匿名さん 2016-03-08 23:27:05 |
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そんなの長谷部くんと一緒だか__あっ!ちょっと置いてかないでっ。
(眉を顰められても負けじと 一緒だから嬉しいのだと素直に告げようとしたものの、相手は其れをよりも先に門を潜り抜けてしまった為に慌てて追い掛けていき。今の自分は格好悪いなぁと、初っ端からやらかしてしまった事を焦りながらも何とか追い付けば、彼の後ろから数歩の所を歩いて行き。時折り吹く春風に揺れる桜を見つつ、宙を漂う揚羽蝶へと視線を取られ。春の季節はこんな感じなのかと、興味深そうに瞳を輝かせれば、こっそりと道端にある蒲公英を摘んで綿毛を飛ばしたりしていき。一通り進んだ所で、徐ろに長谷部くんへと声を掛け。)
春の気候は穏やかなんだね。それに今日は特に散歩日和だね。
(背後から綿毛が空を舞う姿に、短刀ではなく自身よりも大きい太刀がこうもはしゃぐとは、と肩下げ苦笑い浮かべ。矢張りこうして人の姿として顕現したばかりだと全てが新鮮なのだろうか、と自身が初めて本丸から出た時のことを思い出し。其の時は逆に一振り目の燭台切が案内役で、俺が背後から付いて行ったから、今とは正反対な、などと考えながら歩み進めて行けば、ふと視界に入った春の暖かな日差し受け穏やかに流れる河辺で、光反射させキラキラと尾を輝かす魚の姿思わず眩しそうに瞳細め。)
嗚呼、そうだな。…ほら、もう直ぐで街に着くぞ。
街?…あっ、もしかして彼処に見えるやつかい?
(麗らかな春の陽気の下をゆっくりと歩いていれば、相手のもう直ぐと言う言葉と共に先の草原の方に見えて来たのは、何処か懐かしさを感じる平屋建ての街並みの数々で。欧州風に言えばタイムスリップした様な感じだと思いながら、先に見える其処を指差して長谷部くんに尋ねてみて。)
嗚呼。ある程度のものなら万屋で買えるが、他にも色々な商店がある。主と共に来ることもあるだろうからな、場所くらい覚えろよ。
(相手の指差す方向には確かに目的の街が有り、小さき頷きながら淡々と答え。漸く辿り着いた入り口躊躇なく踏み入れれば、活気付いているのか商人達の呼び込みの声聞きながらも、最初の目的地は万屋である為見向きもせずに、街の中心部に有る一番大きな商店へと向かうと、緋色の暖簾潜り中へと踏み入れて行き。)
うん、分かった。しっかりと覚えるよ。
(相手の言葉に頷き、其れから街へと来て、賑わう店々に主くん以外の人間が沢山いると少し落ち着かなく辺りを見回していて。既に行く場所は決まっているのか、迷い無く進んで行く長谷部くんに置いて行かれない様に気を付けながらも、中心部の方へと進んで行って。相手が立派な店構えをした建物の中に入って行くのを見れば、自身も続けて暖簾を潜って中へと入り。筆や墨や巻物、また金平糖や南蛮菓子に目を奪われつつもあまりはしゃぐのは格好悪いので、なるべく落ち着いて言っていき)
えっと、此処が万屋だっけ?本当に色んな物が置いてあるんだね。
万屋というくらいだからな。主から資金は渡されただろう?それはお前の好きにして良いものだ。欲しいものがあれば買っておくんだな。
(普段ならば資材等を主と買いに来るのだが、今日は完全に勤務ではない為其方には目もくれずに、隣で物珍らしそうに商品見つめる相手に声をかけ。あまり店内でも一緒にいては気を抜いて買い物も出来ないだろうと思い至り、一言「好きに見て回ると良い。」と告げるとゆっくりとその場から離れ菓子売り場に足を運んで。主人にはもちろん、この間共に出陣した四人に御礼を買わねばならないなと色鮮やかな南蛮菓子や和菓子の数々見つめていれば、春故に桜色をした品の良さそうな菓子に、ふとこの間なんだかんだ話を聞いてくれた宗三の姿思い出し。彼奴にも買っていくかと、苦笑浮かべて)
あっ、うん。主くんからさっきちゃんとお金を貰ったよ。オーケー、欲しい物があったら買うね。
(相手の言葉にこくこくと頷いては、先程主くんから貰った小さなお財布を取り出して確認していき。気を遣ってくれたのか、好きに見ていいと言った長谷部くんの言葉を聞いて本当は一緒に見て回りたかったが、然し此れは先日の任務でお世話になった彼への贈り物を密かに買う絶好の機会だと思い直しては、自身はお菓子売り場では無く日常用品の方へと足を進めて行き。矢張り物書きで筆などを使うから筆を贈るのが良いかなと、色々と吟味していて。ふと、徐ろに藤の花が描かれた蝋燭が目に止まって其の箱を手に取り。長谷部くんの瞳の色と同じで綺麗な色だなぁと考えていれば、蝋燭なら行灯で使うだろうし何より消耗品だから相手の負担にならないはずと思って、贈り物は此れに決め。箱に二本入った藤の花の蝋燭を買う為にお会計を済まそうとしていき。)
