ようこそ、人斬り神さま

とりあえず許されて良かったよ。――庭なら…、一番右奥の部屋が綺麗に見えるかも。行ってみる？
（その様子に名に不満がないのだとわかればとりあえずホッとしたように息を吐き。そうして静かに立ち上がり。要望に応えるべく思考巡らせ一番に出てきたのが角の部屋であれば、先に部屋の案内をすべきなのだろうかと首を傾けて）

ああ、行く（こくりと頷くと｢群れるつもりは無いが騒がしいのは嫌いじゃないからな…庭が見えてるほうがいい｣と述べて）

今この本丸には他に刀が居ないの。ちょっと静かすぎるかもね。
（外からの音しか聞こえぬ静かな廊下を歩いてすぐ、目的の部屋へ着くと徐に襖を開け放ち。しん、と静まりかえるそこは人が居なかったわりに綺麗で。中へと足を踏み入れつつ振り替えっては、軽く両手を広げ口元僅かにつり上げてみせて）
―ここ、好きに使って構わないからね。

…今ってことは俺が初期刀…？（ふと疑問が浮かぶとそう呟いて主の言葉にはっとなり顔を上げればこくりと頷いて）

まぁ、そう言う事になるね。上からはいろいろ言われてきたんだけど主って柄じゃないし。
（果たしてどれくらいをこの本丸で一人暮らしただろうか。ふ、と思い出に浸るもすぐにその思考振り払うと相手の問いに小さく頷き。そうして少しばかりの沈黙を。意味もなくにこりと笑えば来たばかりで一人ゆっくりさせるべきだろうかと考えて）

俺は…前の本丸で少しだが近侍をしていた事がある。分からないことがあれば教えられる範囲で教えてやる。(主の話を聞く限りだと自身の方が本丸暮らしは長いだろうと考えては腕を組みながらそう言って)

(／すみません！燭台切ではなく大倶利伽羅です！)

それは頼もしいな。じゃあとりあえず、一緒に買い物行ってくれないかな。明日からのご飯の食材、買ってなくて。伽羅の好きなものもわからないし。
（その言葉は少なくとも自らを拒絶している訳ではないもの。それに僅かに笑みを浮かべ。政府からの指示はたんまりと来ている。されどそれにどうにも従う気になれなければ、一番始めのわからない事、と題し、買い物の付き添いを頼みながら自然な動作で以て部屋から出ていき）

（/大丈夫ですよー！）

ああ、分かった。（こくりと頷くと｢俺の好きなものは…何だろうな｣と自問しては呟きあとを追って）

――ねぇ、伽羅はやっぱり新しい仲間が欲しい？
（適当にお金を持ち、そうして外へ。門を潜った所でふいに振り替えると、感情のあまり表に出ない淡々とした声色で以てそう問い掛けて）

…群れるつもりはない（元々人と群れることは好まないためそう言うと｢だが、仲間がいなけば遠征や出陣はきつくなる｣と言って）

まぁ、ごもっともだよね。――…帰ったら増やしてみようかな。
（同じ事はそれこそ何度も政府から言われてきた。されど従う気にならなかったのは何故であろうか。僅かに眉を寄せては、ぽつり、そう言葉落とし様子を伺うようにちらりと相手を見て）

好きにしたらいい（主の希望ならばそれに従うのみだとそう言って）

……もう暫くは仲間、居なくてもいい？その間の出陣はしなくていいから。
（好きにしたら、と言われれば勿論人を増やし出陣させる事は好まない。それが許されるならばもう暫くは…、と再度ちらり様子を伺って）

ああ、分かった。（こくりと頷くとそう言い｢では、その間は何をしたらいい？｣と首を傾げて）

好きなように、自由に過ごしてくれて構わないよ。あ、たまに掃除とか手伝ってくれたら嬉しいけど。
（了承の返答が来ればどことなく安心したように笑み。やる事…と考えた時に思い浮かぶものはやはりなく。自由に過ごすのが一番だと返して）

自由か…俺には関係の無い言葉だったな。何をしたらいいのか探してみる（今まで捕らわれていた身としては自由などには程遠かったのかそう言い微笑んで）

これからは自由に生きればいいんじゃないの？―あ、此処。今日も安くなってるかな。
（その笑みが何処と無く儚いものに見えて仕方がなければ、無意識のうちに視線を逸らしぽつりとそう呟いて。目の前にはいつも行く行き着けのお店。無愛想な男性の店主に軽く挨拶をしては、並んでいる野菜を端から見定めていき）

あれが食べたいな…卵で巻いた…おむ、何とか…ってやつ（野菜を見ながらぽつりぽつりと一度食べたことのある料理の名前を思い出しながら言えば｢あんた、分かるか？｣と首を傾げて）

オムレツかな？中に野菜入ってるやつでしょ？…よし、なら中の具材は伽羅の食べたいやつにしよう。好きなの選んでいいよ。
（相手からのまさかのリクエストに野菜に向けてた視線を向けぱちぱちと瞬きをしては、直ぐ様にっこりと笑みなおし。紡いだ声色は何処と無く力のこもったもの。それだけ嬉しいのであろう。胸元から財布を引っ張り出せば徐に中身をジャラジャラと店主にわたして）

それだ、それがいい（そういい好きなのを選んでいいと言われるとまたふわりと桜を舞わせて野菜を選びだし）

あ…、――もしかして…、
(苦笑い気味の店主に半ば無理矢理押し付けていた矢先、先程と同じように相手の背後に桜が舞えば、そこで漸くその意味に気が付いたらしく静かに近付いていき。野菜を選ぶ相手の背後へと回り込んでは、徐に花弁を一枚手に取り、ずい、と相手に近付けて)
これ、また舞ってたよ。

