ココロの住人 2016-01-20 03:09:44 |
通報 |
そう?
(自分ではいつも通りのつもりだが、相手にそう言われれば首を傾げ。「ペアリングも、ずっと身に付けてるよ。」相手も同じ気持ちだと分かれば微笑み、左手の甲を相手に見せるように上げると薬指に輝くシルバーリングをうっとり見つめて。「そうだね、あっち行こうか。」相手の提案に頷けば、リビングの方へと歩み出し。)
楽しそうにはしゃいでる印象が強かったから、なんと無くそう感じたんだ。
(意見の食い違いに自身の気の所為だったと説明をし、その話は終わりにして。「本当だ、…」見せつけられるようにして指輪が視界に入り、それから指輪に向けられた眼差しを一瞬盗み見て、再び指輪に戻して。「中々来れてなかったから、掃除しないとね」相手に続き背中を追いかけ、寝室を出る間際電気のスイッチを切って。)
なんか結婚してるみたいで気恥ずかしいよね。
(指輪から相手に視線をむければ、へへとはにかんで。「そうだね。天気もいいし、掃除しよっか。」掃除道具はどこへ仕舞ったかなと考えながらリビングに着くと、差し込む日差しが差し込む窓に近寄り窓を開けて。)
恥ずかしいね。
(視線を合わせ相手の左手を取って。「本当だ、掃除が終わったらゆっくりしようか」と逆光に照らされた彼に後ろから近付いて声を掛け。)
…でも、嬉しい気持ちの方が大きいけど。
(手を取られれば視線が合うのさえ恥ずかしくなり目を逸らし。「そうしよう。じゃあ僕は棚の上のホコリを落として行くよ。篠宮は床を掃除機かけてくれる?」相手の方へ振り向けば役割した方が早いかと提案して。)
それはなにより。
(逸らされた視線を追いかけながら手を握り。「ありがとう、それじゃあ…棚の方はお願いしていいかな?俺は掃除機するね。どこだったかな」言付けを預かってから掃除機を探しに行って。それから数分して部屋に探していた物を片手に戻り、端の方から掃除機をかけていって。)
(目を逸らしたまま握られた手を握り返し。「了解!ささっとやっちゃおう。」掃除道具をしまっている棚からハンディモップを
取り出し、モップの部分をふわふわに広げれば、端から順に棚の上のホコリを絡め取るようにモップを動かし。)
(いつまでもすれ違った視線の行方を追うのは諦めて、知らない間に握り返されていた手元へ顔を向けると可笑しそうに笑って。リビングの次は廊下、寝室、洗面所と掃除機を移動させながらテキパキと片づけ、一通りかけ終わればスイッチを切り掃除用具を閉まって。相手の様子を伺いに部屋へと戻れば名前を呼んで、掃除に励んでいる姿を楽しそうに眺めて。)
…何笑ってるのさ。
(照れている自分の事を笑われているのかと思いジト目で相手を見て。やっていくうちに普段掃除できていなかった物の隙間なんかも気になり始め、ささっと終わらすつもりが気づけば真剣になっており。「篠宮終わったの!?僕いつの間にか熱中してた!すぐ終わらせるから、少し待ってて!」名前を呼ばれ我に返り、手際よく掃除を終わらせた相手を見て慌てて手を付けていなかった箇所を掃除して。)
束紗君の、そういうところが良いなって思って。
(不服そうな二つの瞳に捕まれば参ったなという顔で内情を打ち明けながら、じっと目を見つめ「やっと目が合った」と。「掃除はやりだすと…ね。ああ、大変な所を任せていたみたいだね。手伝うよ」じっとしているのも悪い気がして机の上に置いてあったティッシュケースから複数枚掃除用にティッシュを抜き取り、忙しなく掃除をしている彼の隣で見よう見まねに手を動かして。)
そういうところって、どういうところ…?
