公衆衛生局 2016-02-06 18:48:07 |
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勿論だ、礼央で構わない。
__腹は空いているが……アンタも疲れてるのに悪いな。とは言え、オレは料理が出来ないから助かる。
(呼び方については呼び捨てで良いと言った返事をしていき。続いて、ガスコンロを点けてフライパンを握っている相手を見ては期待と感謝の言葉を述べていって。自身はコンフレークとカップラーメンしか作れず、料理と呼べるものは全く作れないのでその点に関しては特に有り難みを感じ。やはり作られるのは日本料理なのだろうかと考えつつも、料理が出来るのを待っている間は落ち着かなかったのでカーテンを少し捲って窓から外の様子を覗き見て、ゾンビの動きを伺っていき。)
(宣言したはいいもののこの数少ない食材で何を作ろうかと壁にぶち当たってしまう。炊飯器には寝泊まりしようとしていた人が炊いていたものと推測される白米があって。貴重な米だが長い目で見れば残しておいてもそう長くは持たないだろうと考えて、残せるものは明日明後日に備えて残しておきたいしと悩んだ末に冷蔵庫の奥に潜んでいた卵を見つけると賞味期限を確認し。昨日で切れてしまっているそれを捨てるのはもったいないしかと言ってそのまま食べるのも気が進まない。んーと小さく唸ったかと思えば残っていたある野菜を見て何か思いついたのかフライパンを温め調理を進めて、暫くするといい匂い漂わせながら皿に盛ったチャーハンをテーブルに並べる。)
ごめんね、卵と玉ねぎだけっていうシンプルなチャーハンよ。味は調味料で調整したからいけるかと思うんだけど…食べてみて?
残った卵はゆで卵にしたから明日に備えて持っていきましょ。それと、少し白米も余ったからおにぎりにしたわ
何から何まで悪いな。ああ、頂くとしよう。
(覗き込んでいた窓から視線を外し、ロウソクの光が漏れないようにしっかりとカーテンを締めれば、料理が置かれているテーブルへと向かっていき。どうやら残った食材は持ち運びと日保ちさせる為に、おにぎりと茹で卵にしたようだ。これからは食料の確保も視野に入れて行動しないといけないかと考え。アメリカだったら大型のスーパーがあちらこちらにあるものの、日本ではあまりそれらは見当たらず。食料の調達は主にコンビニや建物にある災害用備蓄食料になるかと思っていき。何はともあれ今は先に夕食を摂ろうと思考を切り替え。どんな調味料を使っているのかは分からないが、部屋には良い匂いが立ち込めていて。出来立てのチャーハンをスプーンで掬って食べていき。相手の言った通り卵と玉ねぎのみのシンプルで甘みのある味だったが、調味料......たぶん味的にゴマ油だろう。そのお陰で物足りないとは感じず。それに昼から何も食べていなかった為、この温かい食事は何よりも体に染み渡り。すぐに自身の皿を綺麗に完食をすれば、日本人に習って手を胸の前で合わせていき。)
ごちそうさま、チャーハンはあまり食べたことはなかったが美味かった。アンタは料理上手なんだな。少ない食材で料理を作れるのは世辞抜きで尊敬出来る。
お礼なんていらないの。礼央がいなかったら私は今頃ヤツらの餌食になっていたんだし
(あの時きっと相手以外は助けてくれる気すらなかっただろうし自分もあのゾンビたちを1人で蹴散らせていたとは考えられないのだ。だからこそ今自分が生きているのは相手のお陰だと深く感謝している。思えばアメリカ人の血が混じった彼にチャーハンとは失敗したかななんて遅れて気づき食べてる様子を心配そうに伺い見て。進みも早くきれいに完食してもらえればそれだけで嬉しいのだが、丁寧に手を合わせて日本人らしくごちそうさまと挨拶するのを見るとこんな状況の中でも心は温まるもので小さく笑って。相手が食べ終わったのを見て自分もようやく物が喉を通るようになって暫くして完食すると2人分の空いた皿をシンクに持って行く。それから2つのコップにわずかだが安全性の高い開いてないペットボトルから水を注げば1つ相手の前に差し出して、まだぼんやりと室内を照らしてくれているロウソクの火に視線を向け。情けなくもこういった事態を把握するのでいっぱいで明日のことについても何をすべきなのかピンときていなくて。)
はい、喉も渇いているでしょ?少ないけどこれ。
明日から具体的にどうしようか…。こればっかりは悪いけど礼央の案に頼ってもいい?私じゃよさそうな考えがこれっぽっちも思い当たらなくて
(小さく笑った相手を見ては、こちらもつられて薄っすらと口元を緩め。まだ出会って一日も経っていないが、気丈で気が利き自分の役割を一生懸命やろうとする好感の持てる女性だ。この混乱の中で最初に彼女とコンタクトが取れたのは幸運なことなのだろう。だが、相手はこんなゾンビで東京が崩壊している状況に巻き込まれていなかったら、恐らく幸せな人生を送ることが出来ていただろうと思ってしまえば何とも言えぬ遣る瀬無さを覚え。そんなことを考えてもしょうがないのだが、せめて彼女が明日も笑えることが出来るようにと。自分の柄では無いが居もしない神に少しだけ頼んでいれば、不意に差し出されたペットボトルの水が入ったコップに気付いて、それを受け取り「Thank you」と返して水を飲み。柔いオレンジ色のロウソクのみが室内を照らす中で、具体的に明日のことについての意見を訪ねて来る相手の言葉に頷けば、ゆっくりと口を開き。)
