カラ松 2016-01-30 20:45:16 ID:8498d69a3 |
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……ッ、
(瞳を閉じても眠気なんてやってこず、何をしようかなと思考を巡らせていたら小さな声が聞こえて顔をあげる。そして息をのんだ。あほ面で寝ているくせにとても幸せそうなその表情に心がズキリと悲鳴をあげた…まあそれは自業自得なのだけれども。記憶の中の母のおまじないは自分の発した言葉よりもっと優しい文章だったが効いたのだろう、へへ、と笑う兄の顔を僕はうまれて初めて、見た。…これ以上こんな所にいても惨めになるだけだ。確か童話の眠り姫はキスで起きるんだったかと顔を近づけようとするがすぐに止める。ばかみたいだ、屑が王子様になんてなれるわけないのに。名残惜しいが、繋いだ手を両手でそっと離し「おやすみ、」とだけ声をかける。)
....、ん、ぅ..
(手を離されれば、少しだけ身動いでどこか寂しそうに唸り。_夢の中。綺麗な七色の虹。先程まではくっきりと見えていたのに今はおぼろげだ。もっと見ていたいのにな、と寂しそうに虹を見据えてはほぅ、と息を吐いて。空から視線を外し海の方へと移す。静かに波をうっていて、ザプンという音だけが響いた。「...静寂、と孤独、...」なんて呟く。何時も自分で言っている言葉。まさしく今は本当にそれだ。 言葉を呟けば孤独感が増した気がした。ゆっくりと海岸に体操座りで座り、海をじぃっと見据える。 それから腕に顔をうずくめた。「....寂しいな。」思ったよりも弱々しい声が出た。声に出せば何となく楽になる気がして、そう言うも別段変わることはない。呟いた後顔を歪ませては目元をぐしっと乱暴に擦って。迷子になってしまった子供のようだ。
_身体を横に向けて布団の中で身体を丸めて。それから寝言で「...さびし、.....な」と弟に聞こえるか聞こえないかの声量で。布団をグッと握りくぅ、くぅ、と寝息を立てて。
なんだ、起き……あ、寝言ね
(手を離してから数十分たった頃だろうか。何か温かいものを飲もうと立ち上がり一階へ降りた。ホットミルクに昨日買ったココアを混ぜて、ちょっと贅沢してマシュマロを浮かべたマグカップは六つ子お揃いのものである。それを持ち少し考えた後二階へあがれば寝ているはずの兄の声が聞こえた。静寂と孤独なんてイタイ台詞を口にするのは次男しかいない、そう思い戸をあけ上記述べるも寝言とわかり声のボリュームを下げる。戸を閉めて中へ入れば相手が寝ているソファの前に腰を下ろしココアが少し冷めるのを待つ。幸せな空間に浸っていた最中、弱弱しい声で寂しいなんて言うものだからココアなんて忘れて振り返る。自分のおまじないなんて最初から効いていなかったんだ。「夢の中でも寂しいとか…しかも燃えないゴミになんて好かれちゃってさ、寝ても覚めても悪夢だよね」そういっていないとこの状況を耐えることができそうにない。トントンとリズムよく叩いて子供を寝かしつけるように優しく、を意識する。ココアは床に置いておく。)
....、...ぅう...
(目元を何度も擦る。海岸にはやはり自分独りだ。海のさざ波の音が響き渡る。その音で更に孤独感が増し、きゅうっと胸元が締め付けられ。腕にうずくめた顔を上げる気力はなくて今、回りは明るいのか暗いのかも解らない。波をうつ音以外はなんの音もしない。自分の呼吸の音も聞こえない。そんななか何時も言っていた自分の言葉が頭に響く。 静寂と孤独を愛する男。 そんな訳がない。そんなものを愛する男なんて相当のキチガイだ_ふるふると頭を振り締め付けられる胸元をグッと掴む。そしてこう願った。_あぁ、誰かこの静寂と孤独をぶち壊してくれないか、と。)
.....ん、...
