杉下右京 2015-12-09 14:56:45 |
通報 |
『相棒』シリーズで事件に関わる容疑者は悪人というわけでないパターンもある。
事件をやむを得ず引き起こした容疑者のなかには普段なら他人の痛みがわかる人なのに事件を起こしてしまうとわからなくなる人間の不条理さ。
自分の中にある誇り、プライド、家や学校などを守りたいが故にゆがんでしまう。少年犯罪の話もあるから内容がまた濃い。
この手の話が官僚や警察関係者などになると組織のことが絡んでさらに複雑になる。
第1シーズン最終回では何故、杉下右京が特命係にいるのか特命係とはそもそも何なのか、薫の視線を通して知ってゆく……。
そしてそこに小野田公顕は右京が動く時、あるいは過去もしくは警察組織や官僚に関すると彼の姿は影のように出てきては右京の功罪を認め労を労いながら釘を刺しておく。
警察組織の闇、パンドラの箱を開けながらも右京も時には非情になる冷徹さ。ただの変人ではない(苦笑)。
結構、小説を読んでると市井の人々の犯罪はちょっとしたはずみやいきがかり上だったりもする。意図して犯罪に手を染める者もいるけど。
伊丹刑事は第1シーズンで外国語女性教師に惚れたり彼女が右京たちに逮捕されたり第2シーズンでは合コンに参加したりと苦労がうかがえる。
『相棒』シリーズの小説を読んでると事件に関わるひとの人間性が短いドラマのなかに丁寧に書かれてる。
少年犯罪、大人同士の愛憎怨恨、利権利益、欲求などが複雑に絡む。
『相棒』シリーズは基本一時間のドラマだけど内容は二時間サスペンス並み。
亀山薫にとって浅倉録郎が犯罪者や亡くなっていても友として大切な存在だったのもうかがえる。
浅倉録郎は“平成の切り裂きジャック”の顔を持ちながら一方は検事だったわけだし女性には愛憎入り交じる複雑なひと。
死してなお罪を着せられそうになったり記憶がないことを理由に利用されたり『相棒』シリーズの亀山薫時代を代表するひとり。
また岸部一徳さん演じる小野田公顕も右京さんとの過去から互いにつかず離れずなところもあって時に官僚として力を発揮し暗躍する。特命係に釘を刺したり時に不本意ながら力を借りたり右京さんの実力を認めながらも相容れないわだかまりみたいなものを密かに抱えてる。
『相棒』シリーズの小説読むと初期シリーズはむかしなのにそこそこ覚えてる。
サスペンスものの定番なのか女装や性同一性障害、トランスジェンダーなどにも触れられてる。
第3シーズン最終回で高橋由美子さんがひとり二役で双子の姉弟を演じていて性同一性障害の弟も演じていてなおかつ尼さんも演じている。
『相棒』シリーズ読むと加害者被害者の立場が紙一重にもなる。そこに愛憎が複雑に絡みゲストと言えど深みが感じる。
ただ第3シーズン最終回では亀山薫と薫の恋人である奥寺美和子は別れたままシリーズが終わってる。
右京さんは時に容疑者を諭したりわざと過ちを認めたりする時もあるけど、時には本気で激昂する。
それもまた『相棒』シリーズの魅力。
犯罪は許しがたいけど、杉下右京としては認めるけど一警察官として犯罪は何者でも許されないというひとつの信念が垣間見える時ある。
ある意味、右京さんのことを理解してるのは相棒の方ではなく実はたまきさんの方というお話もたまにある(笑)。
鑑識の米沢さんも趣味をいくつか共有してることもあって互いに刑事や鑑識の組織の枠を越えてのつながりもある。
けど小野田公顕がある意味、警察組織においては右京の最もな理解者であり手駒として利用しながらも警察組織に右京を側にに置きたいと上下関係、信頼関係愛憎入り交じるものがあると言える。
岸部一徳さんが小説版でも一見、物腰が柔らかそうな内になにか含みを持った怪しい魅力は感じる。
『相棒』シーズン2は浅倉録郎によって幕を開け幕を閉じるところが印象的。
脱走したのはいけないけど浅倉が犯罪者と言えど人権もあり親友である亀山薫を頼る一面もある。
特命係はシーズンが始まる前後は解散してたり上層部から疎まれたりと災難。
小説版はあとがきが一冊ごとにスタッフや関係者によって記されて中身がまた濃い。
二時間ドラマのクオリティを一時間ドラマに持ち込むチャレンジをしてるという意気込みが感じられる。
水谷豊さんの“変人ぶり”も長くシリーズを支えてる恩恵や努力もうかがえる。
脚本家もこんなトリックをしてみたいやってみたいと毎回、思考を捻る努力をしてる。
トリックももちろんだけど、先にも書きましたが私としては物語に見える人間関係人間模様が印象に残る。
小野田公顕のように右京を認めながら時に不本意ながら頼る官僚もいれば大河内春樹のようなひそかに男色の同性愛者の官僚もいる。特命係を利用してる一面あれば深い内からは信頼してる大河内春樹みたいな官僚もいる。
特命係がシリーズ全体を通して官僚や警察上層部にとっては疎ましい部署にも関わらず切っても切れない関係にあるのは右京の手腕によるところも多々あると思うけど、そこに右京の相棒としての存在は見え隠れするとも言える。