さて、こんな所か。
(多めに選んだ菓子を包んで貰うと、胸元に忍ばせていた財布取り出し店主にお金を払い。他に用も無く、此処に入ってからある程度時間も経っている為、彼も買い物を終えた頃だと思い店内を探し回り。行き違いだったのかその姿会計所で見つければ、邪魔にならない様に入口の横で終わるのを待つ事にして。)
お待たせ、長谷部くん。買い物は終えたよ。(無事に藤の花の蝋燭を買えば品の良い紙袋に入れて貰い、崩さないように大事に手に提げて持つと、長谷部くんと合流する為に店内を見回し。既に入り口付近に居て待っていてくれてたので、直ぐに側まで近寄れば上記を述べていき。手の中の此のお礼の品は恐らく今渡すと相手の荷物になってしまうので、本丸に着いてから渡そうと思いながらお店の暖簾を潜ろうとしていって。)
因みに次は何処に行くんだい?
待ってない。…後は適当に街を回って昼でも食べたら帰るつもりだ。お前が行きたいところがあれば別だがな。
(此方に気を遣った様な言葉にも冷静に上記返すと、暖簾を潜り抜け。彼と二人きりで居るのは矢張り嫌なのか、出来ることなら万屋を案内し終えたのだから今すぐにでも本丸に帰城したいのだが、今帰った所で二人分の昼食は用意されている事は無いだろうと予測し。自身は昼飯位食べずとも大丈夫ではあるが、だからといって自分の我儘で彼迄もが昼飯を食べられ無いのは流石に申し訳無く感じ。其れに今帰ったとしたら、きちんと案内していないのでは、と主に疑われてしまう気がして、取り敢えず昼を摂り街を一周でもしようかと頭悩ませ)
…お昼?嗚呼、確かにもうそんな時間だね。なら、さっき来る途中で美味しそうな蕎麦とうどんのお店を見つけたんだけど、其処でお昼と行かないかい?…因みに僕が行きたい場所は思い付いたら君に言うよ。
(暖簾を潜り抜けては、そろそろお昼の時間であった為に其れに気付かされて。先程来る途中に良さげな雰囲気のお店があったので、確か此処からでも近かったはずと先に其処を提案していき。此の短時間では少しも長谷部くんと仲良くなれず終いな為に、其れを食べ終わって直ぐに帰るのは嫌だったので、行きたい場所は思い付いたら言おうと先に伝えておきつつも。やはり相手は日頃主命で忙しいから、なるべく早くに考えてあまり振り回す事の無い様にしようと思っては、相手の返答を待ち。)
嗚呼、今日は天気も良いし良いんじゃないか?麺類なら手早く食べれるしな。
(相手の提案に否定する理由も無く、素直に頷けば其の店への道案内を彼に任せ。再び昼時で賑わい見せる街を歩きながら、嘗ては良く一振り目の彼と街に来ては食材を買ったり理由もなく街中を歩いたなと自身の数歩前を歩く燭台切の背中見つめ。何時もなら前では無く隣でたわいもない話に花を咲かせて居た筈なのに、今は遠い彼の背中に胸がズキリと痛み。当たり障りの無い返答しながらも、声色は何処かぶっきらぼうになってしまい。)
あ…、うん。手早く、食べられるよね。
(たぶん悪気など微塵も無いだろうけれど、何処となく手早くと言う其の言葉に寂しく感じてしまい。やはり自分と相手には温度差があると言うのは分かりきっていた事で、其れを改めて実感しつつも、其れでも少しでも彼と長く居たいと思ってしまうのは自分の傲慢だろう。ただ其の気持ちを表に出さないようにしながらも、にこりと相手に微笑み返してはお昼を食べるお店を案内していき。やがて、店の前まで来れば暖簾を潜って。)
長谷部くん、此処のお店だよ。中に入ろうか。
…っ、此処は。
(案内された小さな蕎麦屋の外装何処か見覚えがあり思わず入るの躊躇い店先で立ち止まり。最近はめっきり来なくなったが、一振り目の彼と良く訪れた店で、其れゆえに彼が折れてからは無意識に近寄るのを控えていたのだが、恐らく何も知らない二振り目が店内に入っていく姿に嫌とも言えず。矢張り違うとは言え同じ刀は嗜好も同じだったのか、と無理矢理自身を納得させ、大丈夫何も無い、と言い聞かせながら彼に続き店内に入り)
(店内に入れば初めて来たのにも関わらず、何処かその店構えに懐かしさを覚えて首を傾げ。そもそも自身は本丸から外に出たのはこれが初めてなので、たぶん気のせいだろうと思い、店員さんに案内されるがままに二人席へと座り。店内に貼られていた筆で達筆に書かれたお品書きを見ていけば、何となくピンと来た品があったので頼みたい物を直ぐに決め。長谷部くんの方も尋ねてみて。)
お昼だけど、僕は鴨南蛮蕎麦にするよ。長谷部くんは何にするんだい?
