赤い長男 2016-03-06 13:25:09 |
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ハハッ、純粋とかそれこそ今は合わないなー。―――ん、何見てんの?
(ケラケラと乾いた笑いをもらしながら自分の言葉に今の自分とは無縁とも言っていい言葉を呟いた相手の言葉に、無意識にどこか自嘲気味な口調と笑みでそう述べれば、ふと視線を感じそちらを見れば三男がこちらを眺めてきていることに気づき一瞬だけ動きが固まるもそこは長男の余裕という奴で笑みを崩さず尋ねて。「さすがにそれはねーわ。そんなお金ないし。ジャジャーン!」ただいつものテンションでなんとなく口に出していたリズムに相手が手拍子してくれたことになぜだか嬉しくなり、箱を机の上に置くとからかうような相手の言葉にさすがにないと否定しながら箱を開けると、中にはプリンが入っていて)
え、あっ…や、顔は相変わらずそっくりだなっ…て?
( 無意識に見つめていたためそれについて言及されれば驚いたようにびくりと肩を揺らして自分の思いがバレてしまうのではないかと焦りながら絞り出した言い訳はあまり自然と言えたものではなくどこかぎこちなさがあり、言いきった後も少しおどおどして不安げに相手の顔をちらりと見つめつつ相手への好意をじわりと実感させられて。「まぁね。いくら兄さんでもそんなことはしないか。」と少し小馬鹿にしたようにけらりと笑いつつ箱を開けるため開封式でもしているつもりなのかぱちぱちと拍手しつつ箱の中身をのぞき込めば言われた通りプリンが入っているのを見ると少し瞳が輝き目に見えてわくわくしているものの本人はそれを隠しきっているつもりで。 )
はぁー、十数年一緒にすごしてきて何言ってんの?俺らが六つ子なの、忘れた?
(自分の言及にビクリと肩を揺らし驚いたように目線を動かす相手にどうしてそんなに驚く必要があるのか不思議に思いながら、何か考え事でもしていたのか、自分に言えないような事なのかとマイナスの方へ思考が傾いてしまう自分に嫌気がさし、相手の言葉に六つ子なんだからと自分が吐いた言葉に相手との関係を一層思い知らされることとなってしまい。「そーそー。…そんなにうれしかった?」プリンを箱から取り出しながら相手の反応をうかがっていると、本人は隠しているつもりだろうが目が輝いているのを見逃さずそう聞いて)
ははっ…そうだよねー。ごめんごめん。
( 自分の気持ちを悟られぬようにとへらりとした態度で謝りつつお茶を濁してしまおうと思いなにか話題はないかと考えて「でもさ!変わらないところ、1つでもあると嬉しいじゃん?」とふにゃっとした作り笑いをして首をかしげつつ相手を見つめて、相手と一瞬目が合った気がすればその目に自分の嘘なんて見抜かれてしまうような気がしてすぐさま逸らして。「え、あー…まぁ、おそ松兄さんにも兄弟にプリンを買ってきてくれるくらい優しい心があったんだなーって?」とまだ誤魔化すつもりらしく軽く悪態を吐きながら答えるとこれは自分が食べていいのだろうかとチラリと相手の表情を伺って。 )
……うん、まぁそうだよなー!兄弟そろって喧嘩好きなところとか……―――
(軽い口調で言葉を濁しながら謝る彼はまるで心を見せたくない他人のようで割と信用ないのか、と内心ガッカリしつつも顔には出さないように心がけながらも、相手の言葉に少し考えた後顔以外の共通点と言えばけんかっ早いところか…と思いながらそれを口に出し。笑顔になるもそれが作り笑いであることをすぐ見抜き彼がそんな笑いをしていることが何故か気に入らなくて無意識のうちに相手の頬に手を伸ばし横に引っ張って口角を上げさせ。「うわー、お兄ちゃんそんな風に思われてんの?悲しいわ―。」グサグサと悪態をついてくる三男にヘラヘラと茶化すように答えると、こちらとちらりと見てくる相手にスプーンを渡して食べろと促し)
喧嘩好きとか危ないからね?このままで卒業とかできるのかなー…。留年とか洒落になんないよ?
