❀ 2015-12-16 17:54:27 |
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三日月……
(相手に頭を撫でられれば心地よいのか頬を緩ませて小さな笑みを浮かべては不意に相手の名前を呼んで相手の着物の襟をぐっと掴んで相手を引き寄せては爪先立ちをして相手の唇に口付けをして)
…あなや(突然のことに驚きが隠せない様子でポカンとしていたもののやっと理解が出来たのかそっと目を伏せて「積極的なものだなぁ、主よ」と微笑んで)
……そんなじゃ、ないわよっ……たまたまよ…
(自分がした行為がすごく恥ずかしいことに気づいて耳まで赤くしては顔を背けて上記を言って)
…別に、拗ねてないわよっ……
(相手から顔を背けてはまだ少し顔を赤くして相手の目の前を歩いているとふと立ち止まって「わぁ、すごいよ!藤の花!」というと目の前には大きな木があり藤の花が綺麗に先枝垂れていてその木の真下まで行くと相手に向かって手招きして「ほら、三日月も来て!下からだとすごいよ!」と笑顔で言って)
ほらっ!真下にくると、何だか世界が逆さまになったみたい!
(綺麗な藤の花に興奮しているのか笑顔で言っては両手を広げてくるくると藤の花を見上げながらくるくる回って「なんか、違う世界に来たみたいだね!」と動きを止めてはにかんだ笑顔で言って)
ほぅ、これはまた綺麗だな(隣へと行くと同じように見上げているとくるくると回り出すのを見ては転んでしまうのではないだろうかとハラハラしつつ見ていて)
ねー、綺麗だね!
(相手の心配を気づいていないのか少し小走りに気の周りをグルッと1周して相手とは木を挟んで反対側に回り込んでは見えない位置で止まって木に寄りかかって「この藤の花、三日月みたいだね」とポツリ言って)
……綺麗で見る人を魅了して、心を美しさで満たしてくれる……でも、どこか悲しくて、そこにずっ独りで……何かに怯えているような目をするの……
(足元を見ながら1人呟いては目尻から涙が落ちて「だからかな……守ってあげたいって思えるのは」と最後に付け足して)
―それは俺とて同じ、この様に弱く脆い主をひとりにすることは出来ぬ。守りたい、その気持ちばかりこの藤の花のように増え続ける(ゆるりと静かに主の方へと歩み寄って行けばそう口を開いて届きそうな藤の花へと手を差し伸べ)
……じゃぁ、この藤の花はきっと私達と似た者同士なのかもね……ありがとう、嬉しい。
(相手の言葉を聞いて優しい微笑みを浮かべては自分も手を伸ばすが相手の手首の当たりに届くか届かないくらいで)
はは、しかし藤の花には注意せよ、と昔から言われるな。それこそ俺の生まれた平安の世など女性の花とされ好まれてもいたが花言葉が些か男には重すぎたようだ
(昔の時代から藤の花を愛でていた人の生活と深く関わりあってきた花にしては花言葉が男にとっては恐ろしいと言われていたことも確かなものでそれを思い出しては苦笑し)
藤の花の花言葉……?
(背伸びするのをやめて相手の言葉が気になったのか少し考えて「どんな花言葉があるの?」と首を傾げて相手に問いかけて)
諸説あるが、『決して離れない』…今となっては素敵だろうが一夫多妻制であった頃の平安では女は自分の元へ来るのを待ち続ける。それもいつまで続くのかは分からぬ、その花を渡された男は女に恨まれぬようにと恐れ通い続ける…という話もあったからな
(妖の類や呪い、妬みなどというものが恐れられていた時代では女による怨みにより命を落とした男も多いという御伽話の様なそれは男にとって恐ろしいものでその時を生きてきた自分もそのような話は聞いていた為そう言って)
……そうなんだ。でも、私は花を送った女の人の気持ちも、分からなくもないな。本当に好きな人にどうやって想いを伝えようかって考えた時に、そうやって花を送る気持ちもなんとなく分かる気がする……
(相手の言葉に対してそう言えば小さく笑って「よく、分からないけどね」と苦笑いしてはその場に座って足元にある花を摘み始めて)
そうなのかもね…でもね、私はそれでも構わないよ。いつか、この想いが伝えられれば、私はそれでいいよ……いつか、伝われば…
(自分の思いをポツリ、ポツリと言っては「はい」となにやら出来て相手の頭に花の冠を乗せて「それ、あげる」と笑顔で言って)
いつか、か…俺ならばいつまでも待っているぞ
(そう言うと何かを頭に乗せられた気がしてふわりと触れてみるとそれは風に乗り花の香りがしてきて花冠だと分かると微笑み「お洒落はよく分からぬが、これはいいものだな。どうだ、似合うか?」と問い)
うん、とっても似合ってるよ
(相手の問いに笑顔で答えては「少し、散歩しよう」と言って近くにある森へと入っていき「もう、すっかり緑が映える季節だよね」と言いながらどんどん小さな道を歩いていき)
あ……ねぇ、あれって神社?