(店主に案内される儘席に座り、内装も全く変わらない店内に人知れず溜息吐き。然し此の店の料理はどれも自分好みの味付けだったと思い出し、昼時位何も考えず食事を楽しもうと品書きを見つめ。そう言えば自身は毎回違ったものを頼んでいた癖に彼は同じものばかりだったと思い出し笑いしながら、注文を決めかねて。ふと目前の彼から紡がれた料理名を聞けばそれは先程まで思い出していた一振り目の好物で。此の店を選んだ事も、同じ料理を注文した事も全てがリンクしていて。一緒目の前の彼が本当は自身の愛した人其のものなのでは無いかと言う錯覚に陥りそうになり、違うのだと分かっていても心が追い付かず苦しげに彼見つめ)…っ、お前は。
_え?
(自身がお品書きに書かれた品を言い彼へと相手が頼む物を尋ねて視線を上げた瞬間、此の隻眼に映ったのは相手の苦し気な顔で。ズキリと胸の奥が痛む感覚、彼にはそんな表情をして欲しくないと直ぐに感じ。けれど若しかしたら、相手にそうさせているのは自分なのかもしれない。しかし思わず、いやだからこそ「…どうして、そんな顔を…」と眉を下げて困惑気味に小さく呟き。だが直ぐに、余計な事を言ってしまった事に気付いて慌てて口を噤み。本当に小さな声だったので、相手には聞かれていない事を願いつつも其の呟いた言葉をかき消す様に、改めて言葉を直して問い掛けていって。)
…長谷部くん、どうかしたのかい?
え…?いや、何でもない。気にするな。
(脳内で簡単に思い出せる一振り目の記憶と目の前の彼との共通点に不躾に彼を見つめていれば、心配したような声聞こえ。はっとして、慌てて前髪がしがしと掻き乱すと、空気を変えようと店主を呼び「鴨南蛮蕎麦二つ頼む。」と注文し。本当は違う品頼むつもりだったが考えるのも面倒なのか、最早どうでもよくなり。用意された水を一口飲むと深々と息を吐いて)
_…そっか、分かった。
(こちらの声掛けに、相手は直ぐに思案顔を解いては流れを変える様に店員さんへと注文をしていき。何やらあまり深く聞き出してはいけない気がしたので、上記のみを述べれば出されていたお冷を飲んでいって。_暫くして、頼んだ鴨南蛮蕎麦が二つ来れば、割り箸を手に取ってパキリと左右に割り。胸の前で小さく手を合わせると、いつもの食事前の挨拶をしていって。)
あっ、頼んだのが来たね。わっ、美味しそう。_それじゃあ頂きます。
嗚呼。…頂きます。
(何処となく相手には不信感募らせてしまったかと苦笑い零し。運ばれて来た出来立ての料理に相手同様食事前の挨拶すると、湯気立つ器の中に箸入れ丁寧に麺掬い。自身の息吹きかけ冷ましてから、麺啜ると口一杯に豊な出汁の味と爽やかな蕎麦の匂い広がり。そう言えば自身はこの料理を食べるの初めてだったな、等と考えながら無言で食べ進めるが、頬自然に緩み表情から美味しいと滲み立たせて)
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