( なにかと問題視されている兄弟達を不安に思いつつもまたいつものように真面目ぶって普段はそれなりにやっている自分と自由な兄弟達との差を再度実感すればふいに不快感に思考が包まれてすくりと立ち上がり「ちょっとトイレー」なんて部屋を出ようとして。急に腕が伸びてきて頬を伸ばされると驚いたのか一瞬きょとんとするも「ひょっと、らにふんの?おほまふ兄さん( ちょっと、なにすんの?おそ松兄さん)」と問いかけ頬から手を離させようと相手の腕に手を添えぐいぐいと引っ張って。「兄さんならお金あったら自分のことに使いそうじゃん。」けらりと尚もからかうように笑うとなんとなく昔に戻ったような気がして少し嬉しくなって、スプーンを受け取ると嬉しそうに瞳を輝かせて「いただきます。」と顔の前で手を合わせてからプリンを1口頬張って。 )
ハハッ、またまたぁ、おまえだってやる時はやるじゃん。
(最近は月一の頻度で喧嘩している自分にとって留年という言葉はやけに現実的に聞こえまぁ停学程度ならいいけど兄弟そろって卒業くらいはしたいので留年は勘弁といった表情を浮かべるとともにそんな気持ちをごまかすかのように乾いた笑いをもらしつつ、喧嘩しているチョロ松の冷酷な表情は恐ろしいながらもゾクゾクしたものを感じる顔であり嫌な物ではなくやっぱり兄弟なんだなと改めて共通点を見出し。トイレと立ち上がった相手をなぜ止めてしまったのか自分でも分からず相手のほほをつねっているのが自分の手だと分かるとハッとしたような手を離し、なぜ自分でもそんなことをしたのか分からず少しぼうっとしていて。「えー、お兄ちゃんにだって弟を思う気持ちくらいありますー。」なおもからかうような相手にこちらもヘラヘラした顔で返せば自分の言ってる思いが彼に限ってはただの兄弟思いではないことを再確認すると心が締め付けられるよな感覚になり、それを押さえつけるように美味しいかと相手に聞いて)
たまにでしょ?たまーに。
( 相手の言葉にバツが悪そうに視線をそらしぽりぽりと頬を掻きつつ言い訳をしてみれば「それに、僕は他のところで頑張ってるしー。」と日頃の真面目さを盾にして優位に立とうして6人揃って卒業くらいはしたいと思うものの喧嘩している時の相手というのが案外嫌いではないため強く止めることはせずに内心ではまた相手と一緒に一暴れする事をひっそりと望んでいて。急に頬をつままれたと思えば離されてなにをされたか何故それをされたのかもよくわからずに頭の上にはてなマークを浮かべてきょとんとし相手を見つめ「どうしたの?おそ松兄さん?」と尋ねてなにかしでかしただろうかと若干不安に思いつつ相手の表情を伺って。「わー、意外。」くすくすと笑いながら減らず口を叩きつつもプリンが美味しいのは事実ではあるためあまり相手を傷つけてやろうとかそういう気持ちはほとんどなくどちらかといえば好きな子をからかいたい小学生のような心境で相手から味を問われれば「美味しいよ?」とへにゃっと脱力した笑みを浮かべつつ答えて。 )
確かに俺らの中で一番まじめっ子だよなぁ、いつからだっけ?
