主 2016-03-02 23:55:43 |
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……頂きます。
(気にはなるものの、そう言われてしまってはあまり気に病む訳にも行かず言葉に従い手を合わせ。炊いた者が違うのか昨晩の夕飯時よりやや固い米を咀嚼しながら、段々と確かに今気にしていても主が話してくれるのは夜なのだとの念が強くなり、落ち着かない心地は一旦心の片隅へ。そうしてみると今更ながら手を置かれた肩が熱を持ち始めた気がしてきて、一度だけ箸を置き自身の肩を指でそっと撫ぜ)
(/三桁突入ですね、こちらこそ拙いロルに展開下手な身ながら素敵なこみなが様のお相手が出来て幸せです!/了解しました、実は不動は朝のccで出すか迷った子なので絡めて嬉しいです。信長様とのあれこれには欠かせない子ですよね。いつも展開任せ気味で申し訳ないです、何かやりたい事や提案があれば背後から失礼させて頂きます。ご配慮ありがとうございます)
(先程話しながら朝餉の支度をしていたからか、やや塩気の多くなってしまっただし巻き卵などを食し。然しアジの開きは焦げていなかったため上出来かと考え直しながら、朝ゆえ量の少ない其れらを直ぐに完食すれば本日の予定を脳裏に組み立てていき。昨日来たばかりのへし切に早く本丸に慣れて貰おうと、早々に今日は畑当番の内番を任せようと決め。相手が食べ終わるまで待ち)
(/いえいえそんな…!むしろこちらが感謝の言葉しか出ないです。/ おおそうだったのですか…! 欠かせないですよね!では出させて頂きますね。ああ、いえ逆に好き勝手やらせて貰って申し訳ない次第ですので…。はい、其の時は是非お呼び付けて下さいませ。それでは背後は失礼しますね。)
(諸々考えごとをしながら食べていれば、あっという間に皿は空になってしまいもう少し味わうべきだったかと微かに後悔しつつ箸を下ろして。よく見ると主はとうに食べ終えていた様子、もしかせずとも自分の完食を待っている風であり慌てて居住まいを正し)
主、俺に何か御用ですか?
嗚呼、お前に本日の仕事内容を伝えようと思ってな。この後は夕方まで不動と共に畑当番を頼みたい。畑の場所は分かるじゃろ? 先に其方へと向かっていてくれ。
(まだ内番の開始時間まで猶予がある上に、不動も朝餉を済ませていなかった為そう簡素に用件を告げていき。今の季節は春だ、恐らく馬鈴薯や胡瓜が実を付け始めている頃だろうと代表的な春野菜を脳裏に思い描けば、徐ろに腰を上げていって。膳を持ち上げては炊事場の方へと足を向けて行き)
さて、わしは朝餉の片付けをするか。長谷部、畑当番は任せたぞ。
はい、主の命とあらば。
(仕事という単語にぱっと目を輝かせ、一も二もなく頷いて快諾し。それが例え戦の命でなくとも仕事を仰せつかったというだけで嬉しかったのだが、畑へ向かいながらその仕事の相棒として挙げられていた刀の名前に僅かに眉を顰め。どうにも信長様の元へかつてあった刀というのは、それだけで気に食わなくて困ると思考を他所へやりつつ外履きを履き)
(/呼び方はお好きにどうぞ、公式で不明なものはこちらも捏造してしまっているので……/蹴り可)
そういや、今日は畑当番だっけか。
(信長様の御命令とあれば甘酒など飲んでいられず、そう呟けば朝餉を終わらせて素面のまま畑へと向かって行き。其処に着けば、信長様が好んだ西洋の服とキリシタンであった黒田の両方に感化されたかの様な服を着た付喪神の男が既に居て。…へし切長谷部。信長様に寵愛され、後に黒田へと譲り渡され、長く大切にされた国宝の刀。なのに昨日から思っていた事だが信長様に対して何処かヨソヨソしく、更に授かった名前の方で呼ばれる事を拒否している様に思える。昨日来たばかりなのに直感的に気が合わなさそうだと思っていた為に、夕方までの内番は彼と一緒かと思わず警戒気味に相手を見て)
