大倶利伽羅 2016-02-18 00:32:01 |
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…こうして人の身を得てからは珍しいことばかりだ。
(己の湯呑みを手に取り、此方も手を温めるようにそれを両手で包み込みつつ相手の言葉に小さく頷き同意を示せば「いいことばかりでもないがな」とぽつりと落としてから、湯呑みに口をつけお茶を飲み)
はは、そりゃ言えてるな。いい事だけじゃない、刀の方が良かったと思う時だってある(そう言い目を伏せると人の身を得てから色々なことがあったなと思いを馳せつつ湯呑みに口を付け茶を飲むと「倶利坊の淹れた茶は美味いな。こんな事も知らなかった、でもこれは知れて良かったことだ」と微笑み)
!、…物好きだな。光忠の淹れた茶には劣ると思うが。
(言葉が届くなり相手の方へ視線を向けてみれば、その柔らかな微笑みに気が付き何故だか胸がざわつく感覚を覚え照れ臭そうに眉を寄せると、表情を見られまいと顔を背け照れ隠しなのか素っ気ない一言を述べて)
いや、物好きじゃないだろう。光忠のも美味いが君のだって美味い、三日月だって頷くはずさ(顔を背ける様子からしてきっと今の彼は照れているのだろうと憶測しそこにちょっかいを掛けると気分を損ねせっかくの雰囲気を崩すかも知れないと思いそう言い)
っ、そうか。……それなら、気が向いたらまた淹れてやってもいい。
(相手の言葉は素直に嬉しいものの余り言われ慣れていない故に少し擽ったく、背けていた顔をおずおずと相手へ向け消え入りそうな声で呟いてから再び湯呑みに口をつけては、身体の芯から温まる感覚に瞳を細めて)
おっ、そりゃ嬉しいな。よろしく頼むぜ(にこりと嬉しそうに微笑むと庭を見て少しずつ積もる雪を見ては「ほら、あんなにもう積もってるぞ」と言い)
本当だ。……雪兎程度なら作れそうだな、
(此方も釣られるように庭へと視線を向けてみれば、少しずつながらも積もる雪に気が付き上記を口にしつつ湯呑みを傍らに置いてから腰を上げると、雪に濡れることなど構わず庭へと歩き出して)
お、はしゃぐ気になったかい?(雪兎などとそのような可愛らしいことも言うものなんだなと思いながらそう言うと残っていた茶を飲み同じように庭へと出て)
はしゃぐつもりはないが、…少し興味はある。
(庭にしゃがみ込み少し積もった雪をかき集めるように手を動かしつつ返答をすると、以前の雪の日に短刀達が作っていた雪兎を思い浮かべながら見よう見真似ではあるが真剣な表情で雪を掌で丸め)
はは、それでいいのさ。そういう姿を見れるのも楽しいもんだ(そう言いならばこちらは小さな雪だるまでも作って驚かせてやろうと思い付くと手が冷たくなるのに構わずに雪を集めて丸めだし)
……案外難しいな。
(思っていたよりも手の冷え等のせいで上手く形を整えられず、眉を寄せつつも適当に見繕った葉っぱを耳として付けてやれば少し雪兎らしくなり思わず満足気に表情を緩めて「出来た」とぽつりと小さく零せば相手を横目で見て、)
倶利坊!どうだ?(しばらくして小さな雪だるまが出来ると満足げに微笑み手に乗せて相手に見せると同時に愛らしい雪兎が視界に入り「上手いじゃないか、可愛らしいぜ?」と述べ)
!、ああ、あんたも…上手いものだな。
(相手の掌に乗る雪だるまに視線を向ければ、自然と表情は柔らかなものになっていくが相手の手が冷えきって赤く色づく様子に気が付くと、雪兎を己の膝に置いてから「 …国永、手を貸せ 」と、)
ははっ、だろう?(褒められると何処か気恥ずかしそうにしながらもその言葉を素直に受け止めては手を貸せと言われきょとんとした表情になりつつもその言葉に従い手を差し出して)
……赤い。
(素直に差し出された手を軽く握り、ぐい、と引き寄せ己の口元まで運ぶと熱を分け与えるようにその赤い手に白い息を吐き掛けつつ「 霜焼けになって出陣出来ないなんてことになれば、俺が困るからな 」と心配しているにも関わらず捻くれた言葉を、)
ちが───…おい、どうした。…国永?
(心配、という言葉を否定するべく口を開こうとしたものの、顔を背ける相手に気がつくと途中で言葉を止めて怪訝そうな表情浮かべては体調でも悪いのかと考え相手の顔を覗き込もうとして、)
えっ、あー…いや!何でもない、大丈夫だ(まさかそこまで反応されるとは思っていなかった様で少し仰け反りつつ片手で顔を隠し少し慌てた様子でそう言い)
…様子が変だ。まさか本当に風邪をひいたんじゃないのか。
(普段と明らかに違う相手の様子に心配は増すばかりで、顔を隠す仕草が気にくわないのか眉を寄せると、顔を覆う相手の手を退けようと腕を掴みくいくいと軽く引っ張り)
か、風邪なんか…!(心配してくれるのはとても嬉しいが恥ずかしいものには変えられず距離を保つためか咄嗟に手に持っていた小さな雪だるまをぐっ、と顔に当てて)
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