(いかにも意地の悪そうな自分の言葉に視線をそらしながら言い訳をしてくる相手が可愛くすら思えつい上がってしまう口角をゆっくりいつもの表情に戻しながら、今でこそ真面目だが昔はもっと自分と似ていた彼の変化に少し悲しくなりつつ、つい相手にもそれと関係した質問をしてしまって。相手の頬を引っ張った自分の気持ちが心底分からず相手に問われると数分前の自分の心境を思い出してみて、彼に心から笑ってほしいなどと何とも言いにくい心情に行き当たればそれを本人には言えず笑ってごまかそうとなんでもないと首を振って。「もう、あんまりいじるとお兄ちゃんもう買ってやらないぞ?」笑う相手にこちらもヘラヘラしたテンションのままそんなつもりは毛頭ないが好意をもった相手ほどからかってやりたいという何とも小学生じみた気持ちでそれが相手と一緒の気持ちだとは到底知らず、「そっか、良かった!俺も食べるか~」不意に見せた脱力した笑みは自分が見たかった笑みであり一瞬可愛いと思った自分を呪いたいと思うと同時に恥ずかしさを隠すようにプリンにがっつき)
えっ、あ…い、いつだったけねー?兄さん達が暴れ出した頃だからー…
( 相手の質問に一瞬目を見開き硬直して告げられた真面目っ子という言葉は自分の心に突き刺さるナイフのようでしかなく息が詰まるも不要な心配はかけたくないというその一心でなんとかいつも通りを装った返答を返すも瞳は泳ぎ冷や汗が頬をつたい動揺が全身に現れてしまってそれを誤魔化すように「もう少し皆にも真面目になってほしいんどけどなー。」と述べて。なんでもない、と言われてしまえばそれ以上なにをすることもできなくなるも知らず知らずに込み上げてきていた不快感は消えていてもう一度相手の隣に腰をおろしながら「変なおそ松兄さん。…いつも変だけど」とけらりと笑いながらからかうように述べると相手の頬を摘んで相手の顔を覗き込み「仕返し。」と悪戯っ子のような昔のような笑みを浮かべて。「えー、それは困るな。」相手の言葉にへらりと笑いながら述べると暫し考えた後にきゃるんとした末弟のような表情を浮かべると「さっすが、皆のおそ松兄さん!僕は兄さんならまた買ってきてくれるって信じてるよ!」と述べ相手の御機嫌をとろうとして、がっつく相手に子供を見ている気分になり微笑ましくなって「ゆっくり食べないともったいないよ?」と言いつつ母親が幼い子供にするようにぽんぽんと優しく頭を撫で自分のプリンを食べ終わると「ごちそうさまでした。」と顔の前で手を合わせて述べると伸びをしてごろりとその場に横になって。 )
ごめん!なんか背後が風邪ひいちゃってて!( 焦 /顔前で手合わせ )待たせちゃったよね!?もう治ったから早く返せるから!( ぺこぺこ )
……あー、じゃあ高校入ってからか?中学ん時はチョロ松も喧嘩ばっかだったもんなー。
(自分が質問を投げかけた時一瞬ではあったが相手の目が見開かれ硬直したことは見逃さずどうしてそんなに動揺しているのか昔の事を思い出したくないのか、などと勝手に考えつつもそこまでの動揺はさすがに気になり真面目になれとの言葉に苦笑いを返しながらも観察するつもりで無意識のうちにややジト目になりながらじっと相手を見つめていて。「―――やっぱお前は、そうやって笑ってた方がいいって。」まるで子供のように頬をつねりながら笑う相手に、そういう素直な笑顔の方が似合ってるし自分も好きだという趣旨の言葉をポツリと呟けば仕返しの仕返し、だといわんばかりに両手で相手の頬をつついて。「んー、チョロ松がトド松の真似してもあざとくない。やっぱ甘えベタだな、お前。」あからさまに機嫌を取ろうとしてくる相手の努力に苦笑しながらも素直な感想を言ったあとでそんなことしなくても買ってくる、と呟いて、もったいないとの言葉に確かにそうかもしれないと思えばそろりそろりと食べ始め相手が頭を撫でてくると一瞬ドキッとしてしまうも顔には出さず少し顔をそむけ)
まぁ…つまんないって言ったら嘘になるしね。
( 喧嘩をしている相手の表情がすきだったから、なんて言えるはずもなく曖昧な表現をして誤魔化そうとして自分では上手く隠せているつもりらしいが所々に動揺が出ていて「心配なんだけどー。将来ニートとか洒落になんないよ?」などとへらりと笑いからかう声も少し震えていてちらりと相手の方を見ればじとりとした目をしていてバレているのではと思い不安になって。「なーに彼氏みたいな事言ってんの。そういうことは女の子にでも言ったらー?」相手の発言に一瞬きゅんとしてしまうも叶うはずもない思いに期待しても苦しいだけだと思い冗談めかした言葉で返しつつも自分の発言に自分で心が抉られるような気分になり少し寂しさを瞳に宿して。「そんなこと自分が一番知ってるから。」末弟のような愛くるしさが自分にあるとは思えずにはっと鼻で笑えばふいっと視線そらして拗ねたようにぷすっと頬を膨らませるも聞こえてきた呟きに直様機嫌を直して、自分の言葉にそろりとプリンを食べ始める相手にまるで弟のような気がしてしまい可愛く見えてきたのかくすりと楽しげに笑いながらぽんぽんと優しく相手の頭を優しく撫でて「や、そこまでしなくていいんじゃない?」と苦笑して。 )
だろ?やっぱそーゆーところは兄弟だよな!