……げっ、確かお前はへし切。何だよ、今日の畑当番はお前とやるのかよ。
(畑まで来てみたは良いものの、自身の着る戦装束では汚れては困る、何か動きやすく汚せる服に着替えねばと思案していた矢先に背後へ気配。振り返れば当番が同じになってしまった不動が立っており、元々良い感情など抱いていなかったというのに相手からも好意的でない態度を取られればみるみる表情は冷め、「主の命だ、文句は許されんぞ」と。くるりと踵を返しながら何の感情も出さぬ様に淡々と)
俺は一度着替えに戻る。それまでにお前も支度をしておけ。
…うっ、分かってるっての。信長様の命だからな。
(蛇に睨まれた蛙のような気分だと思いながら相手を見て。支度、と聞いてそう言えば内番では其れ用の服を着るんだったと思い出させられ。自分も此処に来て日が浅い為か忘れていたと、玄関ではなく縁側の方から自室に戻れば服の真ん中に名前が縫い付けられた作業用のものに手早く着替えて、さっさと畑へと戻って行き。相手が来て何か言われる前に農具を出してしまおうと、鍬や水を撒くホースを取り出せば癪だが彼を待ち)
(幸い本丸内の適当な刀へ声を掛ければ内番着のある場所は教えてもらえ、用意されていたそれに自室で袖を通し。姿見で一度確認しつつ信長様の命、との今し方の相手の言葉を反駁、「違う。……織田信長の記憶があろうと無かろうと、"主"の命だからだ」と己へか目の前にいない不動へか曖昧に呟いてから畑へ戻り)
ふん、支度は出来ているようだな。それで?どうすれば良いんだ。
何でお前は偉そうなんだよ…。一応、此の本丸ではへし切より俺の方が少し先輩なんだからな。
(身長も加えてやや上から目線な相手に愚痴るように呟けば溜め息をついて。こんな性格の刀だったのかと信長様の前とは全然違う態度に驚きつつも、其れはある意味で人間らしいなと相手を見ていき。然し此処で口論していても仕方ないので、まずは横で実が成っている胡瓜畑を指差してカゴを渡せば)
まあ、良いや。そうだなぁ、今日は胡瓜が収穫出来そうだからへし切は其れをやってくれよ。で、其れが終わったら馬鈴薯畑に水をやってくれ。俺は其の間に鍬で近くの畑を耕してるから。
…………分かった。
(相手に指図されるのは気に食わなかったが、相手の言う通り自分は現時点で本丸内一の新参、分からぬことも多い為仕方ないと渋々ながら了承し。渡されたカゴを抱えて胡瓜の方へ向かいかけ、ふとこれだけは言っておかねばと鍬を持つ相手に向かって「そうだ、先程から気になっていたが俺のことはへし切ではなく長谷部と呼べ。分かったな?」と念押しする様に)
…何でだよ、信長様に頂いた名だろ。
(鍬を手に持って畑へと向かおうとしていれば、不意に言われた事にムッとした表情で相手に言葉を返し。此の本丸には本人がいるのにも関わらず、貰った名前で呼ばれたがらないのは信長様を拒否しているのと同じに感じ。キッと相手を睨み付ければ畑に向かおうとしていた足を止めて、そっちへと向き直っていき。「お前、信長様にも長谷部って呼ぶ事を言わせてるだろ? 其れすっげぇ失礼だぞ。信長様はお前の事をあんなにも寵愛して下さってたのに」と、何処か複雑そうな声でそう呟いていき)
だからだ、俺を捨てた人間の付けた名など呼ばれたくないな。
(嫌なことばかりを連想させる名をまるで名誉なものの様に考えている風の相手に、きっぱりとその押し付けを跳ね除けて。信長様のことは慕っていた、だからこそ捨てられた途端にその情は真逆になって心に残ったのだと、説明する気力は無く。しかし後半の相手の言葉には「……あの方は"主"だ。信長様じゃない」と、自身も昨日は混同してしまったそこへ線引きする様に言い切り)
っ、信長様はお前の事を捨ててなんかいないだろ…!もう良い、二度と呼んでやるか。
