野良兄さん拾いました(46松/非募)

やり逃げとか…ここか…？(さっさと出て行った相手を追いかけ、たどり着いた部屋の入り口に書かれた文字を見上げると、すーっと息を吐き扉を開き)トド松…これ、どういうこと？

やり逃げとは失礼だね兄さん。これってなにが？あのまま公共の面前で続けても良かったけど(すっかり炬燵で寛ぎながら、入りなよと手招いて)

そもそも野良じゃないし…拾われてないし…(ぶつぶつと文句を言いながら部屋に入り向かい側に座り、ポイッと缶を投げ渡し)…飲めば？(相手に自販機で買ったココアを渡し、自分はロイヤルミルクティーと書かれた缶を両手で持ち)

ああそれ？だってぼくが兄さんを猫扱いしたのが最初だし。あれ、もしかしてもう首輪付きだった？(それはごめんね〜と笑いつつ、渡されたそれには嬉しそうに有難うと受け取って)

そうじゃなくて…誰も俺みたいなゴミ拾わない(首輪と言われ自分の首を触り)トド松こそどこかの飼い猫じゃないの？(似た顔なのに自分よりずっと可愛い弟の顔を一瞥すると缶を開け一口飲み)

あ、その台詞拾ったぼくに失礼だから今後禁止ね(ふんす)さぁねー、可愛いのは外見だけだって事、兄さんならよく知ってるでしょ(プルトップ開けてふんふんと甘い匂い嗅ぎ、両手で支えちびちびと飲み)

なら、トド松俺に首輪つけてよ(じっと見つめ)スタバァのあの顔はやばかった…でも普段は可愛いじゃん…っ(飲み方すら可愛い弟を視界に入れながらぼーっとしたせいかうっかり一気に口の中に入ったミルクティーで舌を火傷し)

兄さんがぼくのペットになるの？ぼくはこうして自由な野良兄さんに餌をあげるのも楽しみの１つなんだけどね(噛み付いてきたりさ、と頰杖ついて指ひらつかせ)…あ。もー何見惚れてんの。いくらぼくが可愛いからって何も出ないよ(ビクッと一瞬跳ねた相手の舌が赤くなっている事に気づけば呆れ顔で上半身乗り出し、頬に手添えて舌見せて、と)

野良ね、じゃあ気まぐれに媚びて、牙をむいて楽しませてやるよ(ワガママな奴、とため息をつけば楽しげに口角を片側だけ上げぎらりと目を光らせ)見惚れてなんか…っ…(頬に添えられた手に先ほどの口づけを思い出し真っ赤になりながら言われるままにうっすらと口を開き)

ふふ、その調子。やっぱり兄さんはそうこなくちゃ(すぅ、と目を細め愉しげに肩揺らしながら人差し指を己の唇に添えて)…ん…よく見えないけどちょっと赤い…やっぱ火傷してる。ほんと何してんのさ…(うっすら開いた唇から中を覗けば真っ赤になった舌に目を眇め、相手の内心は知ってかしらずかそのまま再び唇塞げばぬるりと舌捩込ませ)

はー…変な奴に捕まった気がしてきた(睨んでみても楽しげに、妖艶さを感じさせる笑みを浮かべる相手にお手上げとばかりに息を吐き出すもこちらも楽しげで)熱いもの苦手…っんぁ(再び与えられた口づけに僅かに高揚するも、入ってきた舌に反射的に身を引き)

あはは、いまさら。兄さん好みの可愛い弟ぶってあげられなくてごめんねぇ？(きゃるん、とわざと掌に顎乗せて上目遣いに見やり)ん…は、…こら逃げないでよ、こんなの舐めときゃ治るんだから(糸を引いて離れる唇に不満げに頬膨らませ)

は、冗談。この中身ドSなトド松が好み。だからそういうあざといのやんなくていいよ(うへぇと舌を出し嫌そうな顔をし)いや、お前何やって…(口をパクパクと動かすも思考がストップしてしまいそれ以上何も言えず顔は真っ赤に染まり)

その言われようね。ひっどいなぁ、ぼくべつにSじゃないし〜(心外だ、とばかりに首振り)え、なにって治療。ほら、もっかい口開けて(がしぃ、と両頬掴んで引き寄せ)

Sの自覚持ちなよ、褒め言葉なんだけど(頬杖つきながら見つめ)ち、治療…？(よくわからないままに引き寄せられおずおずと口を開き)

褒め言葉なの？…まぁ、Mの兄さんに言わせればそうかぁ。でも兄さんもSな時あるよね(うーん、と己の顎に人差し指あて)…ん。今度はにげちゃだめだよ(ぎこちなく開いた下唇を軽く舐めてから、再び咥内へそろりと舌差し込み)

褒め言葉褒め言葉。どっちの俺がいい…？(いつの間にか手に缶ビールを持ち、プシュッと音を立て開けると飲み始め)わ、わかった…っぁ(舐められた瞬間ぞくりと背筋を駆け上がるものを感じながら差し込まれた舌に恐る恐る舌でふれ)

ぼくはどっちの兄さんも嫌いじゃないよ。その時の気分でいいんじゃない？ぼくも気分屋だし。あ、いつのまに。ぼくもお酒〜(ふらりと立ち上がりキッチンへ行くと、ハイボール片手に戻って来)…ン、…(触れてきた舌を優しく撫でるように舐め、驚かさないようゆっくり絡めては舌先軽く吸い)

それが一番気楽でいいな…(缶を半分ほどあけた段階ですでに頬は赤くなり、普段からあまり開いていない目はさらに閉じ)…っふ、ん…(混乱したままされるがままの状態で、目を閉じることさえ忘れていて)

ね。女の子相手じゃないんだし、そういうのはラフにいこうよ(プシュ、とプルトップ開け半分ほど一気にあおれば、赤い顔をした相手を指差し)あっれぇ？兄さんもう酔った？

んぅ…(舌先で上顎なぞり、頬に添えた掌でひと撫でしてはチュッと音立てて唇離し)…ふ…どーお、痛いの消えた？