まずは、食料や武器を確保しつつ‘莉子の弟’を探す。さっき携帯を見ていたし心配なんだろ? それにここからじゃあ、オレの両親の家や職場は遠い。
……とは言え、莉子の弟の家がこのビルからどのくらいの距離にあるかで、明日のルートややることも変わって来るんだが…。
(弟のことを言われてしまうと目を伏せて正直探したくてたまらないし今にでも会いに行きたいくらいだが怖い気もする。もしマンションにいなかったら?もし__ゾンビの弟と遭遇することになったら?何回考えたって答えは出なくて暫く黙り込んでいたがひとつずつ言葉を返していき。最優先なのはお互いの命であることも知っているため弟のことよりも食料や武器の確保を第一に考えようとする意見を述べ。窓際に寄ると少し覗けるだけのカーテンの隙間を作ればそこから覗き、昔立ち寄ったことがあるスーパーの看板が目に留まると相手にも見えるよう近くに呼び寄せて看板を指し。ただ少し距離がある上にゾンビもいる可能性も少なからずあるためどうしようかと思い悩むようにして眉を寄せては意見を求めるように相手に視線を投げかけた。)
やっぱり貴方って勘がいいのね。_うん、心配。だけどマンションに弟が黙って隠れているとは考えにくいし、会える時がくれば会えるはずよ。気にかけてくれてありがとう。
食料と武器を優先させましょう。食料ならあそこのスーパーなんかいいかもしれない、前に一度東京に来た時立ち寄ったことがある。……武器は、どこにあるか全く見当がつかない
そうか、分かった。
……弟から連絡が来ると良いな。
(不自然な沈黙と相手が目を逸らしたのが見えた為に、少し気が回らなかったかとこちらもやや視線をずらして軽く髪を掻き。こういう時は上手くフォローが出来ないので、会える方よりも可能性が高い連絡が来ると良いと言った言葉を選んで、これでも自分なりに励ましていき。__なら明日の目的は、相手が教えてくれたこの窓から見えるあのスーパーで食料を得ることかと考えて頷き。それにスーパーの看板は光っていたので、あそこは電気が生きているかもしれないし生存者もいるかもしれない。協力者を増やす気は無いが、生きてる人間に会えさえすれば新たな情報を得られる可能性もある。まともではない人間だったらゾンビよりも最悪だが。そんなことを思い浮かべては、腕を組んで考えながら話していき。)
……スーパーか、ちょうど良いな。明日はそこで食料を補充しよう。辿り着くのに骨が折れそうだが、車を使えば問題無いだろう。さっきビルの横にこの会社の車が置いてあったからそれを使って行くか。
──武器に関しては何か長い物や銃が欲しいところだが、日本には銃専門店は無いんだよな。長い物はスーパーに行くまでは掃除用具の柄などで代用してみるか。
うん。礼央の両親からも来るといいわね
(慣れないながらもこちらを気遣ってくれているのがわかると心にぽぅっと部屋のロウソクの明かりのような温かみが広がる。こんな悲惨な状況の中で相手は希望のように見え強く頷いて、続いて相手の意見を聞けば同調の意見を述べていき。あのスーパーに生存者がいればいいと微かに期待を膨らませて、そして食料もあり電気も通っているなら食料もある程度日持ちするはずだから暫く基地にするのもいいかもしれない。_だがゾンビ侵入のことを考えればここのような高層ビルの方がいいだろうかなどと考え始めるときりがなくて、会社の車の存在に気づいていなかったため言われて初めて驚いたように肩を上げ。免許は持っているがほとんど運転経験がなかったので嬉しそうに笑って。)
車?それは使えそうね。しかも礼央が運転してくれるなら安心。私_ペーパードライバーなの
そうね。銃とか、ちゃんとした武器が見つかるまでは掃除用具とかを代用するしかないかも……
取り敢えず、明日やることを纏めてみるが……まずこのビルで武器になりそうな物を見つけてから、オレが下の車を運転してあそこのスーパーを目指す。そこで食料を確保して、もしスーパーを出る際に時間が夕方になっていたらこのビルにまた戻って来る。もし昼間でまだ時間があったら、電気が生きている施設を探して、そこで休息をとる。それで大丈夫か?
(嬉しそうに笑う相手を見ては、安全運転を心掛けると言うように頷いて。そして、だいぶ夜も深くなって来た上に今日は色々とあって互いに疲れているだろうから、明日に備えて早めに寝た方が良いと考え。しかしその前に明日やることをサッと口上で纏めていき。最後に、彼女との認識の違いが無いかどうかを確かめる為に問い掛けていって。)
オーケー。そうしましょう。明日もどうなるかわからないし、そろそろ寝ようか。_ベットは私でいい?
