自分的にスカッとする話や武勇伝

かーちゃんの話だけどラケットを半分に折った

自分は中学のときにＡにいじめられていた。何もなくいているだけで背中に蹴りを受けた。給食の牛乳を頭から浴びせられたこともある。テストのプリントを焼かれたこともある。Ａに殺意を抱いていたのも事実。Ａを殺すためにいろんなことをした。毒薬を作るために化学を勉強した。時限爆弾を作るために電子回路の勉強をした。トラップを作るために物理を勉強した。毒虫や毒性植物を調べたりした。法律の勉強もした。おかげで成績は伸びて、メーカー勤務できている。
ある年、実家に帰省したときに、俺をいじめていたＡが「用がある」と言って実家にくるという話を当時のクラスメートから聞いた。
自分は「逢いたくないから来なくて良い」と断ってもらったが、先方がどうしてもと引き下がらない。
なので「後悔しても責任は取らんよ」と言って逢うことになった。
当日、新聞記者や友人達を連れてＡが実家にやってきた。
中学のときのいじめを謝罪しに来たのだ。
Ａ「すまんかった。」
俺「謝らなくてもいいのに。」
記「許してやってね。」
母「そうだね。」
俺「許すかどうかは誰が決めるの？」
記「もちろん、あなたですよ。」
母「ほら、許してあげなさいよ。昔のことだから。」
俺「では、回答します。・・・許しません。」
記「・・・え？」
Ａ「え？」
母「え？」
俺「では、御用が済んだようなのでお引き取りください。ご苦労さまでした。」
記「ちょ、ちょっと待って。なんで許してあげないの？」
俺「許すか許さないかは俺が決めていいんだよね？」
記「そうだけど・・・」
俺「だから、許しません。お引き取りください。」
母「あんた何言ってるの？」
俺「『許してね』って言われたので『断る』って言ってる」
記「どういうこと？・・・謝らなくていいって言ったよね？」
俺「んーっと・・・。謝る／謝らないはＡの行動だよね。許す／許さないは俺の判断だよね。ここまではいい？」
記「うん」
俺「そうすると、謝って許される、謝って許されない、謝らずに許される、謝らず許されない、の４つのパターンが考えられる。」(って言いながらチラシの裏に表を書いていく)
Ａ「・・・」
俺「で、そっちは謝ったら許されるだろうと思っていたのかどうか知らないが、この件については謝っても許されないパターンです。以上。」
Ａ「どうやったら許してくれるの？」
俺「あ、何をやっても許さないので、何もしなくていいです。お引き取りください。」
記「え？待って待って、どういうこと？」
俺「だから、Ａが俺をいじめたことは何をやっても許されないから、謝らなくてもいい、って言ってる。謝っても謝らなくても許されない、つまり許すつもりは全く無いのだから、謝る必要は無いってこと。」
母「あんた、一体何言ってるの？」
俺「だから、わかんない人たちだなぁ。何をやっても許されないことをＡはやったんだよ。だから許さない。それだけ。」
Ａ「じゃぁ、俺はどうすればいいんだよ！」
俺「何もしなくていいんじゃない？『許さない』って言ってるだけで、『許してやるから何かしろ』って言ってるわけではない。」
記「どうしよう・・・こんなことってあるの？」
俺「最初に言ったはずだよ。後悔しても知らんよ、って。第一、許すとか許さないは俺の匙加減で決めていいんだよね？」
Ａ「そうだけど・・・」
俺「もちろん、そっちが決めて良いなら、勝手に決めてくれて良いよ。」
記「ってことは許すってこと？」
俺「違うよ。そっちが許すか許さないかを決めて良いなら、俺には全く関係ない案件なので、俺のいないところで勝手に決めてもらえばいい。俺は関与しない。」
記「それじゃぁ、許してもらうことにならないじゃん。」
俺「だから、俺は許さないって言ってるよ。」
Ａ「・・・」
俺「お前は俺をいじめた。その過去の事実は変わらない。お前は一生許してもらえないことをやったんだよ。俺に謝りに来なければ、許されないって知らないで過ごせたのに、謝りにくるから許されないって知ってしまった。ま、そういうこと。残念。さようなら。」
母「同級生でしょ？！なんでそんなこと言うの？！」
俺「地球には６０億の人が住んでいるらしい。その６０億分の１がどうなろうが、俺の知ったことではない。もっと身近にいる大切な人たちのことで精一杯だ。」
母「そんな言い方って・・・」
俺「だから、俺の知ったことではない。お引き取りください。」
記「どうすれば許してあげることになるの？」
俺「何度も言ってるでしょ？どうやっても許さないって。ここで切腹しようが、１億円、１０億円、いや１兆円積まれても許さないって。だから謝る必要もないし、今までどおり生活してもらって良いよ。」
記「あんたはどうしたいんだ？！」
俺「別に何もしないですよ。だってこっちがお願いして来てもらってるわけでもない。そっちが逢いたいって言うからわざわざ時間作ってここにいる。そっちがどうしたいかだよ。」
記「Ａは許して欲しいんだよ。」
俺「それは叶えられない願いだってことがさっき判明しましたよね。だから、今までどおり、普通に生活してればいいんじゃない？問題ないでしょ？」
記「？」
俺「だって今まで何にも問題なく生活できてたんでしょ？今までどおり生活すればいいんじゃない？まぁ、許されないってことを知ったぐらいじゃないかな、今までとこれからの違いって。」
Ａ「・・・」
俺「用が済んだらお引取りください。ご苦労さまでした。」

後で友人に聞いたら、新聞記者がＡの知り合いらしく、美談の記事を書こうと思っていたらしい。
まぁＡには謝る気は目いっぱいあったのも事実らしいけどね。
ただ、許さない。それだけ。

>2
周りが阿呆過ぎるな。誰が何と言おうと、他人を許さない自由もあるよね。茶番に付き合わされてお疲れさんでした。