なっ…ま、舞ってない！それはきっと先程のが髪に付いていて…（また不覚にも喜んでしまったと内心で悔やみながらもそう焦りながら言い｢そうだ、苦いのは嫌いだ｣と話を逸らして）

うん、そう言われたらそうかも。
（明らかに舞っている瞬間は見た。されど相手が頑なに否定するのならば、プライドを傷付けないためにもそれに乗り。あからさまな話の切り替えには、ふむ、と一つ頷いた後、美味しそうに見えたネギを端に避け、代わりに真っ赤で甘そうなトマトを手にして）
サラダも作るね。このトマト甘そうだから。

とまと…美味そうだな（真っ赤なトマトをじっと見ればそう呟いて。ふと視界に入った玉ねぎを掴むと｢これも甘いのか？｣と首を傾げて）

じゃあサラダは決まりね。…それは…、甘くはないかな。どっちかと言えば辛い。試しに買ってみる？
（一人の時はそれが当たり前であったために何かを感じる事はなかったが、こうして改めて誰かと食材を選ぶ場面になって初めて、むず痒いような不思議な感覚を覚え。ふいに出された玉ねぎと問い。新鮮なものであれば甘いのかも…という思考心の中だけで留めては、それが失礼に当たらぬよう店主には聞こえぬくらいの音色で以て返答返して）

辛い…食べてみたい（こくりと頷くと興味があるのかそう言って）

じゃあ玉ねぎも買うね。挽き肉はあるし…、他に気になるのある？
（今回のオムレツの中身はは相手の好きなものを、となれば自らが決めるのではなく全て相手に決めさせようとして）

いや、特には（他に並ぶ野菜を眺めるも特に興味の惹かれるのは無かったらしく首を横に振りそう言って）

じゃあ玉ねぎとトマトね。本丸にもまだ少しあるし、このくらいでいいか。
（その二つを買い店主に頭を下げては帰ろう、という意を込めて軽く手をひき）

ああ（そう言うと手を引かれては首を僅かに傾げながらもあとを追っていき）

オムレツは明日の朝にしようね。今日は疲れただろうしゆっくり休んで。
（相手が歩みだした事で至極自然な動作で掴んでいた手を話せばそのまま本丸へと向かって歩み進めていき）

分かった（頷きそう言うと歩きながら周りを眺めていて｢今までと景色が違って見えるのは気分のせいだろうな｣と呟いて）

もう何にも縛られなくていいんだよ。伽羅は自由だから。
（聞こえたその呟きにぽつりとそう返事返しては、いつの間にか着いた本丸の門を潜り中へと入っていき）

自由…そうだな。好きにさせてもらう（どこかいつもより嬉しそうな口調でそう言うと｢手伝う事はないか？｣と問い）

そうだな、じゃあ明日の下ごしらえ手伝ってくれる？トマト洗って欲しい。
（その言葉に少し考えれば、徐に袋に入ったトマトを差し出し緩く首傾けて）

分かった（そう言うとトマトを受け取って｢何処で洗えばいい？｣と問い）

ありがとう。―そこの流し台でお願い。
（流し台指差し、己は買った玉ねぎを軽く水洗いして刻んでいき）

ああ（流し台の方をちらりと見るとトマトを洗い出して）

何かこういうの嬉しいな。凄く新鮮な気分だし。
（トマトを洗う相手の手元を見ながらクスクスと笑みを溢し、刻んだ玉ねぎを適当な入れ物へとしまって）

俺もこういうのしたことないからな、新鮮だ（口元を僅かに緩めてそう言って）

様になってるよ。トマト洗うの。
（笑みは更に濃くなり。どことなく戯言のようにも聞こえる言葉紡ぎながら一つ息をはいて）

なんだそれ…（主の言葉に眉を寄せては洗い終わったのか｢これでいいのか｣と問い）

うん、ありがとう。出陣なんかやめて、畑耕しながらのんびり暮らす？
（洗ってくれたトマトを水に浸せばそれもまた端へと避け、ちらりと視線向けつつ楽しげに口元つりあげて）

それは刀の本懐に背く事だ、俺達刀の付喪神は刀として振るわれてこの先の未来を守るために存在している。それに背くことは仲間への裏切りにも等しい。自由になれたとしてもそれだけはしてはいけない。
（戦うことをやめてのんびりと暮らす、確かに魅力的な事かもしれないがそれは刀の付喪神としての信念を曲げてしまうことになる。それだけはしてはいけないと眉を寄せて首を横に振り）

ジョーダン。悪い事言ったね。ごめん。…寝ようか、
（そのあまりに真っ直ぐな言葉にぱちぱちと瞬きを繰り返しては、直ぐ様ひらりと片手を閃かせ。謝罪の言葉口にした後、くるりと背を向けて）

寝るって…昼寝か？（謝られるとこくりと頷いて続いた言葉に少し驚いた様子で首を傾げてそう言い）

うん。だって今日暖かいし。縁側、きっときもちいよ。
（その言葉に小さく頷いては、一人スタスタと日の当たる縁側まで歩いていき）

…そうだな、暖かそうだ（そう言うとあとを追っていき）

（/本体失礼します！いきなりで申し訳ないのですが絡みの打ち切りをお願いしてもいいでしょうか？私ではどうにも上手く話の展開が作れず申し訳なく…。短い間でしたがありがとうございました！）

(/了解しました！こちらこそ力不足でご迷惑をおかけしてすみませんでした。ご参加ありがとうございました)