どこかの執事さん。 2015-12-25 00:08:49 |
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(此方に向かってくる相手を見れば、軽く畳まれた上着を開いて相手の腕からそっと上着を通しながら着せて。マフラーを首元に巻こうとすればぐっと距離が狭まり。視界に映る相手の顔、一瞬視線が合い。「具合が悪くなるといけません……特にこの時期は冷えますから、ね」相手が高熱を出したあの時のことがふと頭を過る、あれは風邪ではなかったようだがまた相手と過ごした時間を失われるのは怖く、マフラーを巻きながら困ったように微笑んでは上記述べて。)
(されるがままに上着を着せられ、マフラーを巻かれている最中に相手の顔をじっと見ていると相手が心配するような言葉を放ち。「ん。でもま、俺もそんな身体弱いわけじゃないし大丈夫。」相手の思いなど露知らずただ単に己の身体を心配してくれているのだろうと勝手に解釈して。安心させようとでもしたのかにこっと笑うとそんな心配しなくてもいいのに、と口に出すと相手の頭に手を伸ばしくしゃりと撫でてみて。)
(/昨日返せなくてすみませんっ)
あんなこともあれば心配にもなりっ……(相手の言葉に思わず反応して言葉を口走り。これではまるで相手を責めているかのようだ。自分はこんなにも冷静じゃなかったのだろうか、少し冷静さがかけているように思い咳払いすれば思わず言いかけた言葉を飲み込んで。「…っ!」突然に撫でられればそんなことをされるとは思わず、固まると同時に薄く頬を染めて。「すみません、…流行病が心配だったもので。後、……さっきの言葉はどうか忘れてください」ありふれた理由を述べては先ほどの失言を酷く後悔して項垂れるような礼を。)
(/いえいえ、大丈夫ですよ!)
…ぁ………ごめん
(そういえば自分は今、あのときの熱が原因で彼のことを忘れてしまっているんだ、と気づき相手の言葉に驚きながらも気まずそうに謝って。確かに彼の立場で先程の己が言ったようなことを言われれば怒るのも仕方ないだろうと。最近は今の生活に馴染んでしまい自分でも配慮が足りていなかったと反省し。「お…かわいー」相手の反応を見て無邪気な笑顔を浮かべるとさらに撫で始め。「…そっか。分かった。…俺もごめんな。東郷は気にしなくていいから」見るからに後悔をしているであろう相手に自分にも非があったため少し笑みを浮かべ小さく笑い。)
(/上げ感謝です!)
いえ、その千紘様のせいではございませんので(相手に謝られると責めてしまったと慌てた様子で述べ。一執事として出しゃばり過ぎた発言だったと痛感して苦々しい表情を浮かべ。「かわいい……ですか?千紘様の方がよっぽど可愛らしいお方だと思いますけれど」聞こえた言葉は自分とは似つかわしくないような気がして、ふと疑問を抱きながらも幼い頃と変わらぬ表情を見せる相手を見つめながらさらりと述べて。「あの、そろそろ恥ずかしいのですが」務める家の人に好かれるのは仕事柄悪いことではない、むしろ喜ぶべきことなのだが、そろそろ一緒に見送りに来たメイド達の目も痛く感じてぼそりと告げて。「本当にすみません…、お気遣い有難うございます」優しい言葉を掛けてくれる相手にまた謝罪をすれば顔を上げ、同時にお礼を申し訳ないといわんばかりの表情で述べて。)
……そんな顔すんなよ。今のはどっちも悪くない!ね?これで終わり!( 相手の苦々しい顔を見るとどうにもいたたまれなくなり。相手の顔をみてにっと笑い、無理やりな感じがしないでもなかったが会話を終わらせ。「……えー?俺可愛くねぇって。…東郷だってよく見てると可愛い」突然の言葉に一瞬ポカンとするもじわじわと赤くなり。それを誤魔化すようにふっと顔を相手から逸らし前記述べ。「ん。ごめんごめん。返ってきたら遊ぼうな?」確かに周りの目線は感じていたため軽くそう謝ると再び無邪気な笑顔で述べ。「…俺は気なんて遣ってない。だからお前もあんま堅くなんなよ?」相手の仕事柄仕方ないところもあるのだろうがどこか壁があるように感じ。じゃ、と手を上げると扉を開け)
はい…承知いたしました(これ以上やり取りを続ける方が酷だろう、相手が終わらせてくれたのだからと素直に頷いて。「私の大切な坊ちゃまですから可愛いに決まってますよ…それ、褒め言葉としてとっておきます」否定の言葉が返ってくれば男性である彼には少々失礼だっただろうか、と思いつつもやはり愛らしく振る舞う様子見ればくす、と笑いながら述べて。「承知しました」痛いほどの視線から開放されるとほっと小さく息吐き頷くと。「善処します」堅くなるなと言われれば少し難しいかもしれないと感じるも、希望された以上出来る限りの努力の思いで述べ。「お気をつけていってらっしゃいませ」扉が開けば、微笑んで述べ。続いて後ろのメイド達も声を揃えて見送りの挨拶を。)
ん。それでよし。
(相手が頷くのを確認するとこちらも満足そうに頷き返し。「そんな可愛いか?…ま、東郷がそういうんなら俺も褒め言葉として受け取っとく」初めはむくれていても、相手の笑みを見ると可愛くてもいいか、なんて思えてきて。こちらも笑みを返すと前記述べ。善処する、と口にした彼に、「そういうのが堅いの。もっとこうさ、砕けた話し方でもいいのに」なんて無理を言って。そのあとにぼそりとでも期待はしてる、なんて聞こえるか聞こえないかくらいの声で呟き。後ろから聞こえる見送りの声に嬉しくなりつい頬が緩むも、それを見られたくはないのか後ろを向いたまま片手だけ上げるといってきます、と。)
