❀ 2015-12-16 17:54:27 |
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いなければ…よかった……私の代わりなんていくらでもいる……
(道場に入れば護身用にと置いてある刀を見つけてはその刀を手に取ってじっと見つめて)
…私が、私さえ……いなければっ……誰も、死なずに帰ってきた……私が、いたからっ……私は、いらない──
(刀を鞘からゆっくりと取り出しながら上記をポツリ呟いては刀の切っ先を自分の喉元に当てて)
!?(道場へと入っていけば刀を自身の喉元に当てるのが見え駆け寄っていき喉元から逸らそうと傷つく事も厭うことなく刀身を握り「馬鹿な真似をするな!」と怒鳴って)
っ──!!?やめてっ…!!
(相手の声にやっと我に返ったと思えば相手から刀を奪われてそれを取り返すかのように刃を握って「邪魔しないでぇっ!」と叫び)
邪魔だと…!?(止めようとしておいてそう言われるとは思っていなかったのかグッと刀に力を込めれば「どこが邪魔だ、答えて見せろ。俺は主を守っているだけだ!」と続け)
邪魔しないでぇ…私が、私さえいなければっ…皆に迷惑だって…かからないっ!三日月だって、本当は、私が邪魔だって…思ってるでしょ!?
(目を固く閉じてまだ刀を取り返そうと同じく刃を握る手に力を込めれば切れたのか刀と自分の手の間から血が滴り落ちる中で叫び)
っ…ああ、邪魔だ!その主の心を乱している後悔の念さえなければ主が苦しむことは無い!(主の手から血が流れるのを見ればこのままでは指を落としかねないと感じ取り刀を掴んでいた力を緩めると抱きしめるように包み込み片手で主の手から刀を離そうとゆっくりと手を重ね)
ぃやっ──!!
(抱きしめられると抵抗しようと相手の肩を叩くが力が入っていないせいか弱々しいものになってしまい。刀を掴んでいる手に相手の手が触れると小さく震えて「…邪魔なら……消してっ、私の……心にある……気持ちを、消してっ……」と小さな声で何かに懇願するような声で言えば肩を叩いていた手で相手の服を掴み)
俺は消せない、その邪魔な気持ちを消せるのは主だ。彼らは刀として主を守れたことを誇りに思っているだろう。それなのに主がそのままでは散っていった彼らの偉業を侮辱しているのと等しい(自分が消せたらもっと早くに消していた、後悔の念を抱きながらも生きる姿は何処かいたたまれない気持ちになるばかり。消すのも忘れるのもその心を持っている本人次第、静かにそう述べて)
消したら……本当に、この悪夢から覚めるの?もう二度と、苦しまずに済むのっ?怖いっ……消したら、みんなの事まで忘れちゃいそうだよっ……記憶から消えちゃうかもしれない…
(ポツリポツリと涙を流しながら刀から手をゆっくり放しては血まみれの手で相手の服を掴んで顔を埋めながら時より嗚咽をもらして上記を言って。「消したら…もう、思い出せなくなるかもしれないんだよ……?」と付け足して)
忘れたくなければ覚えていたらいい。それは主の自由だ、悪夢から覚めたいならこの俺が覚ましてやる(自分はこれから主がどうしていくのかは決めない、ただ主が苦しむ時は主を守る刀として助けてやると述べ)
忘れたくないっ覚えていたい………
(ぐっと目を閉じては上記を呟いては、相手から刀を取って鞘に戻して「ありがとう…三日月」と優しい声で相手に柔らかい笑顔を向けて言ってはプツンと糸が切れたように意識を失いその場に倒れ込み)
……ん…三日月?
(ふと意識が戻って目を開けるとぼやける視界にはどこかに運ばれてるのかと思い視線を動かすと見慣れた横顔が見えて名前を呼び)
おお、目が覚めたか(主の部屋へと運ぶと同時に声を掛けられ微笑みそう言うと「少し痛むが我慢だぞ?」と横にしながら述べ止血をするためガーゼの代わりにと自身のつけていた手ぬぐいを取り細く折り畳み傷口へと当てて)
っ…!
(返答する間もなく傷口に鈍い痛みが走れば少し顔をゆがめて「平気よっ……もぅ、大丈夫だから…放っておいて」と相手の手を制して)
そう言って無理をするだろう。待っていろ(そう言うとその手を止めずに緩まないようにしっかりと結べば「ほれ、できたぞ。ちと不格好だが許せ」と満足げに微笑み)
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