(喧嘩が嫌なわけではない、そう言う三男はやはり昔の三男のままであるようにも思えるが喧嘩をしている時の目と今の彼の目は違いやはりどこか変わってしまったことを残念に思い。「だーいじょうぶだって!俺はカリスマレジェンドだぜ?人間国宝になったらお前らまとめて養ってやるよ!」自ら出した兄弟という単語は彼と自分の立場をまざまざと思い知らされるもので心が締まる感覚をいかにも小学生じみた返答で押さえながらも、さっきから様子のおかしい三男に視線を送り続けていて。「……言える彼女がいないんですー、っていうか彼女いないのはお前もいっしょだろ?」相手に投げかけた言葉を思い返せば自分でも少し恥ずかしくなりつつ自分の気持ちなんて知らないだろう彼の言葉に心が抉られるようになりながらもやや当てつけのように言い放ち。「まぁ、お前はお前だし?トド松になれなんて言わないからな。」少し機嫌を損ねてしまったのか視線をそらす相手に素の彼が好きなんだと遠回しにいっているような台詞を言いながらわしゃわしゃと頭をなで。なおも自分の頭をなでてくる相手に振り払う気持ちにはなれず視線をプリンへ戻すと相手の苦笑につられて笑ってしまい)
おそ松兄さんと兄弟とか結構不満なんだけどね。
( 言葉だけを聞けば相手を馬鹿にしているように聞こえるものの兄弟じゃなければ、あわよくば男同士でなければ自分の思いを相手に伝えられたのにという恋心故の言葉をけらりと笑いながら述べこの思いが相手に伝わればいいのにと思う反面伝わったら相手に嫌われてしまうだろうという思いの間でジレンマに悩んでいて。「本当にそんなすごいものにおそ松兄さんがなれるとは思えないんだけどー。」人間国宝になった相手の姿が上手く想像できずにくすくすと笑いそんなすごいものになってしまえば相手と自分の距離は離れてしまうだろうと考えてはそれは嫌だなぁなんて1人想像を膨らませて、相手の突き刺さるような視線を感じつつも何も言うことは出来ず気まずそうに相手から視線をそらして。「僕はいいのー。おそ松兄さんに彼女ができる日なんてくるのかなー?」なにがいいのかは分からないがとりあえず自分のことは棚に上げようとし、からかうようにくすくすと笑いながら述べつつも相手に彼女ができたら自分は素直に祝福してあげることができるだろうかなんて考えれば女の人と楽しそうに過ごす相手が思い浮かび胸が締め付けられるような気がして。「ドライモンスターになんてなりたくないしー。」その場に本人がいないのを良いことに言いたい放題言いながらもなんだかんだ兄弟が嫌いなわけではないためそんなところも末弟らしいのかもしれないなんて思いつつ自分自身を認めてくれるような相手の言葉に嬉しくなってふへーっと緩んだ笑みを浮かべて。いつもだったら兄と弟、逆の立場のはずの相手を弟のように扱っていることがなにやら楽しいらしくこちはもまた、口元に笑みを浮かべ。 )
えー、寂しいこと言うなよチョロくーん。お兄ちゃん泣いちゃうよー。
(言葉通りに受け取れば自身をバカにしているような言葉なのだが、男同士であってもまだ兄弟でなければ相手への想いは少しでも誇れるものだったのだろうかと考えると相手の言葉をないがしろにも出来ずにいつもの調子でヘラヘラと笑いながらバカっぽく答え。「だよなー、俺も無理だと思う。」自分で言っておいてなんだが人間国宝など今の自分には天地がひっくり返ってもなれないものだと自覚はあり、そんなものになる時間と労力があるなら少しでもこの気持ちに整理をつけたいと思うもさすがに言葉には出来ずに頬を掻きながらさきほどの言葉を自ら否定し。「長男さま舐めんなよー、どんな奴だってオトして見せる。」からかうような相手の笑みと言葉に自分の彼女が出来ることを相手は望んでおり真面目である彼はやはりこの気持ちを受け入れてはくれないだろうなと考えながら相手のテンションに乗っかり冗談めかして言ってみるもその言葉は内心目の前の相手に向けたいものであり。本人がいないことを良いことに言いたい放題の彼の言葉に笑いながらも悪意のないその言葉はやはり兄弟思いなのだなと感じられる物であり、三男も末弟のように少しは甘えてくれればいいのにと思いながら緩んだ笑みに可愛いなと思ってしまい直視出来ずバッと顔を背けて。)
はは、おそ松兄さんに涙なんてあるんだ?