(道を歩いていると脇にそれる形で石階段がありその先には苔がついている鳥居があってその方向を見ながら相手に問いかけて)
ん?…そうだな、俺達と同じようなものを感じる。神社だな
(そう問われると三日月を宿すその瞳じっと神社に向けてしばらくすると僅かながらこの神社の主の気配を感じたのか頷き)
同じもの…?へぇ、付喪神って、自分たちと同じ気配を感じることできるんだぁ!
(すごい、というような表情で言えば階段を少し駆け足で登って「私も近くに行けば何か感じるかな」と独り言のように言いながら階段をかけ登り)
はは、これでも神だからな。仲間の匂いがするようなものだ。主も付喪神を顕現させる程の力はある、僅かながらでも感じるだろうな
(この神社から感じるのは穏やかなものでこちらに害はないのを確認するとあとをついていき)
うん、確かに。力みたいなものを感じる。
(階段を登りきれば力を感じて上記を言っては、何かを感じて周りを見渡して「ぁ、ほらみて!あそこにも古くてボロボロになってるけど鳥居があるよ!」と視線の先には森の奥にあるそこだけ暗くなっているところに確かにボロボロになった鳥居があって「あそこも同じかな」と言うが早いか駆け出して鳥居の近くまでくれば鳥居を境界線に一瞬空気を淀んでは鳥居の先に指を伸ばそうとして)
主よ、無闇に触るものではない。神によっては人にその神域を侵されるのを嫌う神もいるからな
(一瞬だが空気が淀んだ気がすると主が手を伸ばそうとすると自身の手を前に差し出しこれ以上進まないようにとそう言い空いた左手で鯉口を切り)
……ぇっ……っ!
(相手の言葉に一瞬我に変えるが急に激しい頭痛のような全身を鋭い痛みが襲って頭を抑えて苦しそうな悲鳴を上げながらその場に蹲るように崩れ落ちて)
っ…ぁ、たまがっ……われるっ……!
(目を見開いて涙を流しながら苦しいのか声が途切れ途切れになって「ゃ、めてっ……」と何かに怯えているような声で言えば歯をグッと食いしばって)
やめっ、て……もぅ、見せないでっ……思い、だしたくっ……なぃっ……
(脳裏に残像のように膨大に流れ込んできたのは過去に、自分が犯した過ちで刀剣のみんなを失った時の映像でやがて涙が血の涙に変わり相手の服をギュッとつかみ)
…(主が今何を見て苦しんでいるかは分からずに何も出来ずにこうして逃げることしか出来ないことからの焦りからなのかぎゅっと下唇を噛み締め)
……っ、だ、めっ……やめてっ…
(苦しいのか胸元をグッと押さえつけながら呻き声をあげては相手にしがみつくように抱き着いて「……逃げ、てっ……ワタシ、からっ……に、げっ……!!」最後の言葉が言い終える前に目を見開いては相手の首を両手で掴んでその場に倒して)
っ……に、げてっ……私から、はやっ…く!!
(自分の意思とは関係なく体が動いてしまい力を集中させて意識を保とうとするがすぐにのまれてしまいそうになって相手に自分から離れるよう言えば手を一瞬離して自分で噛み付いて「……ぃ、まのうちに……はやくっ…!」と伝えて)
…いいや、離れぬ。主を守る事こそが俺の義務でもある(ゆっくりと立ち上がれば離れる主へと歩み寄って行き危険を顧みずにそのまま落ち着かせようと抱きしめ)
っ……は、なれっ……て…!!
(自分の体がまた動き出して相手の腕に捕まればグッと爪をたてて「やめ、てっ……これ、以上、傷つけ、ないっ……でっ!!」と苦痛に涙を流して)
……三日月
(相手の声がようやく耳に入るとまだ疲れきったような表情はとれないものの抱き上げられては相手の服を指先で少し掴んで体を相手に預けるようにして相手の名前を呼んで顔を見上げて)
三日月の声がね……聞こえたよ
(目尻に涙をためながら口元を綻ばせて上記を言って「だから…私も、戻ってこれた……ありがとう」と微笑めば目尻から涙が落ちて)
そうか、俺の声が…まあこうして無事だから良かったなあ(微笑む相手を見ては先程の神社はやはり近付くものでは無かったなとそこの主に粗相をしてしまったことによりこうなってしまったと思いながらも微笑んで)
でもっ…私のせいで、三日月に怪我させちゃったっ……
(自分が傷付けてしまったところを見ては、涙を流して相手の首に腕を回して抱きつき)
あれは仕方が無い、そう気に病むな(そう言うとにこりと微笑んで本丸についたため「おお、もう着いたか。さぁ、帰ろう」と門を潜り)
……ごめんなさい、ありがとう。
(本丸につくと、相手の背中に向かってもう一度言うとやっと力の源の所に来たせいか急に力が戻り体が悲鳴を上げて意識を失いその場に倒れて)
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