(褒められた事は嬉しいもののピンとこずきょとんとして、「なんか久しぶりだから恥ずかしくて。」と眉を下げて笑い。「やるまでは億劫なんだけどね。…いいよ、篠宮!僕がやるから!」自分の方が楽な作業だったにも関わらず手伝ってくれる相手に申し訳なくなり、一人でやると慌てては素早く手を動かし「はい!お終い!」とにっと笑って。)
感情豊かなところ。
(伝わりやすい言葉を探しながら質問への回答をし、うまく飲み込めない表情をした彼の髪に指を通して「だね」そっと手を離し。「うん、ありがとう。お疲れ様」程なくして綺麗になっていく棚と彼を交互に見て礼を伝えると、手を洗いに行こうかと促し使い終わったティッシュをゴミ箱に捨てて。)
ホントはもっとクールで大人な感じになりたいんだけどなー。
(自分の好きなところを教えてもらえて嬉しい反面、理想の自分とは真逆なんだと複雑そうな顔をして、スマートにそっと触れてくる相手に大人だなと感じて。「こちらこそ、手伝ってくれてありがとう。意外とほこり溜まってたね。」一通り棚の上をモップで拭き終えれば相手を見て礼を言い、相手に続いて手を洗いに移動し。)
クールで大人な束紗君かぁ。
(彼の持つ理想像を頭上に浮かべながら、もしも、本当にそうなったらなんてことを考えたりしつつ数歩下がって全身を眺め「もしそうなっても、俺に会いにきてくれる?」と少し寂しい影が顔に落ちて。「うん、綺麗になって良かった」洗面所の明かりをつけ、二人が立てるように端に寄って。それから蛇口のレバーを下げ水を出し、少し手を濡らしてから液体石鹸を手に取って泡立てながら手の汚れを落としていき。)
その方が篠宮と並ぶと格好いいでしょ…って、そんな顔しないの、どんな僕になったって篠宮を思う気持ちに変わりはないよ!会いに来るに決まってんじゃん!
(容姿や仕草がスマートになった自分が相手の隣に並んでいるのを想像すると対等感があっていいなと想像していると、先程まで笑っていた相手の表情が曇っており、慌てて下から覗き込めばそんな心配いらないと頭を撫でて。「気分もスッキリしたね。この後どうしよっか?お腹空いてない?」洗面所に着けば相手の空けてくれたスペースに立ち、蛇口から出る水で手を濡らせば相手に続いて石鹸を手の平で泡立てて。)
うん、なら安心だね。フフッ、そうだといいな。
(子供のように慰められている自分の姿になんとも言えない顔で笑って、彼の言う大人に自分も...と頭の片隅で考えたりして「今でも十分カッコいいよ」とさり気無く伝え。「それならよかった、んーあまり空いてないよ。束紗君は?」一通り手洗いを終え水で泡を洗い流し、タオルで水気を拭きながら質問されたことに答えながらふと、隣で手を洗う相手を鏡越しに見て。)
不安にさせるような事言ってごめんね。
(自分の発言で相手が不安に思ってしまった事に罪悪感を抱き、よしよしと頭を撫で。不意に相手から放たれた言葉に勢い良く顔を上げれば嬉しさのあまり高揚した顔で「ほんと!?僕、格好いいかな!?」と相手に詰め寄り。「僕も空いてない。んー…じゃぁ何しよっか。…散歩?」水で流れる泡を眺めながらこれから何をしようかと思考を巡らせ。)
こちらこそ、勘違いしてごめんね。
(撫でられる心地良さに表情が解けていた所で、至近距離で嬉しそうな彼に見つめられれば「嘘じゃないよ」と確認するような問い掛けに穏やかな声音で返して。「そう?遠慮はしないでね。散歩もいいね、そろそろ暖かくなってきたし、浴衣でも着て海まで行ってみる?」暫くそうしてから洗面台を見つめる彼のように目線を下げ、散歩から連想させた内容を伝え。それから、勿論君の行きたい場所があるならそこでも、と付け加えつつ共に今日の予定を考え。)
(相手の表情が明るさを取り戻すとにっと笑って、相手からの格好いいとの言葉が心底嬉しく「篠宮から見て既に格好いいなら、僕も自分に満足だよ!」と得意気に笑って。「遠慮なんてしてないよ。それいいね!海行きたい!そうと決まれば早く浴衣着よう!」相手の提案で浴衣を着て出かけたいと前に話していた事を思い出すと勢い良く相手の方を向き、相手の手を引き浴衣が仕舞ってある寝室のクローゼットへ向かい。)
(自分に向けられる沢山の笑顔に気持ちが満たされる感覚になって、堪らなく抱き締めてしまい「ごめん、俺には勿体無いくらいだよ」と謝ってから直ぐに離して。「うん、ありがとう」OKの回答にホッとしていたところで手を引かれれば一瞬虚をつかれ、ワンテンポズレた返事をしながら相手の歩みに合わせ寝室へと向かい。クローゼットの前に到着しお互いの浴衣を取り出し終えれば、楽しみだなと彼の方へ視線を寄越して。)
トピック検索 |