(自分1人ではまとまらなかっただろう明日の予定が相手の口からすらすらと出てきてそれを頭で処理すればコクリとひとつ頷く。今日の疲れがきたのかそれとも揺らめくロウソクの火に安心感を覚えたせいか眠気を感じると欠伸を噛み殺し、リュック置いていたベットに腰掛ければひとつしかないベットを占領するのを悪いと思いつつもさすがに大人が2人寝れるスペースはなく。どちらかは部屋に置かれた三人掛けのソファーで寝なければならないだろうがここで自分がソファーを申し出ても今日1日の相手の行動を見ていてもきっと譲ってくれるのだろうと敢えて始めからベットを選択し。)
ああ、アンタはベッドで体を休めておけ。オレはソファーで充分だ。
(明日やることを共有すれば、本日やることは寝て体を休めることだけとなり。早々にベッドを選択した相手を見ては、まるでこちらの考えが筒抜けてしまった感覚がして一瞬だけ少し目を瞬かせたが、それほどまでに存外自身は分かりやすかったのかもしれないと苦笑しつつ、トランクケースを持てばソファーの方へと移動をして行き。ロウソクはもう残り少ないので今消さずとも、あと数分もすれば自然に消えるだろうと考えてソファーに寝転べば欠伸を一つ零し。未だに呑み込めない悪夢ような現実の中、せめて互いに夢だけは良いものが見れたらと、緩慢にアイスブルーの瞳を閉じていって)
……Good night. 莉子。
(/背後失礼します。いつもお相手ありがとうございます!とても楽しくロルを回させて頂いています!本題なのですが2日目は、朝食と武器探しは軽くカットして出発の準備が整ったところから始めても大丈夫でしょうか?)
おやすみ、礼央。今日1日ありがとう…
(紳士的なのは国際的なものなのか相手の性格なのかはわからないが快く譲ってもらうと軽く会釈して微笑み。欠伸につられて此方もまた欠伸を漏らしてしまう。ベットに横になってもゾンビに襲われることもありえると変な方に考えてしまって中々寝付けずにいたが相手の寝息をきいてソファーで眠るのを見れば、相手がいてくれればなんとかなると安堵したのかゆっくりと眠りに落ちていった。)
(/此方こそいつも楽しくやらせて頂いてます!ありがとうございます。そうですね、そこらへんは飛ばして車に乗る辺りから始めましょうか!礼央くんのドライビングテクニックに期待です!スーパーには生存者orゾンビor生存者だが食料を渡す気はなく敵対してる人達のどれかがいたら楽しそうなどと考えていたのですが主様はどうでしょう?)
(日本に来てから2日目の朝。カーテンから見えるのは、ゾンビと荒れ果てた街並みのみで。出来ることなら大規模なドッキリであって欲しかったと思う現実は、こうして目の前の窓を通して広がっており。しかし愚痴を零していても仕方が無いので、今日やることの為に手早く朝食を摂ってビル内で武器になりそうな物を探していき。__そして現在午前9時頃。ビルの下に置かれていた四輪自動車の車内へと入れば、一応武器になりそうな柄の長いモップなどを後ろの座席に積んでおき。また、運の良いことにキーが刺さりっぱなしだったのでそのままエンジンを掛けていって。)
──莉子、今日の予定だが昨日話し合った通りこの車でスーパーを目指す。道案内はアンタに任せても良いか?
(/おお!奇遇ですね!こちらもそのように考えていました!因みにですが、スーパーには生存者だが食料を渡す気はなく敵対してる人達(一部は食料分けても良いんじゃ無いかと思っている人もいます)と、隔離されている何体かのゾンビがいると言う状況になっています。礼央は外人なので最初からとても警戒されていて彼のみだと生存者に話しが聞いて貰えない状況ですので、常々莉子ちゃんを頼らせて頂きます(笑) 食料は隔離されている何体かのゾンビを全て倒すことを条件に、反対派の人達を説得して食料をゲットしようかなと今のところは考えていますが、何か他にやりたいイベントなどはありますでしょうか?)
(目覚めたら自分の家で。なにもかも全部悪い夢だったらよかったのに現実はそう甘くはない。準備が整うと早々ビルを後にして車に乗って乗り込む。こんなイケメンと2人でドライブならゾンビがいる街並みじゃなくて、海にでも向かうデートがよかったなどと現実を呪いたくなり。声をかけてもらってはっと意識をはっきりさせれば親指を立ててグーサインして。)
わかった。任せて。運転はお願いね。_まずこのビルを出たらすぐ左折よ
(/おぉ!ついにゾンビとご対面ですね!しかもかなり面白い展開でいいと思います。莉子が話しても快く受け入れてもらえなくて最終的にはゾンビ退治の流れですね!了解です。
2日目に取り入れてもらえなくても大丈夫なのですが後日にでも、是非武器を手に入れる時は礼央くんのピッキング技術を取り入れたいな、と!銃を管理する保管庫なるものは厳重だと思うので、鍵がかかっているのを礼央くんが開けてくれるみたいな場面があると盛り上がるかとも思います!)
OK. 左に曲がるんだな。
(グーサインを示す彼女にアイコンタクトをして、エンジンを掛ければ車を出して行き。さっそく指示を受けた左側へとハンドルを切っていって、壁などにぶつけないように気を付けていき。案外ゾンビが彷徨いていなかった為に、徐行はせずに法定速度のスピードでシンと静まり返った街中を進んで行って。__暫くして、目的地のスーパーへと辿り着いた為に駐車場へと車を止めていき。辺りにゾンビがいないかどうかを確かめながら、降りるタイミングを見計らっていき。)
(/たぶん胸糞悪いサブキャラしか出て来ないと思うので先に謝っておきますね…!済みません…!