(_ココアの甘い香りが部屋に漂う中、ゆっくりと瞼が上がる。トントンとリズムよく叩かれながら何処か遠いところを眺めて。 数分後ようやく弟の方に焦点を合わせた。まだ寝ぼけているらしい。 弟を見れば安堵したような顔でふっと微笑んで。何を思ったのか、弟の顔に手を伸ばして頬を軽く撫でて。そして手をゆっくり下ろし、再び寝息を立てて眠る。_何処か安心しているような、表情で。
…僕じゃ、だめなの…
(トントントンと叩くたび何度も願うのは、その寝顔が幸せなものになるように。わざわざこんなことする理由もなにもないのだけれど、これまでやってきた数々の行いを考えるとやって罰など当たらない。むしろ何もやらないことに罪がある気がする。まだ辛そう、まだ泣きそう、まだ苦しそう、そんな顔してんなよと思っていたら口にしていた上記の台詞は自分の方が泣きそうで笑えてきた。何度目か知らないが、強くたたいてしまったのだろうか、兄の目覚めに動揺する。目が合った、うわ、引かれたに違いない、「なに、別にこれ気分だから、十四松寝かしつけるときも時々皆やってるんでしょ?じゃあ俺が誰にやってもおかしくないし、」問われていないのに言い訳を始めるが、目の前の兄は笑って僕に触れてすぐに寝落ちした。…わお、俺おばかかよ。激しい羞恥にかられ頭を抱える。もうだめだ、そう思った瞬間キスしてた。屑で最低な俺は寝ている奴相手じゃないと素直になれなくて申し訳ないね。すぐさま相手の体を揺すり「おいクソ松、そろそろ起きねぇと飯食えなくなんぞ…」と声をかける。)
...いひまふ...、
(浅い眠りだったせいかほんの少し意識があったようで。ふわりと匂う弟の香りにふにゃりと笑っては弟の名前を呼んで。(舌ったらで名前を呼んでいるとは思えないが。)身体を揺さぶられれば「んん...?」と小さく唸って。ゆっくりと瞼を上げて弟の顔をじぃっと見つめてはふにゃりと笑って。そして「ぅん、...わかった起きる..」と。それから弟にむかって手を広げて「な、ぁ一松...ちょっとだけ抱き締めて、」と子供のように言って。少しでいいから温もりを感じたい、と言うように。
おはよ。なんか今日誰もいないみたいだし久しぶりに食べに行く?それとも飲みに行く?
(さっきの寝言は何だったのか。わけもわからず聞き流してやっと起きた相手に挨拶をする。そろそろ夕飯の時間だというのに誰一人として帰ってこないのはもしかしたら各自食べろということなのだろうか。寝起きの兄には申し訳ないがこっちは少し腹が減っている。先に銭湯でもいいがどうだろう。「腹減ってないなら銭湯行く?それともまだゴロゴロしてる?」コンビニで済ませるってのもありだなと考えていると両手を広げて抱きしめろと言われる。ぽかーんとしたあとにハッと意識を戻し「は?何言ってんの、寝ぼけてんなよクソ松」と言いつつ抱きしめる)
おはよう...、..飯、.つくる。
(弟に挨拶を返し、聞かれたことをぼぅ、としながらも返して。選択肢にはない答えをポツリと溢し、ダメかな、というように小首を傾げて相手に許可を求めて。憎まれ口を言おうとも抱き締めてくれる弟に、お前は優しいな、と穏やかな声で言ってはぎぅ、と抱き締める手に力を込めて。あと少しだけ、あと少しだけ、と
……え、何?クソ松飯作れんの?初耳なんだけど
(外食の話をしていたら予想外の答えに瞬きを忘れて相手を見入る。今飯作るっていった?飯作るって言ったよな?と混乱する思考回路を整えながら上記のべる。「はいはい。なんか今日こういうの多いけど、何かあったの」いつもの痛々しい発言がないので何かあったのかと聞いてみる。抱きしめる腕が強くなったなとわかると安心させてやろうと相手の頭を自分の肩口へ引き寄せてポンと撫でる。)
?作れるぞ、...今までもつくって...あー...十四松だ..