( 冗談だということはわかりきっているため小馬鹿にするようにけらりと笑いながら肘をついて述べてもし、相手と兄弟でなかったならという想像を脳内で繰り広げていけばまず相手と知り合えたのだろうかという壁にぶちあたってうーん、と困ったように首をかしげながら悩んでいて。「別にいいよ、ならなくて。そんな遠いところに行く必要ないでしょ?」相手の事をカリスマレジェンドなどという称号で見ているわけではないしありのまま自分達の元にいてくれる優しい長男が好きなんだと素直に言えるような人間でもないため遠まわしに述べてあわよくば兄弟のそばではない自分のそばに、恋人としていてほしいなんていう欲望が心の中に渦巻いて。「おそ松兄さんって女の子とお話できるんだ?」ぷぷっと馬鹿にしているように笑いつつも今から女の子をオトさなくても目の前に相手に惚れている自分がいるのになんていつか相手の隣に立つであろう女性を勝手に想像して勝手に嫉妬してしまって自分で妥協しておけばいいのになんて下らないことを想像してしまってはへらりと自嘲したような笑みが口元に浮かんで。「僕は僕で良かったと思うよ。僕が一番まともでしょ。」と次男や四男、五男末弟などを順繰り思い出していけばやはり自分が一番まともに思えてしっかりと真面目になれているのだと実感しつつも彼らのようにやりたいようにやってみたいなんて思ってしまい、顔を背けられてしまえばなにか変なことをしただろうかと思い顔にペタペタと手を触れるも特になにもわからずきょとんと首をかしげて。 )
俺をなんだと思ってるの~?あー、冷たいねぇチョロ君は。
(相手の表情と笑いにその言葉は冗談だと分かりきっているためさして悲しい感情はなくじゃれ合う猫のように会話を楽しみながら売り言葉に買い言葉といわんばかりに冗談をケラリとした笑いで返せば、相手にとって自分が涙なんて流さない存在になっている、即ち自分がちゃんと誤魔化せている事に今一度安堵が込み上げてくれば弱みを見せられないことに何故か悲しさを感じながら本心では相手に気付いてほしい事に自分が気付いていなく。「何、なんかお悩み?」首をかしげ悩む相手に急にどうしたのだろうと話しかけ。「そーだなぁ、大学にも行きたくねェし……しばらくはここにいるわ。」必要ないとの彼の言葉に自分でもそうだと納得すれば、そもそも彼を置いて一人出て行くなど考えられないことでしかし相手は真面目なのでいつか就職してここを出て行くのだと思うと少し寂しくもあり。「いやさすがに出来るわ、チェリー松じゃないんだし。」馬鹿にするような笑いにそれならとばかりにこちらもからかうような笑みを返しながら、今はモテていなくてもいつかは相手の隣にも女性がいるようになるのだろうかと考えるとむくむくと嫉妬心が湧きでてくるのを感じ反射的に胸元を抑えてしまい。「6人の中では、だろ?世間様から見たら十分クズだって。」相手の言動に確かに一番真面目なのは彼でありそれは事実だが、真面目に縛られている相手を見ているのは何故か辛く真面目と発言するたびに少しキツめの口調で反論してしまう自分が嫌になりつつ、いきなり顔をそむけてしまってはさすがに挙動不審だっただろうかと思いながらチラリと相手の方を見ると自信の頬を触りながら首をかしげている相手を見て可愛い、などとつい思ってしまい)
僕らの長男。ろくでもなし。