大半の人物は右京を疎ましく思い組織の足枷と思う一面もあるけど、彼が警察に身を置く限りや小野田公顕や大河内などの意向あるから基本的に上層部はなにもできない。
かろうじて捜査ミスや失態を特命係が犯した時はここぞとばかり釘を刺す。
右京さんは飛ばされても基本的に堪えてないようだけど亀山薫が切実に堪えるさまは読者として笑えるけど一種の共感もある(苦笑)。
警察組織の現実の在り方と右京さんが持ってるであろう理想とは隔たりがあるのも事実。
時に視聴者や読者でさえ右京さんが孤高だったり他人と距離を置く姿勢もあり戸惑う。基本的に言ってることは正しいけど容疑者をワナにはめたり激昂もする。
根は善人で市民を守るという姿勢は亀山薫や伊丹刑事たちとはちがうけど伝わるものはある。
また右京ができないことを亀山薫らが“相棒”がするというのも相棒の魅力。
時に相棒の方が主役という話も多くある。
亀山薫は基本的に典型的な刑事ドラマの熱い刑事であり情があり表に出る。美和子さんとの関係もシリーズの中でケンカしたり離れたりと微笑ましい。
『相棒』シリーズは話の好みにもよるけど印象深い物語ある。
シーズン1の頃から右京や亀山薫などキャラクター設定も深いのは小説読むとうかがえる。
右京が寄席を聞きに行ったり下着泥棒の一件から警察の不手際や不祥事を暴いたりあの手この手で視聴者や読者を驚かせる。
第1シーズンの『仮面の告白』は容疑者はなにもしなかったら罪を犯さずに反省ができたのになまじ犯罪を犯してしまう。
また『最後の灯り』の回などは同局系の『はぐれ刑事純情派』を彷彿させる物語でもある。
第1シーズンが放送されたのが2002年というのもあんがいむかし。
伊丹刑事たち捜査一課は(ドラマの中での)典型的な刑事としてドラマも小説も書かれてる。
だけど、特命係と関わることでそこにドラマが生まれる。
一応、右京には伊丹刑事もそれなりに敬意を持ちながらやや疎ましくも思うところに人間味ある(苦笑)。
ドラマの展開上、相棒不在の場合は伊丹刑事たちが右京の捜査に引っ張られるのもおもしろさ。やられる彼らはいい迷惑ですが。
『相棒』シリーズの小説を読むと多彩なキャスト出てきます。
また時には地方までロケしてたりさりげなく豪華。
『はみだし刑事純情派』にレギュラー出演してた前田愛さんはシーズン3の北海道を舞台にした前後編に出演してました。
内容は時に警察の不祥事や闇の組織と裏取引してた人物など書かれ『相棒』世界の警察にとっては痛い事実が突きつけられる。
『相棒』新シリーズの相棒は反町隆史さん。
ほんとシリーズ長いことに感心する。
小説の方はまだまだ亀山薫時代だから神戸尊時代でさえ読めてない。
来年以降に徐々に追いつけたらよしかな。
『相棒』シリーズは発端となる事件が解決してもまたそれが別な事件につながることも一時間ドラマのなかに多々ある。
物語をよく見ると、ぐるっと回って人物が思わぬ行き来をしてたり些細なことから事件だったり一時間ドラマとは思えないくらい内容が濃い。
警察組織のことは“とかげのしっぽ切り”はおそらくシリーズのなかでたびたび繰り返されてると思うけど特命係や一部いる良心ある組織の人達もまたいる。
岸部一徳さん演じる小野田公顕が物語から退場してから特命係のクビをつなげてるのは大河内や石坂浩二さん演じる甲斐くんのお父さんがいるからでしょう。
新しい相棒に反町隆史さん、亀山薫、神戸尊、甲斐くんともまた毛色がちがってた。
反町隆史さんが役人を演じるというのもいまのところ視聴者の反応どうなんでしょう。
相棒は全話見ていないけど…小説は全部買いました。
TV版と小説版とどちらも面白いですよね。
season14の小説はまだ発売されないんでしょうかねぇ?
『相棒』シリーズはいろいろなお話が盛り込まれてるのが小説版を読むとあらためてわかりますね。
個人的には第一シリーズの『最後の灯り』の回が再放送で見たと思うけど映画業界の物語でそれが印象に残ってました。
『同時多発誘拐』の回なども一見、スケールが大きいように見えながら実は孤児院の人たちが犯人だったというのは考えさせられなくもない。
杉下右京さんは個人的にどの話が好きですか?
私は「罪と罰」が個人的に好きです。好きというかなんか色々と考えさせられます。
今はTVシリーズ再放送しているので見れてない回を見れると嬉しくなります。
基本的に人情味ある話が好みでしょうか。
第一シリーズの『最後の灯り』、『亀山薫の憂鬱な日々』、第ニシリーズの『クイズ王』は些細なことから事件になってるのもあって印象的。
『同時多発誘拐』は冒頭のインパクトもありますが事件の顛末から考えさせられますね。
陣川さん登場の第三シリーズの『第三の男』もおもしろかった。『潜入捜査』なども右京や薫の意外な一面が見れたり『大統領の陰謀』なども凝ったつくりしてたと思います。
なにぶん小説はSeason3までしか所持してないので申し訳ありません。
トピック検索 |