(驚愕の表情を浮かべている弟を見ればこて、と首を傾げて。前にも作ったことあっただろう、と言おうとするもそれは3つ下の弟へ、だった。その3つ下の弟には他の兄弟には内緒でよく料理を振る舞っている。その為か料理は割りと出来るほうだ。そういえば許可を貰っていない。「作っちゃ、だめか?」と小首を傾げて相手に尋ねて。「.....いいや、何もないさ。」ふるふると軽く首を横に振りそう述べ。肩口へと引き寄せられれば暫し大人しくしているもぐりぐりと頭を押し付けては甘え
は?作るのは別にいいけど…なんで十四松に作って俺には作ってくれないの
(ちょっと今許可できる気分じゃないけどちゃっかり許可する。カラ松の手料理を最初に食べたのが自分ではないという事実に不満以外抱けなかったが相手は十四松…うーん、大人げないかもしれない。不満げな表情全開だったがすぐにため息とともに消し去り「まぁいいや。腹減ったからなんでもいいよ、よろしく」とすぐになかったことにする。十四松羨ましいなばーろーちくしょー。「あっそ…心配させんな」甘えられているんだとわかると心拍数が無駄に上がる。今エスパーにゃんこがいなくてよかったと安堵して、そろそろ解放してやらないと苦しいだろうかと腕を緩める。)
いいのか..!よかった。....?作ってほしかったのか.?
(許可が下されればほぅと息をついて。そして何処か不満げな弟の言うことを聞けば不思議そうにそう尋ねて。ため息こぼしなんでもいいよ、という弟を見れば少し自慢気にコクンと頷いて。任せろ、とでも言っているようだ。「...ごめん、」小さく笑っては謝罪して。腕を緩められれば離されるのかと思い、ほんとあともう少し、と最後にぎゅうっと抱きしめて。
そりゃあ………カラ松兄さん、が作る料理、いらないわけないだろ
(溜めに溜めて素直な言葉を選ぶけれど小声過ぎる。下手したら聞こえないレベルに小声。満足そうな顔なんてされたらどんな顔すればいいのかわからなくなって「早くして、ほら、さっさと下いけ」と俯く。謝罪の言葉には反応を示さなかったが、離れる様子のない兄に本日何度目かのため息。そして抱きしめたままソファに押し倒して二人で寝ころぶ。「1分間だけ、言うこと聞いてやる。」感謝しろよ、クソ松と耳元でそっと囁く。耐えろ俺…素直になれ俺…と自分と闘う。)
....ふふ、
(聞き取りずらい弟の素直な言葉を聞けば顔を綻ばせては嬉しそうに笑って。弟の言葉に苦笑いを溢し。 ソファに抱き締められたまま押し倒されれば不思議そうに弟の顔を見据え。耳元で囁かれた言葉にピクリと反応しおずおずと顔を見つめる。「....、一分間だけ、俺のこと愛して、ほしい..」と。先程の夢のせいか孤独感はまだ消えそうにない。大分よくはなったが孤独感が無くなった訳ではない。兄弟として、愛してほしい、とお願いではいっているものの実質それでは足りない気がする。何か物足りなさを感じながらも弟の返答をじっと待って。
あっそ…別にかまわないけど
(お願いの内容でなんとなく察しがついた。寂しいんだこいつは。たまたま今日寂しくて、そしたら近くに俺しかいなくて、仕方なくクズに甘えてるんだこいつ。理解していくと泣きそうになってくるが、それは好きだと伝えてない自分が悪いわけでと納得させて「なに、一分間だけでいいの?」と余裕そうに笑って見せる。)
...、
(徐に相手の顔に手を伸ばし目元を親指でくいくいっと擦り。相手の瞳が一瞬揺らいだ気がして何処か心配になったようだ。少し不安そうな顔をしながらも「.....一分間で、いい...」と。そういったあとぎぅ、と抱きつき。余裕そうな顔だが先程一瞬揺らいだ瞳。無理してるんじゃないかな、と思ってはきゅうと胸が締め付けられて。早く終わって欲しい、と願うも終わってほしくない、とも願う。自分にとっては今かなり幸せだ。だが相手はどうだろう。もしかしたら嫌かもしれない。_そう考えているとぽろりと涙を溢して。気づかれないようにソッと自分の袖口で目元を拭い