(取り付く島も無く跳ね除けられた為に、犬がキャンキャンと吠えるみたく負け惜しみのようにそう言っていき。何でそう悪い方に曲解するんだと思ったが、信長様の優しさは分かりにくく尚且つ時折あの人は言葉が足りない。拗らせた勘違いはどう直せば良いのか部外者の自分には分からないので、それ以上名前の事には触れないでおき。だが付け加えられたように言われた相手の言葉には黙っていられず、其れこそ刺々しい声で「違う、あの方は信長様だ!俺達の持ち主だったお方だ…!お前は、本能寺で信長様の最期を見てないからそんな事が言えるんだ!あんな無念な姿を見ていたら、俺はあの人が今生まれ変わって第二の人生を送っていると思っていなきゃやってられねぇよ!」ほぼ私情となってしまった正しくない言葉を述べれば、ギッと歯を食い縛って相手を睨み付けていき)
やかましいな、野良犬か何かか貴様は。
(姦しく言い募ってくる相手に向けてわざとらしく耳を塞ぐ素振りで、内心誰も呼んでくれとは頼んでない、と突っ込みを入れ。もう放っておいて仕事にかかった方が良いかと歩みを向けかけた足はしかし、刺々しくなった相手の声音にぴたりと止まり。長々とした口上へ、「あの方は織田信長の記憶を持っているだけの、それでも別の人間だ」「別人だからこうして慕っているんだ、俺は二度とあの方に仕えるのは御免だね」と言いたいことは山ほどある中、その全てを飲み込みぎろりと睨み返し)
……っ、好きで、最期に立ち会えなかったんじゃない。
っ……。……ごめん、長谷部。カッとなって、八つ当たりして…。
(その言葉を聞いて一気に頭から冷水を掛けられた感覚になり、ハッとしてバツが悪そうな顔を相手に向ければ消え入りそうな声でそう呟いていき。彼は何も望んで立ち会わなかった訳じゃない。なのに、思わず八つ当たりをしてしまった。側に居ても主が焼けていくのを見ている事しか出来なかった自分の悔いを、相手にぶつけてしまった。自己嫌悪を覚えながらも「……本当に、悪かった。頭冷やして来る…」と言い残して逃げる様に鍬を持って畑へと向かって行こうとし)
構わん、お前ごときに何を言われようと気になどならないからな。
(素直に謝られてしまえばこちらの毒気も抜けるというもので、心なしか落ち込んで自己嫌悪にでも陥っていそうに見える相手に素直でないながら自分なりの「気にするな」を口にして。今度こそ背を向けると胡瓜の方へ向かい、内心でそっと今の主を信長様の第二の人生と考えねばやっていられない、と吠えた相手に詫びて)
だが……俺もまた、主をあの方とは別に考えねばやっていられないんだ。
(やってしまったと、ズーンとした重たい雰囲気のままで黙々と奥の畑を耕していれば一部始終でも見ていたのか、馬当番だった日本号がいつの間にか居て。「お前ら良い具合に別方向に拗れてんな。まあ、気にするなって、アイツもお前もどっちも悪かねぇよ。然し右府様も罪な男だよなー」と此方の背中をバシバシと叩きながら笑い飛ばしていて。続けて「色々と拗らせたのは右府様だ。後はあの人が如何にかするしかねぇさ」と言えば、そのまま日本号は立ち去って行き。そんな訳ないと思いつつも、確かに長谷部の方の問題は信長様にも非があるのかもしれないと考えて、然し悪くは言いたくないので其れをブンブンと頭を振って散らせば、再び夕方まで休まずに耕していき)
(余計なことを考えぬ様、ひたすら無心で言われた通りの仕事をこなして行き。幸い収穫と水やりというひどく単純な作業は考え事をしながらでも失敗をする様なことはなく、ただカゴに山と盛られた胡瓜だけは多すぎやしないかと思うも収穫後では致し方なし。朝方の会話以降完全に別作業でやや気まずいも、平静を装って不動の元まで戻り)
……こちらは終わったぞ。この胡瓜はどこへ持って行けば良い。
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