おお、ピッキングですか!了解です!それならいつか警察署に乗り込みたいと考えていましたので、そこで活かさせて頂きたいと思います!)
(ビルを出発した途端ゾンビに襲われたらどうしようといった不安しただけあって一体にも出くわさないとなるとそれはそれで肩透かしくらったような気分になる。ダイナミックな運転で目的であったスーパーにつけば昨日とは違いしっかりとした足取りで車から降りモップを手にとって、もうひとつある分を礼央に受け取れるくらいのスピードで放り投げ。)
運転ありがと。私だったらここまでくるのに車ボコボコにしてたわね。_さて行こうか。何がいるかわからないから一応武器持とう
(/存分に嫌味ったらしいキャラでどうぞっ(笑)警察署ですか!武器の宝庫ですね。了解しました!ありがとうございます!)
あ、ああ__何かアンタ逞しくなったな。いや、良いことだが。
(こちらへと投げられたモップを片手で受け取れば、エンジンを切ってキーをトレンチコートの裏へと仕舞い。しっかりとロックをしたのを確認すればスーパーへと足早に向かって行く。何体かゾンビはいたものの相手をするほど進路を塞がれていたわけではないので、彼女にジェスチャーで‘無視しろ’と言った風に合図をしていき。そのままスーパーの入り口まで来るが、家具が無造作に積まれた簡易的なバリケードが張ってあったので入れず。)
……既にスーパー内に誰か居るようだな。裏口から入るか。
(/何人か出て来ますがお相手様はサブキャラへの返信は人数分しなくて平気ですので…!今まで通り一回の返信で大丈夫ですよ! はい!武器とゾンビの宝庫の予定です!← ではでは何かご質問が無ければ背後はドロン致しますね!)
ちょ__!それ女性として喜んでいいの?…裏口は確かあっち
(逞しいとは褒められているようだがけなされている気もして複雑な顔をして。相手の後を追っかけていくとゾンビが数人、直視してしまうと恐怖が強くなってしまいそうだったからなるべく相手のことだけを見て指示に従ってゾンビは無視。入り口が固められていることから中に誰かいるのか?と思いつつも裏口と言われれば前に業者が出入りしていた場所があると思い出して案内し。)
(/わかりました!引き続きお願いします。では此方もドロンです!)
(女性に対して逞しいというのは褒め言葉では無かったなと思いつつも、アメリカのパワフル過ぎる女性達に比べればまだ可愛い方で。そんなことを頭の隅に置きながら、彼女に案内されるがままにスーパーの裏口へと辿り着き。開いてるかどうかは分からないが試しに裏手のドアノブを回してみれば開いたので。ゆっくりと中を覗くと、無人の倉庫に繋がっていた為に後ろにいる相手に振り向いて。)
──スーパーの裏口は開いているみたいだな。莉子、ここから中に入ろう。
先頭はオレが行く。アンタは後ろを頼む。
(裏口から入った倉庫は暗くはあるもののちかちかと天井の電気はついている。相手の予想通り電気はとおっているようだ。後ろを任せられるとなるとそれなりの責任感がのしかかるとさもそれをモップの柄をぎゅと握ってこらえれば言われた通り後方を監視しながら足を進めていき。)
_わかった。私を信じて。礼央は前だけ見ててくれればいいから
OK. 頼もしい限りだ。
(相手の言葉に自身は前を向いたまま彼女には見えない笑みをフッと零せば、足音を立てないように裏口の倉庫を進んで行き。高く積まれたダンボールの横からゾンビが出て来そうだと考えつつ、モップの柄を構えて用心していると__やがて薄暗い倉庫にまで光が漏れている扉が見え。それを慎重に開けてみれば、どうやらスーパーの店内へと繋がっていたようだ。ザッと見たところだと1階は惣菜やデザート、飲料水が中心のようで。ゾンビを警戒しつつ中に入ろうとした瞬間__その行為を咎めるような声が聞こえて来た為に足を止め。そちらの方を見れば、険しい顔をした男女が数人おり。)
……やはり、先客がいたか。
そこの二人組!手に持っている物を捨ててそこで止まれ!!
(今姿が見える日本人の中でも、恐らくリーダー格で最年長だと思われる50代半ばぐらいの男性がこちらにノコギリを向けながら、厳しい顔つきで指示を出して来て。)
───
あら、やだ。外人さんじゃない。日本語通じるかしら?はろー。
(リーダー格の男性の左後ろでは化粧の濃い女子大生っぽい若い女性が人の懐っこそうな。しかし、どこか人を小馬鹿にしたような態度でヒラヒラと手をこちらに降っていて。)
───
馬鹿か春原!隣の日本人の女の人ならともかく、得体の知れない外人なんかに話し掛けるな!
