2016-01-07 15:59:25 |
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――こんなものかな。
(台所に立ち手早く簡単に出来るおにぎりをとりあえず自分と相手の計四つを握り。満足そうに頷いては付け合わせの沢庵と、それからお茶をお盆に乗せ居間へと戻って来て。果たして、そこに相手がちゃんと居ればどことなく嬉しげな笑みを浮かべた後、目前へとそのお盆を下ろして)
今日はあるもので勘弁ね。明日からのご飯はもう少し頑張るから。
もちろん。他に食べる人なんて居ないし。
(その問い掛けに当たり前だというように間髪入れずこくりと頷いては、己もまた自分の分のおにぎりにかじりつき。そうして暫くモグモグと咀嚼した後、お茶を一口飲み息をつくとちらり、視線だけを相手に向けつつ静かに唇開いて)
…別にさ、言いたくなければ言わなくてもいいから。前の審神者を斬った理由。こう言っちゃ悪いけど、別に興味ないし。
…多分、突発的だった。よく覚えていない、気が付けば仲間に取り押さえられていて…そのまま預けられたんだと思う(そう言われるもののぽつりぽつりとそう言えばおにぎりを取り一口齧れば知らぬ間にふわりと背後に桜が舞っており)
ふーん。…ま、そんな気分の時も生きてればあるよね。
(ぽつり、ぽつり、と落とされていく話をおにぎり食べながら聞いていたも、区切りのよい所で徐に唇開いては、そんな言葉で片付けていいのかと言うようなそれをさらりと紡ぎ。そうして視界に映る桜。目を奪われたように見開くと、あろうことかずい、と身を乗り出して)
―ッ、それ。桜。
は…?ーっ、見るな、これはきっと庭から入ってきたもので…!(身を乗り出されそう言われた時にやっと気付いたらしく手のひらで舞う桜をどこかへと飛ばそうとしながらそう言い)
庭って――、
(庭、との言葉に素直に視線やるも、桜等何処にも咲いていなければその意味を知らぬのか緩く首を傾け。されどその瞳にはありありとした歓喜の色が宿っており。改めて先程まで座っていたそこに腰を下ろしなおしては、どことなく幸せそうに瞳細めてみせて)
私ね、花の中で桜が一番好き。儚いけど綺麗だもんね。
…なら、おにぎり代だ(そう不意に口を開けば舞った後の桜を集めて机の上に置き「俺の霊力もこもってると思うから…すぐには痛まないと思う」と呟いて)
おにぎり代って…、一緒に暮らすんだからいいのに。でも嬉しいから貰っておくね。ありがとう。
(この先共に暮らす身なればそんな事で気など遣う必要はないと思うものの、やはり悪い気はしなければ机の引出しの一番奥、小さな小瓶を取り出し。コルクの蓋を開け、中へと大事そうに花弁しまいこんでは再度蓋を閉めなおし、ふふふ、と幸せそうに笑ってみせ)
…政府から聞いた、あんたまだ新米なんだろう。それなのにこんな問題刀を引き取らなきゃいけないって言うのも酷だな(政府から聞いたことを口にすると姿勢を正して「俺の名は大倶利伽羅という。これから先あんたに迷惑をかけると思うが…よろしく頼む」と頭は下げずにそう言って)
審神者の役目とかそういうの、まだよくわからない。だから私の方が迷惑かけるかも。――私は葵。名前、何て呼べばいいかな?
(自らを問題刀と口にする様子に自然、眉を寄せるも首を左右に振るだけで止めると、緩く肩を竦めつつ堅苦しいのは苦手である事を暗に伝え。そうして遅れての自己紹介を。相手の名前を噛み締めるように胸中で呟いては、どう呼ぶのが一番なのかと問い掛けて)
好きなように呼んでくれて構わない。ただ…倶利ちゃんはやめてくれ(かつて主を共にしていた仲間が付けたあだ名は気に入ってないらしくそう言えば「葵…だな、分かった」と頷いて)
んー…、じゃあ伽羅?やっぱり二文字くらいの方が呼びやすいし。
(倶利ちゃんの単語に浮かぶは隠しきれぬ苦笑い。こほん、と一つ咳払いした後に上げた名前は何とも捻りがなく。されどその名を口にしてやけにすっきりとした感じを覚えれば、もうそれで決定だとでも言うように数回頷き。そうして視線右の襖へ。ふぅ、と息をつき静かに唇開いて)
部屋、好きな場所使っていいからね。さすがに余りすぎてるから。
とりあえず許されて良かったよ。――庭なら…、一番右奥の部屋が綺麗に見えるかも。行ってみる?
(その様子に名に不満がないのだとわかればとりあえずホッとしたように息を吐き。そうして静かに立ち上がり。要望に応えるべく思考巡らせ一番に出てきたのが角の部屋であれば、先に部屋の案内をすべきなのだろうかと首を傾けて)
今この本丸には他に刀が居ないの。ちょっと静かすぎるかもね。
(外からの音しか聞こえぬ静かな廊下を歩いてすぐ、目的の部屋へ着くと徐に襖を開け放ち。しん、と静まりかえるそこは人が居なかったわりに綺麗で。中へと足を踏み入れつつ振り替えっては、軽く両手を広げ口元僅かにつり上げてみせて)
―ここ、好きに使って構わないからね。
まぁ、そう言う事になるね。上からはいろいろ言われてきたんだけど主って柄じゃないし。
(果たしてどれくらいをこの本丸で一人暮らしただろうか。ふ、と思い出に浸るもすぐにその思考振り払うと相手の問いに小さく頷き。そうして少しばかりの沈黙を。意味もなくにこりと笑えば来たばかりで一人ゆっくりさせるべきだろうかと考えて)
俺は…前の本丸で少しだが近侍をしていた事がある。分からないことがあれば教えられる範囲で教えてやる。(主の話を聞く限りだと自身の方が本丸暮らしは長いだろうと考えては腕を組みながらそう言って)
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