【創作】貴女と紡ぐ物語【NL】

……
（開かれた扉、その奥に広がる王座の置かれた絵に描いたような謁見の間を前にして一瞬物怖じしてしまった自分より先に一歩を踏み出した相手にほんの少し遅れて前に出ては緊張の面持ちでペコリと頭を下げて相手の隣に並んで入っていき


（/モブなどはどうしようか考えていたのでもし請け負っていただけるならとても助かります。お願いしても大丈夫ですか？）

其方達が村の長の使者か。遠いところ、ご苦労であった。
（本日に到着する予定の使いの者が来たと言うことを兵から伝えられれば、家令との打ち合わせを後回しにして、すぐに謁見の間へと赴き。そこの玉座で待っていると扉から現れたのはまだ若い人間と獣人の二人組。この者達が使者かと思い、この大国とあの村はそれなりの距離があるのでまずは労いの言葉を掛け

いえ、滅相も御座いません。こちらこそ、この場所へと通して頂き感謝致します。
（立派な玉座に座っていたのはこの大国を治めている威厳のある王で、彫りの深い顔と白く長い顎髭は肖像画で見たものとそっくりであり、緊張を解す為に一呼吸をすれば、目の前の王に向かって深々とお辞儀をして感謝の意を示していき


(/勿論大丈夫ですよ！取り敢えずロルは別々に書くというタイプにしてみましたが、同じロルに書く方が良かったでしょうか？)

…！勿体無きお言葉…
（こんな時、どんな対応をすればいいのか、正直育ちがいいとは言えない自分では目上の人間に対する礼儀というものがわからずにどうしたものかと少し悩んでいたが、隣の相手が平然とした調子で言って礼儀正しく頭を下げたのを見れば純粋に凄いなと思えて、とりあえず黙ってないで何か言わなくてはと、それだけを言って此方もまた頭を下げ

（/別々の方がわかりやすくていいと思うのでいいと思います！）

それで、来て早々で悪いが……村の長から預かっている物を我へと渡してはくれないだろうか？
（本当ならば客人に急かすような真似はしたくなかったものの事を急ぐ要件だったので、人間の青年と獣人の女性のどちらかが持っているであろう例の物を一刻も早く受け取る為に、このように促していき。

はい、こちらが村長から預かっている物になります。
（相変わらず内心では緊張したままだったので、隣にいた兵士へと箱を渡す際に少し手が震えてしまったが、それでも平静を保つことが出来ていたのは隣にカイルがいてくれたからで。彼が横にいてくれるだけでも心強いと思いながら、しっかりと王様を見据えていき。


(/それなら良かったです！ちなみにもう少しでお使いが終わりそうですので、今後の展開についてお話ししても大丈夫でしょうか？)

…おつかれさん
（兵士に箱を手渡す際に彼女の手が震えているのが見えると淡々としているようで本当は緊張しているんだなと本心が垣間見えて微笑ましく感じられ、とりあえずは役割を果たした相手の横から軽く突いて小声で労いの言葉をかけては再び王の方へと向き直って


（/そうですね、これからの展開ですがこの国で濡れ衣を着せられてお尋ね者になって各地を放浪することになる、というのはどうでしょうか？原因としては色々考えられますが渡した物が何か予想以上に危険なものだったとか、リリアナが王子からの求婚を断って逆恨みされるとか、そんな感じはどうでしょうか？）

ふむ、これが例の物か。
（獣人の女性から兵、兵から己へと渡された小箱をじっくりと眺めていき。確かきちんとした手順で開けて下さいと、村の長から言われていたことを脳裏に思い浮かべて慎重に開けていって。＿＿しかし小箱を開けた途端、しまったと言うには既に遅く、目映い光が謁見の間を包み込んでそのまま己は意識を手放してしまい

……。＿＿っ！？
（小さく聞こえてきた彼からの労いの言葉に微笑みを一つ浮かべて前へと向き直ると、王様が小箱を開けた瞬間、そこから真っ白な光が溢れ出してきて咄嗟に目を覆い。再び目を開ければ自身と幼馴染以外の者達、玉座の王様と周りの兵士は倒れていて訳が分からずに「……え？」と呟くのが精一杯で


(/なるほど了解しました!意外と危険な物で〜と言う方向でやらせて頂きました! 開け方をミスらなければ大丈夫だったのですが、事前に聞いていたのに王様がヘマをしたと言うことで…。気絶した王様や兵は1ヶ月後には目を覚ますので、その時に目を覚ました王様自身が謝罪をして疑いが晴れると言うのはどうでしょうか？それまでは逃亡生活ですね)

っ…こ、これは一体どうなって…
（眩い光にたまらず目を手で覆ってしまい、それからしばらくして光が収まっていくのを待ってゆっくり目を開いていけば、自分と相手以外が倒れているという惨状に驚き、何が起こったのかわからないまま何故か一人だけ無事な相手の方を見やり

