舞 2016-02-08 17:41:10 |
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Ⅰ.笑顔のつくり方。(ハイキュー)
「消えてよ」
「お前なんて必要ねぇんだよ」
「汚れるから、触らないでくれる?」
「今すぐ出てって下さい」
暴言の数々。
殴られた時の痛み。
かけられた水の冷たさ。
全てを私は覚えている。
ずっとずっと、逃げ出したくて。
嫌だって、言いたくて。
なのに、私は...無理してた。
「大変そうだ」とか
「可哀想」って思われたくなくて、
「バレー部に入ってよかった」
「マネージャー頑張ってるよ」って
思ってもないこと言って笑って。
本当、馬鹿だなぁ...。
でも、その悪夢はもう、全て終わった。
日常が戻ってくる、はずだった。
なのに、なんで?
「おい佐倉!早く来いよ、練習始まるぞっ」
なんで..西谷が此処にいるの?
わざわざ2ー5まで迎えにくるなんて、有り得ない。
まだ、続くの?
「御免、私今日塾あるから...」
勿論、嘘。
塾なんて、通っていない。
「昨日、レシーブ見てくれるって言ってたろ?」
「......うん。」
皆が見ている前で、もうマネージャーを辞めたなんて言えない。
強がりでも、居場所が無くても..こうしてしまうのが私の悪い癖だってことは、よくわかってる。
それでも...逃げるなんてことは、どうしても出来ないんだ。
「お手柄だな、西谷」
「流石だなノヤっさん!よくもまぁあんなにスムーズに...」
「佐倉がマネージャー辞めたって言わないのが不思議だよなー」
「こいつは、昔からそうですから」
力だけは、見て見ぬふりをしてくれている。
助けてくれることはまぁ無いのだけど...見逃してくれるだけでかなり有り難い。
でも、やっぱり1番辛いのは、仁花ちゃんと潔子さん、武田先生にまで見放されたことだ。
コーチはあまり関わらないようにしてくれている...という以前に、コーチにはバレたく無いのかコーチがくると必ず苛めは止まる
水をかけられることだって無くなる。
勿論、私にとっては好都合だ。
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