(その横では染めた茶髪で傷んだ髪が特徴的な、スーツ姿の新社会人のような男性がぎゃんぎゃんと吠えていて。こちらを指差して睨み付け。)
__私たちは怪しい者じゃないわ。ほら、ゾンビ化だってしてないでしょ?食料を分けてほしいの、それに情報交換しましょう。彼も日本語を話せるのよ
(光が漏れてる先に食料が少なからずあるのだろうと思っていた。ようやく目の前まで来たのに引き止めがかかっめしまって相手とほぼ同じくしてそちらを向けばあからさまに敵視されているきつい眼差しをこれでもかというくらい浴びて。早く仲間だとわかってもらいたくて自分たちはゾンビ化していないことと、ここにやって来た目的を短く話せば反応を伺い。)
ふん、怪しいか怪しくないかはこちらが判断する。そこの如何にも怪しい外人の話は一切聞かんがな。_とにかくそんなことよりも早くその場に武器を置け!
(リーダー格の男性は、ジロリとした目付きでこちらを観察するかのように見た後。早くその手に持っている物を捨てろと言うように、こちらのモップを指差していて。)
───
へぇ、日本語話せるんだぁ。あー、でも榊の言う通り外人さんってかなり怪しいかも。
(言葉が通じると言う点に反応をしたものの、先ほど横の男性に注意されたことを思い出したのか、女子大生は訝しむような瞳で見ており。)
───
それとテメェらに渡す食料なんざねぇ!そこのアンタにはすっげー悪いけど、こっちだって必死なんだよ!
(しっしっと手で払うような動作をしていたが、根っからの人で無しと言う訳ではないらしく。しかし隣の外人はどうでも良いと言った風に、主に莉子の方だけを見て、遠回しに罪悪感を覚えているような言葉を口にしており。)
──やれやれ、外人のオレには手厳しいな。聞く耳すら無いのか。
(こんな所で外見のハンデが出てしまったかと肩を竦めていき。特に榊と呼ばれている若いスーツの男は、終始己を睨み付けており外国人に対する警戒心が誰よりも強い。それもこの状況では無理もないかと考えつつも、リーダー格の男性が先程からしつこく武器を置くことを促しているので、ここはこれ以上反感を買わないように大人しく従ってモップを地面に置いていき。そして、相手に聞こえないよう小声で隣の彼女に話し掛けていって。)
……済まないが莉子、オレはどうやら話すら聞いて貰えないようだ。大変だとは思うが、説得はアンタに頼みたい。
なによそれ…!__わかったわ。武器も置く。それにこれ以上近づかないからせめて落ち着いて話だけでも聞いてほしいの
(相手方の言い分はひどかった。どれもこれも礼央に対する人種差別のようなものばかりで怒りがふつふつこみ上げる。しかし逆ギレしたところで何も始まらないし礼央に向ける顔もないと思えば反論を何も言わずにおとなしくモップを置いてリーダー格の男のいいなりに。彼らに聞こえないように礼央に目配せして。)
彼らもこの状況でまいってるのよ。言われたことは気にしないで。…ええ、説得頑張ってみるけど一筋縄ではいかなさそうね
Thank you 莉子。説得を頼む。
(彼女からの目配せと返答に微かに頷いていき。それにゾンビが現れてからまだ2日目だ。人々が未だにパニック状態なのも納得出来、少しでも毛色が違うものは冷たく当たられるもの。そう考えると隣の相手はそれに対して理解力があり、やはりそう言った者と初めに会えたのは運が良かったと改めて思いながら、己はスーパーの先客達を黙って見ていき。)
……ようやく武器を置いたか。本来ならば即刻追い返しているところだが、こちらも情報は欲しい。話ぐらいは聞いてやる。
(隙の無い硬さを体現しているような50代の男は少し考える素振りを見せていたが、やはり外の情報は欲しいのか。相変わらず上から目線のままだったが、思い直したかのように莉子に向けてそう言い。)
───
きゃー、鈴木さんってば太っ腹ー。春なら追い返していたのにぃ。
(きゃぴきゃぴとした感じで、女子大生は鈴木と呼ばれるリーダー格の男の背を遠慮なく叩いていて。空元気なのか、状況が飲み込めていないのか。兎にも角にも場違いなのは明確なものの今はそんな明るさでも有り難いのか、周りは誰も咎める様子は無く居て。)
───
話だけだからな!高々情報ぐらいでやれる食料はここにはねぇ!
(ふんすと言う効果音が聞こえてきそうなほど両手で腕を組んで仁王立ちのまま、こちらを牽制して来ており。だが、リーダー格の鈴木が話を聞くことを了承した為か。彼もまたその言葉に従って、莉子の話だけは聞く気であるようで。)
(どうにか話だけは聞いてもらえるようだが温かく迎え入れてくれる気はないらしい。さてどうしたものか。さっきからの様子を伺っていると結局はリーダー格の男性が言うことなら全員従うらしい、他の女性と青年は所詮彼の言いなり。ここで自分たちまでもあまりに謙って接してしまえばリーダー格の男性の思う壺である。頭では必死で知恵を振り絞っているが表情には出さないよう配慮しつつ、一か八かやや語気を強めて駆け引きをはじめた。)
__そうね、ひとつだけ情報を与えられるとしたら……貴方たちが店の前に作ったバリケード、私たちが来る頃にはゾンビたちに突破されそうだったわよ?…大丈夫?貴方たちだけで。ゾンビたちとやり合える?彼はかなりの腕利きだし、私は看護師。彼はゾンビに物怖じしない精神とそれに伴った力を持ち合わせているし、私なら傷ついた人を救える。_いても損じゃない人材だと思わない?
