とくめー 2015-12-15 23:24:52 |
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あーあ、嫌われたかな。
(向こうから逸らされた視線に小さく呟き、新たに足元に擦り寄ってきた猫を撫で。「良い店だけど、これっきりかも」と猫達に話し掛けて)
…っ、あの!(逸らしてしまった事を後悔すれば勇気を振り絞って相手の元に歩み寄り声を掛け。「先程は、その…すみませんでした!よ、良かったらまた来て下さい…!」と頭を下げながら謝罪し、このまま気まずくなるのは嫌だと思いながらぎゅっと己の服を両手で握り締めて。顔を上げれば恐る恐る相手の顔を見て)
え、
(突然戻ってきて掛けられた声にびくりと肩を跳ねさせ、目を僅かに丸くして。下げられた相手の頭に「ちょ、やめ、」と珍しく狼狽えて周囲から集まる視線に萎縮しながら、どうにかぼそぼそと答え)
そっちが謝ることじゃないでしょ、僕が変なこと言ったのがきっかけなんだし。
ていうかそっちこそまた来られて良いわけ、僕はああいう自虐が癖の面倒臭い客なんだけど?
で、でも…気まずくなってしまう様な雰囲気を出してしまったのは私のせいですし…。っ、全然大丈夫です!面倒臭いとは思ってませんから。それに、お客様は猫がお好きなようですし…またご来店してくれたら、この子達も喜ぶと思うんです。猫好きに悪い人は居ませんから。(ふるふると首を横に振りながら否定して己のせいだと言い返し。自虐癖があるというのを聞くもめげずにいて、微笑みながら優しく言い。猫に視線落としつつ頬緩めて言いきり)
(一気に告げられる言葉を、ぱちぱちと瞬きしながら時間をかけて理解していき。猫好きに悪い人はいない、との一言を小声で復唱するとちらりと相手を一瞥して)
……名前、何て言うの。
そ、白畑さんね。僕は松野一松。
正直僕人と話すのとか得意じゃないから……この店にはあんたが居るときだけ来ることにするから。
(屑そのものだと自負する己に気にせず接してくれる店員などそう居ないだろうと判断して、そんな風に宣言して。一人勝手にうなずくと万事解決とばかりに猫との戯れを再開させて)
一松さん、ですね。あ、ありがとうございますっ。…宜しくお願いしますね(相手の名を一度復唱すればにこりと笑い。己が居る時だけというのは何故だろうと疑問に思うも、また来てくれる事が分かった為嬉しくなりぺこりとして)
っ、あ、うん、一松、そう。
(思いがけず下の名前で呼ばれたのにしどろもどろになって。童貞彼女無し歴イコール年齢の自分には女性に下の名で呼ばれることも呼ぶことも経験が無く。顔に集まる熱を隠す様に抱いた猫に顔を埋めて)
あっ…すみません、図々しかったですよね!松野さん、て呼びますので…!(相手の言動に一瞬きょとんとするも、ハッとなれば嫌がっているのかと勘違いし。慌てて謝ると苗字に呼び直して)
や、良いから、別に。
……松野だと、間違えられそうだし。
(慌てる相手に未だ耳を赤くしたままに嫌なのではないと訂正して。「松野さん」という呼び名に兄三人と弟二人が浮かべば間違えられてはたまったものじゃないと小声で一人ごちて)
あ…じゃあ、一松さんて呼ばせてもらいますね。…そんなに、兄弟が居るんですか?(嫌がられていた訳ではないという事が分かるとほっと安堵の息を吐き、柔らかく笑いながら再び呼び名を戻して。相手の言葉にピンとくれば首傾げながら尋ね)
ひ、ま……う、俺は、白畑さんのままで。
(自分も合わせて下の名で呼んだ方が良いのかと思い片言ながら試みるも、照れやら何やらで断念して。一人称も揺れる中で相手の問いが耳に入れば苦虫を噛み潰した様な顔になり)
……まあね、一応六つ子だから。
あ…妃莉って、呼んでくれても…大丈夫です、よ?(呼び方によって距離が遠く感じるのに少し寂しく思い、ほんのりと頬を赤く染めながら途切れ途切れの言葉で告げて。六つ子という単語を聞けば驚いて目を丸め「えぇ!?六つ子なんですか!?す、凄い、凄いです…!珍しいですねっ、」と生で見た事がない為興味が湧き)
むり。恥ずかしい。
(もはや微妙に舌っ足らずにさえなりながら、猫から僅かに赤い顔を上げ目だけを出して拒否する。次いで相手の食いつきように顔の赤みを少し引かせると首を傾げて「そりゃ珍しいだろうけどね……ろくなことないですよ」と遠い目になりながら答えて)
そう、ですか…そうですよね、すみません、無理強いさせようとしちゃって…。(断られてしまえば少し残念に思いつつ眉を下げながら笑み。「そうなんですか?…でも、賑やかそうで良いですね…私は兄妹が居ないので、羨ましいです。」と言いながらふふっと笑い)
そんなの別に……猫が居れば寂しくないでしょ。
(一人っ子なのだと告げる相手に、人間の兄弟が何人もいるやかましさよりも猫達の方が余程幸せだろうと足元の猫も抱き上げ。ふと時計を見上げれば予想外に時間が経っており、じと、と相手を見上げて)
僕とばっかり話してていいの。
…確かに、猫達に囲まれるのは幸せですけど…こうして話して言葉が通じるのは人間だけなので。(猫といて幸せを感じるのはもちろんの事だが、人と接するのも色々と己の為の勉強になる為上記述べ。相手に言われてハッとなれば己も時計に目をやり「すみません、長々と話し込んでしまって…!…では、失礼します」と一礼してから一度相手の元から離れ、他のお客様の所へ行き)
……まーね、それが普通か。
(去る相手の後ろ姿を見つつ、やはり猫を本気で友として人間の友が居ない己はおかしいのだろうと息を吐き。まとわりついてくる猫達に「またね」と声を掛けて撫で、立ち上がり会計に向かい)
あ…あの、また来て下さい。今度は是非、兄弟さん達と一緒にでも…!待ってます。(会計を済ませる相手を見れば帰ってしまう前に伝えたい事言って、微笑み浮かべ)
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