くで長谷部くんが瞳を閉じていた為に絵になるなぁと思っては、これが歌仙くんの言っていた“雅”と言うものかと独り合点しては彼に近付き。)
待たせたね、長谷部くん。…風鈴の音を聞いていたのかい?
嗚呼、…風鈴の音は好きだな。其れより無事に買えたんだろう?
(此方に近づく足音にそっと瞼上げ藤色の瞳で相手見詰めると淡々と質問に答え軽く頷いて。先程まで躊躇いがちではあったが、選んだ包丁を購入したのか気になり問い掛けるも、彼の小脇に木箱を包んだ風呂敷見つければ、無事購入出来たこと悟り。壁に凭れていた背を上げると、再び空見上げ時間図ろうと太陽を探し。どうやら意外にも時間が経っていたことに気付き、今から帰れば少し早いが夕方前に本丸に着くかと計算し。改めて相手に顔を向けて)他に欲しいものは無いか?
うん、お陰様でね。
(にこりと笑みを向けては、手に持っていた風呂敷を軽く持ち上げて彼に見せていき。それから相手が太陽で時間を測るのを眺めつつ、時おり吹く春風でチリンと鳴り響く穏やかな風鈴の音を聞いていて。徐に欲しい物の有無を問われれば少し考えたものの、特に欲しい物は無い為に緩く首を振って告げていき。)
そうだね…、他には特に無いよ。長谷部くんの方は何か買いたい物はあるかな?
(/背後失礼します。明日は仕事の関係でレスは夜遅くか出来ないかもしれません。済みません…)
俺は、無いな。主への手土産も買ったし。もう戻るか。
(こちらの質問其の儘返されれば、元々欲しいもの等無かった為、悩むこと無くきっぱり答え。主、その他おまけに買った和菓子の包み大切そうに抱えながら用も無い所に居る必要も無いと見切り付け、相手の返答待つ前に本丸に向けて歩き出して。)
(/お仕事お疲れ様です。遅くまで大変ですね。返事は何時でも時間がある時に返していただければと思っておりますので、気にしないで下さいね。それでは今日も一日お互いに頑張りましょう。)
そっか。うん、分かったよ。なら戻ろうか。(相手も他に用事が無いらしい上にほぼ町の構造も把握出来たので、同じくこれ以上ここに留まる必要も無いかと考えれば彼の言葉に一つ頷き。このまま本丸へと戻る為に帰路に着こうと足を進めて町を出た所で、何となく心がざわついて。ピタリと急に立ち止まっては己は本丸の方向とは別の方向を見ていて、其処に何がある訳でも無いのに何だか無性に行かなければならない気がして。前を歩いているだろう彼に向き直って声を掛けていき。)
__ごめん、長谷部くん。やっぱり少し寄り道をしたいんだ。
(/お心遣いありがとうございます…!何とか仕事は遣り繰り出来て早めに終わりましたのでお返事させて頂きます。其方様も今日一日お疲れ様でした。それでは背後は失礼させて頂きます。(蹴可))
(本丸への帰路を歩んでいれば、町を出たところですぐに背後の足音が消え、一体何事かと振り返れば其処には立ち止まった彼が居て。怪訝そうに眉潜め「どうした。」と問いかければ、帰って来た寄り道、という言葉に一瞬瞳瞬かせ。街に買い忘れでもあったのか、それとも単に気になる場所でも見つけたのか妙な方向見つめる相手に首傾げ。内心出来る事なら早く此奴と離れたいと言う気持ち巡らせ出来る事なら相手の要求突っ撥ね帰城したいが、彼の寂しげな声を聞けば如何しても一振り目の事を思い出してしまい放っておけず。肩下ろし大袈裟なまでに息を吐いて)…はぁ、もう此奴まで来たんだ。今日だけは付きあってやる。
!_ありがとう…!ささっ、こっちだよ。ついて来ておくれ。
(おずおずと尋ねてみたもののまさか了承を得られるとは思っておらず、パッと表情を輝かせれば長谷部くんにこっちだと手招いて。徐に畦道を外れて外部からは見えにくい“はず”の獣道を直ぐに見つければ、其処を進んで決して高くはない山を登って行き。道順は考えずとも脳裏にスラスラと浮かんで来た為に一切迷わず、そのまま山道を歩いて行くこと暫し。途端に開けた場所_町を一望出来る山中の崖付近へと辿り着けば、長谷部くんを視線で促しつつそんな所に咲く一本だけの立派な桜の樹の下に向かって行って。初めて来たのにも関わらず如何にも懐かしいと思いながら、同時に何故この場所を知っていたのだろうと考えつつも口を開いていき。)
此の場所に寄り道をしたかったんだ。…理由はよく分からないんだけどね。
(何故か嬉しそうな相手の様子に首傾げ乍も導かれる侭彼の後をついて行き。街離れ、草木の間に出来た判りづらい獣道の中に躊躇いなく消えていく相手に思わず足震わせて、必死に後姿見失わない様に着いて行くも心中穏やかでは無いようで。先日自身の目の前で鍛刀されたばかりの''彼”が、初めて本丸から出たはずの彼が、一体どうしてこの様な普通の人なら気づかない筈の、更に言えば自分自身と”彼”の大切な思い出の場所に立っているのか。立派な桜の大樹の下に佇む彼は、一体どっちの彼なのだろうか。頭ぐるぐる思考巡らすも全く考えまとまらず、息が上手く出来ず思わず力入らない膝からその場に崩れ落ち。苦しげに顔歪め、浅い息繰り返しながら隣の相手に疑問を問い掛けて)
…っ、お前は一体誰なんだ…。光忠、なのか?
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