私たち同じ人間じゃない。協力し合わなくてどうするの?どうしても食料をわけてもらえないのならこっちもここに長居する気はないの。他をあたるわ。
(少し大袈裟にだが恐怖を与えるように言ってみる。じわじわと忍び寄る狂気にきっと彼らは耐えられないから此方の提案も呑んでくれるかもしれない。リーダー格の男に視線は集中させあくまでも最後まで強気で訴えかけるように伝えるとおもむろにモップを持って、礼央にも置いていたモップを握らせる。これでも相手たちが拒否するようなら『さっさと帰ります、貴方たちはゾンビたちに殺られちゃって下さいね』とでも言わんばかりの態度で礼央の腕を引いて戻ろうとして。いざ去られてしまうとなると引き止めたくなるだろう。腕利きの外人と看護師だとわかってしまった今なら特に。)
……ほう、言うじゃないか女。簡易的とは言えあのバリケードは昨日作ったばかりだ。そう破け__。__っ!?
(リーダー格の男はこちらの言葉に鼻で笑えば、入り口のバリケードは破れないと妙な確信を持っているようで取りつく島はあらず。しかし、直後。ガシャンと言ったガラスが割れるような不吉な音が聞こえて来た為に、その男の言葉は途中で掻き消されていき。驚いたような表情で、入り口のある方面へと視線を向けていて。)
───
……え、なになに?今の音……。もしかしてその人が言っていた通り、バリケードが壊れたんじゃ……。
ねえねえ…!あの人達、看護師と後何か強いとか言ってるんだから協力して貰おうよ…!食料まだめっちゃあるし命のが大切だし!
(さすがに明るく騒いでいた女子大生も、不穏さを煽られるには充分だった音を聞いたからか。急に青ざめては震え出していき。莉子の方をチラリと見れば、周りの人達にその不安と共に訴え掛けていて。)
───
うっせえ!まだ破られたかどうか分からねえだろ!……俺が見て来る!
(やや苛立った様子でそう言ったものの、やはり怖いのか枝切り鋏を持つその手は些か震えていて。周囲の制止を振り切って、青年は入り口へと向かって行き。__その数秒後。焦って奥へと戻って来る姿が見え。)
クソッ!奴らにバリケードが壊されていた!何体かスーパーに入って来てやがる!
(莉子の説得に舌を巻きつつも、渡されたモップを再び片手に持っておき。相手がこちらの意見を聞くのも時間の問題かと思っていれば__突然のガラスの破壊音が鳴り響き。パニックになり掛けている周囲に目を走らせつつ、スーパーの者達には悪いがこちらとしては説得するには好機で。彼女の側から離れないようにして呟き。)
……莉子、後一押し行けるか?
自分たちの身を危険にさらしてゾンビを追い払いに行く?それか、ここでいつゾンビに襲われるかもしれない状況でじっと待つ?それとも__私たちに賭けてみる?
(礼央の言葉に力強く頷いて返せば焦りが滲み怯んだ連中らの隙を狙い追い討ちを掛けるようにして迫っていく。相手にとっては自分たちは動かなくていいし、此方がゾンビとやりあっているうちに最悪の場合逃げ出すこともできるのだから悪い提案ではないはずだ。しかし此方も無駄に命を差し出すようなことはしたくないのでゾンビを追い払うことができたときにはそれなりの報酬をもらえるように最後にしっかりと条件を述べて。)
_ただし私たちに頼るならそれなりにこっちの意見も聞いてもらうわ。最低限の食料と、対等に話し合える場を保障して。
さ、ゾンビは刻一刻とここに近づいてきてるはず……さあ、どうするの?
__っ。……分かった…!お前の条件を呑んでやる!食料も話し合いの場も全て用意をしてやる!その代わりに今言った通りゾンビを追い払って来い!
(リーダー格の男は苦々しい顔をして悩んでいたようだが、莉子の説得に逆境の中にいる今、答えを先延ばしにすればするほど危機に陥ると判断した為か。力強く頷くと声を荒げて言い。)
───
……ッ、もうあいつら……近くに来てる……!うぅ……気持ち悪い……。
(飲料水の棚の裏側から聞こえて来た唸り声に、女子大生は体を震わせて小声で呟き。早く倒してと言わんばかりにこちらに縋るような視線を送って来ていて。)