(/分かりました!わざわざありがとうございます。)
難しいですね、癖のようなものですから(先程は言ってみたものの幼い頃から身につけた言葉遣いを今更変えようにもやはり難しい。それに、雇われの身である自分にとって主人の子息である彼に言えないと眉下げて少し困ったような顔で述べ。小さく聞こえた声にどうしてそこまで、なんて思いつつも聞こえた以上返事を「我儘ですね」はっきりと。相手の後ろ姿が見えなくなるまで見送ると他の執事達と遅い朝御飯を食べに使用人部屋へと歩き。)
(/了解有難うございます!お返事遅くなりましたがお返ししておきますね。)
ふーん…( 相手の困ったような表情を見ると自分の我儘ばかり通すのも悪いな、なんて思案し「ならし方ねぇな」と諦めて。普通の考えれば自分と彼の立場上そんなことをしているのはおかしいか、と。相手には聞こえていないと思っていた呟きが予想外にもしっかり聞き取られており。うっ、と一瞬口ごもるも降参したように「分かった。我慢する」と述べ。学校までの通学路をいつものように歩きながら今日は帰ったらなにしてやろうか、なんてすでに家に帰った後のことを考え始めていて。)
("我慢する"その言葉に昔から彼はそうだった、と苦笑して。長い廊下を通ってようやく使用人部屋へと辿り着けば準備をして食べ始めて。今日はご夫妻はお休みであるから来客等で借り出されることもないため特別仕事が多いわけではない、忙しいのに慣れすぎた所為かのんびりとする時間はなんとなく落ち着かず、食後任された書類整理もさほど時間を稼がさせてはくれないようで呆気無く終わってしまえば溜息をついて。「暇なんてあまりないのですから贅沢な悩みですよね……おや、」ぼそりと独り言を言っていればいつの間にか現れたこの家の飼猫が現れ。それを抱き寄せて膝の上に乗せながら「一緒に坊ちゃまを待ってくれるんですか?」なんて呟きながら撫でて。)
("我慢する"その言葉に安堵とともに昔から彼はやや強引だった、と苦笑して。長い廊下を通ってようやく使用人部屋へと辿り着けば準備をして食べ始めて。今日はご夫妻はお休みであるから来客等で借り出されることもないため特別仕事が多いわけではない、忙しいのに慣れすぎた所為かのんびりとする時間はなんとなく落ち着かず、食後任された書類整理もさほど時間を稼がさせてはくれないようで呆気無く終わってしまえば溜息をついて。「暇なんてあまりないのですから贅沢な悩みですよね……おや、」ぼそりと独り言を言っていればいつの間にか現れたこの家の飼猫が現れ。それを抱き寄せて膝の上に乗せながら「一緒に坊ちゃまを待ってくれるんですか?」なんて呟きながら撫でて。)
(学校に近づくと自分と同じく学校へ向かう生徒がちらほらと見え始め。その中に親しい友人の姿を見つけると駆け寄って挨拶を交わし。そこからは談笑を交えながら教室まで行くものの、その友人の"もう全部思いだしたのか?"という言葉に終始途絶えることのなかった笑みも固まり。取り繕うように笑うと「んー…まだ全部は思いだしてない、かな。」なんてはぐらかして。まだ、とは言っているが実質思いだせていないのは執事の東郷のことだけで。本当に思いだせないことにはなにか理由があるのか、と考え始め。しかしいくら考えても思いだしていないのだ。一日ぐるぐると考えあっという間に午前中の授業は終わってしまい。)
(/ありがとうございます!)
(いつの間にか眠ってしまっていたようで、はっと目を覚ましては時計を確認し昼過ぎだと気づけば一日を寝過ごしたわけではないと安堵し。使用人室へ向かえば既に食事は始まっており、特別時間の掛かる仕事を任されたわけではなかったため執事長からどうしたのかと問われ。「すみません、少し眠っていしまっていたようです」謝罪の言葉を述べれば気をつけるように言われたもののどちらかと言えば同情と取れるような言葉を受け取り。最近忙しく睡眠時間確保があまりできていなかったというのもあるが、寝不足気味なのが坊ちゃまの事だということもお見通しの様子だということだ。頭を下げてその言葉を噛み締めながら昼食を摂り)
(昼になり数人で昼食を取るもどこか上の空で。そんな自分を心配してか気遣ってくれる友人に笑みを向けながらも内心もやもやとした気分は拭えないでいて。それを察してか周りもそれ以外話しかけてくることもなくなり、ひとりぼーっとしていて。幸か不幸か午後の授業は教師が休みのため自習に変わり、生徒が思い思いに自由な時間を過ごす中で考え疲れなのかは分からないが急に眠くなってきて。時計を見てもまだ時間はある。授業が終わるまで、と自分の中で決めるとそのまま寝てしまい。)
(昼食後、部屋を出れば仕事もそれほどなく暇を持て余しているのも自分には合わない、とあまり使われていないところの掃除をしはじめ。広い屋敷内は未だ手入れの行き届いていない部屋が幾つかあるためかやりがいもあって仕事になり。時折、夫妻の前に顔を出しては紅茶を淹れに行ったりしながら。夕方に近づく頃には部屋の掃除を終えて相手の帰宅時間が迫っていることを時計で確認すれば、相手の部屋の暖房をつけておき。)
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