【創作】付喪神さま。【bl】

○消しゴムの独白

僕は消しゴム。名前なんてそれで十分でしょ。とある女子高生が今の持ち主で……いつだっけ、8年前？から大切にされてる。
今の前に別の持ち主が居たんだ。そのときはまだ付喪神でもなかったから記憶は曖昧だけど、確か小学生の男の子。今の持ち主が消しゴム忘れたときに僕を貸して、返さなくてもいいよって譲ったんだって。わあカッコイー。それ以来ずーっと使われてないで、大事にだーいじにされてる。
何で顕現したかって、今の持ち主が前の持ち主に恋したからだろうね。よく知らないけど、高校も同じらしいし恋心継続中。綺麗な思い出の象徴が僕って訳。

話逸れたね。
嫌いな奴は同居してる鉛筆。使ってもらえてるのに消えたくないとか言ってさ、僕に喧嘩売ってるのかな？
自分が一本三万円の超ブランド品で、文房具として正しく大事にされてるのにも気付かないでうじうじして。大事にされてなきゃ顕現しないっての忘れてんのかな。
無自覚で僕を煽るあいつが、僕の一等苦手な奴。
だからいつもついいじめちゃうんだけど、これくらい許されるよね。





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