───
__チッ、俺は入り口を塞いで来る!テメェらは大口を叩いたんだから、スーパー内に入って来たゾンビを一人残らず倒せよ!
(主に怪しい外国人と決め付けている方をビシッと指を差して強く指摘すれば、スーツ姿の青年はこれ以上ゾンビを入って来させるかと言うように、入り口の方へと向かって行ってしまい。)
……交渉成立か。
莉子、助かった。それと、このスーパー内ではオレからあまり離れるなよ。
(ギリギリで纏まった話し合いにそう呟けば、モップを片手に構え直していき。説得を成功させた隣にいる相手に感謝の言葉を送っては、これからゾンビを追い払う作業へと行かなければならないので、なるべく自身が彼女のことを助けられる範囲内に居て欲しい為に、そんなことを言っていき。そして、棒立ちをしているリーダー格の男と女子大生に視線を戻し。)
Mr.鈴木、Ms.春原。アンタらはそこの倉庫に避難してろ。その間にお望み通り、スーパー内のゾンビを倒してやるよ。
ううん、説得に時間がかかちゃった。ゾンビと戦う羽目になってしまってごめんね。
__わかった、なるべく礼央の近くにいる
(冷や汗がたらりと額を伝う頃ようやく相手方も状況を感じ取ったのか条件を呑んでくれて。しかしゾンビが侵入してきていることは想定外であったために礼央に謝罪する。戦闘となればいつどうなるかわからない、きつくモップを持ち直せば礼央の指示に従うように返事をし邪魔にならないように背中側に移動して後をついていき。)
(Mr.鈴木は『ふん、言われなくても身は隠す。お前達の邪魔はしない』とツンケンとした態度で、足を竦ませているMs.春原を引っ張れば、こちらの言葉通りにゾンビのいない裏口に繋がる倉庫の方へと隠れて行き。それを見届ければ、自身の背後に莉子が回ってくれたこともキチンと確認していき。小さく息を零せば視線をスーパーの奥へと遣り。)
ゾンビのことは不可抗力だ、気にするな。
……まずは、飲料水コーナーから見て回るぞ。
(責める気配すら感じない相手の懐の深さに感謝しつつ背中を追って。店内に入ると照明は明るいし、飲料水コーナーはいたって涼しい。冷たい飲み物をガブガブ飲みたい、だなんて人間の本能はこんな時にでさえ収まってはくれないみたいでゴクリと唾を飲み込み。彼の背中を守るようにして視線巡らせていればのそりのそり、極めて遅いスピードだがお菓子コーナーから此方の姿を見つけたように歩いてくるゾンビを見つけて。)
__礼央、後ろから一体こっちに向かってくる
──ああ、アレか。分かった。
オレが始末をして来るが、その間にアンタは他の棚から出て来るゾンビがいないか見張っていてくれ。
(ゾンビはスピードが遅い分、唸り声を上げていない時はあまり物音がせず下手をしたら奇襲を受けてしまうかもしれない。現に彼女の声掛けが無ければ、お菓子コーナーから来ていたゾンビには対応が遅れていただろう。スローペースながらも獰猛な目付きと異臭を放って近付いてくるゾンビは、人の恐怖を煽るには充分な存在で。万人が萎縮してしまうのは納得出来る。モップを槍のように構えれば、ゾンビに噛み付かれない距離を保ってその足を払い。転けたところで心臓へと突き刺すが、しかしまだ動いていて手足をジタバタと動かしており。心臓が駄目なら頭かと、その脳天を突き刺せばようやく動きが止まった為に後ろの彼女へと振り返ろうとしていき。)
わかったわ
(相手がゾンビと戦っている間に他の場所を注意しながら相手とゾンビのことも気にかけて。器用に足を引っ掛けたかと思えば心臓をひと突き。それでも動きはとまらなかったようで頭にとどめを刺すのを見てはゾンビの動きを止めるには頭を狙うのがいいのかもしれないと分析しながら、もう1度辺りを見てゾンビがいないことを確認し振り返った相手に報告。)
_まずは一体倒したわね。ありがとう。頭が急所なのかしら?この辺りにはいないみたい。もしかしたら数はあまり入り込んで来ていないのかもしれないわね
ゾンビに急所なんて概念があるのか疑わしいが、確かに頭を潰したら途端に動かなくなったな。
(謎だらけだと思いつつも、足元で文字通り頭を潰されて死んでいるゾンビを一瞥していき。他にも何か__例えば光や音に過剰に反応するなどと言った、ゾンビのホラー映画によくありがちな特性をこのゾンビ達も持っているのだろうかと考えながら、彼女の‘数はあまり入り込んで来ていないのかもしれない’と言ったスーパー内のゾンビの数に対する言葉に、それだったら有難いことだと思っていき。__しかしその刹那、彼女の背後にある棚の陰からゆらりと近付く影があり。慌ててその腕を掴んでこちらへと引き寄せようと試みて。)
──っ、莉子!危ない!!
__っ、
(ゾンビのことを考えていたりその嫌な臭いから早く逃げたいのもあり周りのことは視界に入っておらず。気を抜いてしまっていた。後ろから何か物音が聞こえたと思った時にはもう既に遅くゾンビが自分に向かって腕を振り下ろそうとしていた瞬間、腕が引かれるままに体を委ねて。相手の胸元に顔をうずめるような形でそちらに移動することができたおかげで無傷で済んだ。安心する間もなくゾンビが体勢を立て直し再び自分たちに向かってこようとしているのを見れば体勢を立て直し、咄嗟にモップの持ち手の方で腹部を狙って突き出すとそれがヒットしたためゾンビがよろめいて。)
(彼女がゾンビの体勢を崩させてくれたお陰で、敵に大きな隙が出来。そのまま莉子を後ろに遣ると、ぐらりとよろめいているゾンビを思いっきり蹴り飛ばしていって、素早くモップを逆手に持ち直せばその柄で脳天を突き。だいぶ音を立ててしまった為に、更に辺りを警戒しつつ場所を飲料水コーナーから少し奥の方に移動しようと考えながら、とにかく無事だった彼女に視線を向けては安堵の息をついて。)
Nice fight 莉子。……怪我は無いか?