(けらりと笑いながらまた相手をからかう言葉を口から紡ぎ出すと流れだとわかっていても相手を傷つけてしまっていないかとふと不安になって相手の表情を伺うもいつも通りに見えて少しほっとしたのかふにゃっと緩んだ笑みを浮かべていればなんとなく表情には出ていないものの相手から悲しげな雰囲気を感じた気がして「でも、泣きたい時は…泣きなよ?」と首をこてりとかしげて述べて、相手の問に困ったように笑いながら「ちょっと考え事。」と答えて今度は優しく微笑んで。「いや、大学には行こうよ。就職もしないと!」カリスマレジェンドにはならなくとも普通の人間としては生きてもらわなくては困るため溜息をつきながら述べしかし、相手がこの家にずっといてくれればいつでも相手と会うことができるとすればそれもありなのだろうかなんて考えつつ「最悪俺が養ってやるよ。」とにへっと悪戯っぽく笑って。「うわー、失礼だなー。僕にだっていつか彼女…くらい…。」言っていて自分で悲しくなってきたのか言葉は途切れ途切れになり自分の隣にいてほしいのは彼女などではなく相手であるがそんなことを言えるはずもなくふい、と視線をそらすと行き場所のないその視線はうろうろと辺りを見つめてさまよって。「なにそれ、少なくとも兄さんよりはましだと思うよ?」相手の言葉に自分が必死に頑張っていることを否定されているような気分になりあまりいい気分はせずに少しこちらもキツイ口調になってしまいいつ言ってから後悔が頭の中で渦巻いて、相手の方をちらりと見つめるとたまたまこちらを見ていた相手と目が合ってしまい少し照れくさくなったのか薄ら頬を赤らめながらまたぱっと相手から顔を背けてしまい。)
ろくでなしって……まぁ、否定はしねぇけど……
(笑いながら相手の口から紡ぎだされた言葉に、ろくでなしよりも自分は相手にとってやはり兄弟という一枠であり二人いる内の兄の一人なんだなと痛感しするもそれを口にする勇気はなく「……なーに言ってんだ!長男だぞ、泣かないって!」緩んだ微笑みを見せながら聞いてくる相手から思いもしなかったことを言われそういう優しさも全部好きなのだが長男という立場上彼に涙なんて見せられるはずないという気持ちから軽く笑って返して。「努力はするぜ。―――へぇ、本気にしてもいいの?」いつもの調子で突っ込んでくる相手に本気で大学を目指す気はあるのかどうか自分でもふわふわしつつ就職くらいはしたいなーと大分楽観的な事を考えては、養ってやるとの相手の言葉に、本当にそうなって相手と二人で暮らせたらどんなにいいんだろうと思いながらちょっとからかうような口調で言ってみて。「……まっ、そん時は俺もさすがに応援するからな?」とぎれとぎれになる相手を見てそんなに自分の言葉が刺さったのかと勝手に曲解しもし相手に彼女が出来たとして自分は笑って応援出来るだろうかと考えながらも視線をうろつかせる相手が自信がなくなってるのかと勝手に思い込み元気付かせようと背中をバンっと叩いて。「うん、まぁ俺よりは常識人だと思うよ?チョロ松は。真面目だし、将来の事しっかり考えてるしさ。」相手から帰ってきたキツい口調は自分に対抗しての事だろうと思い自分と相手との関係はこうでなくてはとやや諦めの感情を抱きながらも、相手と目が合うと恥ずかしくなるも相手が先に顔をそむけたことでそこまで嫌われてるのかなと思いこみ首をひねり)
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