……わかった。
(なんでそんな泣きそうな顔して俺のこと心配してるんだ。目元を擦る手つきが無駄に優しくて、でも俺を見る目は不安そうだった兄に対して罪悪感が芽生えてくる。兄弟なのに好きでごめん、衝動を抑えきれなくてキスしてごめん。1分間でいいといった後に背中にまわる相手の腕の温かさに涙が出てきそうだった。いっそ伝えてしまおうか、でもガチで告白なんてしたら引かれたときに冗談ってフォローできなくなるかもしれない、そう思って短く息を吸うと、「もしもの話だけど…お前と兄弟にならなければよかったって思ってるって言ったら、どーする?」と遠回しに質問する。お前と兄弟じゃなければよかった、そしたらまだ可能性もあったかもしれないのに。なんか自分が滑稽に思えてきて「ごめん、今はそんな話の流れじゃないよね。愛してるよカラ松兄さん」と一言。)
...ありがとう
(消え入るような声量で礼を述べて。ほんの少しだけ震えてはいたものの気づかれるほどのものではないだろう。ぎゅうっと抱きしめていると、息を吸う音が聞こえた。相手の質問を聞けば目を大きく見開いて。それは、兄弟と思いたくないほど自分の事が嫌いなんだろうか。あぁ、だとしたら今こんなことをさせている自分はなんて酷い奴なんだろう。_そうグルグルと考えを巡らせていると相手から謝罪と、自分が求めていた言葉が発せられる。嬉しいはずなのに今はきゅうきゅうと締め付ける。 耐えきれなくなったようで、「も、もう一分、たった。ありがとう..」と相手を押し退けて「ご飯、つくってくる。」と告げ逃げるように部屋から去る。ごめんなさい、ごめんなさい、と心の中で謝罪を繰り返しては階段を躓きながらも急いで降りていき
…、
(流れるような速さで過ぎていったこの時間に、発する言葉はなにもない。ありがとうの感謝の気持ちも、ごはん作ってくると言った後の逃げるようなそれに胸が痛まないわけがなく、一人寂しくソファの上で丸くなる。失敗した、気持ち悪いと思われた、下手したらこの気持ちもばれてしまったかもしれない。明らかにさっきの兄の表情は拒絶を表していた。膝を抱えて、額をのせて、何もかもシャットアウトさせた状態で目を閉じる。本当に嫌だったのだろう、俺から逃げようと必死だったし、腕の中の兄は少し震えていた。…ん、震えていた?よく考えれば少し目が赤かったような気もする。「…これ、もしかしなくても兄弟としても人としても嫌われた…?」さっきまでの幸せだった気持ちが0になるくらいには落ち込み始める。)
...ぁ_
(しまった。急いで降りたせいか階段から足を踏み外した。ゴンッガンッドッテーン、と派手に音をたてて残り六、七段ほどの所から落ちる。鈍い痛みにブルリと身震いしては転がり落ちた時に強打した頭部と肩を擦る。馬鹿馬鹿と自分を叱咤しながらゆっくりと立ち上がり、ふらついた足取りで台所の方へ向かって。)
....人参...玉ねぎ...卵..、
(台所につけば冷蔵庫を開けて具材を確認。はぁ、とため息をつきながらもそれらの具材を取り出していく。嫌な思いさせてごめんなさい、無理させちゃってごめんなさい、心の中で謝罪を繰り返しながら野菜を洗って。そうしているうちに視界がぼやけて頬にツウと雫が流れ落ちる。ゴシゴシと目元を擦っては泣き止め泣き止めと念じ
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