こ_こっち見ないで。前を見ないと危険よ
(ゾンビに反撃の隙も与えず打ち負かしたのを相手の背中からしっかり見ていて。素早い動きでゾンビを仕留めたのを確認すると安堵感に続いて先ほど相手が助けてくれた時の胸板の硬さや腕の逞しさなんかが思い出されてくる。こんなこと考えてる事態じゃないのなんてわかってる。でもどうしようもなく照れが生じてしまって、顔を赤く染めあげれば相手が此方を振り返るのを止め。意識をどこにいるかもわからないゾンビに向けさせて。なんとか赤みが引いた頃おずおずとお礼も述べ。)
…さっきはその……ありがとう。礼央のおかげで怪我もしてない
__?あ、ああ…そうだ、な?
(日本と米国のスキンシップと文化の違いの差を理解していなかった為に、何故か後ろを振り替えさせてくれない相手がまさか照れているとは露知らず。けれど、確かにいつゾンビが現れるか分からないので再び前へと視線をやっていき。しかしながら、とにもかくにも彼女がどこかを負傷した様子は無いので。前を向いている為に相手には見えない位置で自身は安堵の表情を浮かべていれば。暫くしてお礼の言葉を言われたので前を引き続き警戒している為、今度は後ろを振り向かずにヒラリと手を振っていき。)
こっちこそ、莉子の援護に助けられたから気にするな。それにアンタが無傷なら問題無い。
うん…。ありがと。__そう言えばゾンビたちはスーパーの食料目当てに此処に来たのかな?
(素直に前を向いてもらったおかげでそれ以上心臓が高鳴ることもなければ顔に熱が集まることもなくて。落ち着きを取り戻した頃、またさっきのように相手の男らしい部分だとか思い返して変な気を起こしてしまわないうちに話題を変更する。尋ねてみたのはゾンビが此処に来た目的である。此処には食料か人間くらいしかないはず。ならば何方が奴らのお目当てなのかと考えながらもしっかりと周囲には気を配って歩き。)
それだったら良いんだがな。…どうにもスーパーの食料と言うよりは、スーパーにいる人間を襲いに来た気がするが。
(スーパーの棚に並べられた食料よりも真っ先にこちらや莉子を襲ったことを考えると、どうにもスーパーの食料目当てではなくスーパーにいる人間を食料として襲いに来た感じがしてならなく。それだったら、餌で釣ると言うことは出来なくなると考えながら歩いていると__生鮮コーナーに辿り着き。冷房が効いた中にある肉のパックを見たがどれも手はつけられていない。試しにゾンビに向かって投げてみるかと罰当たりなことを思っていれば、ここから距離はあるものの酒の棚からゾンビが出て来たので。相手を刺激しないように無言のまま後ろの莉子の肩を叩いて教えていき。)
人間が目的…。なんだかゾッとするわね
(周りの食材たちが荒らされた様子もないので相手の言うことにも納得がいく。それにしても人間につられて来るのだとしたら恐ろしく気持ち悪いと思い眉を顰める。その時肩に相手の手が触れれば何かあったかと声は出さないが意識は周りに向けられて、酒の棚から現れたまだ自分達の存在に気づいていない様子のゾンビを見れば相手にしか聞こえないくらいの声で。)
こっちには気づいてないみたい
だが、始末はした方がいいな。……近付くしかないか。
(こちらも小声で返せば、無視したくても無視出来ないゾンビを見ては溜め息をつき。モップの柄を持ってはそろりと足を立てずに背後から近付こうとして。何とか上手い具合に近付けば、まずはその足を引っ掛けてすっ転ばしていき。倒れたゾンビはジタバタともがいたのですぐさま脳天に柄を突き刺す。そして、後ろにいるであろう彼女に話し掛け。)
莉子、そっちの様子はどうだ?
うん。こっちは大丈夫みたいよ。物音もしないし、気配もない
(いくら此方に気づいてなくてもゾンビに立ち向かうためには勇気がいり足が竦んでしまうのに、勇敢に立ち向かっていく相手の背中を尊敬の眼差しで見て。トドメを刺してから此方の状況を聞かれればさっき物陰から襲われたこともあったので何回も前後左右しっかり確認して何の気配もないことを伝える。)
そうか。__それにしては数が少ないな。
(彼女の言葉に頷けばそのような疑念を抱き、もしかしたらまだ奥の方には来ていないのかもしれないと、心中で推測を立てていき。モップの柄に付いた血をその場で払い落とすと、一度深く息を吐いていって。ゾンビの動作が遅いとは言え、やはり異形の者を相手にするのは神経を使うもので。しかしやらなければやられると言う現状で躊躇ってしまえば命の危機に瀕してしまう可能性も無きにしもあらず。そのため立ち止まることなど出来るはずもなく、着実に磨り減っていく精神を立て直しては至って涼しい顔をして、同行者へと振り返り。)
少し危ないが入り口の方に行くか。
……付いて来れるか?
うん、行く…けど、礼央。1人で背負わないで。私もいるんだから
(勇敢な相手についていくことを頷いて知らせる。涼しい顔をしているけれど既に3体ものゾンビとやり合ったのだ。だから少なからず体力も精神も平常時と同じではないと思い後ろから肩をぽんっと叩く。相手をリラックスさせるものでもあるが自分にも言い聞かせるもので。こういう時こそ協力せねばとモップを構えると警戒しながら進んでいき。)
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