ご、ごめんなさい…私にも分かりません。
（白い光が溢れて王様達が倒れたのも、何故自分達だけが無事なのかも、何もかもが分からずに困惑したままカイルの方へと視線を向けてそう言っていき。「…ですが、これは非常にマズイ状況です」と、まだ遠くの方だが何人かの恐らく兵士達が駆けて来る足音を狼耳で捕らえて、付け加えるように伝え

わかってる…嫌な予感ほどよく当たるんだよなぁ…
（あれだけの光ならば外からも見えただろうし、今にも異常を察知した兵士たちが此方へ駆けつけてくることだろうと考えれば、光の影響で気絶している謁見の間に入る前に武器を預けておいた衛兵から武器を回収し、剣を相手へと投げ渡して己は万が一の場合に備えて矢の先端に眠り薬を塗り

＿＿こ、これは！？ 貴様ら二人がやったのだな！？不敬罪で引っ捕えさせて貰う！
（廊下の警備をしていると強烈な光が見えた為に、急いで謁見の間へと向かって扉を開ければ王や近衛兵が倒れていて、何が起きたのかは分からなかったが、とにもかくにも倒れていない二人組が怪しい上に何か王へと仕出かしたのだろうと睨んでは、槍を構えて人間の男と獣人の女を捕らえようとしていき

待って下さい！まずは話を聞いて下さい…！
（先程カイルから剣を投げ渡されてそれを再び手元に収めたものの、出来れば一般人には刃を向けたくないと考えていたため思いのほか早く謁見の間に来た兵士達に対してすぐに武器を構えるのではなく、何とか誤解を解こうと敵意が無いことを示してから声を掛けたが、相手の方は耳を傾ける気が無いようで警戒を解いてはくれず

言っても無駄みたいだな…！
（完全に自分たちを悪者と決めて食ってかかってこようとしている兵士を見て、説得の通じるような相手じゃないと、どうにか話し合いで解決しようとしている相手には申し訳ないがそう判断しては兵士の肩めがけ隠し持っていた投剣を素早く投げつけ、命中してうずくまる兵士を尻目に相手の腕を掴み｢逃げるぞ、他の兵士もすぐ来るはずだ｣今は兵士一人だがそのうち騒ぎを聞きつけ多くの兵士がやってくるのは必至で、そうなれば間違いなく捕まると判断し、今のうちに逃げようと提案して

……！ 残念でなりません…。
（警戒を解いてくれない兵士に苦々しい表情でそう呟けば剣の柄に手を掛けようとしたものの、自身よりも先に判断をしてくれた隣の彼の投剣が兵士の肩へと刺さったのが見え、その的確な行動に感嘆の息をつきそうになったが、間髪を入れずに手を掴まれて掛けられた言葉にハッとして頷き「ありがとうございます、カイル。＿＿ええ、他の兵士達が来る前に逃げましょう。逃走ルートは音を聞くに、裏手からの方が良いかもしれません」狼耳で城内の音を拾って、些か裏である後ろの道は足音が少ないと聞き分ければそのルートを発案していき

ここはリリアナを信じるよ、流石に纏まった数の兵士を相手にしたら勝ち目は薄いからな
（城の構造がハッキリわからないため、本当なら先ほど案内されて通ってきた正面からの脱出を試みたいところではあるが、己には聞こえない音がしっかりと聞こえているらしい相手の言葉にここは素直に従った方が良さそうだと頷き、出来るだけ足音をたてないよう小走りで駆けていき

ありがとうございます。では、私に付いて来て下さい。
（相手からの確固たる信頼にこちらも感謝の言葉を述べていき、ここから安全に裏手へと出ていく為にも、城内の足音を聞いて人がいない道を選んでいこうとし彼よりも少し先頭に出ていって、聴覚の優れた獣人であって良かったと思いながらなるべく音を立てずに走って行き。＿＿途中で兵士や給仕の女性がいた為に、何度か進路変更したものの無事に裏手まで辿り着いて

…さて、これからどうするかね…。流石に顔も多くの兵士に見られて覚えられただろうし、村に戻っても間違いなく足がつくよな…
（相手の聴覚と己の遠距離からの狙撃とを駆使することで、大きな騒ぎを起こすことなく人気のない城の裏手までやってくることが出来たものの、今後の自分たちの身の振り方を考えなくてはいけないなと、多くの衛兵に顔どころか自分たちの住む村までバレているという厄介な状況に渋い顔をしていて

……港や空港が封鎖される前に、一時的に別大陸に逃げるのは如何でしょうか？ 幸いにも飛行船や蒸気船に乗るだけのお金は持っていますので。
（素性も村もバレている以上この大陸にいては危険だと思い、騒ぎが鎮まるまでは別大陸に身を隠すことを提案してみて。ただ、あの小箱の中身を村長に聞きたかった上に自分が任されたのにこのようなことになってしまったことを自ら謝罪したかったものの、今の現状では難しいと分かっていたので無理に村に行こうとは言わず。それに、無関係だった彼まで巻き込んでしまったと申し訳なく思っては、己の不甲斐なさを叱咤したくなって少し表情を曇らせ